特開2016-40306(P2016-40306A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-40306(P2016-40306A)
(43)【公開日】2016年3月24日
(54)【発明の名称】矯味されたオーラルケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/35 20060101AFI20160226BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20160226BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20160226BHJP
【FI】
   A61K8/35
   A61Q11/00
   A61K8/34
   A61K8/42
   A61K8/92
   A61K8/19
   A61K8/27
   A61K8/33
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-209129(P2015-209129)
(22)【出願日】2015年10月23日
(62)【分割の表示】特願2013-553413(P2013-553413)の分割
【原出願日】2011年2月15日
(71)【出願人】
【識別番号】590002611
【氏名又は名称】コルゲート・パーモリブ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001874
【氏名又は名称】特許業務法人IPyS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ボート
(72)【発明者】
【氏名】カルステン・コース
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ウェイド・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・プレンチペ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB242
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB311
4C083AB331
4C083AB471
4C083AB472
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC211
4C083AC212
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC531
4C083AC532
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC782
4C083AC862
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD272
4C083AD352
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB41
4C083CC41
4C083EE31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分、フレーバー成分を含む組成物、並びにその製造方法及び使用方法の提供。
【解決手段】フレーバー成分には、シンナムアルデヒド、オイゲノール及びユーカリプトールを含む矯味剤、並びにL−メントール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、アネトール、ペパーミント油、スペアミント油及びコーンミントオイル又はそれらの2種或いはそれ以上の組み合せから選択される1種又はそれを超える香味付け剤が含み、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分。金属塩はクエン酸亜鉛である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンナムアルデヒド;オイゲノール;およびユーカリプトールを含む矯味剤;および
L−メントール;N−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;アネトール;ペパーミント油;スペアミント油;コーンミントオイル;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える香味付け剤
を含む、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分。
【請求項2】
0.1重量%を超えるシンナムアルデヒドを含む、請求項1記載のフレーバー成分。
【請求項3】
0.1重量%を超えるオイゲノールを含む、請求項1または2に記載のフレーバー成分。
【請求項4】
0.5重量%を超えるユーカリプトールを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項5】
1種またはそれを超える香味付け剤のうちの少なくとも1種がL−メントールである、請求項1から4のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項6】
1種またはそれを超える香味付け剤のうちの少なくとも1種がN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミドである請求項1から5のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項7】
1種またはそれを超える香味付け剤のうちの少なくとも1種がアネトールである、請求項1から6のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項8】
1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種がペパーミント油である、請求項1から7のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項9】
1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種がスペアミント油である、請求項1から8のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項10】
1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種がコーンミントオイルである、請求項1から9のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項11】
29.5重量%を超えるL−メントールを含む、請求項5から10のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項12】
