【解決手段】無線通信を用いて警備装置10の警備モードを変更する警備モード変更装置30が、警備モード変更指令を送信するためのモード変更指令手段37と、電源36と、モード変更指令手段37とは別に設けられ所定の操作により電源36からの電力供給を開始するための起動手段33と、警備モードの変更が可能かを示す変更可否情報を含む警備状態を取得する警備状態取得手段312と、起動手段33に対して所定の操作が行われたとき、起動手段33により電力供給が開始され、警備状態取得手段312により警備状態を取得し、警備モードの変更が可能な場合、モード変更指令手段37により警備装置10の警備モードが変更された後、電源36からの電力供給を終了し、警備モードの変更が不可能な場合、電源36からの電力供給を終了する間欠動作制御手段310を備える。
警備領域内の異常を検知する検知手段からの出力に基づいて警備を行う警戒状態と、警備を行わない警戒解除状態とを含む複数の警備モードのうちのいずれかに設定可能に構成された警備装置と、
前記警備装置の前記警備モードの設定を変更可能に構成された警備モード変更装置と、を備えた警備システムであって、
前記警備モード変更装置が、
無線通信を用いて前記警備装置の前記警備モードを変更するように構成され、
前記警備装置に対して前記警備モードを変更するように指令を送信するためのモード変更指令手段と、
前記警備装置における前記警備モードの変更が可能かを示す変更可否情報を含む警備状態を前記警備装置から取得する警備状態取得手段と、を備え、
前記警備状態取得手段により前記警備状態が取得され、前記警備モードの変更が可能な場合に、前記モード変更指令手段により前記警備装置の前記警備モードを変更できるように構成された警備システム。
前記警備装置が、前記警備装置側記憶手段に記憶される前記警備モード変更装置の識別情報を変更するための識別情報変更手段を備える請求項2または3に記載の警備システム。
前記モード変更指令手段が、固有の識別情報を有する情報記憶媒体が所定の領域内に存在する場合に前記警備装置に対して前記警備モードを変更するように指令を送信する構成された請求項1〜4のいずれか一項に記載の警備システム。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る警備システムSについて図面を用いて説明する。
図1に示すように、警備システムSは、所定の警備領域A内における各種の異常を検知可能に構成される。より具体的には、警備領域A内に、コントローラ10に対して有線または無線を用いて電磁的方式により接続された1つ以上の検知手段20が設置される。検知手段20は異常を検知すると、コントローラ10に異常を検知した旨を示す信号を出力するように構成される。コントローラ10は、検知手段20からの出力を受けて、警備システムSの事業者が管理する監視センタ(不図示)に通報を行う、警報を発するなどの警備を実行する。
【0028】
図示するように、警備システムSは、コントローラ10、1つ以上の検知手段20、無線リーダ30から構成される。これらの機器は、図示するように、警備領域A内に設置される。ここで、本実施形態においては、警備領域Aとして一般家庭を用いる場合を示す。また、コントローラ10は、本願発明に係る「警備装置」に相当し、無線リーダ30は「警備モード変更装置」に相当する。
【0029】
コントローラ10は、例えば、リビングに設置される。コントローラ10は、
図2に示すように、警備領域A内の異常を検知する検知手段20からの異常を示す出力信号に基づいて警備を行う警戒モードM1と、警備を行わない警戒解除モードM2とを含む複数の警備モードのうちのいずれかに設定可能に構成される。警戒解除モードM2においては、コントローラ10は、検知手段20の動作を一旦停止させる、又は検知手段20からの出力信号を処理しないことで、警備を行わない状態となる。ここで、警戒モードM1は本願発明に係る「警戒状態」に、警戒解除モードM2は「警戒解除状態」に相当する。
【0030】
コントローラ10は、図示を省略するが、電話回線やインターネットなどの通信回線を介して、監視センタと通信可能に構成される。コントローラ10は、警戒状態において異常を検知すると、警備システムSの利用者や監視サーバに異常を検知した旨を通報するように構成される。監視サーバ側で異常が確認された場合には、警備領域Aに警備員を出動させるなどの対応がとられる。
【0031】
本実施形態において、コントローラ10は、外部接点出力端子Xを備える。外部接点出力端子Xは、例えば、コントローラ10の警備モードが警戒モードM1に設定された場合に、連動して、外部接点出力端子Xに接続された機器の動作制御を行えるように構成される。
【0032】
検知手段20は、警備領域A内の異常を検知するために、警備領域A内において監視が必要と考えられる箇所に1つ以上設置される。コントローラ10と有線又は無線により接続される。検知手段20としては、不法侵入を検知するための人感センサ、赤外線センサ、パッシブセンサ、マグネットセンサなどの各種センサが用いられる。具体的には、例えば、マグネットセンサを用いて、警備領域A内の出入り口の開閉や、窓の開閉を検知する。また、検知手段20としては、警備領域A内の異常を検知するための火災報知機やガス警報器などを用いることもできる。検知手段20は、コントローラ10と無線または有線により通信を行う。以下では、検知手段20からコントローラ10に出力される情報を「警報情報」と呼ぶ。
【0033】
無線リーダ30は、コントローラ10と無線通信にて信号の送受信を行うように構成される。本実施形態においては、無線リーダ30は警備領域A内に複数備えられ、例えば、警備領域Aの出入り口付近や、寝室などに配置される。無線リーダ30は、利用者が所定の操作を行うことにより、コントローラ10の警備モードの設定を変更可能に構成される。本実施形態においては、無線リーダ30は、
図4に示すように、RFIDタグ40を読み取り可能に構成され、利用者が、RFIDタグ40をかざすことにより、コントローラ10の警備モードを変更可能に構成される。RFIDタグ40としては、例えば非接触式のICカードを用いることができる。
【0034】
〔機器の詳細構成〕
以下では、コントローラ10及び無線リーダ30の詳細構成を図を用いて説明する。
1.コントローラ10
図2に示すように、コントローラ10は、1つ以上の検知手段20と有線又は無線により接続され、1つ以上の無線リーダ30と無線により接続される。コントローラ10は、制御装置11、記憶装置12、通信制御部14を含む。
【0035】
