【解決手段】ベース体32とカバー体33とを上下に組み合わせて構成し、制御基板31を収容する空間である収容部34を内部に有する制御基板ケース30であって、ベース体32とカバー体33に、収容部34の外部に突出するとともに、接着して組み付け状態を保持する接着フランジ部35を構成するベースフランジ43とカバーフランジ44を備え、ベースフランジ43に、上下方向Hのうち上方Huが開口する凹状で、接着剤42を貯留可能な接着剤貯留部55を形成し、カバーフランジ44に、接着剤貯留部55に対して、上方Huから挿入可能な挿入接着部62を形成し、挿入接着部62に、硬化前の接着剤42を上方Huに案内するカバーフランジ溝部65を備えた。
上記挿入接着部は、そのほぼ全ての部位が上記接着剤貯留部に進入可能に形成されているとともに、上記接着剤案内溝は、上記挿入接着部の上記組み付け方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用制御基板ケース。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
まず、スロットマシン1(遊技機に対応)の構成について、
図1および
図2を用いて説明する。
図1は、スロットマシン1の正面図を示し、
図2は、スロットマシン1の前扉20を開放した状態の斜視図を示している。
【0024】
スロットマシン1は、
図1に示すように、正面視略長方形の箱状体であって、
図2に示すように、利用者と対面する面が開口した筐体本体10と、該筐体本体10の開口する面を開閉自在に塞ぐ前扉20とから構成されている。
【0025】
筐体本体10の内部には、詳細な図示を省略するが、メイン制御ユニット11、サブ制御ユニット12、リールユニット13、メダル払出装置14、および電源制御装置15などが備えられている。
【0026】
メイン制御ユニット11は、各種機器と電気的に接続されており、例えば、各種機器からの信号の入出力により、入賞などの抽選を行ったり、リールユニット13の回転、停止を制御する機能を有している。
【0027】
サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11および各種機器と電気的に接続されており、例えば、メイン制御ユニット11からの入力信号により、各種演出動作を決定して、液晶制御装置への制御信号を出力する機能を有している。
【0028】
リールユニット13は、電気的に接続されたメイン制御ユニット11による制御によって独立して回転、停止する、複数の図柄がプリントされた3つのリール13aで構成されている。
メダル払出装置14は、遊技の進行に応じてメダルを貯留、排出する装置であり、溢れたメダルを貯留する補助タンク(図示省略)を備えている。
電源制御装置15は、外部から供給される電力を制御する機能と、上述した各部に電力を供給する装置である。
【0029】
一方、前扉20における利用者と対面する表面部分は、液晶モニタ21、2つの上部スピーカー22、表示窓23、操作部24、パネル部25、2つの下部スピーカー26、メダル排出口27、および受け皿28で構成しており、前扉20の裏面部分には、メダルセレクター29を配置している。
【0030】
モニタ21は、液晶制御装置が電気的に接続したサブ制御ユニット12からの制御信号に基づいて、遊技に応じた画面情報を出力する。
上部スピーカー22は、メイン制御ユニット11から出力された音声信号を出力する。
【0031】
表示窓23は、筐体本体10に備えたリールユニット13の一部分やクレジット枚数の表示などを視認可能な透明部分(図示省略)と、入賞ラインなどをプリントした不透明部分(図示省略)とを一体にして構成されている。
【0032】
操作部24は、メイン制御ユニット11と電気的に接続するとともに、メダル投入口24a、MAXBETボタン24b、投入精算ボタン24c、スタートレバー24d、および3つのストップボタン24eで構成されている。
【0033】
メダル投入口24aは、利用者によるメダルの投入を受け付ける投入口であり、投入されたメダルをメダルセレクター29に案内する。
MAXBETボタン24bは、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数を、獲得したメダル枚数をデータとして蓄積しているクレジットからセットすることを所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0034】
投入精算ボタン24cは、利用者による押下操作によって、一回の遊技におけるメダルの賭け数を、クレジットから一枚ずつセットする投入ボタン(図示省略)と、クレジットに貯留されているメダルを精算して排出する精算ボタン(図示省略)とで構成されている。
【0035】
スタートレバー24dは、リールユニット13を構成する3つのリール13aの回転開始を所望する利用者の操作を受け付けるレバーである。
3つのストップボタン24eは、リールユニット13の3つのリール13aにそれぞれ対応しており、対応するリール13aの回転、停止を所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0036】
パネル部25は、スロットマシン1の機種名を示すイラストなどのパネルと、パネルを照明するバックライトなどで構成されている。
下部スピーカー26は、サブ制御ユニット12から出力された音声信号を出力する。
【0037】
メダル排出口27は、前扉20の裏面に配置したメダルセレクター29やメダル払出装置14から搬送されたメダルを受け皿28に排出する排出口である。
受け皿28は、メダル排出口27から排出されたメダルを貯留可能に構成されている。
【0038】
メダルセレクター29は、投入されたメダルを検出する機能と、メダルを選別する機能と、選別したメダルに応じて、メダル払出装置14やメダル排出口27に排出する機能とを有している。
【0039】
このような構成のスロットマシン1は、利用者が一回の遊技における最大賭け数のメダルをメダル投入口24aに投入する、あるいはMAXBETボタン24bを押下操作して、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数をクレジットからセットする。
【0040】
そして、スロットマシン1は、利用者によるスタートレバー24dの操作を検知すると、メイン制御ユニット11が、入賞か否かの抽選を行い、この抽選結果をサブ制御ユニット12に出力し、サブ制御ユニット12が、抽選結果に基づいた各種演出を決定する。
【0041】
その後、スロットマシン1は、メイン制御ユニット11が3つのリール13aの回転を開始させるとともに、サブ制御ユニット12が各種演出をモニタ21に出力し、利用者が3つのストップボタン24eを任意のタイミング、あるいは各種演出で指定された順番で押下することで、ストップボタン24eに対応したリール13aが停止する。
【0042】
リール13aにプリントされた図柄が揃えば、図柄に応じてメダルがクレジットに貯留される、あるいはメダル排出口27から排出される。このようにして、利用者は、スロットマシン1における遊技を楽しむ。
【0043】
なお、サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果に基づいて遊技が利用者にとって有利となる情報を提供する状態、いわゆる、AT(アシストタイム)に移行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選すると、例えば、3つのストップボタン24eを押下する順番をモニタ21に表示する。そして、利用者がこの順番通りにストップボタン24eを押下するとリール13aにプリントされた図柄が揃うことになる。
【0044】
続いて、サブ制御ユニット12の構成について、
図3から
図8を用いて説明する。
図3は、
図2に示したサブ制御ユニット12単体での斜視図であり、
図4は、
図3に示すサブ制御ユニット12の分解図である。
図5は、
図3の要部αで示す接着フランジ部35の拡大平面図である。
【0045】
図6は、
図5に示す接着フランジ部35の端面図であって、(a)はそのA−A線に沿った図、(b)はそのB−B線に沿った図、(c)はそのC−C線に沿った図である。
図7は、
図4の要部βで示すベースフランジ43の拡大斜視図である。
図8は、
図4の要部θで示すカバーフランジ44の拡大斜視図である。
【0046】
サブ制御ユニット12は、
図3,
図4に示すように、平面視長方形の箱状に構成した制御基板ケース30(特許請求の範囲の記載における遊技機用制御基板ケースに相当する)と、該制御基板ケース30の内部の空間に収容した制御基板31とから構成されている。
【0047】
制御基板ケース30は、ベース体32(特許請求の範囲の記載における第1ケースに相当する)と、カバー体33(特許請求の範囲の記載における第2ケースに相当する)とを組み付けて構成される。
【0048】
また、制御基板ケース30は、その内部に制御基板31を収容する収容部34を有し、ベース体32とカバー体33は、制御基板ケース30の外周縁に設けられた接着フランジ部35(特許請求の範囲の記載における接着保持部に相当する)によって強固に接着固定されている。
【0049】
なお、本実施形態において、ベース体32およびカバー体33は、PC(ポリカーボネート)を射出成形して形成されているが、これに限定されず、例えば、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)等に代表される透明な熱可塑性合成樹脂系材料で構成してもよいし、例えば、光を透過する有色透明や半透明、または不透明などの合成樹脂系材料で構成してもよい。
【0050】
ここで、平面視長方形の制御基板ケース30において、ベース体32とカバー体33とを組み付ける方向を上下方向H(特許請求の範囲の記載における組み付け方向に相当する)とし、該上下方向Hにおいて、ベース体32側を下方Hdとし、カバー体33側を上方Huとする。
なお、
図3および
図4において、手前に位置する長辺側と短辺側を一方とし、奥に位置する長辺側と短辺側を他方とする。
【0051】
制御基板31は、
図4に示すように、平面視略長方形に形成されたプリント基板であり、CPU36が配置された板状の第1基板37と、この第1基板37よりも小さく形成されるとともにROM38やRAM39が配置された第2基板40と、から構成されている。
なお、第2基板40は、四隅に備えた支柱41によって、この第1基板37の略中央上側に、第1基板37と離間した状態で固定されている。
【0052】
RAM39は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果を一時的に記憶するものであり、ROM38は、上記AT抽選の抽選データやこのAT抽選に用いられるプログラム等を格納したものである。
CPU36は、RAM39やROM38の情報に応じた処理を行うものである。
【0053】
接着フランジ部35は、
図3に示すように、制御基板ケース30における一方の短辺と、一方の長辺と、他方の短辺とのそれぞれに1つずつ形成されるとともに、他方の長辺に2つ形成されている。
【0054】
また、この接着フランジ部35は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベースフランジ43と、カバーフランジ44と、を接着剤42で接着して構成している。これらベースフランジ43およびカバーフランジ44の詳細については後に説明をする。
【0055】
なお、本実施形態において、接着剤42は、所定の粘性を備えるとともに紫外線を照射することで硬化する液体タイプのものが採用されているが、これに限定されず、例えば、瞬間接着タイプのものを用いてもよく、例えば、粘性が高いジェル体などを用いてもよい。
【0056】
また、接着フランジ部35は、上述のように、制御基板ケース30に複数形成されているが、それぞれ同様の構造となっているため、本実施形態においては、上記一方の短辺に形成された接着フランジ部35についてのみ説明し、他の部位に形成された接着フランジ部35については同一の符号を付すことで詳細な説明を省略している。
