【解決手段】一人または複数の人が座るための座と、前記座の左右方向の両側に配されるアームレストと、前記座の左右方向の両側に配される、複数の脚とを具備する高座椅子であって、前記アームレストは、前記脚と別体の部材から構成され、前記脚は、上下方向に並べて設けられた複数の貫通孔を有し、前記座の所望の高さに対応する前記貫通孔に軸状の締結部材を挿通し、該締結部材により前記座と前記脚とを締結することにより、前記脚により前記座を前記所望の高さで支持させることを特徴とする高座椅子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高座椅子は各家庭で様々な用途にあてられる。したがって、高座椅子の適切な高さは一概には決まらない。例えばダイニングで食事をとるのに使用する椅子の適切な高さは、リビングでテレビを視聴するのに使用する椅子の適切な高さよりも高いことが多い。
【0006】
このため、各家庭でデザインなどが気に入って高座椅子を購入したときに、それを実際に部屋においてみると、その椅子の高さに適合する用途がなく、結局、その椅子を使わなくなってしまうことも考えられる。また、用途を決めて高座椅子を購入した場合にも、もう少し座が高いほうがいいとか、低いほうがいいとかの事情も実際に椅子を使ってみないとなかなか判明しない。以上のような事情を考慮すると、高座椅子を購入した後に、各家庭で、ある程度自由に椅子の高さを調節できることは、ユーザにとって非常に有用なことであるといえる。
【0007】
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡易に座の高さを調節することができる高座椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、一人または複数の人が座るための座と、前記座の左右方向の両側に配されるアームレストと、前記座の左右方向の両側に配される、複数の脚とを具備する高座椅子であって、前記アームレストは、前記脚と別体の部材から構成され、前記脚は、上下方向に並べて設けられた複数の貫通孔を有し、前記座の所望の高さに対応する前記貫通孔に軸状の締結部材を挿通し、該締結部材により前記座と前記脚とを締結することにより、前記脚により前記座を前記所望の高さで支持させることを特徴とする高座椅子に関する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記アームレストは、前記脚とともに同一の前記締結部材により前記座と締結されることを特徴とする請求項1記載の高座椅子。
【0010】
請求項3記載の発明は、リクライニング可能な背を具備することを特徴とする請求項1または2記載の高座椅子。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記脚として、前記座の前側に配される前脚と、前記座の後側に配される後脚とがあり、前記前脚及び前記後脚は幅方向が前記座の前後方向に沿うように配される長板状部材から構成され、前記後脚を構成する前記長板状部材の前記座の前後方向における最大幅が前記前脚を構成する前記長板状部材の前記座の前後方向における最大幅の1.2倍〜4倍であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の高座椅子。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、椅子の脚に上下方向に並べて設けられた複数の貫通孔のうち、所望の座の高さに対応する貫通孔を選択し、その貫通孔に軸状の締結部材(例えばボルト)を通し、その締結部材により座と脚を締結するだけで、座の高さを所望の高さにすることができる。したがって、座の高さを簡易に調節することができる。これにより、例えば高座椅子を各家庭で購入した後に座の高さを調節し、各家庭のときどきの事情に応じて最も望ましい用途に高座椅子をあてることが可能になる。したがって、高座椅子の利用性を高めることができる。
【0013】
