特開2016-40210(P2016-40210A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-40210(P2016-40210A)
(43)【公開日】2016年3月24日
(54)【発明の名称】水素ガスの精製方法及びその精製装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/56 20060101AFI20160226BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20160226BHJP
【FI】
   C01B3/56 Z
   B01D53/04 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2014-164128(P2014-164128)
(22)【出願日】2014年8月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130580
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 靖
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和之
(72)【発明者】
【氏名】貝川 貴紀
【テーマコード(参考)】
4D012
4G140
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012BA02
4D012BA03
4D012CA07
4D012CB16
4D012CD01
4D012CE01
4D012CF02
4D012CH06
4D012CJ03
4D012CJ05
4D012CJ07
4G140FA06
4G140FB09
4G140FC02
4G140FE01
(57)【要約】
【課題】有機ケミカルハイドライド法等により取り出された水素ガスから不純物成分を除去し、高回収率で精製することが可能な水素ガスの精製方法及びその精製装置を提供する。
【解決手段】吸着剤が各々充填された2つの吸着塔10A、10Bを用いて、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する水素ガスの精製方法であって、吸着塔10A、10Bで、不純物成分を吸着剤に吸着させることにより、原料水素ガスから分離する吸着工程と、吸着工程を終えた吸着塔に対し、加熱したパージガスを供給することにより、吸着剤から不純物成分を脱着させる加熱再生工程とを少なくとも含む吸着サイクルを、各吸着塔10A、10Bにおいてそれぞれ繰り返し行い、かつ、一方の吸着塔で吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で吸着工程以外の工程を行うものであり、加熱再生工程は、パージガスを加熱しながら循環させて行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着剤が各々充填された一対の吸着塔を用いて、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する水素ガスの精製方法であって、
前記吸着塔で、前記不純物成分を前記吸着剤に吸着させることにより、前記原料水素ガスから分離する吸着工程と、
前記吸着工程を終えた吸着塔に対し、加熱したパージガスを供給することにより、前記吸着剤から前記不純物成分を脱着させる加熱再生工程とを少なくとも含む吸着サイクルを、各吸着塔においてそれぞれ繰り返し行い、
かつ、一方の吸着塔で前記吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で当該吸着工程以外の工程を行うものであり、
前記加熱再生工程は、前記パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた吸着塔に対し供給を行う水素ガスの精製方法。
【請求項2】
前記吸着サイクルは、
前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、
前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、
前記加熱再生工程の前に含む請求項1に記載の水素ガスの精製方法。
【請求項3】
前記吸着サイクルは、
前記加熱再生工程後の吸着塔に対し、前記パージガスを少なくとも加熱しないで、冷却ガスとして循環させ供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却させる冷却工程と、
前記冷却工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程とをさらに含む請求項1又は2に記載の水素ガスの精製方法。
【請求項4】
前記吸着サイクルは、
前記加熱再生工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程と、
前記昇圧工程後の吸着塔に対し、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、少なくとも加熱しない状態で供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却した後、当該精製後の水素ガスの一部を前記原料水素ガスと合流させて、前記吸着工程中の吸着塔に供給する冷却工程をさらに含む請求項1又は2に記載の水素ガスの精製方法。
【請求項5】
前記吸着サイクルは、
前記吸着工程直後の吸着塔に対し、加熱されていない前記パージガスを供給する再生準備工程と、
前記加熱再生工程直後の吸着塔に対し冷却ガスを供給することにより、充填されている前記吸着剤を冷却する冷却工程とをさらに含み、
前記吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であり、
前記再生準備工程及び加熱再生工程は、
前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記パージガスとして他方の吸着塔に供給した後、当該精製後の水素ガスを前記原料水素ガスと合流させ、当該吸着工程中の吸着塔に供給するものであり、
前記冷却工程は、
前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記冷却ガスとして他方の吸着塔に供給した後、当該精製後の水素ガスを前記原料水素ガスと合流させ、当該吸着工程中の吸着塔に供給するものである請求項1に記載の水素ガスの精製方法。
【請求項6】
前記加熱再生工程では、前記パージガスを冷却して、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させ、当該パージガス中に含まれる水素ガスと不純物成分の液体とに気液分離して、当該不純物成分の液体を回収する工程をさらに行う請求項1〜5の何れか1項に記載の水素ガスの精製方法。
【請求項7】
吸着剤が各々充填された一対の吸着塔を備え、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する水素ガスの精製装置であって、
前記吸着塔で、前記不純物成分を前記吸着剤に吸着させることにより、前記原料水素ガスから分離する吸着工程と、
前記吸着工程を終えた吸着塔に対し、加熱したパージガスを供給することにより、前記吸着剤から前記不純物成分を脱着させる加熱再生工程とを少なくとも含む吸着サイクルを、各吸着塔においてそれぞれ繰り返し行うものであり、
前記一対の吸着塔のうち、前記吸着工程を行う一方の吸着塔には前記原料水素ガスを供給し、当該吸着工程以外の工程を行う他方の吸着塔には当該原料水素ガスを供給しない原料供給手段と、
加熱された前記パージガスを循環させながら、前記加熱再生工程中の吸着塔に供給するパージガス循環路と、
前記パージガス循環路に接続され、前記パージガスを加熱する加熱手段とを備える水素ガスの精製装置。
【請求項8】
前記吸着サイクルは、
前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、
前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、前記加熱再生工程の前に含み、
前記残留ガスが流れる前記パージガス循環路には、前記精製後の水素ガスの一部を供給する精製水素ガス導入路が連通されている請求項7に記載の水素ガスの精製装置。
【請求項9】
前記吸着サイクルは、
前記加熱再生工程後の吸着塔に対し、前記パージガスを少なくとも加熱しないで、冷却ガスとして循環させ供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却させる冷却工程と、
前記冷却工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程とをさらに含み、
前記一対の吸着塔には、
前記パージガス循環路から分岐しており、前記冷却工程中の吸着塔に対し前記冷却ガスを循環して供給させるための冷却ガス循環路と、
前記吸着工程中の吸着塔から前記昇圧工程中の吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を供給するための昇圧路とが設けられ、
さらに、前記パージガス循環路には、前記冷却工程において前記冷却ガスを前記冷却ガス循環路に送り出すためのガス圧縮機が設けられている請求項8に記載の水素ガスの精製装置。
【請求項10】
前記吸着サイクルは、
前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、
前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、前記加熱再生工程の前に含み、
前記一対の吸着塔の間には、前記吸着工程中の吸着塔から前記再生準備工程を行う吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を供給するための他の精製水素ガス導入路が設けられている請求項7に記載の水素ガスの精製装置。
【請求項11】
前記吸着サイクルは、
前記加熱再生工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程と、
前記昇圧工程後の吸着塔に対し、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、少なくとも加熱しない状態で供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却した後、当該精製後の水素ガスの一部を前記原料水素ガスと合流させて、前記吸着工程中の吸着塔に供給する冷却工程をさらに含み、
前記原料供給手段には、前記パージガス循環路から分岐した冷却ガス導入路が接続されており、当該冷却ガス導入路は前記冷却工程で冷却ガスとして使用した精製後の水素ガスを当該原料供給手段に供給するものであり、
前記パージガス循環路には、前記冷却工程で使用した冷却ガスを前記冷却ガス導入路に送り出すガス圧縮機が設けられ、
前記他の精製水素ガス導入路は、前記昇圧工程又は冷却工程においても、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、当該昇圧工程中又は冷却工程中の吸着塔に供給する請求項10に記載の水素ガスの精製装置。
【請求項12】
前記吸着サイクルは、
前記吸着工程直後の吸着塔に対し、加熱されていない前記パージガスを供給する再生準備工程と、
前記加熱再生工程直後の吸着塔に対し冷却ガスを供給することにより、充填されている前記吸着剤を冷却する冷却工程とをさらに含み、
前記吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であり、
前記パージガス循環路には、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記パージガス又は冷却ガスとして、当該吸着工程以外の工程を行う吸着塔に供給するための、さらに他の精製水素ガス導入路が接続されており、
前記原料供給手段には、前記パージガス循環路から分岐したパージガス・冷却ガス導入路が接続されており、当該パージガス・冷却ガス導入路は、前記パージガス又は冷却ガスとして使用された精製後の水素ガスを当該原料供給手段に供給するものである請求項7に記載の水素ガスの精製装置。
【請求項13】
前記パージガス循環路には、
前記加熱再生工程において、前記パージガスを冷却させて、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させる冷却器と、
