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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-4874(P2016-4874A)
(43)【公開日】2016年1月12日
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/06 20060101AFI20151208BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20151208BHJP
【FI】
   H01F17/06 F
   H01F17/06 K
   H01F15/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-123740(P2014-123740)
(22)【出願日】2014年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000107804
【氏名又は名称】スミダコーポレーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 慶
(72)【発明者】
【氏名】秋山 茂
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠二
(72)【発明者】
【氏名】村上 亜砂美
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA07
5E070BA08
5E070BA15
5E070DB06
5E070EA02
5E070EB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】環状をなすコア体に対して、容易にコイルを設けることが可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】実装基板に実装されるコイル部品10Aであって、2つ以上のコア部材21Aが環状をなすように組み合わされて構成されるコア体20Aと、コア部材21Aの外周側において導線31Aを巻回することによって構成されると共に、巻軸方向が実装基板に平行となるコイル30Aと、を具備している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板に実装されるコイル部品であって、
2つ以上のコア部材が環状をなすように組み合わされて構成されるコア体と、
前記コア部材の外周側において導線を巻回することによって構成されると共に、巻軸方向が前記実装基板に平行となるコイルと、
を具備することを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
請求項1記載のコイル部品であって、
前記コア部材は、前記コイルが外周側に配置される巻軸部と、前記コイルを前記実装基板から離間させる状態で前記巻軸部を支持する支持部と、
を具備することを特徴とするコイル部品。
【請求項3】
請求項2記載のコイル部品であって、
前記コア部材は一対設けられると共に、
それぞれの前記コア部材は、前記巻軸部の両端側から、当該巻軸部の軸線方向に交差する方向に延伸する連結部を備えていて、
一対の前記コア部材の間で前記連結部の突出側の端面同士が接合することにより、前記コア体は矩形の枠形状に設けられている、
ことを特徴とするトランスボビン。
【請求項4】
請求項3記載のコイル部品であって、
前記コア体には、前記コイルの端末と電気的に接続されると共に前記実装基板に対して電気的に接続される端子部材が取り付けられると共に、
前記端子部材には、当該端子部材を前記コア体に取り付けるための係止部が設けられていて、
前記支持部または前記連結部には、前記係止部を入り込ませるための凹部が設けられている、
ことを特徴とするコイル部品。
【請求項5】
請求項1記載のコイル部品であって、
前記コア部材には、外観が略U字形状に設けられている第1コア部材と、外観が略I字形状に設けられている第2コア部材と、が設けられていて、
前記第1コア部材には、前記コイルが外周側に配置される巻軸部と、前記コイルを前記実装基板から離間させる状態で前記巻軸部を支持する支持部と、前記巻軸部の両端側から、当該巻軸部の軸線方向に交差する方向に延伸する連結部と、が設けられている、
ことを特徴とするコイル部品。
【請求項6】
請求項1記載のコイル部品であって、
環状の前記コア体を構成するコア部材は、3つ以上設けられている、
ことを特徴とするコイル部品。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のコイル部品であって、
前記コア体には、前記コイルを覆う状態で吸着カバーが取り付けられていて、
この吸着カバーには、外部の吸着ノズルに吸着される平板部と、前記コア体のいずれかの部位に係止されるフック部とが設けられている、