また、アームレストを脚とは別体の部材から構成することで、アームレストの座面からの高さは一定とし、座の高さだけを変えることができる。アームレストと脚とが一体的に形成されている場合(特許文献2参照)には、座の高さを変えると、無用にアームレストの座面からの高さが変わってしまう。本発明によれば、アームレストの座面からの高さは適切な高さで一定とし、座の高さだけを調節することができる。その結果、様々な用途に対して、座の高さとアームレストの高さの両方を適切なものにすることができる。したがって、高座椅子を使用したときの快適性を高めることができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、脚を座に組み付けるのと同一の締結部材(例えば同一のボルト)によりアームレストを座に固定することができる。このため、高座椅子の部品点数を少なくすることができる。また、高座椅子を組み立てるときに締結部材を締め付ける工程を少なくすることができる。よって、高座椅子の組み立てが簡単になる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、背がリクライニング可能であることで、ユーザが、高座椅子の用途や状況に応じて、より好ましい姿勢で腰掛けることができる。これにより、高座椅子を使用したときの快適性を高めることができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、高座椅子の後脚による支持強度を集中的に大きくすることができる。これにより、例えば背の後方のリクライニングによりユーザの体重が後脚に集中する場合にも、ユーザの体重を効果的に支えることができる。その結果、重量の増大を最低限度に抑えて、十分な耐久性を高座椅子に与えることができる。また、後脚が座の前後方向に幅広であることで、後脚の下端部の後端を十分に座の後側に位置させることができる。これにより、背を後方にリクライニングしたときの高座椅子の後方への転倒を防止することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態1に係る高座椅子の分解斜視図である。
【
図2】実施形態1の高座椅子の正面図(a)及び側面図(b)である。
【
図3】実施形態1の高座椅子の上面図(a)及び底面図(b)である。
【
図4】座の高さを最も高くしたときの実施形態1の高座椅子の斜視図である。
【
図5】座の高さを最も高くしたときの実施形態1の高座椅子の使用例を示す側面図である。
【
図6】座の高さを最も低くしたときの実施形態1の高座椅子の斜視図である。
【
図7】座の高さを最も低くしたときの実施形態1の高座椅子の使用例を示す側面図である。
【
図8】背を折り畳んだときの実施形態1の高座椅子の側面図である。
【
図9】本発明の実施形態2に係る高座椅子の分解斜視図である。
【
図10】実施形態2の高座椅子の正面図(a)及び側面図(b)である。
【
図11】実施形態2の高座椅子の上面図(a)及び底面図(b)である。
【
図12】座の高さを最も高くしたときの実施形態2の高座椅子の斜視図である。
【
図13】座の高さを最も低くしたときの実施形態2の高座椅子の斜視図である。
【
図14】座の高さの調節可能範囲を示す実施形態2の高座椅子の側面図である。
【
図15】背を折り畳んだ状態と、所定の角度範囲で背をリクライニングした状態とを示す、実施形態2の高座椅子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の高座椅子について、適宜図面を参照しながら説明する。
図1〜
図3は、本発明の一実施形態に係る高座椅子の要部を示す図であって、
図1は分解斜視図、
図2は正面図(a)及び側面図(b)、
図3は上面図(a)及び底面図(b)である。
【0019】
本発明に係る高座椅子は、一人または複数の人が座るための座2と、座2の左右方向の両側に配されるアームレスト3と、座2の左右方向の両側に配される、複数(図示例では4つ)の脚4とを具備する。図示例の高座椅子1は、一人用の高座椅子であり、座2は一人が座るためのものである。アームレスト3は、脚4とは別体の部材から構成される。
【0020】
脚4には座2の前側に配される前脚4Aと、座2の後側に配される後脚4Bとがあり、それぞれ、上下方向に並べて設けられた複数の貫通孔5を有する。高座椅子1においては、座2の所望の高さに対応する貫通孔5に、軸状の締結部材の一例であるボルト6を挿通し、そのボルト6により座2と脚4とを締結することにより、脚4により座2を所望の高さで支持させる。また、高座椅子1には、後で詳しく説明するように、リクライニング可能な背7(背もたれ)を備えさせることができる。ボルト6は少なくとも先端部に雄ねじが形成されている。
【0021】
座2の下側には、座2を支持するための2つの支持部材8が座2の前側と後側とに互いに平行に設けられている。2つの支持部材8は長板状であり、それぞれ幅方向を上下にし、座2の左右方向に沿って座2の下面に木ねじなどにより固定される。以下、座2の前側を単に前側(前方向)といい、座2の後側を単に後側(後方向)という。左右方向についても同様である。
