特開2016-40788(P2016-40788A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-40788(P2016-40788A)
(43)【公開日】2016年3月24日
(54)【発明の名称】燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/247 20160101AFI20160226BHJP
   H01M 8/24 20160101ALI20160226BHJP
   H01M 8/02 20160101ALI20160226BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20160226BHJP
【FI】
   H01M8/24 T
   H01M8/24 R
   H01M8/02 C
   H01M8/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-252963(P2015-252963)
(22)【出願日】2015年12月25日
(62)【分割の表示】特願2014-554221(P2014-554221)の分割
【原出願日】2013年11月8日
(31)【優先権主張番号】特願2012-282310(P2012-282310)
(32)【優先日】2012年12月26日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】福山 陽介
(72)【発明者】
【氏名】入月 桂太
(72)【発明者】
【氏名】寺田 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】田島 典拓
【テーマコード(参考)】
5H026
【Fターム(参考)】
5H026AA06
5H026CC05
5H026CC08
5H026CX08
(57)【要約】
【課題】従来の燃料電池スタックでは、冷却水の流路内に配置した予圧プレートのばね特性を維持しつつ、流路の圧力損失を低減することが困難であった。
【解決手段】膜電極接合体1を一対のセパレータ2で挟持して成る単セルCを複数枚積層して構成される燃料電池スタックFSであって、隣接する単セルC同士の間に、冷却液を流通させる冷却液流路Fを形成すると共に、この冷却液流路F内に配置して単セルC間の変位を吸収する変位吸収部材5を備えており、変位吸収部材5が、冷却液流路Fにおける冷却液の流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段として、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する手段(16,36)を備えた構成とし、変位吸収部材5のばね特性を維持しつつ、冷却液流路Fの圧力損失を低減する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極接合体を一対のセパレータで挟持して成る単セルを複数枚積層して構成される燃料電池スタックであって、
隣接する単セル同士の間に、冷却液を流通させる冷却液流路を形成すると共に、この冷却液流路内に配置して単セル間の変位を吸収する変位吸収部材を備えており、
変位吸収部材が、冷却液流路における冷却液の流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段を備え、
前記流路抵抗低減手段が、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する手段であることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
セパレータの冷却液流路側の表面が、断面凹凸形状を冷却液流通方向に連続的に有し、
変位吸収部材が、厚さ方向の変形に伴ってセパレータとの接触部分が面内方向に移動する部材であり、且つ接触部分の移動方向を冷却液流通方向に合わせて配置してあることを特徴とする請求項1のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
変位吸収部材が、基板の片面に多数のばね機能部を配列した構造を有すると共に、
ばね機能部が、基端を基板への固定端とし且つ先端を自由端とした片持ち梁構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
ばね機能部が、基板から切り起こした状態に形成してあることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
ばね機能部が、その外周に抜き加工部を設けて、基板から切り起こした状態に形成してあることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
