(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-43349(P2016-43349A)
(43)【公開日】2016年4月4日
(54)【発明の名称】除湿モノマー、層別温度制御除湿素子、乾燥装置及びその温度制御方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20160307BHJP
【FI】
B01D53/26 231
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-83194(P2015-83194)
(22)【出願日】2015年4月15日
(31)【優先権主張番号】103129312
(32)【優先日】2014年8月26日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】洪 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】曾 鵬樟
(72)【発明者】
【氏名】康 育豪
(72)【発明者】
【氏名】陳 幸▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】彭 及青
(72)【発明者】
【氏名】簡 士凱
(72)【発明者】
【氏名】蔡 慶營
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA10
4D052DA06
4D052DB04
4D052FA05
4D052GA01
4D052GA03
4D052GA04
4D052GB00
4D052GB01
4D052GB03
4D052GB08
4D052GB11
(57)【要約】
【課題】除湿モノマー、層別温度制御除湿素子、乾燥装置及びその温度制御方法を提供する。
【解決手段】除湿素子内に直熱型脱着基材からなる除湿モノマーが設けられることにより、空気に対する除湿乾燥及び脱着再生を行う。このうち、予熱器による温度補償方法及び除湿素子による段階的温度制御方法を利用することにより、除湿素子におけるガス通路構造は、再生温度を均一に制御することができ、除湿素子の再生性能の向上及び乾燥装置のエネルギー節約の目的を達成することができる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直熱脱着式乾燥装置内における除湿素子の再生工程時の均一温度制御に用いられる層別均一温度制御可能な温度制御方法であって、
温度上昇制御工程において、予熱器で前記除湿素子内の第1除湿モノマーを加熱することにより、前記第1除湿モノマーと直列に接続された複数の除湿モノマーを同時に加熱し、再生温度範囲に達すると、前記予熱器の前記複数の除湿モノマーに対する加熱を停止する工程と、
温度保持制御工程において、各前記除湿モノマーに対して個別の温度差異に基づいて間欠起動または加熱を一時中止し、前記再生温度を一定の誤差範囲に保持する工程と、
温度下降制御工程において、前記予熱器の前記複数の除湿モノマーに対する加熱を停止し、冷却空気を供給することで前記除湿モノマーの冷却を速める工程と、
を含むことを特徴とする層別均一温度制御可能な温度制御方法。
【請求項2】
最後の除湿モノマーに、空気湿度を感知し、湿度信号を生成する湿度センサを設けることにより、前記空気湿度が所定の湿度以下である場合に前記温度下降制御工程を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の層別均一温度制御可能な温度制御方法。
【請求項3】
ガスインレットパイプセットと、
前記ガスインレットパイプセットの上端に位置するガスアウトレットパイプセットと、
複数の直熱脱着式乾燥モジュールであって、並列に設けられ、前記ガスインレットパイプセット及び前記ガスアウトレットパイプセット上の制御弁の開閉により各前記直熱脱着式乾燥モジュールの圧力タンク内への空気の進入を制御し、予熱及び温度補償のための予熱器を有する複数の除湿素子が前記圧力タンク内に設けられ、前記圧力タンクのガスインレット、アウトレットが前記ガスアウトレットパイプセット及び前記ガスアウトレットパイプセットにそれぞれ接続され、前記圧力タンク内に空気が送入されることにより前記除湿素子内における除湿モノマーによる前記空気の吸着除湿若しくは前記除湿モノマーに対する脱着再生を行う複数の前記直熱脱着式乾燥モジュールと、
前記ガスインレットパイプセット、前記ガスアウトレットパイプセット、及び前記制御弁に連通され、それらの直熱脱着式乾燥モジュールによる脱着再生後の高温高湿ガスに対する凝縮及びそれらの除湿モノマーの加速冷却を行う熱交換器と、
を備えることを特徴とする層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項4】
前記圧力タンクは、タンク本体と、ガスインレットホッパーと、ガスアウトレットホッパーとを含み、前記ガスインレットホッパーには前記空気を前記除湿素子に均一に流入させるインレット開口板及び拡散網が設けられ、前記ガスアウトレットホッパーには前記空気内の粉塵または雑質を濾過する濾過網及びアウトレット開口板が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項5】