【0057】
ベース体32は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部46と、後述のカバーフランジ44とともに接着フランジ部35を構成するベースフランジ43と、から大略構成されており、全体として上方Huが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号45は、サブ制御ユニット12をスロットマシン1の筐体本体10に固定するための固定部である。
【0058】
収容構成部46は、平面視長方形状の底板47と、この底板47の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出したベース側側壁部48と、から構成されている。
底板47は、サブ制御ユニット12内の温度が上昇しないように換気可能に形成された複数の貫通孔49と、該複数の貫通孔49をまとめて囲む内部壁50と、制御基板31を下方Hdから支持するリブ51とを備えている。
【0059】
ベース側側壁部48は、底板47の長手方向および短手方向に沿って連続しており、このベース側側壁部48と底板47とで囲むように収容構成空間34aが形成されている。なお、この収容構成空間34aは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることで、後述するカバー体33の側収容構成空間34bとともに収容部34を構成する。
【0060】
さらに、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてベースフランジ43が突出形成されている。なお、図中の符号52は、サブ基板ユニット12の解体時に工具当て部として機能する切り込み部である。
【0061】
ベースフランジ43は、
図6(a)〜(c)および
図7に示すように、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてほぼ直角に突出した平面視長方形状のフランジ底板53と、このフランジ底板53の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出した縦壁54と、から構成されており、全体として上方Huが開口した箱状に形成されている。
【0062】
縦壁54は、フランジ底板53の長手方向および短手方向に沿って連続しており、この縦壁54とフランジ底板53とによって、ベースフランジ43は、その上部に硬化前の接着剤42を貯留可能になっている。換言すると、ベースフランジ43は、その上部に、硬化前の接着剤42を貯留可能な接着剤貯留部55が形成されている。
【0063】
また、縦壁54は、平面視においてフランジ底板53の周囲を包囲する四角枠状に形成されるとともに、縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁は、他の3つの壁よりも後述する連結部61のカバーフランジ上壁64の板厚T1相当分低く形成されている。(以下、上記縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁を低壁54aと称し、単に縦壁54と記載する場合にあっては、低壁54aは含まないものとする。)
【0064】
フランジ底板53は、先に述べたように、その平面視において長方形状を呈している一方で、その長手方向の縦断面形状が、その長手方向に沿って凹部と凸部とが交互に連続したいわゆる波形状に形成されている。(
図9参照)
【0065】
より具体的には、フランジ底板53は、その長手方向の両端に位置するフランジ底板一般部53aと当該フランジ底板一般部53aよりもフランジ底板53の板厚相当分、一段高く形成されたフランジ底板上段部53bによって形成されるとともに、このフランジ底板上段部53bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚相当分窪んだフランジ底板凹溝53cが形成されている。(
図9参照)
【0066】
このフランジ底板凹溝53cは、
図7に示すように、フランジ底板上段部53bの短手方向に連続するとともに、フランジ底板上段部53bの長手方向にほぼ等間隔で形成されている。(
図9参照)
【0067】
カバー体33は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部56と、ベースフランジ43とともに接着フランジ部35を構成するカバーフランジ44と、から大略構成されており、全体として下方Hdが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号57は、固定構成部45を封止する固定構成蓋部である。
【0068】
収容構成部56は、平面視長方形状の天板58と、この天板58の外周縁から下方Hdにほぼ垂直に突出したカバー側側壁部59と、から構成されている。
天板58は、底板47における貫通孔49と制御基板31を挟んで対向する位置に、複数の通気口60を備えており、底板47における内部壁50と制御基板31を挟んで対向する位置に不正器具侵入防止壁(図示外)を備えている。
【0069】
カバー側側壁部59は、天板58の長手方向および短手方向に沿って連続することにより平面視四角枠状を呈しており、このカバー側側壁部59と天板58とで囲むように収容構成空間34bが形成されている。なお、この収容構成空間34bは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることでカバー体33側の収容構成空間34aとともに、収容部34を構成する。
【0070】
そして、カバー側側壁部59の上端から外側(反収容構成空間34b側)に向けてカバーフランジ44が突出形成されている。なお、カバー側側壁部59とベース側側壁部48は平面視において相似形を呈しており、カバー側側壁部59の外周がベース側側壁部48の内周よりも若干小さく形成されることにより、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、カバー側側壁部59は、ベース側側壁部48の内側に重なるように配置されることとなる。
【0071】
カバーフランジ44は、
図8および
図6(a)〜(c)に示すように、短手方向の縦断面逆U字形状が長手方向で連続する連結部61と、この連結部61から外側(反収容構成空間34b側)に向けて突出した短手方向の縦断面矩形状が長手方向で変形する挿入接着部62と、から構成され、全体として段付き板状に形成されている。
【0072】
連結部61は、互いに対向配置された一対のカバーフランジ側壁63a,63bと、これら両カバーフランジ側壁63a,63b同士の間に介在し、両者を接続するカバーフランジ上壁64と、から構成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、両カバーフランジ側壁63a,63bに挟まれるようにして低壁54aが配置されることとなる。
【0073】
より具体的には、相対的に内側(収容構成空間34b側)に位置するカバーフランジ側壁63bと、相対的に外側に位置するカバーフランジ側壁63aとの間は、低壁54aの板厚T2よりも大きな間隔Dを空けて形成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間に接着剤33が流動可能な隙間C1が連続して確保されている。
【0074】
また、カバーフランジ側壁63aのカバーフランジ上壁64の下面からの長さL1は、低壁54aのフランジ底板53からの突出長さL2よりも小さく形成されており、この関係は、特に
図6(a)〜(c)で示すように、接着フランジ部35の長手方向で同じになっている。このため、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、後述の挿入接着部62とフランジ底板53との間に、接着剤33が流動可能な隙間C2が連続して確保されている。
【0075】
挿入接着部62は、カバーフランジ側壁63aの下端部分が外側(反収容構成空間34b)にほぼ直角に突き出すように、当該カバーフランジ側壁63aの下端部分と一体となって形成されているとともに、
図8に示すように、その平面視において長方形状を呈しており、その長辺の外側(反収容構成空間34b)に当該挿入接着部62の長手方向に沿って所定間隔毎にカバーフランジ溝部65(特許請求の範囲の記載における接着剤案内溝に相当する)が形成されている。(以下において、単に挿入接着部62と記載する場合は、カバーフランジ側壁63aの下端部分を含むものとし、単にカバーフランジ側壁63aと記載する場合は、挿入接着部62を含まないものとする。)
【0076】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に接着剤33が流動可能な隙間C3が確保されている。なお、挿入接着部62は、その上面66が、外側(縦壁54側)に向かって徐々に下方Hdに傾斜している。
【0077】
さらに、ベース体32とカバー体33の組み付け状態において、挿入接着部62は、フランジ底板一般部53aに近接する挿入接着一般部62aと、当該挿入接着一般部62aよりもフランジ底板53の板厚T3相当分、一段高く形成されることにより、フランジ底板上段部53bに近接する挿入接着上段部62bと、から構成されている。
【0078】
なお、
図6から明らかなように、挿入接着部62は、接着剤貯留部55よりも小さく形成されており、その全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能になっている。
ここで、
図8に示すように、挿入接着上段部62bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚T3相当分突出した挿入接着凸部67が形成されている。
【0079】
この挿入接着凸部67は、挿入接着上段部62bの短手方向に連続するとともに、挿入接着上段部62bの長手方向に一定間隔で形成されている。そして、当該挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているとともに、フランジ底板凹溝53cよりも若干小さく形成されており、当該挿入接着凸部67の根本68は、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲している。(
図10参照)
【0080】
このように、挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているため、挿入接着部62は、フランジ底板53と、いわゆる波形状の隙間を空けて対向し、この波状の隙間で接着剤42が硬化する。
【0081】
このため、例えば、平面状で対向する場合よりも、挿入接着部62とフランジ底板53とが強固に固定される。また、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲する根本68は、硬化前の接着剤42を円滑にカバーフランジ溝部65に案内することとなる。
【0082】
カバーフランジ溝部65は、
図5に示すように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈しており、言い換えるならば、カバーフランジ溝部65は、平面視において、その幅が外方向に向かって漸次拡大するように形成されており、
図8に示すように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で、複数当該カバーフランジ44を上下方向Hに貫通して形成されている。
【0083】
より具体的には、カバーフランジ溝部65は、挿入接着上段部62bにおいて、隣接する挿入接着凸部67同士の間に、2つで一組となるようにそれぞれが近接するように形成されており、この一組となったカバーフランジ溝部65が挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されている。
