特開2016-33270(P2016-33270A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-33270まつげエクステンション用人工毛の装着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-33270(P2016-33270A)
(43)【公開日】2016年3月10日
(54)【発明の名称】まつげエクステンション用人工毛の装着方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20160212BHJP
【FI】
   A41G5/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-155837(P2014-155837)
(22)【出願日】2014年7月31日
(71)【出願人】
【識別番号】508171826
【氏名又は名称】株式会社國井
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】松本 真理子
(57)【要約】
【課題】
まつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を実現し、元々まつげの少ない人にもボリューム感を与えることが出来るまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供する。
【解決手段】
まつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が上記まつげよりも細径に形成されており、上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように固定されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、
上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が上記まつげよりも細径に形成されており、
上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように固定されたことを特徴とするまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項2】
上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が0.01mmから0.12mmで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項3】
上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向において互いに異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする請求項2に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項4】
上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向と共に周方向において互いに異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする請求項2に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項5】
上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向において同一の位置、且つ周方向において異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする請求項2に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項6】
上記まつげエクステンション用人工毛は、接着剤により固定されることを特徴とする請求項1〜5に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつげに装着するエクステンション用人工毛の装着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、まつげに人工毛を装着して、まつげの長さを延長することは、まつげのボリューム感を増大させると共に、目を大きく見せる効果があることが知られており、このような効果を持つまつげ用人工毛は、女性を中心として広く利用されている。
【0003】
利用者は、自身で簡単に取付けることができる、いわゆる、つけまつげと称されるタイプのものを利用する方法、他方では、まつげ1本1本にまつげエクステンション用人工毛を装着する方法がある。後者の方法においては、より細かい作業が必要となるため、専門の店舗にて技師による施術を受けることが行われている。
【0004】
上記のような施術においては、まつげエクステンション用人工毛は、まつげよりも径の太いものが用いられ、まつげ1本に対して、まつげエクステンション用人工毛1本を接着により装着し、まつげの長さ延長によるボリューム感を得ることが出来る。
【0005】
しかしながら、まつげの本数には個人差があり、元々まつげの本数が少ない人もおり、上記のような装着方法にあっては、まつげ1本に対して、まつげエクステンション用人工毛1本を装着するために、まつげが少ない人は、まつげに充分なボリューム感を持たせることは困難であった。
【0006】
また、まつげよりも径の太いものが用いられるために、まつげエクステンション用人工毛の重量が大きく、接着により装着した後に、接着箇所にかかる負担やまつげ自体にかかる負担が大きくなってしまう。
【0007】
この結果として、装着したまつげエクステンション用人工毛の保ちが良くなく剥がれてしまったり、まつげ自体が抜け落ちてしまう原因にもなる。
【0008】
そこで、このような視点から出願人は特許文献を調査したところ、特許文献1を発見した。特許文献1には、本体に溝を形成することにより、ボリューム感を維持しながらも、エクステンション用まつげの重さを軽くした結果、まつげへの負担を軽減すると共につけ心地を改良したエクステンション用まつげが開示されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されたエクステンション用まつげは、まつげ1本に対して、エクステンション用まつげ1本を装着することが開示されており、新たな効果が得られる装着方法を提案するものではなく、元々まつげが少ない人に対しては充分な効果が得られると言えるものではなかった。
