(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-440(P2016-440A)
(43)【公開日】2016年1月7日
(54)【発明の名称】クランクシャフトミラーのワークレスト装置
(51)【国際特許分類】
B23C 3/06 20060101AFI20151204BHJP
【FI】
B23C3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-121107(P2014-121107)
(22)【出願日】2014年6月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000152675
【氏名又は名称】コマツNTC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097755
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 勉
(72)【発明者】
【氏名】有壁 剛生
(72)【発明者】
【氏名】中島 啓
(72)【発明者】
【氏名】下村 真素美
(72)【発明者】
【氏名】若林 伸之
【テーマコード(参考)】
3C022
【Fターム(参考)】
3C022CC04
(57)【要約】
【課題】ワークを変形させることなく適度なクランプ力で支持することができるとともに、ワーク加工時のびびり振動を抑制することができ、従来は必要とされたレストロック機構を省略できて構造の簡易化を図ることができるクランクシャフトミラーのワークレスト装置を提供する。
【解決手段】ワークレスト装置20において、一対のレストアーム26,27は、それぞれの上部がレストアーム支軸24,25によって支持され、各支軸24,25を支点にクランクシャフト15を挟んで左右方向に回動されて相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されており、一対のレストアーム26,27でクランクシャフト15のジャーナル部15aをクランプして支持する際にそのジャーナル部15aとの間に粘弾性体37が介在されるようにする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトの加工時にそのクランクシャフトのジャーナル部を一対のレストアームでクランプして支持するようにしたクランクシャフトミラーのワークレスト装置において、
前記一対のレストアームは、それぞれの上部がレストアーム支軸によって支持され、各支軸を支点にクランクシャフトを挟んで左右方向に回動されて相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されており、
前記一対のレストアームでクランクシャフトのジャーナル部をクランプして支持する際にそのジャーナル部との間に粘弾性体が介在されるようにしたことを特徴とするクランクシャフトミラーのワークレスト装置。
【請求項2】
前記レストアームには、該レストアームによるクランプ動作の際にクランクシャフトのジャーナル部を求心方向に押圧する複数のパッド装置が装着され、該パッド装置は、クランクシャフトのジャーナル部に当接されるレストパッドを、前記粘弾性体を介してパッド支持部材に支持させてなるものである請求項1に記載のクランクシャフトミラーのワークレスト装置。
【請求項3】
前記レストアームの外側部に、該レストアームに重みを付加するための調整錘が着脱可能に取り付けられる請求項1または2に記載のクランクシャフトミラーのワークレスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクシャフト(ワーク)を切削加工するクランクシャフトミラーに装備されるワークレスト装置に関し、特に、クランクシャフトの切削加工時にジャーナル部をクランプして支持するレストアームを備えるクランクシャフトミラーのワークレスト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クランクシャフトミラーにおいて、クランクシャフトのジャーナル部やピン部を切削加工する際には、切削抵抗でクランクシャフトが振れないように加工部近傍を補助的に支持する必要があり、このためのワークレスト装置として例えば特許文献1にて提案されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−91333号公報
【0004】
図8に示されるように、特許文献1に係るワークレスト装置100は、図示されないベッド上に設置される本体フレーム101における全幅方向の一側部に設けられた一対のレストアーム支軸102,103を支点に上下方向に回動されて相互に開閉自在な一対のレストアーム104,105を備えている。これらレストアーム104,105の開閉は、一方側のレストアーム105の基端部と本体フレーム101との間に取り付けられる油圧シリンダ106の伸縮作動により行われる。
一対のレストアーム104,105の対向面の略中央部に形成された半円形状の切欠部には複数のレストパッド107が装着され、これらレストパッド107により、クランクシャフト108のジャーナル部108aを求心してクランプすることができるようになっている。
ここで、一対のレストアーム104,105の先端側にはそれらレストアーム104,105を閉合状態にロックするレストロック機構109が配されており、クランクシャフト108の加工時にそれらレストアーム104,105が開かないようにしている。
【0005】
