(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-49622(P2016-49622A)
(43)【公開日】2016年4月11日
(54)【発明の名称】サンドブラスト方式の強化ガラス切断装置
(51)【国際特許分類】
B24C 5/02 20060101AFI20160314BHJP
C03B 33/023 20060101ALI20160314BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20160314BHJP
【FI】
B24C5/02 C
C03B33/023
C03C19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-167651(P2015-167651)
(22)【出願日】2015年8月27日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0114274
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】505272412
【氏名又は名称】株式会社 太星技研
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヨジェ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ミョンスー
(72)【発明者】
【氏名】リ カンジュク
(72)【発明者】
【氏名】シム ウーイク
【テーマコード(参考)】
4G015
4G059
【Fターム(参考)】
4G015FA01
4G015FB01
4G059AA01
4G059AB05
4G059AC30
(57)【要約】
【課題】本発明は、サンドブラスト方式の強化ガラス切断装置に関するものであって、ノズルユニットに構成される複数の固定ブロック位置をユーザーが希望する位置に自由に調整して、複数のノズルユニットそれぞれが指定された位置に精密に自動的に移動されるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置を提供する。
【解決手段】ノズルユニット100は、固定軸110と、固定軸110と一定間隔に離隔されるように構成され、一定距離に往復移送される移送力を提供する移送軸120と、固定軸110及び移送軸120のいずれかに選択的に固定され、移送軸120の往復移送力によって固定軸110の固定位置が変換される固定ブロック130と、固定ブロック130の一側に構成されて、移送軸120によって変換された固定位置に応じて被加工物のX軸またはY軸方向の大きさを変換させながら切断加工するように研磨材を噴射するノズル140と、を含んで構成されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーの内側に構成され、コンベヤーユニットを通じてチャンバーに移送された被加工物に、外部から提供される研磨材を噴射させて前記被加工物をX軸またはY軸方向に切断加工するノズルユニット、及び前記ノズルユニットがX軸またはY軸方向に移送されるように駆動力を提供する駆動部を含むサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、
前記ノズルユニット100は、
固定軸110と、
前記固定軸110と一定間隔に離隔されるように構成され、一定距離に往復移送される移送力を提供する移送軸120と、
前記固定軸110及び前記移送軸120のいずれかに選択的に固定され、前記移送軸120の往復移送力によって前記固定軸110の固定位置が変換される固定ブロック130と、
前記固定ブロック130の一側に構成されて、前記移送軸120によって変換された固定位置に応じて被加工物のX軸またはY軸方向の大きさを変換させながら切断加工するように研磨材を噴射するノズル140と、
を含むことを特徴とするサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項2】
前記駆動部200は、
モーター210と、
前記モーター210の延長軸に固定される第1のガイド軸220と、
前記第1のガイド軸220と一定間隔に離隔されるように構成される第2のガイド軸230と、
前記第1及び第2のガイド軸220、230のそれぞれに構成されて、前記第1及び第2のガイド軸220、230に沿って移送されながら、前記固定ブロック130が被加工物を切断加工時に発生する研磨材または粉塵によって、前記第1及び第2のガイド軸220、230が損傷されることを防止するようにする保護管240と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項3】
前記固定ブロック130の固定位置が精密に変換されるようにセンシングする原点センサー300をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項4】