【特許文献1】登録実用新案第3168659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、まつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を実現し、元々まつげの少ない人にもボリューム感を与えることが出来るまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題達成のため、請求項1記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法であって、上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が上記まつげよりも細径に形成されており、上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように固定されたことを特徴とする。
【0012】
従って、請求項1記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、同じ長さ及び材質で構成された従来のまつげエクステンション用人工毛に比べて軽量である。また、まつげに対して所定の角度を有するように固定することにより、まつげの長さ方向の延長のみでなく、径方向においてもまつげを立体化させることが出来る。
【0013】
請求項2記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、上記まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径が0.01mmから0.12mmで形成されていることを特徴とする。
【0014】
一般にまつげの最大径部の直径は、0.07mmから0.15mmで形成されており、上記請求項2記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛にあっては、まつげよりも細径のまつげエクステンション用人工毛が選択可能となる。
【0015】
請求項3記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向において互いに異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向と共に周方向において互いに異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、上記まつげエクステンション用人工毛は、まつげの長さ方向において同一の位置、且つ周方向において異なる位置に複数本固定されていることを特徴とする。
【0018】
従って、請求項3〜5に記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげ1本あたりに複数本のまつげエクステンション用人工毛がまつげから分岐するように固定される。
【0019】
請求項6記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、上記まつげエクステンション用人工毛は、接着剤により固定されることを特徴とする。
【0020】
一般に、接着剤はグル―とも称され、アクリレート系の物質からなるものなどが従来より広く利用されている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、同じ長さ及び材質で構成された従来のまつげエクステンション用人工毛に比べて軽量であることにより、まつげ1本1本にかける負担を抑制すると共に、剥がれにくく保ちの良く、違和感のないつけ心地を有するまつげエクステンション用人工毛を提供することが出来る。
【0022】
まつげに掛かる負担を軽減することが出来ると共に、単にまつげを長さ方向に延長するのみでなく、まつげ径方向への立体化により、まつげのボリューム感を増大することが出来る。
【0023】
請求項2記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげよりも細径のまつげエクステンション用人工毛を適宜選択することが出来る。
【0024】
請求項3〜5に記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげから分岐するように複数のまつげエクステンション用人工毛が配設されることにより、各まつげのボリューム感を増大させることが出来る。
また、まつげ1本1本を立体化してボリューム感を増大させることにより、元々まつげの少ない人のまつげにおいても充分にボリューム感を増大させることが出来る。
【0025】
請求項6記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、従来広く用いられている方法により固定することが出来るため、装着の操作が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法の一実施の形態を示し、まつげの長さ方向と共に周方向において互いに異なる位置に3本のまつげエクステンション用人工毛を装着した状態のまつげの平面図である。
図2図2は、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法の一実施の形態を示し、まつげの長さ方向において同一の位置、且つ周方向において異なる位置に2本のまつげエクステンション用人工毛を装着した状態のまつげの平面図である。
図3図3は、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法の一実施の形態を示し、まつげエクステンション用人工毛をまつげへと取付ける過程を示した概念図である。
図4図4は、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法の一実施の形態を示し、複数のまつげに対して図1及び図2に示した装着方法を交互に配置した状態のまつげの平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛10の装着方法について実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
(装着方法)