【0022】
2つの支持部材8は、座2の横幅と同程度の長さを有し、両端面に、ボルト6の雄ねじと螺合する図示しない雌ねじを有する孔(符号は付していない)が開口している。そのような雌ねじ孔が支持部材8の両端面に2つずつ開口している。
【0023】
(座)
座2は、例えば芯材を含んだウレタンフォームを布により包んで形成される。座2の上面である座面には座り心地を良くするように凹部2aなどを設けることができる。
【0024】
(アームレスト)
アームレスト3は座2の左右方向の両側にあり、1つのアームレスト3は、肘掛け部3aと、1つの束部3bと、アームレスト3の座2への取付強度を大きくするための取付補強部3cとを含んでいる。束部3bは、肘掛け部3aの後端側で肘掛け部3aを片端支持する。取付補強部3cは、束部3bの下部と結合される短冊板状の部材であり、幅方向を上下にし、座2の前後方向に沿って配される。
【0025】
束部3bは、下部に2つのボルト挿通孔11を有している。そのボルト挿通孔11の数は支持部材8の両端面のそれぞれの雌ねじ孔の数(2つ)に対応している。取付補強部3cの前端側にも2つのボルト挿通孔11が形成されている。取付補強部3cは後端側で束部3bの下部の前側端面に結合されている。肘掛け部3a、束部3b及び補強部3cには木、または木目調の素材を含ませることができる。これにより、高座椅子1に木製の家具としての風趣を与えることができる。その結果、洋風及び和風によらず、高座椅子1を家庭に置くのに相応しいデザインにしやすくなる。なお、肘掛け部3aの上部にはクッションなどを配することもできる。
【0026】
(脚)
実施形態1の高座椅子1は、厚い長板状部材から構成される、2つの前脚4A及び2つの後脚4Bを含む。2つの前脚4A及び2つの後脚4Bは、幅方向を座2の前後方向に沿わせて座2の左右方向の両側に配される。1つの前脚4Aと1つの後脚4Bとは短冊板状の連結部材9により上部で互いに連結される。その一対の前脚4A及び後脚4Bは左右方向の一方で座2を支持する。同様に、他の1つの前脚4Aと他の1つの後脚4Bとは短冊板状の連結部材9により上部で互いに連結される。その一対の前脚4A及び後脚4Bは左右方向の他方で座2を支持する。
【0027】
2つの後脚4Bは、脚部全体の十分な強度を確保するために、長板状の貫材10により互いに連結される。貫材10は、両端部を例えば木ねじにより2つの後脚4Bに固定される。座の高さ調節の際にも、そのような木ねじを取り外す必要がなく、4つの脚を貫材10と2つの連結部材9とにより連結した状態のままで高さ調節を行うことができる。
【0028】
2つの前脚4A及び2つの後脚4Bには、それぞれ、厚み方向に各脚4を貫通する複数(図示例では5つ)の貫通孔5が、例えば一定のピッチで上下方向に並べて設けられる。それらの貫通孔5は、各脚4で高さを揃えるように設けられている。上記ピッチは目安として3cm程度である。
【0029】
後脚4Bを構成する長板状部材の座2の前後方向における最大幅は、前脚4Aを構成する長板状部材の座2の前後方向における最大幅の例えば1.2倍〜4倍である。より好ましくは、上記倍率は1.4倍〜3.5倍であり、さらに好ましくは、上記倍率は1.6倍〜3倍である。これにより、後脚4Bの強度を前脚4Aの強度よりも大きくすることができ、背7が後方にリクライニングにされ、ユーザの体重が後脚側に集中した場合にも、ユーザの体重を効果的に支持することができる。その結果、高座椅子1の重量の増大を最低限度に抑えて、高座椅子1に十分な耐久性を付与することができる。また、後脚4Bが座2の前後方向に幅広であることで、後脚4Bの下端部の後端を十分に座2の後側に位置させることができる。これにより、ユーザが背を後方にリクライニングしたときの高座椅子1の後方への転倒を防止することが容易になる。
【0030】
図4に、本発明の高さ調節機構により座を最も高くしたときの高座椅子の状態を示す。図示例では、各脚4の5つの貫通孔5のうちの上の2つの貫通孔5(5A、5B)にそれぞれボルト6が挿通され、それらのボルト6が束部3b及び取付補強部3cの各ボルト挿通孔11に挿通され、2つの支持部材8の両端部の雌ねじ孔に螺合され、これにより、4つの脚4と、2つのアームレスト3と、座2とが締結されている。
【0031】
座2を高くすることで、
