(R1及びR2は置換/非置換C12以下のアルキル/アルケニル/アルキニル/シクロアルキル、C6〜14アリール等;R3は置換/非置換C4〜12シクロアルキルアルキレン;LはO、S等。Hetは置換/非置換の3〜12員ヘテロシクリル等)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
式I:
【0009】
【化1】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルが提供され、式Iにおいて:
R
1は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて
置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロシクリルアルキルおよび必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より選択され、
ここで各置換されたR
1は、1つ以上のQ
1で置換されており;
各Q
1は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
10、-S(O)R
10、-S(O)
2R
10、-S(O)
2NR
10R
11、-NR
10C(O)R
11、-NR
10C(O)NR
11R
12、-NR
10S(O)R
11、-NR
10S(O)
2R
11、-OP(O)R
11R
12、-P(O)R
11R
12、-P(O)OR
11R
12、-P(O)(OR
11)OR
12、-C(O)NR
11R
12、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
11R
12、-C(O)OR
10、-CN、-N
3、-C(=NR
13)NR
11R
12、-C(=NR
13)OR
10、-NR
10C(=NR
13)NR
11R
12、-NR
11C(O)OR
10、および-OC(O)NR
11R
12からなる群より独立して選択され;
各R
10、R
11、およびR
12は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
11およびR
12は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
13は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
14、-CHOおよび-S(O)
2R
14からなる群より独立して選択され;
各R
14は独立して、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
1、置換されたR
10、置換されたR
11、置換されたR
12、置換されたR
13、または置換されたR
14は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
R
2は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より選択され;
ここで各置換されたR
2は、1つ以上のQ
2で置換されており;
各Q
2は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
20、-S(O)R
20、-S(O)
2R
20、-S(O)
2NR
20R
21、-NR
20C(O)R
21、-NR
20C(O)NR
21R
22、-NR
20S(O)R
21、-NR
20S(O)
2R
21、-OP(O)R
21R
22、-P(O)R
21R
22、-P(O)OR
21R
22、-P(O)(OR
21)OR
22、-C(O)NR
21R
22、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
21R
22、-C(O)OR
20、-CN、-N
3、-C(=NR
23)NR
21R
22、-C(=NR
23)OR
20、-NR
20C(=NR
23)NR
21R
22、-NR
21C(O)OR
20、および-OC(O)NR
21R
22からなる群より独立して選択され;
各R
20、R
21、およびR
22は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
21およびR
22は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
23は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
24、-CHOおよび-S(O)
2R
24からなる群より独立して選択され;
各R
24は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
2、置換されたR
20、置換されたR
21、置換されたR
22、置換されたR
23、または置換されたR
24は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
R
3は、C
4〜12シクロアルキルアルキレンまたは置換されたC
4〜12シクロアルキルアルキレンであり;
ここで各置換されたR
3は、1つ以上のQ
3で置換されており;
各Q
3は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
30、-S(O)R
30、-S(O)
2R
30、-S(O)
2NR
30R
31、-NR
30C(O)R
31、-NR
30C(O)NR
31R
32、-NR
30S(O)R
31、-NR
30S(O)
2R
31、-OP(O)R
31R
32、-P(O)R
31R
32、-P(O)OR
31R
32、-P(O)(OR
31)OR
32、-C(O)NR
31R
32、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換
された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
31R
32、-C(O)OR
30、-CN、-N
3、-C(=NR
33)NR
31R
32、-C(=NR
33)OR
30、-NR
30C(=NR
33)NR
31R
32、-NR
31C(O)OR
30、および-OC(O)NR
31R
32からなる群より独立して選択され;
各R
30、R
31、およびR
32は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
31およびR
32は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
33は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に
応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
34、-CHOおよび-S(O)
2R
34からなる群より独立して選択され;
各R
34は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
3、置換されたR
30、置換されたR
31、置換されたR
32、置換されたR
33、または置換されたR
34は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
Lは、-O-、-S-、-S(O)-、および-S(O)
2-からなる群より選択され;
Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり;
ここで各置換されたHetは、1つ以上のQ
4で置換されており;
各Q
4は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
40、-S(O)R
40、-S(O)
2R
40、-S(O)
2NR
40R
41、-NR
40C(O)R
41、-NR
40C(O)NR
41R
42、-NR
40S(O)R
41、-NR
40S(O)
2R
41、-OP(O)R
41R
42、-P(O)R
41R
42、-P(O)OR
41R
42、-P(O)(OR
41)OR
42、-C(O)NR
41R
42、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
41R
42、-C(O)OR
40、-CN、-N
3、-C(=NR
43)NR
41R
42、-C(=NR
43)OR
40、-NR
40C(=NR
43)NR
41R
42、-NR
41C(O)OR
40、および-OC(O)NR
41R
42からなる群より独立して選択され;
各R
40、R
41、およびR
42は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
41およびR
42は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
43は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
44、-CHOおよび-S(O)
2R
44からなる群より独立して選択され;
各R
44は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
4、置換されたR
40、置換されたR
41、置換されたR
42、置換されたR
43、または置換されたR
44は独立して、1つ以上のQ
5で置換されており;
各Q
5は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
50、-S(O)R
50、-S(O)
2R
50、-S(O)
2NR
50R
51、-NR
50C(O)R
51、-NR
50C(O)NR
51R
52、-NR
50S(O)R
51、-NR
50S(O)
2R
51、-OP(O)R
51R
52、-P(O)R
51R
52、-P(O)OR
51R
52、-P(O)(OR
51)OR
52、-C(O)NR
51R
52、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
51R
52、-C(O)OR
50、-CN、-N
3、-C(=NR
53)NR
51R
52、-C(=NR
53)OR
50、-NR
50C(=NR
53)NR
51R
52、-NR
51C(O)OR
50、および-OC(O)NR
51R
52からなる群より個々に選択され;
各R
50、R
51、およびR
52は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応
じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
51およびR
52は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
53は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に
応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
54、-CHOおよび-S(O)
2R
54からなる群より独立して選択され;
各R
54は独立して、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
5、置換されたR
50、置換されたR
51、置換されたR
52、置換されたR
53、または置換されたR
54は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
各Q
6は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
60、-S(O)R
60、-S(O)
2R
60、-S(O)
2NR
60R
61、-NR
60C(O)R
61、-NR
60C(O)NR
61R
62、-NR
60S(O)R
61,-NR
60S(O)
2R
61、-OP(O)R
61R
62、-P(O)R
61R
62、-P(O)OR
61R
62、-P(O)(OR
61)OR
62、-C(O)NR
61R
62、C
1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜6シクロアルキル、C
6〜12アリールアルキル、C
6〜12アリール、3員〜14員のヘテロアリール、C
1〜6アルキルオキシ、C
2〜6アルケニルオキシ、C
2〜6アルキニルオキシ、C
3〜6シクロアルキルオキシ、C
6〜12アリールオキシ、3員〜14員のヘテロアリールオキシ、4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、-C(O)C
1〜6アルキル、-C(O)C
2〜6アルケニル、-C(O)C
2〜6アルキニル、-C(O)C
3〜6シクロアルキル、-C(O)C
1〜6ハロアルキル、-C(O)C
6〜12アリール、-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、-C(O)C
6〜12アリールアルキル、3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
61R
62、-C(O)OR
60、-CN、-N
3、-C(=NR
63)NR
61R
62、-C(=NR
63)OR
60、-NR
60C(=NR
63)NR
61R
62、-NR
61C(O)OR
60、および-OC(O)NR
61R
62からなる群より独立して選択され;
各R
60、R
61、およびR
62は、H、C
1〜12アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、C
3〜12シクロアルキル、C
1〜12ハロアルキル、C
6〜14アリール、3員〜14員のヘテロアリール、3員〜12員のヘテロシクリル、3〜18員のヘテロアリールアルキル、およびC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
61およびR
62は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
63は、H、C
1〜12アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、C
3〜12シクロアルキル、C
6〜14アリール、3員〜14員のヘテロアリール、3員〜12員のヘテロシクリル、3〜18員のヘテロアリールアルキル、C
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
64、-CHOおよび-S(O)
2R
64からなる群より独立して選択され;
各R
64は個々に、C
1〜12アルキルである。
【0010】
別の実施形態において、フラビウイルス科ウイルス感染を処置するための方法が提供され、この方法は、有効量の式Iの化合物を、その必要がある患者に投与する工程を包含する。式Iの化合物は、その必要があるヒト被験体(例えば、フラビウイルス科のウイルスに感染しているヒト)に投与される。別の実施形態において、式Iの化合物は、その必要があるヒト被験体(例えば、HCVウイルスに感染しているヒト)に投与される。1つの実施形態において、この処置は、患者における1つ以上のウイルス量の減少またはRNAのクリアランスをもたらす。
【0011】
別の実施形態において、ウイルス感染により引き起こされる疾患を処置および/または予防する方法が提供され、ここでこのウイルス感染は、デング熱ウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、クンジンウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、オムスク出血性熱ウイルス、ウシウイルス性下痢性ウイルス、ジカウイルスおよびC型肝炎ウイルスからなる群より選択されるウイルスにより引き起こされ、この方法は、その必要がある被験体に、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を投与することによる。
【0012】
別の実施形態において、フラビウイルス科ウイルス感染の処置のための医薬の製造のための、式Iの化合物の使用が提供される。この実施形態の別の局面において、このフラビウイルス科ウイルス感染は、HCV感染である。
【0013】
別の実施形態において、フラビウイルス科ウイルス感染を処置する際に使用するための、式Iの化合物が提供される。この実施形態の別の局面において、このフラビウイルス科ウイルス感染は、急性または慢性のHCV感染である。この実施形態の別の局面において、この処置は、患者における1つ以上のウイルス量の減少またはRNAのクリアランスをもたらす。この実施形態の別の局面において、この処置は、患者におけるHCVウイルス量の減少またはHCVウイルスRNAのクリアランスをもたらす。
【0014】
別の実施形態において、HCVを処置または予防するための方法が提供され、この方法は、その必要がある患者に有効量の式Iの化合物を投与する工程を包含する。別の実施形態において、HCVの処置または予防のための医薬の製造のための、本発明の化合物の使用が提供される。
【0015】
別の実施形態において、式Iの化合物、および1種以上の薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含有する、薬学的組成物が提供される。式Iの薬学的組成物は、1種以上のさらなる治療剤をさらに含有し得る。この1種以上のさらなる治療剤は、限定されないが、インターフェロン、リバビリンもしくはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、α-グルコシダーゼ1インヒビター、肝臓保護物質(hepatoprotectant)、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターもしくはヌクレオチドインヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター、HCV NS5Aインヒビター、TLR-7アゴニスト、サイクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物動態増強剤(pharmacokinetic enhancer)およびHCVを処置するための他の薬物、またはこれらの混合物から選択され得る。
【0016】
別の実施形態において、感染した動物におけるHCV感染の症状または影響を処置または予防するための方法が提供され、この方法は、この動物に、有効量の式Iの化合物および抗HCV特性を有する第二の化合物を含有する、薬学的組み合わせ組成物または処方物を投与する工程、すなわち、この動物をこの薬学的組み合わせ組成物または処方物で処置する工程を包含する。
【0017】
別の実施形態において、式Iの化合物およびその薬学的に受容可能な塩、ならびにその全てのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、多型、偽多型、および非晶質形態が提供される。
【0018】
別の実施形態において、式Iの化合物を調製するために有用な、本明細書中に開示されるプロセスおよび新規中間体が提供される。
【0019】
他の実施形態において、式Iの化合物の合成、分析、分離、単離、精製、特徴付け、および試験のための新規方法が提供される。
【0020】
本発明は、本明細書全体にわたって記載されるような、局面および実施形態の組み合わせ、ならびに好ましいものを包含する。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式I:
【化74】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルであって、式Iにおいて:
R
1は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロシクリルアルキルおよび必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より選択され、
ここで各置換されたR
1は、1つ以上のQ
1で置換されており;
各Q
1は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
10、-S(O)R
10、-S(O)
2R
10、-S(O)
2NR
10R
11、-NR
10C(O)R
11、-NR
10C(O)NR
11R
12、-NR
10S(O)R
11、-NR
10S(O)
2R
11、-OP(O)R
11R
12、-P(O)R
11R
12、-P(O)OR
11R
12、-P(O)(OR
11)OR
12、-C(O)NR
11R
12、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
11R
12、-C(O)OR
10、-CN、-N
3、-C(=NR
13)NR
11R
12、-C(=NR
13)OR
10、-NR
10C(=NR
13)NR
11R
12、-NR
11C(O)OR
10、および-OC(O)NR
11R
12からなる群より独立して選択され;
各R
10、R
11、およびR
12は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
11およびR
12は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
13は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
14、-CHOおよび-S(O)
2R
14からなる群より独立して選択され;
各R
14は独立して、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
1、置換されたR
10、置換されたR
11、置換されたR
12、置換されたR
13、または置換されたR
14は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
R
2は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より選択され;
ここで各置換されたR
2は、1つ以上のQ
2で置換されており;
各Q
2は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
20、-S(O)R
20、-S(O)
2R
20、-S(O)
2NR
20R
21、-NR
20C(O)R
21、-NR
20C(O)NR
21R
22、-NR
20S(O)R
21、-NR
20S(O)
2R
21、-OP(O)R
21R
22、-P(O)R
21R
22、-P(O)OR
21R
22、-P(O)(OR
21)OR
22、-C(O)NR
21R
22、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
21R
22、-C(O)OR
20、-CN、-N
3、-C(=NR
23)NR
21R
22、-C(=NR
23)OR
20、-NR
20C(=NR
23)NR
21R
22、-NR
21C(O)OR
20、および-OC(O)NR
21R
22からなる群より独立して選択され;
各R
20、R
21、およびR
22は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
21およびR
22は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
23は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
24、-CHOおよび-S(O)
2R
24からなる群より独立して選択され;
各R
24は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
2、置換されたR
20、置換されたR
21、置換されたR
22、置換されたR
23、または置換されたR
24は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
R
3は、C
4〜12シクロアルキルアルキレンまたは置換されたC
4〜12シクロアルキルアルキレンであり;
ここで各置換されたR
3は、1つ以上のQ
3で置換されており;
各Q
3は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
30、-S(O)R
30、-S(O)
2R
30、-S(O)
2NR
30R
31、-NR
30C(O)R
31、-NR
30C(O)NR
31R
32、-NR
30S(O)R
31、-NR
30S(O)
2R
31、-OP(O)R
31R
32、-P(O)R
31R
32、-P(O)OR
31R
32、-P(O)(OR
31)OR
32、-C(O)NR
31R
32、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
31R
32、-C(O)OR
30、-CN、-N
3、-C(=NR
33)NR
31R
32、-C(=NR
33)OR
30、-NR
30C(=NR
33)NR
31R
32、-NR
31C(O)OR
30、および-OC(O)NR
31R
32からなる群より独立して選択され;
各R
30、R
31、およびR
32は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
31およびR
32は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
33は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
34、-CHOおよび-S(O)
2R
34からなる群より独立して選択され;
各R
34は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
3、置換されたR
30、置換されたR
31、置換されたR
32、置換されたR
33、または置換されたR
34は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
Lは、-O-、-S-、-S(O)-、および-S(O)
2-からなる群より選択され;
Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり;
ここで各置換されたHetは、1つ以上のQ
4で置換されており;
各Q
4は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
40、-S(O)R
40、-S(O)
2R
40、-S(O)
2NR
40R
41、-NR
40C(O)R
41、-NR
40C(O)NR
41R
42、-NR
40S(O)R
41、-NR
40S(O)
2R
41、-OP(O)R
41R
42、-P(O)R
41R
42、-P(O)OR
41R
42、-P(O)(OR
41)OR
42、-C(O)NR
41R
42、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換
された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
41R
42、-C(O)OR
40、-CN、-N
3、-C(=NR
43)NR
41R
42、-C(=NR
43)OR
40、-NR
40C(=NR
43)NR
41R
42、-NR
41C(O)OR
40、および-OC(O)NR
41R
42からなる群より独立して選択され;
各R
40、R
41、およびR
42は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
41およびR
42は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
43は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に
応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
44、-CHOおよび-S(O)
2R
44からなる群より独立して選択され;
各R
44は個々に、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
4、置換されたR
40、置換されたR
41、置換されたR
42、置換されたR
43、または置換されたR
44は独立して、1つ以上のQ
5で置換されており;
各Q
5は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
50、-S(O)R
50、-S(O)
2R
50、-S(O)
2NR
50R
51、-NR
50C(O)R
51、-NR
50C(O)NR
51R
52、-NR
50S(O)R
51、-NR
50S(O)
2R
51、-OP(O)R
51R
52、-P(O)R
51R
52、-P(O)OR
51R
52、-P(O)(OR
51)OR
52、-C(O)NR
51R
52、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜12アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換されたC
1〜6アルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルケニルオキシ、必要に応じて置換されたC
2〜6アルキニルオキシ、必要に応じて置換されたC