前記タンク本体の一方の側に前記除湿素子の取り付け用の搭載板が設けられており、前記搭載板には、前記タンク本体内の除湿素子の温度センサセットと接続される温度ジョイントセットと、前記除湿素子及び前記予熱器に必要な電源を供給する前記タンク本体内の除湿素子及び前記予熱器と接続される電源ジョイントセットとが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項6】
前記温度センサセット及び前記予熱器は、前記除湿素子の均一温度制御のためにロジック制御回路に接続されることを特徴とする請求項5に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項7】
前記圧力タンク内には前記複数の除湿素子がアレイ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項8】
前記複数の直熱脱着式乾燥モジュールは、2つ以上の制御弁を交互に開閉することにより、吸着除湿または脱着再生の作業を交互に行うことを特徴とする請求項3に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項9】
前記複数の除湿素子のそれぞれは、層別温度制御除湿素子であり、
ガスの吸着除湿及び脱着再生として機能する直熱型脱着基材を含み、少なくとも1つの仕切り板によって仕切られた複数のエアチャンバーにそれぞれ設けられ、前記エアチャンバーの間に貫通孔が設けられることで前記ガスが前記エアチャンバーからなる平行通路内に流れる複数の除湿モノマーと、
各前記除湿モノマーの中央位置にそれぞれ設けられることで、各前記除湿モノマーの再生時に対する温度モニタ及びフィードバックに用いられ、前記層別温度制御除湿素子の一方の側にジョイントが設けられている複数の第1の温度センサと、
前記予熱器のアウトレットに設けられ、前記予熱器の温度上昇または温度補償時における温度モニタ及びフィードバックに用いられる第2の温度センサと、
を備え、
前記予熱器は、前記層別温度制御除湿素子のインレットに設けられ、前記複数の除湿モノマーにおける第1組の除湿モノマーの予熱及び温度補償に用いられ、前記第1組の除湿モノマーが再生時の均一温度に保持されることを特徴とする請求項3に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項10】
前記予熱器、前記複数の第1の温度センサ及び前記第2の温度センサに接続され、前記複数の除湿モノマー間の均一温度制御に用いられるロジック制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項11】
前記複数の除湿モノマーは、前記直熱型脱着基材が張力調整可能なフレームにより固定され、前記直熱型脱着基材は、前記フレームの隙間を介してU字繰り返し巻き付きにより前記フレームのリブ板に固定されることを特徴とする請求項9に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項12】
側蓋板、底板、ガスインレット端板、ガスアウトレット端板、上蓋板、予熱器蓋板からなり、内部が複数の仕切り板によって前記複数の除湿モノマー収容用の前記複数のエアチャンバーに仕切られた固定フレームをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項13】
前記直熱型脱着基材の両端は、前記上蓋板の電極ねじセットと互いに結合する電極ねじ孔が開設されている導電板に導電接続されることにより、前記導電板に電流が導入され、前記直熱型脱着基材が直熱脱着再生工程を行うことを特徴とする請求項12に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項14】
前記複数の除湿モノマーのそれぞれは、
複数のリブ板がそれぞれ設けられ、互いに隣接するいずれか2つの前記リブ板の間に隙間が形成されている上フレーム及び下フレームと、
上下両端が前記上フレーム及び下フレームにそれぞれ固着された複数の上スクリュー及び下スクリューと、
前記直熱型脱着基材の両脱着側の間にある金属薄片に導電接続され、前記上フレームにそれぞれ固定されることで、2つの電極が形成された2つの導電板と
をさらに備え、
前記直熱型脱着基材は、前記上フレーム及び前記下フレームのリブ板に繰り返し巻き付くことで、その間に通路が形成されることを特徴とする請求項9に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項15】
前記直熱型脱着基材は、前記上フレーム及び前記下フレームの隙間を貫通することを特徴とする請求項14に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項16】
前記複数の上スクリュー及び下スクリューは、回転により、前記直熱型脱着基材を伸ばして張らせることを特徴とする請求項14に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項17】
前記2つの導電板、及び前記金属薄片は、ねじセットにより前記上フレームにそれぞれ固定され、前記2つの導電板に電極ねじ孔が開設されることにより、前記2つの導電板に電流が導入されることを特徴とする請求項14に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項18】
前記金属薄片は、前記2つの導電板に接続され、固定されることを特徴とする請求項14に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項19】