本発明に係るまつげエクステンション用人工毛10の装着方法にあっては、図1及び図2に示すように、まつげ11に装着されるまつげエクステンション用人工毛10の装着方法であって、上記まつげエクステンション用人工毛10は、最大径部12の直径が上記まつげ11よりも細径に形成されている。
【0029】
図1及び図2においては、上記まつげエクステンション用人工毛10は、まつげエクステンション用人工毛長さ方向端部13が最大径部12aとして形成されており、直径は0.06mmである。毛先側であるまつげエクステンション用人工毛長さ方向他端部14に向って直径が次第に小さくなるように形成されている。
上記まつげエクステンション用人工毛10には、微小な湾曲(カール)が形成されている。
【0030】
上記まつげ11は、瞼端部22に毛根を有しており、該毛根側の端部であるまつげ長さ方向端部15が最大径部12bとなっており、直径は0.14mmであり、毛先側であるまつげ長さ方向他端部16に向って直径が次第に小さくなるように形成されている。
【0031】
上記まつげエクステンション用人工毛10が、上記まつげ11に対して、所定の角度αを有するように固定されている。
図1及び図2においては、まつげエクステンション用人工毛胴部18とまつげエクステンション用人工毛長さ方向端部13とまつげ胴部19によって形成される所定の角度αは10°に形成されている。
【0032】
上記まつげエクステンション用人工毛10は、接着剤(図示せず)により固定されている。
図3に示すように、上記まつげエクステンション用人工毛10を装着施術する専門の技師により、小型ピンセット20を用いて、まつげエクステンション用人工毛10を1本挟持された状態において、まつげエクステンション用人工毛長さ方向端部13の固定部21に接着剤(図示せず)が少量塗布される。
【0033】
小型ピンセット20は、上記のような細径のまつげエクステンション用人工毛10を把持しやすいように、互いに当接する先端部内側には粗面加工が施されている。
【0034】
固定部21に接着剤(図示せず)が少量塗布されたまつげエクステンション用人工毛10は、まつげ11に固定される。この際、まつげエクステンション用人工毛10は、まつげ11の径方向外方に向って湾曲(カール)するように揃えて固定される。この作業を1本のまつげ11に対して繰り返し行うことにより、複数本のまつげエクステンション用人工毛10が装着される。
【0035】
図1において、上記まつげエクステンション用人工毛10は、まつげ11の長さ方向と共に周方向において互いに異なる位置に複数本固定されている。本実施の形態においては、図1に示すように、3本がまつげ11に固定されている。
【0036】
上記3本のまつげエクステンション用人工毛10のうち、上記まつげエクステンション用人工毛10a、10bは、まつげ11の長さ方向において互いに異なる位置に2本固定されている。
【0037】
図2における上記まつげエクステンション用人工毛10は、まつげ11の長さ方向において同一の位置、且つ周方向において異なる位置に複数本固定されている。本実施の形態においては、図2に示すように、2本がまつげ11に固定されている。
【0038】
さらに図4においては、上記のように1本のまつげ11にまつげエクステンション用人工毛10が複数本固定されて装着されたものが複数本のまつげ11に施されている。
【0039】
本発明に係るまつげエクステンション用人工毛10を製造する場合には、ポリエステル原糸を、目的に合わせて所定の長さにカットし、カットされた原糸は一定の径毎に仕分けされ、湾曲(カール)を施すために目的とする湾曲を有する棒に巻き付けてオーブンにて2〜3時間に亘り熱乾燥させた後、冷却して製造される。
【0040】
以下、本実施の形態に係るまつげエクステンション用人工毛10の装着方法の作用について図面を用いて詳細に説明する。
【0041】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るまつげエクステンション用人工毛10はまつげ11よりも細径に形成されていることから、同じ長さ及び材質で構成された従来のまつげエクステンション用人工毛に比べて軽量であるため、まつげエクステンション用人工毛10の1本あたりにおけるまつげ11及びまつげ11への固定部20にかかる負荷が軽減される。
【0042】
小型ピンセット20にてまつげエクステンション用人工毛10を把持する際には、小型ピンセット20の互いに当接する先端部内側が、粗面加工が施されていることにより、細径のまつげエクステンション用人工毛10をしっかりと把持することが出来る。
【0043】
図1及び2に示すように、まつげエクステンション用人工毛10を、まつげ11に対して所定の角度αを有するように固定することにより、まつげ11の長さ方向の延長のみでなく、径方向においてもまつげ11を立体化させる。
【0044】
さらに図1から図4に示すように、まつげエクステンション用人工毛10にカールを形成させ、まつげ11の径方向外方に向ってカールするように固定することにより、同じ所定の角度αにて固定した場合に比べて、まつげエクステンション用人工毛他端部14が、よりまつげ11の径方向外方に広がることにより、まつげ11径方向において、立体化させることが出来る。
【0045】
また、例えば図4のように、さらに、上記装着施術を全てのまつげ11に施すことにより、まつげ11全体を長さ方向及び径方向に立体化させることが出来る。
【0046】
まつげ11が少なく、まつげ11の間隙が大きい人であっても、径方向にも立体化される上記装着方法によれば、全体を充分に立体化させることが出来る。
【0047】
上記実施の形態においては、接着剤(図示せず)を用いて固定する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の固定方法であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法は、まつげエクステンションを施す専門店等において広く利用されるものであり、産業上利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0049】
10 まつげエクステンション用人工毛
11 まつげ
12 最大径部
13 まつげエクステンション用人工毛長さ方向端部
14 まつげエクステンション用人工毛長さ方向他端部
15 まつげ長さ方向端部
16 まつげ長さ方向他端部
18 まつげエクステンション用人工毛胴部
19 まつげ胴部
20 小型ピンセット
21 固定部
22 瞼端部
図1
図2
図3
図4