【解決手段】外部容器11と、その外部容器11に収容される内部容器12と、外部容器11および内部容器12を閉じるバルブアッセンブリ13と、バルブアッセンブリ13に装着される押ボタン14とを備えた二重吐出容器10。この二重吐出容器10は、外部容器11と内部容器12の間の第1空間S1に原液Cを収容し、内部容器12内の第2空間S2に加圧剤Pを充填するための一液吐出用の二重吐出容器である。バルブアッセンブリ13は、第1空間S1と外部とを連通する原液通路と、第2空間S2と外部とを連通する加圧剤通路との2つの独立した通路を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1の二重吐出容器10は、外部容器11と、その外部容器11に収容される内部容器12と、外部容器11および内部容器12を閉じるバルブアッセンブリ13と、バルブアッセンブリ13に装着される押ボタン(吐出部材)14とを備えている。また、バルブアッセンブリ13に、バルブアッセンブリ13のステム26および押ボタン14を保護する保護キャップ15が装着されている。
この二重吐出容器10は、外部容器11と内部容器12の間の第1空間(原液収容部)S1に原液Cを収容し、内部容器12内の第2空間(ガス収容部)S2に加圧剤Pを充填するための一液吐出用の二重吐出容器である。
バルブアッセンブリ13は、第1空間(原液収容部)S1と外部とを連通する原液通路P1と、第2空間(ガス収容部)S2と外部とを連通する加圧剤通路P2との2つの独立した通路を備えている(
図5a、b、参照)。
押ボタン14は、バルブアッセンブリ13に装着したとき、加圧剤通路P2を閉じる閉止部20を備えている。
【0013】
外部容器11は、
図2a、bに示すように、円筒状の胴部11a、テーパ状の肩部11bおよび円筒状の首部11cを備えた有底筒状の容器である。首部11cの外周に外側突起11dが螺旋状に形成されている。そして、外部容器11の外側突起11dの下方には、第1シール材16の抜け落ちを防止する環状の段部11eが形成されている。そして、段部11eの上方であって、外側突起11dと段部11eとの間には、第1シール材16を内側から圧縮する外円筒部11fが形成されている(
図1、参照)。第1シール材16は、外部容器11内と外部との間をシールする。第1シール材16は、断面が円形であるリング状のガスケット(Oリング)である。外部容器11は、透明または半透明で、内部が視認できるようにするのが好ましい。
【0014】
図2に戻って、内部容器12は、実質的に外部容器11の内面と同一の形状を有し、円筒状の胴部12a、テーパ状の肩部12bおよび円筒状の首部12cを備えた可撓性を有する有底筒状の容器である。首部12cの上端に、外方に突出したフランジ部12dが形成されている。フランジ部12dは、外部容器11の首部(または開口部)上端に配置される。また、内部容器12は、フランジ部12dの下面から首部12cの外面、肩部12bの外面に向かって連続して形成された上下に延びる縦通路溝12eが複数本等間隔で環状に配列されている。この実施形態では、例えば、縦通路溝12eを4本設けている(
図2b参照)。しかし、その本数は特に限定されるものではなく、2〜8本が好ましい。なお、容器本体の胴部11aと内部容器の胴部12aとの間にも、内部容器の胴部12aが容器本体の胴部11aの内面に当接したときに原液通路を確保するためのリブや溝を設けてもよい。内部容器12も、透明または半透明で、内部が視認できるようにするのが好ましい。また、縦通路溝を、外部容器11の首部上面、首部および肩部の内面に設けてもよい。外部容器11と内部容器12との間に流体を充填することにより、内部容器12は
図2aの想像線のように潰れる。
【0015】
このような外部容器11および内部容器12は、特許文献1に記載されているように、首部に外側突起11dが形成された外部容器用のアウタープリフォームおよび縦通路溝12eおよびフランジ部12dを有する内部容器用のインナープリフォームを射出成型などにより個別に成型し、インナープリフォームをアウタープリフォームに挿入して二層プリフォームを準備し、次いで、この二層プリフォームを2軸延伸ブローなどで外部容器11および内部容器12の肩部以下の部位を同時に成型することによって成形することができる。このような成形方法を採用することにより、内部容器12の外形が、外部容器11の内面と実質的に当接する形状、つまり、外部容器の内面と実質的に同一形状とすることができる。しかし、双方を別々に成形し、内部容器12を潰しながら外部容器11内に挿入してもよい。