流路抵抗低減手段が、ばね機能部の自由端から固定端に至る範囲に形成した開口部及び切欠部の少なくとも一方であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
流路抵抗低減手段が、ばね機能部の自由端と固定端との間に形成してあることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
ばね機能部が、固定端から自由端に向けて幅寸法が減少する形状であることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
変位吸収部材が、ばね機能部の自由端を冷却液流通方向の下流側に向けて配置してあることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
流路抵抗低減手段としての開口部及び切欠部が、曲線により形成されていることを特徴とする請求項6〜8及び14のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項11】
変位吸収部材は、冷却液流路内の位置に応じて形状が異なるばね機能部が配置してあることを特徴とする請求項3〜10及び14のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項12】
変位吸収部材は、冷却液流路における冷却液流通方向の両側の流路面積が小さくなるようにばね機能部が配置してあることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池スタック。
【請求項13】
変位吸収部材は、冷却液流路内の位置に応じて隣接するばね機能部同士の間隔が異なるように配置してあることを特徴とする請求項3〜10及び14のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
【請求項14】
流路抵抗低減手段が、変位吸収部材におけるばね機能部同士の間に設けた通路であることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子型燃料電池(PEFC)などの燃料電池に関し、とくに、積層した単セル同士の間に冷却液流路を形成した構造を有する燃料電池スタックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、上記したような燃料電池スタックとしては、例えば特許文献1に燃料電池として記載されているものがある。特許文献1に記載の燃料電池は、複数枚の燃料電池セルを積層したものである。燃料電池セルは、MEA(膜電極接合体)の両側に、断面凹凸形状を有する水素極と、同じく断面凹凸形状の排水層を含む酸素極とを備えており、水素極及び酸素極の外側には、夫々の極との間に水素流路及び酸素流路を形成する平板セパレータを備えている。また、燃料電池は、酸素極側に冷媒流路部を備えている。
【0003】
冷媒流路部は、2枚の平板セパレータと、その間に挟まれた予圧プレートを備え、両平板セパレータの間を冷却水の流路としている。予圧プレートは、断面波形状を成して、厚さ方向(スタック積層方向)に弾性変形可能であり、燃料電池の各構成部品の形状誤差により局所的に生じた荷重を分散して、各構成部品に均等な荷重を印加するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特許第4432518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したような従来の燃料電池スタックでは、冷却水の流路内に予圧プレートを配置しているので、流路の圧力損失が大きく、その一方で、予圧プレートには所定のばね特性が不可欠であるから、予圧プレートのばね特性を維持しつつ流路の圧力損失を低減することが困難であるという問題点があり、このような問題点を解決することが従来の課題であった。
【0006】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたもので、積層した単セル同士の間に冷却液流路を形成すると共に、その冷却液流路に変位吸収部材を配置した構造を有する燃料電池スタックにおいて、変位吸収部材のばね特性を維持しつつ、冷却液流路の圧力損失を低減することができる燃料電池スタックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わる燃料電池スタックは、膜電極接合体を一対のセパレータで挟持して成る単セルを複数枚積層して構成したものであり、隣接する単セル同士の間に、冷却液を流通させる冷却液流路を形成すると共に、この冷却液流路内に配置して単セル間の変位を吸収する変位吸収部材を備えている。