4.5重量%を超えるN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミドを含む、請求項6から11のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項13】
14.5重量%未満のアネトールを含む、請求項7から12のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項14】
40.5重量%未満のペパーミント油を含む、請求項8から13のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項15】
5.5重量%未満のスペアミント油を含む、請求項9から14のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項16】
4.5重量%を超えるコーンミントオイルを含む、請求項10から15のいずれか1項に記載のフレーバー成分。
【請求項17】
29.5重量%を超えるL−メントール;
4.5重量%を超えるN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;
14.5重量%未満のアネトール;
0.1重量%を超えるシンナムアルデヒド;
0.1重量%を超えるオイゲノール;
0.5重量%を超えるユーカリプトール;
40.5重量%未満のペパーミント油;
5.5重量%未満のスペアミント油;および
4.5重量%を超えるコーンミントオイル
を含む、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分。
【請求項18】
約30から約50重量%のL−メントール;
約5から約10重量%のN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;
約5から約14重量%のアネトール;
約0.1から約1重量%のシンナムアルデヒド;
約0.1から約1重量%のオイゲノール;
約1から約5重量%のユーカリプトール;
約20から約40重量%のペパーミント油;
約1から約5重量%のスペアミント油;および
約5から約10重量%のコーンミントオイル
を含む、請求項17に記載のフレーバー成分。
【請求項19】
約35から約45重量%のL−メントール;
約5から約8重量%のN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;
約8から約12重量%のアネトール;
約0.5から約0.9重量%のシンナムアルデヒド;
約0.5から約0.9重量%のオイゲノール;
約2から約4重量%のユーカリプトール;および
約22から約27重量%のペパーミント油
を含む、請求項17または18に記載のフレーバー成分。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載のフレーバー成分;
亜鉛塩;カルシウム塩;銅塩;鉄塩;マグネシウム塩;マンガン塩;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える金属塩;および
口腔的に許容し得る不活性成分
を含むオーラルケア組成物であって、ここに該1種またはそれを超える金属塩の合計濃度が組成物の約0.01から約5重量%である、該組成物。
【請求項21】
該1種またはそれを超える金属塩の少なくとも1種が、酸化亜鉛;硫酸亜鉛;塩化亜鉛;クエン酸亜鉛;乳酸亜鉛;グルコン酸亜鉛;マレイン酸亜鉛;酒石酸亜鉛;炭酸亜鉛;リン酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される亜鉛塩である、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
亜鉛塩が酸化亜鉛;クエン酸亜鉛;グルコン酸亜鉛;グリシン亜鉛;乳酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される、請求項20または21に記載の組成物。
【請求項23】
亜鉛塩が酸化亜鉛;クエン酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される、請求項20から22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
亜鉛塩がクエン酸亜鉛である、請求項20から23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
金属塩が約0.1から約4重量%の濃度で存在する、請求項20から24のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
金属塩が約1から約3重量%の濃度で存在する、請求項20から25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
金属塩が約2重量%の濃度で存在する、請求項20から26のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
フレーバー油成分が約0.5から約2.5重量%の濃度で存在する、請求項20から27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
フレーバー油成分が約0.8から約1.5重量%の濃度で存在する、請求項20から28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
フレーバー油成分が約1重量%の濃度で存在する、請求項20から29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
さらに、フッ化物イオン源;歯石コントロール剤;緩衝化剤;研磨剤;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える成分を含む、請求項20から30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
該1種またはそれを超える成分の少なくとも1種が、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択されるフッ化物イオン源である、請求項20から31のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
金属塩を含有するオーラルケア組成物の味プロフィールを改善することに対する進行している要望が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の幾つかの実施形態は、矯味剤;および1種またはそれを超える香味付け剤を含む、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するためのフレーバー成分を提供する。
【0003】