制御装置11は、CPUなどの演算処理装置及び揮発性メモリなどの記憶装置から構成され、記憶装置12及び通信制御部14の動作を制御して、各種処理を行うように構成される。記憶装置12は、例えば不揮発性メモリなどのように、半恒久的に情報を記憶可能に構成される。通信制御部14は、コントローラ10と検知手段20及び無線リーダ30との間における通信を制御するものであり、具体的には例えば、近距離無線通信用LSIなどを用いることができる。より詳しくは、コントローラ10と検知手段20との通信方式には、特定小電力無線の規格を用いると好適である。
【0036】
また、コントローラ10は、前面にコントローラ10を操作するための操作ボタン13が設けられる。具体的には、リーダIDの登録作業に用いるための「登録ボタン」や「0」〜「9」の番号が割り当てられたブロックボタン、コントローラ10の警備モードを外出警戒モードM1a、在宅警戒モードM1b、または警戒解除モードM2のいずれかに設定するための警備モード設定ボタンなどを備える。
【0037】
コントローラ10には、固有の識別情報(コントローラID)が設定される。本実施形態においては、コントローラIDは、コントローラ10の製造段階であらかじめ設定される。コントローラIDは、記憶装置12に記憶される。
【0038】
また、コントローラ10は、無線リーダ30それぞれに固有に設定される識別情報(リーダID)を1つ以上記憶できる領域を持つ。リーダIDは、記憶装置12に記憶される。本実施形態においては、記憶装置12は、複数のリーダIDを記憶可能に構成される。記憶装置12は、本願発明に係る「警備装置側記憶手段」に相当する。
【0039】
本実施形態においては、記憶装置12には、無線リーダ30の識別情報以外にも、コントローラ10に有線又は無線で接続される各種機器(有線のリーダや検知手段20)の識別情報も記憶される。すなわち、コントローラ10は、無線リーダ30に加え、有線のリーダを同時に使用することができる。
【0040】
制御装置11には、検知手段確認手段110、警備モード設定手段111、相互認証実行手段112、及び識別情報変更手段113が含まれる。本実施形態において、これらの手段(110〜113)は、制御装置11上で動作するプログラムとして実装される。
【0041】
検知手段確認手段110は、コントローラ10に接続されている全ての検知手段20からの出力が正常であるか否かを確認するように構成される。ここで、正常であるか否かの判断は、検知手段20が正常に動作しているか否か(故障していないか)、及び、コントローラ10を警戒モードM1に移行可能か否かにより決定される。「コントローラ10を警戒モードM1に移行可能か否か」としては、より具体的には、例えば、検知手段20により検知対象であるドアや窓が閉じられた状態であるかを判定する。検知手段確認手段110としては、例えば、コントローラ10及び検知手段20間でループバック機能を実装し、ループバックテストが通るか否かを判断するように構成することができる。以下では、検知手段確認手段110による確認結果(全ての検知手段20からの出力が正常であるか否か)を「ループ情報L」(
図8)と呼ぶ。「ループ情報L」は、本願発明に係る「変更可否情報」に相当し、後述する「警備状態」に含まれる。
【0042】
本実施形態において、コントローラ10は、警戒モードM1として、外出警戒モードM1a及び在宅警戒モードM1bの2種類のモードを備える。また、コントローラ10から無線リーダ30に送出される「ループ情報L」は、各警戒モードM1に対応したループ情報により構成される。具体的には、「ループ情報L」は、外出警戒モードM1aに対応する「外出警戒用ループ情報」と、在宅警戒モードM1bに対応する「在宅警戒用ループ情報」との2種類から構成される。
【0043】
外出警戒用ループ情報は、コントローラ10が外出警戒モードM1aに設定された状態において、全ての検知手段20の出力が正常であるか否か、すなわち、例えば、検知手段20の検知対象であるドアや窓が全て閉じられた状態であるかを示す。
【0044】
在宅警戒用ループ情報は、在宅警戒モードM1bにおいて有効とされた検知手段20からの出力が、全て正常であるか否かを示す。すなわち、在宅警戒モードM1bにおいて警戒のために用いられる検知手段20の検知対象であるドアや窓が閉じられた状態であるかを示す。
【0045】
警備モード設定手段111は、コントローラ10の警備モードを設定する。本実施形態においては、警戒モードM1として、外出警戒モードM1a、在宅警戒モードM1bの2種類を選択可能に構成される。
【0046】
外出警戒モードM1aは、利用者が外出時、警備を必要とする場合に用いる。このモードでは、コントローラ10は、いずれかの検知手段20から異常を検知した旨の出力信号を受け取ると、監視センタへの通報や、警報の発報を行う。
【0047】
在宅警戒モードM1bは、利用者が在宅中、警備を必要とする場合に用いる。このモードは、例えば、利用者の就寝時に用いられる。在宅警戒モードM1bにおいては、警備領域A内のどの領域の検知手段20からの出力を有効にするかを、利用者が選択することができる。具体的には、例えば、警備領域Aにおける建物内の検知手段20を無効とし、外部から警備領域A内への侵入経路に係る検知手段20を有効とするといった設定ができる。
【0048】
警戒解除モードM2は、主に利用者が在宅中、警備を必要としない場合に用いる。このモードでは、コントローラ10は、検知手段20から異常を検知した旨の出力信号を受け取っても、監視センタへの通報や、警報の発報を行わない。すなわち、検知手段20からの出力によって、警備領域A内で異常が発生したとは判断しない。このモードでは、検知手段20からの出力は、侵入者によるものではなく、利用者自身の行動に起因したものとみなしている。
【0049】
本実施形態において、コントローラ10及び無線リーダ30は、無線通信開始時に、互いに通信相手の識別情報を記憶しているかを確認する相互認証を行う。相互認証実行手段112は、「相互認証」においてコントローラ10で必要な処理を担う。具体的には、無線リーダ30から送信された無線リーダ30のリーダIDを受信し、記憶装置12に記憶された無線リーダ30の接続先IDとしてのリーダIDと一致するかを確認する。一致した場合には、無線リーダ30に、記憶装置12に記憶されたコントローラ10のコントローラIDを送信する。一致しない場合には、相互認証に失敗したとみなして、無線リーダ30との通信を終了する。具体的には、例えば、通信を強制終了する、無線リーダ30に相互認証に失敗した旨を知らせるなどの処理を行う。
【0050】
識別情報変更手段113は、記憶装置12に記憶される接続先IDとしてのリーダIDを変更する。すなわち、コントローラ10は、別途PCなどの専用の登録器を用意することなく、識別情報変更手段113により記憶装置12に記憶されるリーダIDを、書き換え可能に構成される。識別情報変更手段113は、具体的には、記憶装置12に新たにリーダIDを登録することや、記憶装置12に記憶されたリーダIDを削除することができる。