ことを特徴とするコイル部品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電子機器に用いられるコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のコイル部品の中には、たとえば特許文献1に示すようなタイプのものがある。特許文献1に示すコイル部品は、外観が矩形の枠形状(ロ字型)のコア体を備えるコモンモードチョークコイルである。矩形の枠形状のコアには、導線を巻回することで、コイルが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−88405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示の構成では、矩形の枠形状のような環状形状のコア体には、コイルを形成し難い、という問題がある。すなわち、矩形の枠形状のコア体の内周孔は、巻線機の導線を巻回する部位が通過するのが困難である。そのため、巻線機を用いて、矩形の枠形状のコア体に導線を巻回するのが困難となっている。そのため、現状では、人手によって導線を巻回している。しかしながら、コイル部品の小型化が進展すると、導線の巻回に手間が掛かったり、人手によって巻回することも困難となってくる。
【0005】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、環状をなすコア体に対して、容易にコイルを設けることが可能なコイル部品を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のコイル部品は、実装基板に実装されるコイル部品であって、2つ以上のコア部材が環状をなすように組み合わされて構成されるコア体と、コア部材の外周側において導線を巻回することによって構成されると共に、巻軸方向が実装基板に平行となるコイルと、を具備することを特徴としている。
【0007】
また、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コア部材は、コイルが外周側に配置される巻軸部と、コイルを実装基板から離間させる状態で巻軸部を支持する支持部と、を具備することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コア部材は一対設けられると共に、それぞれのコア部材は、巻軸部の両端側から、当該巻軸部の軸線方向に交差する方向に延伸する連結部を備えていて、一対のコア部材の間で連結部の突出側の端面同士が接合することにより、コア体は矩形の枠形状に設けられている、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コア体には、コイルの端末と電気的に接続されると共に実装基板に対して電気的に接続される端子部材が取り付けられると共に、端子部材には、当該端子部材をコア体に取り付けるための係止部が設けられていて、支持部または連結部には、係止部を入り込ませるための凹部が設けられている、ことが好ましい。
【0010】
さらに、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コア部材には、外観が略U字形状に設けられている第1コア部材と、外観が略I字形状に設けられている第2コア部材と、が設けられていて、第1コア部材には、コイルが外周側に配置される巻軸部と、コイルを実装基板から離間させる状態で巻軸部を支持する支持部と、巻軸部の両端側から、当該巻軸部の軸線方向に交差する方向に延伸する連結部と、が設けられている、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、環状のコア体を構成するコア部材は、3つ以上設けられている、ことが好ましい。
【0012】
さらに、本発明のコイル部品の他の側面は、上述の発明に加えて更に、コア体には、コイルを覆う状態で吸着カバーが取り付けられていて、この吸着カバーには、外部の吸着ノズルに吸着される平板部と、コア体のいずれかの部位に係止されるフック部とが設けられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、環状をなすコア体に対して、容易にコイルを設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施の形態に係るコイル部品の全体構成を示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係るコイル部品の構成を示す分解斜視図である。
図3】第1の実施の形態に係るコア体の構成を示す斜視図である。
図4】第1の実施の形態におけるコア部材の変形例を示す図であり、巻軸部を切断した状態を示す半断面図である。
図5】第2の形態のコイル部品の構成を示す分解斜視図である。
図6】第2の実施の形態のコア体の構成を示す斜視図である。
図7】第2の実施の形態におけるコア部材の変形例を示す図であり、巻軸部を切断した状態を示す半断面図である。
図8】第3の実施の形態のコイル部品の構成を示す分解斜視図である。
図9】第3の実施の形態に係るコア体の構成を示す斜視図である。
図10】第3の実施の形態におけるコア部材の変形例を示す図であり、巻軸部を切断した状態を示す半断面図である。
図11】第4の実施の形態に係る吸着カバーの構成を示す斜視図である。
図12】第5の実施の形態に係る吸着カバーの構成を示す斜視図である。
図13】第6の実施の形態に係るコイル部品の構成を示す分解斜視図である。
