(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-52887(P2016-52887A)
(43)【公開日】2016年4月14日
(54)【発明の名称】イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置とロック解除装置動作方法
(51)【国際特許分類】
B60N 2/08 20060101AFI20160318BHJP
【FI】
B60N2/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-221167(P2015-221167)
(22)【出願日】2015年11月11日
(62)【分割の表示】特願2014-549384(P2014-549384)の分割
【原出願日】2012年11月15日
(31)【優先権主張番号】102011090055.1
(32)【優先日】2011年12月28日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012205485.5
(32)【優先日】2012年4月3日
(33)【優先権主張国】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】シューマン、 カイ
(72)【発明者】
【氏名】トイフェル、 インゴ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置に関するレールシステムを、バックレスト位置から独立してロック解除することができるロック解除装置を提供すること。
【解決手段】ロック解除装置1はブラケット状要素7及び案内片8を含み、当該案内片8は、シートの長手方向調整のためのレールシステム2のロアレール3に少なくとも一つの締結手段9を使用して配列され、当該ブラケット状要素7は、イージーエントリー機能用のリリースレバー13に結合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置(1)であって、
ブラケット状要素(7)及び案内片(8)を含み、
前記案内片(8)は、前記シートの長手方向調整のためのレールシステム(2)のロアレール(3)に少なくとも一つの締結手段(9)を使用して配列され、
前記ブラケット状要素(7)は、前記イージーエントリー機能用のリリースレバー(13)に結合されるロック解除装置(1)。
【請求項2】
前記案内片(8)は、数回折り返されて前記ロアレール(3)に部分的に対応する形状とされた打ち抜きシートメタル部品として構成される請求項1に記載のロック解除装置(1)。
【請求項3】
前記案内片(8)は、前記ロアレール(3)の側表面(11)から折り返されて前記ロアレール(3)に配列される少なくとも一つの案内部分(10)を有する請求項1又は2に記載のロック解除装置(1)。
【請求項4】
前記案内部分(10)の第1端(12)は丸まった構成とされる請求項3に記載のロック解除装置(1)。
【請求項5】
前記ブラケット状要素(7)は、少なくとも部分的にU字形状の断面を有し、
前記ブラケット状要素(7)の端には第1幅広部分(14)が配列され、
前記ブラケット状要素(7)の中央領域には第2幅広部分(15)が配列される請求項1に記載のロック解除装置(1)。
【請求項6】
前記制御モジュール(19)は、
前記第2幅広部分(15)と、
前記ブラケット状要素(7)の、前記第1幅広部分(14)から離れた方の端(17)と
に作用する請求項5に記載のロック解除装置(1)。
【請求項7】
前記ローラ要素(16)は、枢動軸として構成された前記ブラケット状要素(7)の第1幅広部分(14)に配列される請求項5に記載のロック解除装置(1)。
【請求項8】
前記ブラケット状要素(7)は、好ましくは丸まった又は半丸構成の凹部(20)を上面に有し、
前記凹部は、前記レールシステム(2)のロック要素(5)の従来型リリースレバー(13)に対応するべく構成され、
前記リリースレバー(13)は、前記ブラケット状要素(7)の凹部(20)に、少なくとも部分的には物質接続により配列される請求項1、5、6又は7に記載のロック解除装置(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のロック解除装置(1)を動作させる方法であって、
イージーエントリー機能の動作中、レールシステム(2)のロック解除は、作動ケーブル(22)が制御モジュール(19)に作用することによって行われ、
前記作動ケーブル(22)はブラケット状要素(7)及び少なくとも一つのロック要素(5)に作用し、
前記ブラケット状要素(7)は、前記ブラケット状要素(7)の第1幅広部分(14)がローラ要素(16)とともに案内部分(10)の下方に配列されるように枢動される方法。
【請求項10】
前記イージーエントリー機能の作動中、特に車両乗員のイージーエントリー位置への車両シートの結果的な長手方向移動中、前記ブラケット状要素(7)特にその第1幅広部分(14)が前記ローラ要素(16)によって、案内片(8)特にその案内部分(10)と形状嵌め及び/又は圧力嵌め係合を形成し、