前記直熱型脱着基材は、U字に前後繰り返し巻き付かれることを特徴とする請求項14に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【請求項20】
前記U字通路の隙間は、1〜10mmであることを特徴とする請求項19に記載の層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2014年8月26日に台湾に出願されたNO.103129312号台湾特許出願を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
本発明は、空気の除湿乾燥及び脱着再生技術に関し、詳しくは、除湿モノマー、層別均一温度制御可能な層別温度制御除湿素子、乾燥装置及びその温度制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業製造プロセスにおける自動化及び精密化が進んでいる中で、その生産製造空間及び製造プロセス設備の空気品質に対する要求もそれに伴って高くなっている。製造プロセスの歩留まりを確保するには、圧縮空気の湿度が複数の製造プロセスにとって極めて重要である。従って、湿度制御は、各メーカが研究に傾注する重要な課題となっている。
【0003】
従来の吸着式圧縮空気乾燥装置は、通常、圧縮空気中の水分を吸着するための2つの吸着塔を含む。一般的に、吸着除湿及び脱着再生可能な吸着剤、例えばシリカゲル粒子、ゼオライト分子篩または活性炭等が吸着塔内に充填されており、含水量の多い圧縮空気がパイプを通過していずれかの吸着塔内に入った後、水気吸着除湿処理が行われ、処理された乾燥圧縮空気は必要時のためにガス保存タンクに導入され保存される。この場合、水気を吸着して飽和した吸着塔は、その内部の吸着剤が熱エネルギーにより吸着剤内の水分を脱着排出することができ、通常、ヒータにより行われる。言い換えれば、ヒータの加熱により吸着塔内の吸着剤の脱着再生が行われる。脱着再生過程において、熱エネルギーは、輻射、対流や固体熱伝達等により、吸着剤によって水分を脱着可能な温度に脱着再生用空気を加熱した後、吸着塔内に導引し、吸着剤の脱着再生処理を行う。処理された高温高湿圧縮空気は導引されて吸着塔の外部に排出される。これにより、吸着剤の脱着再生工程が完了する。この状態の吸着剤は、次の吸着除湿として利用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、脱着再生に使用される熱空気の輸送過程において、伝送パイプのパイプ壁に熱伝達するため、エネルギーの損失が発生する。さらに、脱着再生の場合は、熱エネルギーが熱空気対流の形で吸着剤に伝送されるため、吸着ベッドには温度分布の不均一が生じやすく、特に熱空気のインレットは温度が最も高く、アウトレットは温度が最も低い問題がある。従って、再生時間は長くなってしまう。さらに、従来の吸着式圧縮空気乾燥装置は、加熱過程において余分な低温廃熱空気を予め排出しなければならないため、エネルギー消費が極めて大きくなる傾向にある。
【0005】
そこで、上記各種の熱エネルギー脱着再生方法のエネルギー消費または直熱脱着再生方法のガス通路再生温度の不均一及びエネルギー消費等の不具合に鑑み、従来の圧縮空気の除湿乾燥技術及び設備にはまだ改良の余地が存在している。特にエネルギー消費によって再生効率が悪くなることは、この技術分野における解決すべき重要な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、
複数のリブ板がそれぞれ設けられ、互いに隣接するいずれか2つの前記リブ板の間に隙間が形成されている上フレーム及び下フレームと、
上下両端が前記上フレーム及び下フレームにそれぞれ固着された複数の上スクリュー及び下スクリューと、
前記上フレーム及び前記下フレームのリブ板に繰り返し巻き付くことで、その間に通路が形成されている直熱型脱着基材と、
前記直熱型脱着基材の両脱着側の間にある金属薄片に導電接続され、前記上フレームにそれぞれ固定されることで、2つの電極が形成された2つの導電板と、
を備えることを特徴とする除湿モノマーを提供する。
【0007】
また、本発明は、
ガスの吸着除湿及び脱着再生として機能する直熱型脱着基材を含み、少なくとも1つの仕切り板によって仕切られた複数のエアチャンバーにそれぞれ設けられ、前記エアチャンバーの間に貫通孔が設けられることで前記ガスが前記エアチャンバーからなる平行通路内に流れる複数の除湿モノマーと、
前記層別温度制御除湿素子のインレットに設けられ、前記複数の除湿モノマーにおける第1組の除湿モノマーの予熱及び温度補償に用いられ、前記第1組の除湿モノマーが再生時の均一温度に保持される予熱器と、
前記各除湿モノマーの中央位置にそれぞれ設けられることで、各前記除湿モノマーの再生時に対する温度モニタ及びフィードバックに用いられ、前記層別温度制御除湿素子の一方の側にジョイントが設けられている複数の第1の温度センサと、
前記予熱器のアウトレットに設けられ、前記予熱器の温度上昇または温度補償時における温度モニタ及びフィードバックに用いられる第2の温度センサと、
を備えることを特徴とする層別温度制御除湿素子を提供する。
【0008】
また、本発明は、
直熱脱着式乾燥装置内における除湿素子の再生工程時の均一温度制御に用いられる層別温度制御方法であって、
温度上昇制御工程において、予熱器で前記除湿素子内の第1除湿モノマーを加熱することにより、前記第1除湿モノマーと直列に接続された複数の除湿モノマーを同時に加熱し、再生温度範囲に達すると、前記予熱器の前記複数の除湿モノマーに対する加熱を停止する工程と、