前記原点センサー300は、前記固定軸110に構成される多数の固定ブロック130のそれぞれに対する初期位置をセンシングするように構成されることを特徴とする請求項3に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項5】
前記移送軸120には、
正、逆回転力を提供するモーター122と、
前記モーター122の回転力を往復移送力に変換させるボールスクリュー124と、
前記ボールスクリュー124の一側に構成され、他側に前記移送軸120が固定されて、前記ボールスクリュー124の往復移送に沿って往復スライディング移送されることによって、前記移送軸120を一定距離に移送されるようにする移送ブロック126と、
が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項6】
前記ノズルユニット100は、
前記ノズル140の固定角度を変換させることができるように回転力を提供するノズル回転用モーター150をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項7】
前記固定ブロック130は、
一側にノズル140が構成されるシリンダーブロック132と、
前記固定軸110と移送軸120との間に位置していずれかに選択的に密着される第2のブロック136と、
前記移送軸120の一側に構成されて、前記第2のブロック136と一緒に、前記移送軸120を圧迫して前記移送軸120を往復移送距離に沿って、前記シリンダーブロック132が移送されるようにする第3のブロック138と、
を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【請求項8】
前記固定ブロック130は、
前記第2のブロック136が固定軸110に密着される時、前記第2のブロック136の確固な密着状態を維持させて前記固定軸110にシリンダーブロック132が確固に固定されるように支持する第1のブロック134をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンドブラスト方式の強化ガラス切断装置に関するものであって、詳しくは、ノズルユニットに構成される固定ブロックの固定位置をユーザーが希望する位置に精密に変換させることにより、生産効率を最大化するようにするサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、前記強化ガラスを切断するサンドブラストマシン(Air Sand Blast Machine)の強化ガラス切断装置は、研磨材(Media)またはグリット(Grit)という金属または非金属材質を被加工物側に高速で投射して被加工物を加工する機器である。
【0003】
従来のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置は、
図1ないし
図3に示すように、本体11と、前記本体11に設置されて被加工物を移送させるコンベヤーユニット12と、前記コンベヤーユニット12の中間部位に密閉されるように設置されて被加工物の加工が行われるチャンバー14と、前記チャンバー14の内部にノズル防着板に固定設置されて研磨材15を被加工物側に高圧噴射させる複数のノズル16と、前記ノズル16をY軸方向に移動させるY軸モーター13と、前記チャンバー14の一側に設置されて加工された被加工物から粉塵が除去されるようにするクリーンルーム17と、前記クリーンルーム17の上部に設置されて被加工物側に圧縮空気を噴射して研磨材15と粉塵を除去する圧縮空気噴射部18と、前記コンベヤーユニット12の下部に設置されてチャンバー14の中心を基準として相互に反対方向のスクリューが固定されて被加工物を加工し、発生された研磨材15及び粉塵がホッパー19側に回収されるようにするスクリューコンベヤーユニット20と、前記ホッパー19と第1の連結管21に連結されて研磨材15及び粉塵を分離するサイクロン22と、前記サイクロン22の下部に設置されて粉塵と分離された研磨材15が含まれるようにして研磨材供給管(図示せず)を通じてノズル16に再噴射されるようにする研磨材貯蔵タンク23と、前記サイクロン22と第2の連結管24に連結されてターボファン25の駆動に応じて吸入力を発生させるダストコレクター26と、前記ダストコレクター26の内部に複数設置されて微細粉塵を除去して吐出管(図示せず)に清浄空気だけを排出するようにするバッグフィルターまたはカートリッジ27と、前記カートリッジ27によって分離された粉塵が盛られるダスト回収ボックス28と、前記チャンバー14の一側に設置されて一連の駆動を制御するコントローラー29と、で構成されている。
【0004】
また、前記チャンバー14の入口及び出口またはクリーンルーム17の出口には、被加工物が乗せられるコンベヤーユニット12が通過するので、チャンバー14の内部が密閉されるようにチャンバー14にゴム板のような遮蔽板(図示せず)が設置されている。これにより、被加工物の表面をマスキングした後、コンベヤーユニット12にローディングすると、前記コンベヤーユニット12がX軸方向に沿って移動するようにされるので、コンベヤーユニット12に乗せられた被加工物がチャンバー14の内部に移送し、この時、前記チャンバー14の内部に設置された複数のノズル16から研磨材15が連続的に噴射されていて、前記被加工物がチャンバー14を通過する過程で、前記研磨材15がマスキングされていない部位にぶつけられて被加工物のX軸方向に対する切削加工が行われる。