そして、燃料電池スタックは、変位吸収部材が、冷却液流路における冷却液の流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段を備え、前記流路抵抗低減手段が、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する手段である構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わる燃料電池スタックによれば、積層した単セル同士の間に冷却液流路を形成すると共に、その冷却液流路に単セル間の変位を吸収する変位吸収部材を配置した構造を有する燃料電池スタックにおいて、変位吸収部材が、冷却液流通方向の任意の位置において当該変位吸収手段の同流通方向の投影面積を減少させることにより冷却液流路における冷却液の流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段を備えているので、変位吸収部材のばね特性を維持しつつ、冷却液流路の圧力損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係わる燃料電池スタックの一実施形態を説明する分解斜視図(A)、及び組み立て後の斜視図(B)である。
図2図1に示す燃料電池スタックを構成する単セルを説明する分解状態の平面図(A)、及び組み立て後の平面図(B)である。
図3図2(B)中のA−A線に基づく断面図である。
図4】変位吸収部材を説明する斜視図(A)、及びばね機能部付近の断面図(B)である。
図5】ばね機能部の他の実施形態を説明する各々冷却液流通方向の正面図(A)〜(E)である。
図6】ばね機能部のさらに他の実施形態を説明する切り起こし前の斜視図(A)、切り起こし後の斜視図(B)、及び断面図(C)である。
図7】変位吸収部材のさらに他の実施形態を説明する冷却液流通方向の正面図である。
図8】変位吸収部材のさらに他の実施形態を説明する平面図である。
図9】変位吸収部材のさらに他の実施形態を説明する断面図(A)、及び斜視図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈第1実施形態〉
以下、図面に基づいて、本発明に係わる燃料電池スタックの一実施形態を説明する。この実施形態燃料電池スタックは、固体高分子電解質型の単セルを複数枚積層して成るものであって、例えば、電気自動車等の車両の電源として用いられる。
【0011】
図1(A)に示す燃料電池スタックFSは、矩形板状を成す単セルCを複数枚積層して積層体Sを構成し、この積層体Sに対して、積層方向の一端部(図1中で右側端部)に、集電板54A及びスペーサ55を介してエンドプレート56Aが設けてあると共に、他端部に、集電板54Bを介してエンドプレート56Bが設けてある。また、燃料電池スタックFSは、積層体Sに対し、単セルCの長辺側となる両面(図1中で上下面)に、締結板57A,57Bが設けてあると共に、短辺側となる両面に、補強板58A,58Bが設けてある。
【0012】
上記の燃料電池スタックFSは、各締結板57A,57B及び補強板58A,58BをボルトBにより両エンドプレート56A,56Bに連結する。このようにして、燃料電池スタックFSは、図1(B)に示すようなケース一体型構造となり、積層体Aをその積層方向に拘束・加圧して個々の単セルCに所定の接触面圧を付与し、ガスシール性や導電性等を良好に維持する。
【0013】
単セルCは、図2に示すように、周囲にフレーム51を有する膜電極接合体1と、フレーム51及び膜電極接合体1との間にカソード及びアノードのガス流路(GC,GA)を形成する一対のセパレータ2,2を備えている。そして、単セルCは、両ガス流路(GC,GA)におけるガスの流れ方向を互いに逆方向にした構造になっている。なお、カソードガスは、酸素含有ガス(空気)であり、アノードガスは、水素含有ガスである。
【0014】
膜電極接合体1は、一般に、MEA(Membrane Electrode Assembly)と呼ばれるものであって、図3に示すように、固体高分子から成る電解質層11をカソード電極層12とアノード電極層13とで挟持した構造を有している。両電極層12,13は、詳細な図示を省略したが、電解質層11に接する電極触媒層と、その外側に配置したガス拡散層を夫々有している。
【0015】
フレーム51は、中央に膜電極接合体1を配置した状態にして、樹脂成形(例えば射出成形)により前記膜電極接合体1と一体化してある。また、フレーム51は、短辺両側に、各々三個ずつのマニホールド穴H1〜H3,H4〜H6が配列してあり、各マニホールド穴群から膜電極接合体1に至る領域が整流用のディフューザ部Dとなる。フレーム51及び両セパレータ2,2は、いずれもほぼ同等の縦横寸法を有する長方形状である。
【0016】
さらに、フレーム51は、ディフューザ部Dの両面に、図2に示す如く円形状の複数の突部52が縦横に配列してある。これらの突部52は、膜電極接合体1の経時変化などによって単セルCに厚さ方向の変位が生じた際に、セパレータ2,2に接触して反応用ガスの流通空間を維持するものである。
【0017】