上記のワークレスト装置100を備えたクランクシャフトミラーにおいては、クランクシャフト108のジャーナル部108aを一対のレストアーム104,105でクランプしそれらレストアーム104,105をレストロック機構109で閉合状態にロックすることにより、そのジャーナル部108aの中心を、クランクシャフト108のセンタ穴を基準とするワーク中心線(
図8中記号Owで示されるワーク中心点を紙面に垂直に貫く方向に延びる線)上に位置させるような芯出しが行われ、その後、それらレストアーム104,105でクランプされたジャーナル部108aに隣接する他のジャーナル部やピン部をカッタで切削加工するようにされている。
【0006】
ところで、加工対象物であるクランクシャフト108は、前加工精度が悪い等に起因して、センタ穴を基準とするワーク中心線に対してジャーナル部108aが偏心していることがある。この場合、クランクシャフト108に対して一対のレストアーム104,105による上記芯出しが行われると、ワーク中心線に対して偏心しているジャーナル部108aが強制的にワーク中心線上に位置決め・固定され、これによってクランクシャフト108がそのジャーナル部108aの偏心量分だけ強制的に曲げられるような変形が生じ、その変形した状態のクランクシャフト108に対して切削加工が行われることになる。
このため、所望の加工精度を確保することができないという問題点がある。特に、クランクシャフト108のような長尺物が加工対象物である場合、かかる問題点が顕著に現れることになる。
【0007】
仮に、レストロック機構109によるロックを行わなければ、上記の強制的な芯出しによるクランクシャフト108の変形を未然に防いで加工精度を確保することができるが、この場合、レストアーム104,105によるクランプ力が不足して、切削時にワークが振動(びびり振動)し、加工面の不良が起きたり、騒音が発生し易くなったりする。特に、長尺物の支持剛性が低下する中央付近にそのような現象が顕著に現れる。このような現象を防止するために、加工条件(切削速度や切削送り量等)を調整(速度や送り量等を落とす)して負荷を下げて加工する必要があるが、そうすると加工効率が低下するという問題点が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、ワークを変形させることなく適度なクランプ力で支持することができるとともに、ワーク加工時のびびり振動を抑制することができ、従来は必要とされたレストロック機構を省略できて構造の簡易化を図ることができるクランクシャフトミラーのワークレスト装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明によるクランクシャフトミラーのワークレスト装置は、
クランクシャフトの加工時にそのクランクシャフトのジャーナル部を一対のレストアームでクランプして支持するようにしたクランクシャフトミラーのワークレスト装置において、
前記一対のレストアームは、それぞれの上部がレストアーム支軸によって支持され、各支軸を支点にクランクシャフトを挟んで左右方向に回動されて相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されており、
前記一対のレストアームでクランクシャフトのジャーナル部をクランプして支持する際にそのジャーナル部との間に粘弾性体が介在されるようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
【0010】
本発明において、前記レストアームには、該レストアームによるクランプ動作の際にクランクシャフトのジャーナル部を求心方向に押圧する複数のパッド装置が装着され、該パッド装置は、クランクシャフトのジャーナル部に当接されるレストパッドを、前記粘弾性体を介してパッド支持部材に支持させてなるものであるのが好ましい(第2発明)。
【0011】
前記レストアームの外側部に、該レストアームに重みを付加するための調整錘が着脱可能に取り付けられるのが好ましい(第3発明)。
【発明の効果】
【0012】
本発明のクランクシャフトミラーのワークレスト装置によれば、一対のレストアームが相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されるとともに、一対のレストアームでクランクシャフトのジャーナル部をクランプして支持する際にそのジャーナル部との間に粘弾性体が介在されるので、ワークを変形させることなく適度なクランプ力で支持することができるとともに、ワーク加工時のびびり振動を抑制することができ、従来は必要とされたレストロック機構を省略できて構造の簡易化を図ることができる。
【0013】
また、第2発明の構成を採用することにより、クランクシャフトのジャーナル部を複数のパッド装置でより安定的に支持することができる。
【0014】
また、第3発明の構成を採用することにより、レストアームの自重によるクランプ力を調整錘で調整することができ、ワークの種類に応じてレストアームのクランプ力を調整錘で調整して、ワークの固有振動数に応じた最適なクランプ力を得ることができ、ワーク加工時のびびり振動をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】クランクシャフトミラーの全体斜視図である。
【
図2】ワークヘッド間にワークがセッティングされた状態図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るワークレスト装置の正面図である。
【