【0005】
ここで、X軸方向の切断加工が完了すると、コンベヤーユニット12の移送が中断されると同時にノズル16が設置されたY軸モーター13が駆動されるので、複数のノズル16がY軸方向に沿って移動しながら被加工物のY軸方向に対する切削加工が行われる。
【0006】
しかし、従来のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置に使用されるノズルは、
図3に示すように、設置位置が固定された状態を維持することによって、前記ノズル16の固定された位置に対する大きさを有する切断作業のみ行われ、その大きさが限定される問題点がある。また、切断の大きさを調節するためには、別の他のノズルユニットと交換なければならない面倒な問題点がある。または、手動でノズルの位置を変更することができるが、この場合、正確なノズルの位置を変更することが難しいという問題点とともにノズル位置の不正確性で精密な大きさの切断を確保することができないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10−861214号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2013−14940号
【特許文献3】韓国公開特許第10−2012−15366号
【特許文献4】韓国登録特許第10−2014−45509号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような問題点を解決するために提案するものであって、本発明の目的は、ノズルユニットに構成される複数の固定ブロック位置をユーザーが希望する位置に自由に調整して、複数のノズルユニットそれぞれが指定された位置に精密に自動移動されるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような本発明の目的を達成するために、本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置は、チャンバーの内側に構成され、コンベヤーユニットを通じてチャンバーに移送された被加工物に、外部から提供される研磨材を噴射させて前記被加工物をX軸またはY軸方向に切断加工するノズルユニット、及び前記ノズルユニットがX軸またはY軸方向に移送されるように駆動力を提供する駆動部を含むサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記ノズルユニットは、固定軸と、前記固定軸と一定間隔に離隔されるように構成され、一定距離に往復移送される移送力を提供する移送軸と、前記固定軸及び前記移送軸のいずれかに選択的に固定され、前記移送軸の往復移送力によって前記固定軸の固定位置が変換される固定ブロックと、前記固定ブロックの一側に構成されて、前記移送軸によって変換された固定位置に応じて被加工物のX軸またはY軸方向の大きさを変換させながら切断加工するように研磨材を噴射するノズルと、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記駆動部は、モーターと、前記モーターの延長軸に固定される第1のガイド軸と、前記第1のガイド軸と一定間隔に離隔されるように構成される第2のガイド軸と、前記第1及び第2のガイド軸のそれぞれに構成されて、前記第1及び第2のガイド軸に沿って移送されながら、前記固定ブロックが被加工物を切断加工時に発生する研磨材または粉塵によって、前記第1及び第2のガイド軸が損傷されることを防止するようにする保護管と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記固定ブロックの固定位置が精密に変換されるようにセンシングする原点センサーをさらに含むことを特徴とする。
【0012】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記原点センサーは、前記固定軸に構成される多数の固定ブロックのそれぞれに対する初期位置をセンシングするように構成されることを特徴とする。
【0013】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記移送軸には、正、逆回転力を提供するモーターと、前記モーターの回転力を往復移送力に変換させるボールスクリューと、前記ボールスクリューの一側に構成され、他側に前記移送軸が固定されて、前記ボールスクリューの往復移送に沿って往復スライディング移送されることによって、前記移送軸を一定距離に移送されるようにする移送ブロックと、が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記ノズルユニットは、前記ノズルの固定角度を変換させることができるように回転力を提供するノズル回転用モーターをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