【実施例】
【0091】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【0092】
実施例1
4,4’−ジアミノスチルベン0.50455g(2.4013mmol)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物0.85939g(2.3987mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は1.2548gであり、その収率は92%であった。
【0093】
核磁気共鳴装置(ブルカー社製、商品名:AVANCE III)を用い、前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを調べた。その結果を
図1に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを赤外吸収スペクトル装置(パーキンエルマー社製、商品名:Spectrum One)を用い、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを調べた。その結果を
図2に示す。
【0094】
図1および
図2に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(a)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。
【0095】
前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量をゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にて以下の測定条件で測定した。その結果、当該アミド酸ポリマーの数平均分子量は、24.3万であることが確認された。
【0096】
〔測定条件〕
・装置:昭和電工(株)製、商品名:Shodex−101
・注入時の濃度:0.01質量%
・注入量:100μL
・流速:1mL/min
・溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド
・カラム:昭和電工(株)製、商品名:Shodex KD−803および商品名:Shodex KD−804
・カラムの温度:40℃
【0097】
実施例2
実施例1で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(a)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0098】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(a)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたイミドポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図3に示す。
【0099】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0100】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度および弾性の指標であるヤング率を以下の方法にしたがって調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は90MPaであり、ヤング率は4.77GPaであった。
【0101】
〔引張り強度の測定方法〕
イミドポリマーからなるフィルムを縦約17mm、横約2.5mmの長方形状に裁断し、得られた長方形状のフィルムの両端を厚紙で挟み、エポキシ接着剤で固定することにより、試験片を作製した。前記で得られた試験片の引張り強度を引張試験機(INSTRON社製、型番:3365)で調べた。
【0102】
〔ヤング率の測定方法〕
前記引張り強度の測定方法で求められた変位を縦軸に、引張応力を横軸にとることによって描かれたグラフの傾きを求めることによりヤング率を算出した。
【0103】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を以下の方法に基づいて測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は447℃であり、10%重量減少温度は498℃であった。
【0104】
〔5%重量減少温度および10%重量減少温度の測定方法〕
熱重量−示差熱同時測定装置〔(株)日立ハイテクノロジーズ製、商品名:STA7200〕を用い、イミドポリマーを空気中にて5℃/minの昇温速度で800℃まで加熱し、5質量%または10質量%にイミドポリマーの質量が減少するときの温度を測定した。
【0105】
実施例3
4,4’−ジアミノスチルベン0.50484g(2.4009mmol)とピロメリット酸二無水物0.52389g(2.4018mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.98758gであり、その収率は96%であった。
【0106】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図4に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図5に示す。
【0107】
図4および
図5に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(b)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は17.2万であった。
【0108】
実施例4
実施例3で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(b)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0109】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(b)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図6に示す。
【0110】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0111】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は443℃であり、10%重量減少温度は567℃であった。
【0112】
実施例5
4,4’−ジアミノスチルベン0.50450g(2.4010mmol)と3,3’,4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物0.77371g(2.4011mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.97144gであり、その収率は76%であった。
【0113】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図7に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図8に示す。
【0114】
図7および
図8に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(c)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は18.3万であった。
【0115】
実施例6
実施例5で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(c)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0116】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(c)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図9に示す。
【0117】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0118】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は65MPaであり、ヤング率は4.28GPaであった。
【0119】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は489℃であり、10%重量減少温度は581℃であった。
【0120】
実施例7
4,4’−ジアミノスチルベン0.50466g(2.4017mmol)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.47082g(2.4008mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.9346gであり、その収率は96%であった。
【0121】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図10に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図11に示す。
【0122】
図10および
図11に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(d)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は25.0万であった。
【0123】
実施例8
実施例7で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(d)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0124】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(d)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図12に示す。
【0125】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0126】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は399℃であり、10%重量減少温度は462℃であった。
【0127】
実施例9
4,4’−ジアミノスチルベン0.50442g(2.3996mmol)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物0.74444g(2.3998mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は1.1240gであり、その収率は90%であった。
【0128】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図13に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図14に示す。
【0129】
図13および
図14に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(e)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は22.2万であった。
【0130】
実施例10
実施例9で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(e)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0131】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(e)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図15に示す。