【0051】
識別情報変更手段113は、コントローラ10に設けられたボタンを利用者が操作することで動作するように構成される。ここで、リーダIDの変更作業は、通常、警備システムSの事業主側で行う作業のため、識別情報変更手段113を動作させるための操作としては、通常操作時には利用者がとり得ない特別な操作を割り当てると良い。具体的には、例えば、コントローラ10に設けられた登録ボタンに加え、通常同時に押すことのない複数のボタンを、指定秒数以上長押しするなどの動作によって、識別情報変更手段113を動作させるように構成することができる。
【0052】
このような構成とすることにより、コントローラ10の記憶装置12に記憶されたリーダIDの書き換えに当たって、別途、専用の登録器を用意することなく、コントローラ10のみで、無線リーダ30のリーダIDの登録や抹消が行える。これにより、例えば、コントローラ10の設置時に、作業員は簡便に無線リーダ30の登録作業を行うことができる。よって、警備システムSの構築に係るコストを下げることができる。
【0053】
1−1.コントローラ10の動作モード
また、本実施形態におけるコントローラ10は、識別情報変更手段113を用いることなく記憶装置12に記憶されたリーダIDの変更を可能に構成されている。より詳しくは、コントローラ10は、
図3に示すように、電源投入後、起動時の処理を行うと、「運用モード」、「PC登録モード」または「ワンタッチ登録モード」のいずれかに遷移する。ここで、「運用モード」は、検知手段20と通信を行い警備領域Aの警備を実行可能なモードであり、「PC登録モード」及び「ワンタッチ登録モード」は、コントローラ10の記憶装置12に記憶されるリーダIDを変更するためのモードである。
【0054】
より詳しくは、コントローラ10は、「運用モード」に遷移した場合、警備モード設定手段111により、警戒モードM1または警戒解除モードM2に設定される。なお、警戒モードM1としては、本実施形態においては、上述のように外出警戒モードM1aまたは在宅警戒モードM1bが用いられる。
【0055】
「ワンタッチ登録モード」では、識別情報変更手段113を動作させてリーダIDを変更できる。また、「PC登録モード」では、PCなどの専用の登録器を用いてリーダIDを変更することができる。
【0056】
コントローラ10は、電源を投入すると、起動時の動作チェック処理などを行った後、警戒モードM1または警戒解除モードM2で動作する「運用モード」に移行する。ここで、コントローラ10は、警戒解除モードM2のときに、上述の特別な操作を行うことで、「ワンタッチ登録モード」へと移行する。一方、警戒解除モードM2において、例えば、コントローラ10に設けられた登録ボタンを指定秒数以上長押しするなどの、登録操作を行うことで、「PC登録モード」に移行する。なお、「PC登録モード」へは、コントローラ10の起動時に所定の条件を満たした上で、登録操作を行うことでも移行することができる。
【0057】
このように、複数のモードを備えることにより、例えば、必要なリーダIDの変更作業が少ない場合には、ワンタッチ登録モードを、リーダIDの変更作業を複数行う必要がある場合には、PC登録モードを用いるなどのように作業内容に合わせて効率的な方法を選択することが可能となる。
【0058】
なお、PC登録モードでは、コントローラ10交換時に、撤去するコントローラ10のコントローラIDを、新たに取り付けるコントローラ10のコントローラIDで上書きすると良い。上書きすることで、新たに取り付けるコントローラ10と、既設の無線リーダ30とを再度ペアリングし、新たに取り付けるコントローラ10にリーダIDを再登録する作業を不要とすることができる。
【0059】
ワンタッチ登録モードについて詳しく説明する。ワンタッチ登録モードでは、コントローラ10のボタン操作を行うことで、識別情報変更手段113を動作させて、リーダIDの登録や削除を行うことができる。
【0060】
ワンタッチ登録モードは、コントローラ10が、運用モードの状態で、かつ、警戒解除モードM2の場合に、登録ボタンと所定のキーを同時に所定時間以上長押しすることで開始する。コントローラ10は、ワンタッチ登録モードに移行すると、例えば、コントローラ10に設けられたランプを点滅させるなどの方法で、移行した旨が目視できるように構成される。
【0061】
ワンタッチ登録モードでは、登録ボタンを再度押すことにより、運用モードへ移行する。また、ワンタッチ登録モードに移行後、所定時間操作がない場合に、運用モードに移行するように構成しても構わない。ここで、所定時間としては、例えば、10分に設定することができる。
【0062】
1−2.コントローラ10への検知手段20の登録方法
ワンタッチ登録モードにおいては、コントローラ10は、リーダIDの変更の他、検知手段20の登録を行うことができる。ブロックボタンを所定時間長押しすることで、長押しした番号の検知手段登録パターンを選択可能に構成される。検知手段登録パターンとしては、無線通信によりコントローラ10と接続される無線式の検知手段20の登録パターンである「無線検知手段登録パターン」と、有線式の検知手段20の登録パターンである「有線検知手段登録パターン」の2種類を備える。
【0063】
ここで検知手段登録パターンは、0〜9の番号に紐付けた状態で、検知手段20の種別、設置場所、通信方式(一方向通信か両方向通信か)などの組み合わせからなる検知手段20の設定が登録される。すなわち、検知手段登録パターンは、0〜9の番号に対応する10種類の検知手段20の設定を1まとめとしたものである。検知手段登録パターンに含まれる検知手段20の設定を、0〜9の番号に対応する。
【0064】
本実施形態において「無線検知手段登録パターン」としては、2つのパターンを設定可能に構成される。具体的には、例えば、無線検知手段登録パターンとして、1または2のブロックボタンを長押しした場合に選択される検知手段登録パターンを備える。
【0065】
検知手段登録パターンの1または2が選択された状態で、選択された検知手段登録パターンに含まれる設定のうち、用いる検知手段20の設定に対応する番号のブロックボタンが押されると、該当ブロックボタンが点灯し、無線式の検知手段20から信号を待つ受信待ち状態となる。受信待ち状態で、検知手段20からの登録を要求する信号を受信すると、ブロックボタンを押して選択した検知手段20の設定で、受信した検知手段20をコントローラ10に登録する。検知手段20の登録時には、当該検知手段20には、機器番号が割り振られる。本実施形態においては、機器番号として、検知手段20が割り振られていない最も小さな番号が設定される。