記固定ブロックは、一側にノズルが構成されるシリンダーブロックと、前記固定軸と移送軸との間に位置していずれかに選択的に密着される第2のブロックと、前記移送軸の一側に構成されて、前記第2のブロックと一緒に、前記移送軸を圧迫して前記移送軸を往復移送距離に沿って、前記シリンダーブロックが移送されるようにする第3のブロックと、を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明によるサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置において、前記固定ブロックは、前記第2のブロックが固定軸に密着される時、前記第2のブロックの確固な密着状態を維持させて前記固定軸にシリンダーブロックが確固に固定されるように支持する第1のブロックをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、複数のノズルユニットのそれぞれを切削範囲の大きさに対応する定められた位置に自動的に移動させて、ノズルの位置調整時間が短縮され、ノズルユニットの固定ブロック位置がセンサー部にセンシングされて、正確な位置移動が可能であり、複数のノズルユニットのそれぞれの位置を自由に調整して、さまざまな大きさの切削範囲を同時に加工することができ、これにより、製品の生産性向上と同時に、生産効率の増加とともに製品の信頼性が向上されるという利点がある。また、駆動部の第1及び第2のガイド軸を保護管で保護するように構成すれば、強化ガラスを切断加工する時に発生する粉塵などの異物が前記第1及び第2のガイド軸に浸透しないようにすることによって、装置を保護する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置の概略的な斜視図である。
【
図2】従来のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置の概略的な断面図である。
【
図3】従来のチャンバー内にノズルが設置された状態の概略的な正面図である。
【
図4】本発明によるノズルユニットと駆動部の結合関係を示す概略的な結合図である。
【
図5】本発明によるノズルユニットの結合関係を示す概略的な正面図である。
【
図6】本発明によるノズルユニットの結合関係を示す概略的な側面図である。
【
図7】本発明による固定ブロックの概略的な構成図である。
【
図8】本発明による固定ブロックの作動関係を示す図であって、(a)は、固定ブロックが固定軸に固定された状態であり、(b)は、固定ブロックが移送軸に固定された状態である。
【
図9】本発明によるノズルユニットの結合関係を示す概略的な図であって、(a)は、固定軸に固定ブロックが固定された状態であり、(b)は、固定ブロックが移動軸に沿って一定距離に移送された状態である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付された図面を参照して説明すると、次の通りである(従来と同様の構成については同一の参照符号を使用し、これに対する詳細な説明は省略する)。
【0020】
本発明のサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置は、本体11と、前記本体11に被加工物を移送させるコンベヤーユニット12と、前記コンベヤーユニット12の中間部位に密閉されるように設置されて被加工物の切断加工が行われるチャンバー14と、前記チャンバー14内に構成されて被加工物をX軸及びY軸方向に切断作業を行うノズルユニットと、前記ノズルユニットをX軸またはY軸方向に移送されるように駆動力を提供する駆動部と、前記ノズルユニットに構成されたノズルの位置を変換させるようにセンシングするセンサー部、及び前記チャンバー14の一側に構成されて粉塵を除去するようにするクリーンルーム17を含む。
【0021】
前記ノズルユニット100は、
図4ないし
図7に示すように、駆動部200から提供される駆動力によって移送されながら、被加工物をX軸またはY軸方向に切断加工を行う。前記ノズルユニット100は、駆動部200に構成されて駆動力によって被加工物のX軸またはY軸方向に移送される固定軸110と、前記固定軸110と一定間隔に離隔されるように構成される移送軸120と、前記固定軸110に固定され、場合によって、前記移送軸120に選択的に固定されて前記固定軸110の固定位置が変換される固定ブロック130と、前記固定ブロック130に構成されて提供される研磨材を通じて被加工物を切断させるノズル140と、で構成されている。
【0022】
前記固定軸110は、前記移送ブロック130に一定間隔に固定されて、前記駆動部200の駆動力により前記移送ブロック130を被加工物のX軸またはY軸方向に移送されるようにする。前記移送軸120は、前記固定軸110と一定間隔に離隔されるように構成され、前記固定軸110の長さ方向に沿って一定の長さに往復移送されながら、前記固定軸110に固定される固定ブロック130の固定位置を変換させる。
【0023】
前記移送軸120には、
図5及び