図14】第6の実施の形態の変形例に係るコア体の構成を示す斜視図である。
図15】第7の実施の形態に係るコア体の構成を示す斜視図である。
図16】第8の実施の形態に係るコア体の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る、コイル部品10Aについて、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態においては、各部に符号を附す場合、基本的に、アルファベット「A」を附して説明する。
【0016】
また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を用いて説明することがある。そのうち、X方向は図1において端子部材40Aがコア体20Aに取り付けられる方向とし、X1側は図1において右手前側とし、X2側は図1において左奥側とする。また、Z方向はコイル部品10Aの厚み方向(高さ方向)とし、Z1側は図1における吸着カバーが位置する上側とし、Z2側はそれとは反対の下側とする。また、Y方向はX方向およびZ方向に直交する方向とし、Y1側は図1において右奥側とし、Y2側は図1において左手前側とする。
【0017】
<コイル部品10Aの全体構成について>
図1は、コイル部品10Aの全体構成を示す斜視図である。図2は、コイル部品10Aの構成を示す分解斜視図である。図3は、コア体20Aの構成を示す斜視図である。図1および図2に示すように、コイル部品10Aは、コア体20Aと、コイル30Aと、端子部材40Aと、吸着カバー50Aとを有している。
【0018】
図2および図3に示すように、コア体20Aは、2つのコア部材21Aを突き合わせることで構成されている。これらのコア部材21Aは、巻軸部22Aと、連結部23Aと、支持部24Aとが設けられている。巻軸部22Aは、コイル30Aが配置される部分である。
【0019】
連結部23Aは、巻軸部22Aの両端側からY方向に延伸している部分であり、それぞれのコア部材21Aに一対設けられている。そのため、コア部材21Aを平面視すると、コア部材21Aは、巻軸部22Aと連結部23Aとによって略U字形状に設けられている。なお、本実施の形態では、巻軸部22AよりもX方向の両端側に連結部23Aが位置しているものとする。そのため、巻軸部22Aに沿ってX方向の両端側に向かうと、連結部23Aに差し掛かるものとする。
【0020】
また、連結部23Aの両端面23A1が突き合わされ、その突き合せ状態を維持することで、図2に示すようなコア体20Aが形成される。図2に示すように、コア体20Aは、矩形の枠形状に設けられている。なお、端面23A1は、連結部23Aのうち巻軸部22Aから離間した先端側に位置する端面である。
【0021】
また、支持部24Aは、コア部材21Aを下方側から支持する部分であり、実装基板への実装時に、コイル30Aを実装基板から離間させるための部分である。本実施の形態では、支持部24Aは、連結部23Aと一体的に設けられている。そのため、連結部23Aが支持部24Aの機能を兼ね備えているものとしても良く、支持部24Aが連結部23Aの機能を兼ね備えているものとしても良い。
【0022】
ここで、連結部23Aの上面側には、下方側(Z2側)に向かって窪むような凹嵌部25Aが設けられている。また、連結部23A(または支持部24A)の下面側には、上方に向かって窪むような凹嵌部26Aが設けられている。これらの凹嵌部25A,26Aには、端子部材40Aの上係止部41Aおよび下係止部42Aがそれぞれ嵌め込まれる。それにより、端子部材40Aをコア部材21Aに取り付けることを可能としている。なお、上係止部41Aおよび下係止部42Aは、それぞれ係止部に対応する。
【0023】
また、連結部23Aのうち、巻軸部22Aの外周壁22A1(内周壁22A2とは反対側の壁部分)が位置する端部側(この部分を、端面23A2側とする)には、フック係止部27Aが設けられている。フック係止部27Aは、図2および図3に示す構成では、外周壁22A1よりも下方側(Z2側)に位置している。しかも、フック係止部27Aは、端面23A1に向かい窪むように設けられている。このフック係止部27Aは、吸着カバー50Aのフック部53Aが位置する部分である。
【0024】
なお、コア部材21Aの材質は、磁性材であるが、かかる磁性材としては、例えば、ニッケル系のフェライトまたはマンガン系のフェライト等の種々のフェライト、パーマロイ、センダスト等、各種の磁性材料および各種の磁性材料の混合物を用いることが可能である。その中でも、ニッケル系のフェライトは、マンガン系のフェライト等と比較して導電性に劣るため、別途絶縁のためのコーティングが不要であり、好ましい。
【0025】
ここで、コア部材21Aとしては、図4に示すものを用いることも可能である。図4は、第1の実施の形態におけるコア部材21Aの変形例を示す図であり、巻軸部22Aを切断した状態を示す半断面図である。図4に示すコア部材21Aにおいては、外周壁22A1および内周壁22A2は、円弧状等のような湾曲した形状に設けられている。かかる図4に示すような形状を採用する場合、図3に示すコア部材21Aと比較して、コイル30Aは、外周壁22A1および内周壁22A2に対して、隙間がないか、または隙間が小さい状態で位置することが可能となる。また、巻軸部22Aのうち導線31Aが接触する角部の角度が緩やかになるので、コイル30Aを形成する導線31Aが断線する虞を低減可能となる。