3〜6シクロアルキルオキシ、必要に応じて置換されたC
6〜12アリールオキシ、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールオキシ、必要に応じて置換された4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、必要に応じて置換された-C(O)C
1〜6アルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルケニル、必要に応じて置換された-C(O)C
2〜6アルキニル、必要に応じて置換された-C(O)C
3〜6シクロアルキル、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリール、必要に応じて置換された-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、必要に応じて置換された-C(O)C
6〜12アリールアルキル、必要に応じて置換
された3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
51R
52、-C(O)OR
50、-CN、-N
3、-C(=NR
53)NR
51R
52、-C(=NR
53)OR
50、-NR
50C(=NR
53)NR
51R
52、-NR
51C(O)OR
50、および-OC(O)NR
51R
52からなる群より個々に選択され;
各R
50、R
51、およびR
52は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、および必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
51およびR
52は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
53は、H、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜14アリール、必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリール、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリル、必要に
応じて置換された3員〜18員のヘテロアリールアルキル、必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
54、-CHOおよび-S(O)
2R
54からなる群より独立して選択され;
各R
54は独立して、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキルであり;
ここで各置換されたQ
5、置換されたR
50、置換されたR
51、置換されたR
52、置換されたR
53、または置換されたR
54は独立して、1つ以上のQ
6で置換されており;
各Q
6は、ハロゲン、オキソ、オキシド、-NO
2、-N(=O)、-SR
60、-S(O)R
60、-S(O)
2R
60、-S(O)
2NR
60R
61、-NR
60C(O)R
61、-NR
60C(O)NR
61R
62、-NR
60S(O)R
61,-NR
60S(O)
2R
61、-OP(O)R
61R
62、-P(O)R
61R
62、-P(O)OR
61R
62、-P(O)(OR
61)OR
62、-C(O)NR
61R
62、C
1〜6アルキル、C
2〜6アルケニル、C
2〜6アルキニル、C
3〜6シクロアルキル、C
6〜12アリールアルキル、C
6〜12アリール、3員〜14員のヘテロアリール、C
1〜6アルキルオキシ、C
2〜6アルケニルオキシ、C
2〜6アルキニルオキシ、C
3〜6シクロアルキルオキシ、C
6〜12アリールオキシ、3員〜14員のヘテロアリールオキシ、4員〜12員のヘテロシクリルオキシ、-C(O)C
1〜6アルキル、-C(O)C
2〜6アルケニル、-C(O)C
2〜6アルキニル、-C(O)C
3〜6シクロアルキル、-C(O)C
1〜6ハロアルキル、-C(O)C
6〜12アリール、-C(O)-3員〜14員ヘテロアリール、-C(O)C
6〜12アリールアルキル、3員〜10員のヘテロシクリル、-OH、-NR
61R
62、-C(O)OR
60、-CN、-N
3、-C(=NR
63)NR
61R
62、-C(=NR
63)OR
60、-NR
60C(=NR
63)NR
61R
62、-NR
61C(O)OR
60、および-OC(O)NR
61R
62からなる群より独立して選択され;
各R
60、R
61、およびR
62は、H、C
1〜12アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、C
3〜12シクロアルキル、C
1〜12ハロアルキル、C
6〜14アリール、3員〜14員のヘテロアリール、3員〜12員のヘテロシクリル、3〜18員のヘテロアリールアルキル、およびC
6〜18アリールアルキルからなる群より独立して選択されるか;
またはR
61およびR
62は、これらが結合する原子と一緒になって、3員〜10員のヘテロシクリルを形成し;
各R
63は、H、C
1〜12アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、C
3〜12シクロアルキル、C
6〜14アリール、3員〜14員のヘテロアリール、3員〜12員のヘテロシクリル、3〜18員のヘテロアリールアルキル、C
6〜18アリールアルキル、-CN、-C(O)R
64、-CHOおよび-S(O)
2R
64からなる群より独立して選択され;
各R
64は個々に、C
1〜12アルキルである、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステル。
(項目2)
R
1が、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、または必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキルである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
R
1が、必要に応じて置換されたC
3〜C
7の第二級または第三級アルキルである、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
R
2が、必要に応じて置換されたC
3〜12-シクロアルキルである、項目1〜3のいずれ
か1項に記載の化合物。
(項目5)
Lが−O−である、項目1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
(項目6)
R
3が、必要に応じて置換されたシクロアルキルメチレンまたは必要に応じて置換されたシクロアルキルエチレンである、項目1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
(項目7)
式II:
【化75】
により表わされる、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルであって、式IIにおいて、
R
2は、必要に応じて置換された4-メチルシクロヘキシルまたは必要に応じて置換された4-メチルシクロヘキセニルである、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステル。
(項目8)
R
2が:
【化76】
からなる群より選択される、項目1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
(項目9)
R
3が、必要に応じて置換されたシクロヘキシルメチレンである、項目1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
(項目10)
Hetが、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである、項目1〜9のいずれか1項に記載の
化合物。
(項目11)
式III:
【化77】
により表わされる、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルであって、式IIIにおいて、R
2が
【化78】
からなる群より選択される、化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステル。
(項目12)
Hetが、必要に応じて置換されたピリジニル、必要に応じて置換されたピリダジニル、
必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-ピラニル、必要に応じて置換されたピペリジニル、必要に応じて置換されたピロリジニル、必要に応じて置換されたテトラヒドロチオフェニル、必要に応じて置換されたピラジニル、必要に応じて置換されたアゼチジニル、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニル、必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラニル、必要に応じて置換されたチアゾリル、必要に応じて置換された1H-イミダゾリル、必要に応じて置換された1H-ピラゾリル、必要に応じて置換されたキノリ
ニル、必要に応じて置換されたチオフェニル、必要に応じて置換されたピリミジニルである、項目1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
(項目13)
R
2が
【化79】
である、項目1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
(項目14)
Hetが、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである、項目1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
(項目15)
【化80】
【化81】
【化82】
から選択される、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステル。
(項目16)
治療有効量の項目1〜15のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含有する、薬学的組成物。
(項目17)
インターフェロン、リバビリンもしくはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α-グルコシダーゼ1インヒビター、肝臓保護物質、メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト、レニン-アンギオテンシン系のアンタゴニスト、他の抗線
維症剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターもしくはヌクレオチドイン
ヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター、HCV NS5Aインヒビター、TLR-7アゴニスト、サイクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物動態増強剤およびHCVを処置するための他の薬物からなる群より選択される少なくとも1種
のさらなる治療剤、またはこれらの混合物をさらに含有する、項目16に記載の薬学的組成物。
(項目18)
デング熱ウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、クンジンウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、オムスク出血性熱ウイルス、ウシウイルス性下痢性ウイルス、ジカウイルスおよびC
型肝炎ウイルスからなる群より選択されるウイルスにより引き起こされるウイルス感染を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とする哺乳動物に、治療有効量の項目1〜15のいずれか1項に記載の化合物または薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
(項目19)
前記ウイルス感染がC型肝炎ウイルスにより引き起こされる、項目18に記載の方法。
(項目20)
インターフェロン、リバビリンもしくはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α-グルコシダーゼ1インヒビター、肝臓保護物質、メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト、レニン-アンギオテンシン系のアンタゴニスト、他の抗線維症剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターもしくはヌクレオチドインヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター、HCV NS5Aインヒビター、TLR-7アゴニスト、サイクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物動態増強剤およびHCVを処置するための他の薬物からなる群より選択される少なくとも1種のさらなる治療剤、またはこれらの混合物を投与する工程をさらに包含する、項目19に記載の方法。
(項目21)
フラビウイルス科ウイルス感染の処置のための医薬の製造のための、項目1〜15のいずれか1項に記載の化合物の使用。
(項目22)
フラビウイルス科ウイルス感染を処置する際に使用するための、項目1〜15のいずれか1項に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
ここで本発明の特定の実施形態が詳細に参照され、それらの例は、付随する構造および式に図示されている。本発明は、列挙される実施形態に関連して説明されるが、これらの実施形態は、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図されないことが理解される。逆に、本発明は、本明細書中に規定されるような本発明の範囲に含まれ得る、全ての代替物、改変物および均等物を網羅することを意図される。
【0022】
本明細書中で参照される全ての文献は各々が、全ての目的で、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0023】
式Iの1つの実施形態において、R
1は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要
に応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、または必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキルである。この実施形態の別の局面において、R
1は、必要に応じて置換されたC
1〜C
12アルキルである。この実施形態の別の局面に
おいて、R
1は、必要に応じて置換されたC
3〜C
7の第二級または第三級アルキルである。この実施形態の別の局面において、R
1は、プロパ-2-イル(イソプロピル)または2-メチルプ
ロパ-2-イル(t--ブチル)である。
【0024】
式Iの別の実施形態において、R
2は、必要に応じて置換されたC
1〜12アルキル、必要に
応じて置換されたC
2〜12アルケニル、必要に応じて置換されたC
2〜12アルキニル、必要に応じて置換されたC
3〜12シクロアルキル、または必要に応じて置換されたC
6〜18アリールアルキルである。この実施形態の別の局面において、R
2は、必要に応じて置換されたC
3〜12-シクロアルキルである。この実施形態の別の局面において、R
2は、必要に応じて置換
されたメチルシクロヘキシルまたは必要に応じて置換されたメチルシクロヘキセニルである。この実施形態の別の局面において、R
2は、必要に応じて置換された4-メチルシクロヘキシルである。この実施形態の別の局面において、R
2は、必要に応じて置換された4-メチルシクロヘキセニルである。この実施形態の好ましい局面において、R
2は
【0026】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0028】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0030】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0032】
式Iの別の実施形態において、R
1は、必要に応じて置換されたC
1〜C
12アルキルであり、そしてR
2は、必要に応じて置換されたC
3〜12-シクロアルキルである。この実施形態の別
の局面において、Lは、−O−、−S−、−S(O)−、または−S(O)
2−である。この実施形態の別の局面において、Lは−O−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S(O)−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S(O)
2−である。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロアルキルメチレンまたは必要に応じて置換されたシクロアルキルエチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロプロピルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロブチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロペンチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘキシルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘプチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの
必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む
。この実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。こ
の実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜10員のヘテロアリールである。この実施形
態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。
【0033】
式Iの別の実施形態において、R
1は、必要に応じて置換されたC
3〜C
7の第二級または第
三級アルキルであり、R
2は、必要に応じて置換されたC
6-シクロアルキルであり、そしてR
3は、必要に応じて置換されたシクロアルキルメチレンまたは必要に応じて置換されたシクロアルキルエチレンである。この実施形態の別の局面において、Lは、−O−、−S−、−S(O)−、または−S(O)
2−である。この実施形態の別の局面において、Lは−O−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S(O)−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S(O)
2−である。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロプロピルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロブチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロペンチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘキシルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘプチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの必要に応じて置
換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む。この実施形態
の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜10員のヘテロアリールである。この実施形態の別の局面に
おいて、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。
【0034】
式Iの別の実施形態において、R
1は、必要に応じて置換されたC
3〜C
7の第三級アルキル
であり、R
2は、必要に応じて置換されたメチルシクロヘキシルまたは必要に応じて置換されたメチルシクロヘキセニルであり、そしてR
3は、必要に応じて置換されたシクロアルキルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0035】
【化6】
である。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0036】
【化7】
である。この実施形態の別の局面において、R
1は、2−メチルプロパ−2−イル(t−
ブチル)である。この実施形態の別の局面において、Lは、−O−、−S−、−S(O)−、または−S(O)
2−である。この実施形態の別の局面において、Lは−O−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S−である。この実施形態の別の局面において、Lは−S(O)−である。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて
置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは
必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて
置換されたピリジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて
置換されたピリダジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じ
て置換されたテトラヒドロ-2H-ピラニルである。この実施形態の別の局面において、Het
は、必要に応じて置換されたピペリジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピロリジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロチオフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピラジニルである。この実施形態の別の局
面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-テトラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたアゼチジニルである。この実施形態の
別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3
(S)−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換され
たテトラヒドロフラン−3(R)−イルである。この実施形態の別の局面において、Het
は、必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラニルである。この実施形
態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチアゾリルである。この実施形
態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-イミダゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された4H-1,2,4-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-ピラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-チアジ
アゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたキ
ノリニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチオフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、
必要に応じて置換された1,2,4-チアジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリミジニルである。この実施形態の別の局面におい
て、Hetは、必要に応じて置換された1H-1,2,3-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-オキサジアゾリルである。この実
施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたイミダゾ[1,2-b]ピリダジニルである。この実施形態の好ましい局面において、R
2は
【0038】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0040】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0042】
この実施形態の別の好ましい局面において、R
2は
【0044】
別の実施形態において、式Iの化合物は、式II:
【0045】
【化12】
の化合物、またはその薬学的に受容可能な塩およびエステルを包含し、式IIにおいて:
R
2は、必要に応じて置換された4-メチルシクロヘキシルまたは必要に応じて置換されたメチルシクロヘキセニルであり、残りの可変物は、式Iについて定義されたとおりである
。
【0046】
式IIの1つの実施形態において、R
2は:
【0048】
式IIの別の実施形態において、R
2は:
【0050】
式IIの別の実施形態において、R
2は
【0052】
式IIの別の実施形態において、R
2は
【0054】
式IIの別の実施形態において、R
3は
【0056】
式IIの別の実施形態において、R
3は
【0058】
式IIの別の実施形態において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの必
要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む。
この実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜10員のヘテロアリールである。この実施形態
の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリジニルである。この実施形態
の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリダジニルである。この実施形
態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-ピラニルであ
る。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピペリジニルで
ある。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピロリジニル
である。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒド
ロチオフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換さ
れたピラジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換さ
れた1H-テトラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたアゼチジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて
置換されたテトラヒドロフラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必
要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3(S)−イルである。
この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン
−3(R)−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換
されたテトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラニルである。この実施形態の別の局面において
、Hetは、必要に応じて置換されたチアゾリルである。この実施形態の別の局面において