各セパレータ2は、表裏反転形状を有する金属製の板部材であって、例えばステンレス製であり、プレス加工により適宜形状に成形し得る。図示例のセパレータ2は、少なくとも膜電極接合体1に対応する中央部分が断面凹凸形状に形成してある。
【0018】
各セパレータ2は、図2に示すように、断面凹凸形状を長辺方向に連続的に有し、さらに、図3に断面を示すように、膜電極接合体1に波形凸部を接触させると共に、波形凹部により、膜電極接合体1との間にカソード側のガス流路GC及びアノード側のガス流路GAを形成する。また、各セパレータ2は、両端部に、フレーム51の各マニホールド穴H1〜H6と同等のマニホールド穴H1〜H6を有している。
【0019】
上記のフレーム51及び両セパレータ2,2において、図2中で左側に示す各マニホールド穴H1〜H3は、上側から、アノードガス供給用(H1)、冷却液排出用(H2)及びカソードガス排出用(H3)であり、積層方向に互いに連通して夫々の流路を形成する。また、図2中で右側に示す各マニホールド穴H4〜H6は、上側から、カソードガス供給用(H4)、冷却液供給用(H5)及びアノードガス排出用(H6)であり、積層方向に互いに連通して夫々の流路を形成する。
【0020】
さらに、単セルCは、図2に示すように、フレーム51と各セパレータ2の縁部同士の間や、マニホールド穴H1〜H6の周囲に、ガスシールSLが設けてある。単セルCを複数枚積層した状態では、単セルC同士すなわち隣接するセパレータ2同士の間にもガスシールSLを設ける。このガスシールSLは、夫々の層間を気密的に分離すると共に、カソードガス、アノードガス及び冷却液の夫々の流通域にその流体だけが流れるように、該当するマニホールド穴H1〜H6の周縁部に開口を設けたり、その周縁部に配置しない構造とする。
【0021】
上記の単セルCを複数枚積層して成る燃料電池スタックFSは、図3に示すように、隣接する単セルC同士の間に、冷却液流路Fを形成しており、この冷却液流路Fに、単セルC間の変位を吸収する変位吸収部材5を介装した構造になっている。
【0022】
そして、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5が、冷却液流路Fにおける冷却液の流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段を備えている。この流路抵抗低減手段は、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段の同流通方向の投影面積を減少させて、流路抵抗を低減する手段である。
【0023】
変位吸収部材5は、概略的には、厚さ方向の変形に伴ってセパレータ2との接触部分が面内方向に移動する部材である。ここで、燃料電池スタックFSは、図2及び図3に基づいて説明したように、セパレータ2の冷却液流路F側の表面が、断面凹凸形状を冷却液流通方向に連続的に有しており、その連続方向が冷却液流通方向である。つまり、図2中で左右方向、図3中で紙面垂直方向が、冷却液流通方向である。この燃料電池スタックFSにおいて、変位吸収部材5は、接触部分の移動方向が冷却液流通方向に合うように配置してある。
【0024】
この実施形態の変位吸収部材5は、薄い金属プレートを素材とし、図4(A)に一部を示すように、基板5Aの片面に多数のばね機能部5Bを縦横に配列した構成である。この変位吸収部材5は、導電性を有し、変位吸収機能に加えて単セルC同士を電気的に接続するコネクタとしても機能する。ばね機能部5Bは、基板5A側を固定端Kとし且つ先端側を自由端Jとした舌片状の片持ち梁構造である。この実施形態のばね機能部5Bは、四角形状であるが、その形状がとくに限定されるものではない。
【0025】
上記の変位吸収部材5は、厚さ方向の変形に伴ってセパレータ2との接触部分が面内方向に移動するものとなる。つまり、変位吸収部材5は、図4(B)に示すように、基板5Aが一方側(図4中で下側)の単セルのセパレータ2に接触し、ばね機能部5Bの自由端Jが他方側の単セルのセパレータ2に接触する。この変位吸収部材5は、両セパレータ2,2の間隔が変化すると、ばね機能部5Bが実線で示す状態から仮想線で示す状態(又はその逆)に回動し、ばね機能部5Bの傾斜角度が変化するのに伴って、自由端Jと他方のセパレータ2との接触部分が距離L分だけ面内方向に移動する。
【0026】
そして、変位吸収部材5は、上記の接触部分の移動方向が、図4中で矢印B方向である冷却液流通方向に合うように配置してあり、この際、ばね機能部5Bの自由端Jを冷却液流通方向の下流側に向けて配置してある。なお、ばね機能部5Bは、図4では断面が平坦であるが、適当な断面形状を選択することができ、例えば、自由端Jを湾曲させてセパレータ2との接触部分を曲面にすれば、セパレータ2に対する摺動がより円滑になる。
【0027】
さらに、変位吸収部材5は、ばね機能部5Bが、基板5Aから切り起した状態に形成してあり、これにより、基板5Aには、ばね機能部5Bに対応する開口部5Cが形成されている。このような変位吸収部材5は、プレス加工等によって一枚の素材から容易に製造することが可能である。