【0016】
外部容器11としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂を用いるのが好ましい。また、内部容器12としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いるのが好ましい。なお、外部容器と内部容器とで同じ材質の合成樹脂を用いてもよく、異なる材質の合成樹脂を用いてもよい。また、内部容器は拡縮変形(拡がったり潰れたり)しやすくするために、外部容器よりも薄肉にすることが好ましい。
【0017】
バルブアッセンブリ13は、
図3aに示すように、2つの流体を独立して遮断/連通するバルブ機構21と、そのバルブ機構を収容する筒状のバルブホルダー22と、そのバルブ機構21をバルブホルダー22内に固定するようにバルブホルダー22を覆うバルブカバー23と、バルブ機構21、バルブホルダー22およびバルブカバー23を外部容器11に固定するキャップ24とを備えている。
【0018】
バルブ機構21は、2つの独立した第1ステム内通路21aおよび第2ステム内通路21bとそれぞれ連通する第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bが形成されたステム26と、その第1ステム孔26aを閉じる環状の第1ステムラバー27aと、その第2ステム孔26bを閉じる環状の第2ステムラバー27bと、ステム26を常時上方に付勢する弾性体28と、第1ステムラバー27aおよび第2ステムラバー27bの間に設けられ、それらを支持する筒状の支持部材29とからなる。
ステム26は、下端が閉じられた内筒部31aおよび外筒部31bを同軸上に重ねたものであり、内筒部31aは、外筒部31bより上方にも下方にも突出している。そして、内筒部31aと外筒部31bの間の環状の空間が第1ステム内通路21aを構成し、その第1ステム内通路21aと同軸の内筒部31a内の円柱状の空間が第2ステム内通路21bを構成している。第1ステム孔26aは、第1ステム内通路21aの下部と連通するように、外筒部31aを半径方向に貫通して形成された孔である。第2ステム孔26bは、第1ステム孔26aより下方(外筒部31bより下方に突出した内筒部31a)に、第2ステム内通路21bの下部と連通するように、内筒部31aを半径方向に貫通して形成されている。
第1ステムラバー27aおよび第2ステムラバー27bは、それぞれその外端が支持部材29によってバルブホルダー22内に支持され、内端は第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bを塞ぐ。そして、ステム26が下方に移動することにより、第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bが第1ステムラバー27aおよび第2ステムラバー27bの内端から開放される(
図5a、b、参照)。
支持部材29には、その内外を連通するスリット29aが形成されている。
【0019】
バルブホルダー22は、
図3b、cに示すように、筒状のハウジング32と、その上端で連結され、ハウジングと同軸外方に設けられた筒状の栓部33とを備えている。
ハウジング32は、
図3bに示すように、側面にハウジングの内外を連通する第1連通
孔32aを有しており、下端にハウジングの内外を連通する第2連通孔32bを有している。また、ハウジング32の上端には、第1ステムラバー27aを支持する第1ラバー支持部32cが形成されており、内側面であって第1連通孔32aと第2連通孔32bの間に、第2ステムラバー27bを支持する第2ラバー支持部32dが形成されている。さらに、ハウジング32の第1連通孔32aより上方の上部32eは拡径している。そして、ハウジング32の底部には、上方に突出するように複数枚の板バネが設けられている。この板バネがバルブ機構21の弾性体28を構成する。この実施形態では、4枚の板バネが環状に等間隔で配列されている(
図3c、参照)。なお、独立したバネをハウジング32の底部とステム26との間に配置させてもよい。そして、ハウジング32の底部の下面中央には、第2連通孔32bと連通し、下方に突出する筒部32fが形成されている。弾性体28をハウジングと一体に成形することにより、非金属のバルブアッセンブリを構築することができる。