、Hetは、必要に応じて置換された1H-イミダゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された4H-1,2,4-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-ピラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-チアジアゾリルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたキノリニルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチオフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換され
た1,2,4-チアジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じ
て置換されたピリミジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応
じて置換された1H-1,2,3-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-オキサジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたイミダゾ[1,2-b]ピリダジニルである。
【0059】
式IIの別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロアルキルメチレンまたは必要に応じて置換されたシクロアルキルエチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロプロピルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロブチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロペンチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘキシルメチレンである。この実施形態の別の局面において、R
3は、必要に応じて置換されたシクロヘプチルメチレンである。この実施形態の別の局面において、Q
3はOHである。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0060】
【化19】
である。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0062】
式IIの別の実施形態において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラニルであり、そしてR
3は、必要に応じて置換されたシクロヘキシルメチレンである。この実施形態の別の局面において、Q
3はOHである。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0063】
【化21】
である。この実施形態の別の局面において、R
3は
【0064】
【化22】
である。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、テトラヒドロフラン−3−イルである。この実施形態の別の局面において、R
2は
【0066】
この実施形態の別の局面において、R
2は
【0068】
この実施形態の別の局面において、R
2は
【0070】
この実施形態の別の局面において、R
2は
【0072】
別の実施形態において、式Iの化合物は、式III:
【0073】
【化27】
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルにより表わされ、ここでR
2は、
【0075】
【化29】
からなる群より選択され、そして残りの可変物は、式Iについて定義されたとおりである。
【0076】
式IIIの別の実施形態において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの
必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む
。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここでこの
必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールは、OまたはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む。この実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。この実施
形態の別の局面において、Hetは、OまたはNから選択される1個または2個のヘテロ原子
を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜10員のヘテロアリールである。この実施形態の別の局面に
おいて、Hetは、必要に応じて置換されたピリジニルである。この実施形態の別の局面に
おいて、Hetは、必要に応じて置換されたピリダジニルである。この実施形態の別の局面
において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-ピラニルである。この実施
形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピペリジニルである。この実
施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピロリジニルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロチオフェニ
ルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピラジニ
ルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-テトラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたアゼ
チジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテ
トラヒドロフラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置
換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。この実施形態の別の局面において、Het
は、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3(S)−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3(R)−
イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラ
ヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要
に応じて置換された1H-イミダゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された4H-1,2,4-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面におい
て、Hetは、必要に応じて置換された1H-ピラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-チアジアゾリルである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたキノリニルである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、必要に応じて置換された[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル
である。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチオフェニ
ルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,2,4-チ
アジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換され
たピリミジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換さ
れた1H-1,2,3-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-オキサジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Het
は、必要に応じて置換されたイミダゾ[1,2-b]ピリダジニルである。
【0077】
式IIIの別の実施形態において、R
2は
【0078】
【化30】
である。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここ
でこの必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換され
た3員〜14員のヘテロアリールは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換された3員〜14員のヘテロアリールであり、ここ
でこの必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換され
た3員〜14員のヘテロアリールは、OまたはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含
む。この実施形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個または2個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。
この実施形態の別の局面において、Hetは、OまたはNから選択される1個または2個のヘ
テロ原子を含む、必要に応じて置換された3員〜12員のヘテロシクリルである。この実施
形態の別の局面において、Hetは、O、S、またはNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む、必要に応じて置換された5員〜10員のヘテロアリールである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリジニルである。この実施形態の別
の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリダジニルである。この実施形態の
別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロ-2H-ピラニルである。
この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピペリジニルである
。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピロリジニルであ
る。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロチ
オフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された
ピラジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-テトラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換さ
れたアゼチジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換
されたテトラヒドロフラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に
応じて置換されたテトラヒドロフラン−3−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3(S)−イルである。この
実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフラン−3
(R)−イルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換され
たテトラヒドロ-2H-フロ[2,3-b]フラニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Het
は、必要に応じて置換された1H-イミダゾリルである。この実施形態の別の局面において
、Hetは、必要に応じて置換された4H-1,2,4-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1H-ピラゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-チアジアゾリルである。この実施
形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたキノリニルである。この実施
形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピ
リジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたチ
オフェニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,2,4-チアジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたピリミジニルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて
置換された1H-1,2,3-トリアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換された1,3,4-オキサジアゾリルである。この実施形態の別の局面において、Hetは、必要に応じて置換されたイミダゾ[1,2-b]ピリダジニルである。
【0079】
別の実施形態において、式I〜IIIの化合物は、
【0081】
【化32】
またはその薬学的に受容可能な塩もしくはエステルである。
【0082】
(定義)
他のことが記載されない限り、以下の用語および語句は、本明細書中で使用される場合、以下の意味を有することが意図される。特定の用語または語句が具体的に定義されないという事実は、不明瞭さ、または明瞭さを欠くことと関連付けられるべきではなく、むしろ、本明細書中の用語は、その通常の意味で使用される。商品名が本明細書中で使用される場合、出願人は、その商品名の製品、およびその商品名の製品の活性薬学的成分を独立して含むことを意図する。
【0083】
用語「処置」およびその文法上の等価物は、疾患を処置する文脈で使用される場合、疾患の進行を遅くするかまたは止めること、あるいは疾患の少なくとも1つの症状を軽減すること、より好ましくは、疾患の1つより多くの症状を軽減することを意味する。例えば、C型肝炎ウイルス感染の処置は、HCVに感染した人間におけるHCVウイルス量を減少させ
ること、および/またはHCVに感染した人間に存在する黄疸の重篤度を低下させることを
包含し得る。
【0084】
「アルキル」とは、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルキル基は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20アルキル)、1個〜10個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
10アルキル)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルキル)を有し得る。適切なアルキル基の例としては、メチル(Me、−CH
3)、エチル(Et、−CH
2CH
3)、1−プロピル(
n−Pr、
n−プロピル、−CH
2CH
2CH
3)、2−プロピル(
i−Pr、
i−プロピル、−CH(CH
3)
2)、1−ブチル(
n−Bu、
n−ブチル、−CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−メチル−1−プロピル(
i−Bu、
i−ブチル、−CH
2CH(CH
3)
2)、2−ブチル(
s−Bu、
s−ブチル、−CH(CH
3)CH
2CH
3)、2−メチル−2−プロピル(
t−Bu、
t−ブチル、−C(CH
3)
3)、1−ペンチル(
n−ペンチル、−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
3)、3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)
2)、3−メチル−1−ブチル(−CH
2CH
2CH(CH
3)
2)、2−メチル−1−ブチル(−CH
2CH(CH
3)CH
2CH
3)、1−ヘキシル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
3)、2−ヘキシル(−CH(CH
3)CH
2CH
2CH
2CH
3)、3−ヘキシル(−CH(CH
2CH
3)(CH
2CH
2CH
3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH
3)
2CH
2CH
2CH
3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH(CH
3)CH
2CH
3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH
3)CH
2CH(CH
3)
2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH
3)(CH
2CH
3)
2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH
2CH
3)CH(CH
3)
2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH
3)
2CH(CH
3)
2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH
3)C(CH
3)
3、およびオクチル(−(CH
2)
7CH
3)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
「アルコキシ」とは、上で定義されたようなアルキル基が酸素原子を介して親分子に結合している、式−O−アルキルを有する基を意味する。アルコキシ基のアルキル部分は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20アルコキシ)、1個〜12個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
12アルコキシ)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルコキシ)を有し得る。適切なアルコキシ基の例としては、メトキシ(−O−CH
3または-OMe)、エトキシ(−OCH
2CH
3または−OEt)、t−ブトキシ
(−O−C(CH
3)
3または-OtBu)などが挙げられるが、これらに限定されない
。
【0086】
「ハロアルキル」とは、アルキル基の1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置き換えられている、上で定義されたようなアルキル基である。ハロアルキル基のアルキル部分は、1個〜20個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
20ハロアルキル)、1個〜12個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
12ハロアルキル)、または1個〜6個の炭素原子(すなわち、C
1〜C
6アルキル)を有し得る。適切なハロアルキル基の例としては、−CF
3、−CHF
2、−CFH
2、−CH
2CF
3などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
「アルケニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp
2二重結合)を有する、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2個〜20個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
20アルケニル)、2個〜12個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
12アルケニル)、または2個〜6個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
6アルケニル)を有し得る。適切なアルケニル基の例としては、ビニル(−CH=CH
2)、アリル(−CH
2CH=CH
2)、シクロペンテニル(−C
5H
7)、および5−ヘキセニル(−CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
「アルキニル」とは、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素のsp三重結合)を有する、直鎖、第二級、第三級、または環状の炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルキニル基は、2個〜20個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
20アルキニル)、2個〜12個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
12アルキニル)、または2個〜6個の炭素原子(すなわち、C
2〜C
6アルキニル)を有し得る。適切なアルキニル基の例としては、アセチレン型(−C≡CH)、プロパルギル(−CH
2C≡CH)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
「アルキレン」とは、親アルカンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の、炭化水素基をいう。例えば、アルキレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルキレン基としては、メチレン(−CH
2−)、1,1−エチレン(−CH(CH
3)−)、1,2−エチレン(−CH
2CH
2−)、1,1−プロピレン(−CH(CH
2CH
3)−)、1,2−プロピレン(−CH
2CH(CH
3)−)、1,3−プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)、1,4−ブチレン(−CH
2CH
2CH
2CH
2−)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「アルケニレン」とは、親アルケンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、不飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の炭化水素基をいう。例えば、アルケニレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルケニレン基としては、1,2−エチレン(−CH=CH−)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
「アルキニレン」とは、親アルキンの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、不飽和の、分枝鎖または直鎖または環状の炭化水素基をいう。例えば、アルキニレン基は、1個〜20個の炭素原子、1個〜10個の炭素原子、または1個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルキニレン基としては、アセチレン(−C≡C−)、プロパルギル(−CH
2C≡C−)、および4−ペンチニル(−CH
2CH
2CH
2C≡CH−)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
「アルキリン」とは、親アルカンの2個の炭素原子からの3個の水素原子の除去により誘導される、2つのラジカル中心を有する飽和した分枝鎖または直鎖の基をいう。例えば、アルキリン基は、2個〜20個の炭素原子、2個〜10個の炭素原子、または2個〜6個の炭素原子を有し得る。代表的なアルキリン基としては、1,2-エチリン(-CH
2CH=)、1,2-プロピ
リン(-CH
2C(CH
3)=)、1,3-プロピリン(-CH
2CH
2CH=)、および1,4-ブチリン(-CH
2CH
2CH
2CH=)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
「アリール」とは、親芳香族環系の1個の炭素原子からの1個の水素原子の除去により誘導される、一価の芳香族炭化水素基を意味する。例えば、アリール基は、6個〜20個の炭素原子、6個〜14個の炭素原子、または6個〜12個の炭素原子を有し得る。代表的なアリール基としては、ベンゼン(例えば、フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
「アリーレン」とは、親アリールの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導される2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなアリールをいう。代表的なアリーレン基としては、フェニレンが挙げられるが、これに限定されない。
【0095】
「アリールアルキル」とは、炭素原子(代表的には、末端炭素原子またはsp
3炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つがアリール基で置き換えられている、非環状アルキル基をいう。代表的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、6個〜20個の炭素原子を含み得る。例えば、アルキル部分が1個〜6個の炭素原子であり、そしてアリール部分が6個〜14個の炭素原子である。
【0096】
「シクロアルキル」とは、単環としては3個〜7個の炭素原子、二環としては7個〜12個
の炭素原子、そして多環としては約20個までの炭素原子を有する、飽和または部分不飽和の環をいう。単環式シクロアルキル基は、3個〜6個の環原子、なおより代表的には、5個
または6個の環原子を有する。二環式シクロアルキル基は、7個〜12個の環原子(例えば、ビシクロ(4,5)系、(5,5)系、(5,6)系もしくは(6,6)系として配置される)、または9個も
しくは10個の環原子(ビシクロ(5,6)系もしくは(6,6)系として配置される)を有する。シクロアルキル基としては、炭化水素の単環式環、二環式環、および多環式環が挙げられ、縮合していても、有橋であっても、スピロであってもよい。単環式炭素環の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル
、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、およびビシクロ[3.1.0]ヘキサ-6-イルなどが挙げられる。
【0097】
「シクロアルキレン」とは、親シクロアルキルの同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により誘導される2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなシクロアルキルをいう。代表的なシクロアルキレン基としては、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレンおよびシクロヘキシレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
「シクロアルキルアルキル」とは、炭素原子(代表的には、末端炭素原子またはsp
3炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つが、上で定義されたようなシクロアルキル基で置き換えられている、非環式アルキル基をいう。代表的なシクロアルキルアルキル基としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキセニルメチル、2−シクロヘキシルエタン−1−イル、2−シクロヘキセニルエタン−1−イル、2−シクロプロピルエタン−1−イル、および2−シクロペンチルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルアルキル基は、4個〜26個の炭素原子を含み得、例えば、アルキル部分が1個〜6個の炭素原子であり、そしてシクロアルキル部分は上で定義されたとおりである。
【0099】
「シクロアルキルアルキレン」とは、シクロアルキルアルキルのアルキル部分からの1個の水素原子の除去、およびシクロアルキルアルキルのシクロアルキル部分からの別の水素原子の除去により誘導された2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたようなシクロアルキルアルキルをいう。シクロアルキルアルキレン基の非限定的な例は:
【0101】