他の実施形態は、本願明細書に記載するいずれか1種のフレーバー成分を含む組成物を提供する。さらに、 実施形態は、フレーバー成分および組成物を調製および使用する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書を通して用いる範囲は、その範囲内に存在する各値およびすべての値を記載する省略表現として用いている。その範囲内のいずれの値も、その範囲の末端として選択することができる。
【0005】
本明細書に引用するすべての文献は、出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0006】
本明細書中の定義と引用した文献の定義とが矛盾する場合は、本明細書が制御する。
【0007】
幾つかの実施形態において、本発明は、シンナムアルデヒド;オイゲノール;およびユーカリプトールを含む矯味剤;およびL−メントール;N−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;アネトール;ペパーミント油;スペアミント油;コーンミントオイル;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える香味付け剤を含む、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分を提供する。
【0008】
幾つかの実施形態において、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種はL−メントールである。幾つかの実施形態において、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種はN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミドである。さらなる実施形態において、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種はアネトールである。他の実施形態において、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種はペパーミント油である。未だ他の実施形態は、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種がスペアミント油であるフレーバー成分を提供する。一方、他の実施形態は、1種またはそれを超える香味付け剤の少なくとも1種がコーンミントオイルであるフレーバー成分を提供する。
【0009】
幾つかの実施形態には、29.5重量%を超えるL−メントールが含まれる。他の実施形態には、4.5重量%を超えるN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミドが含まれる。さらなる実施形態には、14.5重量%未満のアネトールが含まれる。幾つかの実施形態において、フレーバー成分には、40.5重量%未満のペパーミント油が含まれる。未だ他の実施形態には、5.5重量%未満のスペアミント油が含まれる。幾つかの実施形態には、4.5重量%を超えるコーンミントオイルが含まれる。
【0010】
幾つかの実施形態において、本発明は、L−メントール;N−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;アネトール;シンナムアルデヒド;オイゲノール;ユーカリプトール;ペパーミント油;スペアミント油;およびコーンミントオイルを含む、金属塩を含有するオーラルケア組成物に使用するフレーバー成分を提供する。
【0011】
幾つかの実施形態は、29.5重量%を超えるL−メントール;4.5重量%を超えるN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;14.5重量%未満のアネトール;0.1重量%を超えるシンナムアルデヒド;0.1重量%を超えるオイゲノール;0.5重量%を超えるユーカリプトール;40.5重量%未満のペパーミント油;5.5重量%未満のスペアミント油;および4.5重量%を超えるコーンミントオイルを含むフレーバー成分を提供する。
【0012】
幾つかの実施形態において、フレーバー成分には、約30から約50重量%のL−メントール;約5から約10重量%のN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;約5から約14重量%のアネトール;約0.1から約1重量%のシンナムアルデヒド;約0.1から約1重量%のオイゲノール;約1から約5重量%のユーカリプトール;約20から約40重量%のペパーミント油;約1から約5重量%のスペアミント油;および約5から約10重量%のコーンミントオイルが含まれる。
【0013】
幾つかの実施形態は、約35から約45重量%のL−メントール;約5から約8重量%のN−エチル−パラ−メンタン−3−カルボキサミド;約8から約12重量%のアネトール;約0.5から約0.9重量%のシンナムアルデヒド;約0.5から約0.9重量%のオイゲノール;約2から約4重量%のユーカリプトール;および約22から約27重量%のペパーミント油を含むフレーバー成分を提供する。
【0014】
幾つかの実施形態は、本願明細書に記載するいずれか1種のフレーバー成分;亜鉛塩;カルシウム塩;銅塩;鉄塩;マグネシウム塩;マンガン塩;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える金属塩;および口腔的に許容し得る不活性成分を含むオーラルケア組成物を提供する。
【0015】
幾つかの実施形態において、1種またはそれを超える金属塩の少なくとも1種は、酸化亜鉛;硫酸亜鉛;塩化亜鉛;クエン酸亜鉛;乳酸亜鉛;グルコン酸亜鉛;マレイン酸亜鉛;酒石酸亜鉛;炭酸亜鉛;リン酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される亜鉛塩である。幾つかの実施形態において、亜鉛塩は、酸化亜鉛;クエン酸亜鉛;グルコン酸亜鉛;乳酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される。他の実施形態において、亜鉛塩は、酸化亜鉛;クエン酸亜鉛;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される。幾つかの実施形態において、亜鉛塩はクエン酸亜鉛である。
【0016】
幾つかの実施形態において、金属塩は、組成物の約0.01%から約5重量%の濃度で存在する。他の実施形態において、金属塩は、組成物の約0.1から約4重量%の濃度で存在する。一方、他の実施形態は、金属塩が約1から約3重量%の濃度で存在する組成物を提供する。幾つかの実施形態において、金属塩は組成物の約2重量%の濃度で存在する。
【0017】
幾つかの実施形態において、フレーバー油成分は約0.5から約2.5重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態は、フレーバー油成分が約0.8から約1.5重量%の濃度で存在する組成物を提供する。他の実施形態は、フレーバー油成分が約1重量%の濃度で存在する組成物を提供する。
