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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-4263(P2016-4263A)
(43)【公開日】2016年1月12日
(54)【発明の名称】眼鏡の磁着連結構造
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/22 20060101AFI20151208BHJP
   G02C 5/14 20060101ALI20151208BHJP
【FI】
   G02C5/22
   G02C5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-147191(P2014-147191)
(22)【出願日】2014年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】599140253
【氏名又は名称】株式会社ユーロビジョン
(72)【発明者】
【氏名】福岡 潤
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006AC00
(57)【要約】
【課題】細かいネジ、ピンを用いる事無く眼鏡の組み立て分解をワンタッチでし、取り外しも可能にする事。
【解決手段】眼鏡のフロントフレームの左右両端部(11)のヨロイ部端部合口部(12)には、少なくとも一つの磁性体(21)がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部(36)を有する鈎状部分(31)が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部(42)には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石(23,23a)が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分(32)を有するT字型部品(34)が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部(52)がテンプル端部側部に設けられた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のフロントフレームの左右両端部のヨロイ部端部合口部には、少なくとも一つの磁性体がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部を有する鈎状部分が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分を有するT字型部品が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部がテンプル端部側部に設けられた事を特徴とする眼鏡の磁着連結構造。
【請求項2】
前記ヨロイ部の鈎状部分とテンプル部のT字型部品の鈎状部分の嵌合部にギャップを設けた事を特徴とする請求項1記載の眼鏡の磁着連結構造。
【請求項3】
眼鏡のフロントフレームの左右両端部のヨロイ部端部合口部には、少なくとも一つの磁性体がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部を有する鈎状部分が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、更に磁性体前方には上下二連の磁石がその磁極方向が上下反対になる様に連設され、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分を有するT字型部品が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部がテンプル端部側部に設けられた事を特徴とする眼鏡の磁着連結構造。
【請求項4】
前記ヨロイ部の鈎状部分とテンプル部のT字型部品の鈎状部分の嵌合部にギャップを設けた事を特徴とする請求項3記載の眼鏡の磁着連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡のフロントフレームとテンプルとのネジ無し、軸ピン無しで、且つ、テンプルの着脱自在な磁着連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡のフロントフレームとテンプルとの連結構造に於いては、ネジ又は軸ピンを用いた丁番による結合、それにバネを付加したバネ丁番による結合が用いられて来ている。しかし、上記いずれに於いても、眼に見えないほどのネジや軸ピン、ナットを用いて細かい作業をしなければならず、作業効率が極めて悪く、又、ネジ等の山やネジ受け部分も小さくならざるを得ず、緩み易くなってしまい、眼鏡がぐらつく結果になってしまい視力を更に悪くするようになってしまっていた。更にバネ丁番にいたっては更に複雑で小売店でも修理等は不可能であった。ましてやユーザーがテンプルの交換を行う事など不可能であった。
【0003】