【0066】
受信待ち状態で、検知手段20を登録できない場合には、検知手段20からの受信待ち状態に戻る。検知手段20を登録できない場合としては、例えば、既に登録済みの検知手段20からの登録を要求する信号を受信した場合や、新たに割り振る機器番号が存在しない場合などが該当する。
【0067】
2.無線リーダ30
無線リーダ30の構成を
図4に示す。無線リーダ30は、コントローラ10と無線で通信するように構成されるとともに、利用者がRFIDタグ40を無線リーダ30にかざした場合に、コントローラ10の警備モードを変更できるように構成される。本実施形態においては、無線リーダ30は、RFIDタグ40のかざし方によって、外出警戒モードM1a、在宅警戒モードM1b、または警戒解除モードM2のいずれかに設定変更することができる。無線リーダ30にRFIDタグ40がかざされた際に、コントローラ10の警備モードの変更を行える状態を、以下では「待機状態」と呼ぶ。
【0068】
ここで、RFIDタグ40は、本願発明に係る「情報記憶媒体」に相当し、無線リーダ30の前面が「所定の領域」に相当する。利用者の用いるRFIDタグ40としては、RFIDタグ40が内蔵された非接触型ICカードや、携帯電話、スマートフォンなどを用いることができる。本実施形態においては、RFIDタグ40としては、Felica(商標登録)やMIFARE(商標登録)などを用いると良い。
【0069】
所定のRFIDタグ40が、無線リーダ30を介して、コントローラ10の警備モードを変更できるか否かは、コントローラ10に当該RFIDタグ40の固有の識別番号が記憶されているか否かによって決定される。すなわち、コントローラ10の記憶装置12には、警備モードの設定変更に利用可能なRFIDタグ40の識別番号が記憶される。本実施形態において、コントローラ10は、記憶装置12に記憶するRFIDタグ40の識別番号を利用者により設定可能に構成される。
【0070】
無線リーダ30は、制御装置31、記憶装置32、通信制御部34を備える。制御装置31は、CPUなどの演算処理装置及び揮発性メモリなどの記憶装置から構成され、記憶装置32及び通信制御部34の動作を制御して、各種処理を行うように構成される。記憶装置32は、例えば不揮発性メモリなどのように、半恒久的に情報を記憶可能に構成される。通信制御部34は、無線リーダ30とコントローラ10との間における通信を制御するものであり、具体的には例えば、近距離無線通信用LSIなどを用いることができる。より詳しくは、コントローラ10と無線リーダ30との通信方式は、コントローラ10と検知手段20との通信方式と同一とし、特定小電力無線の規格を用いると好適である。
【0071】
本実施形態においては、無線リーダ30は、動作に必要な電源36として、装置内部に内蔵された電池を用いる。なお、カードリーダ部37及び通信制御部34には、間欠動作制御手段310の制御により電源36から間欠的に電力供給が行われる。無線リーダ30に別途電源を接続する必要がなく、無線リーダ30単体のみで動作が可能なため、可搬性に優れる。このため、例えば、無線リーダ30を寝室などに持って行き、就寝時に在宅警戒モードM1bを設定するなどの操作が可能となる。また、手元に無線リーダ30を置いておくことで、防災警報の誤発報などがあった場合に、コントローラ10の場所まで移動することなく、その場で防災警報の解除が行える。
【0072】
無線リーダ30の外観を
図5に示す。図示するように、無線リーダ30は、装置の前面に、起動ボタン33、確認信号出力手段35、カードリーダ部37、及び動作切替手段38を備える。起動ボタン33は、本願発明に係る「起動手段」に相当し、カードリーダ部37は「モード変更指令手段」に相当する。
【0073】
起動ボタン33は、利用者により押下されると、電源36から無線リーダ30の各部に電力が供給される。本実施形態においては、確認信号出力手段35として、無線リーダ30の前面に備えられたランプ、及び無線リーダ30内部に設けられたブザーを用いる。カードリーダ部37は、所定の距離内にRFIDタグ40が接近した際に、当該RFIDタグ40に設定された固有の識別情報を読みとるように構成される。
【0074】
動作切替手段38は、利用者がRFIDタグ40をかざしたときに設定されるコントローラ10の動作モードを切り替える。本実施形態においては、動作切替手段38としてDIPスイッチを備える。動作切替手段38により、起動ボタン33を押した直後にRFIDタグ40をかざした際に設定される動作モードを、外出警戒モードM1aとするか、在宅警戒モードM1bとするかを切り替えることができる。
図6に示すように、動作切替手段38はONとOFFの2つの状態を取るように構成される。
【0075】
本実施形態において無線リーダ30は、コントローラ10の動作モードの設定方法として、起動ボタン33を押した直後にRFIDタグ40をかざす場合(第1操作手順)と、起動ボタン33を押して離した後、再度起動ボタン33を押し続けながらRFIDタグ40をかざす場合(第2操作手順)の2通りを備える。動作切替手段38がONの場合には、第1操作手順で在宅警戒モードM1bに、第2操作手順で外出警戒モードM1aに設定される。また、OFFの場合には、第1操作手順で外出警戒モードM1aに、第2操作手順で在宅警戒モードM1bに設定されるよう構成される。
【0076】
図5に示すように、無線リーダ30には、各無線リーダ30に固有の識別情報(リーダID)が設定される。本実施形態においては、リーダIDは、無線リーダ30の製造段階であらかじめ設定される。リーダIDは、記憶装置32に記憶される。
【0077】
また、無線リーダ30の記憶装置32は、接続先IDとして、コントローラ10の識別情報(コントローラID)を1つのみ記憶する。記憶装置32には、無線リーダ30との通信を許可するコントローラ10のコントローラIDが記憶される。記憶装置32は、本願発明に係る「変更装置側記憶手段」に相当する。
【0078】
制御装置31には、間欠動作制御手段310、相互認証実行手段311、及び警備状態取得手段312が含まれる。本実施形態において、これらの手段(310〜312)は、制御装置11上で動作するプログラムとして実装される。
【0079】
間欠動作制御手段310は、起動ボタン33に所定の操作がなされた後、一定時間のみ電源36から必要箇所への電力供給を行い、無線リーダ30の消費電力を抑える。より詳しくは、間欠動作制御手段310は、コントローラ10の警備モードを変更する際に用いられる箇所(カードリーダ部37及び通信制御部34)への電力供給を制御するように構成される。
【0080】