【0018】
幾つかの実施形態において、組成物には、さらに、フッ化物イオン源;歯石コントロール剤;緩衝化剤;研磨剤;およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択される1種またはそれを超える成分が含まれる。幾つかの実施形態において、1種またはそれを超える成分のうちの少なくとも1種は、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、およびそれらの2種またはそれを超える組合せから選択されるフッ化物イオン源である。
【0019】
金属塩を含有する組成物に含まれるフレーバー成分の量は、金属塩の味をマスクするのに有効な量として一般的および機能的に記載される。幾つかの実施形態において、フレーバー成分は、製品の消費者の受け入れ性を減ずることなく、金属塩のマイナスの寄与を和らげる。
【0020】
他の任意の添加剤も含めることができる。かかる任意の添加剤の中には、外観または審美的魅力を変化させるためにおよび/または最終製品を保存するために提供されるもの、および/または、味覚/化粧的魅力のためのおよび/または口腔の健康、口腔の硬質または軟質の組織の症状または障害の予防または治療、または生理的な障害または症状の予防または治療のための治療および予防成分として提供されるものが含まれる。
【0021】
色素のような着色剤は、FD&C Red No.3(テトラヨードフルオレセインのナトリウム塩)、Food Red 17、6−ヒドロキシ−5−{(2−メトキシ−5−メチル−4−スルホフェニル)アゾ}−2−ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩、Food Yellow 13、キノフタロンまたは2−(2−キノリル)インダンジオンのモノおよびジスルホン酸の混合物のナトリウム塩、FD&C Yellow No.5(4−p−スルホフェニルアゾ−1−p−スルホフェニル−5−ヒドロキシピラゾール−3カルボン酸のナトリウム塩)、FD&C Yellow No.6(p−スルホフェニルアゾ−B−ナフトール−6−モノスルホネートのナトリウム塩)、FD&C Green No.3(4−{[4−(N−エチル−p−スルホベンジルアミノ)−フェニル]−(4−ヒドロキシ−2−スルホニウムフェニル)−メチレン}−[1−(N−エチル−N−p−スルホベンジル)−デルタ−3,5−シクロヘキサジエンイミン]、FD&C Blue No.1(ジベンジルジエチル−ジアミノ−トリフェニルカルビノールトリスルホン酸無水物の二ナトリウム塩)、FD&C Blue No.2(インジゴチンのジスルホン酸のナトリウム塩)ならびに種々の比率のそれらの混合物を含む、食品および摂取薬物に使用するFood Drug & Cosmetic Act下で現在認証されている食品色素添加物とし得る。典型的に、着色剤が含まれる場合には、非常に少量で存在する。
【0022】
甘味料には、天然および人工の両方の甘味料が含まれる。好適な甘味料には、キシロール、リボース、ブドウ糖(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ショ糖(砂糖)、マルトースのような単糖類、二糖類および多糖類、可溶性サッカリン塩、すなわち、サッカリンのナトリウムまたはカルシウム塩、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)のようなL−アスパラギン酸由来の甘味料のようなシクラメート塩ジペプチドベースの甘味料のような水溶性甘味料が含まれる。一般的に、特定の組成物に望まれる甘さのレベルを提供するのに利用する甘味料の有効量は、選択する甘味料で変化する。この量は、通常、組成物の約0.001%から約5重量%である。幾つかの実施形態において、甘味料はサッカリンナトリウムであり、組成物の約0.01重量%で存在する。
【0023】
任意の口臭清涼剤を提供し得る。いずれの口腔的に許容し得る口臭清涼剤も用いることができ、それには限定されるものではないが、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛および亜塩素酸亜鉛、アルファ−イオノンおよびそれらの混合物が含まれる。1種またはそれを超える口臭清涼剤は、所望により、口臭清凉に有効な合計量で存在する。
【0024】
所望により、組成物には、歯石コントロール(抗歯石)剤が含まれ得る。本明細書中で有用なものの中の歯石コントロール剤には、ホスフェートおよびポリホスフェート(例えば、ピロホスフェート)、ポリアミノプロパンスルホネート(AMPS)、ポリオレフィンスルホネート、ポリオレフィンホスフェート、アザシクロアルカン−2,2−ジホスホネート(例えば、アザシクロヘプタン−2,2−ジホスホネート)、N−メチルアザシクロペンタン−2,3−ジホスホネート、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホネート(EHDP)およびエタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネートのようなジホスホネート、ホスホノアルカンカルボン酸およびこれらの剤のいずれかの塩、例えば、それらのアルカリ金属およびアンモニウム塩が含まれる。有用な無機リン酸およびポリリン酸塩には、ナトリウムをカリウムまたはアンモニウムによって置換してもよい、一塩基性、二塩基性および三塩基性のリン酸ナトリウム、三ポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−ナトリウムピロリン酸、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムならびにそれらの混合物が含まれる。他の有用な抗歯石剤には、ISP社,Wayne,N.J.からGantrez(商標)ブランドで販売されているもののようなポリカルボキシレートポリマーおよびポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)共重合体が含まれる。
【0025】
幾つかの実施形態において、歯石コントロール剤は約0.01から10重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、歯石コントロール剤は約1重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、塩基性リン酸ナトリウムは約0.01から約5重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、塩基性リン酸ナトリウムは約1重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、リン酸二ナトリウムは約0.01から約5重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、リン酸二ナトリウムは約0.15重量%の濃度で存在する。
