【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明のニラ加工食品の製造方法は、ニラの葉もしくは茎、または、葉および茎を、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させる発酵工程と、該発酵工程で発酵させたニラの葉もしくは茎、または、葉および茎を、所定の含水率まで乾燥させる乾燥工程とを備える。
【0009】
上記構成を備えることにより、乾燥工程後においても、原料であるニラの葉もしくは茎、または、葉および茎(以下、単に「ニラ」と総称する場合がある)の風味が強く残るニラ加工食品を提供できる。本明細書および本特許請求の範囲において、「ニラ加工食品」の語は、飲料原料および飲料を含む意味で使用している。
【0010】
なお、乾燥工程後においても原料であるニラの風味が強く残る理由は定かではないが、発酵工程を経ることに起因するものと推測される。また、ニラは、特に菌類を添加すること無く所定の環境下で発酵するが、この発酵がニラ表面に常在する菌によるものであるのか、または、空気中の菌が関係しているのかは定かではなく、同じネギ属のニンニクが一定条件下において自己発酵することと同様の理由によるものではないかと推測される。
【0011】
また、ニラを所定時間、所定温度で加温して発酵させる発酵工程を経ることにより、乾燥工程後においても含水率の多少にそれほど影響されることなく、原料であるニラの風味が強く残ると共に、ニラが発酵して独特の風味が生まれる。そして、単にニラを乾燥させたものよりも、旨味および栄養成分が優れる。
【0012】
更に、発酵したニラを乾燥させる乾燥工程を経ることにより、発酵したニラの含水率が低下して保存性が向上する。
【0013】
前記発酵工程が30℃〜70℃の温度条件下で行われる場合は、同温度帯で発酵が行われることによって、更に発酵が促進され、また、独特の風味等も更に向上する。
【0014】
前記発酵工程が24時間〜48時間かけて行われる場合は、同時間帯で発酵が行われることによって、更に発酵が促進され、また、独特の風味等が更に向上する。
【0015】
前記乾燥工程において、含水率が10%以下になるように乾燥させる場合には、ニラの含水率が10%以下となるように乾燥されることにより、カビが発生する可能性が低下し、保存性が向上する。
【0016】
前記乾燥工程後に、料理の種類に応じたサイズに加工するサイズ加工工程を備える場合には、調理の際の利便性が向上する。
【0017】
原料としてニラの茎、または、葉および茎を用いる場合に、前記発酵工程の前に、同ニラの茎、または、葉および茎を、乾燥させる準備工程とを備える場合は、事前にニラを乾燥させる準備工程を経ることにより、発酵工程等の後工程に係る作業がしやすくなる。
【0018】
前記準備工程において、含水率が40%〜70%となるように乾燥させる場合には、ニラの含水率を40%〜70%に低下させることにより、重量の約93%が水分であるニラの水分を減少させて発酵工程等に好適な含水率に調整されることとなり、発酵工程等の後工程に係る作業が更にしやすくなる。
【0019】
上記の目的を達成するために本発明のニラ加工食品は、ニラの葉もしくは茎、または、葉および茎を、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させ、該発酵したニラの葉もしくは茎、または、葉および茎を乾燥させることより得られる。
【0020】
上記構成を備えることにより、ニラ加工食品は、ニラを発酵させると共に発酵後に乾燥させた結果、乾燥後も原料であるニラの風味が強く残るものとなる。
【0021】
上記の目的を達成するために本発明の茶葉様物は、ニラから茎を分離し、該茎を含水率が40%〜70%となるように乾燥させた後に、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させ、該発酵した茎を乾燥させ、該乾燥した茎を焙煎することより得られる。
【0022】
上記構成を備えることにより、茶葉様物は、ニラを発酵させると共に発酵後に乾燥させた結果、乾燥後も原料であるニラの風味が強く残るものとなる。この茶葉様物を湯に入れるか、または、煮出すことで、茶外茶が得られる。