「ハロゲン」とは、F、Cl、Br、またはIをいう。
【0102】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルキル」とは、少なくとも1個のハロゲンで置換されている、本明細書中で定義されるようなアルキル基をいう。本明細書中で使用される場合の、分枝鎖または直鎖の「ハロアルキル」基の例としては、1つ以上のハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード)で独立して置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、およびt-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ハロアルキル」は、-CF
3などのパーフルオロアルキル基のような置換基を包含すると解釈されるべきである。
【0103】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルコキシ」とは、基-OR
aをいい、ここでR
aは、本明細書中で定義されるようなハロアルキル基である。非限定的な例として、ハロアルコキシ基としては、-O(CH
2)F、-O(CH)F
2、および-OCF
3が挙げられる。
【0104】
「複素環」または「ヘテロシクリル」とは、1個〜14個の炭素原子、およびN、S、P、またはOから選択される1個〜6個のヘテロ原子を有する、飽和または部分不飽和の環式基を
いい、そして単環系ならびに多環系(縮合環系、有橋環系、およびスピロ環系が挙げられる)を包含する。「複素環」または「ヘテロシクリル」は、本明細書中で使用される場合、例として限定ではなく、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968)の特に第1章、第3章、第4章、第6章、第7章、および第9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs
”(John Wiley & Sons,New York,1950年以降)の特に第13巻、第14巻、第16巻、第19
巻、および第28巻;ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載される複素環を包含する。1つの実施形態において、複素環式基の炭素原子、窒素原子、リン原子、または硫黄原子は、酸化されて、C(=O)部分、N-オキシド部分、ホスフィナン(phosphinane)オキシド部分、スルフィニル部分、またはスルホニル部分を与えてもよい。
【0105】
一例として、置換されたヘテロシクリルとしては、例えば、本明細書中に開示される置換基のうちのいずれか(オキソ基を含む)で置換された複素環式環が挙げられる。カルボニル置換されたヘテロシクリルの非限定的な例は:
【0107】
複素環の例としては、例として限定ではなく、ジヒドロピリジル(dihydroypyridyl)
、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、テトラヒドロチオフェニル、硫黄が酸化されたテトラヒドロチオフェニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、アゼチジニル、2-ピロリドニル、テトラヒドロフラニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、ピラニル、モルホリニル、およびビス-テトラヒドロフラニル:
【0109】
「ヘテロサイクレン」または「ヘテロシクリレン」とは、親複素環の同じ炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去、親複素環の2個の窒素原子からの2個の水素原子の除去、または親複素環の1個の窒素原子からの1個の水素原子の除去および1個の炭素原子からの1個の水素原子の除去により誘導された、2つの一価ラジカル中心を有する、上で定義されたような「複素環」または「ヘテロシクリル」をいう。ヘテロサイクレンまたはヘテロシクリレンの非限定的な例は:
【0111】
「ヘテロアリール」とは、その環内に少なくとも1個のヘテロ原子を有する、一価の芳香族ヘテロシクリルをいう。従って、「ヘテロアリール」とは、1個〜14個の炭素原子、
および酸素、窒素、硫黄、またはリンから選択される1個〜6個のヘテロ原子の、芳香族基をいう。複数の環の系については、例として、用語「ヘテロアリール」は、芳香族環と非芳香族環とを有する、縮合環系、有橋環系、およびスピロ環系を包含する。1つの実施形態において、このヘテロアリール基の炭素環原子、窒素環原子、または硫黄環原子は、酸化されて、C(=O)部分、N-オキシド部分、スルフィニル部分、またはスルホニル部分を与
え得る。
【0112】
ヘテロアリールの例としては、例として限定ではなく、ピリジル、チアゾリル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、6H-1,2,5-チアジ
アジニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H-ピロリル、イソチアゾリル、イソ
オキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-イン
ドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニ
ル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキサインドリル、ベンゾオキサゾリニル、およびイサチノイルが挙げられる。「ヘテロシクリレン」とは、ヘテロシクリルの炭素原子またはヘテロ原子からの1個の水素原子を、開いた原子価で置き換えることにより誘導される、本明細書中で定義されるようなヘテロシクリルをいう。同様に、「ヘテロアリーレン」とは、芳香族ヘテロシクリレンをいう。
【0113】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、炭素原子(代表的には、末端炭素原子またはsp
3炭素原子)に結合している水素原子のうちの1つがヘテロシクリル基で置き換えられている、非環式アルキル基(すなわち、ヘテロシクリル−アルキレン−部分)をいう。代表的なヘテロシクリルアルキル基としては、ヘテロシクリル−CH
2−、2−(ヘテロシクリル)エタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されず、ここで「ヘテロシクリル」部分は、上に記載されたヘテロシクリル基(Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載されるものが挙げられる)のいずれかを含む。当業者はまた、ヘテロシクリル基が、炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によって、ヘテロシクリルアルキルのアルキル部分に結合し得る(ただし、得られる基が化学的に安定である)ことを理解する。ヘテロシクリルアルキル基は、2個
〜20個の炭素原子および1個〜6個のヘテロ原子を含む。例えば、ヘテロシクリルアルキル基のアルキル部分は、1個〜6個の炭素原子を含み、そしてヘテロシクリル部分は、1個〜14個の炭素原子を含む。ヘテロシクリルアルキルの例としては、例として限定ではなく、5員の、硫黄、酸素、リン、および/または窒素を含有する複素環(例えば、ピロリジルメチル、および2-テトラヒドロフラニリルエタン-1-イルなど)、6員の、硫黄、酸素、および/または窒素を含有する複素環(例えば、ピペリジニルメチル、モルホリニルメチル、ピペリジニルエチル、およびテトラヒドロピラニルエチルなど)が挙げられる。
【0114】
「ヘテロアリールアルキル」とは、水素原子が本明細書中で定義されるようなヘテロアリール基で置き換えられている、本明細書中で定義されるようなアルキル基をいう。ヘテロアリールアルキルの非限定的な例としては、-CH
2-ピリジニル、-CH
2-ピロリル、-CH
2-
オキサゾリル、-CH
2-インドリル、-CH
2-イソインドリル、-CH
2-プリニル、-CH
2-フラニル、-CH
2-チエニル、-CH
2-ベンゾフラニル、-CH
2-ベンゾチオフェニル、-CH
2-カルバゾリル、-CH
2-イミダゾリル、-CH
2-チアゾリル、-CH
2-イソオキサゾリル、-CH
2-ピラゾリル、-CH
2-イソチアゾリル、-CH
2-キノリル、-CH
2-イソキノリル、-CH
2-ピリダジル、-CH
2-ピリ
ミジル、-CH
2-ピラジル、-CH(CH
3)-ピリジニル、-CH(CH
3)-ピロリル、-CH(CH
3)-オキサゾリル、-CH(CH
3)-インドリル、-CH(CH
3)-イソインドリル、-CH(CH
3)-プリニル、-CH(CH
3)-フラニル、-CH(CH
3)-チエニル、-CH(CH
3)-ベンゾフラニル、-CH(CH
3)-ベンゾチオフェニ
ル、-CH(CH
3)-カルバゾリル、-CH(CH
3)-イミダゾリル、-CH(CH
3)-チアゾリル、-CH(CH
3)-イソオキサゾリル、-CH(CH
3)-ピラゾリル、-CH(CH
3)-イソチアゾリル、-CH(CH
3)-キノリ
ル、-CH(CH
3)-イソキノリル、-CH(CH
3)-ピリダジル、-CH(CH
3)-ピリミジル、および-CH(CH
3)-ピラジルなどが挙げられる。
【0115】
用語「ヘテロシクリルオキシ」とは、隣接する原子に酸素によって結合している、ヘテロシクリル基を表す。
【0116】
硫黄原子が存在する場合、この硫黄原子は、様々な酸化レベル、すなわち、S、SO、SO
2、またはSO
3にあり得る。全てのこのような酸化レベルは、本発明の範囲内である。
【0117】
リン原子が存在する場合、このリン原子は、様々な酸化レベル、すなわち、POR
aR
bR
c、PO
2R
aR
b、またはPO
3R
aR
bにあり得、ここでR
a、R
b、およびR
cは各々独立して、H、C
-1〜12アルキル、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルキニル、C
6〜14アリール、3員〜12員の複素環
、3員〜18員のヘテロアリールアルキル、もしくはC
6〜18アリールアルキルから選択され
るか、または2つが一緒になって(酸素を含めてまたは含めずに)、5員〜10員の複素環を
形成する。全てのこのような酸化レベルは、本発明の範囲内である。
【0118】
本発明の式の化合物の特定の部分(例えば、「必要に応じて置換されたアリール基」)に関連する用語「必要に応じて置換された」とは、置換基を有さない部分、または1個以上の置換基を有する部分をいう。
【0119】
アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルなど(例えば、「置換されたアルキル」、「置換されたアルキレン」、「置換されたアリール」、「置換されたアリールアルキル」、「置換されたヘテロシクリル」、および「置換されたカルボシクリル」)に関連する用語「置換された」とは、1個以上の水素原子が各々独立して、水素ではない置換基で置き換えられている、アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、カルボシクリルをそれぞれ意味する。二価の基も同様に置換され得る。他に示されない限り、代表的な置換基としては、-X、-R
b、-O
-、=O、-OR
b、-SR
b、-S
-、-NR
b2、-N
+R
b3、=NR
b、-CX
3、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO
2、=N
2、-N
3、-NHC(=O)R
b、-OC(=O)R
b、-NHC(=O)NR
b2、-S(=O)
2-、-S(=O)
2OH、-S(=O)
2R
b、-OS(=O)
2OR
b、-S(=O)
2NR
b2、-S(=O)R
b、-OP(=O)(OR
b)
2、-P(=O)(OR
b)
2、-P(=O)(O
-)
2、-P(=O)(OH)
2、-P(O)(OR
b)(O
-)、-C(=O)R
b、-C(=O)X、-C(S)R
b、-C(O)OR
b、-C(O)O
-、-C(S)OR
b、-C(O)SR
b、-C(S)SR
b、-C(O)NR
b2、-C(S)NR
b2、-C(=NR
b)NR
b2が挙げられるが、これらに限定されず、ここで各Xは独立して、ハロゲン、すなわちF、Cl、Br、またはIであり、そして各R
bは独立して、H、アルキル、アリ
ール、アリールアルキル、複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である。アルキレン基、アルケニレン基、およびアルキニレン基も同様に置換され得る。他に示されない限り、用語「置換された」が、置換が可能な2つ以上の部分を有する基(例えば、アリールアルキル)と組み合わせて使用される場合、これらの置換基は、アリール部分に結合しても、アルキル部分に結合しても、両方に結合してもよい。
【0120】
当業者は、「アルキル」、「アリール」、「ヘテロシクリル」などの部分が1つ以上の置換基で置換される場合、これらの部分は代替的に、「アルキレン」部分、「アリーレン」部分、「ヘテロシクリレン」部分などと呼ばれ得る(すなわち、親の「アルキル」、「
アリール」、「ヘテロシクリル」部分の水素原子のうちの少なくとも1個が、示される置換基で置き換えられていることを示す)ことを認識する。「アルキル」、「アリール」、
「ヘテロシクリル」などの部分が本明細書中で「置換された」といわれる場合、または図で置換されている(もしくは必要に応じて置換されている(例えば、置換基の数が0から正の整数までの範囲である場合))ように示される場合、「アルキル」、「アリール」、
「ヘテロシクリル」などの用語は、「アルキレン」、「アリーレン」、「ヘテロシクリレン」などと交換可能であると理解される。
【0121】
当業者により理解されるように、本発明の化合物は、溶媒和形態または水和形態で存在し得る。本発明の範囲は、このような形態を含む。ここでまた、当業者により理解されるように、これらの化合物は、エステル化が可能であり得る。本発明の範囲は、エステルおよび他の生理学的に機能的な誘導体を含む。本発明の範囲は、本明細書中に記載される化合物のプロドラッグ形態を含む。
【0122】
「エステル」とは、分子の--COOH官能基のいずれかが-C(O)OR官能基により置き換えら
れているか、または分子の-OH官能基のいずれかが-OC(O)R官能基で置き換えられている、化合物の任意のエステルを意味し、ここでこのエステルのR部分は、安定なエステル部分
を形成する任意の炭素含有基であり、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびその置換された誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
用語「プロドラッグ」とは、本明細書中で使用される場合、生物学的系に投与される場合に、自発的な化学反応、酵素により触媒される化学反応、光分解、および/または代謝化学反応の結果として、薬物物質(すなわち、活性成分)を生成する、任意の化合物をいう。従って、プロドラッグは、治療的に活性な化合物の共有結合により修飾されたアナログまたは潜在的な形態である。プロドラッグの例としては、エステル部分、第四級アンモニウム部分、およびグリコール部分などが挙げられる。
【0124】
当業者は、式I〜IIIの化合物の置換基および他の部分が、認容可能に安定な薬学的組成物に処方され得る、薬学的に有用な化合物を提供するために充分に安定な化合物を提供する目的で選択されるべきであることを認識する。このような安定性を有する式Iの化合物は、本発明の範囲内に入ることが想定される。
【0125】
当業者により理解されるように、本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を含み得る。本発明の範囲は、このような形態を含む。ここでまた、当業者により理解されるように、この化合物は、エステル化が可能である。本発明の範囲は、エステルおよび他の生理学的に機能的な誘導体を含む。さらに、本発明の範囲は、本明細書中に記載される化合物のプロドラッグ形態を含む。
【0126】
式I〜IIIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩は、様々な多型または偽多型と
して存在し得る。本明細書中で使用される場合、結晶の多型性とは、結晶性化合物が異なる結晶構造で存在する能力を意味する。多型性は一般に、温度、圧力、またはこれらの両方の変化に対する応答として、起こり得る。多型性はまた、結晶化プロセスのバリエーションからも生じ得る。多型は、当該分野において公知である種々の物理特性(例えば、X線回折パターン、溶解度、および融点)によって区別され得る。結晶の多型性は、結晶の充填の差異(充填多型性)、または同じ分子の異なる配座異性体間の充填の差異(配座多型
性)から生じ得る。本明細書中で使用される場合、結晶の偽多型性とは、化合物の水和物
または溶媒和物が異なる結晶構造で存在する能力を意味する。本発明の偽多型は、結晶の充填の差異に起因して(充填偽多型性)、または同じ分子の異なる配座異性体間の充填の差異に起因して(配座偽多型性)存在し得る。本発明は、式I〜IIの化合物およびその薬学的
に受容可能な塩の全ての多型および偽多型を包含する。
【0127】
式I〜IIIの化合物およびその薬学的に受容可能な塩はまた、非晶質固体として存在
し得る。本明細書中で使用される場合、非晶質固体とは、その固体中の原子の位置の長距離規則度が存在しない固体である。この定義は、その結晶サイズが2ナノメートル以下である場合も同様に適用される。添加物(溶媒が挙げられる)が、本発明の非晶質形態を作製するために使用され得る。本発明は、式I〜IIの化合物およびその薬学的に受容可能な
塩の全ての非晶質形態を包含する。
【0128】
本明細書中に記載される化合物の特定のものは、1つ以上のキラル中心を含むか、または他の方法で、複数の立体異性体として存在することが可能であり得る。本発明の範囲は、立体異性体の混合物、および精製したエナンチオマーまたはエナンチオマー/ジアステレオマーが富化された混合物を含む。本発明の範囲内にはまた、本発明の式により表わされる化合物の個々の異性体、およびその完全にかまたは部分的に平衡化された任意の混合物が含まれる。本発明はまた、上記式により表される化合物の個々の異性体を、1つ以上のキラル中心が逆になったその異性体との混合物として、含む。
【0129】
用語「キラル」とは、鏡像パートナーと重なり合わない性質を有する分子をいい、一方で、用語「アキラル」とは、鏡像パートナーと重なり合う分子をいう。
【0130】
用語「立体異性体」とは、同一の化学組成を有するが、空間内での原子または基の配置に関して異なる化合物をいう。
【0131】
「ジアステレオマー」とは、2つ以上の不斉中心を有する立体異性体であって、それらの分子が互いの鏡像ではないものをいう。ジアステレオマーは、異なる物理特性(例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性)を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析手順(例えば、電気泳動法およびクロマトグラフィー)のもとで分離され得る。
【0132】
「エナンチオマー」とは、互いの重なり合わない鏡像である化合物の2つの立体異性体をいう。
【0133】
「アトロプ異性体」とは、回転に対する立体ひずみ障壁が個々の配座異性体の単離を可能にするために充分に高い、単結合の周りでの妨げられた回転から生じる化合物の立体異性体をいう。アトロプ異性体は、軸キラリティーを示す。アトロプ異性体は、熱的に平衡化され得、そして相互変換障壁は、熱力学的に測定され得る。アトロプ異性は、他の形態のキラル異性の存在とは別に起こり得る。従って、示されるように、図示される窒素原子は平面であり、そして式Iの化合物:
【0134】
【化37】
は、アトロプ異性体として存在し得る。
【0135】
本発明の1つの実施形態において、これらの化合物は、式Ia:
【0136】
【化38】
の配座異性形態で存在する。
【0137】
本明細書中で使用される立体化学の定義および規則は、一般に、S.P.Parker編,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;ならびにEliel,E.およびWilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley &
Sons,Inc.,New Yorkに従う。
【0138】
多くの有機化合物は、光学活性な形態で存在する。すなわち、これらの化合物は、面偏光された光の面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物を記載する際に、接頭語DおよびL、またはRおよびSが、分子のキラル中心の周りでのその分子の絶対配置を記載するために使用される。接頭語dおよびl、または(+)および(−)は、面偏光された光のその化合物による回転の符号を示すために使用される。(−)またはlは、その化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdを接頭語とする化合物は、右旋性である。
【0139】
特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称され得、そしてこのような異性体の混合物はしばしば、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50の混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これは、化学反応またはプロセスにおいて立体選択も立体特異性も存在しなかった場合に起こり得る。用語「ラセミ混合物」および「ラセミ体」は、光学活性を有さない、2つのエナンチオマー種の等モル混合物をいう。
【0140】
本発明は、本明細書中に記載される化合物の塩または溶媒和物(塩の溶媒和物などのその組み合わせを含む)を含む。本発明の化合物は、溶媒和(例えば、水和)された形態および溶媒和されていない形態で存在し得、そして本発明は、全てのこのような形態を包含する。
【0141】
絶対ではないが代表的に、本発明の塩は、薬学的に受容可能な塩である。用語「薬学的に受容可能な塩」に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性の塩をいう。
【0142】
適切な薬学的に受容可能な塩の例としては、無機酸付加塩(例えば、塩化物塩、臭化物塩、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩);有機酸付加塩(例えば、酢酸塩、ガラクツロン
酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩);酸性アミノ酸との塩(例えば、アスパラギン酸塩およびグ
ルタミン酸塩);アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩);アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩およびカルシウム塩);アンモニウム塩;有機塩基性塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、およびN,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩);ならびに塩基性アミノ酸との塩(例えば、リジン塩およびアルギニン塩)が挙げられる。これらの塩は、いくつかの場合において、水和物またはエタノール溶媒和物であり得る。
【0143】
量に関連して使用される修飾語「約」は、記載される値を包含し、そしてその文脈により決定される意味を有する(例えば、特定の量の測定に関連する誤差の程度を含む)。
【0144】
本明細書中に記載される化合物が1つより多くの同じ指定の基(例えば、「R」または
「R
1」)で置換されている場合は常に、これらの基は同じであっても異なっていてもよいこと、すなわち、各基は独立して選択されることが、理解される。波線
【0145】
【化39】
は、隣接する置換基、基、部分、または原子への共有結合による結合の部位を示す。
【0146】
本発明の化合物はまた、特定の場合において、互変異性体として存在し得る。1つの非局在共鳴構造のみが図示され得るが、全てのこのような形態が、本発明の範囲内で想定される。例えば、エン−アミン互変異性体が、プリン系、ピリミジン系、イミダゾール系、グアニジン系、アミジン系、およびテトラゾール系について存在し得、これらの可能な互変異性形態の全てが、本発明の範囲内である。
【0147】
式I〜IIIの化合物を構成する選択された置換基は、反復可能な(recursive)程度に存在し得る。この文脈において、「反復可能な置換基」とは、置換基がそれ自体の別の例を記載し得ることを意味する。複数の記載は、他の置換基の順序を通して直接的であっても間接的であってもよい。このような置換基の反復可能な性質に起因して、理論的には、多数の化合物が任意の所定の実施形態に存在し得る。薬化学の当業者は、このような置換基の総数が、意図される化合物の所望の特性により合理的に制限されることを理解する。このような特性としては、例として限定ではなく、物理特性(例えば、分子量、溶解度またはlog P)、用途の特性(例えば、意図される標的に対する活性)、および実用面での特性(例えば、合成の容易さ)が挙げられる。反復可能な置換基は、本発明の意図される局面であり得る。薬化学の当業者は、広範なこのような置換基を理解する。反復可能な置換基が本発明の実施形態に存在する程度まで、これらの置換基は、それ自体の別の例を、0回、1回、2回、3回、または4回記載し得る。
【0148】
式I〜IIIの化合物はまた、特定の分子において特定される原子の同位体を組み込む
分子を含む。これらの同位体の非限定的な例としては、D、T、
14C、
13C、
18Oおよび
15Nが挙げられる。
【0149】
(保護基)
本発明の文脈において、保護基は、プロドラッグ部分および化学的保護基を包含する。
【0150】
保護基は、合成手順(すなわち、本発明の化合物を調製する経路または方法)中の保護された基との副反応を防止するために、利用可能であり、通常公知であって使用されており、そして必要に応じて使用される。大部分は、保護する場合にどの基を保護するかに関する決定、および化学保護基「PG」の性質は、防ぐべき反応の化学(例えば、酸性、塩基性、酸化的、還元的、または他の条件)および合成の意図される方向に依存する。化合物が複数のPGで置換される場合、PG基は、同じである必要はなく、そして一般には同じではない。一般に、PGは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオ基、またはアミノ基などの官能基を保護するために使用され、従って、副反応を防止するため、または合成効率を他の様式で高めるために、使用される。遊離の脱保護された基を生じるための脱保護の順序は、合成の意図される方向、および遭遇する反応条件に依存し、そして当業者により決定されるような任意の順序で行われ得る。
【0151】
本発明の化合物の種々の官能基が、保護され得る。例えば、−OH基(ヒドロキシルであっても、カルボン酸であっても、ホスホン酸であっても、他の官能基であっても)のための保護基としては、「エーテル形成基またはエステル形成基」が挙げられる。エーテル形成基またはエステル形成基は、本明細書中に記載される合成スキームにおいて、化学保護基として機能し得る。しかし、いくつかのヒドロキシル保護基およびチオ保護基は、当業者により理解されるように、エーテル形成基でもエステル形成基でもなく、そして以下で議論されるアミドに含まれる。
【0152】
非常に多数のヒドロキシル保護基およびアミド形成基、ならびに対応する化学切断反応が、Protective Groups in Organic Synthesis,Theodora W.GreeneおよびPeter G.M.Wuts(John
Wiley & Sons,Inc.,New York,1999,ISBN 0−471−16019−9)(「Greene」)に記載されている。Kocienski,Philip J.;Protecting Groups(Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York,1994)(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)もまた参照のこと。特に、第1章,Protecting Groups:An Overview,1−20頁,第2章,Hydroxyl Protecting Groups,21−94頁,第3章,Diol Protecting Groups,95−117頁,第4章,Carboxyl Protecting Groups,118−154頁,第5章,Carbonyl Protecting Groups,155−184頁。カルボン酸、ホスホン酸、ホスホネート、スルホン酸のための保護基、および酸のための他の保護基については、以下に記載されるように、Greeneを参照のこと、このような基としては、例として限定ではなく、エステル、アミド、ヒドラジドなどが挙げられる。
【0153】
(エーテル形成保護基およびエステル形成保護基)
エステル形成基としては:(1)ホスホネートエステル形成基(例えば、ホスホンアミデートエステル、ホスホロチオエートエステル、ホスホネートエステル、およびホスホン−ビス−アミデート);(2)カルボキシルエステル形成基、ならびに(3)硫黄エステル形成基(例えば、スルホン酸エステル、硫酸エステル、およびスルフィン酸エステル)が挙げられる。