前記不純物成分の液体と前記パージガスに含まれる水素ガスに気液分離させ、当該不純物成分の液体を回収する気液分離器とが設けられている請求7〜12の何れか1項に記載の水素ガスの精製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素ガスの精製方法及びその精製装置に関するものであり、特にメチルシクロヘキサンやトルエン等の不純物成分を水素ガスから分離して除去することが可能な水素ガスの精製方法及びその精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水素ガスを輸送・貯蔵する方法として、有機ケミカルハイドライド法が注目を集めている(下記非特許文献1及び2参照)。この方法では、水素キャリアとして用いられる有機化合物を石油やガソリンと同様の取扱いとすることが可能で、取り扱い性も容易である。また、既存のインフラを活用することもできる。
【0003】
有機ケミカルハイドライド法は、具体的には、特定の有機化合物の水素化反応により水素を固定化する水素化工程と、水素ガスを取り出す脱水素工程とからなる。前記有機化合物は水素キャリアとして、その水素吸蔵量が約6質量%と高いものを用いることができる。例えば、前記有機化合物としてトルエンを用いた場合を例にすると、前記水素化工程は下記化学反応式(1)の通りとなり、前記脱水素工程は下記化学反応式(2)の通りとなる。
【0004】
【化1】
【0005】
前記化学反応式(1)で表される水素化工程は、従来、化学プラントで水添として一般的に用いられている技術である。例えば、上記の様にトルエンをメチルシクロヘキサンとするものの他に、ベンゼンをシクロヘキサンとするものやデカリンをナフタレンにするもの等が知られている。一方、前記化学反応式(2)で表される脱水素工程においては、最近、その反応を効率的に進行させることが可能な触媒が開発された(下記非特許文献2参照)。これにより、有機ケミカルハイドライド法を用いた水素の貯蔵・運搬の実用化が現実味を帯びてきている。
【0006】
しかし、有機ケミカルハイドライド法により取り出される水素ガスには、水素キャリアとして用いられたトルエンやメチルシクロヘキサンなどの有機化合物が不純物成分として混在してしまう。この不純物成分の存在量は少なくとも、全質量に対し0.1〜2質量%程度になると考えられている。エネルギー源として水素ガスの利用を考えた場合、例えば燃料電池車用として用いるときは、水素ガスの純度は、当該水素ガス中に混在するトータルのカーボン量で2ppm以下まで下げることが要求されている(ISO14687−2で規定)。したがって、有機ケミカルハイドライド法により貯蔵・運搬された水素を燃料電池車に供給して用いるためには、カーボン量、すなわち水素ガスに混在する有機化合物の量が前記の規定値以下となる様に、精製を行う必要がある。
【0007】
ここで、そのような水素ガスの精製方法としては、吸着剤を用いた吸着分離が考えられる。そしてそのような吸着分離方法としては、圧力スイング吸着(Pressure Swing Adsorption(PSA))法(下記特許文献1参照。)や温度スイング吸着(Thermal Swing Adsorption(TSA))法が挙げられる。しかし、前記PSA法においては、吸着剤に吸着された不純物を脱着し、再び不純物を吸着できるように再生するためには、吸着塔にパージガスとして水素ガスを多量に流すことが必要となる。パージガスとしては、精製後の水素ガスの純度を確保するために、その一部を流用することが多い。しかし、使用後のパージガスは排気されるため、精製水素ガスの回収率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−73923号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】坂口順一、「水素製造・吸蔵・貯蔵材料と安全化」、サイエンス&テクノロジー株式会社、p.272−280(2010)
【非特許文献2】岡田佳巳ら、化学工学、社団法人化学工学会、第77巻、1号、p.46−50(2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、有機ケミカルハイドライド法等により取り出された水素ガスから不純物成分を除去し、高回収率で精製することが可能な水素ガスの精製方法及びその精製装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題は、以下に述べる発明により解決される。
すなわち、本発明に係る水素ガスの精製方法は、前記の課題を解決する為に、吸着剤が各々充填された一対の吸着塔を用いて、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する水素ガスの精製方法であって、前記吸着塔で、前記不純物成分を前記吸着剤に吸着させることにより、前記原料水素ガスから分離する吸着工程と、前記吸着工程を終えた吸着塔に対し、加熱したパージガスを供給することにより、前記吸着剤から前記不純物成分を脱着させる加熱再生工程とを少なくとも含む吸着サイクルを、各吸着塔においてそれぞれ繰り返し行い、かつ、一方の吸着塔で前記吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で当該吸着工程以外の工程を行うものであり、前記加熱再生工程は、前記パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた吸着塔に対し供給を行うことを特徴とする。
【0012】
前記の構成によれば、本発明の水素ガスの精製方法は、少なくとも吸着工程と加熱再生工程を含む吸着サイクルを、2つの吸着塔においてそれぞれ繰り返し行う。また、吸着サイクルは、一方の吸着塔で吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で当該吸着工程以外の工程が行われる。そのため、本発明においては、原料水素ガスから不純物成分を吸着させて分離し精製する操作を、連続的に行うことができる。
【0013】
また、前記加熱再生工程においては、加熱されたパージガスを循環させながら、吸着工程後の吸着塔に供給を行うので、例えば、精製後の水素ガスをパージガスとして流した後、これを排気する従来のTSA法と比較して、パージガス量の大幅な削減が図れると共に、その回収が可能になる。その結果、精製された水素ガスの回収率の向上が図れる。尚、「前記吸着工程を終えた吸着塔」とは、吸着工程直後の吸着塔のほか、当該吸着工程を終えた吸着塔であって、その他の工程が実施されたものを含む意味である。
【0014】
前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、前記加熱再生工程の前に含むことが好ましい。
【0015】
前記の構成によれば、減圧工程を行うことにより、吸着工程後の吸着塔内の塔内圧を、例えば、大気圧程度にまで減圧させることができる。また、再生準備工程においては、減圧工程で排出させた残留ガスと、精製後の水素ガスの一部を混合させてパージガスとするので、精製後の水素ガスのみをパージガスとして使用する場合と比較して、当該精製後の水素ガスの使用量を低減することができる。
【0016】
前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記加熱再生工程後の吸着塔に対し、前記パージガスを少なくとも加熱しないで、冷却ガスとして循環させ供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却させる冷却工程と、前記冷却工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程とをさらに含むことが好ましい。
【0017】
従来のTSA法においては、冷却工程で一度吸着塔に流して使用した冷却ガスはそのまま排気されていた。そして、本発明の様に水素ガスの精製を行う場合においては、冷却ガスとして水素ガスを用いることになるので、従来の方法で冷却工程を行うと、排気した水素ガスの分だけ損失が発生し回収率の低下を招来していた。しかし、前記の構成であると、前記加熱再生工程で使用したパージガスに対し少なくとも加熱を止めることで、これを冷却ガスとして用いている。また、この冷却ガスを循環させて、加熱再生工程後の吸着塔に供給するので、従来のTSA法と比較して精製後の水素ガスの損失を抑制することができ、当該精製後の水素ガスの回収率の一層の向上が図れる。
【0018】
また前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記加熱再生工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程と、前記昇圧工程後の吸着塔に対し、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、少なくとも加熱しない状態で供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却した後、当該精製後の水素ガスの一部を前記原料水素ガスと合流させて、前記吸着工程中の吸着塔に供給する冷却工程をさらに含むことが好ましい。
【0019】
前記の構成であると、吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を冷却ガスとして用いるので、当該冷却ガスに不純物成分が混在するのを防止することができる。また、冷却に使用した冷却ガスは排気されることなく、原料水素ガスに合流させて吸着工程中の吸着塔に再度供給されるので、精製後の水素ガスの損失を抑制することができ、回収率の向上が図れる。
【0020】
尚、吸着工程中の吸着塔は昇圧された状態にあるが、冷却工程を行おうとする吸着塔に対し前記昇圧工程を行うことにより、2つの吸着塔の間に存在する圧力差を解消することができる。その結果、冷却工程で使用した冷却ガスの原料水素ガスへの合流を可能にすると共に、原料水素ガスの圧力低下も防ぐことができる。
【0021】
また前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記吸着工程直後の吸着塔に対し、加熱されていない前記パージガスを供給する再生準備工程と、前記加熱再生工程直後の吸着塔に対し冷却ガスを供給することにより、充填されている前記吸着剤を冷却する冷却工程とをさらに含み、前記吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であり、前記再生準備工程及び加熱再生工程は、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記パージガスとして他方の吸着塔に供給した後、当該精製後の水素ガスを前記原料水素ガスと合流させ、当該吸着工程中の吸着塔に供給するものであり、前記冷却工程は、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記冷却ガスとして他方の吸着塔に供給した後、当該精製後の水素ガスを前記原料水素ガスと合流させ、当該吸着工程中の吸着塔に供給するものであることが好ましい。
【0022】
前記の構成であると、吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であるので、再生準備工程を行う前に吸着塔の塔内の圧力を大気圧程度にまで減圧させる減圧工程を行う必要がない。さらに、加熱再生工程により吸着剤の再生が行われた吸着塔に対し、吸着工程を行うために塔内の圧力を高めるための昇圧工程を行う必要もない。従って、前記の構成においては、工程数を削減して効率良く水素ガスの精製が図れる。
【0023】
また、前記の構成では、再生準備工程及び加熱再生工程においては、吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、パージガスとして用いるので、不純物成分が混在するのを防止することができる。また、パージガスは排気されることなく、原料水素ガスに合流させて吸着工程中の吸着塔に再度供給されるので、精製後の水素ガスの損失を抑制することができ、回収率の向上が図れる。さらに、冷却工程においても、再生準備工程及び加熱再生工程の場合と同様に、精製後の水素ガスの一部を冷却ガスとして用いるので、不純物成分の混在を防止すると共に、使用後の冷却ガスは原料水素ガスに合流させるので、精製後の水素ガスの損失を抑制し収率の向上が図れる。
【0024】
また前記の構成に於いて、前記加熱再生工程では、前記パージガスを冷却して、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させ、当該パージガス中に含まれる水素ガスと不純物成分の液体とに気液分離して、当該不純物成分の液体を回収する工程をさらに行うことが好ましい。これにより、吸着剤に吸着させた不純物成分を溶剤として回収することが可能になる。その結果、例えば、本発明を、有機ケミカルハイドライド法により取り出された水素ガスの精製に用いる場合には、当該有機ケミカルハイドライド法に用いる溶剤としての再利用が図れる。