具体的には、間欠動作制御手段310は、起動ボタン33が利用者により押下されると、電源36からカードリーダ部37及び通信制御部34への電力供給を開始し、コントローラ10の警備モードの変更が成功または失敗した時点で、電力供給を終了する。間欠動作制御手段310の制御についてより詳しくは、「5−1.無線リーダの動作」において後述する。このような制御を行うことにより、無線リーダ30は消費電力を抑えながらコントローラ10との通信が可能となる。また、一定時間経過後には、通信制御部34への電力供給が絶たれるので、消費電力を抑えることができる。これにより、本実施形態における無線リーダ30は、電源36に電池を用いながら、長期間にわたって利用できる。
【0081】
相互認証実行手段311は、コントローラ10と無線リーダ30との無線通信開始時に行う相互認証において、無線リーダ30で必要な処理を担う。具体的には、コントローラ10と無線リーダ30との間での通信開始時に、コントローラ10に記憶装置32に記憶されたリーダIDを送信する。また、コントローラ10から送信されたコントローラIDを受信し、受信したコントローラIDが、記憶装置32に記憶された接続先IDと一致するかを確認する。
【0082】
一致した場合には、相互認証に成功したとして、コントローラ10と無線リーダ30との双方向通信が可能となる。相互認証が成功した後、無線リーダ30からコントローラ10の警備モードを変更するための通信が行われる。
【0083】
一致しない場合には、相互認証は失敗したとして、コントローラ10との通信を終了する。具体的には、例えば、通信を強制終了し、無線リーダ30への電源供給をする、コントローラ10に無線リーダ30は相互認証に失敗した旨を知らせるなどの処理を行う。なお、コントローラ10においても相互認証に失敗した旨を知らせても良い。
【0084】
警備状態取得手段312は、起動ボタン33が押下され、無線リーダ30各部への電力供給が開始され起動した際に、その時点においてコントローラ10に設定されている警備状態を取得する。本実施形態においては、警備状態取得手段312は、警備状態として、コントローラ10の警備モードに加え、コントローラ10の検知手段確認手段110によるループ情報L、火災・ガス・非常・侵入などの検知手段20からの警報情報を取得する。
【0085】
無線リーダ30は、取得した警備状態に含まれるコントローラ10の警備モードを、確認信号出力手段35により、利用者が視認可能な形態で出力する。本実施形態においては、情報の受信後、確認信号出力手段35としてのランプが、色や点滅状態により警備モードを示すように構成される。このような構成により、利用者は、無線リーダ30にRFIDタグ40をかざす前に、現在の警備状態を把握することができる。すなわち、本実施形態においては、無線リーダ30は、利用者の操作によりコントローラ10の警備モードを変更するにあたり、起動ボタン33が押下された際に、警備状態取得手段312により、コントローラ10に設定されている警備モードを取得するように構成される。
【0086】
〔警備システムSの動作〕
3.コントローラと無線リーダのペアリング
以下では、コントローラ10の記憶装置12に、上記「ワンタッチ登録モード」や「PC登録モード」により無線リーダ30のリーダIDを登録するとともに、無線リーダ30の記憶装置32に、コントローラ10のコントローラIDを登録(ペアリング)する際の手順を説明する。無線リーダ30が待機状態時に、無線リーダ30に設けられた登録ボタンを所定時間押下すると、確認信号出力手段35により無線リーダ30がコントローラ10への登録処理を開始する旨が表示される。本実施形態においては、確認信号出力手段35として設けられたランプが、赤色に点灯する。ここで、登録ボタンは、例えば、無線リーダ30の電子回路基板上に直接設けられるなど、通常、利用者が操作できない箇所に設けられる。
【0087】
この状態から、登録ボタンを離して、所定時間経過すると、外部出力手段15の表示が消え、無線リーダ30からコントローラ10へ、無線リーダ30のリーダIDとともに登録を要求する信号が送信される。その後、コントローラ10から、コントローラIDを含む返答を受信する。返答を受信すると、無線リーダ30は、記憶装置32にコントローラIDを登録するとともに、受信結果を確認信号出力手段35により表示する。
【0088】
具体的には、コントローラ10からの返答として登録が成功した旨を受信した場合、確認信号出力手段35により登録完了表示を行った後、待機状態に移行する。本実施形態においては、登録完了表示として、確認信号出力手段35としてのランプを2秒間赤色に点灯させ、ブザーにて「ピー」という音を出力する。一方、返答を受信できなかった場合には、登録失敗表示を行い、待機状態に移行する。
【0089】
図7に、コントローラ10に無線リーダ30を登録するシーケンス図の一例を示す。登録ボタンが2秒間押された後、ランプが点灯し、登録ボタンを離してから1秒後に、ランプが消灯するとともに、コントローラ10と無線リーダ30との間で登録処理が実行される。
【0090】
具体的には、まず、ランプが消灯すると、無線リーダ30からコントローラ10に、当該の無線リーダ30のリーダIDと登録を要求する旨を含む信号が送信される(STEP1)。コントローラ10は、当該信号を受信すると、リーダIDを記憶装置12に接続先IDとして記憶する(STEP2)。その後、コントローラ10から無線リーダ30に登録の成否、及びコントローラIDを示す返答が送信される(STEP3)。無線リーダ30は、コントローラ10からの返答を受信すると、返答に含まれるコントローラIDを記憶装置32に登録する(STEP4)。登録処理後、無線リーダ30は、受信結果を表示するため、確認信号出力手段35としてのランプを2秒間点灯させるとともに、ブザーを所定時間鳴動させる。
【0091】
ここで、STEP4において、記憶装置32に既に別のコントローラIDが記憶されている場合には、上書きされる。
【0092】
なお、コントローラ10への無線リーダ30の登録作業は、作業者が、無線リーダ30をコントローラ10の近くに運んだ状態で行えば、作業者は1人で登録作業ができるため好適である。
【0093】
4.相互認証の仕組み
上述のように、コントローラ10に無線リーダ30が登録されると、コントローラ10と無線リーダ30との間で通信が可能となる。ここで、本実施形態においては、無線通信開始時に、まず互いに通信相手の識別情報を記憶しているかを確認する相互認証を実行する。
【0094】
具体的には、無線リーダ30に、例えば起動ボタン33が押された後、RFIDタグ40がかざされた場合などにおいてコントローラ10との通信を開始した時に、まず相互認証実行手段311により、コントローラ10に対して、当該無線リーダ30のリーダIDを送信する。コントローラ10はリーダIDを受信すると、相互認証実行手段112により、当該リーダIDが記憶装置12の接続先IDとして登録されているかを確認する。