【0026】
次に、コイル30Aについて説明する。図2に示すように、巻軸部22Aには、コイル30Aが配置されている。コイル30Aは、巻線機を用いて導線31Aを所定の巻数だけ巻回することにより形成されている。本実施の形態では、コイル部品10Aは、それぞれのコア部材21Aに形成されている。しかしながら、いずれか一方のコア部材21Aのみにコイル30Aが形成されていても良い。
【0027】
続いて、端子部材40Aについて説明する。端子部材40Aは、本実施の形態では、その外観が略U字形状に設けられている。この端子部材40Aは、上係止部41Aと、下係止部42Aと、上下連結部43Aとを有している。上係止部41Aは、上述した凹嵌部25Aに入り込む部分である。なお、この上係止部41Aには、コイル30Aの端末が電気的に接続されても良いが、上下連結部43Aに端末が接続されても良い。また、下係止部42Aは、凹嵌部26Aに入り込む部分であるが、実装基板への実装時には、その実装基板の接続部分に電気的に接触する部分である。また、上下連結部43Aは、上下方向に延伸している部分であり、上係止部41Aと下係止部42Aとを連結している部分である。
【0028】
次に、吸着カバー50Aについて説明する。吸着カバー50Aは、一対のコア部材21A同士の突き合わせ後に、コイル30Aを覆うように取り付けられる部材である。この吸着カバー50Aには、平板部51Aと、取付脚部52Aと、フック部53Aとが設けられている。平板部51Aは、平板状に設けられている部分であり、本実施の形態ではコア体20Aを覆うように矩形状に設けられている。この平板部51Aの上面側には、搬送装置の吸着ノズルが吸着可能となっている。なお、吸着ノズルは、真空吸引力によってコイル部品10Aを保持するものであり、そのため平板部51Aは平面状に形成されている。
【0029】
また、取付脚部52Aは、平板部51Aの四隅から下方側(Z2側)に向かって延伸している。この取付脚部52Aの下端側(Z2側)には、フック部53Aが設けられている。フック部53Aは、上述したフック係止部27Aに引っ掛かる爪状の部分であり、その引っ掛かりによって吸着カバー50Aがコア体20Aに保持される。
【0030】
なお、吸着カバー50Aは、樹脂を材質として形成されている。かかる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のうち適宜のものを用いることができる。たとえば、吸着カバー50Aは、フェノール樹脂、PBT(Polybutylene Terephthalate)樹脂等、種々の樹脂を用いることが可能となる。また、たとえばアクリル樹脂を初めとした、劣化し難い樹脂を用いることも可能である。
【0031】
<コイル部品10Aの製造方法について>
以上のような構成のコイル部品10Aを製造する場合、それぞれのコア部材21Aに対して、巻線機を用いて導線31Aを巻回し、それによってコイル30Aが形成される。すなわち、通常の矩形の枠形状のコア体に対しては、巻線機を用いて、導線31Aを巻回することができないが、本実施の形態では、それぞれのコア部材21Aを巻線機にチャッキングすることで、巻線機を用いた導線31Aの巻回が可能となっている。
【0032】
上述のコイル30Aの形成に前後して、端子部材40Aをコア部材21Aに取り付ける。かかる端子部材40Aの取り付けにおいては、接着剤を用いることが好ましい(他の実施の形態においても同様)。そして、コイル30Aの端末を、端子部材40Aに対して電気的に接続する。この場合、たとえば半田付け、レーザ溶接等を始めとした種々の手法を用いることが可能である。
【0033】
また、コイル30Aの形成後のいずれかの段階で、一対のコア部材21Aの端面23A1同士を互いに突き合わせる。このとき、端面23A1に接着剤を塗布する等により、固定強度を向上させることが好ましい。
【0034】
また、端面23A1同士の突き合わせが完了し、さらにコイル30Aの端末を端子部材40Aに電気的に接続した後に、コア体20Aの上方側(Z1側)から吸着カバー50Aを取り付け、フック部53Aをフック係止部27Aに係止させる。それにより、本実施の形態のコイル部品10Aが形成される。
【0035】
<効果>
以上のような構成のコイル部品10Aによると、コア体20Aは、一対のコア部材21Aが環状をなすように組み合わされて構成されている。そのため、それぞれのコア部材21Aを、巻線機にチャッキング等することにより、コア部材21Aに容易にコイル30Aを形成することが可能となる。
【0036】
また、本実施の形態では、コア部材21Aは、コイル30Aが外周側に配置される巻軸部22Aと、コイル30Aを実装基板から離間させる状態で支持する支持部24Aとが設けられている。このため、巻軸部22Aの外周側にコイル30Aを形成することができる。また、支持部24Aの存在により、コイル30Aを実装基板から離間させることができる。
【0037】