【0025】
また、本発明の水素ガスの精製装置は、前記の課題を解決する為に、吸着剤が各々充填された一対の吸着塔を備え、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する水素ガスの精製装置であって、前記吸着塔で、前記不純物成分を前記吸着剤に吸着させることにより、前記原料水素ガスから分離する吸着工程と、前記吸着工程を終えた吸着塔に対し、加熱したパージガスを供給することにより、前記吸着剤から前記不純物成分を脱着させる加熱再生工程とを少なくとも含む吸着サイクルを、各吸着塔においてそれぞれ繰り返し行うものであり、前記一対の吸着塔のうち、前記吸着工程を行う一方の吸着塔には前記原料水素ガスを供給し、当該吸着工程以外の工程を行う他方の吸着塔には当該原料水素ガスを供給しない原料供給手段と、加熱された前記パージガスを循環させながら、前記加熱再生工程中の吸着塔に供給するパージガス循環路と、前記パージガス循環路に接続され、前記パージガスを加熱する加熱手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
前記の構成によれば、本発明の水素ガスの精製装置は、少なくとも吸着工程と加熱再生工程を含む吸着サイクルを、一対の吸着塔においてそれぞれ繰り返し行う。また、吸着サイクルは、一方の吸着塔で吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で当該吸着工程以外の工程が行われる。そのため原料供給手段も、吸着工程を行う一方の吸着塔に対しては原料水素ガスを供給するが、他方の吸着塔に対しては原料水素ガスを供給しない。その結果、本発明においては、原料水素ガスから不純物成分を吸着させて分離し精製する操作を、連続的に行うことができる。
【0027】
また、本発明においては、加熱されたパージガスを循環させながら、加熱再生工程中の吸着塔に供給するパージガス循環路を備えているので、例えば、精製後の水素ガスをパージガスとして用いた後、これを排気する従来のTSA精製装置と比較して、パージガス量の大幅な削減が図れると共に、その回収が可能になる。その結果、精製された水素ガスの回収率を向上させることが可能な水素ガスの精製装置を提供することができる。
【0028】
前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、前記加熱再生工程の前に含み、前記残留ガスが流れる前記パージガス循環路には、前記精製後の水素ガスの一部を供給する精製水素ガス導入路が連通されていることが好ましい。
【0029】
前記の構成によれば、残留ガスが流れるパージガス循環路に、精製後の水素ガスの一部を供給する精製水素ガス導入路が連通されているので、再生準備工程においては、減圧工程で排出させた残留ガスと精製後の水素ガスの一部を混合させてパージガスとすることができる。そのため、精製後の水素ガスのみをパージガスとして使用する場合と比較して、当該精製後の水素ガスの使用量を低減することができる。尚、パージガスに精製後の水素ガスの一部を混合させるのは、加熱再生工程においてパージガス量が不足した場合、加熱再生工程において長時間を要してしまい、2塔切替式における連続的な水素ガスの精製が困難となるからである。そのため、前記構成においては、精製後の水素ガスの一部をパージガスに混合し、必要となるパージガス量の確保を図っている。
【0030】
前記の構成に於いては、前記吸着サイクルは、前記加熱再生工程後の吸着塔に対し、前記パージガスを少なくとも加熱しないで、冷却ガスとして循環させ供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却させる冷却工程と、前記冷却工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程とをさらに含み、前記一対の吸着塔には、前記パージガス循環路から分岐しており、前記冷却工程中の吸着塔に対し前記冷却ガスを循環して供給させるための冷却ガス循環路と、前記吸着工程中の吸着塔から前記昇圧工程中の吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を供給するための昇圧路とが設けられ、さらに、前記パージガス循環路には、前記冷却工程において前記冷却ガスを前記冷却ガス循環路に送り出すためのガス圧縮機が設けられていることが好ましい。
【0031】
従来のTSA法においては、冷却工程で一度吸着塔に流して使用した冷却ガスはそのまま排気されていた。そして、本発明の様に水素ガスの精製を行う場合においては、冷却ガスとして水素ガスを用いることになるので、従来の方法で冷却工程を行うと、排気した水素ガスの分だけ損失が発生し回収率の低下を招来していた。しかし、前記の構成であると、前記加熱再生工程で使用したパージガスに対し少なくとも加熱を止めることで、これを冷却ガスとして用いている。また、冷却ガス循環路及びガス圧縮機を用いて冷却ガスを循環させ、繰り返し冷却に用いるので、従来のTSA精製装置と比較して精製後の水素ガスの損失を抑制することができ、当該精製後の水素ガスの回収率の一層の向上が図れる。
【0032】
前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記吸着工程直後の吸着塔に対し、その内部に残留している前記残留ガスを排出させて減圧させる減圧工程と、前記残留ガスに、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を混合させて前記パージガスとし、当該パージガスを循環させながら、前記吸着工程を終えた前記吸着塔に供給する再生準備工程とを、前記加熱再生工程の前に含み、前記一対の吸着塔の間には、前記吸着工程中の吸着塔から前記再生準備工程を行う吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を供給するための他の精製水素ガス導入路が設けられていることが好ましい。
【0033】
前記の構成によれば、吸着工程中の吸着塔から再生準備工程を行う吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を供給するための他の精製水素ガス導入路が設けられているので、再生準備工程においては、減圧工程で排出させた残留ガスと精製後の水素ガスの一部を混合させてパージガスとすることができる。そのため、精製後の水素ガスのみをパージガスとして使用する場合と比較して、当該精製後の水素ガスの使用量を低減することができる。尚、パージガスに精製後の水素ガスの一部を混合させるのは、加熱再生工程においてパージガス量が不足した場合、加熱再生工程において長時間を要してしまい、2塔切替式における連続的な水素ガスの精製が困難となるからである。そのため、前記構成においては、精製後の水素ガスの一部をパージガスに混合し、必要となるパージガス量の確保を図っている。
【0034】
前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記加熱再生工程後の吸着塔に、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を供給することにより昇圧させる昇圧工程と、前記昇圧工程後の吸着塔に対し、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、少なくとも加熱しない状態で供給することにより、前記吸着剤を吸着可能となる温度まで冷却した後、当該精製後の水素ガスの一部を前記原料水素ガスと合流させて、前記吸着工程中の吸着塔に供給する冷却工程をさらに含み、前記原料供給手段には、前記パージガス循環路から分岐した冷却ガス導入路が接続されており、当該冷却ガス導入路は前記冷却工程で冷却ガスとして使用した精製後の水素ガスを当該原料供給手段に供給するものであり、前記パージガス循環路には、前記冷却工程で使用した冷却ガスを前記冷却ガス導入路に送り出すガス圧縮機が設けられ、前記他の精製水素ガス導入路は、前記昇圧工程又は冷却工程においても、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、当該昇圧工程中又は冷却工程中の吸着塔に供給することが好ましい。
【0035】
前記の構成であると、他の精製水素ガス導入路が吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を冷却工程中の吸着塔に供給し、当該精製後の水素ガスを冷却ガスとして用いるので、冷却ガスに不純物成分が混在するのを防止することができる。また、冷却に使用した冷却ガスは排気されることなく、冷却ガス導入路を通じて原料供給手段に流され、その後、原料水素ガスと共に吸着工程中の吸着塔に再び供給されるので、精製された水素ガスのロスを抑制することができ、回収率の向上が図れる。
【0036】
尚、吸着工程中の吸着塔は昇圧された状態にあるが、冷却工程を行おうとする吸着塔に対し、吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を導入する昇圧工程を行うことにより、2つの吸着塔の間に存在する圧力差を解消することができる。また、ガス圧縮機が、冷却工程で使用した冷却ガスを冷却ガス導入路に送り出すことにより、当該冷却ガスを原料水素ガスに合流させることが可能になる。
【0037】
また前記の構成に於いて、前記吸着サイクルは、前記吸着工程直後の吸着塔に対し、加熱されていない前記パージガスを供給する再生準備工程と、前記加熱再生工程直後の吸着塔に対し冷却ガスを供給することにより、充填されている前記吸着剤を冷却する冷却工程とをさらに含み、前記吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であり、前記パージガス循環路には、前記吸着工程中の吸着塔から排出される精製後の水素ガスの一部を、前記パージガス又は冷却ガスとして、当該吸着工程以外の工程を行う吸着塔に供給するための、さらに他の精製水素ガス導入路が接続されており、前記原料供給手段には、前記パージガス循環路から分岐したパージガス・冷却ガス導入路が接続されており、当該パージガス・冷却ガス導入路は、前記パージガス又は冷却ガスとして使用された精製後の水素ガスを当該原料供給手段に供給するものであることが好ましい。
【0038】
前記の構成であると、吸着工程以外の工程を行う吸着塔の塔内の圧力は、当該吸着工程を行うときと略同一であるので、再生準備工程を行う前に吸着塔の塔内の圧力を大気圧程度にまで減圧させる減圧工程を行う必要がない。さらに、加熱再生工程により吸着剤の再生が行われた吸着塔に対し、吸着工程を行うために塔内の圧力を高めるための昇圧工程を行う必要もない。従って、前記の構成の精製装置においては、工程数を削減して効率良く水素ガスの精製が図れる。
【0039】
また、前記の構成では、吸着工程中の吸着塔から当該吸着工程以外の工程を行う吸着塔に対し、精製後の水素ガスの一部を、前記パージガス又は冷却ガスとして供給するためのさらに他の精製水素ガス導入路が設けられている。そのため、パージガス又は冷却ガス中に不純物成分が混在するのを防止することができる。また、パージガス循環路から分岐したパージガス・冷却ガス導入路が、原料供給手段に接続されているので、使用後のパージガス又は冷却ガスを排気することなく、原料水素ガスに合流させることができる。これにより、パージガス又は冷却ガスとしての精製後の水素ガスを吸着工程中の吸着塔に再度供給できるので、精製後の水素ガスの損失を抑制し、回収率の向上が図れる。
【0040】
また、前記の構成に於いて、前記パージガス循環路には、前記加熱再生工程において、前記パージガスを冷却させて、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させる冷却器と、前記不純物成分の液体と前記パージガスに含まれる水素ガスに気液分離させ、当該不純物成分の液体を回収する気液分離器とが設けられていることが好ましい。これにより、吸着剤に吸着させた不純物成分を溶媒として回収することが可能になる。その結果、例えば、本発明を、有機ケミカルハイドライド法により取り出された水素ガスの精製に用いる場合には、当該有機ケミカルハイドライド法に適用可能な芳香族化合物を再利用可能なものとして回収することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、少なくとも吸着工程と加熱再生工程を含む吸着サイクルが、2つの吸着塔においてそれぞれ行われ、かつ、吸着サイクルは、一方の吸着塔で吸着工程が行われている間は、他方の吸着塔で当該吸着工程以外の工程が行われるように繰り返される。そのため、本発明においては、原料水素ガスから不純物成分を吸着させて分離し精製する操作を、連続的に行うことができ、水素ガスの精製の効率化が図れる。
【0042】