【0095】
登録が確認された場合は、相互認証実行手段112により、記憶装置12に記憶されているコントローラIDが無線リーダ30に送信される。なお、登録が確認されなかった場合、以降の通信は強制終了し、無線リーダ30への電源供給を停止する。
【0096】
無線リーダ30は、コントローラ10からコントローラIDを受信すると、相互認証実行手段311により、受信したコントローラIDが、記憶装置32の接続先IDと一致するかを確認する。
【0097】
一致した場合には、相互認証に成功したとし、無線リーダ30からコントローラ10への以降の通信が可能となる。具体的には、無線リーダ30からコントローラ10の警備モードの変更が可能となる。一方、一致しなかった場合には、相互認証は失敗したとし、以降の通信は行われない。すなわち、例えば、無線リーダ30にRFIDタグ40がかざされても、相互認証に失敗した場合には、コントローラ10への通信は以降の通信は強制終了し、無線リーダ30への電源供給は停止し、コントローラ10の警備モードも変更されない。
【0098】
5.無線リーダの動作
以下では、コントローラ10と無線リーダ30がペアリングされた状態で、無線リーダ30にRFIDタグ40がかざされた場合の動作を説明する。なお、以下では、相互認証は成功したものとして説明を省略する。
【0099】
本実施形態において、無線リーダ30は、第1操作手順と、第2操作手順との2つの手順でコントローラ10の警備モードを設定可能に構成される。具体的には、コントローラ10が警戒解除モードM2に設定された状態において、例えば、第1操作手順が行われると、外出警戒モードM1aに設定され、第2操作手順が行われると、在宅警戒モードM1bに設定される。なお、本実施形態においては、動作切替手段38により、第1操作手順及び第2操作手順で設定される警戒モードM1を入れ替えることが可能である。
【0100】
第1操作手順では、起動ボタン33が押された後に、RFIDタグ40がかざされることで、コントローラ10の警備モードが設定される。第2操作手順では、起動ボタン33が押された後、一旦起動ボタン33が離され、再度起動ボタン33が押されながら、RFIDタグ40がかざされることでコントローラ10の警備モードが設定される。
【0101】
本実施形態においては、コントローラ10が警戒解除モードM2に設定されている場合に、第1操作手順が行われると外出警戒モードM1aに、第2操作手順が行われると在宅警戒モードM1bに設定される。すなわち、動作切替手段38がOFFに設定された場合を示す。また、コントローラ10が警戒モードM1に設定されている場合に、第1操作手順が行われると警戒解除モードM2に設定される。以下では、コントローラ10の警備モードの設定の手順についてそれぞれ説明する。
【0102】
5−1.無線リーダの動作
コントローラ10の警備モードの設定の手順を説明するにあたり、警備モードを設定する際の無線リーダ30内での内部処理について説明する。合わせて、間欠動作制御手段310によるカードリーダ部37及び動作切替手段38への電力供給の制御について詳しく説明する。間欠動作制御手段310は、カードリーダ部37及び通信制御部34に対して、必要なタイミングでのみ電力供給を行うように構成される。
図8に、無線リーダ30における内部処理の一例を示す。
【0103】
図8は、コントローラ10が警戒解除モードM2でかつ、検知手段確認手段110によるループ情報Lが正常な状態において、第2操作手順によりコントローラ10の警備モードを変更する場合を示す。すなわち、無線リーダ30の起動ボタン33が一度押され離された後、無線リーダ30の起動ボタン33が再度押されながら、RFIDタグ40がかざされ、コントローラ10の警備モードが警戒モードM1に設定される場合を示す。
【0104】
図8の操作で、コントローラ10が外出警戒モードM1aと在宅警戒モードM1bのいずれに設定されるかは、
図5に示す動作切替手段38により切り替えられる。コントローラ10を外出警戒モードM1aに設定する場合には、ループ情報Lとして外出警戒用ループ情報を、在宅警戒モードM1bに設定する場合には、在宅警戒用ループ情報を用いる。
【0105】
無線リーダ30は、起動ボタン33が押されると、まず、確認信号出力手段35としてのブザーが鳴動する。続いて、間欠動作制御手段310により通信制御部34への電力供給が行われるとともに、通信制御部34を介してコントローラ10に対して「警備状態」を要求し、取得する。より具体的には、警備状態取得手段312により「警備状態」として、コントローラ10の警備モードに加え、コントローラ10の検知手段確認手段110によるループ情報L(外出警戒用ループ情報、及び、在宅警戒用ループ情報)、火災・ガス・非常・侵入などの検知手段20からの警報情報を要求し、取得する。
【0106】
無線リーダ30は、「警備状態」を受信すると、通信制御部34への電力供給を遮断する。すなわち、間欠動作制御手段310は、起動ボタン33が押下されてから警備状態取得手段312により警備状態が取得されるまでの間、通信制御部34に電力供給を行う。
【0107】
次に、間欠動作制御手段310は、電源36からカードリーダ部37への電力供給を行う。また、同時に、確認信号出力手段35としてのランプ及びブザーで、受信した警備状態を出力する。
【0108】
確認信号出力手段35により警備状態を表示した状態で、無線リーダ30のカードリーダ部37にRFIDタグ40がかざされると、確認信号出力手段35としてのブザーの鳴動によりRFIDタグ40を読みとった旨が出力される。出力後、カードリーダ部37の電力供給が遮断される。すなわち、間欠動作制御手段310は、カードリーダ部37が操作される間、通信制御部34への電力供給は行わず、カードリーダ部37への電力供給のみ行う。
【0109】
続いて、間欠動作制御手段310は、電源36から通信制御部34への電力供給を再開する。電力供給の再開に合わせて、無線リーダ30は、通信制御部34を介してコントローラ10に設定する警戒モードM1の情報(外出警戒モードM1aか在宅警戒モードM1b)を含んだ指令Cを送信する。本実施形態においては、かざされたRFIDタグ40の識別情報も合わせて送信される。
【0110】
図中では省略しているが、コントローラ10は、無線リーダ30から警戒モードM1の情報を受信すると、受信した警戒モードM1に設定する。その後、「警戒状態」を無線リーダ30に送信する。ここで、「警戒状態」としては、コントローラ10の警備モードに加え、コントローラ10の検知手段確認手段110によるループ情報L(外出警戒用ループ情報、及び、在宅警戒用ループ情報)、火災・ガス・非常・侵入などの検知手段20からの警報情報、さらにかざされたRFIDタグ40が有効であるか否かが、含まれる。