ハウジング32内は、バルブ機構21の第2ステムラバー27bによって2つの空間に分けられる。つまり、ハウジング32内は、第1ステムラバー27aと第2ステムラバー27bの間の空間(上空間)と、第2ステムラバー27bより下方の空間(下空間)とに分けられる。
【0020】
栓部33は、内部容器12の内面に沿って挿入される筒状の部位であり、その上面が第1連通孔32aと第2連通孔32bの間の位置にある。その下部側面に第2シール材17を保持する第2シール材保持部33aが形成されている。第2シール材17は、内部容器12(第2空間)内と外部(あるいは第1空間)との間をシールする(
図1、参照)。第2シール材17は、断面が円形であるリング状のガスケット(Oリング)である。また、栓部33の上部(または上端)側面には、内部容器12のフランジ部12dに配置される第3シール材18を保持する第3シール材保持部33bが形成されている。第3シール材18も、内部容器12(第2空間)内と外部(あるいは第1空間)との間をシールする(
図1、参照)。第3シール材18は、断面が扁平な長方形または正方形であるリング状のシール材である。なお、第2シール材17または第3シール材18は、いずれか一方のみの採用でもよい。
ハウジング32の外周であって、栓部33の上面には、上方に突出した突条33cが放射状に複数形成されている。この実施形態では、栓部33の上端面は、半径方向外側に少し突出したフランジ33dとなっており、内部容器12のフランジ部12dを介して外部容器11の上端に支持されている。そして、突条33cはこのフランジの先端まで伸びている。また、この実施形態では、突条33cを4本設けている(
図3c、参照)。なお、ハウジング32の外周面と栓部33の内周面との間に複数の補強板を設けてもよい。
【0021】
バルブカバー23は、
図3dに示すように、バルブホルダー22のハウジング32の開口部を閉じる天蓋部36と、その縁部から下方に延び、ハウジング32の外周に配置される筒部37と、その下端から半径方向外側に延びる環状のフランジ部38とを備えている。バルブカバー23は、フランジ部38とバルブホルダー22のフランジ33dとの間で第1連通孔32aと連通し、内部容器12の縦溝通路12eを介して第1空間(原液収容部)S1と連通するハウジング外通路を形成する。
天蓋部36の中央には、バルブ機構21のステム26を通す中心孔36aが形成されている。
【0022】
筒部37の内面には、ハウジング32の上部32eの下端と係合する係合突起37aが形成されている。そして、天蓋部36と係合突起37aとでバルブホルダー22を挟むことにより、バルブ機構21をバルブホルダー22(ハウジング32)に固定し、かつ、バルブホルダー22を保持する(
図3a、参照)。なお、筒部37の下部内面(係合突起37aより下方内面)は、ハウジング26の外周面と環状の隙間30を形成する(
図3a参照)。この隙間30は、前述したバルブホルダー22の突条33c間と連通している。
フランジ部38は、第1フランジ38aと、その第1フランジ38aの端部から下方に延びる段部38bと、その段部38bの下端から半径方向外側に延びる第2フランジ38cとを備えている。第1フランジ38aは、バルブホルダー22の栓部33の上端(突条33c)を覆うようにその上に配置される(
図3a、参照)。第2フランジ38cは、第3シール材18(内部容器12のフランジ部12d)を覆うようにその上に配置される(
図3a、参照)。なお、段部38bの内面から第2フランジ38cの下面に向かって連続して形成された下向き溝38dが複数本等間隔で形成されている(
図3a、d、参照)。
このように構成されているため、バルブカバー23のフランジ部とバルブホルダー22のフランジ33dとの間のハウジング外通路は、バルブカバー23の筒部37とバルブホルダー22のハウジング32の間(隙間30)と、第1フランジ38aと栓部33(フランジ33d)との間(突条33c間の空間)と、第2フランジ38cの下面と第3シール材18との間(下向き溝38d)とから構成される。なお、バルブカバー22のフランジ33dを第3シール材18の外端まで延ばすことにより、前記隙間30と前記突条33c間の空間とで、ハウジング外通路を構成してもよい。
【0023】
キャップ24は、
図3eに示すように、バルブカバー23の筒部37の外周面を覆う上筒部41と、その下端から半径方向外側に突出する環状の連結部(押圧部)42と、その外端から下方に延びる下筒部43とを備えている。連結部(押圧部)42は、バルブカバー23のフランジ部38を覆うようにその上に配置される(