また、本発明によれば、加熱再生工程において、加熱されたパージガスを循環させながら、吸着工程後の吸着塔に供給を行うので、例えば、精製後の水素ガスをパージガスとして流した後、これを排気する従来のTSA法と比較して、パージガス量の大幅な削減が図れると共に、その回収が可能になる。その結果、高回収率で精製することが可能な水素ガスの精製方法及びその精製装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の実施の形態1に係るTSA方式の水素ガスの精製装置を表す概略系統図である。
図2】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、前記水素ガスの精製装置における各弁の開閉状態、ガス圧縮機及びガスヒーターの状態を示す図である。
図3】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ1でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図4】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ2でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図5】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ3でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図6】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ4でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図7】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ5でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図8】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ6でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図9】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ7でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図10】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ8でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図11】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ9でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図12】前記実施の形態1に係る水素ガスの精製方法におけるステップ10でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図13】本発明の実施の形態2に係るTSA方式の水素ガスの精製装置を表す概略系統図である。
図14】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、前記水素ガスの精製装置における各弁の開閉状態、ガス圧縮機及びガスヒーターの状態を示す図である。
図15】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ1でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図16】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ2でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図17】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ3でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図18】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ4でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図19】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ5でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図20】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ6でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図21】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ7でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図22】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ8でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図23】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ9でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図24】前記実施の形態2に係る水素ガスの精製方法におけるステップ10でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図25】本発明の実施の形態3に係るTSA方式の水素ガスの精製装置を表す概略系統図である。
図26】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法の各ステップについて、各吸着塔で行われる工程、前記水素ガスの精製装置における各弁の開閉状態、ガス圧縮機及びガスヒーターの状態を示す図である。
図27】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ1でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図28】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ2でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図29】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ3でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図30】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ4でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図31】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ5でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図32】前記実施の形態3に係る水素ガスの精製方法におけるステップ6でのガス流れ状態を表す概略系統図である。
図33】トルエン、メチルエチルヘキサン及び水素の吸着等温線を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(実施の形態1)
<水素ガスの精製装置>
本実施の形態1に係る水素ガスの精製装置について、図1を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大または縮小等して図示した部分がある。
【0045】
本実施の形態の水素ガスの精製装置1は、吸着剤が各々充填された第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bの2塔を用いて、温度スイング吸着(TSA)法により、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する装置である。
【0046】
本実施の形態に於いて、原料水素ガスとは、不純物成分としての有機化合物を含有する水素ガスを意味する。前記原料水素ガスとしては特に限定されないが、本実施の形態に於いては、例えば、有機ケミカルハイドライド法により取り出された水素ガスが挙げられる。このような水素ガスにおいては、トルエン−メチルシクロヘキサン(MCH)やシクロヘキサン−ベンゼン、デカリン−ナフタレン等の芳香族化合物ないしは水素化芳香族化合物が不純物成分として含まれている。また、水素ガスの精製装置1は、原料水素ガスとして前記の他に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、アルキルシクロペンタン又はアルキルシクロへキサンの少なくとも何れか1つを不純物成分として含むものにも適用可能である。従って、水素ガスの精製装置1の汎用性は高い。
【0047】
原料水素ガス中に含まれる不純物成分の濃度が通常の範囲内である限り、本実施の形態の水素ガスの精製装置1の使用が制限されることはない。例えば、原料水素ガス中に含まれる不純物成分の濃度が、数十ppm〜数%の範囲のものでも水素ガスの精製装置1に適用可能である。
【0048】
前記吸着剤としては特に限定されず、吸着させる不純物成分の種類等に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えばヤシ殻系活性炭(例えば、クラレケミカル(株)製ヤシ殻系活性炭、型番:2GG)、石炭系活性炭(例えば、クラレケミカル(株)製ヤシ殻系活性炭、型番:4GG)、ゼオライト(例えば、ゼオライト13X系等)、活性アルミナ等が挙げられる。これらの吸着剤のうち、活性炭は比較的無極性であり、有機化合物に強い親和性を示し、水分の存在下でも吸着性能が低下しないので、本実施の形態の吸着剤として好ましい。活性炭の吸着性能に関し、細孔径は吸着質の選択性を、比表面積は吸着容量を決定すると考えられる。そのため、多様な種類の不純物成分をガス吸着させたい場合には、細孔径分布が広い活性炭が有利であり、なかでも安価な前記ヤシ殻系活性炭は特に好ましい。これにより、精製コストの低減も図れる。
【0049】
前記吸着剤の充填量は特に限定されず、原料水素ガスの成分、流量、吸着サイクル時間、精製水素ガスの純度、吸着塔の運転圧力及び温度等の各要因を考慮して適宜設定され得る。
【0050】
第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔底部には、原料供給手段としての原料供給路21A、21Bがそれぞれ連通している。原料供給路21A、21Bには、それぞれ開閉弁101A、101Bが設けられており、これらを開閉制御することにより第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bへの原料水素ガスの供給とその停止を制御する。尚、原料供給路21A、21Bは原料供給路21から分流したものである。
【0051】
また、第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔頂部には、精製された水素ガス(以下、「精製水素ガス」という。)を排出するための精製水素ガス排出路24A、24Bがそれぞれ連通している。精製水素ガス排出路24A、24Bには、それぞれ開閉弁106A、106Bが設けられており、これらを開閉制御することにより第1吸着塔10A又は第2吸着塔10Bから精製水素ガスの排出又はその停止を制御する。尚、精製水素ガス排出路24A、24Bは精製水素ガス排出路24に合流する様に連通されている。
【0052】