【0028】
上記の変位吸収部材5では、冷却液流通方向(矢印B方向)を横切る方向に配列したばね機能部5B同士の間の通路6が、流路抵抗低減手段に相当する。すなわち通路6は、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する手段に相当する。この実施形態では、ばね機能部5Bが縦横に配列してあるので、通路6は冷却液流通方向に連続したものとなる。
【0029】
上記の燃料電池スタックFSは、隣接する単セルC同士の間の冷却液流路Fに冷却液を流通させると共に、各ガス流路GC,GAにより膜電極接合体1にアノードガス及びカソードガスを供給して、電気化学反応により電気エネルギーを発生する。そして、単セルCの内部の熱膨脹や膜電極構造体1の膨潤が生じた場合に、これに伴って積層方向に生じる変位を変位吸収部材5により吸収する。
【0030】
また、燃料電池スタックFSは、冷却液流路Fに変位吸収部材5が介在した構造であるが、その変位吸収部材5には、冷却液流路Fの流路抵抗低減手段としての通路6が設けてあるので、冷却液の流通が円滑なものとなる。これにより、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5の良好なばね特性を維持しつつ、冷却液流路Fの圧力損失を低減することができ、ひいては冷却液供給用のポンプの小型軽量化なども図ることができる。
【0031】
さらに、燃料電池スタックFSは、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する手段(通路6)を採用したことから、簡単な構成で冷却液の円滑な流通を可能にし、冷却液流路Fの圧力損失を低減する。
【0032】
さらに、燃料電池スタックFSは、セパレータ2の冷却液流路F側の表面が、断面凹凸形状を冷却液流通方向に連続的に有し、変位吸収部材5が、厚さ方向の変形に伴ってセパレータ2との接触部分が面内方向に移動する部材であり、且つ接触部分の移動方向を冷却液流通方向に合わせて配置してある。このため、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5が面内方向に移動した場合に、変位吸収部材5の一部がセパレータ2の凹部に落ち込むようなことがなく、双方の接触状態を良好に維持し得る。これに加えて、一枚のセパレータ2の両面側をガス流路CG(CA)及び冷却液流路Fとして有効に利用できるので、単セルCの薄型化、さらには燃料電池スタックFSの小型軽量化に貢献し得る。
【0033】
さらに、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5が、基板5Aの片面に多数のばね機能部5Bを配列した構造を有すると共に、ばね機能部5Bが、基端を基板5Aへの固定端Kとし且つ先端を自由端Jとした片持ち梁構造であることから、簡単な構造で厚さ方向の変位を充分に吸収する機能を確保することができ、製造コストも安価である。また、変位吸収部材5は、ばね機能部5Bの形状が簡単で小ピッチでも形成し易く、ばね剛性を小さくすることができる。このようにばね剛性が小さくなると、ばね特性が、変位に対して荷重変動の少ないものとなり、運転時の圧縮方向の変位や経時劣化によるへたりが生じても、面圧変動が小さいので各部品の電気接触抵抗が安定する。
【0034】
さらに、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5におけるばね機能部5Bが、基板5Aから切り起こした状態に形成してあることから、先述の如く一枚の素材をプレス加工することにより容易に製造することができる。また、変位吸収部材5は、ばね機能部5Bの切り起こしにより開口部5Cを有するものとなるので、この開口部5Cを通して冷却液が上下方向に流通することとなり、これにより圧力損失の低減に加えて冷却効果の向上を図ることができる。
【0035】
さらに、燃料電池スタックFSは、変位吸収部材5が、ばね機能部5Bの自由端Jを冷却液流通方向の下流側に向けて配置してあることから、ばね機能部5Bが冷却液流通方向に傾斜した状態となって、ばね機能部5Bの下流側での渦流の発生が抑制され、冷却液流路Fの圧力損失をより低減することが可能である。
【0036】
ここで、積層した単セルC同士の間の冷却液流路Fに変位吸収部材5を配置した構造を有する燃料電池スタックFSでは、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失と、変位吸収部材5のばね機能及び単セルC間のコネクタとしての導電機能とが、相反する関係にある。つまり、冷却液流路Fの圧力損失を低減するには、抵抗が極力小さくなる形状や大きさの変位吸収部材5を採用すれば良いが、そのようにすると、変位吸収部材5のばね機能や導電機能が低下するのである。
【0037】