【0084】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成された部位は、
図6(a)および
図6(b)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間の隙間である上述の隙間C1や、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位と縦壁54との間の隙間である上述の隙間C3よりも大きな隙間C4が確保されている。
【0085】
以下、ベース体32とカバー体33の組み付け工程について、
図9から
図12を用いて説明する。
図9は、
図5に示した接着フランジ部35の接着工程を示す断面図であって、接着剤42を貯留した状態のベースフランジ43にカバーフランジ44が近づいていく図である。
図10は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態を示す断面図である。
【0086】
図11は、
図10のカバーフランジ44およびベースフランジ43の端面図であって、(a)は
図10のA−A線に沿った図、(b)は
図10のB−B線に沿った図、(c)は
図10のC−C線に沿った図である。
図12は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座した状態を示す図であって、
図5のD−D線に沿った断面図である。
【0087】
上述のように構成したベース体32とカバー体33とは、先ず制御基板31を図示外のネジを用いてカバー体33に組み付ける。
続いて、ベース体32に接着剤42を貯留し、ベース体32とカバー体33とを組み付け、最後に、図示外の紫外線照射装置を用いて接着剤42を硬化させる。
【0088】
より具体的には、
図9に示すように、接着剤貯留部55に接着剤42を貯留し、カバーフランジ44をベースフランジ43に向けて(下方Hdに向けて)組み付けていく。そして、
図12に示すように、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、低壁54aを含む縦壁54と水平方向(上下方向Hに直交する方向)で重なり合い、これら重なり合った部位の隙間C1,C2,C3,C4で接着剤42が硬化することとなる。
【0089】
この場合において、
図10に示すように、カバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態、すなわち、
図11(a)〜(c)に示すベースフランジ43側の低壁54aの頂部とカバーフランジ44側の連結部61の下面とが当接する直前の状態では、接着剤貯留部55は、挿入接着部62によって上下に画成され、接着剤42は、挿入接着部62に加圧されることとなる。
【0090】
そして、加圧された接着剤42は、低壁54aを含む縦壁54と挿入接着部62との対向部分の隙間(具体的には
図6のC1,C3,C4で示す隙間)に流れることとなるが、主に縦壁54と挿入接着部62との間にあるカバーフランジ溝部65によって上方Huに案内されて(
図11(a)参照)、挿入接着部62の上面66側に到達し(
図12参照)、先に述べた紫外線照射装置(図示外)によって硬化することとなる。
【0091】
ここで、カバーフランジ溝部65は、上述のように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されていることから、接着剤42も挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で接着剤貯留部55の下方Hdから上方Huに複数に分岐するようにして案内されていくこととなる。
【0092】
さらに、カバーフランジ溝部65は、先に述べたように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈していることから、隣接するわずかな隙間C3(
図5,
図6参照)に適度に浸透して行くことになる。換言すると、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
【0093】
また、挿入接着部62の上面66は、先に述べたように、外側(縦壁54側)側に向かって徐々に下がるように傾斜している。このため、上面66に到達した接着剤42は、外側に溜まり易くなっており、硬化した状態においては、同じく外側に形成されたカバーフランジ溝部65を十分な厚みをもって覆うこととなる。つまり、カバーフランジ溝部65を比較的少量の接着剤42で保護することができる。
【0094】
以上のように説明した本実施形態にあっては、以下の効果を得られる。
(1)制御基板ケース30は、ベース体32(第1ケース)のベースフランジ43(第1ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55を形成するとともに、カバー体33(第2ケース)のカバーフランジ43(第2ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55に対して上方Huから挿入可能な挿入接着部62を形成している。そして、挿入接着部62は、水平方向で接着剤貯留部55に対向する外側面に、硬化前の接着剤42を上方Huに案内するカバーフランジ溝部65(接着剤案内溝)を備えている。
【0095】
このため、先に述べたように、ベース体32とカバー体33との組み付け時には、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、縦壁54と水平方向(上下方向Hつまり組み付け方向に交差する方向)で重なり合い、これら水平方向で重なり合った部位の上方Huに向けてカバーフランジ溝部65が接着剤42を案内する。
【0096】
これにより、接着剤42が円滑に上方Huへ案内され、挿入接着部62は、水平方向と上下方向Hの2つの方向で接着剤貯留部55と接着されることとなる。
したがって、以上のように構成された制御基板ケース30によれば、ベース体32とカバー体33とが強固に固定されて、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0097】
(2)挿入接着部62は、そのほぼ全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能に形成されているとともに、カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62の上下方向Hに貫通して形成されている。
【0098】
このため、先に述べたように、接着剤42は、挿入接着部62の上面66側に到達し、硬化する。なお、カバーフランジ溝部65が、挿入接着部62の上下方向Hに貫通することにより、組み付け時に接着剤貯留部55に混入する空気を外部に逃がし易くすることもできる。
【0099】
したがって、上記(2)の制御基板ケース30は、接着剤貯留部55の開口をほぼ完全に接着剤42で閉塞させることが可能となり、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0100】
(3)挿入接着部62は、その上面66が、カバーフランジ溝部65側に向かって下方Hdに下がるように傾斜して形成されている。
このため、先に述べたように、比較的少量の接着剤42であっても、上面66に到達した接着剤42は、カバーフランジ溝部65側に溜まり易くなり、このカバーフランジ溝部65側に溜まった接着剤42が硬化することでカバーフランジ溝部65を保護できる。
【0101】
したがって、上記(3)の制御基板ケース30は、カバーフランジ溝部65を介した不正を未然に防止することができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0102】
(4)カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62にほぼ等間隔で複数形成されている。
このため、先に述べたように、接着剤42もほぼ均等な間隔で複数に分岐して上方Huに案内されていくことになる。
【0103】
したがって、上記(4)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0104】
(5)上記接着剤案内溝は、その幅が外部に向かって漸次拡大するように形成されている。
このため、先に述べたように、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
したがって、上記(5)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0105】
(6)スロットマシン1は、上記(1)〜(5)に記載の制御基板ケース30を備えている。
このため、上記(6)のスロットマシン1は、制御基板31への不正防止効果が向上した制御基板ケース30を備えることができ、延いては、スロットマシン1に対する不正行為を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
まず、スロットマシン1(遊技機に対応)の構成について、
図1および
図2を用いて説明する。
図1は、スロットマシン1の正面図を示し、
図2は、スロットマシン1の前扉20を開放した状態の斜視図を示している。
【0024】
スロットマシン1は、
図1に示すように、正面視略長方形の箱状体であって、
図2に示すように、利用者と対面する面が開口した筐体本体10と、該筐体本体10の開口する面を開閉自在に塞ぐ前扉20とから構成されている。
【0025】
筐体本体10の内部には、詳細な図示を省略するが、メイン制御ユニット11、サブ制御ユニット12、リールユニット13、メダル払出装置14、および電源制御装置15などが備えられている。
【0026】
メイン制御ユニット11は、各種機器と電気的に接続されており、例えば、各種機器からの信号の入出力により、入賞などの抽選を行ったり、リールユニット13の回転、停止を制御する機能を有している。
【0027】
サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11および各種機器と電気的に接続されており、例えば、メイン制御ユニット11からの入力信号により、各種演出動作を決定して、液晶制御装置への制御信号を出力する機能を有している。
【0028】
リールユニット13は、電気的に接続されたメイン制御ユニット11による制御によって独立して回転、停止する、複数の図柄がプリントされた3つのリール13aで構成されている。
メダル払出装置14は、遊技の進行に応じてメダルを貯留、排出する装置であり、溢れたメダルを貯留する補助タンク(図示省略)を備えている。
電源制御装置15は、外部から供給される電力を制御する機能と、上述した各部に電力を供給する装置である。
【0029】
一方、前扉20における利用者と対面する表面部分は、液晶モニタ21、2つの上部スピーカー22、表示窓23、操作部24、パネル部25、2つの下部スピーカー26、メダル排出口27、および受け皿28で構成しており、前扉20の裏面部分には、メダルセレクター29を配置している。
【0030】
モニタ21は、液晶制御装置が電気的に接続したサブ制御ユニット12からの制御信号に基づいて、遊技に応じた画面情報を出力する。
上部スピーカー22は、メイン制御ユニット11から出力された音声信号を出力する。
【0031】
表示窓23は、筐体本体10に備えたリールユニット13の一部分やクレジット枚数の表示などを視認可能な透明部分(図示省略)と、入賞ラインなどをプリントした不透明部分(図示省略)とを一体にして構成されている。
【0032】
操作部24は、メイン制御ユニット11と電気的に接続するとともに、メダル投入口24a、MAXBETボタン24b、投入精算ボタン24c、スタートレバー24d、および3つのストップボタン24eで構成されている。
【0033】