温度保持制御工程において、各前記除湿モノマーに対して個別の温度差異に基づいて間欠起動または加熱を一時中止し、前記再生温度を一定の誤差範囲に保持する工程と、
温度下降制御工程において、前記予熱器の前記複数の除湿モノマーに対する加熱を停止し、冷却空気を供給することで前記除湿モノマーの冷却を速める工程と、
を含むことを特徴とする層別均一温度制御可能な温度制御方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、
ガスインレットパイプセットと、
前記ガスインレットパイプセットの上端に位置するガスアウトレットパイプセットと、
複数の直熱脱着式乾燥モジュールであって、並列に設けられ、前記ガスインレットパイプセット及び前記ガスアウトレットパイプセット上の制御弁の開閉により各前記直熱脱着式乾燥モジュールの圧力タンク内への空気の進入を制御し、予熱及び温度補償のための予熱器を有する複数の除湿素子が前記圧力タンク内に設けられ、前記圧力タンクのガスインレット、アウトレットが前記ガスアウトレットパイプセット及び前記ガスアウトレットパイプセットにそれぞれ接続され、前記圧力タンク内に空気が送入されることにより前記除湿素子内における除湿モノマーによる前記空気の吸着除湿若しくは前記除湿モノマーに対する脱着再生を行う複数の直熱脱着式乾燥モジュールと、
前記ガスインレットパイプセット、前記ガスアウトレットパイプセット、及び前記制御弁に連通され、それらの直熱脱着式乾燥モジュールによる脱着再生後の高温高湿ガスに対する凝縮及びそれらの除湿モノマーの加速冷却を行う熱交換器と、
を備えることを特徴とする層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比較すると、本発明に係る除湿モノマー、層別温度制御除湿素子、乾燥装置及びその温度制御方法によれば、直熱型脱着基材からなる除湿素子により空気乾燥を行い、特に予熱器の予熱及び層別電気制御加熱の方法により、除湿素子のガス通路は、脱着再生工程の場合に均一温度の効果を達成することができる。これにより、エネルギー消耗が少なくて済むため、脱着再生工程の効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明に係る層別温度制御除湿素子の模式図及び断面図である。
【
図1B】本発明に係る層別温度制御除湿素子の模式図及び断面図である。
【
図1C】本発明に係る層別温度制御除湿素子の模式図及び断面図である。
【
図2A】本発明に係る層別温度制御除湿素子の除湿モノマーの模式図である。
【
図2B】本発明に係る層別温度制御除湿素子の除湿モノマーの模式図である。
【
図2C】本発明に係る層別温度制御除湿素子の除湿モノマーの模式図である。
【
図3】本発明に係る層別均一温度制御可能な温度制御方法のフローチャートである。
【
図4】本発明に係る層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の模式図である。
【
図5A】本発明に係る層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の直熱脱着式乾燥モジュールの模式図である。
【
図5B】本発明に係る層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の直熱脱着式乾燥モジュールの模式図である。
【
図5C】本発明に係る層別均一温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の直熱脱着式乾燥モジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施例を用いて本発明の実施形態を説明する。この技術分野に精通した者は、本明細書の記載内容によって本発明のその他の利点や効果を簡単に理解できる。また、本発明は、その他の具体的な実施例によって実施または応用を加えることが可能である。
また、明細書に添付する図面は本発明の実施を制限するものではなく、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、各種変更と修正を施すことができる。また、明細書に記載の例えば「上」、「一」等の用語は、説明が容易に理解できるようにするためのものであり、本発明の実施可能な範囲を限定するものではない。
【0013】
図1Aないし
図1Cは、本発明に係る層別温度制御除湿素子の模式図及び断面図である。図に示すように、
図1Aは、層別均一温度制御可能な層別温度制御除湿素子1の外観構造であり、
図1Bは、層別温度制御除湿素子1の内部構造であり、
図1Cは、層別温度制御除湿素子1の断面図である。
【0014】
図1A〜
図1Cに示すように、層別温度制御除湿素子1は、主に複数の除湿モノマー10と、予熱器11と、複数の第1の温度センサジョイント12と、第2の温度センサジョイント13とを含む。
【0015】
複数の除湿モノマー10における各除湿モノマー10は、空気の吸着除湿及び脱着再生を行う直熱型脱着基材を含む。各除湿モノマー10は、それぞれ少なくとも1つの仕切り板15により仕切られた複数のチャンバ150内に設けられている。仕切り板15の中間位置に貫通孔151が設けられることにより、ガスは、各チャンバ150からなる平行通路内に流れる。
【0016】