【0026】
他の任意の添加剤には、抗微生物剤(例えば、抗細菌剤)が含まれる。いずれの口腔的に許容し得る抗微生物剤も用いることができ、それにはトリクロサン(5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール);亜鉛および第一スズイオン源;塩化セチルピリジニウム(CPC)のような第4級アンモニウム化合物;クロルヘキシジンのようなビスグアニド;および塩化ベンザルコニウムが含まれる。有用な抗細菌剤のさらなる例示リストは、Gaffarらに対する米国特許第5,776,435号に掲載されている。
【0027】
抗酸化剤はもう1つのクラスの任意の添加剤である。いずれの口腔的に許容し得る抗酸化剤も用いることができ、それには、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ビタミンA、カロテノイド、ビタミンE、フラボノイド、ポリフェノール、アスコルビン酸、草本の抗酸化剤、クロロフィル、メラトニン、およびそれらの混合物が含まれる。
【0028】
例えば口腔乾燥の改善に有用な、任意の唾液分泌刺激剤も含め得る。いずれの口腔的に許容し得る唾液分泌刺激剤も用いることができ、それには限定されるものではないが、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸、アジピン酸、フマル酸および歯石酸、およびそれらの混合物のような食品用の酸が含まれる。1種またはそれを超える唾液分泌刺激剤は、所望により、唾液刺激に有効な合計量で存在させてもよい。
【0029】
所望により、抗歯垢(例えば、歯垢破壊)剤を含めることができる。いずれの口腔的に許容し得る抗歯垢剤も用いることができ、それには限定されるものではないが、第一スズ、銅、マグネシウムおよびストロンチウム塩、セチルジメチコーンコポリオールのようなジメチコーンコポリオール、パパイン、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、尿素、乳酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、ポリアクリル酸ストロンチウムおよびそれらの混合物が含まれる。
【0030】
任意の脱感作剤には、クエン酸カリウム、塩化カリウム、酒石酸カリウム、重炭酸カリウム、蓚酸カリウム、硝酸カリウム、ストロンチウム塩、およびそれらの混合物が含まれる。
【0031】
所望により、無機または天然もしくは合成の粘結剤またはゲル化剤を存在させてもよい。幾つかの実施形態において、粘結剤またはゲル化剤は約0.10から約5重量%、または約0.2から約1重量%の量で存在する。本発明の実施に有用な好適な粘結剤またはゲル化剤には、例えば、限定されるものではないが、Huber Corporation社から取引名Zeodent 165で販売されている非晶質シリカのような無機粘結シリカ、アイリッシュモス、イオタ−カラギーナン、トラガカントガム、およびポリビニルピロリドンが含まれる。
【0032】
幾つかの実施形態において、組成物には、当該技術分野で知られている歯科研磨剤または歯科研磨剤の組合せが含まれる。本発明の組成物に使用するのに好適な研磨剤には、限定されるものではないが、シリカ、焼成アルミナ、重炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびピロリン酸カルシウムが含まれる。含まれる場合、研磨剤は一般的に約3から約50重量%の濃度で存在する。
【0033】
幾つかの実施形態において、界面活性剤を本発明の組成物で使用する。界面活性剤の好適な例には、高級脂肪酸モノグリセリドモノサルフェートの水溶性塩、水素化ヤシ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムのような高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホネート、高級アルキルスルホアセテート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホン酸の高級脂肪酸エステル、および脂肪酸、アルキルまたはアシル基などに12から16個の炭素を有するもののような低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和化された高級脂肪酸アシルアミドが含まれる。最後に言及したアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、およびN−ラウロイル、N−ミリストイルまたはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩である。
【0034】
含まれる場合、界面活性剤は、一般的に、組成物の約0.1から約5重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、界面活性剤は、組成物の約0.5から約4重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、界面活性剤は、組成物の約1から約3重量%の濃度で存在する。幾つかの実施形態において、界面活性剤は、組成物の約2重量%の濃度で存在する。
【0035】
説明目的で、本発明の組成物は、水、湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールを混合物が均一なゲル相になるまで従来のミキサー中で合することによって生成し得る。金属塩および、含まれる場合は、研磨剤(またはその複数)などをゲル相に添加する。これらの成分は、均一の相が得られるまで混合する。その後にいずれかの粘結剤、着色剤、および界面活性剤と一緒に本明細書に記載するフレーバー成分を添加し、成分を約20から100mmHgの減圧下、高速で混合する。
【0036】
本発明の実施形態を以下の実施例でさらに記載する。実施例は単なる例示であって、如何なる場合においても記載し特許請求する発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0037】
実施例1
本発明にかかるフレーバー成分(1−11)を、重量%の成分の量で以下の表1に示す。これらのフレーバー成分は、従来の方法を介して生成することができる。
【表1】

実施例2
【0038】
本発明の例示的組成物(組成物I)および2種の比較例(組成物XおよびY)の処方を(以下の)表2に記載する。
【表2】
【0039】
組成物I、XおよびYを、家庭使用消費者受け入れ性試験において評価した。試験の結果は、本発明の例示的なフレーバー成分が、本明細書に記載するものと異なるフレーバー成分を用いて同様に処方化した組成物を上回る改善された消費者受け入れ性を提供したことを示している。
【外国語明細書】