前記イージーエントリー機能のリリースレバー(13)が、その関連復元ばねに抵抗して前記車両シートのシートバックレストのバックレスト傾斜から独立してロック解除位置に保持され、
前記ローラ要素(16)を備えた前記ブラケット状要素(7)の第1幅広部分(14)は、前記案内部分(10)の下面のアンダーカットの態様で配列され、前記案内部分(10)の下面に沿って動くことができる請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置に関する。本発明はさらに、請求項7のプリアンブルに記載の、かかるロック解除装置を動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両に固定されたロアレールの上において長手方向に調整可能なアッパレールを有するシートフレームと、当該シートフレームに傾斜調整器を介して固定されたコンポーネントにおいて所定位置にロックされたバックレストとを含む車両シートを記載する。車両シートは、バックレストを前へと部分的折り畳み前方位置まで折り畳むことにより、かつ、当該シートフレームの前方向への、使用領域からイージーエントリー領域までの長手方向調整により、使用位置からイージーエントリー位置まで調整可能である。この場合に与えられるのは、バックレストが、その部分的折り畳み前方位置のためのラッチと、シートフレームに設けられたラッチ機構とを含むことである。ラッチ機構は、シートフレームの長手方向位置に応じて、リリース位置を採用する使用領域と、バックレストのラッチに留められてイージーエントリー領域から使用領域への後方へのシートフレームの調整によってのみ当該ラッチからリリース可能となるラッチ位置を採用する前方イージーエントリー領域とにおいて、自動調整可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許第10 2004 002 728(B3)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、イージーエントリー機能を備えた車両シート用の、先行技術に対して改善されたロック解除装置と、かかるロック解除装置を動作させる方法とを特定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置に関し、本目的は、請求項1に記載される特徴によって達成される。
【0006】
ロック解除装置を動作させる方法に関し、本目的は、請求項7に記載される特徴によって達成される。
【0007】
本発明の有利な進展が、従属項の主題を形成する。
【0008】
本発明によれば、イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置は、ブラケット状要素及び案内片を含む。案内片は、シートの長手方向調整のための少なくとも一つの締結手段を使用してレールシステムのロアレールに配列され、ブラケット状要素は、イージーエントリー機能用のリリースレバーに結合される。
【0009】
本発明に係るロック解除装置により、レールシステムを、バックレスト位置から独立してロック解除することができる。この場合、このロック解除システムは有利には、レールシステムの上に又は中に統合され、ロアレールに対するアッパレールの位置に依存する。
【0010】
かかるロック解除システムは、特に有利には、少数のコンポーネントを使用して実装することができる。
【0011】
案内片は好ましくは、数回折り返されてロアレールに部分的に対応する形状とされた打ち抜きシートメタル部品として構成される。かかるコンポーネントは、特に簡単かつコスト効率よく、具体的には大量生産により製造することができる。
【0012】
案内片は有利には、ロアレールの側表面から折り返されてその上に配列された少なくとも一つの案内部分を有する。
【0013】
特に好ましくは、案内部分の第1端は、丸まった構成にされる。これにより、車両使用者のけがのリスクが低減され、ブラケット状要素及び案内片間の固定係合の摩耗を最小限にすることができる。
【0014】
特に有利な実施形態において、ブラケット状要素は、少なくとも部分的にU字形状の断面を有する。ブラケット状要素の端には第1幅広部分が配列され、ブラケット状要素の中央領域には第2幅広部分が配列される。このようにして、必要な機能要素すべてを、一体に形成されたブラケット状要素に統合することができる。
【0015】
便宜上、制御モジュールが、第2幅広部分と、ブラケット状要素の、第1幅広部分から離れた方の端とに作用する。
【0016】
特に好ましくは、枢動軸として構成されたブラケット状要素の第1幅広部分にローラ要素が配列される。これにより、案内片の案内部分に沿ったブラケット状要素の動きが、最小限の摩擦で可能となる。
【0017】
特に有利な実施形態において、ブラケット状要素は、好ましくは丸まった又は半丸構成の凹部を上面に有し、当該凹部は、レールシステムのロック要素の従来型リリースレバーに対応するべく構成され、当該リリースレバーは、ブラケット状要素の凹部に、少なくとも部分的には物質接続により配列される。
【0018】