【0132】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0133】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は540MPaであり、ヤング率は2.43GPaであった。
【0134】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は540℃であり、10%重量減少温度は599℃であった。
【0135】
実施例11
4,4’−ジアミノスチルベン0.50450g(2.3993mmol)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物0.70657g(2.4015mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は1.0900gであり、その収率は98%であった。
【0136】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図16に示す。また、前記で得られたアミド酸ポリマーの赤外吸収スペクトルを実施例1と同様にして調べた。その結果を
図17に示す。
【0137】
図16および
図17に示された結果から、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)において、Rがビニレン基であり、Aが式(f)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は24.8万であった。
【0138】
実施例12
実施例11で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(f)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0139】
前記で得られたイミドポリマーが、式(I)において、Rがビニレン基であり、Aが式(f)で表わされる基であるイミドポリマーであることは、得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。前記で得られたイミドポリマーの赤外吸収(IR)スペクトルを
図18に示す。
【0140】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0141】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は60MPaであり、ヤング率は2.32GPaであった。
【0142】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は549℃であり、10%重量減少温度は587℃であった。
【0143】
実施例13
実施例1で得られたアミド酸ポリマー0.68gをN,N−ジメチルホルムアミド3mLに溶解させた溶液をガラス板上に広げ、その上に炭素繊維織布〔東レ(株)製、商品名:トレカクロス(登録商標)C063443〕1.28gを載置した。その後、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの18%N,N−ジメチルホルムアミド溶液1.2gを炭素繊維織布に塗布した。
【0144】
次に、前記炭素繊維織布が載せられたガラス板を100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間、250℃で60分間段階的に昇温させることにより、複合材料を得た。
【0145】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は155MPaであり、ヤング率は18GPaであり、5%重量減少温度は500℃であり、10%重量減少温度は550℃であった。
【0146】
実施例14
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例3で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0147】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は160MPaであり、ヤング率は13GPaであり、5%重量減少温度は505℃であり、10%重量減少温度は570℃であった。
【0148】
実施例15
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例5で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0149】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は120MPaであり、ヤング率は10GPaであり、5%重量減少温度は490℃であり、10%重量減少温度は590℃であった。
【0150】
実施例16
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例7で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0151】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は120MPaであり、ヤング率は14GPaであり、5%重量減少温度は533℃であり、10%重量減少温度は586℃であった。
【0152】
実施例17
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例9で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0153】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は90MPaであり、ヤング率は5GPaであり、5%重量減少温度は540℃であり、10%重量減少温度は600℃であった。
【0154】
実施例18
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例11で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0155】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は155MPaであり、ヤング率は17GPaであり、5%重量減少温度は550℃であり、10%重量減少温度は590℃であった。
【0156】
実施例19
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)と3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物0.20g(0.5660mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.372gであり、その収率は93%であった。
【0157】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(a)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は19.7万であった。
【0158】
実施例20
実施例19で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(a)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0159】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0160】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0161】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は90MPaであり、ヤング率は4.77GPaであった。
【0162】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は410℃であり、10%重量減少温度は425℃であった。
【0163】
実施例21
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)とピロメリット酸二無水物0.11g(0.5235mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.301gであり、その収率は97%であった。
【0164】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(b)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は31.9万であった。
【0165】
実施例22
実施例21で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(b)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0166】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0167】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0168】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は89MPaであり、ヤング率は5.02GPaであった。
【0169】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は410℃であり、10%重量減少温度は425℃であった。
【0170】
実施例23
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)と3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物0.18g(0.5650mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.304gであり、その収率は80%であった。
【0171】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(c)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は22.5万であった。
【0172】
実施例24
実施例23で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(c)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0173】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0174】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0175】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は48MPaであり、ヤング率は4.24GPaであった。
【0176】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は400℃であり、10%重量減少温度は420℃であった。
【0177】
実施例25
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物0.11g(0.5647mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.298gであり、その収率は96%であった。