【0154】
(本発明の化合物の代謝産物)
本明細書中に記載される化合物のインビボ代謝産物もまた、本発明の範囲内に入る。このような産物は、投与される化合物の、特に酵素プロセスに起因する、例えば酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生じ得る。従って、本発明は、本発明の化合物を哺乳動物に、この化合物の代謝産物を生じるために充分な時間にわたって接触させる工程を包含するプロセスによって、生成された化合物を包含する。このような生成物は、代表的に、放射線標識(例えば、C
14またはH
3)された本発明の化合物を調製すること、この化合物を検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kgより多量)で、動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、サル)またはヒトに非経口投与すること、代謝が起こるために充分な時間(代表的に、約30秒〜30時間)を与えること、およびその変換生成物を、尿、血液または他の生物学的サンプルから単離することによって、同定される。これらの生成物は、容易に単離される。なぜなら、これらの生成物は、標識されているからである(他の化合物は、代謝産物中に残っているエピトープに結合し得る抗体の使用によって、単離される)。代謝産物の構造は、従来の様式で(例えば、MSまたはNMR分析によって)決定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知である従来の薬物代謝研究と同じ様式で行われる。変換生成物は、他の方法ではインビボに見出されない限り、単独では抗感染活性を有さない場合でさえも、本発明の化合物の治療的用量についての診断アッセイにおいて有用である。
【0155】
本発明の化合物の種々の種類および下位種類の定義および置換基は、本明細書中に記載および図示されている。上に記載された定義および置換基の任意の組み合わせは、実施不可能な種または化合物をもたらすべきではないことが、当業者により理解されるべきである。「実施不可能な種または化合物」とは、関連する科学的原理に従わない化合物構造(
例えば、4つより多くの共有結合に結合している1個の炭素原子)、または非常に不安定
であり、単離および薬学的に受容可能な剤形への処方を可能にしない化合物を意味する。
【0156】
(薬学的処方物)
本発明の化合物は、従来のキャリアおよび賦形剤と一緒に処方され、これらのキャリアおよび賦形剤は、通常の実施に一致するように選択される。錠剤は、賦形剤、グライダント、充填剤、結合剤などを含有する。水性処方物は、滅菌形態で調製され、そして経口投与以外による送達が意図される場合には一般に、等張性である。全ての処方物は、Handbook of Pharmaceutical Excipients(1986)(その全体が本明細書中に参考として援用される)に記載されるもののような賦形剤を必要に応じて含有する。賦形剤としては、アスコルビン酸および他の酸化防止剤、キレート剤(例えば、EDTA)、炭水化物(例えば、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース)、ステアリン酸などが挙げられる。処方物のpHは、約3〜約11の範囲であるが、通常は、約7〜10である。
【0157】
活性成分が単独で投与されることが可能であるが、これらの活性成分を薬学的処方物として提供することが好ましくあり得る。本発明の処方物(獣医学のためとヒトでの使用のためとの両方)は、少なくとも1種の活性成分を、1種以上の受容可能なキャリアおよび必要に応じて他の治療成分と一緒に含有する。このキャリアは、その処方物の他の成分と適合性であり、そしてそのレシピエントに対して生理学的に無害であるという意味で、「受容可能」でなければならない。
【0158】
これらの処方物としては、前述の投与経路のために適切な処方物が挙げられる。これらの処方物は、好都合には、単位剤形で提供され得、そして薬学の分野において周知である方法のうちのいずれかによって調製され得る。技術および処方物は、一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.)(その全体が本明細書中に参考として援用される)に見出される。このような方法は、活性成分と、1以上の補助成分を構成するキャリアとを混ぜ合わせる工程を包含する。一般に、これらの処方物は、活性成分と、液体キャリアまたは微細に分割された固体キャリア、あるいはこれらの両方とを均一にしっかりと混ぜ合わせ、次いで必要であれば、その生成物を成型することによって、調製される。
【0159】
経口投与のために適切な本発明の処方物は、不連続な単位(例えば、各々が所定量の活性成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤);散剤または顆粒剤;水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョン)として提供され得る。この活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与され得る。
【0160】
錠剤は、必要に応じて1以上の補助成分と一緒に、圧縮または成形によって作製される。圧縮された錠剤は、適切な機械で、自由に流動する形態(例えば、粉末または顆粒)の活性成分(必要に応じて、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤または分散剤と混合される)を圧縮することにより調製され得る。成形された錠剤は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿らされた粉末状の活性成分の混合物を成形することにより作製され得る。これらの錠剤は、必要に応じてコーティングされ得るかまたは割線を付けられ得、そして必要に応じて、活性成分の遅延放出または制御放出を提供するように処方される。
【0161】
眼または他の外部組織(例えば、口および皮膚)への投与のためには、これらの処方物は、好ましくは、例えば、0.075%w/w〜20%w/wの量の活性成分を含有し(0.1%w/wの増分で0.1%〜20%の範囲(例えば、0.6%w/w、0.7%w/wなど)の活性成分を含有する)、好ましくは0.2%w/w〜15%w/w、そして最も好ましくは0.5%w/w〜10%w/wの量の活性成分を含有する、局所軟膏剤またはクリームとして塗布される。軟膏剤に処方される場合、これらの活性成分は、パラフィン系軟膏基剤または水混和性軟膏基剤のいずれかと一緒に使用され得る。あるいは、これらの活性成分は、水中油型のクリーム基剤を用いてクリームに処方され得る。
【0162】
所望であれば、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも30%w/wの多価アルコール(すなわち、2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、例えば、プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG 400が挙げられる)ならびにこれらの混合物)を含有し得る。局所処方物は、望ましくは、皮膚または他の影響を受ける領域を通しての活性成分の吸収または侵入を増強する化合物を含有し得る。このような皮膚侵入増強剤の例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連するアナログが挙げられる。
【0163】
本発明のエマルジョンの油相は、公知の様式で公知の成分から構築され得る。この相は、単に乳化剤(emulsifier)(または乳化剤(emulgent)として公知)を含有し得るが、望ましくは、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪または油、あるいは脂肪と油との両方との混合物を含有する。好ましくは、親水性乳化剤が、親油性乳化剤(安定剤として働く)と一緒に含有される。油と脂肪との両方を含有することもまた、好ましい。一緒になって、安定剤を含むかまたは含まない乳化剤は、いわゆる乳化蝋を作製し、そしてこの蝋は、油および脂肪と一緒になって、いわゆる乳化軟膏基剤を作製し、この乳化軟膏基剤は、クリーム処方物の油性の分散相を形成する。
【0164】
本発明の処方物において使用するために適切な乳化剤およびエマルジョン安定剤としては、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0165】
処方のために適切な油または脂肪の選択は、所望の化粧特性を達成することに基づく。クリームは、好ましくは、油っぽくなく、非染色性であり、そして洗い流せる製品であるべきであり、チューブまたは他の容器からの漏出を回避するために適切なコンシステンシーを有する。直鎖または分枝鎖の、一塩基性または二塩基性のアルキルエステル(例えば、ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、またはCrodamol CAPとして公知である分枝鎖エステルのブレンド)が使用され得、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、必要とされる特性に依存して、単独でかまたは組み合わせで使用され得る。あるいは、高融点の脂質(例えば、白色ワセリンおよび/または流動パラフィン)、あるいは他の鉱油が使用される。
【0166】
本発明による薬学的処方物は、1種以上の本発明の化合物を、1種以上の薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤、および必要に応じて他の治療剤と一緒に、含有する。活性成分を含有する薬学的処方物は、意図される投与法方のために適切な任意の形態であり得る。例えば、経口用途のために使用される場合、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性懸濁物または油性懸濁物、分散可能な粉末または顆粒、エマルジョン、硬カプセルまたは軟カプセル、シロップまたはエリキシルが、調製され得る。経口用途が意図される組成物は、薬学的組成物の製造の分野において公知である任意の方法に従って調製され得、そしてこのような組成物は、味が良い調製物を提供する目的で、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤および防腐剤が挙げられる、1種以上の剤を含有し得る。錠剤の製造のために適切な非毒性の薬学的に受容可能な賦形剤と混合された、活性成分を含有する錠剤が受容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム);顆粒化剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、またはアルギン酸);結合剤(例えば、セルロース、微結晶セルロース、デンプン、ゼラチンまたはアカシアガム);および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石)であり得る。錠剤は、コーティングされなくてもよく、または公知の技術(マイクロカプセル化が挙げられる)によってコーティングされて、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、これによって長期間にわたって持続する作用を提供してもよい。例えば、時間遅延材料(例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル)が、単独でかまたは蝋と一緒に使用され得る。
【0167】
経口用途のための処方物はまた、硬ゼラチンカプセルとして(活性成分は、不活性固体希釈剤(例えば、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合される)、あるいは軟ゼラチンカプセルとして(活性成分は、水または油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合される)提供され得る。
【0168】
本発明の水性懸濁物は、水性懸濁物の製造のために適切な賦形剤と混合された、活性物質を含有する。このような賦形剤としては、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアカシアガム)、ならびに分散剤または湿潤剤(例えば、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート))が挙げられる。水性懸濁物はまた、1種以上の防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ−安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ−安息香酸n−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の矯味矯臭剤および1種以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)を含有し得る。
【0169】
油懸濁物は、活性成分を、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)に懸濁させることにより処方され得る。経口懸濁物は、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコール)を含有し得る。甘味剤(例えば、本明細書中に記載されるもの)および矯味矯臭剤が、味が良い経口調製物を提供するために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により防腐処理され得る。
【0170】
水の添加による水性懸濁物の調製のために適切な、本発明の分散可能な粉末および顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種以上の防腐剤との混合物で提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、上に開示されたものにより例示される。さらなる賦形剤(例えば、甘味剤、矯味矯臭剤および着色剤)もまた存在し得る。
【0171】
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態であり得る。油性の相は、植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)、鉱油(例えば、流動パラフィン)、あるいはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤としては、天然に存在するガム(例えば、アカシアガムおよびトラガカントガム)、天然に存在するホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにこれらの部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。このエマルジョンはまた、甘味剤および矯味矯臭剤を含有し得る。シロップおよびエリキシルは、甘味剤(例えば、グリセロール、ソルビトールまたはスクロース)を用いて処方され得る。このような処方物はまた、粘滑薬、防腐剤、矯味矯臭剤または着色剤を含有し得る。
【0172】
本発明の薬学的組成物は、滅菌注射可能な調製物(例えば、滅菌注射可能な水性または油性の懸濁物)の形態であり得る。この懸濁物は、公知の技術に従って、本明細書中に記載された適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、処方され得る。滅菌注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤または溶媒中の、滅菌注射可能な溶液または懸濁物(例えば、1,3−ブタン−ジオール中の溶液)であり得るか、あるいは凍結乾燥された粉末として調製され得る。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒のうちでも、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として慣習的に使用され得る。この目的で、任意のブランドの不揮発性油(合成モノグリセリドまたはジグリセリドが挙げられる)が使用され得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が同様に、注射可能物の調製において使用され得る。
【0173】
単一剤形を製造するためにキャリア物質と合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与様式に依存して変動する。例えば、ヒトへの経口投与が意図される時間放出処方物は、適切な好都合な量のキャリア物質(全組成物の約5%から約95%(重量:重量)で変動し得る)と配合された、約1mg〜1000mgの活性物質を含有し得る。薬学的組成物は、容易に測定可能な投与量を提供するように調製され得る。例えば、静脈内注入が意図される水溶液は、適切な体積の注入が約30mL/時間の速度で起こり得るように、溶液1ミリリットルあたり約3μg〜500μgの活性成分を含有し得る。
【0174】
眼への投与に適した処方物としては、点眼薬が挙げられ、点眼薬において、活性成分は、適切なキャリア(特に、活性成分のための水性溶媒)中に溶解または懸濁される。この活性成分は、好ましくは、このような処方物中に、0.5%〜20%、有利には0.5%〜10%、特に、約1.5%w/wの濃度で存在する。
【0175】
口への局所投与に適した処方物としては、ロゼンジ(活性成分を矯味矯臭処理された基剤(通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)中に含有する);香錠(活性成分を不活性基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア)中に含有する);ならびにうがい薬(活性成分を適切な液体キャリア中に含有する)が挙げられる。
【0176】
直腸投与のための処方物は、坐剤として提供され得、適切な基剤としては、例えば、ココアバターまたはサリチレートが挙げられる。
【0177】
肺内投与または鼻腔投与に適した処方物は、例えば、0.1μm〜500μm(例えば0.5μm、1μm、30μm、35μmなどの増分の、0.1μm〜500μmの範囲の粒子サイズを含む)の範囲の粒子サイズを有し、この処方物は、鼻通路を通しての迅速な吸入により投与されるか、または肺胞嚢に達するように口を通しての吸入により投与される。適切な処方物としては、活性成分の水溶液または油溶液が挙げられる。エアロゾルまたは乾燥粉末での投与に適した処方物は、従来の方法に従って調製され得、そして他の治療剤(例えば、本明細書中に記載されるような感染の処置または予防において現在まで使用されている化合物)と一緒に送達され得る。
【0178】
膣投与に適した処方物は、活性成分に加えて、適切であることが当該分野において公知であるようなキャリアを含有する、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレー処方物として提供され得る。
【0179】
非経口投与に適した処方物としては、水性または非水性の滅菌注射溶液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、およびこの処方物を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有し得る);ならびに水性および非水性の滅菌懸濁物(懸濁化剤および増粘剤を含有し得る)が挙げられる。
【0180】
これらの処方物は、単位用量容器または多用量容器(例えば、密封されたアンプルおよびバイアル)中に提供され、そしてフリーズドライ(凍結乾燥)された条件で貯蔵され得、使用の直前に滅菌液体キャリア(例えば、注射用水)の添加のみを必要とする。即時注射の溶液および懸濁物は、先に記載された種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製される。好ましい単位投薬処方物は、本明細書中で上に記載されたような毎日の用量または毎日の単位部分用量、あるいはこれらの適切な一部の活性成分を含有する処方物である。
【0181】
上に具体的に記載された成分に加えて、本発明の処方物は、問題の処方物の型を考慮して、当該分野において慣習的である他の剤を含有し得ることが理解されるべきである。例えば、経口投与に適した処方物は、矯味矯臭剤を含有し得る。
【0182】
本発明の化合物はまた、活性成分の制御放出を提供して、より少ない頻度の投薬を可能にするか、または活性成分の薬物速度論もしくは毒性プロフィールを改善するように処方され得る。従って、本発明はまた、徐放または制御放出のために処方された、本発明の1種以上の化合物を含有する組成物を提供する。
【0183】
活性成分の有効用量は、少なくとも、処置される状態の性質、毒性、その化合物が予防的に(より低い用量で)使用されるのか、活性なウイルス感染に対して使用されるのか、送達方法、および薬学的処方物に依存し、そして臨床医によって、従来の用量増大研究を使用して決定される。有効用量は、体重1kgあたり1日あたり約0.0001mg〜約100mgであると予測され得る。代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.01mg〜約10mgである。より代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.01mg〜約5mgである。最も代表的には、体重1kgあたり1日あたり約0.05mg〜約0.5mgである。例えば、約70kgの体重の成人についての毎日の候補用量は、1mg〜1000mgの範囲、好ましくは5mg〜500mgであり、そして単一用量または多用量の形態を取り得る。
【0184】
なお別の実施形態において、本願は、式Iの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩
、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含有する、薬学的組成物を開示する。
【0185】
(投与経路)
本発明の1種以上の化合物(本明細書中で、活性成分と称される)は、処置されるべき状態のために適切な任意の経路により投与される。適切な経路としては、経口、直腸、経鼻、局所(頬および舌下が挙げられる)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、鞘内および硬膜外)などが挙げられる。好ましい経路は、例えば、レシピエントの状態とともに変動し得ることが理解される。本発明の化合物の利点は、これらの化合物が経口で生体利用可能であり、経口投与され得ることである。
【0186】
(HCV併用療法を含めた併用療法)
別の実施形態において、本発明の化合物は、1種以上の活性な剤と組み合わせられ得る。適切な組み合わせの非限定的な例としては、1種以上の本発明の化合物と、1種以上のインターフェロン、リバビリンもしくはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α-グルコシダーゼ1インヒビター、肝臓保護物質(hepatoprotectant)、メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト、レニン-アンギオテンシン系のア
ンタゴニスト、他の抗線維症剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターも
しくはヌクレオチドインヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビタ
ー、HCV NS5Aインヒビター、TLR-7アゴニスト、サイクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物動態増強剤(pharmacokinetic enhancer)およびHCVを処置する
ための他の薬物との組み合わせが挙げられる。
【0187】
より具体的には、1種以上の本発明の化合物は、
1)インターフェロン(例えば、PEG化rIFN-α2b(PEG-イントロン)、PEG化rIFN-α2a(ペガシス)、rIFN-α2b(イントロンA)、rIFN-α2a(ロフェロン−A(Roferon-A))、インターフェロンα(MOR-22、OPC-18、アルファフェロン(Alfaferone)、アルファナチブ
(Alfanative)、マルチフェロン(Multiferon)、スバリン(subalin))、インターフェロンアルファコン−1(interferon alfacon-1)(インフェルゲン(Infergen))、イン
ターフェロンα-n1(Wellferon)、インターフェロンα-n3(Alferon)、インターフェロン-
β(アボネックス(Avonex)、DL-8234)、インターフェロン-ω(ωDUROS、バイオメド510(Biomed 510))、アルブインターフェロン(albinterferon)α-2b(アルブフェロン
(Albuferon))、IFNαXL、BLX-883(ロクテロン(Locteron))、DA-3021、グリコシル化
インターフェロンα-2b(AVI-005)、PEG-インフェルゲン(PEG-Infergen)、PEG化インタ
ーフェロンλ(PEG化IL-29)、およびベレロフォン(belerofon))、
2)リバビリンおよびそのアナログ(例えば、リバビリン(レベトール、コペガス)、およびタリバビリン(taribavirin)(ビラミジン(Viramidine)))、
3)HCV NS3プロテアーゼインヒビター(例えば、ボセプレビル(boceprevir)(SCH-503034、SCH-7)、テラプレビル(telaprevir)(VX-950)、VX-813、TMC-435(TMC435350)、ABT-450、BI-201335、BI-1230、MK-7009、SCH-900518、VBY-376、VX-500、GS-9256、GS-9451、BMS-790052、BMS-605339、PHX-1766、AS-101、YH-5258、YH5530、YH5531、およびITMN-191(R-7227))、
4)α-グルコシダーゼ1インヒビター(例えば、セルゴシビル(celgosivir)(MX-3253)
、ミグリトール、およびUT-231B)、
5)肝臓保護物質(例えば、エメリカサン(emericasan)(IDN-6556)、ME-3738、GS-9450(LB-84451)、シリビリン(silibilin)、およびMitoQ)、
6)HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターまたはヌクレオチドインヒビタ
ー(例えば、R1626、R7128(R4048)、IDX184、IDX-102、PSI-7851、BCX-4678、バロピシタビン(valopicitabine)(NM-283)、およびMK-0608)、
7)HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター(例えば、フィリブビル(filibuvir)(PF-868554)、ABT-333、ABT-072、BI-207127、VCH-759、VCH-916、JTK-652、MK-3281、VBY-708、VCH-222、A848837、ANA-598、GL60667、GL59728、A-63890、A-48773、A-48547、BC-2329、VCH-796(ネスブビル(nesbuvir))、GSK625433、BILN-1941、XTL-2125
、およびGS-9190)、
8)HCV NS5Aインヒビター(例えば、AZD-2836(A-831)、AZD-7295(A-689)、およびBMS-790052)、
9)TLR-7アゴニスト(例えば、イミキモッド、852A、GS-9524、ANA-773、ANA-975、AZD-8848(DSP-3025)、PF-04878691、およびSM-360320)、
10)サイクロフィリンインヒビター(例えば、DEBIO-025、SCY-635、およびNIM811)、
11)HCV IRESインヒビター(例えば、MCI-067)、
12)薬物動態増強剤(例えば、BAS-100、SPI-452、PF-4194477、TMC-41629、GS-9350、GS-9585、およびロキシスロマイシン(roxythromycin))、
13)HCVを処置するための他の薬物(例えば、サイモシンα1(ザダキシン(Zadaxin))、ニタゾキサニド(アリネア(Alinea)、NTZ)、BIVN-401(ビロスタット(virostat))、PYN-17(アルチレックス(altirex))、KPE02003002、アクチロン(actilon)(CPG-10101)、GS-9525、KRN-7000、シバシル(civacir)、GI-5005、XTL-6865、BIT225、PTX-111、ITX2865、TT-033i、ANA 971、NOV-205、タルバシン(tarvacin)、EHC-18、VGX-410C、EMZ-702、AVI 4065、BMS-650032、BMS-791325、バビツキシマブ(Bavituximab)、MDX-1106(ONO-4538)、オグルファニド(Oglufanide)、FK-788、およびVX-497(メリメポジブ(merimepodib)));
14)メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト(例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼイ
ンヒビター(例えば、ヒメグルシン(hymeglusin))、スクアレン合成インヒビター(例え
ば、ザラゴジン酸(zaragozic acid)));
15)アンギオテンシンIIレセプターアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサル
タン(irbesartan)、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン(eprosartan));
16)アンギオテンシン変換酵素インヒビター(例えばカプトプリル、ゾフェノプリル、
エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、リジノプリル、ベナゼプリル、ホシノプリル);
17)他の抗線維症剤(例えば、アミロライド)ならびに
18)エンドセリンアンタゴニスト(例えば、ボセンタンおよびアンブリセンタン(ambrisentan))
からなる群より選択される1つ以上の化合物と組み合わせられ得る。
【0188】
なお別の実施形態において、本願は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を、少なくとも1種のさらなる活性剤、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤と組み合わせて含有する、薬学的組成物を開示する。なお別の実施形態において、本願は、単一の剤形で2種以上の治療剤を用いる、組み合わせ薬剤を提供する。従って、本発明の任意の化合物を、1種以上の他の活性な剤と、単一剤形で組み合わせることもまた可能である。
【0189】
併用療法は、同時投薬計画または連続投薬計画で施され得る。連続的に投与される場合、この組み合わせは、2回以上の投与で投与され得る。
【0190】
本発明の化合物と、1種以上の他の活性な剤との同時投与は、一般に、本発明の化合物と、1種以上の他の活性な剤との、同時の投与または連続的な投与をいい、その結果、治療有効量の、本発明の化合物と1種以上の他の活性な剤との両方が、患者の身体内に存在する。
【0191】
同時投与は、1種以上の他の活性な剤の単位投薬量の投与前または投与後の、単位投薬量の本発明の化合物の投与(例えば、1種以上の他の活性な剤の投与の数秒以内、数分以内、または数時間以内の、本発明の化合物の投与)を包含する。例えば、単位用量の本発明の化合物が最初に投与され得、その後数秒以内または数分以内に、単位用量の1種以上の他の活性な剤が投与される。あるいは、単位用量の1種以上の他の活性な剤が最初に投与され得、その後、単位用量の本発明の化合物が数秒以内または数分以内に投与される。いくつかの場合において、単位用量の本発明の化合物を最初に投与し、その後、数時間(例えば、1時間〜12時間)後に、単位用量の1種以上の他の活性な剤を投与することが望ましくあり得る。他の場合において、単位用量の1種以上の他の活性な剤を最初に投与し、その後、数時間(例えば、1時間〜12時間)後に、単位用量の本発明の化合物を投与することが望ましくあり得る。
【0192】
併用療法は、「共同作用」および「相乗作用」を提供し得る。すなわち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される効果が、これらの化合物を別々に使用することにより生じる効果の合計より大きい。相乗作用は、活性成分が:(1)一緒に処方されて投与されるか、または組み合わせられた処方物中で同時に送達される場合;(2)別々の処方物として交互にかまたは平行して送達される場合;あるいは(3)他の何らかの投薬計画により、達成され得る。交互の治療で送達される場合、相乗作用は、これらの化合物が連続的に(例えば、別々の錠剤、丸剤またはカプセル内で、あるいは別々の注射器内の異なる注射により)投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交互の治療中、有効投薬量の各活性成分は、連続的に(すなわち、順番に)投与され、一方で、併用療法において、有効投薬量の2種以上の活性成分は、一緒に投与される。
【0193】
なおさらに別の実施形態において、本願は、患者におけるHCVを処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、治療有効量の式I〜IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステルを投与する工程を包含する。この実施形態の好ましい局面において、式I〜IIIの化合物は、少なくとも、70%が1つのジアステレオマーであるか、80%が1つのジアステレオマーであるか、90%が1つのジアステレオマーであるか、または最も好ましくは、95%が1つのジアステレオマーである。
【0194】
なおさらに別の実施形態において、本願は、患者におけるHCVを処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、治療有効量の式I〜IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種のさらなる活性治療剤を投与する工程を包含する。この実施形態の好ましい局面において、式I〜IIIの化合物は、少なくとも、70%が1つのジアステレオマーであるか、80%が1つのジアステレオマーであるか、90%が1つのジアステレオマーであるか、または最も好ましくは、95%が1つのジアステレオマーである。
【0195】
なおさらに別の実施形態において、本願は、患者におけるHCVを処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、治療有効量の式I〜IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1種のさらなる活性治療剤を投与する工程を包含し、このさらなる活性治療剤は、本発明の1つ以上の化合物と、1種以上のインターフェロン、リバビリンもしくはそのアナログ、HCV NS3プロテアーゼインヒビター、NS5aインヒビター、α-グルコシダーゼ1インヒビター、肝臓保護物質、メバロネート脱炭酸酵素アンタゴニスト、レニン-アンギオテンシン系のアンタゴニ
スト、他の抗線維症剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドインヒビターもしくはヌ
クレオチドインヒビター、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシドインヒビター、HCV NS5Aインヒビター、TLR-7アゴニスト、サイクロフィリンインヒビター、HCV IRESインヒビター、薬物動態増強剤およびHCVを処置するための他の薬物からなる群より選択される
。この実施形態の好ましい局面において、式I〜IIIの化合物は、少なくとも、70%が1つのジアステレオマーであるか、80%が1つのジアステレオマーであるか、90%が1つのジアステレオマーであるか、または最も好ましくは、95%が1つのジアステレオマーである。
【0196】
なおさらに別の実施形態において、本願は、患者におけるHCV感染を処置するための医薬の調製のための、式I〜IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステルの使用を提供する。この実施形態の好ましい局面において、式I〜IIIの化合物は、少なくとも、70%が1つのジアステレオマーであるか、80%が1つのジアステレオマーであるか、90%が1つのジアステレオマーであるか、または最も好ましくは、95%が1つのジアステレオマーである。
【0197】
なおさらに別の実施形態において、本願は、HCV感染を処置するための、式I〜IIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物および/もしくはエステルの使用を提供する。この実施形態の好ましい局面において、式I〜IIIの化合物は、少なくとも、70%が1つのジアステレオマーであるか、80%が1つのジアステレオマーであるか、90%が1つのジアステレオマーであるか、または最も好ましくは、95%が1つのジアステレオマーである。
【0198】
当業者により理解されるように、HCVなどのウイルス感染を処置する場合、このような
処置は、種々の方法で特徴付けられ得、そして種々の終点により測定され得る。本発明の範囲は、全てのこのような特徴付けを包含することを意図される。
【実施例】
【0199】
(合成実施例)
特定の略語および頭字語が、実験の詳細を記載する際に使用される。これらの語のほとんどは当業者により理解されるが、表1は、これらの略語および頭字語の多くのリストを
含む。
【0200】
【表1A-1】
【0201】
【表1A-2】
(一般スキーム)
本発明の化合物は、スキームA〜Cに示されるような、主要な結合形成工程を用いて、数個の経路により合成され得る。これらのスキームにおいて、カルボキシレート置換基Rは
、アルキルエステルなどの保護基(必要である場合)、または遊離酸自体のいずれかを示す。アルキルエステル保護基は、プロトン性溶媒(例えば、水またはアルコール)中でのアルカリ金属水酸化物でのけん化により、簡便に除去され、そしてエーテル性溶媒混合物の使用および/または加熱によって、容易にされ得る。あるいは、これらの保護基は、非プロトン性溶媒中でアルカリ金属ハロゲン化物と一緒に加熱することによる脱アルキルによって、除去され得る。理解されるように、Het上の置換基は、他の結合形成工程の後に、
例えば、ジクロロメタンなどの溶媒中のメタクロロ過安息香酸などの代表的な酸化剤でのN-酸化、ジクロロメタンなどの溶媒中での三臭化ホウ素などの試薬での処理によるO-脱アルキル、または加水分解によって、修飾され得る。
【0202】
【化40】
LとHetとの間の結合は、Het上のXの置換により形成され得、ここでXは、脱離基(例え
ば、ハライド部分、スルフィネート部分、スルホネート部分またはホスフェート部分)である。この反応は、水素化ナトリウムまたはヘキサメチルジシラジドカリウムなどの塩基でのL-Hの脱プロトンにより簡便に行われるか、あるいは第三級アミンの存在により容易
にされる。この反応は、種々の溶媒(例えば、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、NMP、DMFまたはDMSO)中で行われ得、そして加熱により加速され得る。
【0203】
【化41】
R
3とLとの間の結合は、R
3上の脱離基Xの求核置換により形成され得る。この脱離基は様々な広範なものであり得、そしてハロゲン化物部分、カルボキシレート部分、スルフィネート部分、スルホネート部分またはホスフェート部分が挙げられるが、これらに限定されず、そして対応するアルコールから、アゾジカルボン酸ジアルキルなどの試薬での処理により、インサイチュで生成され得る。この反応はまた、水素化ナトリウムまたはヘキサメチルジシラジドカリウムなどの塩基でのHet-L-Hの脱プロトンにより容易にされ得るか、
あるいは第三級アミンの存在により容易にされる。この反応は、種々の溶媒(例えば、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、NMP、DMFまたはDMSO)中で行われ得、そして加熱によ
り加速され得る。
【0204】
【化42】
スキームAの出発物質は、スキームCに記載されるように合成され得る。置換された3-アミノチオフェンIIは、Y-R
3-L-Rの還元的アミノ化(この場合、Yはアルデヒドまたはケトンを表わし、そしてRおよびR
aは任意の保護基を表わす)によって、あるいは3-アミノチオフェンI(特許出願WO2008/58393を参照のこと)の直接アルキル化(この場合、Yは脱離基(例
えば、ハライド部分、スルフィネート部分、スルホネート部分またはホスフェート部分)を示す)によって、生成され得る。後者の場合、このアルキル化は、水素化ナトリウムま
たはヘキサメチルジシラジドカリウムなどの塩基でのアミンの脱プロトンにより容易にされ得、そして種々の溶媒(例えば、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、NMP、DMFまたはDMSO)中で行われ得、そして加熱により加速され得る。R
3が芳香族である場合、この反応
は、Pdにより触媒され得る(J.Org.Chem.,2000,65,1158-1174)。あるいは、IIは、Pdによ
り触媒される、アミンと3-ヨードチオフェンIVとのカップリングにより生成され得る(J.Org.Chem.,2000,65,1158-1174)。アミンIIは、カルボン酸誘導体(例えば、塩化アシルま
たは無水物)での、ピリジンまたは第三級アミンなどの塩基の存在下での、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中でのアシル化によって、アミドIIIに転換される。あるいは、IVは
、Cuにより触媒されるアミド化によって、直接IIIに転換され得る(J.Am.Chem.Soc.,2002,124,7421-7428)。
【0205】
スキームBの出発物質は、類似の様式で生成され得、脱離基Xは、前駆アルコールから標準的な方法によって、最終工程で生成する。
【0206】
ヨードチオフェンIVの合成は、R
1がtBuである場合について、以下に図示され、他の変
形物は、類似の様式で合成され得る:
【0207】
【化43】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-チオフェン-2-カルボン酸(6.2g,30mmol;特許出願US5861421を参照のこと)のTHF(100mL)中の溶液に、nBuLiの溶液(ペンタン中2.0M,33mL,66mmol)を添加漏斗を介して-78℃で添加した。添加後、この反応物を-78℃で1時間撹拌した。I
2(7.7g,30mmol)のTHF(100mL)中の溶液を、ゆっくりと(約15分間)このフラスコに添加した。さらに10分後、この反応を1NのHCl(50mL)でクエンチし、そして室温まで温めた。揮発
性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をエーテル(500mL)に溶解させた。その有機溶
液を1MのNa
2S
2O
3(100mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧中で濃縮した後に、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-3-ヨード-チオフェン-2-カルボン酸(5.9g,65%)を白色固体として得た。
【0208】
【化44】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-3-ヨード-チオフェン-2-カルボン酸(1.0g,3.0mmol)
およびDMF(20μL)の乾燥ジクロロメタン(10mL)中の溶液に、塩化オキサリル(508μL,6.0mmol)を室温で添加した。室温で90分間撹拌した後に、この反応物を減圧中で濃縮して揮発性物質を除去した。その残渣をピリジン(5mL)およびメタノール(5mL)に溶解させ、そして2時間撹拌した。揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をエーテル(150mL)と飽和NH
4Cl溶液(50mL)との間で分配した。その有機層を飽和NH
4Cl溶液(50mL)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧中で濃縮した後に、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物(835mg,80%)を得た。
【0209】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-3-ヨード-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル
の合成
【0210】
【化45】
5-ブロモ-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(7g,30mmol)、ヨウ化銅(1.2g,6mmol)、トリエチルアミン(20mL)のDMF(100mL)中の混合物を、350mLの耐圧瓶内で脱気した。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.1g,3mmol)および3,3-ジメチ
ル-ブタ-1-イン(18.3mL,150mmol)を添加し、そして80℃で3時間加熱した。この反応混合
物をセライトで濾過し、そして酢酸エチルで洗浄した。この溶液を水で希釈し、そして酢酸エチルで2回抽出した。その有機相を合わせ、そして水で洗浄した。乾燥および濃縮後、その粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して6.9g(95%)の5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステルを黄色油状物として得た
。
【0211】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-チオフェン-2-カルボン酸エチルエステル(6.9g)のTHF(100mL)中の溶液をLiOH(1.5N,100mL)に添加した。この混合物を室温で4時間撹拌した。
反応物をHClでpH=2まで酸性化し、次いで揮発性物質を減圧下で除去した。得られたベー
ジュ色の固体を濾過により集め、水で洗浄し、次いで一晩乾燥させて、6.2gの生成物を得、これをさらに精製せずに使用した。
【0212】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-チオフェン-2-カルボン酸(6.2g,30mmol;特許出願US5861421を参照のこと)のTHF(100mL)中の溶液に、nBuLiの溶液(ペンタン中2.0M,33mL,66mmol)を添加漏斗を介して-78℃で添加した。添加後、この反応物を-78℃で1時間撹拌した。I
2(7.7g,30mmol)のTHF(100mL)中の溶液をゆっくりと(約15分間)このフラスコに添加した。さらに10分後、この反応を1NのHCl(50mL)でクエンチし、そして室温まで温めた。揮発性
物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をエーテル(500mL)に溶解させた。その有機溶液
を1MのNa
2S
2O
3(100mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧中で濃縮した後に、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-3-ヨード-チオフェン-2-カルボン酸(5.9g,65%)を白色固体として得た。
【0213】
5-(3,3-ジメチル-ブタ-1-イニル)-3-ヨード-チオフェン-2-カルボン酸(1.0g,3.0mmol)
およびDMF(20μL)の乾燥ジクロロメタン(10mL)中の溶液に、塩化オキサリル(508μL,6.0mmol)を室温で添加した。室温で90分間撹拌した後に、この反応物を減圧中で濃縮して揮発性物質を除去した。その残渣をピリジン(5mL)およびメタノール(5mL)に溶解させ、そして2時間撹拌した。揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をエーテル(150mL)と飽和NH
4Cl溶液(50mL)との間で分配した。その有機層を飽和NH
4Cl溶液(50mL)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。減圧中で濃縮した後に、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、所望の生成物(835mg,80%)を得た。
【0214】
化合物1 − 5−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−3−(N−(4−ヒドロキシ−4−((ピリジン−3−イルオキシ)メチル)シクロヘキシル)−4−メチルシクロヘキサンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸
【0215】
【化46】
NaH(60%油分散物を36mg、0.90mmol)を、トリメチルスルホオキソニウムクロリド(116mg、0.90mmol)のDMSO(2.0mL)中の溶液に室温で少しずつ添加した。15分後、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)3−[(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−(4−オキソ−シクロヘキシル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(343mg、0.75mmol)(WO2008/058393)のTHF(2.0mL)中の溶液を滴下により添加した。3時間後、ブラインを添加し、そしてこの反応物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、淡青色泡状物を得た。ジクロロメタン中5%メタノールを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、生成物(216mg、61%)をオフホワイトの固体として得た。
【0216】
NaH(60%油分散物を20mg、0.50mmol)を、3−ヒドロキシピリジン(48mg、0.50mmol)のDMF(2.0mL)中の溶液に室温で添加した。10分間撹拌した後に、先の工程から得られたエポキシド(216mg、0.46mmol)のDMF(2.0mL)中の溶液を添加した。この反応物を100℃で6時間加熱し、冷却し、そして酢酸エチルと飽和NH
4Clとの間で分配した。その有機層を分離し、5%水性LiCl、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、暗橙色の残渣を得た。ジクロロメタン中5%のメタノールを用いるシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、所望の生成物(87mg)を得、これは、未同定の不純物で汚染されていた。この物質をさらに精製せずに次の工程に持ち越した。
【0217】
1.0NのNaOH(0.50mL)を、先の工程から得られたメチルエステル(87mg、推定0.15mmol)のTHF(0.75mL)およびメタノール(0.75mL)中の溶液に、0℃で添加した。1時間後、この反応物を濃縮して乾固させ、橙色のガムを得、これを分取用HPLCにより精製して、所望の生成物(4mg、2工程にわたり1.3%)をそのトリフルオロ酢酸塩として得た。MS(m/z):553.0[M+H];HPLC保持時間:3.36分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0218】
実施例15−化合物2:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロフラン−3R−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
【0219】
【化47】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−ヨード−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.5g、1.5mmol)、酢酸パラジウム(0.033g、0.15mmol)、BINAP(0.093g、0.15mmol)、炭酸セシウム(0.733g、2.25mmol)および1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イルアミン(0.706g、4.5mmol)のトルエン(8mL)中の混合物を、N
2で脱気し、次いで110℃で8時間加熱した。この反応物を酢酸エチルで希釈し、セライトパッドで濾過し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(0〜40%ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、表題化合物を50%の収率で得た。MS(m/z):378.1[M+H];HPLC保持時間:5.12分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0220】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
【0221】
【化48】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(4−オキソ−シクロヘキシルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.5g、1.5mmol)およびHCl(24mmol、4M HCl)のTHF/H
2O(6mL)中の混合物を、45℃で2時間加熱した。この反応物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、そしてその有機相をH
2O(3×100mL)、NaHCO
3(飽和)(1×100mL)で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。その溶液を濾過し、そして濃縮して、表題化合物を96%の収率で得た。MS(m/z):334.1[M+H];HPLC保持時間:4.530分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0222】
【化49】
NaH(60%油分散物を140mg、3.50mmol)を、トリメチルスルホオキソニウムクロリド(452mg、3.51mmol)のDMSO(8.0mL)中の溶液に、室温で少しずつ添加した。15分後、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−(4−オキソ−シクロヘキシル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(1.34g、2.93mmol)のTHF(8.0mL)中の溶液を滴下により添加した。3時間後、ブラインを添加し、そしてこの反応物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、粘性の黄色油状物を得た。酢酸エチルおよびヘキサンでの粉砕により、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(509mg、37%)を無色の固体として得た。
【0223】
NaH(60%油分散物を55mg、1.37mmol)を、(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン(120mg、1.36mmol)の乾燥THF(4.0mL)中の溶液に0℃で添加した。5分後、固体の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(125mg、0.265mmol)を添加し、そしてこの反応物を75℃の油浴中で2.5日間加熱した。この反応物を冷却し、そしてエバポレーションにより乾固させて、褐色の残渣を得、これを逆相C
18シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(100%水〜10%アセトニトリル/水)により精製した。生成物を含む画分を集め、そしてエバポレートして、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロフラン−3R−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸(30mg、20%)を無色の固体として得た。MS(m/z):546.0[M+H]
+;HPLC保持時間:4.32分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0224】
実施例16−化合物3:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロフラン−3S−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
【0225】
【化50】
化合物3(32mg、21%)を、実施例15と類似の様式で、(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランを(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランの代わりに使用して合成した:MS(m/z):546.0[M+H]
+;HPLC保持時間:4.32分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0226】
実施例20−化合物4:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−{(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−[4−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニルオキシ)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−アミノ}−チオフェン−2−カルボン酸の合成