本発明によれば、ロック解除装置を動作させる方法において、イージーエントリー機能の動作中、レールシステムのロック解除は、作動ケーブルが制御モジュールに作用することによって行われる。作動ケーブルは、ブラケット状要素及び少なくとも一つのロック要素に作用する。ブラケット状要素は、当該ブラケット状要素の第1幅広部分がローラ要素とともに案内部分の下方に配列されるように枢動される。
【0019】
イージーエントリー機能の作動中、特に車両乗員のイージーエントリー位置への車両シートの結果的な長手方向移動中、ブラケット状要素、特にその第1幅広部分がローラ要素によって、案内片、特にその案内部分と形状嵌め及び/又は圧力嵌めを形成し、イージーエントリー機能のリリースレバーが、その関連復元ばねに抵抗し、車両シートのシートバックレストのバックレスト傾斜から独立してロック解除位置に保持される。ローラ要素を備えたブラケット状要素の第1幅広部分は、案内部分の下面のアンダーカットの態様で配列され、当該案内部分の下面に沿って動くことができる。
【0020】
本発明が、添付の模式的な図面を参照して詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】イージーエントリー機能がレールシステムのロック状態にある車両シート用のロック解除装置の模式的な斜視図を示す。
【
図2】イージーエントリー機能がレールシステムのロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置の模式的な斜視図を示す。
【
図3】車両乗員のイージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がレールシステムのロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置の模式的な斜視図を示す。
【
図4】イージーエントリー機能がレールシステムのロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置の模式的な前面図を示す。
【
図5】イージーエントリー機能を備えた車両シート用のレールシステムの模式的な斜視図を示す。
【
図6】イージーエントリー機能がロック状態にある車両シート用のレールシステムのレールの模式的な斜視図を示す。
【
図7】車両乗員のイージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステムのレールの模式的な斜視図を示す。
【
図8】車両乗員のイージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステムのレールの模式的な斜視図を示す。
【
図9】車両乗員のイージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステムのレールの模式的なさらなる斜視図を示す。
【
図10】イージーエントリー機能がレールシステムのロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置の模式的な前面図を示す。
【
図11】イージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステムのレールの模式的な斜視部分断面図を示す。
【
図12】イージーエントリー機能がロック状態にある車両シート用のレールシステムのレールの斜視部分断面図を示す。
【
図13】ロック解除装置のブラケット状要素の模式的な斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
互いに対応する部品は、すべての図面において同じ参照番号が与えられる。
【0023】
図1は、詳細には示さない車両シート用のロック解除装置1の模式的な斜視図を示す。イージーエントリー機能がレールシステム2のロック状態にある。
【0024】
かかるレールシステム2は、従来型レールシステムとして構成され、
図5に示されるように、車両内の両側にかつ車両シートに進行方向に配列されるのが好ましい2つの個々のレール18を含む。この場合、各レール18はロアレール3及びアッパレール4を含む。
【0025】
レールシステム2の動作位置において、アッパレール4は、少なくとも部分的にはロアレール3内で長手方向変位可能に配列される。
【0026】
従来型の態様では、ロック要素5はレールシステム2に配列され、当該ロック要素はロック状態においてロアレール3及びアッパレール4間の相対的な動きを防止し、ロック解除状態においてロアレール3及びアッパレール4間の長手方向の動きを許可する。
【0027】
ロアレール3は、図示しない従来型の態様で、対応締結部分6を使用して車両の車両フロアに締結され、好ましくは車両の長手方向に整合される。
【0028】
アッパレール4には、イージーエントリー機能を含む従来型車両シートが配列される。かかる車両シート又はそのシートバックレストは、車両後部の乗員の出入りを容易にするべく、進行方向前方に枢動軸まわりに枢動可能である。車両シートは、特に進行方向前方に、レールシステム2を使用して車両乗員のイージーエントリー位置へと変位可能である。
【0029】
本発明によれば、ロック解除装置1はレールシステム2に配列され、又はロック解除装置1はレールシステム2に統合される。
【0030】