図5に示すように、座2の高さを、例えばユーザ12がダイニングテーブル14などで食事をとるのに適切な高さにすることができる。また、座2が高くなることで、ユーザ12が高座椅子1から立ち上がることが容易になる。
図5では、立ち上がりかけのユーザ12と、立ち上がった後のユーザ12とを、ともに実線により示している。
【0032】
図6に、座2を最も低くしたときの状態を示す。図示例では、各脚4の5つの貫通孔5のうちの下の2つの貫通孔5(5C、5D)にそれぞれボルト6が挿通され、それらのボルト6が束部3b及び取付補強部3cのボルト挿通孔11に挿通され、2つの支持部材8の両端部の雌ねじ孔に螺合されて、4つの脚4と、2つのアームレスト3と、座2とが締結されている。上例では、4段階の座2の高さ調節が可能である。調節可能範囲は、貫通孔5のピッチをPとすれば、P×3(=5−2)である。本発明の高座椅子1の実施例では、座面の高さを、床から33cm、36cm、39cm、42cmの4段階に調節可能にしている。
【0033】
座2を低くすることで、
図7に示すように、座2の高さを、例えばユーザ12がリビングなどでくつろいだり、テレビを視聴したりするのに適切な高さにすることができる。このとき、背7をリクライニング可能にすることで、高座椅子1の使用の快適性を高めることができる。図示例では、50度くらいの角度範囲で5段階にリクライニング可能にしている。
図7では、背7の傾きが最も小さい状態と、背7の傾きが最も大きい状態とを実線により示している。4つの破線L1は、背7の傾きが最も小さいときを除く背7の後ろ面の傾きを示す。
【0034】
また、
図8に示すように、背7を下部で折り畳めるように構成することで、高座椅子1の全高を小さくすることができ、家庭内のより小さな空きスペースに高座椅子1を収納することができる。
【0035】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2を、
図9〜
図15を参照して説明する。
図9〜
図11は、本発明の実施形態2に係る高座椅子の要部を示す図であって、
図9は分解斜視図、
図10は正面図(a)及び側面図(b)、
図11は上面図(a)及び底面図(b)、である。なお、実施形態2の高座椅子において、実施形態1の高座椅子の各構成要素に対応する構成要素には、実施形態1で使用したのと同じ符号を付している。
【0036】
実施形態2の高座椅子1Aは、座2が複数の人が座れるように横長の長方形に形成されている。高座椅子1Aにおいても、座2の左右方向の両側にアームレスト3と、複数(図示例では4つ)の脚4とが配される。また、アームレスト3は、脚4とは別体の部材から構成される。
【0037】
脚4として、座2の前側に配される前脚4Aと座2の後側に配される後脚4Bとを設けることができ、それぞれ、上下方向に並べて設けられた複数(図示例では8つ)の貫通孔5を設けることができる。高座椅子1Aにおいても、座2の所望の高さに対応する貫通孔5に、軸状の締結部材の一例であるボルト6を挿通し、そのボルト6により座2と脚4とを締結することにより、脚4により座2を所望の高さで支持させる。また、高座椅子1Aにも、後で詳しく説明するように、リクライニング可能な背7(背もたれ)を備えさせることができる。
【0038】
座2の下側には、座2を支持するための2つの支持部材8を座2の前側と後側とに互いに平行に設けることができる。2つの支持部材8は長板状とし、それぞれ、幅方向を上下にし、座2の左右方向に沿って座2の下面に木ねじなどにより固定することができる。
【0039】
2つの支持部材8は、座2の横幅と同程度の長さを有し、両端面に、ボルト6の雄ねじと螺合する図示しない雌ねじを有する孔(符号は付していない)が開口している。そのような雌ねじ孔が支持部材8の両端面に2つずつ開口している。
【0040】
アームレスト3には、肘掛け部3aと、2つの束部3bとを含ませることができる。2つの束部3bは、肘掛け部3aを両端支持する。これにより、肘掛け部3aの十分な支持強度を確保することができる。したがって、実施形態2においては、取付補強部は設けていない。
【0041】
2つの束部3bは、それぞれ、下端側に2つのボルト挿通孔11を有している。そのボルト挿通孔11の数は支持部材8の両端面のそれぞれの雌ねじ孔の数(2つ)に対応している。肘掛け部3a及び2つの束部3bには木、または木目調の素材を含ませることができる。なお、肘掛け部3aの上部にはクッションなどを配することもできる。
【0042】