予熱器11は、複数の除湿モノマー10の予熱及び温度補償として、複数の除湿モノマー10の再生時の均一温度を維持するために層別温度制御除湿素子1のガスインレットに設けられている。
【0017】
複数の第1の温度センサジョイント12は、第1の温度センサ(図示せず)に接続されており、各除湿モノマー10の再生時の温度モニタ及びフィードバックのために各除湿モノマー10の中央箇所にそれぞれ設けられている。複数の第1の温度センサジョイント12は、層別温度制御除湿素子1の一方の側に設けられている。第2の温度センサジョイント13に接続された第2の温度センサ(図示せず)は、予熱器11の温度上昇または温度補償時の温度モニタ及びフィードバックのために予熱器11のアウトレットに設けられている。第2の温度センサジョイント13も層別温度制御除湿素子1の側縁に設けられている。
【0018】
実際に実施する場合、層別温度制御除湿素子1の外観は、
図1Aに示すように、側蓋板141と、底板142と、ガスインレット端板143と、ガスアウトレット端板144と、上蓋板セット145と、予熱器蓋板146とからなる。上記各部材は、層別温度制御除湿素子1の固定フレームとして形成可能であり、その内部が複数の仕切り板15により複数のチャンバに仕切られ、各チャンバ内には、層別温度制御除湿素子1が吸着除湿及び脱着再生として機能するための除湿モノマー10がそれぞれ設けられている。
図1Cに示す断面図から分かるように、複数の仕切り板15上には空気流通用の貫通孔151が設けられている。
【0019】
予熱器仕切り板16とガスインレット端板143との間にチャンバが設けられており、その内部には層別温度制御除湿素子1の予熱及び温度補償を行う予熱器11が載置可能である。予熱器11の態様は、正の温度係数PTC(Positive Temperature Coefficient)抵抗または電熱用コードであり、予熱器仕切り板16には空気流通用の貫通孔161が設けられている。また、ガスインレット端板143及びガスアウトレット端板144の適切な箇所には、空気流通用のガスインレット1431及びガスアウトレット1441が形成されている。必要の場合、ガスインレット端板143上には層別温度制御除湿素子1及び除湿チャンバ全体の気密のために気密ガスケット1432が設けられてもよい。さらに、ガスアウトレット端板144にも気密ガスケット(図示せず)が設けられている。
【0020】
温度制御の目的を達成するために、層別温度制御除湿素子1内部の除湿モノマー10の中央箇所には第1の温度センサが設けられ、フレームの側縁には第1の温度センサジョイント12が固定されている。それらの第1の温度センサは、層別温度制御除湿素子1内における各除湿モノマー10の再生時の温度モニタ及びフィードバックのために用いられる。底板142における予熱器11のアウトレットの近くには第2の温度センサジョイント13に接続される第2の温度センサが設けられてもよい。第2の温度センサは予熱器11による温度上昇または温度補償時の温度モニタ及びフィ度バックのために用いられる。さらに、層別温度制御除湿素子1は、各除湿モノマー10間の均一温度制御のために、予熱器11、複数の第1の温度センサジョイント12及び第2の温度センサジョイント13に接続可能なロジック制御回路(図示せず)をさらに備える。温度制御については詳しく後述する。
【0021】
除湿モノマー10による吸着再生及び予熱器11による加熱の場合の給電メカニズムについては、層別温度制御除湿素子1において電極ねじセット1451を介して層別温度制御除湿素子1内における除湿モノマー10上の導電板(図示せず)と結合することができる。これにより除湿モノマー10に必要な電源を供給することができる。さらに、予熱器11に必要な電源を供給するために、電極ねじセット1461を介して層別温度制御除湿素子1内における予熱器11の電源線と結合することもできる。
【0022】
除湿モノマー10内における直熱型脱着基材の設置方法は、
図2A〜
図2Cにおいて説明する。
【0023】
図2A〜
図2Cは、本発明に係る層別温度制御除湿素子の除湿モノマーの模式図である。図に示すように、
図2Aは、除湿モノマー2(即ち
図1A〜
図1Cの除湿モノマー10)の全体構造であり、
図2Bは、除湿モノマー2の正面図であり、
図2Cは、除湿モノマー2の上下フレームの模式図である。
【0024】
図2A〜
図2Cに示すように、除湿モノマー2は、直熱型脱着基材21が張力調整可能な上下フレーム22、23により固定される。直熱型脱着基材21は、上下フレーム22、23におけるリブ板221及び間隙222を介してU字繰り返し巻き付きにより直熱型脱着基材21に所定の間隙を有する除湿モノマー2が形成されている。該間隙は、1〜10mmであるのが好ましい。直熱型脱着基材21の両端において、両脱着側の間にある金属薄片はをそれぞれ導電板26で接続され、固定されることにより、電流を直熱型脱着基材21に流すことで、直熱脱着再生工程を行う。直熱型脱着基材に関する詳細な説明は、2014年6月10日に発行されたアメリカ特許NO.8747528号公報を参考し、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
【0025】
実際に実施する場合、除湿モノマー2は、上フレーム22と、下フレーム23と、下スクリュー24と、上スクリュー25とが全体フレームとして組み付けられる。より詳しくは、直熱型脱着基材21は、