原料供給路21A、21Bには、パージガス(詳細については、後述する。)を循環させるためのパージガス循環路22A、22Bがそれぞれ連通されている。さらに、パージガス循環路22A、22Bはパージガス循環路22に合流する様に連通している。パージガス循環路22には、第1冷却器11、気液分離器12、ガス圧縮機13及びガスヒーター(加熱手段)14が順次設けられている。第1冷却器11は、前記パージガスを冷却し、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させる機能を有する。気液分離器12は、前記残留ガス中に含まれている水素ガスと液体となった不純物成分の混合流体を、例えば、凝縮した液体を捕集分離することにより気液分離する機能を有する。この気液分離器12にはさらに有機溶剤排出路29が接続されており、前記気液分離された不純物成分の有機溶剤はこの有機溶剤排出路29から排出されることにより回収される。ガス圧縮機13は、前記パージガスや冷却ガスの供給圧力が比較的低い場合に、当該供給圧力を高めるために、圧縮したパージガスや冷却ガスを吐出する機能を有する。そのようなガス圧縮機13としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。ガスヒーター14は、前記パージガスを加熱する機能を有する。ガスヒーター14としては特に限定されず、例えば、電気式ステンレスシーズヒーターや蒸気式ヒーター等の公知のものを適用することができる。
【0053】
パージガス循環路22はパージガス循環路25A、25Bに分流するように連通している。さらに、パージガス循環路25A、25Bは、それぞれ精製水素ガス排出路24A、24Bと連通している。また、パージガス循環路25A、25Bには、それぞれ開閉弁104A、104Bが設けられており、これらを開閉制御することにより、精製水素ガス排出路24A、24Bへのパージガスの供給又はその停止を制御し、第1吸着塔10A又は第2吸着塔10Bに対するパージガスの循環供給を可能にしている。
【0054】
精製水素ガス排出路24は、精製水素ガスの一部が分流する様に精製水素ガス導入路28に連通している。この精製水素ガス導入路28には開閉弁109が設けられており、これを開閉制御することにより、精製水素ガスの一部をパージガス循環路25A、25Bに供給可能にしている。
【0055】
また、精製水素ガス排出路24A、24Bには、それぞれ冷却ガス循環路26A、26Bが連通されている。冷却ガス循環路26A、26Bは、冷却ガス循環路26に合流する様に連通しており、当該冷却ガス循環路26はパージガス循環路22に連通している。一方、このパージガス循環路22は、ガス圧縮機13とガスヒーター14の間で、冷却ガス循環路23に分流している。冷却ガス循環路23には、冷却ガスを冷却するための第2冷却器15が設けられており、さらに冷却ガス循環路23A、23Bに分流する様に接続されている。冷却ガス循環路23A、23Bは、それぞれ原料供給路21A、21Bに連通されている。さらに、冷却ガス循環路23A、23Bには、それぞれ開閉弁103A、103Bが設けられており、これらを開閉制御することにより、原料供給路21A、21Bへの冷却ガスの供給又はその停止を制御し、第1吸着塔10A又は第2吸着塔10Bに対する冷却ガスの循環供給を可能にしている。
【0056】
さらに、精製水素ガス排出路24A、24Bには、昇圧路27A、27Bが連通されている。そして、昇圧路27Aと昇圧路27Bの間には開閉弁107が設けられている。この開閉弁107を開弁することにより、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bの等内圧の均圧化が図れる。
【0057】
<水素ガスの精製方法>
次に、本実施の形態1に係る水素ガスの精製方法について、図2図12を参照しながら以下に説明する。
本実施の形態の水素ガスの精製方法はTSA法を採用したものであり、各吸着塔においては、(1)吸着工程、(2)減圧工程、(3)再生準備工程、(4)加熱再生工程、(5)冷却工程、(6)昇圧工程の吸着サイクルを順次繰り返す。また、一方の吸着塔で吸着工程が行われている間、他方の吸着塔では当該吸着工程以外の工程、より具体的には(2)減圧工程〜(6)昇圧工程が行われ、この様な切り換えを行いながら2つの吸着塔を稼働させることにより、連続的かつ効率的に原料水素ガスの精製を可能にしている。
【0058】
前記吸着工程は、吸着塔において、内部に充填された吸着剤を用いて、原料水素ガスから不純物成分を吸着分離し精製する工程である。原料水素ガスを吸着塔の塔底部から導入し、吸着剤に接触させることにより不純物成分のみを吸着させる。これにより、水素ガスの精製が行われる。供給する原料水素ガスの流量や温度は、適宜必要に応じて設定され得る。また、原料水素ガスの供給圧力は吸着塔内部の吸着圧力と同じ値にするのが好ましい。本工程の実施期間は特に限定されず、他方の吸着塔において(2)減圧工程〜(6)昇圧工程までの工程が行われている間、実施されていれば足りる。
【0059】
減圧工程は、吸着工程後の吸着塔の塔内圧を、例えば、大気圧付近まで減圧させる工程である。具体的には、吸着塔内に残留している残留ガスを塔底部から排出して行う。また、本工程では、気液分離器12に貯留されていた有機溶剤の回収も行う。この有機溶剤は、後述の加熱再生工程において、パージガスを冷却して不純物成分を液体に凝縮させた後に、当該パージガス中に含まれる水素ガスと不純物成分の液体とに気液分離させた際に生じる不純物成分の液体である。減圧工程の実施期間は特に限定されず、少なくとも前記吸着塔の塔内圧力が大気圧にまで減圧されれば次工程に移行することができる。
【0060】
再生準備工程は、後述の加熱再生工程で使用するパージガスを、一定の供給圧力で循環させる様にするための工程である。具体的には、先ず、前記減圧工程後の吸着塔から残留ガスを排出させ、この残留ガスを循環させる際に、吸着工程中の他方の吸着塔から排出される精製水素ガスの一部導入を行う。本工程は、パージガスとして、前記減圧工程後の吸着塔内部に残留する残留ガスのみを用いる結果、供給圧力が不足する場合に、そのような供給圧力の不足を精製水素ガスの導入により補うものである。パージガスの圧力が一定の値に達すると、精製水素ガスの導入は停止される。
【0061】
再生準備工程におけるパージガスの圧力の具体的な値については特に限定されない。但し、本工程においては、パージガスに対する加熱は行われない。また、パージガスの流量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定され得る。本工程の実施期間は特に限定されず、少なくともパージガスが一定の圧力に達すれば次工程に移行することができる。さらに、パージガスの流動方向については、吸着塔の塔頂部から塔底部に向かう方向にすることが好ましい。
【0062】
加熱再生工程は、吸着塔内に充填された吸着剤を再使用可能な状態にする工程である。具体的には、前記吸着塔に循環して供給されているパージガスをガスヒーター14により加熱し、この加熱されたパージガスを吸着剤に接触させることにより、吸着剤に吸着している不純物成分の脱着を図る。本工程を行うことにより、吸着剤は再生され、再び不純物成分の吸着が可能となる。また、本工程は加熱されたパージガスを循環させて行うので、多量の水素ガスをパージガスとして流した後にこれを排気する従来のTSA法と比較して、排気されるパージガス量の大幅な削減が図れる。その結果、精製された水素ガスの回収率の向上が図れる。
【0063】
加熱再生工程での吸着剤に対する加熱は、脱着させる不純物成分が気化する温度になるまで行われる。従って、ガスヒーター14によるパージガスの加熱温度は、脱着させたい不純物成分の種類に応じて適宜設定され得る。通常は、吸着塔における塔底部の温度を基準にした場合、活性炭では150℃〜250℃の範囲内で行われる。また、ゼオライトでは、200℃〜300℃の範囲内で行われる。尚、加熱温度の上限値については、吸着剤の耐熱温度を考慮して設定するのが好ましい。本工程の実施期間は特に限定されず、少なくとも吸着剤に対する脱着が完了すれば次工程に移行することができる。また、パージガスの流量は特に限定されず、適宜必要に応じて設定され得る。さらに、パージガスの流動方向については、吸着塔の塔頂部から塔底部に向かう方向にすることが好ましい。
【0064】
また、加熱再生工程においては、パージガス中に含まれている不純物成分を有機溶剤として分離させ回収する工程も併せて行うことができる。この工程は、具体的には、前記パージガスを冷却して不純物成分を液体に凝縮させた後、当該パージガス中に含まれる水素ガスと不純物成分の液体とに気液分離するものである。
【0065】
冷却工程は、吸着塔に冷却ガスを流すことにより、塔内に充填されている吸着剤を冷却する工程である。これにより、吸着剤の吸着能を再生させる。本工程で使用する冷却ガスは、一定の温度に冷却された前記パージガスである。従来のTSA法においては、冷却ガスとして精製水素ガスを用いており、しかも冷却工程で一度使用した冷却ガスはそのまま排気していた。しかし、本実施の形態に於いては、冷却ガスを循環させて、繰り返し吸着塔の冷却に用いるので、精製水素ガスのロスが抑制され、回収率の向上が図れる。尚、冷却ガスの冷却は第1冷却器11及び第2冷却器15を用いて行われる。また、冷却は、例えば、原料水素ガスの温度とほぼ同等となるまで行われるのが好ましい。
【0066】
昇圧工程(復圧工程)は、吸着工程中の吸着塔から排出される精製水素ガスの一部を、冷却工程後の吸着塔に導入することにより、両吸着塔の塔内圧力の均圧化を図る工程である。これにより、冷却工程後の吸着塔の塔内圧力を、吸着工程を行うのにより適した圧力まで昇圧させることができる。
【0067】
尚、減圧工程〜昇圧工程の各実施期間は、他方の吸着塔で吸着工程が行われている実施期間内に収まるように行われていればよく、その範囲内で適宜調整される。
【0068】
前記吸着サイクルにおける各工程においては、以上のような操作が行われるが、本実施の形態の水素ガスの精製装置1の動作と併せてさらに以下に説明する。図2に示すように、第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bは、ステップ1〜10の各段階で前記工程の何れかを行う。以下に、各ステップ毎に詳述する。
【0069】
1.ステップ1
図2及び図3に示すように、ステップ1の第1吸着塔10Aにおいては、吸着工程が行われる。すなわち、開閉弁101Aは開弁され、原料供給路21、21Aから第1吸着塔10Aの塔底部に対し原料水素ガスが供給される。原料水素ガスは、第1吸着塔10A内で不純物成分が吸着剤により吸着分離されることにより精製される。そして、精製水素ガスは、塔頂部から精製水素ガス排出路24A、24を介して排出される。尚、精製水素ガス排出路24Aにおける開閉弁106Aは開弁されている。
【0070】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、減圧工程が行われる。すなわち、開閉弁102Bが開弁され、第2吸着塔10B内に残留している残留ガスが、その塔底部からパージガス循環路22Bを介して排出される。そして、第2吸着塔10B内が、例えば、大気圧(0MPaG)まで減圧されると、開閉弁108を閉じて、減圧工程(すなわち、ステップ1)が終了する。尚、減圧工程においては、開閉弁108も開弁されており、これにより気液分離器12に貯留されていた不純物成分の有機溶剤が有機溶剤排出路29を介して排出され回収される。回収された有機溶剤は、例えば、有機ケミカルハイドライド法において使用される有機ケミカルハイドライド(芳香族化合物)として再利用することができる。
【0071】
2.ステップ2
図2及び図4に示すように、ステップ2の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0072】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、再生準備工程が行われる。すなわち、開閉弁102Bは前記減圧工程に引き続き開弁された状態である。また、開閉弁109の開弁により、第1吸着塔10Aから排出される精製水素ガスの一部が、精製水素ガス排出路24から精製水素ガス導入路28に分流する。さらに、開閉弁104Bも開弁するので、精製水素ガスは精製水素ガス導入路28からパージガス循環路25Bに流れ、当該パージガス循環路25Bにおいて残留ガスと合流しパージガスとなる。このパージガスは、第2吸着塔10Bに塔頂部から供給される。また、本工程においては、ガス圧縮機13も駆動させるので、これにより、パージガスはパージガス循環路22B、22、25Bを循環して流れる。精製水素ガスの一部の導入は、ガス圧縮機13の吸込圧力が一定の値に達したときに、開閉弁109を閉じることにより停止される。これにより、再生準備工程(すなわち、ステップ2)が終了する。
【0073】
3.ステップ3
図2及び図5に示すように、ステップ3の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0074】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、加熱再生工程が行われる。すなわち、前記ステップ2に引き続き、パージガスの循環を行いながら、ガスヒーター14を駆動させ、パージガスの加熱を行う。加熱されたパージガスが第2吸着塔10B内の吸着剤に接触すると、当該吸着剤の温度が上昇し、不純物成分の脱着が行われる。第2吸着塔10Bの塔底部における温度が設定温度に到達すると、開閉弁104B、102Bを閉じ、ガスヒーター14を停止する。これにより、加熱再生工程(すなわち、ステップ3)が終了する。尚、前記設定温度は、脱着させたい不純物成分が気化する温度等を考慮して決定される。