さらに、本実施の形態では、それぞれのコア部材21Aは、巻軸部22Aの両端側から延伸する連結部23Aを備えている。そして、一対のコア部材21Aの間では、連結部23Aの突出側の端面23A2同士が接合することにより、矩形の枠形状のコア体20Aが形成される。端面23A2同士を突き合わせる場合、他の部分を突き合わせる場合と比較して、突き合わせ部分が明確であり、そのため突き合わせ部分が不明確である場合と比較して、コイル部品10Aを製作する労力を低減可能となる。また、連結部23Aの存在により、巻軸部22Aの範囲が明確となる。すなわち、巻軸部22Aに位置するコイル30Aがずれる等の不具合を防止可能となる。
【0038】
また、本実施の形態では、コア体20Aに取り付けられる端子部材40Aには、上係止部41Aや下係止部42Aといった係止部が設けられている。そして、上係止部41Aおよび下係止部42Aが、凹嵌部25A,26Aに入り込む。このため、コア体20Aに対する端子部材40Aの位置決めが容易となる。また、凹嵌部25A,26Bに上係止部41Aおよび下係止部42Aが入り込むことで、端子部材40Aの高さを低くすることが可能となり、コイル部品10Aの低背化が可能となる。
【0039】
さらに、本実施の形態では、コア体20Aには、コイル30Aを覆う状態で吸着カバー50Aが取り付けられていて、吸着カバー50Aには、外部の吸着ノズルに吸着される平板部51Aと、コア体20Aのいずれかの部位に係止されるフック部53Aとが設けられている。このため、コイル部品10Aの搬送を自動的に行うことが可能となる。また、2つのコア部材21Aの位置ずれを防止することが可能となる。
【0040】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態における構成と共通の構成については、その構成と同じ数字を用いつつ、アルファベット「A」ではなく「B」を附して説明する。
【0041】
図5は、本実施の形態のコイル部品10Bの構成を示す分解斜視図である。図6は、コア体20Bの構成を示す斜視図である。図5および図6に示すように、本実施の形態におけるコイル部品10Bでは、コア体20Bを構成するコア部材21Bの形状が異なっている。すなわち、図5に示すように、それぞれのコア部材21Bにおいては、図3に示すコア部材21Aと比較して、巻軸部22Bが、互いに突き合わされる端面23B1寄りに位置している。そのため、巻軸部22Bは、凹嵌部25B,26Bに隣接して設けられている。
【0042】
それにより、コア部材21Bの巻軸部22Bにおいては、外周壁22B1は、連結部23Bの端面23B2よりも、端面23A1側に位置している。しかも、巻軸部22Bにコイル30Bが配置された際に、外周壁22B1は、端面23B2よりもY方向の端部側に位置しないように設けられている。なお、コイル部品10Bにおけるその他の構成は、上述したコイル部品10Aと同様となっている。
【0043】
なお、コア部材21Bとしては、図7に示すものを用いることも可能である。図7は、第2の実施の形態におけるコア部材21Bの変形例を示す図であり、巻軸部22Bを切断した状態を示す半断面図である。このコア部材21Bにおいても、図4に示すコア部材21Aと同様に、外周壁22B1および内周壁22B2は、円弧状等のような湾曲した形状に設けられている。それにより、コイル30Bは、外周壁22B1および内周壁22B2に対して、隙間がないか、または隙間が小さい状態で位置することが可能となる。また、巻軸部22Bのうち導線31Bが接触する角部の角度が緩やかになるので、コイル30Bを形成する導線31Bが断線する虞を低減可能となる。
【0044】
以上のような構成のコイル部品10Bでは、コイル30Aと比較して、コイル30Aが端面23B1寄りに位置する。すなわち、第1の実施の形態におけるコイル部品10Aでは、巻軸部22Aはコア部材21AのうちY方向における最も外側に位置している。これに対して、本実施の形態におけるコア部材21Bでは、巻軸部22Bの外周壁22B1は、端面23B2よりもY方向の端部側に位置しないように設けられている。このため、コイル30Bは、実装基板に対する実装面積以上に、外方側に突出しない。それにより、実装基板に実装される他の部品等と干渉するのを防止可能となる。
【0045】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態における構成と共通の構成については、その構成と同じ数字を用いつつ、アルファベット「A」ではなく「C」を附して説明する。
【0046】
図8は、本実施の形態のコイル部品10Cの構成を示す分解斜視図である。図9は、コア体20Cの構成を示す斜視図である。図8および図9に示すように、本実施の形態におけるコイル部品10Cでは、コア体20Cを構成するコア部材21Cの形状が異なっている。すなわち、図9に示すように、それぞれのコア部材21Cにおいては、図3図6に示すコア部材21A,21Bと比較して、凹嵌部25C,26CがY方向の端部側に位置している。
【0047】
そして、連結部23Cのうち、互いに突き合わされる端面23C1寄りの部位には、凹嵌部25C,26Cは設けられていない。なお、図8および図9に示す構成では、凹嵌部26Cは、フック係止部27Cと干渉を生じるのを防止するため、X方向において異なる位置に設けられている。
【0048】