図2Bに示すように、上、下フレーム22、23のリブ板221が支持フレーム及び間隙板として用いられ、直熱型脱着基材21が間隙222を通過するようにU字形態で上、下フレーム22、23に繰り返し巻き付きされることで、直熱型脱着基材21の間が平行通路211に形成可能である。これにより、素子損失は低下することができる。
【0026】
直熱型脱着基材21は、上、下ねじスクリュー25、24の位置を回転することにより直熱型脱着基材21を伸ばして張らせることができる。この後、直熱型脱着基材21の両脱着側の間の金属薄片は、脱着再生工程時の通電として電流が導電板26に導入されるために、さらにねじセット261及び導電板26により上フレーム22に固定されることにより、2つの電極が形成され、該導電板26上に電極ねじ孔27が設けられることで、電極ねじセット1451(
図1A参照)と結合することができる。また、除湿モノマー2の組み付けの場合は、インレット・アウトレット端に気密フォーム(図示せず)を貼り付けてもよく、これにより素子の気密性の向上に有利である。
【0027】
上記から分かるように、予熱器の使用により層別温度制御除湿素子内の空気通路が均一温度の効果を達成することで、脱着再生の効率に有利である。均一温度の状態の達成については、温度感知の結果に基づいて、ロジック制御回路による温度上昇、温度下降、または温度維持工程を決定することができる。
【0028】
従って、本発明に係る層別温度制御可能な温度制御方法は、直熱脱着式乾燥装置内における各除湿モノマーの再生工程時の均一温度制御に用いられるものであり、温度上昇制御工程、温度維持工程及び温度下降工程を実行することができる。
【0029】
温度制御工程において、除湿素子内の第1除湿モノマーを予熱器で加熱し、第1除湿モノマーと直列に接続された複数の除湿モノマーを所定の再生温度の範囲に同時に加熱した後、該予熱器及び該複数の除湿モノマーの加熱を停止させ、温度維持制御工程に入る。言い換えれば、除湿素子内が所定の再生温度に達していない場合は、該予熱器及び該複数の除湿モノマーの加熱を起動する。一般に、再生温度範囲は例えば80℃〜160℃であってもよい。除湿素子内が所定の再生温度範囲に達した場合にのみ温度維持制御工程に入る。
【0030】
温度維持制御工程において、各除湿モノマーは、個別の温度差異に基づいて加熱を間欠起動または一時中止することにより再生温度を一定の誤差範囲に保持する。さらに、温度下降制御工程において、該予熱器及び該複数の除湿モノマーの加熱を停止させ、冷却空気を供給することで除湿素子の冷却を速める。
【0031】
以下、温度制御実行の完全な操作フローに基づいて、温度上昇制御工程、温度維持制御工程及び温度下降制御工程の実行状態、及び各工程と予熱器及び除湿モノマーとの関係をさらに説明する。
【0032】
図3は、本発明に係る層別温度制御可能な温度制御方法の操作フローチャートである。層別温度制御可能な温度制御方法3は、層別温度制御除湿素子31と、ロジック制御回路32とを含む。層別温度制御除湿素子31は、層別温度制御除湿素子31の予熱及び温度補償に必要な熱エネルギーを供給するための予熱器311と、直熱型脱着基材からなり、素子吸着除湿及び脱着再生として機能する複数の除湿モノマー312とを含む。予熱器311及び複数の除湿モノマー312の詳細は上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。
【0033】
ロジック制御回路32は、温度上昇制御工程321、温度維持制御工程322、及び温度下降制御工程323を実行することができる。
【0034】
温度上昇制御工程321は、層別温度制御除湿素子31に対して脱着再生工程時の温度上昇信号を供給し、この温度上昇信号は温度上昇制御回路3211を介して電源を起動し、予熱器311及び除湿モノマー312が同時に加熱される。各除湿モノマー312の温度信号は、温度フィードバック回路3212を介して温度フィードバック処理器324に返送され、工程判断処理が行われる。温度が再生に必要な温度に達した場合、電源をオフし、除湿モノマー312の加熱を停止させ、再生気流を起動させ、層別温度制御除湿素子31の脱着再生工程を行う。温度が所定の再生温度よりも低い場合、温度フィードバック処理器324が温度維持制御工程322を起動し、電源を間欠起動またはオフすることにより、予熱器311及び各除湿モノマー312は、加熱温度補償を行う。このうち、加熱時間の長さは、温度フィードバック回路3212の信号に応じて調整される。これにより、層別温度制御除湿素子31の除湿流路全体は、一定の再生温度に維持される。
【0035】
さらに、層別温度制御除湿素子31の再生工程は、湿度制御により作業が終了する。湿度信号は、最後の組の除湿モノマー312に設けられた湿度センサが湿度信号回路3215を介して湿度フィードバック処理器326にフィードバックされ、判断された後、所定の湿度以下に達した場合、温度下降処理器325に対して、予熱器311及び各除湿モノマー312に対する加熱をオフさせ、再生気流の送出を停止させることを含む温度下降工程を行うように通知する。さらに、冷却気流を起動することで温度下降作業工程を行うこともできる。冷却気流起動の目的は、次の吸着除湿作業を容易にするために層別温度制御除湿素子31の温度を素早く低下させることにある。層別温度制御除湿素子31本体の温度が高すぎると、水分の吸収に不利になるからである。
【0036】
上記ロジック制御回路32は、プログラマブルコントローラ(PLC)またはパソコン(PC)等のハードウェアにより、伝送インタフェースを介して層別温度制御除湿素子31の脱着再生工程制御を行うことができる。
【0037】