これに対して、上記実施形態で説明した燃料電池スタックFSでは、変位吸収部材5において、流路抵抗低減手段としての通路6を設けることにより、冷却液流通方向の任意の位置において同流通方向の投影面積を減少させている。さらには、変位吸収部材5において、厚さ方向の変形に伴うセパレータ2との接触部分の移動方向を冷却液流通方向に合わせて配置したり、ばね機能部5Bを片持ち梁構造にしたり、ばね機能部5Bを基板5Aから切り起こして開口部5Cを形成したり、ばね機能部5Bの自由端Jを冷却液流通方向の下流側に向けて配置したりしている。
【0038】
これにより、上記の燃料電池スタックFSは、積層した単セルC同士の間の冷却液流路Fに変位吸収部材5を配置した構造において、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現している。
【0039】
〈第2実施形態〉
図5は、本発明に係わる燃料電池スタックを構成する変位吸収部材の他の実施形態を説明する図である。図5は、冷却液流通方向において上流側から下流側を見た状態を示す断面図である。なお、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
図5(A)〜(E)に示す変位吸収部材5は、基板5Aの片面に、片持ち梁構造のばね機能部5Bを配置したものであり、冷却液流通方向の任意の位置において変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段を備えている。より具体的には、この実施形態の流路抵抗低減手段は、ばね機能部5Bの自由端Jから固定端Kに至る範囲に形成した開口部及び切欠部の少なくとも一方である。
【0041】
なお、この実施形態の切欠部は、図4に示した四角形状のばね機能部5Bを基本構成とした場合に、その一部を切欠いた状態にした部分である。よって、切欠部は、ばね機能部5Bの形成後に一部を切除して形成したり、ばね機能部5Bを切り起こす際に同時形成したりすることができる。
【0042】
図5(A)及び(B)に示すばね機能部5Bは、固定端Kから自由端Jに向けて幅寸法が減少する形状である。すなわち、図5(A)に示すばね機能部5Bは、自由端Jを含む両側に矩形状の切欠部16,16が設けてあり、固定端Kから自由端Jに向けて幅寸法が段階的に減少している。また、図5(B)に示すばね機能部5Bは、自由端Jを含む両側に三角形状の切欠部16,16を設けて、全体として台形状を成し、固定端Kから自由端Jに向けて幅寸法が次第に減少している。
【0043】
上記のばね機能部5Bを有する変位吸収部材5は、切欠部16により冷却液流路Fを拡大して、冷却液の流通をより円滑なものにし、冷却液流路Fの圧力損失を低減し得る。また、変位吸収部材5は、固定端Kから自由端Jに向けて幅寸法が減少する形状のばね機能部5Bを採用したことにより、圧力損失の低減と同時に、ばね機能部5Bの固定端K側の幅寸法を充分に確保して、ばね材に急激な強度の変化を与えずに、ばね特性を良好に維持することができる。
【0044】
図5(C)及び(D)に示すばね機能部5Bは、流路抵抗低減手段が、自由端Jから固定端Kに至る範囲のうちの、自由端Jと固定端Kとの間に設けてある。要するに、流路抵抗低減手段は、自由端J及び固定端Kを含まない双方の中間位置に設けてある。すなわち、図5(C)に示すばね機能部5Bは、その両側に三角形の切欠部16,16が設けてある。また、図5(D)に示すばね機能部5Bは、その中間に、矩形の開口部26が設けてある。
【0045】
上記のばね機能部5Bを有する変位吸収部材5は、切欠部16又は開口部26により冷却液流路Fを拡大して、冷却液の流通をより円滑なものにし、冷却液流路Fの圧力損失を低減し得る。また、変位吸収部材5は、切欠部16又は開口部26をばね機能部5Bの自由端Jと固定端Kとの間に形成したことから、ばね機能部5Bの自由端Jとセパレータ2との接触面積を充分に確保して、導電性に影響を及ぼすことなく冷却液流路Fの圧力損失を低減させることができる。
【0046】
図5(E)に示すばね機能部5Bは、自由端Jと固定端Kとの間に流路抵抗低減手段を設けたものであって、その両側にU字形の切欠部36,36が設けてある。この切欠部36は、U字形の開放部分の両側もR形状となっていて、全てが曲線により形成されている。このような切欠部36は、冷却液の渦流を抑止することにより流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段に相当する。
【0047】
上記のばね機能部5Bを有する変位吸収部材5は、先の実施形態と同様に、ばね機能部5Bの自由端Jとセパレータ2との接触面積を充分に確保して、導電性に影響を及ぼすことなく冷却液流路Fの圧力損失を低減するほか、曲線で形成した切欠部36を設けたことから、ばね機能部5Bの下流側での渦流の発生が抑制され、冷却液流路Fの圧力損失をより低減することが可能である。とくに、ばね機能部5Bは、図4(B)に示すように、自由端Jを冷却液流通方向の下流側に向けた姿勢にすると、切欠部36の曲線が冷却液の流れ方向に沿う状態となり、渦流の抑制効果がより高いものとなる。