そこで本発明者は、WO2009/113187に於いて磁石を使用したネジ無し軸ピン無しの着脱自在な連結構造を提案した。しかしながらその連結構造に於いては、テンプルを開いて90度の角度で広げられている場合は互いの吸着力(磁着力)が強く互いに離れるという事は少ない。しかし、内側にテンプルを折り畳もうする場合回動がスムーズにいかない事となった。そして又、テンプルがバタついたりズレたりして離れ易くなってしまった。この理由としては、テンプルが開いている場合、テンプル側磁石の磁極とフロントフレームヨロイ側磁石の磁極が吸着しているので安定した吸着状態で有るが、テンプルを回動させて折り畳んだ状態では、フロントフレーム側の磁力の一番弱い処で、テンプル保持する事になり、テンプルが不安定な状態になった。そして又、フロントフレームヨロイ側磁石の内側角部分が角張っているので、テンプルの摺動及び回動がスムーズに行かなくて、バタついたり、違った処にくっついたりしてスムーズな回動が得られなかった。
【0004】
【特許文献1】WO2009/113187
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
先ず、眼鏡のフロントフレームの左右両端部のヨロイ部端部合口部には、少なくとも一つの磁性体がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部を有する鈎状部分が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分を有するT字型部品が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部がテンプル端部側部に設けるようにした。
【0006】
次に、眼鏡のフロントフレームの左右両端部のヨロイ部端部合口部には、少なくとも一つの磁性体がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部を有する鈎状部分が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、更に磁性体前方には上下二連の磁石がその磁極方向が上下反対になる様に連設され、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分を有するT字型部品が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部がテンプル端部側部に設けられ,そして、テンプルが折畳まれた状態からほぼ90度開拡回動するようにした。故障の元となる小さなネジや軸ピンを用いる事無く磁石と磁性体だけの吸着力で外れ難くスムーズな回動が得られた。
【0007】
本発明は又、ヨロイ部の鈎状部分とテンプル部のT字型部品の鈎状部分の嵌合部にギャップを設けることによりテンプルが5度〜15度外側に過開拡可能になった。5度〜15度外側に過開拡可能にする事により眼鏡の掛け外しが容易になった。そして、ヨロイ部端部の中間部分が突出するように鍔状に形成され、テンプル側合口部に設けられた切り込み凹部に嵌合するようにした事により、テンプルの回動がスムーズにフロントフレームから離脱せずに行えるようになった。そして、テンプルを取り外すときは、折り畳んでから引き抜く様にすると簡単に抜けるので、テンプルの交換も簡単に出来る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、小さなネジや軸ピン等を必要とする事が無く組み立てが出来、誰でも簡単にテンプルの着脱が可能になり、テンプルの交換が容易になりファッションとしての眼鏡の利用が更に広まる事になった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例の要部分解斜視図
図2図1からの組み立て斜視図
図3】本発明の実施例の要部平面図
図4】本発明の実施例の要部側面図
図5】本発明の他の実施例の要部分解斜視図
図6図5からの組み立て図
図7】本発明の要部平面図
図8】本発明の他の実施例要部平面図
図9】本発明の他の実施例の要部側面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
眼鏡のフロントフレームの左右両端部のヨロイ部端部合口部には、少なくとも一つの磁性体がその内側角を丸められる様に設けられ、その磁性体中間部には、鍔部を有する鈎状部分が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられ、そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連の磁石が設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分を有するT字型部品が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部がテンプル端部側部に設けられ、そして、テンプルが折畳まれた状態からほぼ90度開拡回動するようにされた事を特徴とする眼鏡の磁着連結構造。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例の要部分解斜視図で有り、眼鏡のフロントフレームの左右両端部11のヨロイ部端部合口部12には、少なくとも一つの磁性体21がその内側角22を丸められる様に設けられる。この磁性体は上下二連又は二段に設けられた磁性体であっても勿論構わない。そして、その磁性体中間部には、鍔部36を有する鈎状部分31が前記磁性体と一体又は別体として合口部から突出する様に設けられる。ここで一体とは、ロストワックス等の加工法で一体的に成型することで、別体とは、二つ以上の部品同士、を接着、溶着等でくっつける事を意味する。そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部42には、前記ヨロイ部磁性体に吸着する為の上下二連(二段)の磁石23,23aが設けられ、その上下の磁石の間に前記ヨロイ部の鈎状部分に嵌合する鈎状部分32を有するT字型部品34が凹部を形成するように挟持され、更にその凹部から続く前記鍔部に嵌合する溝部52がテンプル端部側部に設けられる。