図4は、本発明に係る層別温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の模式図である。
図4に示すように、直熱脱着式乾燥装置4は、2つの直熱脱着式乾燥モジュール41A及び直熱脱着式乾燥モジュール41Bと、ガスインレットパイプセット42と、ガスアウトレットパイプセット43と、熱交換器44とを含む。ガスアウトレットパイプセット43は、ガスインレットパイプセット42の上端に位置する。2つの直熱脱着式乾燥モジュールは、通常、一方が除湿作業を行うが、他方が脱着再生作業を行い、そのいずれに空気を流すかは、制御弁またはスイッチにより制御することができる。
【0038】
具体的には、直熱脱着式乾燥モジュール41A、41Bは、ガスインレットパイプセット42と互いに接続され、パイプ421を介して外部から空気が供給され、除湿または再生作業が行われる。制御弁423の開閉により外部から湿気が直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bに導入され、水分吸着除湿処理が行われる。さらに、制御弁422の開閉により、熱交換器44によって凝縮された低温低湿または外部の空気が直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bに導入され、除湿モノマーの脱着再生処理が行われる。さらに、スイッチ424の開閉により、直熱脱着式乾燥モジュール41A、41Bの底部に沈積した水分を排出することができる。
【0039】
2つの直熱脱着式乾燥モジュール41A、41Bは、制御弁432と制御弁433とを交互に開閉することにより、吸着除湿または脱着再生作業を交互に行うことができる。直熱脱着式乾燥モジュール41Aが除湿処理を行う場合は、その上端及び下端の制御弁432、423は開いており、その上端及び直熱脱着式乾燥モジュール41Bの下端の制御弁433、制御弁423は閉まっており、直熱脱着式乾燥モジュールによって処理された乾燥空気をガス保存タンクに導引し保存することができる。直熱脱着式乾燥モジュール41Bが脱着再生作業を行う場合は、その上端及び下端の制御弁433、422は開いており、その上端及び直熱脱着式乾燥モジュール41Aの下端の制御弁432、422は閉まっており、直熱脱着式乾燥モジュールによって処理された高温高湿再生空気を、パイプ442を介して熱交換器44に導引して水分凝縮処理することで低温低湿空気にし、そして直熱脱着式乾燥モジュール41B内に送入し、除湿素子による脱着再生処理を行う。該直熱脱着式乾燥モジュールによって処理された高温高湿再生空気は、パイプ431を介して排出することもできる。さらに、シャットダウンした場合、直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41B及び熱交換器44の下方のスイッチ424を開けることで、直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは直熱脱着式乾燥モジュール41B及び熱交換器44内の凝縮液を排出することができる。
【0040】
2つの直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bは、制御弁432と制御弁433とを交互に開閉することにより、吸着除湿または脱着再生作業を交互に行うことができる。さらに、制御弁432を開けることにより、直熱脱着式乾燥モジュールによって処理された乾燥空気をパイプ431を介してガス保存タンクに導引して保存することができる。さらに、制御弁433を開けることにより、直熱脱着式乾燥モジュールによって処理された高温高湿再生空気をパイプ442を介して熱交換器44に導引して水分凝縮処理を行うことができる。
【0041】
凝縮され温度下降された空気は、さらにパイプ441に沿って直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bに入り、除湿素子の脱着再生処理が行われる。さらに、熱交換器44によって凝縮された再生空気が直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41B内の除湿素子の加速冷却に寄与するため、再生過程は短縮され、除湿素子は、次の除湿作業フローに素早く入ることができる。
【0042】
さらに具体的には、直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bは、並列に接続されており、その圧力タンク内への空気の流入がガスインレットパイプセット42及びガスアウトレットパイプセット43上の制御弁の開閉により制御される。圧力タンク内には各除湿素子の予熱及び温度補償を行う予熱器をそれぞれ有する複数の除湿素子がアレイ配置されている。圧力タンクのガスインレット端とガスアウトレット端は、ガスインレットパイプセット42及びガスアウトレットパイプセット43にそれぞれ接続され、空気が圧力タンク内に送入されることにより、除湿素子内の除湿モノマーによる空気の吸着除湿若しくは除湿モノマーに対する吸着再生を行う。直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bの内部構造については、詳しく後述する。
【0043】
また、上記のように構成された直熱脱着式乾燥装置4は、さらに、ガスインレットパイプセット42、ガスアウトレットパイプセット43、及び直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41Bを固定するための固定フレーム(図示せず)をさらに備えてもよい。