図5】同ワークレスト装置におけるパッド装置の内部構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明によるクランクシャフトミラーのワークレスト装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0017】
<クランクシャフトミラーの概略説明>
図1に示されるクランクシャフトミラー1は、ワーク固定式インターナルタイプのクランクシャフトミラーであり、ベッド2上に互いに対向するように設置される2基のワークヘッド3間に設置される2基のカッタユニット4を備えている。
【0018】
<カッタユニットの説明>
各カッタユニット4は、ベッド2の長手方向(Z軸方向)に移動自在なサドル5を備えるとともに、このサドル5上にZ軸と直交するY軸方向(奥行方向)へ移動自在なスライド6を備えている。
スライド6には、一端部が支軸7に支承されるとともに、他端部がスライド6上に設置された揺動機構8により上下方向(X軸方向)に揺動されるスイングヘッド9が装着されている。このスイングヘッド9内には、カッタドラムモータ10により回転されるカッタドラム11が設けられ、カッタドラム11には、カッタアダプタ12を介してカッタ13が取り付けられている。
【0019】
各カッタユニット4のサドル5には、ワークレスト装置20が設置されている。このワークレスト装置20は、
図2に示されるように、各ワークヘッド3の対向面に設けられたチャック14によって両端部が支持された加工対象物(ワーク)であるクランクシャフト15を補助的に支持して、クランクシャフト15のジャーナル部15aやピン部15bをカッタ13で切削加工する際に切削抵抗でクランクシャフト15が振れないようにする役目をする。
【0020】
<ワークレスト装置の説明>
次に、ワークレスト装置20の詳細構造について、
図3〜
図6を参照しつつ説明する。ここで、
図3にはワークレスト装置の正面図が、
図4には同ワークレスト装置の要部拡大図がそれぞれ示されている。また、
図5には同ワークレスト装置におけるパッド装置の内部構造を示す正面図が、
図6には同パッド装置の側面図がそれぞれ示されている。
【0021】
図3に示されるように、本実施形態のワークレスト装置20は、下部がボールねじ軸21に螺合されてベッド2上をZ軸方向(
図3の紙面を垂直に貫く方向)に移動自在な本体フレーム22を備えている。本体フレーム22の中央部には、開口部23が設けられている。また、本体フレーム22の上部には、相互に噛合するようにギヤ24a,25aが固定された一対のレストアーム支軸24,25が左右方向に所定間隔を有して配設され、これら支軸24,25を支点にして一対のレストアーム26,27がクランクシャフト15を挟んで左右方向に回動されて相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されている。これらレストアーム26,27の開閉は、一方側のレストアーム26の上端部と本体フレーム22との間に取り付けられる油圧シリンダ28の伸縮作動により行われる。
【0022】
レストアーム26,27の外側部には、レストアーム26,27に重みを付加するための調整錘29が取付ボルト29aによって着脱可能に取り付けられている。調整錘29を取り付けることにより、一対のレストアーム26,27の自重による閉方向の付勢力を増すことができ、調整錘29の取り外しにより、同付勢力を減じることができる。こうして、レストアーム26,27の自重によるクランプ力を調整錘29で調整することができ、ワークの種類に応じてレストアーム26,27のクランプ力を調整錘29で調整して、ワークの固有振動数に応じた最適なクランプ力を得ることができ、ワーク加工時のびびり振動をより効果的に抑制することができる。
【0023】
図4に示されるように、一対のレストアーム26,27の対向面の略中央部には、半円形状の切欠部26a,27aが形成され、該切欠部26a,27aには、パッドホルダ30を介して複数のパッド装置31が装着されている。これらパッド装置31は、一対のレストアーム26,27によるクランプ動作の際に、クランクシャフト15のジャーナル部15aを、ワーク(クランクシャフト15)を変形させることなく適度なクランプ力で求心方向(ワーク中心Owに向かう方向)に押圧する役目をし、クランクシャフト15のジャーナル部15aをそれらパッド装置31でより安定的に支持することができるようになっている。
【0024】
<パッド装置の説明>
図5に示されるように、パッド装置31は、クランクシャフト15のジャーナル部15aに当接されるレストパッド32と、このレストパッド32を支持するパッド支持部材33とを備えている。
【0025】
<レストパッドの説明>
レストパッド32は、ワーク中心Owに向かって延びる縦棒部32aに対してTの字形状を呈するように横棒部32bが一体的に設けられてなり、縦棒部32aの先端面をジャーナル部15aの周面に当接可能に構成されている。
【0026】
<パッド支持部材の説明>
パッド支持部材33は、ワーク中心Owに向かって開口された切欠凹部34aを有する比較的厚肉の板状部材からなるケーシング本体34を備えている。
ケーシング本体34におけるワーク中心Ow側に向けた開口側端面には、一対の押え蓋35がボルト36の締結によって固定されている。押え蓋35は、ケーシング本体34への取付側部分に内向きに臨ませた第1内側面35aを有するとともに、この第1内側面35aからワーク中心Ow側に向かって段差部35bを経て内向き突出した部分に内向きに臨ませた第2内側面35cを有している。
【0027】