すなわち、吸着カバー50Cのフック部53Cが、最も下方側(Z2側)に位置しているのは好ましくない。なぜならば、端子部材40Cの下係止部42Cが、実装基板の接続部分に接触する必要があるためである。そのため、下係止部42Cは、最も下方側(Z2側)に位置する必要がある。また、吸着カバー50Cをコア体20Cに取り付ける際に、端子部材40Cと吸着カバー50Cとが干渉しないことが必要である。
【0049】
そこで、本実施の形態では、図8および図9に示すように、凹嵌部26Cとフック係止部27Cとは、X方向において異なる位置に設けられている。なお、端子部材40C同士を離間させるためには、端子部材40Cは、コア体20Cの四隅側に位置する方が好ましい。そのため、凹嵌部26Cは、フック係止部27CよりもX方向における端部側に位置している。
【0050】
また、図8に示す構成では、一対のフック係止部27Cの間の距離は、一対の凹嵌部26Cの間の距離よりも短い。そのため、吸着カバー50CのX方向における寸法も小さく設けられている。したがって、本実施の形態では、吸着カバー50Cは、コア体20Cの全体を覆わず、その一部が突出する構成となっている。しかしながら、そのような構成を採用せずに、コア体20Cの全体を覆う平板部51Cを備える吸着カバー50Cとしても良い。
【0051】
なお、コア部材21Cとしては、図10に示すものを用いることも可能である。図10は、第3の実施の形態におけるコア部材21Cの変形例を示す図であり、巻軸部22Cを切断した状態を示す半断面図である。コア部材21Cにおいても、図4に示すコア部材21Aと同様に、外周壁22C1および内周壁22C2は、円弧状等のような湾曲した形状に設けられている。それにより、コイル30Cは、外周壁22C1および内周壁22C2に対して、隙間がないか、または隙間が小さい状態で位置することが可能となる。また、巻軸部22Cのうち導線31Cが接触する角部の角度が緩やかになるので、コイル30Cを形成する導線31Cが断線する虞を低減可能となる。
【0052】
以上のような構成のコイル部品10Cでは、凹嵌部25C,26Cは、コア体20CのY方向の端部側に位置している。そのため、図2図6に示す構成と比較すると、端子部材40CのY方向における距離を離間させることができる。それにより、一対の端子部材40Cの間で、放電する等の不具合が生じるのを防止可能となる。また、一対の端子部材40Cの間の距離を離間させることができるので、コイル部品10Cの一層の小型化を図ることも可能となる。
【0053】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、吸着カバー50Dのみ図示するが、本実施の形態において図示されない部分や部材であって、上述した第1〜第3の実施の形態において既に説明したのと同様の構成については、アルファベット「D」を附して説明する(以下の実施の形態でも同様)。
【0054】
図11は、第4の実施の形態に係る吸着カバー50Dの構成を示す斜視図である。本実施の形態においては、吸着カバー50Dの形状が、上述した第1〜第3の実施の形態における吸着カバー50A〜50Cと異なっている。具体的には、吸着カバー50Dでは、取付脚部52Dは、上下方向(Z方向)に対して傾斜して設けられている。
【0055】
ここで、吸着カバー50Dのうち、X方向における中央部分を通過する軸線であって、Y方向に平行なものを、軸線Lとする。軸線Lを通るYZ平面を考えると、取付脚部52Dの傾斜方向は、その下方側(Z2側)に向かい平板部51Dから離れるにつれて、軸線Lを通るYZ平面に向かって徐々に近づくように傾斜している。
【0056】
このような取付脚部52Dを有する吸着カバー50Dでは、上述した吸着カバー50A〜50Cと比較して、コア体20Dに対する保持力を高めることが可能となる。すなわち、吸着カバー50Dをコア体20Dに対して取り付ける場合、取付脚部52Dは、取付脚部52A〜52Cと比較して、大きく撓むことになる。そのため、本実施の形態の吸着カバー50Dでは、上述した吸着カバー50A〜50Cと比較して、コア体20Dに対する保持力を高めることが可能となる。
【0057】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においても、吸着カバー50Eのみ図示するが、本実施の形態において図示されない部分や部材であって、上述した第1〜第3の実施の形態において既に説明したのと同様の構成については、アルファベット「E」を附して説明する。
【0058】
図12は、第5の実施の形態に係る吸着カバー50Eの構成を示す斜視図である。本実施の形態においては、吸着カバー50Eの形状が、上述した第1〜第4の実施の形態における吸着カバー50A〜50Dと異なっている。具体的には、吸着カバー50Eでは、上述した取付脚部52A〜52D、フック部53A〜53Dの他に、コア保持部54Eを有している。コア保持部54Eは、一対のコア部材21Eが突き合わされる部位に位置している。
【0059】
このコア保持部54Eは、その外観が略L字形状となるように形成されている。具体的には、コア保持部54Eには、上下方向(Z方向)に延伸する上下延伸部54E1と、その上下延伸部54E1の下端側(Z2側)からコア体20Aが位置する側に屈曲している水平延伸部54E2とが設けられている。そして、上下延伸部54E1は、連結部23Eのうち端面23E1側の外側の側面に当接する。また、水平延伸部54E2は、連結部23Eのうち端面23E1側の下面に当接する。