【0075】
尚、加熱再生工程においては、パージガス中に含まれている不純物成分の分離も行われる。すなわち、パージガス循環路22B、22を流れるパージガスは第1冷却器11に供給され、この第1冷却器11において冷却される。これにより、不純物成分が凝縮されて液体(有機溶剤)となる。冷却温度としては特に限定されず、少なくとも不純物成分が凝縮する温度以下であればよい。さらに、パージガスと不純物成分の有機溶剤の混合流体は、パージガス循環路22を介して気液分離器12に供給され、この気液分離器12において気液分離される。ここで、開閉弁108は開弁されているため、不純物成分の有機溶剤は有機溶剤排出路29を介して排出され回収される。
【0076】
4.ステップ4
図2及び図6に示すように、ステップ4の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0077】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、冷却工程が行われる。すなわち、開閉弁103B、105Bが開弁することで、前記パージガスが冷却ガスとして、冷却ガス循環路26B、パージガス循環路22、冷却ガス循環路23、23Bを循環した後、第2吸着塔10Bの塔底部に供給される。そして、第2吸着塔内に充填されている吸着剤に冷却ガスが接触することにより、当該吸着剤の冷却が行われる。その後、冷却ガスは塔頂部から排出され、再び冷却ガス循環路26Bを流れ循環する。前記冷却ガスは第1冷却器11及び第2冷却器15において冷却される。第2冷却器15が設けられているのは、ガス圧縮機13から吐出された冷却ガスの温度が高いことから、当該吐出された冷却ガスを冷却するためである。第2吸着塔10Bの塔頂部における温度が設定温度に到達すると、開閉弁103B、105Bを閉じ、冷却工程(すなわち、ステップ4)が終了する。
【0078】
5.ステップ5
図2及び図7に示すように、ステップ5の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0079】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、昇圧工程が行われる。すなわち、開閉弁107が開弁することで、第1吸着塔10Aから排出される精製水素ガスの一部を昇圧路27A、27Bを介して第2吸着塔10Bに供給する。これにより、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bの塔内圧の均圧化が図れ、第2吸着塔10Bの塔内圧を吸着工程により適した状態にする。第2吸着塔10Bの塔内圧が第1吸着塔10Aの塔内圧とほぼ同等になると、開閉弁107を閉じ、昇圧工程(すなわち、ステップ5)が終了する。
【0080】
6.ステップ6〜10
図2に示すように、ステップ6〜10においては、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて吸着サイクルが切り替わる。すなわち、ステップ5の終了と共に、第1吸着塔10Aにおける吸着工程が終了し、第2吸着塔10Bにおいて吸着工程が開始される。ステップ6〜10における水素ガスの精製装置1の詳細な動作については、図8図12に示す通りであり、前記ステップ1〜5と同様の操作を、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて逆にして行うものである。従って、それらの詳細については省略する。
【0081】
(実施の形態2)
<水素ガスの精製装置>
本実施の形態2に係る水素ガスの精製装置について、図13を参照しながら以下に説明する。尚、前記実施の形態1に係る水素ガスの精製装置1と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0082】
本実施の形態の水素ガスの精製装置2は、前記実施の形態1の場合と同様、吸着剤が各々充填された第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bの2塔を用いて、温度スイング吸着(TSA)法により、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する装置である。
【0083】
第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔底部には、原料供給路21A、21Bがそれぞれ連通している。また、原料供給路21A、21Bには、それぞれ開閉弁101A、101Bが設けられている。尚、原料供給路21A、21Bは原料供給路21から分流したものである。
【0084】
第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔頂部には、精製水素ガス排出路24A、24Bがそれぞれ連通している。また、精製水素ガス排出路24A、24Bには、それぞれ開閉弁106A、106Bが設けられている。また、精製水素ガス排出路24A、24Bは精製水素ガス排出路24に合流する様に連通している。
【0085】
原料供給路21A、21Bには、パージガス循環路22A、22Bがそれぞれ連通されている。また、パージガス循環路22A、22Bはパージガス循環路22に合流する様に連通している。さらに、パージガス循環路22には、第1冷却器11、気液分離器12、ガス圧縮機13、ガスヒーター14及び開閉弁110が順次設けられている。また、気液分離器12には有機溶剤排出路29が接続されている。
【0086】
パージガス循環路22はパージガス循環路25A、25Bに分流するように連通している。さらに、これらのパージガス循環路25A、25Bは、それぞれ精製水素ガス排出路24A、24Bと連通している。また、パージガス循環路25A、25Bには、それぞれ開閉弁104A、104Bが設けられている。
【0087】
一方、このパージガス循環路22は、ガス圧縮機13とガスヒーター14の間で、冷却ガス循環路23に分流している。冷却ガス循環路23には、冷却ガスを冷却するための第2冷却器15と、開閉状態を制御するための開閉弁111とが設けられている。さらに、第2冷却器15は冷却ガス導入路31に連通されており、この冷却ガス導入路31は原料供給路21に連通している。これにより、冷却ガスを原料供給路21に導入することが可能となっており、第1吸着塔10A又は第2吸着塔10Bに対する冷却ガスの循環供給を可能にしている。
【0088】
さらに、精製水素ガス排出路24A、24Bには他の精製水素ガス導入路30A、30Bが連通されており、当該他の精製水素ガス導入路30Aと他の精製水素ガス導入路30Bの間には開閉弁112が設けられている。この開閉弁112を開弁することにより、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bの間で、相互に精製水素ガスの一部の導入を可能にしている。また、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bの等内圧の均圧化も図れる。
【0089】
<水素ガスの精製方法>
次に、本実施の形態2に係る水素ガスの精製方法について、図14図24を参照しながら以下に説明する。
本実施の形態では、各吸着塔において、(1)吸着工程、(2)減圧工程、(3)再生準備工程、(4)加熱再生工程、(5)昇圧工程、(6)冷却工程の吸着サイクルを順次繰り返すものであり、前記実施の形態1の態様と比較して、冷却工程の前に昇圧工程を行う点が異なる。
【0090】
本実施の形態の吸着工程〜加熱再生工程、及び昇圧工程は、前記実施の形態1の場合と同様である。一方、本実施の形態の冷却工程においては、冷却ガスとして精製水素ガスの一部を使用する。そのため、冷却ガスに不純物成分が混在するのを防止することができる。そして、冷却に使用された冷却ガスは、第1冷却器11及び第2冷却器15により冷却された後、原料水素ガスと混合され、再び吸着工程を行っている吸着塔に供給される。そのため、精製水素ガスの損失を抑制することができ、回収率の向上が図れる。尚、第1冷却器11及び第2冷却器15による冷却は、原料水素ガスの温度とほぼ同等となるまで行われる。
【0091】
また、本実施の形態に於いて昇圧工程を冷却工程の前に行うのは、冷却工程で使用した冷却ガスを原料水素ガスに合流させ、当該原料水素ガスの供給圧力の低下を防止するためである。すなわち、吸着工程中の吸着塔は昇圧された状態にあるが、冷却工程を行おうとする吸着塔に対し、吸着工程中の吸着塔から排出される精製水素ガスの一部を導入する昇圧工程を行うことにより、2つの吸着塔の間に存在する圧力差の解消を図る。これにより、使用後の冷却ガスを原料水素ガスに合流させることが可能になる。
【0092】
前記吸着サイクルにおける各工程においては、以上のような操作が行われるが、本実施の形態の水素ガスの精製装置2の動作と併せてさらに以下に説明する。図14に示すように、第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bは、ステップ1〜10の各段階で前記工程の何れかを行う。以下に、各ステップ毎に詳述する。
【0093】
1.ステップ1
図14及び図15に示すように、ステップ1の第1吸着塔10Aにおいては、吸着工程が行われる。すなわち、開閉弁101Aは開弁され、原料供給路21、21Aから第1吸着塔10Aの塔底部に対し原料水素ガスが供給される。原料水素ガスは、第1吸着塔10A内で不純物成分が吸着剤により吸着分離されることにより精製される。そして、精製水素ガスは、塔頂部から精製水素ガス排出路24A、24を介して排出される。尚、精製水素ガス排出路24Aにおける開閉弁106Aは開弁されている。
【0094】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、減圧工程が行われる。すなわち、開閉弁102Bが開弁され、第2吸着塔10B内に残留している残留ガスが、その塔底部からパージガス循環路22Bを介して排出される。そして、第2吸着塔10B内が、例えば、大気圧(0MPaG)まで減圧されると、開閉弁108を閉じて、減圧工程(すなわち、ステップ1)が終了する。尚、減圧工程においては、開閉弁108も開弁されており、これにより気液分離器12に貯留されていた不純物成分の有機溶剤が有機溶剤排出路29を介して排出され回収される。回収された有機溶剤は、例えば、有機ケミカルハイドライド法において使用される有機ケミカルハイドライド(芳香族化合物)として再利用することができる。
【0095】
2.ステップ2
図14及び図16に示すように、ステップ2の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0096】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、再生準備工程が行われる。すなわち、開閉弁102Bは前記減圧工程に引き続き開弁された状態である。また、開閉弁112の開弁により、第1吸着塔10Aから排出される精製水素ガスの一部が、精製水素ガス導入路30A、30Bを介して、第2吸着塔10Bに供給される。これにより、精製水素ガスもパージガスとして循環する。さらに、この工程においては、開閉弁104B、110を開弁し、ガス圧縮機13も駆動させる。これにより、パージガスはパージガス循環路22B、22、25Bを循環して流れる。精製水素ガスの一部の導入は、ガス圧縮機13の吸込圧力が一定の値に達したときに、開閉弁112を閉じることにより停止される。これにより、再生準備工程(すなわち、ステップ2)が終了する。
【0097】
3.ステップ3
図14及び図17に示すように、ステップ3の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0098】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、加熱再生工程が行われる。すなわち、前記ステップ2に引き続き、パージガスの循環を行いながら、ガスヒーター14を駆動させ、パージガスの加熱を行う。加熱されたパージガスが第2吸着塔10B内の吸着剤に接触すると、当該吸着剤の温度が上昇し不純物成分の脱着が行われる。第2吸着塔10Bの塔底部における温度が設定温度に到達すると、開閉弁104B、110を閉じ、ガスヒーター14を停止する。これにより、加熱再生工程(すなわち、ステップ3)が終了する。尚、前記設定温度は、脱着させたい不純物成分が気化する温度等を考慮して決定される。
【0099】