図6に示すように、モーター122と、前記モーター122で提供される正、逆回転力を往復移送力に変換するボールスクリュー124と、及び前記ボールスクリュー124の一側に固定され、他端に前記移送軸120が固定されて、前記ボールスクリュー124の往復移送力に応じて前記移送軸120が往復スライディング移送されるようにする移送ブロック126と、が設けられている。なお、前記移送軸120は、モーターの回転力によって一定の長さに移送されるボールスクリュー方式に限定されなく、モーターまたは流体圧力を利用して一定の長さに往復移送することができる手段であれば、なんでも使用が可能である。
【0024】
前記固定ブロック130は、ノズル140が一側に固定され、前記固定軸110に固定位置が維持され、場合によって、前記移送軸120の往復移送力によって前記固定軸110の固定位置が変換されて、結局前記ノズル140の固定位置が変換されるようにする手段である。前記固定ブロック130は、
図7及び
図8に示すように、ノズル140が構成されるブロックシリンダー132と、固定軸110の一側に一面が密着された状態を維持する第1のブロック134と、前記固定軸110と移送軸120との間を選択的に密着される第2のブロック136と、前記移送軸120の一側に構成されて、前記第2のブロック136と一緒に、前記移送軸120を圧迫する第3のブロック138と、を備えて構成される。
【0025】
また、前記第1ないし第3のブロック134、136、138は、
図7及び
図8に示すように、直方体形状で構成されるが、これに限定されなく、ロール状で構成することもできる。この場合、固定軸110及び移送軸120との密着面積を拡大させるために前記固定軸110及び移送軸120の周面と同じ半円形が外周縁に形成される。すなわち、前記第1のブロック134は一端に固定軸110の一面と密着状態を維持するように半円形の凹溝が形成され、前記第2のブロック136は両端に前記固定軸110及び移送軸120の一面に密着が容易になるように半円形の凹溝が形成され、前記第3のブロック138は、一端に前記移送軸120に選択的に密着されるように半円形の凹溝が形成される。
【0026】
これにより、
図8(a)に示すように、前記第1のブロック134と第2のブロック136が固定軸110の両端で密着されると、前記第3のブロック136は移送軸120と一定間隔に離隔された状態を維持することにより、前記移送軸120が移送されても前記固定ブロック130は固定軸110に固定された状態を維持する。また、
図8(b)に示すように、前記第2のブロック136が前記固定軸110に落ちながら、前記移送軸120の両端に前記第2及び第3のブロック136、138が密着されると、前記移送軸120の移送により前記固定ブロック130が移送される。
【0027】
また、前記ノズルユニット100には、
図5及び
図6に示すように、前記ノズル140が一定角度を維持するように回転力を提供するノズル回転用モーター150が構成される。前記ノズル回転用モーター150は、前記ノズル140を定められた範囲内で角度を変換させるようにする。
【0028】
前記駆動部200は、
図4に示すように、モーター210と、前記モーター210の延長軸に固定される第1のガイド軸220と、前記第1のガイド軸220と一定間隔に離隔されるように構成される第2のガイド軸230と、前記第1と第2のガイド軸220、230に構成されて研磨材または粉塵によって損傷されることを防止するようにする保護管240と、で構成される。前記モーター210は精度制御が可能なサーボモーターで構成されることが望ましい。前記第1及び第2のガイド軸220、230は、精密移送が可能なLMガイドであることが望ましい。もちろん、これに限定されなく、ノズルユニット100をX軸またはY軸方向に沿って安定的に移送することができる構成であれば、どちらでも使用が可能である。
【0029】
前記保護管240は、前記第1及び第2のガイド軸220、230に構成されて、前記第1及び第2のガイド軸220、230に沿って移送するノズルユニット100の移送に干渉せず、被加工物の切断加工により発生する研磨材または粉塵によって損傷されることを防止することができるようにカバーする手段である。この場合、前記保護管240は、長さの伸縮が自由な皺管であることが望ましい。また、前記保護管240は、軟質のゴム、シリコンまたは合成樹脂で形成されることが望ましい。
【0030】
前記ノズルユニット100は、前記ノズルユニット100に構成されて、前記ノズルユニット100の固定ブロック130の固定位置を精密に制御されることができるようにセンシングする原点センサー300を含む。前記原点センサー300は、
図9に示すように、前記固定軸110に固定される多数の固定ブロック130のそれぞれに設定されて、最初の固定軸110に固定される固定ブロック130の固定位置をセンシングするように構成される。
【0031】
前記のように構成されたサンドブラスト方式の強化ガラス切断装置のノズルユニットの固定位置の変換状態を見ると、次の通りである。
【0032】
まず、
図9(a)に示すように、固定軸110に構成されたそれぞれの固定ブロック130は、原点センサー300によって固定位置の原点を維持する。
【0033】