【0111】
無線リーダ30がコントローラ10から警戒状態を受信すると、間欠動作制御手段310は電源36から通信制御部34への電力供給を遮断する。すなわち、間欠動作制御手段310は、指令Cを送信してから警戒状態を受信するまでの間、電源36から通信制御部34に電力供給を行う。
【0112】
無線リーダ30は、コントローラ10の警備モードが切り替わったと判断できた場合には、確認信号出力手段35により警備状態確認表示を行う。警備状態確認表示としては、具体的には、ブザーを鳴動させるとともに、ランプを警備モードに合わせて異なる色に所定時間点灯させる。ここでの点灯時間としては、本実施形態においては4秒に設定される。
【0113】
なお、かざしたRFIDタグ40の識別情報がコントローラ10に登録されておらず、RFIDタグ40が無効と判断された場合や、無線リーダ30が送信した指令Cに含まれる警備モードとコントローラ10から受信した警戒状態に含まれる警備モードとが一致しなかった場合には、警備状態確認表示は行われない。この場合、無効である旨が確認信号出力手段35により出力される。具体的には、例えば、ブザーが「ピーピー」と鳴動するなどの出力が行われる。
【0114】
5−2.第1操作手順による警備モードの設定
第1操作手順によりRFIDタグ40がかざされる場合の一連の動作を説明する。この場合、まず、起動ボタン33が押されると、無線リーダ30はコントローラ10から現在の警備モード及びループ情報L(外出警戒用ループ情報、及び、在宅警戒用ループ情報)を取得する。
【0115】
無線リーダ30は、取得した警備モードが警戒解除モードM2で、かつ、第1操作手順により設定される警戒モードM1に対応したループ情報Lが正常であるという条件が満たされるかを確認する。条件が満たされた場合、RFIDタグ40をかざすことでコントローラ10を警戒モードM1に設定することができ、条件が満たされなかった場合には、後述するエラー時の処理が行われる。以下では、本実施形態における第1操作手順による警備モードの設定をより具体的に説明する。
【0116】
5−2−1.動作切替手段38がOFFに設定されている場合
無線リーダ30に、第1操作手順によりRFIDタグ40がかざされた場合に、コントローラ10は外出警戒モードM1aに設定される。具体的には、
図9(a)に示すように、まず、起動ボタン33が押されると、次に無線リーダ30の確認信号出力手段35としてのランプが、警戒解除モードM2で、かつ、外出警戒用ループ情報が成立した旨を示す緑色に点灯する。
【0117】
この状態でRFIDタグ40がかざされると、無線リーダ30からコントローラ10に、外出警戒モードM1aに設定する信号(指令C)が送信される。設定が成功すると、外出警戒モードM1aに設定された旨がコントローラ10から無線リーダ30に送信され、確認信号出力手段35としてのランプが外出警戒モードM1aを示す赤色に4秒間点灯する。その後、ランプは消灯する。
【0118】
5−2−2.動作切替手段38がONに設定されている場合
動作切替手段38がONに設定されている場合には、第1操作手順によりRFIDタグ40がかざされた場合に、コントローラ10は、在宅警戒モードM1bに設定される。この場合、起動ボタン33が押されると、次に無線リーダ30の確認信号出力手段35としてのランプが、警戒解除モードM2で、かつ、在宅警戒用ループ情報が成立した旨を示す緑色に点灯する。
【0119】
この状態でRFIDタグ40がかざされると、無線リーダ30からコントローラ10に、在宅警戒モードM1bに設定する信号(指令C)が送信される。設定が成功すると、在宅警戒モードM1bに設定された旨がコントローラ10から無線リーダ30に送信され、確認信号出力手段35としてのランプが在宅警戒モードM1bを示す橙色に4秒間点灯する。その後、ランプは消灯する。
【0120】
5−3.第2操作手順による警備モードの設定
第2操作手順によりRFIDタグ40がかざされる場合の一連の動作を説明する。第1操作手順の場合と同様、起動ボタン33が押されると、無線リーダ30はコントローラ10から現在の警備モード及びループ情報L(外出警戒用ループ情報、及び、在宅警戒用ループ情報)を取得する。次に、取得した警備モードが警戒解除モードM2で、かつ、第2操作手順により設定される警戒モードM1に対応したループ情報Lが正常であるという条件が満たされるかを確認する。
【0121】
上述の条件が満たされている場合、RFIDタグ40をかざすことでコントローラ10を警戒モードM1に設定することができ、条件が満たされなかった場合には、後述するエラー時の処理が行われる。以下では、本実施形態における第2操作手順による警備モードの設定をより具体的に説明する。
【0122】
5−3−1.動作切替手段38がOFFに設定されている場合
無線リーダ30に、第2操作手順によりRFIDタグ40がかざされた場合に、コントローラ10は在宅警戒モードM1bに設定される。具体的には、
図9(b)に示すように、起動ボタン33が押されると、次に無線リーダ30の確認信号出力手段35としてのランプが、警戒解除モードM2で、かつ、外出警戒用ループ情報が成立した旨を示す緑色に点灯する。次に、起動ボタン33が一旦離され、再度起動ボタン33が押されるとともに、押された状態が維持される。ここで、再度起動ボタン33が押された時に、在宅警戒用ループ情報が成立している場合には、確認信号出力手段35としてのランプは緑色に点灯し続ける。なお、再度起動ボタン33が押された時に、在宅警戒用ループ情報が成立していない場合には、例えば、ランプが橙色にエラー表示がされる。
【0123】
この状態でRFIDタグ40がかざされると、無線リーダ30からコントローラ10に、在宅警戒モードM1bに設定する信号(指令C)が送信される。設定が成功すると、在宅警戒モードM1bに設定された旨がコントローラ10から無線リーダ30に送信され、確認信号出力手段35としてのランプが在宅警戒モードM1bを示す橙色に4秒間点灯する。その後、ランプは消灯する。
【0124】
5−3−2.動作切替手段38がONに設定されている場合
この場合、無線リーダ30にRFIDタグ40がかざされた場合に、コントローラ10は外出警戒モードM1aに設定される。OFFの場合と同様の箇所については説明を省略する。
【0125】
OFFの場合と異なり、起動ボタン33が一旦離され、再度起動ボタン33が押され、押された状態が維持されたとき、外出警戒用ループ情報が成立している場合には、確認信号出力手段35としてのランプは緑色に点灯し続ける。