【0044】
図5A〜
図5Cは、本発明に係る層別温度制御可能な直熱脱着式乾燥装置の直熱脱着式乾燥モジュールの模式図である。図に示すように、
図5Aは、直熱脱着式乾燥モジュール51(即ち
図4における直熱脱着式乾燥モジュール41Aまたは41B)の外観構造であり、
図5Bは、直熱脱着式乾燥モジュール51の断面図であり、
図5Cは、直熱脱着式乾燥モジュール51内の層別温度制御除湿素子の模式図である。
【0045】
直熱脱着式乾燥モジュール51は、タンク本体511と、ガスインレットホッパー512と、ガスアウトレットホッパー513とを含む。タンク本体511は、固定フレーム5111により直熱脱着式乾燥装置4のフレームに固定される。搭載板5112が外された後、タンク本体511の一方の面の開口部において、層別温度制御除湿素子1をタンク本体511内に取り付けることができる。搭載板5112には層別温度制御除湿素子1における温度センサと接続する温度ジョイントセット5112Aが設けられている。また、搭載板5112には、層別温度制御除湿素子1における除湿モノマー及び予熱器と接続する電源ジョイントセット5112Bがさらに設けられていることで、層別温度制御除湿素子1に必要な電源を供給することができる。
【0046】
タンク本体511内底部のガスインレット端に固定ベース板5113が、タンク本体511内上部のガスアウトレット端に固定蓋板5114がそれぞれ設けられることにより、取付時に複数の層別温度制御除湿素子1上下端にシールリングを設置して押し付けることができ、位置決め及び気密としても機能することができる。タンク本体511のガスインレット端は、ガスインレットパイプと接続するガスインレット5121を有し、処理用空気をタンク本体511内に導入するガスインレットホッパー512と接続する。さらに、ガスインレットホッパー512内には孔径が大きい開口板5122及び孔径が小さい拡散網5123が設けられており、除湿処理または再生しようとする空気を均一に拡散させ、除湿素子との接触効率を向上する。
【0047】
タンク本体511のガスアウトレット端は、ガスアウトレットパイプと接続するガスアウトレット5131を有し、処理された乾燥空気または再生空気をタンク本体511から排出するガスアウトレットホッパー513と接続する。さらに、ガスアウトレットホッパー513内には空気浄化のために粉塵または雑質除去用の濾過網5133及び開口板5132が設けられている。また、層別温度制御除湿素子1は、タンク本体511内にアレイ配置されている。
【0048】
従来技術と比較すると、本発明に係る除湿モノマー、層別温度制御除湿素子、乾燥装置及びその温度制御方法によれば、予熱器の予熱及び多層電気制御加熱の方法により、除湿素子のガス通路は、脱着再生工程の場合に均一温度の効果を達成することができる。これにより、エネルギー消耗が少なくて済むため、脱着再生工程の効率の向上に寄与する。
【0049】
上記のように、それらの実施の形態は本発明の原理および効果・機能を例示的に説明するに過ぎず、本発明はこれらによって限定されるものではない。本発明は、この技術分野に精通した者により本発明の主旨を逸脱しない範囲で色々な修飾や変更をすることが可能であり、そうした修飾や変更は本発明の特許請求の範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0050】
1 層別温度制御除湿素子
10 除湿モノマー
11 予熱器
12 第1の温度センサジョイント
13 第2の温度センサジョイント
141 側蓋板
142 底板
143 ガスインレット端板
1431 ガスインレット
1432 気密ガスケット
144 ガスアウトレット端板
1441 ガスアウトレット
145 上蓋板セット
1451 電極ねじセット
146 予熱器蓋板
1461 電極ねじセット
15 仕切り板
150 チャンバ
151 貫通孔
16 予熱器仕切り板
161 貫通孔
2 除湿モノマー
21 直熱型脱着基材
211 平行通路
22 上フレーム
221 リブ板
222 間隙
23 下フレーム
24 下スクリュー
25 上スクリュー
26 導電板
261 ねじセット
27 電極ねじ孔
3 温度制御方法
31 層別温度制御除湿素子
311 予熱器
312 除湿モノマー
32 ロジック制御回路
321 温度上昇制御工程
3211 温度上昇制御回路
3212 温度フィードバック回路
3215 湿度信号回路
322 温度維持制御工程
323 温度下降制御工程
324 温度フィードバック処理器
325 温度下降処理器
326 湿度フィードバック処理器
4 直熱脱着式乾燥装置
41、41A、41B 直熱脱着式乾燥モジュール
42 ガスインレットパイプセット
421、441、431、442 パイプ
423、422、432、433 制御弁
424 スイッチ
43 ガスアウトレットパイプセット
431 ガスアウトレットパイプ
44 熱交換器
51 直熱脱着式乾燥モジュール
511 タンク本体
5111 固定フレーム
5112 搭載板
5112A 温度ジョイントセット
5112B 電源ジョイントセット
5113 固定ベース板
5114 固定蓋板
512 ガスインレットホッパー
5121 ガスインレット
5122 開口板
5123 拡散網
513 ガスアウトレットホッパー
5131 ガスアウトレット
5133 濾過網
5132 開口板