図3a、参照)。その下面は、フランジ部38の上面と当接するように形成されている。
上筒部41の上端は、バルブカバー23の筒部37の上端と実質的に同じ高さとなっている。そのため、キャップ24とバルブカバー23の間は、上方を向いた環状の開口となる。
下筒部43の内面には、容器本体11の外側突起11dと螺合する内側突起43aが螺旋状に形成されている。そして、内側突起43aの下方であって、容器本体11の環状の段部11eの位置に内側突起43aの突起より若干拡径した内円筒部43bが形成されている。この内円筒部43bは、容器本体11の外円筒部11fとの間で第1シール材16を半径方向に圧縮する(
図1、参照)。また、下筒部43の上部外周には、保護キャップ15と係合する保護キャップ係合段部43cが形成されている。
【0024】
バルブホルダー22、バルブカバー23およびキャップ24は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂を用いるのが好ましい。それにより、非金属のバルブアッセンブリ13を構築することができる。
【0025】
押ボタン14は、
図4aに示すように、下面に形成された筒状のステム係合孔14aと、前面に設けられた噴射孔14bと、ステム係合孔14aと噴射孔14bとを連通するボタン内通路14cとを備えている。
ステム係合孔14aは、ステム26の外筒部31bを挿入する拡径孔46と、その上方に設けられ、ステム26の内筒部31aを挿入する縮径孔47とからなる。ボタン内通路14cは、拡径孔46の上部と連通している。そして、縮径孔47の上端は閉じている。縮径孔47の高さは、内筒部31aの外筒部31bに対する突出量より小さくなっている(
図1、参照)。そのため、ステム26がステム係合部14a内に挿入されたとき、内筒部31aの上部は縮径孔47内に配置されて、内筒部31aの下部および外筒部31bの上部は拡径孔46内に配置される。つまり、内筒部31aの上端が縮径孔47の上端で閉止され、外筒部31bの上方には、ボタン内通路14cと連通し、拡径孔46と内筒部31aによって囲まれる空間45が形成される(
図1、参照)。
噴射孔14bは、
図4aに戻って、メカニカルブレークアップ機構48を介してボタン内通路14cと連通している。詳しくは、押ボタン14の前面にボタン内通路14cと連通するように形成されたノズル挿入孔48aに、円柱状の中子48bが挿入され、その中子48bの前面に中心に噴射孔14bが形成されたカップ状の噴射ノズル48cが装着さ
れている。そのため、ボタン内通路14cを通った原液は、中子48bの外周を通り、噴射ノズル48cの裏面の溝を通り、旋回力が与えられながら噴射孔14bに向かう。しかし、用途に応じて他の噴霧機構が設けられてもよい。
このように押ボタン14は、バルブアッセンブリ13のステム26に装着することにより、ステム26の加圧剤通路P2(第2ステム内通路21b)の開口を閉じており、縮径孔47の上端面が閉止部として作用する。
【0026】
保護キャップ15は、
図4bに示すように、天面49を有する筒状のものである。天面49の中心には、ステム26の内筒部31aを挿入でき、外筒部31bを係止する加圧剤排出用のステム挿入孔49aが形成されている。そのため、保護キャップ15を裏返し、ステム26をステム挿入孔49aに挿入して押し下げることにより、ステム挿入孔49aの外周縁である天面49が外筒部31bの上端と係合して、ステム26を押し下げることができる。
【0027】
このように構成された二重吐出容器10は、押ボタン14を押し下げることにより、押ボタン14の噴射孔14bより原液Cを吐出することができる(
図5a参照)。詳しくは、押ボタン14を介してステム26を押し下げることにより、ステム26の第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bが開放される。しかし、押ボタン14の閉止部がステム26の第2ステム内通路21bの上端開口を閉止しているため、バルブアッセンブリ13の原液通路P1のみが開放される。つまり、内部容器12内(ガス収容部)の加圧剤Pが内部容器12を拡げるように押圧し、外部容器11と内部容器12との間の原液収容部が収縮され、原液Cが原液通路P1(原液通路)を介して噴射孔14bより吐出される。