メダル投入口24aは、利用者によるメダルの投入を受け付ける投入口であり、投入されたメダルをメダルセレクター29に案内する。
MAXBETボタン24bは、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数を、獲得したメダル枚数をデータとして蓄積しているクレジットからセットすることを所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0034】
投入精算ボタン24cは、利用者による押下操作によって、一回の遊技におけるメダルの賭け数を、クレジットから一枚ずつセットする投入ボタン(図示省略)と、クレジットに貯留されているメダルを精算して排出する精算ボタン(図示省略)とで構成されている。
【0035】
スタートレバー24dは、リールユニット13を構成する3つのリール13aの回転開始を所望する利用者の操作を受け付けるレバーである。
3つのストップボタン24eは、リールユニット13の3つのリール13aにそれぞれ対応しており、対応するリール13aの回転、停止を所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0036】
パネル部25は、スロットマシン1の機種名を示すイラストなどのパネルと、パネルを照明するバックライトなどで構成されている。
下部スピーカー26は、サブ制御ユニット12から出力された音声信号を出力する。
【0037】
メダル排出口27は、前扉20の裏面に配置したメダルセレクター29やメダル払出装置14から搬送されたメダルを受け皿28に排出する排出口である。
受け皿28は、メダル排出口27から排出されたメダルを貯留可能に構成されている。
【0038】
メダルセレクター29は、投入されたメダルを検出する機能と、メダルを選別する機能と、選別したメダルに応じて、メダル払出装置14やメダル排出口27に排出する機能とを有している。
【0039】
このような構成のスロットマシン1は、利用者が一回の遊技における最大賭け数のメダルをメダル投入口24aに投入する、あるいはMAXBETボタン24bを押下操作して、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数をクレジットからセットする。
【0040】
そして、スロットマシン1は、利用者によるスタートレバー24dの操作を検知すると、メイン制御ユニット11が、入賞か否かの抽選を行い、この抽選結果をサブ制御ユニット12に出力し、サブ制御ユニット12が、抽選結果に基づいた各種演出を決定する。
【0041】
その後、スロットマシン1は、メイン制御ユニット11が3つのリール13aの回転を開始させるとともに、サブ制御ユニット12が各種演出をモニタ21に出力し、利用者が3つのストップボタン24eを任意のタイミング、あるいは各種演出で指定された順番で押下することで、ストップボタン24eに対応したリール13aが停止する。
【0042】
リール13aにプリントされた図柄が揃えば、図柄に応じてメダルがクレジットに貯留される、あるいはメダル排出口27から排出される。このようにして、利用者は、スロットマシン1における遊技を楽しむ。
【0043】
なお、サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果に基づいて遊技が利用者にとって有利となる情報を提供する状態、いわゆる、AT(アシストタイム)に移行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選すると、例えば、3つのストップボタン24eを押下する順番をモニタ21に表示する。そして、利用者がこの順番通りにストップボタン24eを押下するとリール13aにプリントされた図柄が揃うことになる。
【0044】
続いて、サブ制御ユニット12の構成について、
図3から
図8を用いて説明する。
図3は、
図2に示したサブ制御ユニット12単体での斜視図であり、
図4は、
図3に示すサブ制御ユニット12の分解図である。
図5は、
図3の要部αで示す接着フランジ部35の拡大平面図である。
【0045】
図6は、
図5に示す接着フランジ部35の端面図であって、(a)はそのA−A線に沿った図、(b)はそのB−B線に沿った図、(c)はそのC−C線に沿った図である。
図7は、
図4の要部βで示すベースフランジ43の拡大斜視図である。
図8は、
図4の要部θで示すカバーフランジ44の拡大斜視図である。
【0046】
サブ制御ユニット12は、
図3,
図4に示すように、平面視長方形の箱状に構成した制御基板ケース30(特許請求の範囲の記載における遊技機用制御基板ケースに相当する)と、該制御基板ケース30の内部の空間に収容した制御基板31とから構成されている。
【0047】
制御基板ケース30は、ベース体32(特許請求の範囲の記載における第1ケースに相当する)と、カバー体33(特許請求の範囲の記載における第2ケースに相当する)とを組み付けて構成される。
【0048】
また、制御基板ケース30は、その内部に制御基板31を収容する収容部34を有し、ベース体32とカバー体33は、制御基板ケース30の外周縁に設けられた接着フランジ部35(特許請求の範囲の記載における接着保持部に相当する)によって強固に接着固定されている。
【0049】
なお、本実施形態において、ベース体32およびカバー体33は、PC(ポリカーボネート)を射出成形して形成されているが、これに限定されず、例えば、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)等に代表される透明な熱可塑性合成樹脂系材料で構成してもよいし、例えば、光を透過する有色透明や半透明、または不透明などの合成樹脂系材料で構成してもよい。
【0050】
ここで、平面視長方形の制御基板ケース30において、ベース体32とカバー体33とを組み付ける方向を上下方向H(特許請求の範囲の記載における組み付け方向に相当する)とし、該上下方向Hにおいて、ベース体32側を下方Hdとし、カバー体33側を上方Huとする。
なお、
図3および
図4において、手前に位置する長辺側と短辺側を一方とし、奥に位置する長辺側と短辺側を他方とする。
【0051】
制御基板31は、
図4に示すように、平面視略長方形に形成されたプリント基板であり、CPU36が配置された板状の第1基板37と、この第1基板37よりも小さく形成されるとともにROM38やRAM39が配置された第2基板40と、から構成されている。
なお、第2基板40は、四隅に備えた支柱41によって、この第1基板37の略中央上側に、第1基板37と離間した状態で固定されている。
【0052】
RAM39は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果を一時的に記憶するものであり、ROM38は、上記AT抽選の抽選データやこのAT抽選に用いられるプログラム等を格納したものである。
CPU36は、RAM39やROM38の情報に応じた処理を行うものである。
【0053】
接着フランジ部35は、
図3に示すように、制御基板ケース30における一方の短辺と、一方の長辺と、他方の短辺とのそれぞれに1つずつ形成されるとともに、他方の長辺に2つ形成されている。
【0054】
また、この接着フランジ部35は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベースフランジ43と、カバーフランジ44と、を接着剤42で接着して構成している。これらベースフランジ43およびカバーフランジ44の詳細については後に説明をする。
【0055】
なお、本実施形態において、接着剤42は、所定の粘性を備えるとともに紫外線を照射することで硬化する液体タイプのものが採用されているが、これに限定されず、例えば、瞬間接着タイプのものを用いてもよく、例えば、粘性が高いジェル体などを用いてもよい。
【0056】
また、接着フランジ部35は、上述のように、制御基板ケース30に複数形成されているが、それぞれ同様の構造となっているため、本実施形態においては、上記一方の短辺に形成された接着フランジ部35についてのみ説明し、他の部位に形成された接着フランジ部35については同一の符号を付すことで詳細な説明を省略している。
【0057】
ベース体32は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部46と、後述のカバーフランジ44とともに接着フランジ部35を構成するベースフランジ43と、から大略構成されており、全体として上方Huが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号45は、サブ制御ユニット12をスロットマシン1の筐体本体10に固定するための固定部である。
【0058】
収容構成部46は、平面視長方形状の底板47と、この底板47の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出したベース側側壁部48と、から構成されている。
底板47は、サブ制御ユニット12内の温度が上昇しないように換気可能に形成された複数の貫通孔49と、該複数の貫通孔49をまとめて囲む内部壁50と、制御基板31を下方Hdから支持するリブ51とを備えている。
【0059】
ベース側側壁部48は、底板47の長手方向および短手方向に沿って連続しており、このベース側側壁部48と底板47とで囲むように収容構成空間34aが形成されている。なお、この収容構成空間34aは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることで、後述するカバー体33の側収容構成空間34bとともに収容部34を構成する。
【0060】
さらに、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてベースフランジ43が突出形成されている。なお、図中の符号52は、サブ基板ユニット12の解体時に工具当て部として機能する切り込み部である。
【0061】
ベースフランジ43は、
図6(a)〜(c)および
図7に示すように、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてほぼ直角に突出した平面視長方形状のフランジ底板53と、このフランジ底板53の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出した縦壁54と、から構成されており、全体として上方Huが開口した箱状に形成されている。
【0062】
縦壁54は、フランジ底板53の長手方向および短手方向に沿って連続しており、この縦壁54とフランジ底板53とによって、ベースフランジ43は、その上部に硬化前の接着剤42を貯留可能になっている。換言すると、ベースフランジ43は、その上部に、硬化前の接着剤42を貯留可能な接着剤貯留部55が形成されている。
【0063】
また、縦壁54は、平面視においてフランジ底板53の周囲を包囲する四角枠状に形成されるとともに、縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁は、他の3つの壁よりも後述する連結部61のカバーフランジ上壁64の板厚T1相当分低く形成されている。(以下、上記縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁を低壁54aと称し、単に縦壁54と記載する場合にあっては、低壁54aは含まないものとする。)
【0064】
フランジ底板53は、先に述べたように、その平面視において長方形状を呈している一方で、その長手方向の縦断面形状が、その長手方向に沿って凹部と凸部とが交互に連続したいわゆる波形状に形成されている。(
図9参照)
【0065】
より具体的には、フランジ底板53は、その長手方向の両端に位置するフランジ底板一般部53aと当該フランジ底板一般部53aよりもフランジ底板53の板厚相当分、一段高く形成されたフランジ底板上段部53bによって形成されるとともに、このフランジ底板上段部53bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚相当分窪んだフランジ底板凹溝53cが形成されている。(