【0023】
なお、本明細書および本特許請求の範囲において、「茶葉様物」の語は、「茶葉のようなもの」の意味で使用している。また、本明細書において、「茶外茶」の語は、チャノキ以外の植物などから作られる飲料を指す意味で使用している。
【0024】
また、元々風味が強く、かつ、栄養価の高い部分である茎のみをニラから分離して使用することで、茶葉様物のニラの風味をより強くし、かつ、栄養価を高めることができる。加えて、ニラの含水率を40%〜70%に低下させることにより、発酵工程等に好適な含水率に調整される。
【0025】
更に、ニラの茎を所定の時間、所定の温度で加温して発酵させることで、原料であるニラの風味が強く残ると共に、独特の風味が出る。そして、単にニラの茎を乾燥させたものよりも、旨味および栄養成分が優れる。
更にまた、発酵した茎を乾燥させ、乾燥した茎を焙煎することで、保存性が向上すると共に、香ばしい風味が付加されて、茶外茶にしたときに飲みやすくなる。
【0026】
上記の目的を達成するために本発明の茶葉様物は、ニラから葉を分離し、該葉を茹でるか、または、蒸した後に、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させ、該発酵した葉を乾燥させることより得られる。
【0027】
上記構成を備えることにより、茶葉様物は、ニラを発酵させると共に発酵後に乾燥させた結果、乾燥後も原料であるニラの風味が強く残るものとなる。この茶葉様物を湯に入れるか、または、煮出すことで、茶外茶が得られる。
また、ニラから葉のみを分離し、かつ、葉を茹でるか、または、蒸すことにより、加工時の色味の低下を防止し、鮮やかな緑色を保持することができる。
【0028】
更に、ニラの葉を所定の時間、所定の温度で加温して発酵させることで、原料であるニラの風味が強く残ると共に、独特の風味が出る。そして、単にニラの葉を乾燥させたものよりも、旨味および栄養成分が優れる。
更にまた、発酵した葉を乾燥させることで、保存性が向上し、乾燥させた葉を粉砕することで、使いやすさが向上する。
【0029】
上記の目的を達成するために本発明の粉末調味料は、ニラから茎を分離し、該茎を含水率が40%〜70%となるように乾燥させた後に、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させ、該発酵した茎を乾燥させて粉砕することより得られる。
【0030】
上記構成を備えることにより、粉末調味料は、ニラを発酵させると共に発酵後に乾燥させた結果、乾燥後も原料であるニラの風味が強く残るものとなる。
【0031】
また、元々風味が強く、かつ、栄養価の高い部分である茎のみをニラから分離して使用することで、粉末調味料のニラの風味をより強くし、かつ、栄養価を高めることができる。加えて、ニラの含水率を40%〜70%に低下させることにより、発酵工程等に好適な含水率に調整される。
【0032】
更に、ニラの茎を所定の時間、所定の温度で加温して発酵させることで、原料であるニラの風味が強く残ると共に、独特の風味が出る。そして、単にニラの茎を乾燥させたものよりも、旨味および栄養成分が優れる。
更にまた、発酵した茎を乾燥させることで、保存性が向上し、乾燥させた茎を粉砕することで、使いやすさが向上する。
【0033】
上記の目的を達成するために本発明の粉末調味料は、ニラから葉を分離し、該葉を茹でるか、または、蒸した後に、所定の時間、所定の温度で加温して発酵させ、該発酵した茎を乾燥させて粉砕することより得られる。
【0034】
上記構成を備えることにより、粉末調味料は、ニラを発酵させると共に発酵後に乾燥させた結果、乾燥後も原料であるニラの風味が強く残るものとなる。
また、ニラから葉のみを分離し、かつ、葉を茹でるか、または、蒸すことにより、加工時の色味の低下を防止し、鮮やかな緑色を保持することができる。
【0035】
更に、ニラの葉を所定の時間、所定の温度で加温して発酵させることで、原料であるニラの風味が強く残ると共に、独特の風味が出る。そして、単にニラの葉を乾燥させたものよりも、旨味および栄養成分が優れる。
更にまた、発酵した葉を乾燥させることで、保存性が向上し、乾燥させた葉を粉砕することで、使いやすさが向上する。