【0048】
また、図5(A)〜(E)に示す各ばね機能部5Bを有する変位吸収部材5は、いずれも一枚の素材をプレス加工することにより、容易に製造することができる。また、流路抵抗低減手段としては、各切欠部16,36及び開口部26と、先の実施形態で説明した通路6とを備えたものとなり、双方の機能が相俟って、冷却液流路Fの圧力損失のさらなる低減を実現する。
【0049】
上記の実施形態の燃料電池スタックは、変位吸収部材5において、ばね機能部5Bを固定端Kから自由端Jに向けて幅寸法が減少する形状にしたり、ばね機能部5Bの自由端Jから固定端Kに至る範囲若しくは自由端Jと固定端Kとの間に切欠部16,16や開口部26を形成したり、切欠部16,16や開口部2を曲線により形成したりしている。これにより、燃料電池スタックは、先の実施形態と同様に、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現する。
【0050】
〈第3実施形態〉
図6は、本発明に係わる燃料電池スタックを構成する変位吸収部材のさらに他の実施形態を示す図である。図示の変位吸収部材5は、ばね機能部5Bが、基板5Aから切り起こした状態に形成したものであり、とくに図6(A)に示すように、ばね機能部5Bが、その外周に抜き加工部5Dを設けて、基板5Aから切り起こした状態に形成してある。
【0051】
抜き加工部5Dは、変位吸収部材5のプレス加工時において打ち抜き形成することが可能である。これにより、変位吸収部材5は、図6(B)に示すように、ばね機能部5Bよりも一回り大きい開口部(抜き加工部を含む開口部)5Cを有するものとなる。
【0052】
上記のばね機能部5Bを有する変位吸収部材5は、開口部5Cを通した冷却液の流通がより円滑なものになる。つまり、先の図4に示すばね機能部5Bを有する変位吸収部材5では、開口部5Cを通して冷却液が上下に流通するが、ばね機能部5Bの幅寸法と開口部5Cの幅寸法とが同程度であるから、冷却液はばね機能部5Bを回り込むようにして開口部5Cに流入する。
【0053】
これに対して、この実施形態の変位吸収部材5は、ばね機能部5Bの幅寸法よりも開口部5Cの幅寸法の方が抜き加工部5Dの分だけ大きいので、図6(C)に示すように、開口部5Cに対して冷却液が流入し易くなる。これにより、変位吸収部材5は、そのばね特性を良好に維持しつつ、冷却液流路Fの圧力損失をさらに低減する。このような変位吸収部材5を備えた燃料電池スタックFSは、先の実施形態と同様に、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現する。
【0054】
〈第4実施形態〉
図7に示す変位吸収部材5は、冷却液流路F内の位置に応じて形状が異なるばね機能部5Bが配置してあり、とくに、冷却液流路Fにおける冷却液流通方向(図7で紙面垂直方向)の両側の流路面積が小さくなるようにばね機能部5Bが配置してある。
【0055】
具体的には、変位吸収部材5は、基板5Aに、四角形状のばね機能部5Bを縦横に配列したものであって、冷却液流通方向の任意の位置において当該変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段としての断面三角形状の切欠部16を有するばね機能部5Bと、切欠部の無いばね機能部5Bを備えている。
【0056】
そして、図示例の変位吸収部材5は、冷却液流通方向を横切る方向(図7で左右方向)に七列のばね機能部5Bが配置してあり、中央に、最も大きい切欠部16Aを有するばね機能部5Bを配置し、その両側の二列に、中央よりも小さい切欠部16Bを有するばね機能部5Bを配置し、さらに両側の二列に、さらに小さい切欠部16Cを有するばね機能部5Bを配置し、最も外側の二列に、切欠部の無いばね機能部5Bを配置している。
【0057】
このように、変位吸収部材5は、冷却液流路Fの中央から外側にかけて、切欠部の大きさを次第に小さくし、且つ最外側で切欠部を無くすことにより、冷却液流路Fにおける冷却液流通方向の両側の流路面積が小さくなるようにしている。
【0058】
上記の変位吸収部材5は、冷却液流路F内の位置に応じて形状が異なるばね機能部5Bを配置することにより、冷却液の流路抵抗を部分的に変化させ、冷却液の配流を調整することができる。また、変位吸収部材5は、図示例のように、冷却液流路Fにおける冷却液流通方向の両側の流路面積が小さくなるようにばね機能部5Bを配置することにより、中央部での流路抵抗が低くなって、その中央部に冷却液が流れやすくなる。
【0059】
つまり、単セルCは、図2に示すように、中央部に膜電極接合体1による発電領域を有しているので、運転時の温度分布は中央部で高くなる。そこで、上記の変位吸収部材5は、冷却液の流れを中央部に集中させることで、単セルCを効率良く冷却することができ、発電性能の向上にも貢献し得るものとなる。このようにして、燃料電池スタックFSは、先の実施形態と同様に、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現する。