図9参照)
【0066】
このフランジ底板凹溝53cは、
図7に示すように、フランジ底板上段部53bの短手方向に連続するとともに、フランジ底板上段部53bの長手方向にほぼ等間隔で形成されている。(
図9参照)
【0067】
カバー体33は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部56と、ベースフランジ43とともに接着フランジ部35を構成するカバーフランジ44と、から大略構成されており、全体として下方Hdが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号57は、固定構成部45を封止する固定構成蓋部である。
【0068】
収容構成部56は、平面視長方形状の天板58と、この天板58の外周縁から下方Hdにほぼ垂直に突出したカバー側側壁部59と、から構成されている。
天板58は、底板47における貫通孔49と制御基板31を挟んで対向する位置に、複数の通気口60を備えており、底板47における内部壁50と制御基板31を挟んで対向する位置に不正器具侵入防止壁(図示外)を備えている。
【0069】
カバー側側壁部59は、天板58の長手方向および短手方向に沿って連続することにより平面視四角枠状を呈しており、このカバー側側壁部59と天板58とで囲むように収容構成空間34bが形成されている。なお、この収容構成空間34bは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることでカバー体33側の収容構成空間34aとともに、収容部34を構成する。
【0070】
そして、カバー側側壁部59の上端から外側(反収容構成空間34b側)に向けてカバーフランジ44が突出形成されている。なお、カバー側側壁部59とベース側側壁部48は平面視において相似形を呈しており、カバー側側壁部59の外周がベース側側壁部48の内周よりも若干小さく形成されることにより、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、カバー側側壁部59は、ベース側側壁部48の内側に重なるように配置されることとなる。
【0071】
カバーフランジ44は、
図8および
図6(a)〜(c)に示すように、短手方向の縦断面逆U字形状が長手方向で連続する連結部61と、この連結部61から外側(反収容構成空間34b側)に向けて突出した短手方向の縦断面矩形状が長手方向で変形する挿入接着部62と、から構成され、全体として段付き板状に形成されている。
【0072】
連結部61は、互いに対向配置された一対のカバーフランジ側壁63a,63bと、これら両カバーフランジ側壁63a,63b同士の間に介在し、両者を接続するカバーフランジ上壁64と、から構成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、両カバーフランジ側壁63a,63bに挟まれるようにして低壁54aが配置されることとなる。
【0073】
より具体的には、相対的に内側(収容構成空間34b側)に位置するカバーフランジ側壁63bと、相対的に外側に位置するカバーフランジ側壁63aとの間は、低壁54aの板厚T2よりも大きな間隔Dを空けて形成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間に接着剤33が流動可能な隙間C1が連続して確保されている。
【0074】
また、カバーフランジ側壁63aのカバーフランジ上壁64の下面からの長さL1は、低壁54aのフランジ底板53からの突出長さL2よりも小さく形成されており、この関係は、特に
図6(a)〜(c)で示すように、接着フランジ部35の長手方向で同じになっている。このため、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、後述の挿入接着部62とフランジ底板53との間に、接着剤33が流動可能な隙間C2が連続して確保されている。
【0075】
挿入接着部62は、カバーフランジ側壁63aの下端部分が外側(反収容構成空間34b)にほぼ直角に突き出すように、当該カバーフランジ側壁63aの下端部分と一体となって形成されているとともに、
図8に示すように、その平面視において長方形状を呈しており、その長辺の外側(反収容構成空間34b)に当該挿入接着部62の長手方向に沿って所定間隔毎にカバーフランジ溝部65(特許請求の範囲の記載における接着剤案内溝に相当する)が形成されている。(以下において、単に挿入接着部62と記載する場合は、カバーフランジ側壁63aの下端部分を含むものとし、単にカバーフランジ側壁63aと記載する場合は、挿入接着部62を含まないものとする。)
【0076】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に接着剤33が流動可能な隙間C3が確保されている。なお、挿入接着部62は、その上面66が、外側(縦壁54側)に向かって徐々に下方Hdに傾斜している。
【0077】
さらに、ベース体32とカバー体33の組み付け状態において、挿入接着部62は、フランジ底板一般部53aに近接する挿入接着一般部62aと、当該挿入接着一般部62aよりもフランジ底板53の板厚T3相当分、一段高く形成されることにより、フランジ底板上段部53bに近接する挿入接着上段部62bと、から構成されている。
【0078】
なお、
図6から明らかなように、挿入接着部62は、接着剤貯留部55よりも小さく形成されており、その全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能になっている。
ここで、
図8に示すように、挿入接着上段部62bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚T3相当分突出した挿入接着凸部67が形成されている。
【0079】
この挿入接着凸部67は、挿入接着上段部62bの短手方向に連続するとともに、挿入接着上段部62bの長手方向に一定間隔で形成されている。そして、当該挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているとともに、フランジ底板凹溝53cよりも若干小さく形成されており、当該挿入接着凸部67の根本68は、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲している。(
図10参照)
【0080】
このように、挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているため、挿入接着部62は、フランジ底板53と、いわゆる波形状の隙間を空けて対向し、この波状の隙間で接着剤42が硬化する。
【0081】
このため、例えば、平面状で対向する場合よりも、挿入接着部62とフランジ底板53とが強固に固定される。また、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲する根本68は、硬化前の接着剤42を円滑にカバーフランジ溝部65に案内することとなる。
【0082】
カバーフランジ溝部65は、
図5に示すように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈しており、言い換えるならば、カバーフランジ溝部65は、平面視において、その幅が外方向に向かって漸次拡大するように形成されており、
図8に示すように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で、複数当該カバーフランジ44を上下方向Hに貫通して形成されている。
【0083】
より具体的には、カバーフランジ溝部65は、挿入接着上段部62bにおいて、隣接する挿入接着凸部67同士の間に、2つで一組となるようにそれぞれが近接するように形成されており、この一組となったカバーフランジ溝部65が挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されている。
【0084】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成された部位は、
図6(a)および
図6(b)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間の隙間である上述の隙間C1や、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位と縦壁54との間の隙間である上述の隙間C3よりも大きな隙間C4が確保されている。
【0085】
以下、ベース体32とカバー体33の組み付け工程について、
図9から
図12を用いて説明する。
図9は、
図5に示した接着フランジ部35の接着工程を示す断面図であって、接着剤42を貯留した状態のベースフランジ43にカバーフランジ44が近づいていく図である。
図10は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態を示す断面図である。
【0086】
図11は、
図10のカバーフランジ44およびベースフランジ43の端面図であって、(a)は
図10のA−A線に沿った図、(b)は
図10のB−B線に沿った図、(c)は
図10のC−C線に沿った図である。
図12は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座した状態を示す図であって、
図5のD−D線に沿った断面図である。
【0087】
上述のように構成したベース体32とカバー体33とは、先ず制御基板31を図示外のネジを用いてカバー体33に組み付ける。
続いて、ベース体32に接着剤42を貯留し、ベース体32とカバー体33とを組み付け、最後に、図示外の紫外線照射装置を用いて接着剤42を硬化させる。
【0088】
より具体的には、
図9に示すように、接着剤貯留部55に接着剤42を貯留し、カバーフランジ44をベースフランジ43に向けて(下方Hdに向けて)組み付けていく。そして、
図12に示すように、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、低壁54aを含む縦壁54と水平方向(上下方向Hに直交する方向)で重なり合い、これら重なり合った部位の隙間C1,C2,C3,C4で接着剤42が硬化することとなる。
【0089】
この場合において、
図10に示すように、カバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態、すなわち、
図11(a)〜(c)に示すベースフランジ43側の低壁54aの頂部とカバーフランジ44側の連結部61の下面とが当接する直前の状態では、接着剤貯留部55は、挿入接着部62によって上下に画成され、接着剤42は、挿入接着部62に加圧されることとなる。
【0090】
そして、加圧された接着剤42は、低壁54aを含む縦壁54と挿入接着部62との対向部分の隙間(具体的には
図6のC1,C3,C4で示す隙間)に流れることとなるが、主に縦壁54と挿入接着部62との間にあるカバーフランジ溝部65によって上方Huに案内されて(
図11(a)参照)、挿入接着部62の上面66側に到達し(
図12参照)、先に述べた紫外線照射装置(図示外)によって硬化することとなる。
【0091】
ここで、カバーフランジ溝部65は、上述のように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されていることから、接着剤42も挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で接着剤貯留部55の下方Hdから上方Huに複数に分岐するようにして案内されていくこととなる。
【0092】
さらに、カバーフランジ溝部65は、先に述べたように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈していることから、隣接するわずかな隙間C3(