【0227】
【化51】
NaH(60%油分散物を370mg、9.25mmol)を、トリメチルスルホニウムヨージド(1.88g、9.25mmol)のDMSO(16.0mL)中の溶液に、室温で少しずつ添加した。15分後、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−オキソ−シクロヘキシルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(1.10g、3.30mmol)のTHF(16.0mL)中の溶液を滴下により添加した。3時間後、ブラインを添加し、そしてこの反応物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、粘性の黄色油状物を得た。ジクロロメタンを用いるシリカゲル(Teledyne Isco Redisep Rf Gold
TM)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2つのエポキシド異性体を得た。その先に溶出したものを、所望の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(400mg、35%)として無色の固体として単離した。
【0228】
(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン(259mg、2.94mmol)の乾燥NMP(1mL)中の溶液を、KOtBu(271mg、2.42mmol)の乾燥NMP(1mL)中の溶液に添加した。この反応物を室温で15分間撹拌し、次いで、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.576mmol)の乾燥NMP(4.0mL)中の溶液を添加し、そしてこの反応物を40℃の油浴中で24時間加熱した。この反応物を氷水に注ぎ、0℃まで冷却し、5%クエン酸でpH=5〜6まで中和し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を5%LiCl、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして濃縮して、褐色油状物を得、これをジクロロメタン/MeOH(5.0mL/1.0mL)に溶解させ、そしてTMSCH
2N
2(0.35mL、0.692mmol、ヘキサン中2M)を滴下により添加することにより処理した。20分後、揮発性物質を減圧下で除去し、そしてその粗製残渣を、100%ジクロロメタン〜20%酢酸エチル/ジクロロメタンで溶出するシリカゲル(Teledyne Isco Redisep Rf Gold
TM)でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(120mg、48%)を無色の固体として得た。
【0229】
トリエチルアミン(1.02mL、7.34mmol)を、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.459mmol)のジクロロメタン(12.0mL)中の溶液に添加した。10分後、この溶液を−78℃まで冷却し、そしてTESOTf(0.87mL、3.85mmol)を滴下により添加した。この反応物を−78℃で30分間撹拌し、氷の添加によりクエンチし、飽和NaHCO
3で希釈し、そしてジクロロメタンで抽出した。その有機層を分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そして0〜20%の酢酸エチル/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−4−トリエチルシラニルオキシ−シクロヘキシルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、79%)を黄色油状物として得た。
【0230】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−4−トリエチルシラニルオキシ−シクロヘキシルアミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(200mg、0.36mmol)をピリジン(2mL)に溶解させた。10分後、ニートな4−メチル−シクロヘキサンカルボニルクロリド(233mg、1.44mmol)を滴下により添加した。この反応溶液を100℃で一晩加熱し、次いで濃縮して残渣を得、これを、酢酸エチル/ヘキサン(0〜20%)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−{(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−[4−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニルオキシ)−4−テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−アミノ}−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(80mg、32%)を無色の固体として得た。
【0231】
NaOH(1.17mLの1.0N水溶液)を、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−{(4−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−[4−(4−メチル−シクロヘキサンカルボニルオキシ)−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−アミノ}−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(80mg、0.117mmol)のメタノール(2mL)/THF(2mL)/H
2O(2mL)中の溶液に室温で滴下により添加した。この溶液を70℃で一晩加熱し、次いで室温まで冷却した。揮発性物質を減圧下で除去し、そして得られた残渣をCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、化合物4(23.3mg、36%)を無色の固体として得た。MS(m/z):546.0[M+H]
+;HPLC保持時間:4.169分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0232】
(1S,6S)−4,6−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸および酸塩化物の合成
【0233】
【化52】
4S−ベンジル−3−(4,6S−ジメチル−シクロヘキサ−3−エン−1S−カルボニル)−オキサゾリジン−2−オン(J.Am.Chem.Soc.110(4),1988,1238−1256に記載される方法と類似の方法で調製した)を、THF(1000mL)およびH
2O(350mL)に溶解させた。この溶液を氷浴中で冷却し、そして30%H
2O
2(36mL、354mmol)をゆっくりと添加し、続いてLiOH・H
2O
(s)(9.90g、263mmol)を一度に添加した。この反応物をゆっくりと室温まで温め、そして16時間撹拌した。次いで、この反応物を氷浴中で冷却した。Na
2SO
3(60g、472mmol)をH
2O(400mL)に溶解させ、そしてこの冷却した反応混合物に非常にゆっくりと添加した。この溶液を1時間撹拌し、次いで層を分離した。その有機物を減圧下で除去した。その水性物質を有機濃縮物に戻し、そしてCH
2Cl
2(2×500mL)で洗浄した。濃HClをゆっくり添加することにより、その水性物質のpHを2に調整した。その水性物質をEtOAc(4×300mL)で抽出し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。有機物質を減圧下で除去し、そしてヘキサンと共エバポレートして、(1S,6S)−4,6−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸(14.14g、78g)を白色固体として得た。
【0234】
4,6−S−ジメチル−シクロヘキサ−3−エン−1S−カルボン酸(944mg、6.17mmol)をCH
2Cl
2(10mL)に溶解させ、そしてDMF(20μL)を添加した。この溶液を0℃まで冷却し、次いで(COCl)
2(700μL、7.38mmol)をゆっくりとこの溶液に添加した。この反応物を氷浴中で1時間撹拌し、次いで濃縮した。その残渣をヘキサンに溶解させて濃縮した。このヘキサンでの共エバポレーションをもう1回繰り返した。この酸塩化物をさらに精製せずに使用した。
【0235】
実施例23−化合物5:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−{(4,6R−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−アミノ}−チオフェン−2−カルボン酸
【0236】
【化53】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを、上記スキーム11のプロセスと同様に、トリメチルスルホオキソニウムクロリドをトリメチルスルホニウムヨージドの代わりに使用して、調製した。5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(362mg、0.575mmol)のピリジン(11mL)中の溶液を、4,6R−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル−1R−クロリド(325mg、2.11mmol、スキーム2と類似の様式で調製した)で処理し、そして85℃で22時間加熱した。冷却してこの反応物を濃縮し、酢酸エチルで希釈し、1MのHCl(100mL)で洗浄し、そしてNaSO
4で乾燥させた。この溶液を濾過し、そしてシリカゲルにより精製して、3−[[4−クロロメチル−4−(4,6−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニルオキシ)−シクロヘキシル]−(4,6−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(34mg、0.05mmol)を得た。この濃厚な黄色油状物をNMP(2mL)に溶解させ、(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン(36μL、0.5mmol)およびK−OtBu(45mg、0.4mmol)で処理し、次いで75℃で1時間加熱した。冷却してこの反応物を1MのHClで中和し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、そしてその有機層をブライン(100mL)で洗浄し、そしてNaSO
4で乾燥させた。この溶液を濾過し、そして揮発性物質を減圧下で除去した。得られた残渣をCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、所望の生成物を無色の固体として得た。異性体A(化合物5A):MS(m/z):558.0[M+H]
+;HPLC保持時間:7.95分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))30分間の実行。異性体B(化合物5B):MS(m/z):558.2[M+H]
+;HPLC保持時間:8.02分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))30分間の実行。
【0237】
実施例24−化合物6:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−{(4,6S−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−[4−ヒドロキシ−4−テトラヒドロ−フラン−3(S)−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−アミノ}−チオフェン−2−カルボン酸
【0238】
【化54】
化合物6を、実施例23と類似の様式で、4,6S−ジメチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル−クロリドを用いてアシル化して合成した。MS(m/z):558.3[M+H]。
【0239】
実施例27−化合物7:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3(R)−イルオキシメチル)シクロヘキシル]−(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
【0240】
【化55】
【0241】
【化56】
ジクロロメタン(20mL)およびヘキサン(3mL)中のアクリル酸4,4−ジメチル−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(R)(2.92g、15.9mmol)を、−10℃まで冷却し、そして四塩化チタン(2.4mL、ジクロロメタン中2.4M、2.4mmol)で処理した。この赤色溶液を15分間撹拌し、そしてイソプレン(2.4mL、23.8mmol)を5分間かけて滴下することにより処理した。1.5時間撹拌した後に、さらなるイソプレン(2.4mL、23.8mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を−10℃〜0℃で2.5時間撹拌した。−10℃まで冷却した後に、この反応混合物を塩化アンモニウム(飽和水溶液)でクエンチした。水および酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を添加した。その有機層を分離し、そしてその水層を酢酸エチル:ヘキサン(1:1)で再度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10〜40%EtOAc:Hex、80gカラム)により精製して、3.35g(収率84%)の4−メチル−シクロヘキサ−3−(S)−エンカルボン酸4,4−ジメチル−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステルを無色油状物として得た。
【0242】
THF(25mL)、水(2.5mL)およびメタノール(2.5mL)中の4−メチル−シクロヘキサ−3−(S)−エンカルボン酸4,4−ジメチル−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(3.34g、13.2mmol)を、水酸化リチウム一水和物(2.8g、66.2mmol)で処理し、そして撹拌しながら50℃まで温めた。1時間後、この反応混合物を1MのHCl(約25mL)で処理した。この混合物をヘキサン:酢酸エチル(200mL:150mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、2.4gの白色半固体を得た。この残渣をヘキサン:ジクロロメタン(100mL、95:5)に再溶解させ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、1.68g(収率91%)の(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸を白色粉末として得た。
【0243】
【化57】
トルエンからのエバポレーションにより共沸乾燥させた(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸(209mg、1.5mmol)を、ジクロロメタン(4mL)に懸濁させてジメチルホルムアミド(2滴)で処理したリン酸三カリウム(383mg、1.8mmol)で処理した。この反応混合物を0℃まで冷却し、そして塩化オキサリル(0.3mL、3.2mmol)を滴下することにより処理した。この反応混合物を2時間にわたり撹拌しながら室温まで温めた。その固体を濾過した後に、その溶液を濃縮し、ヘキサンで処理し、そして再度濃縮して、4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニルクロリド(S)を淡黄色の油状物として得、これを次の工程で即座に使用した。
【0244】
(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸クロリド(1.5mmol)、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イルアミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(159mg、0.42mmol)およびリン酸三カリウム(266mg、1.25mmol)をジクロロエタン(1mL)に懸濁させ、キャップで密封し、そして90℃まで加熱した。16時間後、この反応混合物を冷却し、そして酢酸エチルと水との間で分配した。その有機層を分離し、そして水性物質を酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(15〜60% EtOAc:ヘキサン)により、128mg(収率61%)の所望の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−((1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを白色泡状物として得た。
【0245】
5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−((1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(116mg、0.23mmol)をTHF(1.8mL)に溶解させ、そして4MのHCl(0.9mL)で処理した。この反応混合物を45℃まで加熱し、そして4.5時間撹拌した。12MのHCl(0.2mL)をさらに添加し、そしてこの溶液を45℃で2時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、そしてその有機層を分離し、次いでブライン、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)およびブラインで洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、98mgの所望の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−(4−オキソ−シクロヘキシル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを白色泡状物として得た。
【0246】
DMSO(1.5mL)中のトリメチルスルホオキソニウムクロリド(39mg、0.3mol)を水素化ナトリウム(10mg、60%油分散物、0.25mmol)で処理し、そして周囲温度で10分間撹拌した。THF(1mL+0.5mL)中の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−(4−オキソ−シクロヘキシル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(S)を滴下により添加し、そしてこの反応混合物を1時間撹拌した。この橙色の溶液を5%クエン酸で、pHが約4になるまで処理し、そして水と酢酸エチルとの間で分配した。その有機層を分離し、そしてその水性物質を酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機物質を水およびブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および濃縮後、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(25〜75% EtOAc:ヘキサン)により精製して、99mgの所望の5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステルを白色固体として得た。
【0247】
1−メチル−ピロリジン−2−オン(1mL)中の(R)−テトラヒドロ−フラン−3−オール(89mg、1.01mmol)を、カリウムtert−ブトキシド(90.5mg、0.81mmol)で処理し、そして周囲温度で15分間撹拌した。このわずかに曇った溶液を、5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[(4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−(1−オキサ−スピロ[2.5]オクタ−6−イル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(S)(34mg、0.073mmol)に添加した。この反応混合物を密封し、40℃で16時間加熱した。冷却後、この混合物を2MのHClで、pHが約3になるまで処理し、酢酸エチルと水との間で分配し、そして分離した。その水層を酢酸エチルで再度抽出し、そして合わせた有機物質を水、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および濃縮後、その残渣をCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、22mg(収率55%)の化合物7を白色粉末として得た。MS(m/z):544.0[M+H]
+;HPLC保持時間:4.20分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0248】
実施例28−化合物8:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3(S)−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
【0249】
【化58】
化合物8を、実施例27と類似の様式で、(S)−テトラヒドロ−フラン−3−オールを(R)−テトラヒドロ−フラン−3−オールの代わりに使用して合成した:MS(m/z):544.1[M+H]
+;HPLC保持時間:4.20分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0250】
実施例29−化合物9:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3(S)−イルメチル)シクロヘキシル]−(1R)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
【0251】
【化59】
アクリル酸4,4−ジメチル−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(R)を、以下の様式で調製した:ジクロロメタン(25mL)中の3−(S)−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ジヒドロ−フラン−2−オン(2.60g、20mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.2mL、30mmol)を、−10℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(2.03mL、25mmol)を滴下することにより処理し、そして2時間撹拌した。1MのHCl(20mL)を添加し、そしてその有機層を重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(10〜40% EtOAc、ヘキサン)により、2.09g(収率57%)の所望のアクリル酸4,4−ジメチル−2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イルエステル(R)が透明な油状物として得られた。この物質を使用して、スキーム15およびスキーム16に記載される手順と同様に、(1R)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸の酸塩化物を調製した。
【0252】
化合物9を、実施例27と類似の様式で、(1R)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸の酸塩化物を(1S)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボン酸の酸塩化物の代わりに使用し、そして(S)−テトラヒドロ−フラン−3−オールを(R)−テトラヒドロ−フラン−3−オールの代わりに使用して、調製した:MS(m/z):544.0[M+H]
+;HPLC保持時間:4.22分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0253】
実施例30−化合物10:5−(3,3−ジメチル−ブタ−1−イニル)−3−[[4−ヒドロキシ−4−(テトラヒドロ−フラン−3(R)−イルオキシメチル)−シクロヘキシル]−(1R)−4−メチル−シクロヘキサ−3−エンカルボニル)−アミノ]−チオフェン−2−カルボン酸
【0254】
【化60】
化合物10を、実施例29と類似の様式で、(R)−テトラヒドロ−フラン−3−オールを(S)−テトラヒドロ−フラン−3−オールの代わりに使用して調製した:MS(m/z):544.1[M+H]
+;HPLC保持時間:4.20分(2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0255】
実施例31:化合物16、17、および18
【0256】
【化61】
2,4−ジブロモチオフェン(6g、24.8mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(522mg、0.74mmol)およびCuI(283mg、1.49mmol)を、250mLの丸底フラスコに加え、次いで、このフラスコをゴムセプタムで密封した。このフラスコを脱気してアルゴンで再充填することを3回行い、その後、DMF(150ml)およびTEA(30ml)を添加した。3,3−ジメチルブタ−1−イン(2.87mL、23.56mmol)を添加した。この反応混合物を45℃で2時間加熱し、この時点までに、2,4−ジブロモチオフェンが完全に消費された。不溶性物質を濾過により除去し、そしてその濾液を減圧中で濃縮した。この残渣をEtOAc(150mL)と水酸化アンモニウム溶液(2mlの28〜30重量%溶液、100mLの水に希釈)との間で分配した。その有機相を分離し、5%LiCl水溶液およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濾過した。その濾液を濃縮した。その残渣をヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、11(5.1g)をわずかに黄色の液体として得た。
HPLC保持時間:5.169分(5〜95%アセトニトリル(0.05%のTFAを含む):水(0.05%のTFAを含む))。
【0257】
N−(5−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)チオフェン−3−イル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−アミン:12
【0258】
【化62】
11(0.773g、3.18mmol)、CuI(30mg、0.160mmol)、炭酸セシウム(2.072g、6.36mmol)、2−アセチルシクロヘキサノン(90mg、0.696mmol)および1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカ−8−イルアミン(1.0g、6.36mmol)のDMF(1.6mL)中の混合物をN
2で脱気し、次いで密封チューブ内で80℃で16時間加熱した。この反応物をEtOAcで希釈し、珪藻土のパッドで濾過し、5%LiCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)により、12を得た。
MS(m/z):320.20[M+H]。
【0259】
【化63】
12(4.16g、13.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(40mL)中の溶液を0℃まで冷却し、そして(1S,6S)−4,6−ジメチルシクロヘキサ−3−エンカルボニルクロリド(3.88g、24mmol、スキーム2と類似の様式で調製した)の20mLの1,2−ジクロロエタン中の溶液で処理した。この混合物を室温までゆっくりと温め、そして17時間撹拌し、この時点で、これをDCMで希釈し、飽和NH
4Cl
(aq)で2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。その残渣をシリカゲルにより精製して、(1S,6S)−N−(5−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)チオフェン−3−イル)−4,6−ジメチル−N−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミドと、ケタール加水分解生成物(5.6g、12.3mmol)との混合物を得た。この混合物をTHF(70mL)に溶解させ、4NのHCl