【0060】
〈第5実施形態〉
図8に示す変位吸収部材5は、冷却液流路F内の位置に応じて隣接するばね機能部5B同士の間隔が異なるように配置してある。変位吸収部材5は、先の実施形態と同様に、冷却液流通方向の任意の位置において当該変位吸収手段5の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段としての断面三角形状の切欠部16を有するばね機能部5Bを備えている。
【0061】
そして、図示例の変位吸収部材5は、図中矢印B方向で示す冷却液流通方向を横切る方向に五列のばね機能部5Bを配列し、中央列から外側にかけて、同列のばね機能部5B同士の間隔を次第に大きくしている。これにより、変位吸収部材5は、中央列から外側にかけて、ばね機能部5の個数が次第に減少している。
【0062】
上記の変位吸収部材5は、冷却液流路F内の位置に応じて隣接するばね機能部5B同士の間隔が異なるように配置することにより、先の実施形態と同様に、冷却液の流路抵抗を部分的に変化させ、冷却液の配流を調整することができる。このような変位吸収部材5を備えた燃料電池スタックFSは、先の実施形態と同様に、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現する。
【0063】
〈第6実施形態〉
図9に示す変位吸収部材15は、薄い金属プレートをコルゲート加工により波形状に成形した構成である。この変位吸収部材15は、厚さ方向の変形に伴ってセパレータ2との接触部分が面内方向に移動するものとなる。つまり、変位吸収部材15は、図9(A)に示すように、隣接する単セルの各セパレータ2に波形の頂部が接触しており、両セパレータ2,2の間隔が変化すると、実線で示す状態から仮想線で示す状態に潰れるように変形し、波形の連続方向に距離L分だけ伸長する。これにより、変位吸収部材15は、セパレータ2との接触部分が面内方向に移動する。
【0064】
そして、変位吸収部材15は、上記の接触部分の移動方向が、図9中で矢印B方向である冷却液流通方向に合うように配置してあり、図9(B)に示すように、選択された複数箇所に円形の開口部46が形成してある。この実施形態の変位吸収部材15では、開口部46が、冷却液流通方向の任意の位置において当該変位吸収手段15の同流通方向の投影面積を減少させることにより流路抵抗を低減する流路抵抗低減手段に相当する。
【0065】
上記の変位吸収部材15を備えた燃料電池スタックにあっても、先の実施形態と同様に、単セルの内部の熱膨脹や膜電極構造体の膨潤が生じた場合に、これに伴って積層方向に生じる変位を変位吸収部材15により吸収し、また、その変位吸収部材15が、流路抵抗低減手段としての開口部46を備えているので、冷却液の流通が円滑なものとなる。
【0066】
このようにして、燃料電池スタックは、変位吸収部材15の良好なばね特性を維持しつつ、冷却液流路Fの圧力損失を低減し、変位吸収部材5による冷却液流路Fの圧力損失の低減と、変位吸収部材5の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現する。さらに、上記の変位吸収手段15は、開口部46を円形、すなわち曲線により形成しているので、開口部46の下流側での渦流の発生が抑制され、冷却液流路Fの圧力損失をより低減し得るものとなる。
【0067】
本発明に係わる燃料電池スタックは、その構成が上記各実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、構成の細部を適宜変更することが可能である。例えば、本発明の燃料電池スタックは、上記各実施形態の構成を組み合わせたり、変位吸収部材の板厚や弾性力、変位吸収部材におけるばね機能部の形状、大きさ、個数、配置及び冷却液流通方向に対する向き、並びに流路抵抗低減手段である切欠部や開口部の形状、大きさ、個数及び配置などを変更したりすることができる。
【0068】
このような構成により、燃料電池スタックは、積層した単セル同士の間の冷却液流路に変位吸収部材を配置した構造において、変位吸収部材による冷却液流路の圧力損失の低減と、変位吸収部材の充分なばね機能及びコネクタとしての充分な導電機能との両立を実現することができる。
【符号の説明】
【0069】
C 単セル
F 冷却液流路
FS 燃料電池スタック
1 膜電極接合体
2 セパレータ
5 15 変位吸収部材
5A 基板
5B ばね機能部
5C 開口部
5D 抜き加工部
6 通路(流路抵抗低減手段)
16 36 切欠部(流路抵抗低減手段)
26 46 開口部(流路抵抗低減手段)
J ばね機能部の自由端
K ばね機能部の固定端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9