実施形態2の高座椅子1Aも、厚い長板状部材から構成される、2つの前脚4A及び2つの後脚4Bを含む。2つの前脚4A及び2つの後脚4Bは、幅方向を座2の前後方向に沿わせて座2の左右方向の両側に配される。1つの前脚4Aと1つの後脚4Bとは短冊板状の連結部材9により上部で互いに連結される。その一対の前脚4A及び後脚4Bは左右方向の一方で座2を支持する。同様に、他の1つの前脚4Aと他の1つの後脚4Bとは短冊板状の連結部材9により上部で互いに連結される。その一対の前脚4A及び後脚4Bは左右方向の他方で座2を支持する。
【0043】
1つの前脚4Aと1つの後脚4Bの下には1つの水平部材13が配され、それらの前脚4A及び後脚4Bは、下端部で、上記水平部材13により連結される。同様に、他の1つの前脚4Aと他の1つの後脚4Bの下には他の1つの水平部材13が配され、それらの前脚4A及び後脚4Bは、下端部で、上記水平部材13により連結される。水平部材13は長板状であり、座2の前後方向に沿って床に置かれる。以上のように、水平部材13を床と各脚4の下端部との間に介在させることで、座2に複数の人が座る場合にも、複数の人の重量により床材などが傷むのを防止することができる。
【0044】
また、2つの水平部材13は、脚部全体の十分な強度を確保するために、中央部で貫材10により互いに連結される。
【0045】
2つの前脚4A及び2つの後脚4Bには、それぞれ、厚み方向に各脚4を貫通する複数(図示例では8つ)の貫通孔5が、例えば一定のピッチで上下方向に並べて設けられる。それらの貫通孔5は、各脚4で高さを揃えるように設けられる。上記ピッチは目安として3cm程度である。
【0046】
後脚4Bは、前脚4Aの例えば1.2倍〜4倍の支持強度を有する。より好ましくは、後脚4Bは前脚4Aの1.4倍〜3.5倍の支持強度を有し、さらに好ましくは、後脚4Bは前脚4Aの1.6倍〜3倍の支持強度を有する。後脚4Bの強度が前脚4Aの強度よりも大きいことにより、背7が後方にリクライニングにされ、ユーザの体重が後脚側に集中した場合にも、ユーザの体重を効果的に支持することができる。その結果、高座椅子1Aの重量の増大を最低限度に抑えて、高座椅子1Aに十分な耐久性を付与することができる。
【0047】
また、後脚4Bが座2の前後方向に幅広であることで、後脚4Bの下端部の後端を十分に座2の後側に位置させることができる。これにより、ユーザが背を後方にリクライニングしたときの高座椅子1の後方への転倒を防止することが容易になる。このとき、水平部材13の後端を十分に座2の後側に位置させることで、ユーザが背を後方にリクライニングしたときの高座椅子1の後方への転倒を防止することがさらに容易になる。
【0048】
図12に、高座椅子1Aの座2を最も高くしたときの状態を示す。図示例では、各脚4の8つの貫通孔5のうちの上の2つの貫通孔5(5A、5B)にそれぞれボルト6が挿通され、それらのボルト6が2つの束部3bのボルト挿通孔11に挿通され、各支持部材8の雌ねじ孔に螺合されて、4つの脚4と、2つのアームレスト3と、座2とが締結されている。
【0049】
図13に、高座椅子1Aの座2を最も低くしたときの状態を示す。図示例では、各脚4の8つの貫通孔5のうちの下の2つの貫通孔5(5C、5D)にそれぞれボルト6が挿通され、それらのボルト6が2つの束部3bのボルト挿通孔11とに挿通され、各支持部材8の雌ねじ孔に螺合されて、4つの脚4と、2つのアームレスト3と、座2とが締結されている。
【0050】
各脚4が上下に並ぶ8つの貫通孔5を有し、2つのボルト6により脚4と座2にとを締結する場合には、
図14に示すように、座2の7段階の高さ調節が可能になる。調節可能範囲は、貫通孔5のピッチをPとすれば、P×6(=8−2)である。なお、
図14においては、7段階で座2を高さ調節したときのそれぞれの段階の座2と、アームレスト3と、背7とを実線により示している。本発明の高座椅子1Aの実施例では、座面の高さを、床から26cm、29cm、32cm、35cm、38cm、41cm、44cmの7段階に調節可能にしている。
【0051】
また、
図15に示すように、背7を下部で折り畳めるように構成することで、高座椅子1Aの全高を小さくして、より小さな空きスペースに高座椅子1Aを収納することができる。また、背7を、50度くらいの角度範囲で何段階か(例えば3段階)にリクライニング可能に構成することで、高座椅子1Aの使用の快適性を高めることができる。なお、
図15においては、背7を下部で折り畳んだ状態と、3段階でリクライニングさせた状態とを、ともに実線により示している。