図5,
図6参照)に適度に浸透して行くことになる。換言すると、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
【0093】
また、挿入接着部62の上面66は、先に述べたように、外側(縦壁54側)側に向かって徐々に下がるように傾斜している。このため、上面66に到達した接着剤42は、外側に溜まり易くなっており、硬化した状態においては、同じく外側に形成されたカバーフランジ溝部65を十分な厚みをもって覆うこととなる。つまり、カバーフランジ溝部65を比較的少量の接着剤42で保護することができる。
【0094】
以上のように説明した本実施形態にあっては、以下の効果を得られる。
(1)制御基板ケース30は、ベース体32(第1ケース)のベースフランジ43(第1ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55を形成するとともに、カバー体33(第2ケース)のカバーフランジ43(第2ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55に対して上方Huから挿入可能な挿入接着部62を形成している。そして、挿入接着部62は、水平方向で接着剤貯留部55に対向する外側面に、硬化前の接着剤42を上方Huに案内するカバーフランジ溝部65(接着剤案内溝)を備えている。
【0095】
このため、先に述べたように、ベース体32とカバー体33との組み付け時には、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、縦壁54と水平方向(上下方向Hつまり組み付け方向に交差する方向)で重なり合い、これら水平方向で重なり合った部位の上方Huに向けてカバーフランジ溝部65が接着剤42を案内する。
【0096】
これにより、接着剤42が円滑に上方Huへ案内され、挿入接着部62は、水平方向と上下方向Hの2つの方向で接着剤貯留部55と接着されることとなる。
したがって、以上のように構成された制御基板ケース30によれば、ベース体32とカバー体33とが強固に固定されて、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0097】
(2)挿入接着部62は、そのほぼ全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能に形成されているとともに、カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62の上下方向Hに貫通して形成されている。
【0098】
このため、先に述べたように、接着剤42は、挿入接着部62の上面66側に到達し、硬化する。なお、カバーフランジ溝部65が、挿入接着部62の上下方向Hに貫通することにより、組み付け時に接着剤貯留部55に混入する空気を外部に逃がし易くすることもできる。
【0099】
したがって、上記(2)の制御基板ケース30は、接着剤貯留部55の開口をほぼ完全に接着剤42で閉塞させることが可能となり、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0100】
(3)挿入接着部62は、その上面66が、カバーフランジ溝部65側に向かって下方Hdに下がるように傾斜して形成されている。
このため、先に述べたように、比較的少量の接着剤42であっても、上面66に到達した接着剤42は、カバーフランジ溝部65側に溜まり易くなり、このカバーフランジ溝部65側に溜まった接着剤42が硬化することでカバーフランジ溝部65を保護できる。
【0101】
したがって、上記(3)の制御基板ケース30は、カバーフランジ溝部65を介した不正を未然に防止することができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0102】
(4)カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62にほぼ等間隔で複数形成されている。
このため、先に述べたように、接着剤42もほぼ均等な間隔で複数に分岐して上方Huに案内されていくことになる。
【0103】
したがって、上記(4)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0104】
(5)上記接着剤案内溝は、その幅が外部に向かって漸次拡大するように形成されている。
このため、先に述べたように、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
したがって、上記(5)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0105】
(6)スロットマシン1は、上記(1)〜(5)に記載の制御基板ケース30を備えている。
このため、上記(6)のスロットマシン1は、制御基板31への不正防止効果が向上した制御基板ケース30を備えることができ、延いては、スロットマシン1に対する不正行為を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
まず、スロットマシン1(遊技機に対応)の構成について、
図1および
図2を用いて説明する。
図1は、スロットマシン1の正面図を示し、
図2は、スロットマシン1の前扉20を開放した状態の斜視図を示している。
【0026】
スロットマシン1は、
図1に示すように、正面視略長方形の箱状体であって、
図2に示すように、利用者と対面する面が開口した筐体本体10と、該筐体本体10の開口する面を開閉自在に塞ぐ前扉20とから構成されている。
【0027】
筐体本体10の内部には、詳細な図示を省略するが、メイン制御ユニット11、サブ制御ユニット12、リールユニット13、メダル払出装置14、および電源制御装置15などが備えられている。
【0028】
メイン制御ユニット11は、各種機器と電気的に接続されており、例えば、各種機器からの信号の入出力により、入賞などの抽選を行ったり、リールユニット13の回転、停止を制御する機能を有している。
【0029】
サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11および各種機器と電気的に接続されており、例えば、メイン制御ユニット11からの入力信号により、各種演出動作を決定して、液晶制御装置への制御信号を出力する機能を有している。
【0030】
リールユニット13は、電気的に接続されたメイン制御ユニット11による制御によって独立して回転、停止する、複数の図柄がプリントされた3つのリール13aで構成されている。
メダル払出装置14は、遊技の進行に応じてメダルを貯留、排出する装置であり、溢れたメダルを貯留する補助タンク(図示省略)を備えている。
電源制御装置15は、外部から供給される電力を制御する機能と、上述した各部に電力を供給する装置である。
【0031】
一方、前扉20における利用者と対面する表面部分は、液晶モニタ21、2つの上部スピーカー22、表示窓23、操作部24、パネル部25、2つの下部スピーカー26、メダル排出口27、および受け皿28で構成しており、前扉20の裏面部分には、メダルセレクター29を配置している。
【0032】
モニタ21は、液晶制御装置が電気的に接続したサブ制御ユニット12からの制御信号に基づいて、遊技に応じた画面情報を出力する。
上部スピーカー22は、メイン制御ユニット11から出力された音声信号を出力する。
【0033】
表示窓23は、筐体本体10に備えたリールユニット13の一部分やクレジット枚数の表示などを視認可能な透明部分(図示省略)と、入賞ラインなどをプリントした不透明部分(図示省略)とを一体にして構成されている。
【0034】
操作部24は、メイン制御ユニット11と電気的に接続するとともに、メダル投入口24a、MAXBETボタン24b、投入精算ボタン24c、スタートレバー24d、および3つのストップボタン24eで構成されている。
【0035】
メダル投入口24aは、利用者によるメダルの投入を受け付ける投入口であり、投入されたメダルをメダルセレクター29に案内する。
MAXBETボタン24bは、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数を、獲得したメダル枚数をデータとして蓄積しているクレジットからセットすることを所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0036】
投入精算ボタン24cは、利用者による押下操作によって、一回の遊技におけるメダルの賭け数を、クレジットから一枚ずつセットする投入ボタン(図示省略)と、クレジットに貯留されているメダルを精算して排出する精算ボタン(図示省略)とで構成されている。
【0037】
スタートレバー24dは、リールユニット13を構成する3つのリール13aの回転開始を所望する利用者の操作を受け付けるレバーである。
3つのストップボタン24eは、リールユニット13の3つのリール13aにそれぞれ対応しており、対応するリール13aの回転、停止を所望する利用者の操作を受け付けるボタンである。
【0038】
パネル部25は、スロットマシン1の機種名を示すイラストなどのパネルと、パネルを照明するバックライトなどで構成されている。
下部スピーカー26は、サブ制御ユニット12から出力された音声信号を出力する。
【0039】
メダル排出口27は、前扉20の裏面に配置したメダルセレクター29やメダル払出装置14から搬送されたメダルを受け皿28に排出する排出口である。
受け皿28は、メダル排出口27から排出されたメダルを貯留可能に構成されている。
【0040】
メダルセレクター29は、投入されたメダルを検出する機能と、メダルを選別する機能と、選別したメダルに応じて、メダル払出装置14やメダル排出口27に排出する機能とを有している。
【0041】
このような構成のスロットマシン1は、利用者が一回の遊技における最大賭け数のメダルをメダル投入口24aに投入する、あるいはMAXBETボタン24bを押下操作して、一回の遊技におけるメダルの最大賭け数をクレジットからセットする。
【0042】
そして、スロットマシン1は、利用者によるスタートレバー24dの操作を検知すると、メイン制御ユニット11が、入賞か否かの抽選を行い、この抽選結果をサブ制御ユニット12に出力し、サブ制御ユニット12が、抽選結果に基づいた各種演出を決定する。
【0043】
その後、スロットマシン1は、メイン制御ユニット11が3つのリール13aの回転を開始させるとともに、サブ制御ユニット12が各種演出をモニタ21に出力し、利用者が3つのストップボタン24eを任意のタイミング、あるいは各種演出で指定された順番で押下することで、ストップボタン24eに対応したリール13aが停止する。
【0044】
リール13aにプリントされた図柄が揃えば、図柄に応じてメダルがクレジットに貯留される、あるいはメダル排出口27から排出される。このようにして、利用者は、スロットマシン1における遊技を楽しむ。
【0045】
なお、サブ制御ユニット12は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果に基づいて遊技が利用者にとって有利となる情報を提供する状態、いわゆる、AT(アシストタイム)に移行するか否かの抽選を行い、この抽選に当選すると、例えば、3つのストップボタン24eを押下する順番をモニタ21に表示する。そして、利用者がこの順番通りにストップボタン24eを押下するとリール13aにプリントされた図柄が揃うことになる。
【0046】
続いて、サブ制御ユニット12の構成について、
図3から
図8を用いて説明する。
図3は、
図2に示したサブ制御ユニット12単体での斜視図であり、
図4は、
図3に示すサブ制御ユニット12の分解図である。
図5は、
図3の要部αで示す接着フランジ部35の拡大平面図である。
【0047】
図6は、