(aq)で処理し、そして45℃で90分間撹拌した。THFを減圧下で除去し、そして得られた水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3(aq)、水、およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、5.05gのケトン生成物13を得た。
【0260】
【化64】
トリメチルスルホオキソニウムクロリド(0.47g、3.64mmol)のTHF(8mL)/DMSO(8mL)中の溶液を、NaH(0.126g、3.16mmol)で室温で20分間処理した。13(1g、2.43mmol)のTHF(8mL)中の溶液を滴下により7分間かけて添加し、撹拌を0.5時間続けた。この反応混合物を0℃まで冷却し、そして10%クエン酸(200mL)でクエンチした。その水層を酢酸エチル(300mL)で抽出し、そして合わせた有機相をブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。この粗製物質をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、(1S,6S)−N−(5−(3,3−ジメチルブタ−1−イニル)チオフェン−3−イル)−4,6−ジメチル−N−((3R,6S)−1−オキサスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミド(14)(0.25g、0.58mmol)を得た。
【0261】
14(0.25g、0.58mmol)のTHF(3mL)中の溶液を−78℃まで冷却し、そしてLDA(THF中2M、2.35mmol)で処理した。2時間後、CO
2(g)をこの反応混合物に15分間吹き込んだ。この反応混合物を室温まで温め、そしてNH
3Cl(飽和)でクエンチした。その水層を酢酸エチル(50mL)で抽出し、そして合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、15を得た。この粗製物質をNMP(1mL)に溶解させ、そしてカリウムtert−ブトキシド(2.5mmol)および(S)−テトラヒドロフラン−3−オール(2.5mmol)で処理した。この反応混合物を40℃で16時間加熱した。次いで、この反応物を冷却し、そして水性HCl(1M)で中和した。その生成物を酢酸エチルで抽出し、濃縮し、そしてCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、化合物16を得た。MS(m/z):558.1[M−H]−;HPLC保持時間:4.47分(2〜98%アセトニトリル:水(0.1%のトリフルオロ酢酸を含む))6分間の実行。
【0262】
化合物17
【0263】
【化65】
16(0.025g、0.044mmol)のDCM/MeOH(5mL/1mL)中の溶液を、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2M、0.22mL)で30分間処理した。この反応物を濃縮し、そしてCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、表題化合物を固体として得た。MS(m/z):572.1[M−H]−;HPLC保持時間:5.08分(2〜98%アセトニトリル:水(0.1%のトリフルオロ酢酸を含む))6分間の実行。
【0264】
化合物18
【0265】
【化66】
化合物18を、化合物18と類似の様式で、(R)−テトラヒドロフラン−3−オールを利用して合成した:MS(m/z):558.1[M+H]+;HPLC保持時間:4.48分(2〜98%アセトニトリル:水(0.1%のトリフルオロ酢酸を含む))6分間の実行。
【0266】
実施例32
【0267】
【化67】
HATU(32.5g、85.5mmol、1.1当量)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(8.3g、85.5mmol、1.1当量)を、300mLのジクロロメタンを含む丸底フラスコに入れた。DIEA(40mL、233mmol、3.0当量)を添加し、続いてd
9−ピバル酸(8.6g、77.7mmol、1.0当量)のDMC(25mL)中の溶液を添加した。この反応物を室温で、カルボン酸が完全に消費されるまで撹拌した。この溶液を減圧中で濃縮して揮発性物質を除去し、そしてその残渣をDMC(200mL)と飽和NH
4Cl(100mL)との間で分配した。その水相をDMC(200mL)で抽出し、そして合わせた有機物質をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、9(5.1g、33mmol、収率42%)を無色の油状物として得た。
【0268】
【化68】
3−アミノ−5−ヨードチオフェン−2−カルボン酸メチル(6.24g、22mmol、1.0当量)およびケタール(5.16g、33mmol、1.5当量)を、27mLの酢酸に、丸底フラスコ中で溶解させた。トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(7.0g、33mmol、1.5当量)を室温で少しずつ添加した。この反応が完了した後に、水(30mL)を添加し、そしてこの混合物をEtOAc(200mL)に注いだ。相を分離し、そしてその有機物質をH
2Oおよびブラインで洗浄し、次いでNa
2SO
4で乾燥させた。その揮発性物質を減圧中で除去し、そしてその残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、20(7.1g、17mmol、収率76%)を黄色固体として得た。
【0269】
【化69】
化合物20(7.1g、17mmol)および粉砕したばかりのK
3PO
4(7.12g、33mmol)を、DCE(40mL)に250mLの丸底フラスコ中で懸濁させた。この溶液を氷水浴中で0℃まで冷却した。DCE(25mL)中の(R)−4−メチルシクロヘキサ−3−エンカルボニルクロリド(7.9g、50mmol)を、シリンジを介して滴下により添加した。添加後、この反応物を一晩還流しながら撹拌した。この反応物をDCM(200mL)で希釈し、そしてその有機物質を飽和NH
4Cl(2×100mL)で洗浄した。Na
2SO
4で乾燥させた後に、その有機層を濃縮して、黄色の泡状固体を得た。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、21(5.5g、10mmol、収率60%)をオフホワイトの固体として得た。
【0270】
【化70】
21(1.0g、1.9mmol、1.0当量)のTHF(12.0mL)中の溶液を、丸底フラスコ中で0℃まで冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中2.0M、2.1mmol、1.1当量)を滴下により添加し、そしてこの混合物を30分間撹拌した。Weinrebアミド19(322mg、2.1mmol、1.1当量)のTHF(1.0mL)中の溶液をゆっくりと添加し、そして得られた溶液を室温までゆっくりと温め、そして一晩撹拌した。この反応物を飽和NH
4Cl(50mL)に注ぎ、そしてDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物質をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濃縮した。粗製22を精製せずに次の工程に持ち越した。
【0271】
【化71】
22(97mg、0.19mmol、1.0当量)および1−ジアゾ−2−オキソプロピルホスホン酸ジメチル(110mg、0.57mmol、3.0当量)のMeOH(3.0mL)中の溶液に、K
2CO
3(105mg、0.758mmol、4.0当量)を添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、この反応物をEtOAc(50mL)と1NのHCl(50mL)との間で分配した。その有機物質をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで濃縮した。その粗製物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、23(70mg、0.138mmol、収率73%)を白色固体として得た。
【0272】
【化72】
化合物24の調製のために必要な連続的合成転換を、実施例27に記載される様式と類似の様式で実施した。MS(m/z):553.1[M+H]+;HPLC保持時間:4.46分(6分間にわたる2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のトリフルオロ酢酸を含む))。
【0273】
実施例33:化合物29
【0274】
【化73】
工程1:(R)−5−ヨード−3−(4−メチル−N−(4−オキソシクロヘキシル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸メチル(25)の合成
21(2.0g、3.6mmol)およびHCl(40mmol、4NのHCl)のTHF(20mL)中の混合物を、45℃で20分間加熱した。この反応物を酢酸エチルで希釈し、そしてその有機層を分離し、次いで、重炭酸ナトリウム(飽和水溶液)およびブラインで洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、25を得た。その粗製物質をさらに精製せずに次の工程に持ち越した。
MS(m/z):502.2[M+H];HPLC保持時間:2.67分(3.5分間にわたり2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のギ酸を含む))。
【0275】
工程2:5−ヨード−3−((R)−4−メチル−N−((3S,6S)−1−オキサスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸メチル(26)の合成
DMSO(10mL)中のトリメチルスルホオキソニウムクロリド(592mg、4.6mmol)を水素化ナトリウム(162mg、60%油分散物、4.03mmol)で処理し、そして周囲温度で30分間撹拌した。THF(10mL)中の化合物25(前の工程からの残渣)を滴下により添加し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌した。その橙色溶液を10%クエン酸で、pHが約4になるまで処理し、そして水と酢酸エチルとの間で分配した。その有機層を分離し、そしてその水性物質を酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機物質を水およびブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および濃縮後、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)により精製して、26(1.3g、2.52mmol、69%)を白色固体として得た。
MS(m/z):515.9[M+H];HPLC保持時間:2.76分(3.5分間にわたり2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のギ酸を含む))。
【0276】
工程3:5−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−3−((R)−4−メチル−N−((3S,6S)−1−オキサスピロ[4.5]オクタン−6−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸メチル(27)の合成
化合物26(260mg、0.5mmol)、2,2−ジメチルブタ−3−イン−1−オール(150mg、1.5mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(18mg、0.025mmol)、CuI(9.5mg、0.05mmol)およびトリエチルアミン(1mL)を、密封チューブ内でDMF(5mL)に溶解させた。この混合物を80℃で5時間加熱した。次いで、この反応物をEtOAc(200mL)に注ぎ、そしてNH
4Cl(2×50mL)および5%LiCl(2×50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、そしてその水性物質を酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機物質を水およびブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および濃縮後、その残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン)により精製して、27(203mg、0.42mmol、84%)を白色固体として得た。
MS(m/z):486.1[M+H];HPLC保持時間:2.60分(3.5分間にわたり2〜98%アセトニトリル:水(0.05%のギ酸を含む))。
【0277】
工程4:5−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−3−((R)−4−メチル−N−((3S,6S)−1−オキサスピロ[2.5]オクタン−6−イル)シクロヘキサ−3−エンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸(28)の合成
化合物27(203mg、0.42mmol)をTHF(5mL)および水(3mL)に溶解させた。LiOH・H
2O(176mg)を添加した。この混合物を周囲温度で1日撹拌し、次いで、10%クエン酸水溶液(5mL)でクエンチした。この反応混合物を酢酸エチルで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、そして濃縮して、28(186mg)を得た。
【0278】
工程5:5−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタ−1−イニル)−3−((R)−N−((1R,4S)−4−ヒドロキシ−4−(((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)メチル)シクロヘキシル)−4−メチルシクロヘキサ−3−エンカルボキサミド)チオフェン−2−カルボン酸(29)の合成
1−メチル−ピロリジン−2−オン(4.0mL)中の(S)−テトラヒドロ−フラン−3−オール(187mg、2.1mmol)を、カリウムtert−ブトキシド(95mg、0.848mmol)で処理し、そして周囲温度で20分間撹拌した。この混合物に28(100mg、0.21mmol)を添加した。この反応混合物を35℃で16時間、不活性雰囲気下で加熱した。冷却後、この混合物を10%クエン酸水溶液で、pHが約3になるまで処理し、酢酸エチルと水との間で分配し、そして分離した。その水層を酢酸エチルで再度抽出し、そして合わせた有機物質を水、ブラインで洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過および濃縮後、その残渣をCH
3CN(0.1%TFA)/H
2O(0.1%TFA)を用いるHPLCにより精製して、化合物29(10mg、0.018mmol、9%)を得た。
MS(m/z):560.1[M+H]
+。
【0279】
(生物学的実施例)
抗ウイルス活性
本発明の別の局面は、本発明の組成物を使用して、ウイルス感染阻害を必要とすると考えられるサンプルまたは被験者を処置する工程を含む、ウイルス感染阻害の方法に関連する。
【0280】
本発明の文脈では、ウイルスを含むと疑われるサンプルとしては、生存生物;組織または細胞培養物;生物学的材料サンプル(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、痰、唾液、組織サンプルなど)などの生体サンプル;実験室サンプル;食物、水または空気サンプル;細胞(特に、望ましい糖タンパク質を合成する組換え細胞)の抽出物などの生物学的生成物サンプルなどの天然または人工材料が挙げられる。代表的に、サンプルは、ウイルス感染を誘発する有機体(しばしば腫瘍ウイルスなどの病原性有機体)を含むことが疑われる。サンプルは、水および有機溶媒/水の混合物を含む任意の媒体中に含まれ得る。サンプルとしては、ヒトなどの生存生物、および細胞培養物などの人工材料が挙げられる。
【0281】
所望であれば、組成物を付けた後の本発明の化合物の抗ウイルス活性は、このような活性を検出する直接的方法および間接的方法が挙げられる任意の方法によって観察され得る。このような活性を決定する定量的、定性的、および半定量的方法は、すべて意図されている。代表的には、上記のスクリーニング方法の一つが適用されるが、生存生物の生理的特性の観察などの他の任意の方法も適用できる。
【0282】
本発明の化合物の抗ウイルス活性は、公知である標準的スクリーニングプロトコルを使用して測定され得る。例えば、化合物の抗ウイルス活性は、以下の一般的プロトコルを使用して測定され得る。
【0283】
細胞ベースのフラビウイルス免疫検出アッセイ
BHK21またはA549細胞をトリプシン処理し、計数して、2%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したHams F−12培地(A549細胞)中、またはRPMI−1640培地(BHK21細胞)中、2×10
5細胞/mLに希釈する。透明96ウェル組織培養プレートに、1ウェルあたり2×10
4個の細胞を分配して、37℃、5%CO
2の環境に一晩置く。翌日、さまざまな濃度の試験化合物の存在下、感染の多重度(MOI)0.3で細胞にウイルスを1時間感染させ、37℃で5%CO
2の環境にさらに48時間置く。細胞をPBSで1回洗浄し、冷メタノールで10分間固定する。PBSで2回洗浄した後、固定細胞を、1% FBSおよび0.05% Tween−20を含むPBSで室温で1時間ブロックする。次いで、一次抗体溶液(4G2)を、1% FBSおよび0.05% Tween−20を含むPBS中、1:20〜1:100の濃度で3時間加える。その後細胞をPBSで3回洗浄し、続いて西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)接合抗マウスIgG(Sigma、1:2000希釈)と共に1時間インキュベーションする。PBSで3回洗浄後、各ウェルに2分間、50マイクロリットルの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液(Sigma)を加える。0.5M硫酸を加えて反応を停止させる。ウイルス量定量のために、プレートの450nmでの吸光度を読み取る。測定後、細胞をPBSで3回洗浄し、ヨウ化プロピジウムと共に5分間培養する。細胞数定量のために、Tecan Safire
TMリーダー(励起537nm、発光617nm)でプレートを読み取る。平均吸光度対試験化合物の濃度の対数で、用量依存曲線をプロットする。非線形回帰分析でEC
50を計算する。N−ノニル−デオキシノジリマイシンなどの陽性対照を使用し得る。
【0284】
細胞ベースのフラビウイルス細胞変性効果アッセイ
西ナイルウイルスまたは日本脳炎ウイルスに対する試験については、BHK21細胞をトリプシン処理し、2% FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したRPMI−1640培地中、4×10
5細胞/mLの濃度に希釈する。デングウイルスに対する試験では、Huh7をトリプシン処理し、5% FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM培地中、4×10
5細胞/mLの濃度に希釈する。1ウェルあたり50マイクロリットルの細胞懸濁液(2×10
4個の細胞)を、96ウェルオプティカルボトムPITポリマーベースプレート(Nunc)に分配する。培養培地中、37℃、5%CO
2で、細胞を一晩成長させ、次いで、異なる濃度の試験化合物の存在下、西ナイルウイルス(例えばB956株)または日本脳炎ウイルス(例えば、中山株)にMOI=0.3で、またはデングウイルス(例えば、DEN−2 NGC株)にMOI=1で感染させる。ウイルスおよび化合物を含むプレートを、さらに37℃、5%CO
2で72時間インキュベートする。インキュベーションの終了時に、100マイクロリットルのCellTiter−Glo
TM試薬を各ウェルに加える。オービタルシェーカーで内容物を2分間混合し、細胞溶解を誘発する。プレートを室温で10分間インキュベートし、発光信号を安定化させる。プレートリーダーを使用して発光の読み取り値を記録する。N−ノニル−デオキシノジリマイシンなどの陽性対照を使用し得る。
【0285】
デング感染のマウスモデルにおける抗ウイルス活性
化合物を、デングウイルス感染のマウスモデルでインビボで試験する(Schulら,J.Infectious Dis.2007;195:665−74)。6〜10週齢のAG129マウス(B&K Universal Ltd,Hll,UK)を個別に換気ケージに入れる。マウスに0.4mLのTSV01デングウイルス2懸濁液を腹腔内注射する。イソフラン麻酔下、眼窩後穿刺で血液サンプルを採取する。血液サンプルを、最終濃度が0.4%になるようにクエン酸ナトリウムを含む試験管に採取し、直ちに6000gで3分間遠心分離して結晶を得る。780マイクロリットルのRPMI−1640培地で血漿(20マイクロリットル)を希釈し、プラークアッセイ分析のために液体窒素中でスナップ凍結する(snap frozen)。残りの血漿は、サイトカインおよびNS1タンパク質レベルの測定のために取っておく。デングウイルス血症を発症するマウスが数日に渡って増え、感染後3日目にピークになる。
【0286】
抗ウイルス活性を試験するために、本発明の化合物を、例えば10%エタノール、30% PEG 300および60% D5W(水中の5%デキストロース、または6NのHCl(1.5当量):1N NaOH(pHを3.5に調整):100mMクエン酸緩衝液(pH3.5)(0.9%v/v:2.5%v/v:96.6%v/v)などのビヒクル液体に溶解する。6〜10週齢のAG129マウス36匹を、それぞれ6匹のマウスを含む6つのグループに分ける。すべてのマウスを上記のようにデングウイルスに感染させる(0日目)。グループ1は、0日目(デング感染直前に初回投与)に開始して3日間連続して、0.2mg/kgの本発明の化合物をマウスあたり200mL、1日2回経口胃管投与(早朝に1回および午後遅くに1回)する。グループ2、3、4には、それぞれ化合物の1mg/kg、5mg/kgおよび25mg/kgを、同様に投与した。(2R,3R,4R,5R)−2−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−プリン−9−イル)−5−ヒドロキシメチル−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオールなどの陽性対照を使用し、前のグループと同じ方法で1マウスあたり200マイクロリットルを経口胃管投与し得る。さらなるグループをビヒクル液体のみで治療する。
【0287】
感染後3日目に、イソフラン麻酔下、眼窩後穿刺によって約100マイクロリットルの血液サンプル(クエン酸ナトリウムで凝固防止した)をマウスから採取する。遠心分離で各血液サンプルから血漿を取得し、プラークアッセイ分析のために液体窒素でスナップ凍結させる。収集した血漿サンプルを、Schulらに記述されるようにプラークアッセイで分析する。サイトカインもSchulによって記述されるように分析する。Platelia
TMキット(BioRad Laboratories)を用いて、NS1タンパク質レベルを分析する。抗ウイルス効果は、サイトカインレベルおよび/またはNS1タンパク質レベルの減少によって示される。
【0288】
代表的には約5〜100倍、より代表的には10〜60倍、最も代表的には20〜30倍、血症の減少が、本発明の化合物5〜50mg/kgの1日2回投与により得られる。
【0289】
HCVアッセイプロトコル
本発明の化合物の抗HCV活性を、HCVレプリコンを持つヒト肝細胞癌Huh−7細胞株で試験した。アッセイは以下のステップを含んだ:
工程1:化合物の調製および段階希釈
段階希釈を、384ウェルプレートで100% DMSO中で行なった。開始時の最終段階希釈濃度の225倍の化合物を含む溶液を、100% DMSO中で調製し、15uLを、ポリプロピレン384ウェルプレートのカラム3または13の事前に指定されたウェルに加えた。100% DMSO中の500uMのHCVプロテアーゼインヒビター(ITMN−191)を10uL加えたカラム23および24を除いて、残りの384ウェルプレートを10uLの100% DMSOで満たした。HCVプロテアーゼインヒビターを、HCV複製の100%阻害の対照として使用した。次いで、プレートをBiomek FX Workstationに配置して、段階希釈を開始した。段階希釈は、カラム3から12またはカラム13から22の3倍希釈の10サイクルに対して行なわれた。
【0290】
工程2:細胞培養プレートの調製および化合物の添加
黒いポリプロピレン384ウェルプレートの各ウェルに、Biotek uFlow Workstationを使用して、1600個の懸濁したHuh−7 HCVレプリコン細胞を含む90μLの細胞培地を加えた。Biomek FX Workstation上、0.4μLの体積の化合物溶液を、段階希釈プレートから細胞培養プレートに移した。最終アッセイ条件のDMSO濃度は0.44%であった。プレートを37℃、5%CO2、湿度85%で3日間インキュベートした。
【0291】
工程3:細胞毒性およびウイルス複製阻害の検出
a)細胞毒性の評価:384ウェル細胞培養プレートの培地をBiotek EL405プレート洗浄機で吸引した。100% PBS中に400nMのカルセイン(Calcein)AMを含む50μLの溶液を、Biotek uFlow Workstationを使用して、プレートの各ウェルに加えた。プレートを室温で30分間インキュベートした後に、Perkin Elmer Envision Plate Readerで蛍光信号(発光490nm、励起520nm)を測定した。
【0292】
b)ウイルス複製阻害の評価:384ウェル細胞培養プレートのカルセイン−PBS溶液をBiotek EL405プレート洗浄機で吸引した。Biotek uFlow Workstationを使って、プレートの各ウェルに、20μLの体積のDual−Gloルシフェラーゼ緩衝液(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E298B)を加えた。プレートを室温で10分間インキュベートした。次いで、Dual−Glo Stop & Glo基質(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E313B)およびDual−Glo Stop & Glo緩衝液(Promega,Dual−Glo Luciferase Assay Reagent,カタログ番号E314B)の1:100混合物を含む20μLの溶液を、Biotek uFlow Workstationを使用してプレートの各ウェルに加えた。プレートを室温で10分間インキュベートした後に、Perkin Elmer Envision Plate Readerで発光信号を測定した。
【0293】
工程4:計算
細胞毒性のパーセントを、カルセインAMの蛍光性生成物への変換によって決定した。DMSO対照ウェルからの平均蛍光信号を、100%無毒と定義した。試験化合物処理ウェルからの個々の蛍光信号を、DMSO対照ウェルからの平均信号で割り、次いで100%を乗じて生存率パーセントを得た。抗HCV複製活性パーセントを、DMSO対照ウェルと比較した試験ウェルからの発光信号によって決定した。バックグラウンド信号を、HCVプロテアーゼインヒビター処理ウェルからの平均発光信号により決定し、試験ウェルおよびDMSO対照ウェルから差し引いた。3倍段階希釈の後、各濃度での阻害%を次の式に当てはめて、EC
50およびCC
50の値を計算した:
阻害%=100%/[(EC
50/[I])
b+1]
ここで、bはヒル係数である。参考として、Hill,A.V.,The Possible Effects of the Aggregation of the Molecules of Haemoglobin on its Dissociation Curves,J.Physiol.40:iv−vii.(1910)を参照のこと。
【0294】
特定の濃度(例えば2μM)での阻害%値も、上記の式から導出され得る。
【0295】
試験すると、本発明の特定の化合物は、表1に示されるようにウイルスの複製を阻害することがわかった:
【0296】
【表1-1】
【0297】
【表1-2】
観察された特異的薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または薬学的キャリアが存在するか否か、ならびに処方物の型および使用される投与形態に従って、そしてこれらに依存して変わり得る。このような予測される結果のバリエーションまたは差は、本発明の実施に従って想定される。
【0298】
本発明の具体的な実施形態が本明細書中で図示され、詳細に説明されたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。上記詳細な説明は、本発明の説明として提供されるのであり、本発明のいかなる限定も構成すると解釈されるべきではない。改変が当業者に明らかであり、そして本発明の趣旨から逸脱しない全ての改変は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。