ここでバルブアッセンブリ13の原液通路P1は、内部容器12の縦溝通路12eと連通したバルブカバー23のフランジ部38の外周とキャップ24との間、バルブカバー23のフランジ部38とバルブホルダー22のフランジ33dとの間のハウジング外通路、第1連通孔32a、バルブカバー23のハウジング32の上空間、ステム26の第1ステム内通路21aから構成される。
【0028】
一方、二重吐出容器10を廃棄するときは、押ボタン14を取り外し、
図5bに示すように、開口が下方を向くように設置した保護キャップ15の挿入孔49aにバルブアッセンブリ13のステム26の内筒部31aに挿入する。その状態で、外部容器11を押し下げることにより、加圧剤Pを下方に排出することができる。詳しくは、保護キャップ15を介してステム26を押し下げ、第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bを開放する。このとき、保護キャップ15の天面49がステム26の第1ステム内通路21a(外筒部31b)の上端開口を閉止するため、バルブアッセンブリ13の加圧剤通路P2のみが開放される。そして、内部容器12内(ガス収容部)の加圧剤Pが加圧剤通路P2を介してステム26より排出される。なお、第1ステム内通路21aが閉じているため、原液が残っていても飛散することがない。なお、加圧剤Pは保護キャップ15内に排出されるため飛び散りが防止される。
ここでバルブアッセンブリ13の加圧剤通路P2は、筒部32f、第2連通孔32b、バルブホルダー22のハウジング32の下空間、ステム26の第2ステム内通路21bから構成される。
【0029】
一方、二重吐出容器10への原液Cおよび加圧剤Pの充填方法は、外部容器11および内部容器12を
図2aのように成形し、バルブアッセンブリ13を装着する前に原液Cを内部容器12の縦通路溝12eから第1空間(原液収容部)S1に充填する。その後、バルブアッセンブリ13を外部容器11に組み付け、ステム26を押し下げて、加圧剤Pを、第1ステム内通路21aを塞ぎながら第2ステム内通路21bより加圧剤通路P2を介して第2空間(ガス収容部)S2に充填することによりできる。しかし、充填方法は特に限定されるものではなく、二重吐出容器10を組み付けた後に、それぞれ原液Cおよび加
圧剤Pをステム26から原液通路P1および加圧剤通路P2を介して充填してもよい。
【0030】
図6aの二重吐出容器50は、押ボタン51に加圧剤排出用の排出機構が設けられたものである。他の構成は、
図1の二重吐出容器10と実質的に同じものである。
図6aは、二重吐出容器50の使用状態を示すものである。
二重吐出容器50の押ボタン51は、加圧剤排出用のステム挿入孔52が形成されている。ステム挿入孔52は、ステム26の外筒部31bを挿入する拡径孔52aと、その上方に設けられ、ステム26の内筒部31aを挿入する縮径孔52bと、拡径孔52aと縮径孔52bとを繋ぐ段部52cとからなる。縮径孔52bの上端は開口している。他の構成は、
図1の押ボタン14と実質的に同じであり、ステム係合孔14a、噴射孔14b、ボタン内通路14cを有する。
【0031】
このように構成されているため、二重吐出容器50を廃棄するときは、
図6bに示すように、押ボタン51をステム26から取り外し、縮径孔52bの開口部が上を向くように押ボタン51を設置し、外部容器11を逆にしてステムの外筒部31bを縮径孔52bに挿入し、押ボタンの上面と外筒部31bの上端と係合させる。その状態で、外部容器11を押し下げることにより、ステム26が押し下げられ、加圧剤Pをステム挿入孔52内に排出することができる。また、原液が残っていても、外筒部31bの上端開口が押ボタン51の上面によって閉じられているため、原液が飛散することがない。
なお、使用状態は、
図1の吐出容器10と実質的に同じであり、ステム26をステム係合孔14aに挿入した押ボタン51を押し下げることにより、原液通路P1を通り、第1ステム内通路21aを介して噴射孔14bより原液が吐出される(
図6a、参照)。
【0032】
図7の二重吐出容器55も、押ボタン56に加圧剤排出用の排出機構が設けられたものである。他の構成は、
図1の二重吐出容器10と実質的に同じものである。
図7aは、二重吐出容器55の使用状態を示すものである。
二重吐出容器55の押ボタン56は、加圧剤の排出を補助する排出部材57が連結されている。詳しくは、押ボタン56の上面に、その排出部材57を保持する排出部材保持孔56bが形成されている。また、ステム係合孔14aの拡径孔46の下方に、さらに拡径した排出部材係合孔56aが形成されている。他の構成は、