【0060】
ところで、第1〜第3の実施の形態におけるコア体20A〜20Cにおいては、一方のコア部材21A〜21Cの端面23A1〜23C1側にて、他方のコア部材21A〜23Cの端面23A1〜23C1と突き合わされ、その突き合わせ部分が境界となる。しかし、突き合わせている端面23A1〜23C1同士がずれる場合がある。特に、コア体20A〜20Cに吸着カバー50A〜50Cが取り付けられると、Y方向およびZ方向へのコア部材21A〜21Cのずれは防止される。しかし、吸着カバー50A〜50Cは、コア部材21A〜21Cに対して、X方向へのずれを防止するようには係止されていない。
【0061】
これに対して、本実施の形態では、コア体20Eに吸着カバー50Eが取り付けられると、端面23E1同士の突き合わせ部分に、コア保持部54Eが位置する。かかるコア保持部54Eの存在により、コア部材21E同士がX方向にずれるのを防止可能となる。
【0062】
なお、吸着カバー50Eにおいては、取付脚部52Eの長さが短く設けられているが、同じ長さとしても良い。取付脚部52Eの長さを短くする場合、端子部材40Eの下係止部42Eとの干渉を防ぐ位置に、フック部53Eを位置させることができる。
【0063】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態における構成と共通の構成については、その構成と同じ数字を用いつつ、アルファベット「A」ではなく「F」を附して説明する。
【0064】
図13は、第6の実施の形態に係るコイル部品10Fの構成を示す分解斜視図である。本実施の形態においては、コア体20Fの形状が、上述した各実施の形態におけるものと相違している。具体的には、コア体20Fは、略U字形状の第1コア部材21F1と、略I字形状の第2コア部材21F2とから構成されている。第1コア部材21F1は、2つの巻軸部22Fを備え、さらに2つの巻軸部22Fを連結するように1つの連結部23Fを備えている。また、第2コア部材21F2は、巻軸部22Fを備えない構成となっている。
【0065】
なお、第1コア部材21F1および第2コア部材21F2が、それぞれ連結部23F、支持部24F、凹嵌部25F,26F、フック係止部27Fを備えるという点は、上述した各実施の形態と同様である。
【0066】
また、本実施の形態では、吸着カバー50Fの形状も、上述した各実施の形態におけるものと若干相違している。すなわち、第1コア部材21F1と第2コア部材21F2の突き合わせ部分は、巻軸部22Fの軸線方向であるX方向に存在している。そのため、吸着カバー50Fでは、X方向における第1コア部材21F1と第2コア部材21F2との間のずれを防止する構成となっている。具体的には、フック部53Fは、フック係止部27Fに対し、X方向が撓み方向/係止方向となるように設けられている。
【0067】
このような構成のコイル部品10Fを形成する場合、巻線機を用いてコイル30Fを形成することは困難である。そのため、コイル30Fを空芯状態で形成し、その空芯状のコイル30Fを巻軸部22Fに差し込むことにより、巻軸部22Fの外周側にコイル30Fが配置される。
【0068】
なお、第6の実施の形態においては、図14に示すような構成のコア体20Fを用いることも可能である。図14は、第6の実施の形態の変形例に係るコア体20Fの構成を示す斜視図である。図14に示す構成では、端子部材40Fが取り付けられる方向が、フック部53Fが取り付けられる方向と相違している。すなわち、端子部材40Fは、端面23F1を窪ませた端子用凹部28Fに嵌め込まれる。なお、第1コア部材21F1の連結部23Fには、第2コア部材21F2への突き合わせ部分は存在していないので、連結部23FのY方向の両端側には、端面23F1が存在し、その端面23F1にそれぞれ端子用凹部28Fが設けられている。また、第2コア部材21F2の両端面23F1にも、端子用凹部28Fが設けられている。
【0069】
なお、図14に示す構成においても、凹嵌部25F,26Fを設け、かかる凹嵌部25F,26Fが端子用凹部28Fと連通する構成を採用しても良い。
【0070】
以上のような構成のコイル部品10Fでは、巻軸部22Fの長さの異なるタイプの第1コア部材21F1に対して、略I字形状の第2コア部材21F2は共通化することができる。また、第1コア部材21F1は、上述の各実施の形態におけるコア部材21A等と同様に、巻軸部22Fと、連結部23Fと、支持部24Fとを備えている。このため、コイル30Fを巻軸部22Fの外周側に配置することも容易であり、また実装基板への実装も容易となる。
【0071】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態における構成と共通の構成については、その構成と同じ数字を用いつつ、アルファベット「A」ではなく「G」を附して説明する。また、本実施の形態では、コア体20Gのみ図15に図示して説明するが、図15に示されない部分や部材であって、上述した第1〜第3の実施の形態において既に説明したのと同様の構成については、アルファベット「G」を附して説明する。
【0072】