パッド支持部材33に対しレストパッド32は、横棒部32bが切欠凹部34a内に入り込んだ状態で縦棒部32aが一対の押え蓋35における互いに対向する第2内側面35cの間を通過するようにしてそれら押え蓋35からワーク中心Owに向かって外側に突出するように収容されている。
【0028】
<粘弾性体の説明>
パッド支持部材33とレストパッド32との間には、粘弾性体37(37a〜37d)が組み込まれており、レストパッド32が粘弾性体37を介してパッド支持部材33に支持されるようになっている。より具体的に説明すると、ケーシング本体34とレストパッド32とにおいて、切欠凹部34aの奥面と横棒部32bとの間に粘弾性体37aが配設されるとともに、切欠凹部34aの内側面と横棒部32bとの間に粘弾性体37bが配設されている。また、一対の押え蓋35とレストパッド32とにおいて、第1内側面35aと縦棒部32aとの間に粘弾性体37cが配設されている。さらに、
図6に示されるように、ケーシング本体34と一対の押え蓋35とには、それらを両側から覆うようにカバー部材38が装着されており、これらカバー部材38とレストパッド32との間にも粘弾性体37dが配設されている。
【0029】
ここで、粘弾性体37とは、ばね要素と減衰要素とを有するものであり、非線形なばね定数を有するものである。つまり、荷重を加えることによって粘弾性体37を変形させた場合、粘弾性体37のばね定数は荷重の大きさによって変化することになる。粘弾性体37としては例えばゴム等が挙げられる。
【0030】
図5に示されるように、ケーシング本体34における切欠凹部34aの奥面と粘弾性体37aとの間には、所要のシム39が介挿されており、シム39の枚数を調整することにより、クランクシャフト15のジャーナル部15aに対するレストパッド32の押し代を調整することができるようになっている。
【0031】
以上に述べたように構成されるワークレスト装置20を具備するクランクシャフトミラー1においては、クランクシャフト15のジャーナル部15aやピン部15bを切削加工する際に、切削抵抗でクランクシャフト15が振れないようにするために、
図3に示されるように、クランクシャフト15のジャーナル部15aを一対のレストアーム26,27の自重によってクランプする。これにより、クランクシャフト15のジャーナル部15aが複数のパッド装置31によってワーク(クランクシャフト15)を変形させることなく適度なクランプ力で求心方向に押圧され、ジャーナル部15aを複数のパッド装置31でより安定的に支持することができる。
【0032】
ところで、加工対象物であるクランクシャフト15は、前加工精度が悪い等に起因して、センタ穴を基準とするワーク中心線Sw(
図2参照)に対してジャーナル部15aが偏心していることがある。
上記のレストアーム26,27によるクランプ動作においては、ジャーナル部15aがそれらレストアーム26,27の自重による閉方向の付勢力によってクランプされるので、偏心しているジャーナル部15aの中心をワーク中心線Sw上に強制的に一致させるような芯出しは行われず、レストアーム26,27からクランクシャフト15に対してクランクシャフト15を変形させるような強い力が作用することはなく、適度なクランプ力でジャーナル部15aを支持ことができる。
【0033】
また、切削加工時に生じるクランクシャフト15のびびり振動は、レストパッド32から粘弾性体37へと伝達されて該粘弾性体37で減衰される。
【0034】
<作用効果の説明>
本実施形態のワークレスト装置によれば、一対のレストアーム26,27が相互に開閉自在で自重により閉方向に付勢されるとともに、一対のレストアーム26,27でクランクシャフト15のジャーナル部15aをクランプして支持する際にそのジャーナル部15aとの間に粘弾性体37が介在されるので、クランクシャフト15を変形させることなく適度なクランプ力で支持することができるとともに、切削加工時のびびり振動を抑制することができ、従来は必要とされたレストロック機構109(
図8参照)を省略できて構造の簡易化を図ることができる。
【0035】
以上、本発明のクランクシャフトミラーのワークレスト装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0036】
例えば、
図5に示されるパッド装置31に代えて、
図7に示されるパッド装置31Aを適用してもよい。
このパッド装置31Aは、クランクシャフト15のジャーナル部15aの周面に沿う円弧状当接面81aを有するレストパッド81と、このレストパッド81を支持するパッド支持部材82とを備え、レストパッド81の円弧状当接面81aに粘弾性体83をジャーナル部15aとの間に介在するように貼り付けて構成されている。このパッド装置31Aによれば、極めて簡易な構成でびびり振動の減衰効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のクランクシャフトミラーのワークレスト装置は、ワークを変形させることなく適度なクランプ力で支持することができるとともに、ワーク加工時のびびり振動を抑制することができ、従来は必要とされたレストロック機構を省略できて構造の簡易化を図ることができるという特性を有していることから、クランクシャフトミラーにおいて、ワークを変形させることなく補助的に支えてびびり振動を抑制する用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 クランクシャフトミラー
20 ワークレスト装置
24,25 レストアーム支軸
26,27 レストアーム
29 調整錘
31 パッド装置
32 レストパッド
33 パッド支持部材
37 粘弾性体