この時、前記固定ブロック130の固定位置を変換させたい場合、
図8(b)に示すように、固定軸110を相互に密着していた第1のブロック134と第2のブロック136のうち、前記第2のブロック136が圧迫を解除しながら、前記固定軸110の一側に構成された移送軸120に前記第2のブロック136及び第3のブロック138が相互に圧迫する。前記第2のブロック及び第3のブロック136、138は、相互に連動される作動関係を有するものであって、例えば、前記移送軸120を相互に圧迫するときは、前記第2及び第3のブロック136、138が相互に引き締める方向に動作し、前記移送軸120の圧力を解除するように前記第2及び第3のブロック136、138が相互に広がる作動関係を有する。この時、前記第2のブロック136は、前記第3のブロック138と広がる作動関係であるとき、固定軸110の一面を圧迫させるようにする。結局、前記第2のブロック136が第1のブロック134または第3のブロック138との間を往復しながら、固定軸110または移送軸120を選択的に圧迫させて固定ブロック130の固定位置が選択される。
【0034】
続いて、移送軸120の一側に構成されたモーター122の移送力によってボールスクリュー124に沿って移送ブロック126が移送され、これにより、前記移送ブロック126の一端に固定された移送軸120が一定距離移送される。したがって、前記移送軸120が移送ブロック126によって一定長さに移送されることによって、第2及び第3のブロック136、138の相互に圧迫された状態を維持した固定ブロック130が、前記移送軸120と一緒に一定距離に移送される。
【0035】
そして、前記移送軸120の移送が完了すると、前記第2及び第3のブロック136、138は、相互に圧着力が解除されるとともに、前記第2のブロック136が固定軸110に圧迫されて、前記固定軸110に第1及び第2のブロック134、136の相互圧着力によって前記固定ブロック130が前記固定軸110に固定される。また、前記固定ブロック130の現在の位置で固定位置を変換させたい場合は、固定ブロック130の第1及び第2のブロック134、136の相互圧着力を解除させ、これと同時に、前記第2及び第3のブロック136、138が相互に圧着されることによって移送軸120に固定される。
【0036】
続いて、前記移送軸120は、最初の位置、すなわち、固定軸110に構成された原点センサー300が構成され位置に固定ブロック130を移送させ、前記固定ブロック130が固定軸110に構成された原点センサー300にセンシングされるようにすることによって、前記固定ブロック130の位置を初期化させる。
【0037】
以後、前記固定軸110に位置した固定ブロック130は、上述したような方法で移送軸120に移送され、前記移送軸120は新しい移送距離に前記固定ブロック130を移送させることになる。
【0038】
他の一例を見ると、前記原点センサーは、ノズルユニット100の一端に1つの原点センサーが構成される。この場合、前記固定ブロック130の固定位置を変換させたい場合は、固定軸110に構成された固定ブロック130が、上述したような方式で移送軸120に移送される。
【0039】
この時、前記移送軸120は、前記固定ブロック130を原点センサーが位置した地点に移送させて、前記原点センサーのセンシングによって前記固定ブロック130の位置を初期化させた後、変換させようとする距離だけ前記移送軸120を位置させると、前記固定ブロック130が変換位置に移送される。
【0040】
続いて、固定ブロック130の位置を変換したい場合は、前記固定軸110に固定された固定ブロック130が移送軸120に搭載されるようにした後、前記移送軸120は原点センサー側に固定ブロック130を移送させる。そして、前記原点センサーに固定ブロック130がセンシングされると、前記固定ブロック130の位置が初期化され、以後、新しい変換距離だけ前記移送軸120が移送することによって、固定ブロック130の固定位置を変換させる。
【0041】
前記のように、固定軸と移送軸の間にノズルが構成された固定ブロックを構成して、前記固定ブロックが、前記移動軸の移送距離だけ移送されることによって、ユーザーが希望する大きさで強化ガラスを自由に切断することができる。
【0042】
以上で説明したのは、サンドブラスト方式の強化ガラス切断装置を実施するための一つの実施形態に過ぎないものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されない。本発明に属する分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の要旨を逸脱することなく様々な変更実施が可能であることを理解できる。
【符号の説明】
【0043】
100:ノズルユニット
110:固定軸
120:移送軸
130:固定ブロック
132:ブロックシリンダー
134:第1のブロック
136:第2のブロック
138:第3のブロック
140:ノズル
150:ノズル回転用モーター
200:駆動部
210:モーター
220:第1のガイド軸
230:第2のガイド軸
240:保護管
300:原点センサー