図1の二重吐出容器10の押ボタン14と実質的に同じであり、噴射孔14bおよびボタン内通路14cを備えている。
排出部材57は、平板状のものであり、中心孔57aが設けられた凹部57bが形成されている。中心孔57aは、内筒部31aを通し、外筒部31bを通さない寸法(形状)であり、凹部57bは、外筒部31bを通す寸法(形状)となっている。排出部材57の凹部57bは、排出部材57の裏面から見ると突出しており、その突出した部分(凹部57bの裏面)が押ボタン56の排出部材保持孔56bに係合され、保持される。
【0033】
このように構成されているため、二重吐出容器55を廃棄するときは、
図7bに示すように、排出部材57を押ボタン56から取り外し、凹部57bが下を向くようにして、凹部57bの裏面をステム係合孔14aの排出部材係合孔56aに挿入する。この状態の押ボタン56にステム26を挿入することにより、内筒部31aの上端は、押ボタン56の縮径孔47に挿入されず、第2ステム内通路21bは閉止されない。一方、排出部材57の凹部57bが外筒部31bの上端開口を閉じ、第1ステム内通路21aが閉止される。そのため、この状態で押ボタン56を押し下げることにより、加圧剤Pを噴射孔14bから排出することができる。
なお、使用状態は、
図1の吐出容器10と実質的に同じであり、排出部材57を排出部材保持孔56bに取り付けた押ボタン56を押し下げることにより、第1ステム内通路21aを介して噴射孔14bより原液が吐出される。
【0034】
図8の二重吐出容器60は、
図1の二重吐出容器10とは逆に、外部容器11と内部容器12の間の第1空間(ガス収容部)S1に加圧剤Pを充填し、内部容器12内の第2空間(原液収容部)S2に原液を収容するための一液吐出型の二重吐出容器である。そのため、バルブアッセンブリ13の原液通路P1および加圧剤通路P2は、
図1の吐出容器10の原液通路P1および加圧剤通路P2と逆になる。
図8の二重吐出容器60は、押ボタン61以外は、
図1の二重吐出容器10と実質的に同じであり、外部容器11、内部容器12、バルブアッセンブリ13を備えている。
押ボタン61は、ボタン内通路14cがステム係合孔14aの縮径孔47の上部と連通している。そして、縮径孔47の高さが、内筒部31aの外筒部31bに対する突出量より大きくなっている。そのため、ステム26がステム係合部14a内に挿入されたとき、縮径孔47の上方(内筒部31aの上方)に空間65が形成される。一方、外筒部31bの上端開口(第1ステム内通路21a)の上端開口は縮径孔47と拡径孔46との間の段部によって閉じられる。他の構成は、
図1の押ボタン14と実質的に同じであり、ボタン内通路14cと連通した噴射孔14bを備えている。
このように押ボタン61は、バルブアッセンブリ13のステム26に装着することにより、ステム26の加圧剤通路P2(第1ステム内通路21a)の開口を閉じており、縮径孔47と拡径孔46との間の段部が閉止部として作用する。
また押ボタン61は、その上方に内筒部31aを通し、外筒部31bを通さない加圧剤排出用の凹み部61aが設けられている。この凹み部61aの高さは、内筒部31aの外筒部31bに対する突出量より小さくなっている。
【0035】
このように構成された二重吐出容器60は、押ボタン61を押し下げることにより、押ボタン61の噴射孔14bより原液Cを吐出することができる(
図8a参照)。詳しくは、押ボタン61を介してステム26を押し下げることにより、ステム26の第1ステム孔26aおよび第2ステム孔26bが開放される。しかし、押ボタン61の閉止部がステム26の第1ステム内通路21aの上端開口を閉止しているため、バルブアッセンブリ13の原液通路P1のみが開放される。
一方、二重吐出容器60を廃棄する場合、
図8bに示すように、押ボタン61を逆さにし、凹み部61aにステム26の内筒部31aを挿入することにより、凹み部61aの底部が内筒部31aの上端開口を閉じる。その状態で、押ボタン61aを押し下げると、原液通路P1(第2ステム内通路21b)を閉じた状態で、ステム26を押し下げることができる。そのため、外筒部31bの上端開口から加圧剤Pを押ボタン61の上面に向かって排出され、排出された加圧剤は押ボタンの上面に衝突して勢いが弱められる。また、原液が残っていても、内筒部31aの上端開口が閉じられているため、原液が飛散することがない。