尚、加熱再生工程においては、パージガス中に含まれている不純物成分の分離も行われる。すなわち、パージガス循環路22B、22を流れるパージガスは第1冷却器11において冷却される。これにより、不純物成分が凝縮されて液体(有機溶剤)となる。冷却温度としては特に限定されず、少なくとも不純物成分が凝縮する温度以下であればよい。さらに、パージガスと不純物成分の有機溶剤の混合流体は、パージガス循環路22を介して気液分離器12に供給され、この気液分離器12において気液分離される。ここで、開閉弁108は開弁されているため、不純物成分の有機溶剤は有機溶剤排出路29を介して排出され回収される。
【0100】
4.ステップ4
図14及び図18に示すように、ステップ4の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0101】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、昇圧工程が行われる。すなわち、開閉弁112が開弁することで、第1吸着塔10Aから排出される精製水素ガスの一部を精製水素ガス導入路30A、30Bを介して第2吸着塔10Bに供給する。これにより、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bの塔内圧の均圧化が図れ、第2吸着塔10Bの塔内圧を冷却工程が可能な加圧された状態にする。第2吸着塔10Bの塔内圧が第1吸着塔10Aの塔内圧とほぼ同等になると、昇圧工程(すなわち、ステップ4)が終了する。
【0102】
5.ステップ5
図14及び図19に示すように、ステップ5の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0103】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、冷却工程が行われる。すなわち、開閉弁112は前記昇圧工程に引き続き開弁された状態である。これにより、第2吸着塔内に充填されている吸着剤に冷却ガスが接触し、当該吸着剤の冷却が行われる。また、開閉弁102B、111を開弁することで、使用後の冷却ガスは、パージガス循環路22B、22、冷却ガス循環路23、31を循環した後、原料供給路21に供給される。また、この循環の際、冷却ガスは第1冷却器11及び第2冷却器15において冷却される。第2冷却器15が設けられているのは、ガス圧縮機13から吐出された冷却ガスの温度が高いことから、当該吐出された冷却ガスを冷却するためである。第2吸着塔10Bの塔底部における温度が設定温度に到達すると、開閉弁102B、111、112を閉じ、冷却工程(すなわち、ステップ5)が終了する。
【0104】
6.ステップ6〜10
図14に示すように、ステップ6〜10においては、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて吸着サイクルが切り替わる。すなわち、ステップ5の終了と共に、第1吸着塔10Aにおける吸着工程が終了し、第2吸着塔10Bにおいて吸着工程が開始される。ステップ6〜10における水素ガスの精製装置2の詳細な動作については、図20図24に示す通りであり、前記ステップ1〜5と同様の操作を、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて逆にして行うものである。従って、それらの詳細については省略する。
【0105】
(実施の形態3)
<水素ガスの精製装置>
本実施の形態3に係る水素ガスの精製装置について、図25を参照しながら以下に説明する。尚、前記実施の形態1に係る水素ガスの精製装置1又は実施の形態2に係る水素ガスの精製装置2と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0106】
本実施の形態の水素ガスの精製装置3は、前記実施の形態1又は2の場合と同様、吸着剤が各々充填された第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bの2塔を用いて、温度スイング吸着(TSA)法により、不純物成分を含有する原料水素ガスを精製する装置である。
【0107】
第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔底部には、原料供給路21A、21Bがそれぞれ連通している。また、原料供給路21A、21Bには、それぞれ開閉弁101A、101Bが設けられている。尚、原料供給路21A、21Bは原料供給路21から分流したものである。
【0108】
第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bの塔頂部には、精製水素ガス排出路24A、24Bがそれぞれ連通している。また、精製水素ガス排出路24A、24Bには、それぞれ開閉弁106A、106Bが設けられている。また、精製水素ガス排出路24A、24Bは精製水素ガス排出路24に合流する様に連通している。
【0109】
原料供給路21A、21Bには、パージガス循環路22A、22Bがそれぞれ連通されている。また、パージガス循環路22A、22Bはパージガス循環路22に合流する様に連通している。さらに、パージガス循環路22には、第1冷却器11及び気液分離器12が順次設けられている。また、気液分離器12には有機溶剤排出路29が接続されている。
【0110】
気液分離器12には、パージガス又は冷却ガスを原料供給路21に導くためのパージガス・冷却ガス導入路32が接続されている。パージガス・冷却ガス導入路32には、開閉状態を制御するための開閉弁113が設けられている。これにより、パージガス又は冷却ガスを原料供給路21に導入することが可能となっており、第1吸着塔10A又は第2吸着塔10Bに対するパージガス又は冷却ガスの循環供給を可能にしている。
【0111】
さらに、精製水素ガス排出路24には、さらに他の精製水素ガス導入路33が連通されている。精製水素ガス導入路33には、ガス圧縮機13及びガスヒーター14が順次設けられている。さらに、精製水素ガス導入路33は、パージガス循環路25A、25Bに分流するように連通している。また、パージガス循環路25A、25Bには、それぞれ開閉弁104A、104Bが設けられている。
【0112】
<水素ガスの精製方法>
次に、本実施の形態3に係る水素ガスの精製方法について、図26図32を参照しながら以下に説明する。
本実施の形態では、各吸着塔において、(1)吸着工程、(2)再生準備工程、(3)加熱再生工程、(4)冷却工程の吸着サイクルを順次繰り返すものであり、前記実施の形態1の態様と比較して、減圧工程及び昇圧工程が省略された点が異なる。
【0113】
本実施の形態の吸着工程は、前記実施の形態1、2の場合と同様である。一方、本実施の形態の再生準備工程においては、パージガスとして使用した精製水素ガスを原料水素ガスと混合させ、再び吸着工程を行っている吸着塔に供給する点が、実施の形態1、2の場合と異なる。これにより、本実施の形態に於いては、精製水素ガスの損失を抑制することができ、回収率の向上が図れる。
【0114】
また、本実施の形態の加熱再生工程においても、再生準備工程の場合と同様、パージガスとして使用した精製水素ガスを原料水素ガスと混合させ、再び吸着工程を行っている吸着塔に供給する点が、実施の形態1、2の場合と異なる。
【0115】
さらに、本実施の形態の冷却工程においては、冷却ガスとして精製水素ガスの一部を使用する。そのため、冷却ガスに不純物成分が混在するのを防止することができる。そして、冷却に使用された冷却ガスは、第1冷却器11により冷却された後、原料水素ガスと混合され、再び吸着工程を行っている吸着塔に供給される。そのため、精製水素ガスの損失を抑制することができ、回収率の向上が図れる。尚、第1冷却器11による冷却は、原料水素ガスの温度とほぼ同等となるまで行われる。
【0116】
尚、本実施の形態に於いては、吸着剤の再生を行う吸着塔に対し、吸着工程のときと同様の圧力条件下で行うので、減圧工程及び昇圧工程の省略を可能にしている。加えて、本実施の形態の水素ガスの精製装置3は前記実施の形態1、2の水素ガスの精製装置1、2と比較して、装置構造の簡略化を可能にしている。
【0117】
前記吸着サイクルにおける各工程においては、以上のような操作が行われるが、本実施の形態の水素ガスの精製装置3の動作と併せてさらに以下に説明する。図26に示すように、第1吸着塔10A及び第2吸着塔10Bは、ステップ1〜6の各段階で前記工程の何れかを行う。以下に、各ステップ毎に詳述する。
【0118】
1.ステップ1
図26及び図27に示すように、ステップ1の第1吸着塔10Aにおいては、吸着工程が行われる。すなわち、開閉弁101Aは開弁され、原料供給路21、21Aから第1吸着塔10Aの塔底部に対し原料水素ガスが供給される。原料水素ガスは、第1吸着塔10A内で不純物成分が吸着剤により吸着分離されることにより精製される。そして、精製水素ガスは、塔頂部から精製水素ガス排出路24A、24を介して排出される。尚、精製水素ガス排出路24Aにおける開閉弁106Aは開弁されている。
【0119】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、再生準備工程が行われる。すなわち、開閉弁104Bが開弁され、ガス圧縮機13を駆動させることにより、精製水素ガス排出路24から排出される精製水素ガスの一部を、パージガスとして第2吸着塔10Bに供給する。さらに、この工程においては、開閉弁102Bが開弁され、パージガスはパージガス循環路22及びパージガス・冷却ガス導入路32を介して原料供給路21に供給される。
【0120】
尚、再生準備工程においては、開閉弁108も開弁されており、これにより気液分離器12に貯留されていた不純物成分の有機溶剤が有機溶剤排出路29を介して排出され回収される。回収された有機溶剤は、例えば、有機ケミカルハイドライド法において使用される有機ケミカルハイドライド(芳香族化合物)として再利用することができる。
【0121】
2.ステップ2
図26及び図28に示すように、ステップ2の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0122】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、加熱再生工程が行われる。すなわち、開閉弁104A、102B及び113は引き続き開弁された状態である。そして前記ステップ1に引き続き、パージガスの循環を行いながら、ガスヒーター14を駆動させ、パージガスの加熱を行う。加熱されたパージガスが第2吸着塔10B内の吸着剤に接触すると、当該吸着剤の温度が上昇し不純物成分の脱着が行われる。第2吸着塔10Bの塔底部における温度が設定温度に到達すると、ガスヒーター14を停止する。これにより、加熱再生工程(すなわち、ステップ3)が終了する。尚、前記設定温度は、脱着させたい不純物成分が気化する温度等を考慮して決定される。
【0123】
尚、加熱再生工程においては、パージガス中に含まれている不純物成分の分離も行われる。すなわち、パージガス循環路22を流れるパージガスは第1冷却器11において冷却される。これにより、不純物成分が凝縮されて液体(有機溶剤)となる。さらに、パージガスと不純物成分の有機溶剤の混合流体は、パージガス循環路22を介して気液分離器12に供給され、この気液分離器12において気液分離される。開閉弁108は開弁されているため、不純物成分の有機溶剤は有機溶剤排出路29を介して排出される。回収された有機溶剤は、例えば、有機ケミカルハイドライド法において使用される有機ケミカルハイドライド(芳香族化合物)として再利用することができる。
【0124】
3.ステップ3
図26及び図29に示すように、ステップ3の第1吸着塔10Aにおいては、引き続き吸着工程が行われる。
【0125】
一方、第2吸着塔10Bにおいては、冷却工程が行われる。すなわち、開閉弁104B、102B及び113は引き続き開弁された状態である。これにより、第2吸着塔10B内に充填されている吸着剤に冷却ガスが接触し、当該吸着剤の冷却が行われる。また、開閉弁102B、113を開弁することで、使用後の冷却ガスは、パージガス循環路22B、22、パージガス・冷却ガス導入路32を循環した後、原料供給路21に供給される。また、この循環の際、冷却ガスは第1冷却器11において冷却される。第2吸着塔10Bの塔底部における温度が設定温度に到達すると、開閉弁102B、104Bを閉じ、冷却工程(すなわち、ステップ5)が終了する。
【0126】
尚、冷却工程においても、不純物成分の有機溶剤が有機溶剤排出路29を介して排出される。
【0127】
4.ステップ4〜6
図26に示すように、ステップ4〜6においては、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて吸着サイクルが切り替わる。すなわち、ステップ3の終了と共に、第1吸着塔10Aにおける吸着工程が終了し、第2吸着塔10Bにおいて吸着工程が開始される。ステップ4〜6における水素ガスの精製装置3の詳細な動作については、図31図32に示す通りであり、前記ステップ1〜3と同様の操作を、第1吸着塔10Aと第2吸着塔10Bにおいて逆にして行うものである。従って、それらの詳細については省略する。