【0012】
図2図1からの組み立て斜視図で有り、ヨロイ部端部13の磁性体21の縁部分36が突出するように鍔状36に形成され、テンプル側合口部に設けられた切り込み凹部52に嵌合するようにされた状態で有り、これによりネジ、軸ピンが無くてもテンプルの回動がスムーズに、離れずにブレる事無く行える事となった。
【0013】
図3は、本発明の実施例の要部切り欠き平面図で有り、ヨロイ部の鈎状部分31とテンプル部のT字型部品34の鈎状部分32aの嵌合部にギャップ(隙間)Gを設けた。ギャップを設ける事により、テンプルを外側へ押し広げた場合、少し過開拡する為の遊びができる事になり、眼鏡の掛け外しがし易くなった。
【0014】
図4は本発明の実施例の要部側面図で有り、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体21,に吸着する為の上下二連の磁石23,23aが設けられ、その上下の間に前記ヨロイ部の鈎状部分31に嵌合する鈎状部分32aを有する別のT字型部品34が凹部35を形成するように挟持されている。それ故に、スムーズなテンプルの回動とテンプルの自在着脱が可能となった。
【実施例2】
【0015】
図5は本発明の他の実施例の要部分解斜視図で有り、眼鏡のフロントフレームの左右両端部11aのヨロイ部端部合口部12aには、上下二連の磁性体21a,21bがそれぞれの内側角を丸められるように設けられる。これはテンプル40aの回動をスムーズにする為に丸められるものである。そして、その上下二連の磁性体の前方に上下二連の磁石24a,24bがその磁極方向が上下反対になる様に連設され、前記上下二連の磁性体と磁石の上下の間には、鈎状部分31aが合口部から突出するように設けられた(T字型)部品30が設けられる。そして、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部42aには、前記ヨロイ部磁性体21a,21bに吸着する為の上下二連の磁石23b,23cが設けられ、その上下の間に前記ヨロイ部の鈎状部分31aに嵌合する鈎状部分32aを有する別のT字型部品34aが上下二連の磁石の間に凹部を形成するように挟持される。そして、テンプル40aが折畳まれた状態からほぼ90度開拡回動するようにされた状態を示している。
【0016】
図6図5からの組み立て斜視図で有り、ヨロイ部端部13の磁性体21a,21bにより挟まれたT字型部品の縁部分36aが突出するように鍔状に形成され、テンプル側合口部に設けられた切り込み凹部52aに嵌合するようにされた状態で有り、これによりネジ、軸ピンが無くてもテンプルの回動がスムーズに、離れずにブレる事無く行える事となった。
【0017】
図8はヨロイ部の(T字型)部品30の鈎状部分31とテンプル部の別のT字型部品34aの鈎状部分32aの嵌合部にギャップ(隙間)Gを設けた。ギャップを設ける事により、テンプルを外側へ押し広げた場合、少し過開拡する為の遊びができる事になり、眼鏡の掛け外しがし易くなった。
【0018】
図9は本発明の他の実施例の要部側面図で有り、上下二連の磁性体21a,21bの、前記ヨロイ部端部合口部に相対するテンプル側合口部には、前記ヨロイ部磁性体21a,21bに吸着する為の上下二連の磁石23b,23cが設けられ、その上下の間に前記ヨロイ部の鈎状部分31aに嵌合する鈎状部分32aを有する別のT字型部品3aが凹部35を形成するように挟持されている。それ故に、スムーズなテンプルの回動とテンプルの自在着脱が可能となった。
【0019】
図7は本発明の実施例又は別の実施例の眼鏡10の要部平面図で有り、連結部に丁番等の出っ張りが生じないので、デザイン的にもすっきりと持ち易くなり髮の毛等の引っかかりもなくなる。
【0020】
又、本発明に使用される磁石はネオジム磁石が好ましく、磁性体としては、強磁性体である鉄、フェライト系ステンレスが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
以上の様に、本発明にかかる眼鏡の磁着連結構造は、小さなネジや軸ピンを用いる事が無くなる事により故障が少なくなり、しかも着脱も自由になる事によりファッション性が拡がり、眼鏡を装着する楽しみが増える事となる。
【符号の説明】
【0022】
10 眼鏡
11,11a フロントフレーム端部
21,21a 磁性体
22,22a ヨロイ側磁石
23,23a テンプル側磁石
31 ヨロイ側鈎状部分
32 T字型部品の鈎状部分
34 T字型部品
36 T字型部品の縁の鍔状部
40 テンプル
42 テンプル合口部
52 テンプル切り込み凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9