図15は、第7の実施の形態に係るコイル部品10Gのコア体20Gの構成を示す斜視図である。本実施の形態においては、コア体20Gの形状が、上述した各実施の形態におけるものと相違している。具体的には、コア体20Gは、2つの略U字形状のコア部材から構成されている。ただし、2つのコア部材21Gの形状は相違している。具体的には、第1コア部材21G1の巻軸部22Gは、第2コア部材21G2の巻軸部22Gよりも長く設けられている。
【0073】
なお、第1コア部材21G1および第2コア部材21G2のその他の構成は、上述した第6の実施の形態における第1コア部材21F1と同様である。
【0074】
以上のような構成のコア体20Gを用いてコイル部品10Gを形成する場合も、上述した第6の実施の形態におけるコイル部品10Fを形成する場合と同様に、コイル30Gを空芯状態で形成し、その空芯状のコイル30Gを巻軸部22Gに差し込むことにより、巻軸部22Gの外周側にコイル30Gが配置される。
【0075】
このような構成のコイル部品10Gでは、巻軸部22Gの長さの異なるコア部材21Gを組み合わせることができ、それによってコイル部品10Gのバリエーションを増やすことが可能となる。また、巻軸部22Gを突き合わせる構成のため、突き合わせる部位が不明確となるのを防止可能となる。
【0076】
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態においては、上述した第1の実施の形態における構成と共通の構成については、その構成と同じ数字を用いつつ、アルファベット「A」ではなく「H」を附して説明する。また、本実施の形態では、コイル部品10Hのコア体20Hのみ図16に図示して説明するが、図16に示されない部分や部材であって、上述した第1〜第3の実施の形態において既に説明したのと同様の構成については、アルファベット「H」を附して説明する。
【0077】
図16は、第8の実施の形態に係るコア体20Hの構成を示す平面図である。図16に示すように、本実施の形態のコア体20Hは、4つのコア部材21Hから構成されている。図16に示す構成では、2つのコア部材21Hが互いに平行に設けられていて、かかる互いに平行な2つのコア部材21Hが、2組存在している。そのうち1組の互いに平行な2つのコア部材21H(図16では、X方向を長手とするコア部材21H)は、巻軸部22Hとしての機能を備えている。また、残りの1組の互いに平行なコア部材21H(図16では、Y方向を長手とするコア部材21H)は、連結部23Hとしての機能を備えている。
【0078】
なお、いずれかの組の互いに平行なコア部材21Hには、フック係止部27Hが設けられるのが好ましい。また、いずれかの組の互いに平行なコア部材21Hには、凹嵌部25H,26Hが設けられるのが好ましい。
【0079】
以上のような構成のコイル部品10Hによると、4つのコア部材21Hを組み合わせることで、コア体20Hが構成される。このため、たとえば種々の長さや断面積を有するコア部材21Hを用意しておき、それらを組み合わせることで、種々のタイプのコア体20Hを容易に作製することが可能となる。また、それぞれのコア部材21Hは、比較的単純な形状であるため、金型の製作が容易となる。
【0080】
<変形例>
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
【0081】
上述の各実施の形態では、環状のコア体を構成するコア部材が、2つの場合と4つの場合について説明している。しかしながら、コア体を構成するコア部材の個数は、3つであっても良く、また5つ以上であっても良い。
【0082】
また、上述の各実施の形態では、コイル部品には、吸着カバーが設けられている。しかしながら、実装基板へのコイル部品の実装が終了した後に、コイル部品から吸着カバーを除去するようにしても良い。このような吸着カバーが除去されたものも、本発明のコイル部品に含まれるものとしても良い。
【0083】
また、上述の各実施の形態では、連結部の軸線方向(延伸方向)は、巻軸部の軸線方向に対して直交するように設けられている。しかしながら、連結部の軸線方向(延伸方向)は、巻軸部の軸線方向に対して直交せずに、斜めに設けられていても良い。すなわち、連結部の軸線方向(延伸方向)は、巻軸部の軸線方向に交差する方向であれば、どのような方向であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
10A〜10H…コイル部品、20A〜20H…コア体、21A〜21H,…コア部材、21F1,21G1…第1コア部材、21F2,21G2…第2コア部材、22A〜22H…巻軸部、23A〜23H…連結部、23A1〜23H1,23A2〜23H2…端面、24A〜24H…支持部、25A〜25H、26A〜26H…凹嵌部、27A〜27H…フック係止部、28F…端子用凹部、30A〜30H…コイル、31A〜31H…導線、40A〜40H…端子部材、41A〜41H…上係止部(係止部に対応)、42A〜42H…下係止部(係止部に対応)、43A〜43H…上下連結部、50A〜50H…吸着カバー、51A〜51H…平板部、52A〜52H…取付脚部、53A〜53H…フック部、54E…コア保持部、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16