図5に示す接着フランジ部35の端面図であって、(a)はそのA−A線に沿った図、(b)はそのB−B線に沿った図、(c)はそのC−C線に沿った図である。
図7は、
図4の要部βで示すベースフランジ43の拡大斜視図である。
図8は、
図4の要部θで示すカバーフランジ44の拡大斜視図である。
【0048】
サブ制御ユニット12は、
図3,
図4に示すように、平面視長方形の箱状に構成した制御基板ケース30(特許請求の範囲の記載における遊技機用制御基板ケースに相当する)と、該制御基板ケース30の内部の空間に収容した制御基板31とから構成されている。
【0049】
制御基板ケース30は、ベース体32(特許請求の範囲の記載における第1ケースに相当する)と、カバー体33(特許請求の範囲の記載における第2ケースに相当する)とを組み付けて構成される。
【0050】
また、制御基板ケース30は、その内部に制御基板31を収容する収容部34を有し、ベース体32とカバー体33は、制御基板ケース30の外周縁に設けられた接着フランジ部35(特許請求の範囲の記載における接着保持部に相当する)によって強固に接着固定されている。
【0051】
なお、本実施形態において、ベース体32およびカバー体33は、PC(ポリカーボネート)を射出成形して形成されているが、これに限定されず、例えば、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)等に代表される透明な熱可塑性合成樹脂系材料で構成してもよいし、例えば、光を透過する有色透明や半透明、または不透明などの合成樹脂系材料で構成してもよい。
【0052】
ここで、平面視長方形の制御基板ケース30において、ベース体32とカバー体33とを組み付ける方向を上下方向H(特許請求の範囲の記載における組み付け方向に相当する)とし、該上下方向Hにおいて、ベース体32側を下方Hdとし、カバー体33側を上方Huとする。
なお、
図3および
図4において、手前に位置する長辺側と短辺側を一方とし、奥に位置する長辺側と短辺側を他方とする。
【0053】
制御基板31は、
図4に示すように、平面視略長方形に形成されたプリント基板であり、CPU36が配置された板状の第1基板37と、この第1基板37よりも小さく形成されるとともにROM38やRAM39が配置された第2基板40と、から構成されている。
なお、第2基板40は、四隅に備えた支柱41によって、この第1基板37の略中央上側に、第1基板37と離間した状態で固定されている。
【0054】
RAM39は、メイン制御ユニット11から送られた抽選結果を一時的に記憶するものであり、ROM38は、上記AT抽選の抽選データやこのAT抽選に用いられるプログラム等を格納したものである。
CPU36は、RAM39やROM38の情報に応じた処理を行うものである。
【0055】
接着フランジ部35は、
図3に示すように、制御基板ケース30における一方の短辺と、一方の長辺と、他方の短辺とのそれぞれに1つずつ形成されるとともに、他方の長辺に2つ形成されている。
【0056】
また、この接着フランジ部35は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベースフランジ43と、カバーフランジ44と、を接着剤42で接着して構成している。これらベースフランジ43およびカバーフランジ44の詳細については後に説明をする。
【0057】
なお、本実施形態において、接着剤42は、所定の粘性を備えるとともに紫外線を照射することで硬化する液体タイプのものが採用されているが、これに限定されず、例えば、瞬間接着タイプのものを用いてもよく、例えば、粘性が高いジェル体などを用いてもよい。
【0058】
また、接着フランジ部35は、上述のように、制御基板ケース30に複数形成されているが、それぞれ同様の構造となっているため、本実施形態においては、上記一方の短辺に形成された接着フランジ部35についてのみ説明し、他の部位に形成された接着フランジ部35については同一の符号を付すことで詳細な説明を省略している。
【0059】
ベース体32は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部46と、後述のカバーフランジ44とともに接着フランジ部35を構成するベースフランジ43と、から大略構成されており、全体として上方Huが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号45は、サブ制御ユニット12をスロットマシン1の筐体本体10に固定するための固定部である。
【0060】
収容構成部46は、平面視長方形状の底板47と、この底板47の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出したベース側側壁部48と、から構成されている。
底板47は、サブ制御ユニット12内の温度が上昇しないように換気可能に形成された複数の貫通孔49と、該複数の貫通孔49をまとめて囲む内部壁50と、制御基板31を下方Hdから支持するリブ51とを備えている。
【0061】
ベース側側壁部48は、底板47の長手方向および短手方向に沿って連続しており、このベース側側壁部48と底板47とで囲むように収容構成空間34aが形成されている。なお、この収容構成空間34aは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることで、後述するカバー体33の側収容構成空間34bとともに収容部34を構成する。
【0062】
さらに、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてベースフランジ43が突出形成されている。なお、図中の符号52は、サブ基板ユニット12の解体時に工具当て部として機能する切り込み部である。
【0063】
ベースフランジ43は、
図6(a)〜(c)および
図7に示すように、ベース側側壁部48の上端から外側(反収容構成空間34a側)に向けてほぼ直角に突出した平面視長方形状のフランジ底板53と、このフランジ底板53の外周縁から上方Huにほぼ垂直に突出した縦壁54と、から構成されており、全体として上方Huが開口した箱状に形成されている。
【0064】
縦壁54は、フランジ底板53の長手方向および短手方向に沿って連続しており、この縦壁54とフランジ底板53とによって、ベースフランジ43は、その上部に硬化前の接着剤42を貯留可能になっている。換言すると、ベースフランジ43は、その上部に、硬化前の接着剤42を貯留可能な接着剤貯留部55が形成されている。
【0065】
また、縦壁54は、平面視においてフランジ底板53の周囲を包囲する四角枠状に形成されるとともに、縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁は、他の3つの壁よりも後述する連結部61のカバーフランジ上壁64の板厚T1相当分低く形成されている。(以下、上記縦壁54のうち、収容構成空間34a側の壁を低壁54aと称し、単に縦壁54と記載する場合にあっては、低壁54aは含まないものとする。)
【0066】
フランジ底板53は、先に述べたように、その平面視において長方形状を呈している一方で、その長手方向の縦断面形状が、その長手方向に沿って凹部と凸部とが交互に連続したいわゆる波形状に形成されている。(
図9参照)
【0067】
より具体的には、フランジ底板53は、その長手方向の両端に位置するフランジ底板一般部53aと当該フランジ底板一般部53aよりもフランジ底板53の板厚相当分、一段高く形成されたフランジ底板上段部53bによって形成されるとともに、このフランジ底板上段部53bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚相当分窪んだフランジ底板凹溝53cが形成されている。(
図9参照)
【0068】
このフランジ底板凹溝53cは、
図7に示すように、フランジ底板上段部53bの短手方向に連続するとともに、フランジ底板上段部53bの長手方向にほぼ等間隔で形成されている。(
図9参照)
【0069】
カバー体33は、
図4に示すように、制御基板31を収容する収容構成部56と、ベースフランジ43とともに接着フランジ部35を構成するカバーフランジ44と、から大略構成されており、全体として下方Hdが開放した箱状に形成されている。なお、図中の符号57は、固定構成部45を封止する固定構成蓋部である。
【0070】
収容構成部56は、平面視長方形状の天板58と、この天板58の外周縁から下方Hdにほぼ垂直に突出したカバー側側壁部59と、から構成されている。
天板58は、底板47における貫通孔49と制御基板31を挟んで対向する位置に、複数の通気口60を備えており、底板47における内部壁50と制御基板31を挟んで対向する位置に不正器具侵入防止壁(図示外)を備えている。
【0071】
カバー側側壁部59は、天板58の長手方向および短手方向に沿って連続することにより平面視四角枠状を呈しており、このカバー側側壁部59と天板58とで囲むように収容構成空間34bが形成されている。なお、この収容構成空間34bは、ベース体32とカバー体33が組み合わさることでカバー体33側の収容構成空間34aとともに、収容部34を構成する。
【0072】
そして、カバー側側壁部59の上端から外側(反収容構成空間34b側)に向けてカバーフランジ44が突出形成されている。なお、カバー側側壁部59とベース側側壁部48は平面視において相似形を呈しており、カバー側側壁部59の外周がベース側側壁部48の内周よりも若干小さく形成されることにより、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、カバー側側壁部59は、ベース側側壁部48の内側に重なるように配置されることとなる。
【0073】
カバーフランジ44は、
図8および
図6(a)〜(c)に示すように、短手方向の縦断面逆U字形状が長手方向で連続する連結部61と、この連結部61から外側(反収容構成空間34b側)に向けて突出した短手方向の縦断面矩形状が長手方向で変形する挿入接着部62と、から構成され、全体として段付き板状に形成されている。
【0074】
連結部61は、互いに対向配置された一対のカバーフランジ側壁63a,63bと、これら両カバーフランジ側壁63a,63b同士の間に介在し、両者を接続するカバーフランジ上壁64と、から構成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、両カバーフランジ側壁63a,63bに挟まれるようにして低壁54aが配置されることとなる。
【0075】
より具体的には、相対的に内側(収容構成空間34b側)に位置するカバーフランジ側壁63bと、相対的に外側に位置するカバーフランジ側壁63aとの間は、低壁54aの板厚T2よりも大きな間隔Dを空けて形成されており、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間に接着剤33が流動可能な隙間C1が連続して確保されている。
【0076】
また、カバーフランジ側壁63aのカバーフランジ上壁64の下面からの長さL1は、低壁54aのフランジ底板53からの突出長さL2よりも小さく形成されており、この関係は、特に
図6(a)〜(c)で示すように、接着フランジ部35の長手方向で同じになっている。このため、ベース体32とカバー体33との組み付け状態においては、特に
図6の(a)〜(c)に示すように、後述の挿入接着部62とフランジ底板53との間に、接着剤33が流動可能な隙間C2が連続して確保されている。
【0077】
挿入接着部62は、カバーフランジ側壁63aの下端部分が外側(反収容構成空間34b)にほぼ直角に突き出すように、当該カバーフランジ側壁63aの下端部分と一体となって形成されているとともに、
図8に示すように、その平面視において長方形状を呈しており、その長辺の外側(反収容構成空間34b)に当該挿入接着部62の長手方向に沿って所定間隔毎にカバーフランジ溝部65(特許請求の範囲の記載における接着剤案内溝に相当する)が形成されている。(以下において、単に挿入接着部62と記載する場合は、カバーフランジ側壁63aの下端部分を含むものとし、単にカバーフランジ側壁63aと記載する場合は、挿入接着部62を含まないものとする。)