【0128】
(その他の事項)
前記各実施の形態で説明した水素ガスの精製方法においては、さらに、TSA法を行うための工程を追加してもよい。この場合、水素ガスの精製装置1〜3においては、排出された精製水素ガスに対して、PSA法による精製を可能にするためのPSA装置を設けることができる。これにより、吸着工程で吸着塔により吸着できなかった他の不純物成分(例えば、メタン、エタンなど)を除去することができる。そして、PSA装置における吸着塔においては、吸着剤により吸着される成分が前記他の不純物成分のみとなることから、PSA装置においてもパージガス量を削減することができ、その結果、精製水素ガスの高回収率を維持できる。
【実施例】
【0129】
(水素ガスの精製装置)
以下に述べる各実施例においては、図1に示す水素ガスの精製装置1(図1参照)を用いて、図2図13に示す吸着サイクルを繰り返すことにより、原料水素ガスの精製のシミュレーションを行った。また、第1吸着塔10A、第2吸着塔10Bのサイズは以下の通りとした。
塔径:500mm
吸着塔径での吸着剤充填高さ:1.5m
吸着塔高さ(T.L間):2m
また、吸着剤の充填量は120kgとした。
【0130】
(吸着剤)
吸着剤として、ヤシ殻系活性炭(クラレケミカル(株)製ヤシ殻系活性炭、型番:2GG)を用いた。
【0131】
(吸着量の測定)
先ず、トルエン(純度99.5重量%以上、和光純薬工業株式会社製)、及びメチルシクロへキサン(以下、「MCH」という。純度98重量%以上、和光純薬工業株式会社製)の吸着量(静的吸着容量)について、自動ガス/蒸気吸着量測定装置(型番:BELSORP−18、日本ベル株式会社製)を用いて測定した。トルエンの試料の質量は0.1128g、MCHの試料の質量は0.1064gとした。また、吸着温度は303Kとした。結果を図33に示す。
【0132】
続いて、水素(純度99.95%以上)(エア・ウォーター株式会社製)の静的吸着容量について、高圧ガス吸着量測定装置(型番:BELSORP−miniII、日本ベル株式会社製)を用いて測定した。水素の試料の質量は0.2124gとした。また、吸着温度は303Kとした。結果を前記図33に示す。
【0133】
図33から明らかな通り、ヤシ殻系活性炭の吸着剤は、トルエン及びMCHに対し優れた吸着能を示す一方で、水素に対してはほとんど吸着しないことが確認された(例えば、分圧1kPaにおいて、静的吸着容量はそれぞれトルエン:90NL/kg(37wt%)、MCH:73NL/kg(32wt%)、水素:0.1NL/kg以下(0.001wt%以下)であった。)。従って、各実施例において述べる運転条件でのトルエン、MCH、水素の吸着量については、以下の通りに設定した。
トルエン:114NL/kg(47質量%)(トルエン濃度5400ppm)
MCH:87NL/kg(38質量%)(MCH濃度5400ppm)
水素:0.001質量%以下
【0134】
(実施例1)
図1に示す水素ガスの精製装置1を用いて、図2図13に示す吸着サイクルを繰り返すことにより、原料水素ガスの精製のシミュレーションを行った。
【0135】
先ず、原料水素ガスについては、トルエン含有濃度5400ppm(0.9MPaG、30℃における飽和蒸気量)、メチルシクロへキサン含有濃度0ppmとした。また、精製条件は、以下の通りとした。尚、吸着サイクル時間(1サイクル)は8時間とした。
【0136】
<吸着条件>
吸着時間:4時間
原料水素ガス流量:305Nm/h
1サイクル当りに吸着塔に供給される原料水素ガスの供給量=305Nm/hr×4hr=1220Nm
1サイクル当りに吸着塔から排出される精製水素ガス量=1.41Nm
供給圧力:0.9MPaG
原料水素ガスの温度:40℃
塔内圧力:0.9MPaG
<減圧工程>
減圧時間:0.5時間
【0137】
<再生準備工程>
再生準備時間:0.5時間
塔内圧力:0.01MPaG
【0138】
<加熱再生工程>
加熱再生時間:1.5時間
加熱再生温度(塔底部温度):160℃
パージガス温度:40℃
水素定圧比熱:0.304kcal/(K・Nm
パージガス流量:160Nm/h
塔内圧力:0.01MPaG
【0139】
<冷却工程>
冷却時間:1.0時間
冷却温度(塔頂部温度):40℃
冷却ガス温度:40℃
冷却ガス流量:160Nm/h
塔内圧力:0.01MPaG
【0140】
<昇圧工程>
昇圧時間:0.5時間
【0141】
前記精製条件下で原料水素ガスの精製シミュレーションを行った結果、精製水素ガス中におけるトルエン含有濃度を1ppm以下に低減することができた。また、水素ガスの水素回収率は99.88mol%であった。
【0142】
尚、水素ガスの回収率の値は、以下の式より算出した。
水素ガス回収率(mol%)=(1サイクル当りに吸着塔に導入される原料水素ガス量−1サイクル当りに吸着塔から排出される精製水素ガス量)/(1サイクル当りに吸着塔に供給される原料水素ガス量)×100
【0143】
(実施例2)
本実施例では、原料水素ガスを、トルエン含有濃度2700ppm、メチルシクロヘキサン含有濃度2700ppmのものとした。また、1サイクル当りに吸着塔から排出される精製水素ガス量を1.57Nmとした。それ以外は、前記実施例1と同様にして原料水素ガスの精製シミュレーションを行った。
その結果、精製水素ガス中におけるトルエン含有濃度及びメチルシクロヘキサン含有濃度を1ppm以下に低減することができた。また、水素ガスの水素回収率は99.87mol%であった。
【0144】
(実施例3)
本実施例では、原料水素ガスを、トルエン含有濃度0ppm、メチルシクロヘキサン含有濃度5400ppmのものとした。また、1サイクル当りに吸着塔から排出される精製水素ガス量を1.74Nmとした。それ以外は、前記実施例1と同様にして原料水素ガスの精製シミュレーションを行った。
その結果、精製水素ガス中におけるメチルシクロヘキサン含有濃度を1ppm以下に低減することができた。また、水素ガスの水素回収率は99.86mol%であった。
【0145】
(結果)
各実施例1〜3のシミュレーション結果から、本実施例の水素ガスの精製装置であると、不純物成分であるトルエン及びメチルシクロヘキサンを1ppm以下に低減することが可能であることが示された。これにより、例えば、燃料電池車への活用を可能にする水素ガスの利用基準も満たすことが分かった。また、水素ガスの回収率も99.86〜99.88mol%であり、従来のTSA法と比較して精製後の水素ガスの損失を低減できることが確認された。
【符号の説明】
【0146】
1、2 水素ガスの精製装置
10A 第1吸着塔
10B 第2吸着塔
11 第1冷却器
12 気液分離器
13 ガス圧縮機
14 ガスヒーター(加熱手段)
15 第2冷却器
21、21A、21B 原料供給路(原料供給手段)
22、22A、22B パージガス循環路
23、23A、23B 冷却ガス循環路
24、24A、24B 精製水素ガス排出路
25A、25B パージガス循環路
26、26A、26B 冷却ガス循環路
27A、27B 昇圧路
28 精製水素ガス導入路
29 有機溶剤排出路
30A、30B 他の精製水素ガス導入路
31 冷却ガス導入路
32 パージガス・冷却ガス導入路
33 精製水素ガス導入路
101A〜106A、101B〜106B、107〜113 開閉弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【手続補正書】
【提出日】2015年7月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
前記化学反応式(1)で表される水素化工程は、従来、化学プラントで水添として一般的に用いられている技術である。例えば、上記の様にトルエンをメチルシクロヘキサンとするものの他に、ベンゼンをシクロヘキサンとするものやナフタレンデカリンにするもの等が知られている。一方、前記化学反応式(2)で表される脱水素工程においては、最近、その反応を効率的に進行させることが可能な触媒が開発された(下記非特許文献2参照)。これにより、有機ケミカルハイドライド法を用いた水素の貯蔵・運搬の実用化が現実味を帯びてきている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
本実施の形態に於いて、原料水素ガスとは、不純物成分としての有機化合物を含有する水素ガスを意味する。前記原料水素ガスとしては特に限定されないが、本実施の形態に於いては、例えば、有機ケミカルハイドライド法により取り出された水素ガスが挙げられる。このような水素ガスにおいては、トルエン−メチルシクロヘキサン(MCH)やシクロヘキサン−ベンゼン、ナフタレンデカリン等の芳香族化合物ないしは水素化芳香族化合物が不純物成分として含まれている。また、水素ガスの精製装置1は、原料水素ガスとして前記の他に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、アルキルシクロペンタン又はアルキルシクロへキサンの少なくとも何れか1つを不純物成分として含むものにも適用可能である。従って、水素ガスの精製装置1の汎用性は高い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
原料供給路21A、21Bには、パージガス(詳細については、後述する。)を循環させるためのパージガス循環路22A、22Bがそれぞれ連通されている。さらに、パージガス循環路22A、22Bはパージガス循環路22に合流する様に連通している。パージガス循環路22には、第1冷却器11、気液分離器12、ガス圧縮機13及びガスヒーター(加熱手段)14が順次設けられている。第1冷却器11は、前記パージガスを冷却し、当該パージガス中に含まれる不純物成分を液体に凝縮させる機能を有する。気液分離器12は、前記残留ガス中に含まれている水素ガスと液体となった不純物成分の混合流体を、例えば、凝縮した液体を捕集分離することにより気液分離する機能を有する。この気液分離器12にはさらに有機溶剤排出路29が接続されており、前記気液分離された不純物成分の有機溶剤はこの有機溶剤排出路29から排出されることにより回収される。ガス圧縮機13は、前記パージガスや冷却ガスの供給圧力が比較的低い場合に、当該供給圧力を高めるために、圧縮したパージガスや冷却ガスを吐出する機能を有する。そのようなガス圧縮機13としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。ガスヒーター14は、前記パージガスを加熱する機能を有する。ガスヒーター14としては特に限定されず、例えば、電気式ステンレスシーズヒーターや蒸気式ヒーター等の公知のものを適用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
1.ステップ1
図2及び図3に示すように、ステップ1の第1吸着塔10Aにおいては、吸着工程が行われる。すなわち、開閉弁101Aは開弁され、原料供給路21、21Aから第1吸着塔10Aの塔底部に対し原料水素ガスが供給される。原料水素ガスは、第1吸着塔10A内で不純物成分が吸着剤により吸着分離されることにより精製される。そして、精製水素ガスは、塔頂部から精製水素ガス排出路24A、24を介して排出される。尚、精製水素ガス排出路24Aにおける開閉弁106Aは開弁されている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
1.ステップ1
図14及び図15に示すように、ステップ1の第1吸着塔10Aにおいては、吸着工程が行われる。すなわち、開閉弁101Aは開弁され、原料供給路21、21Aから第1吸着塔10Aの塔底部に対し原料水素ガスが供給される。原料水素ガスは、第1吸着塔10A内で不純物成分が吸着剤により吸着分離されることにより精製される。そして、精製水素ガスは、塔頂部から精製水素ガス排出路24A、24を介して排出される。尚、精製水素ガス排出路24Aにおける開閉弁106Aは開弁されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
図33から明らかな通り、ヤシ殻系活性炭の吸着剤は、トルエン及びMCHに対し優れた吸着能を示す一方で、水素に対してはほとんど吸着しないことが確認された(例えば、分圧1kPaにおいて、静的吸着容量はそれぞれトルエン:90NL/kg(37wt%)、MCH:73NL/kg(32wt%)、水素:0.1NL/kg以下(0.001wt%以下)であった。)。従って、各実施例において述べる運転条件でのトルエン、MCH、水素の吸着量については、以下の通りに設定した。
トルエン:114NL/kg(47質量%)(トルエン濃度5400ppm)
MCH:87NL/kg(38質量%)(MCH濃度5400ppm)
水素:0.001質量%以下