【0126】
また、RFIDタグ40がかざされると、無線リーダ30からコントローラ10に、外出警戒モードM1aに設定する信号(指令C)が送信される。設定が成功すると、外出警戒モードM1aに設定された旨がコントローラ10から無線リーダ30に送信され、確認信号出力手段35としてのランプが外出警戒モードM1aを示す赤色に4秒間点灯する。
【0127】
5−4.警戒の解除
警戒の解除は、コントローラ10が警戒モードM1に設定された状態で、第1操作手順によりRFIDタグ40がかざされると実行される。具体的には、
図10(c)に示すように、まず、起動ボタン33が押されると、次に無線リーダ30の確認信号出力手段35としてのランプが、外出警戒モードM1aを示す赤色、又は在宅警戒モードM1bを示す橙色に点灯する。
【0128】
この状態でRFIDタグ40がかざされると、無線リーダ30からコントローラ10に、警戒解除モードM2に設定する信号(指令C)が送信される。設定が成功すると、警戒解除モードM2に設定された旨がコントローラ10から無線リーダ30に送信され、確認信号出力手段35としてのランプが警戒解除モードM2を示す緑色に4秒間点灯する。その後、ランプは消灯する。
【0129】
5−5.エラー時、モード変更不許可時、及びモード変更失敗時
登録されていないカードがかざされた場合や、ループ情報Lが正常でないときにカードがかざされた場合、指令Cの送信に係る通信が正常に行えなかった場合などには、確認信号出力手段35によりエラーである旨が出力される。具体的には、
図10(d)に示すように、ブザーが「ピーピー」と鳴動するとともに、ランプが橙色に所定時間点滅する。
【0130】
なお、無線リーダ30のカードリーダ部37で読み取れないもの(例えば、ただの磁気カードなど)をかざした場合には、何も起きない。
【0131】
〔無線リーダの再利用について〕
以上のように、コントローラ10の警備モードを変更するために利用可能な無線リーダ30は、本実施形態においては、別家庭などにおける警備システムSにおいて再利用することが容易に行えるように構成されている。以下ではこの特徴について説明する。
【0132】
本実施形態における無線リーダ30は、通信開始時にコントローラ10と相互認証を行うとともに、無線リーダ30の記憶装置32には接続先IDとして1のコントローラIDしか記憶できないように構成される。このため、無線リーダ30を他のコントローラ10とペアリングしなおした場合には、無線リーダ30に記憶されたコントローラIDが変わり、元のコントローラ10とは相互認証が不可能となる。このため、元のコントローラ10に記憶された接続先IDには変更を加えずとも、新たな接続先IDが記憶された無線リーダ30は、元のコントローラ10に影響を与えることもなく、新しいコントローラ10との通信を行うことができる。
【0133】
実際に、無線リーダ30が再利用されるような状況における無線リーダ30の取り扱いについて一例を説明する。本実施形態に係る無線リーダ30を用いる場合、1の警備システムSにおいて利用されていた無線リーダ30が不要となった場合には、当該警備システムSの利用者により、警備システムSの事業者に無線リーダ30を送付してもらう。この際、利用者は無線リーダ30に対して特段の操作を必要としない。
【0134】
警備システムSの事業者は、利用者から送付された無線リーダ30を、無線リーダ30を必要とする別の警備システムSが設置された場所に持っていき、当該警備システムSに設けられたコントローラ10とペアリングする。このようにするだけで、無線リーダ30は、元のコントローラ10と通信が成立することはなくなり、新たなコントローラ10とのみ通信が可能となる。
【0135】
以上のように、本実施形態に係る無線リーダ30では、無線リーダ30の撤去時に、利用者宅にサービスマンが伺い、コントローラ10と無線リーダ30のペアリングを解除する作業を必要とせず無線リーダ30を再利用するにあたり時間的コストや人件費が発生することを防ぐことができる。
【0136】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態においては、コントローラ10が、接続先IDとして無線リーダ30のリーダIDを複数記憶する場合の一例を示したが、無線リーダ30の接続先IDは1つのみ記憶するように構成しても構わない。
【0137】
(2)上記実施形態においては、無線リーダ30が電源36として電池を用いる場合の一例を示したが、AC電源などの外部電源を用いて動作しても構わない。この場合無線リーダ30には、間欠動作制御手段310を備えない構成として構わない。
【0138】
(3)上記実施形態においては、無線リーダ30が、モード変更指令手段としてRFIDタグ40を用いるカードリーダ部37を備える場合の一例を示した。しかしながら、モード変更指令手段としてはカードリーダ部37に限定されず、起動ボタン33とは別に設けられたものであれば良い。例えば、利用者の指紋を読み取る指紋リーダなどの生体認証装置を備えても構わない。
【0139】
(4)上記実施形態においては、無線リーダ30と検知手段20とが別々に備えらえる場合の一例を示したが、無線リーダ30に検知手段20を内蔵させても構わない。具体的には、例えば、無線リーダ30にパッシブセンサを内蔵させるなどしても構わない。
【0140】
(5)上記実施形態においては、無線リーダ30が単に、コントローラ10の警備モードを設定する装置として用いる場合の一例を示したが、その可搬性を有効活用し、コントローラ10の警備モードを設定する機能以外の機能を備えても構わない。例えば、利用者が非常事態であることをコントローラ10に伝達するための非常ボタン機能を備えても構わない。
【0141】
(6)上記実施形態においては、無線リーダ30が単に、コントローラ10の警備モードを設定する装置として用いる場合の一例を示した。無線リーダ30を、警備システムSと連動するように構成された機器を警備領域A外から制御するための手段として利用しても構わない。具体的には、例えば、無線リーダ30を警備領域A外から操作した際に、コントローラ10の外部接点出力端子Xを介して警備領域A内のシャッターの開閉操作や、照明の入切、防犯カメラの起動などを行えるように構成しても構わない。
【0142】
この場合、コントローラ10が外部接点出力端子Xから各種機器に制御信号が送信するタイミングは、無線リーダ30から警戒モードM1に設定するための指令Cを受信した場合とすると良い。また別の構成としては、無線リーダ30が各種機器を制御するための専用の指令を送信する機能を備え、コントローラ10が当該専用の指令を受信した場合に外部接点出力端子Xから各種機器に制御信号が送信するとしても良い。