【0078】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位は、
図6(a)〜(c)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に接着剤33が流動可能な隙間C3が確保されている。なお、挿入接着部62は、その上面66が、外側(縦壁54側)に向かって徐々に下方Hdに傾斜している。
【0079】
さらに、ベース体32とカバー体33の組み付け状態において、挿入接着部62は、フランジ底板一般部53aに近接する挿入接着一般部62aと、当該挿入接着一般部62aよりもフランジ底板53の板厚T3相当分、一段高く形成されることにより、フランジ底板上段部53bに近接する挿入接着上段部62bと、から構成されている。
【0080】
なお、
図6から明らかなように、挿入接着部62は、接着剤貯留部55よりも小さく形成されており、その全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能になっている。
ここで、
図8に示すように、挿入接着上段部62bには、下方Hdに向けてフランジ底板53の板厚T3相当分突出した挿入接着凸部67が形成されている。
【0081】
この挿入接着凸部67は、挿入接着上段部62bの短手方向に連続するとともに、挿入接着上段部62bの長手方向に一定間隔で形成されている。そして、当該挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているとともに、フランジ底板凹溝53cよりも若干小さく形成されており、当該挿入接着凸部67の根本68は、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲している。(
図10参照)
【0082】
このように、挿入接着凸部67の表面の形状は、フランジ底板凹溝53cのそれとほぼ相似形を呈しているため、挿入接着部62は、フランジ底板53と、いわゆる波形状の隙間を空けて対向し、この波状の隙間で接着剤42が硬化する。
【0083】
このため、例えば、平面状で対向する場合よりも、挿入接着部62とフランジ底板53とが強固に固定される。また、カバーフランジ溝部65に向かって緩やかに湾曲する根本68は、硬化前の接着剤42を円滑にカバーフランジ溝部65に案内することとなる。
【0084】
カバーフランジ溝部65は、
図5に示すように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈しており、言い換えるならば、カバーフランジ溝部65は、平面視において、その幅が外方向に向かって漸次拡大するように形成されており、
図8に示すように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で、複数当該カバーフランジ44を上下方向Hに貫通して形成されている。
【0085】
より具体的には、カバーフランジ溝部65は、挿入接着上段部62bにおいて、隣接する挿入接着凸部67同士の間に、2つで一組となるようにそれぞれが近接するように形成されており、この一組となったカバーフランジ溝部65が挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されている。
【0086】
また、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成された部位は、
図6(a)および
図6(b)に示すように、ベース体32とカバー体33との組み付け状態において、縦壁54との間に、カバーフランジ側壁63aと低壁51aとの間の隙間である上述の隙間C1や、挿入接着部62のうちカバーフランジ溝部65が形成されていない部位と縦壁54との間の隙間である上述の隙間C3よりも大きな隙間C4が確保されている。
【0087】
以下、ベース体32とカバー体33の組み付け工程について、
図9から
図12を用いて説明する。
図9は、
図5に示した接着フランジ部35の接着工程を示す断面図であって、接着剤42を貯留した状態のベースフランジ43にカバーフランジ44が近づいていく図である。
図10は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態を示す断面図である。
【0088】
図11は、
図10のカバーフランジ44およびベースフランジ43の端面図であって、(a)は
図10のA−A線に沿った図、(b)は
図10のB−B線に沿った図、(c)は
図10のC−C線に沿った図である。
図12は、
図9のカバーフランジ44がベースフランジ43に着座した状態を示す図であって、
図5のD−D線に沿った断面図である。
【0089】
上述のように構成したベース体32とカバー体33とは、先ず制御基板31を図示外のネジを用いてカバー体33に組み付ける。
続いて、ベース体32に接着剤42を貯留し、ベース体32とカバー体33とを組み付け、最後に、図示外の紫外線照射装置を用いて接着剤42を硬化させる。
【0090】
より具体的には、
図9に示すように、接着剤貯留部55に接着剤42を貯留し、カバーフランジ44をベースフランジ43に向けて(下方Hdに向けて)組み付けていく。そして、
図12に示すように、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、低壁54aを含む縦壁54と水平方向(上下方向Hに直交する方向)で重なり合い、これら重なり合った部位の隙間C1,C2,C3,C4で接着剤42が硬化することとなる。
【0091】
この場合において、
図10に示すように、カバーフランジ44がベースフランジ43に着座する直前の状態、すなわち、
図11(a)〜(c)に示すベースフランジ43側の低壁54aの頂部とカバーフランジ44側の連結部61の下面とが当接する直前の状態では、接着剤貯留部55は、挿入接着部62によって上下に画成され、接着剤42は、挿入接着部62に加圧されることとなる。
【0092】
そして、加圧された接着剤42は、低壁54aを含む縦壁54と挿入接着部62との対向部分の隙間(具体的には
図6のC1,C3,C4で示す隙間)に流れることとなるが、主に縦壁54と挿入接着部62との間にあるカバーフランジ溝部65によって上方Huに案内されて(
図11(a)参照)、挿入接着部62の上面66側に到達し(
図12参照)、先に述べた紫外線照射装置(図示外)によって硬化することとなる。
【0093】
ここで、カバーフランジ溝部65は、上述のように、挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で複数形成されていることから、接着剤42も挿入接着上段部62bの長手方向にほぼ均等な間隔で接着剤貯留部55の下方Hdから上方Huに複数に分岐するようにして案内されていくこととなる。
【0094】
さらに、カバーフランジ溝部65は、先に述べたように、平面視において内側(収容構成空間34b側)を頂部とする二等辺三角形状を呈していることから、隣接するわずかな隙間C3(
図5,
図6参照)に適度に浸透して行くことになる。換言すると、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
【0095】
また、挿入接着部62の上面66は、先に述べたように、外側(縦壁54側)側に向かって徐々に下がるように傾斜している。このため、上面66に到達した接着剤42は、外側に溜まり易くなっており、硬化した状態においては、同じく外側に形成されたカバーフランジ溝部65を十分な厚みをもって覆うこととなる。つまり、カバーフランジ溝部65を比較的少量の接着剤42で保護することができる。
【0096】
以上のように説明した本実施形態にあっては、以下の効果を得られる。
(1)制御基板ケース30は、ベース体32(第1ケース)のベースフランジ43(第1ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55を形成するとともに、カバー体33(第2ケース)のカバーフランジ43(第2ケース側の接着構成部)に、接着剤貯留部55に対して上方Huから挿入可能な挿入接着部62を形成している。そして、挿入接着部62は、水平方向で接着剤貯留部55に対向する外側面に、硬化前の接着剤42を上方Huに案内するカバーフランジ溝部65(接着剤案内溝)を備えている。
【0097】
このため、先に述べたように、ベース体32とカバー体33との組み付け時には、挿入接着部62は、フランジ底板53と上下方向Hで重なり合うとともに、縦壁54と水平方向(上下方向Hつまり組み付け方向に交差する方向)で重なり合い、これら水平方向で重なり合った部位の上方Huに向けてカバーフランジ溝部65が接着剤42を案内する。
【0098】
これにより、接着剤42が円滑に上方Huへ案内され、挿入接着部62は、水平方向と上下方向Hの2つの方向で接着剤貯留部55と接着されることとなる。
したがって、以上のように構成された制御基板ケース30によれば、ベース体32とカバー体33とが強固に固定されて、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0099】
(2)挿入接着部62は、そのほぼ全ての部位が接着剤貯留部55に進入可能に形成されているとともに、カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62の上下方向Hに貫通して形成されている。
【0100】
このため、先に述べたように、接着剤42は、挿入接着部62の上面66側に到達し、硬化する。なお、カバーフランジ溝部65が、挿入接着部62の上下方向Hに貫通することにより、組み付け時に接着剤貯留部55に混入する空気を外部に逃がし易くすることもできる。
【0101】
したがって、上記(2)の制御基板ケース30は、接着剤貯留部55の開口をほぼ完全に接着剤42で閉塞させることが可能となり、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0102】
(3)挿入接着部62は、その上面66が、カバーフランジ溝部65側に向かって下方Hdに下がるように傾斜して形成されている。
このため、先に述べたように、比較的少量の接着剤42であっても、上面66に到達した接着剤42は、カバーフランジ溝部65側に溜まり易くなり、このカバーフランジ溝部65側に溜まった接着剤42が硬化することでカバーフランジ溝部65を保護できる。
【0103】
したがって、上記(3)の制御基板ケース30は、カバーフランジ溝部65を介した不正を未然に防止することができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0104】
(4)カバーフランジ溝部65は、挿入接着部62にほぼ等間隔で複数形成されている。
このため、先に述べたように、接着剤42もほぼ均等な間隔で複数に分岐して上方Huに案内されていくことになる。
【0105】
したがって、上記(4)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0106】
(5)上記接着剤案内溝は、その幅が外部に向かって漸次拡大するように形成されている。
このため、先に述べたように、カバーフランジ溝部65は、上方Huへの接着剤案内効果に加えて、水平方向つまり横方向の案内効果も発揮することとなる。
したがって、上記(5)の制御基板ケース30は、ベース体32とカバー体33とをより強固に固定せることができ、制御基板31への不正防止効果を向上させることができる。
【0107】
(6)スロットマシン1は、上記(1)〜(5)に記載の制御基板ケース30を備えている。
このため、上記(6)のスロットマシン1は、制御基板31への不正防止効果が向上した制御基板ケース30を備えることができ、延いては、スロットマシン1に対する不正行為を防止することができる。