【0178】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(d)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は27.8万であった。
【0179】
実施例26
実施例25で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(d)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0180】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0181】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0182】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は75MPaであり、ヤング率は10.01GPaであった。
【0183】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は365℃であり、10%重量減少温度は390℃であった。
【0184】
実施例27
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)と4,4’−オキシジフタル酸二無水物0.18g(0.5648mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.346gであり、その収率は91%であった。
【0185】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(e)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は22.0万であった。
【0186】
実施例28
実施例27で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(e)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0187】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0188】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0189】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は98MPaであり、ヤング率は13.39GPaであった。
【0190】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は400℃であり、10%重量減少温度は410℃であった。
【0191】
実施例29
4,4’−ジアミノ−α−トルキシル酸ジメチル0.20g(0.5647mmol)と3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物0.17g(0.5642mmol)とをN,N−ジメチルアセトアミド4.8mLに添加し、窒素ガス雰囲気中で室温(約25℃)にて48時間反応させることにより、アミド酸ポリマーを得た。前記で得られたアミド酸ポリマーを含む反応溶液を水約50mLおよびアセトン約50mLの貧溶媒を用いて再沈殿を行ない、得られたアミド酸ポリマーを真空乾燥させた。得られたアミド酸ポリマーの収量は0.352gであり、その収率は95%であった。
【0192】
前記で得られたアミド酸ポリマーの
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルを実施例1と同様にして調べた結果、前記で得られたアミド酸ポリマーは、式(II)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(f)で表わされる基であるアミド酸ポリマーであることが確認された。前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量を実施例1と同様にして調べたところ、前記で得られたアミド酸ポリマーの数平均分子量は17.0万であった。
【0193】
実施例30
実施例29で得られたアミド酸ポリマーをガラスプレートにキャストし、真空オーブンに入れ、100℃で60分間、150℃で60分間、200℃で60分間および250℃で60分間段階的に昇温させることにより、式(I)中のRを示す式(Ia)で表わされる基において、R
1およびR
2がいずれもメチル基であり、Aが式(f)で表わされる基であるイミドポリマーからなる厚さが約30μmのフィルムを得た。
【0194】
前記で得られたイミドポリマーの構造は、
1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルを実施例1と同様にして調べることによって確認した。
【0195】
前記で得られたイミドポリマーは、水、エタノール、酢酸エチル、トルエンなどの溶媒に溶解させようとしたが、これらの溶媒に溶解させることができなかった。したがって、前記で得られたイミドポリマーは、耐溶媒性に優れていることがわかる。また、前記で得られたイミドポリマーは、溶媒に溶解させることができなかったことから、その分子量を測定することができなかった。
【0196】
次に、前記で得られたイミドポリマーの物性として、引張り強度およびヤング率を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたイミドポリマーの引張り強度は71MPaであり、ヤング率は4.36GPaであった。
【0197】
次に、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして測定した。その結果、前記で得られたイミドポリマーの5%重量減少温度は395℃であり、10%重量減少温度は410℃であった。
【0198】
実施例31
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例19で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0199】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は150MPaであり、ヤング率は15GPaであり、5%重量減少温度は411℃であり、10%重量減少温度は430℃であった。
【0200】
実施例32
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例21で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0201】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は140MPaであり、ヤング率は12GPaであり、5%重量減少温度は415℃であり、10%重量減少温度は431℃であった。
【0202】
実施例33
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例23で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0203】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は110MPaであり、ヤング率は10GPaであり、5%重量減少温度は402℃であり、10%重量減少温度は425℃であった。
【0204】
実施例34
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例25で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0205】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は120MPaであり、ヤング率は10GPaであり、5%重量減少温度は400℃であり、10%重量減少温度は410℃であった。
【0206】
実施例35
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例27で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0207】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は100MPaであり、ヤング率は8GPaであり、5%重量減少温度は403℃であり、10%重量減少温度は420℃であった。
【0208】
実施例36
実施例13において、実施例1で得られたアミド酸ポリマーの代わりに実施例29で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例13と同様にして複合材料を得た。
【0209】
前記で得られた複合材料の物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られた複合材料の引張り強度は120MPaであり、ヤング率は12GPaであり、5%重量減少温度は405℃であり、10%重量減少温度は421℃であった。
【0210】
実施例37
実施例5で得られたアミド酸ポリマーの1質量%ジメチルアセトアミド溶液にカップスタック型マルチウォールカーボンナノチューブ〔ビジョン開発(株)製、CSCNT〕を添加し、均質な組成となるように撹拌することにより、カーボンナノチューブを0.1質量%含有する分散液を得た。
【0211】
次に、前記で得られた分散液をガラスプレート上にキャスティングし、60℃の温度で4時間乾燥させることにより、厚さが約30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性として、引張り強度、ヤング率、5%重量減少温度および10%重量減少温度を実施例2と同様にして調べ、引張伸度を実施例2と同様にして調べた。その結果、前記で得られたフィルムの引張り強度は12MPa、ヤング率は8.3GPa、引張伸度は0.3%、5%重量減少温度は493℃、10%重量減少温度は585℃であった。
【0212】
実施例38
実施例37において、アミド酸ポリマーとして実施例1で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例37と同様にしてフィルムを得た。
【0213】
前記で得られたフィルムの物性を実施例37と同様にして調べたところ、前記で得られたフィルムの引張り強度は15MPa、ヤング率は5.2GPa、引張伸度は0.5%、5%重量減少温度は448℃、10%重量減少温度は498℃であった。
【0214】
実施例39
実施例37において、アミド酸ポリマーとして実施例11で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例37と同様にしてフィルムを得た。
【0215】
前記で得られたフィルムの物性を実施例37と同様にして調べたところ、前記で得られたフィルムの引張り強度は10MPa、ヤング率は3.8GPa、引張伸度は0.8%、5%重量減少温度は553℃、10%重量減少温度は589℃であった。
【0216】
実施例40
実施例37において、アミド酸ポリマーとして実施例9で得られたアミド酸ポリマーを用いたこと以外は、実施例37と同様にしてフィルムを得た。
【0217】
前記で得られたフィルムの物性を実施例37と同様にして調べたところ、前記で得られたフィルムの引張り強度は11MPa、ヤング率は3.6GPa、引張伸度は0.3%、5%重量減少温度は545℃、10%重量減少温度は603℃であった。
【0218】
以上の結果から、各実施例で得られた複合体は、アルミニウムと代替可能な程度の引張り強度を有し、弾性に優れていることがわかる。