ロック解除装置1を使用するとレールシステム2のロック解除が、車両シートのシートバックレストのバックレスト位置及び/又はバックレスト傾斜から独立して許可される。
【0031】
イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置1は、
図13に詳細が示される少なくとも一つのブラケット状要素7、案内片8及び制御モジュール1を含む。
【0032】
制御モジュール1は、イージーエントリー機能の従来型作動ケーブル22に対し、対応する形状の結合部分21を使用して結合される。
【0033】
案内片8は、シートの長手方向調整を目的として、例えばリベットのような対応締結手段を使用してレールシステム2のロアレール3に配列される。案内片8は好ましくは、数回折り返されてロアレール3に部分的に対応する形状とされた打ち抜きシートメタル部品として構成される。この場合、案内片8は、ロアレール3の側表面11から折り返されてロアレール3に配列された案内部分10を含む。
【0034】
案内部分10は好ましくは、第1端12が丸まった構成とされる。
【0035】
図13に詳細に示されるブラケット状要素7は、少なくとも部分的にU字形状の断面を有する。ブラケット状要素7の端には第1幅広部分14が配列され、ブラケット状要素7の中央領域には第2幅広部分15が配列される。
【0036】
この場合、第2幅広部分15は、制御モジュール1が少なくとも部分的に作用を及ぼす作動部分として構成される。
【0037】
ブラケット状要素7は、好ましくは丸まった又は半丸構成の凹部20を上面に有する。当該凹部は、レールシステム2のロック要素5の従来型リリースレバー13に対応するべく構成される。この場合、リリースレバー13は、物質接続、好ましくは溶接によってブラケット状要素7の凹部20に配列される。
【0038】
ローラ要素16が、枢動軸として構成された第1幅広部分14に配列される。
【0039】
ブラケット状要素7は、第1幅広部分14から離れた方の端17が、イージーエントリー機能の制御モジュール1に結合される。
【0040】
図6は、イージーエントリー機能がロック状態にある車両シート用のレールシステム2のレール18の模式的な斜視図を示す。ここで、リリースレバー13は未作動である。この場合、第1幅広部分14は、ローラ要素16とともに案内部分10の上方に配列される。
【0041】
図12は、イージーエントリー機能がロック要素5のロック状態にある車両シート用のレールシステム2のレール18の模式的な斜視部分断面図を示す。
【0042】
図2は、イージーエントリー機能がレールシステム2のロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置1の模式的な斜視図を示す。
【0043】
図7は、イージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステム2のレール18の模式的な斜視図を示す。
【0044】
イージーエントリー機能の動作中、シートバックレストは前方に枢動される。作動ケーブル22が制御モジュール19を作動させる。この作動は、ブラケット状要素7に作用かつ枢動を引き起こす制御モジュール19によって生じる。これにより、ブラケット状要素7に対し回転しないように結合されたリリースレバー13が枢動を行う。
【0045】
この枢動によりレールシステム2は、リリースレバー13が少なくとも一つのロック要素5に作用することによってロック解除される。この場合、ブラケット状要素7はリリースレバー13とともに枢動するので、第1幅広部分14がローラ要素16とともに案内部分10の下方に配列される。
【0046】
さらに、例えば従来型ラッチ板のようなロック要素5が、
図11に示されるようにレールシステム2がロック解除状態となるように作動される。
【0047】
図3は、前方に変位した車両乗員イージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がレールシステム2のロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置1の模式的な斜視図を示す。
【0048】
図8は、前方に変位した車両乗員のイージーエントリー位置においてイージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステム2のレール18の模式的な斜視図を示す。
【0049】
図9は、前方に変位した車両乗員のイージーエントリー位置におけるイージーエントリー機能がロック解除状態にある車両シート用のレールシステム2のレール18の、異なる視点からの模式的な斜視図を示す。
【0050】
イージーエントリー機能の作動中、特に車両乗員のイージーエントリー位置への車両シートの結果的な長手方向移動中、ブラケット状要素7、特にその第1幅広部分14がローラ要素16によって、案内片8、特にその案内部分10と少なくとも部分的に形状嵌め及び/又は圧力嵌め係合を形成し、当該イージーエントリー機能のリリースレバー13が、その関連復元ばね(図示せず)に抵抗してロック解除位置に保持される。この場合、ローラ要素16を備えた第1幅広部分14が、案内部分10の下面にアンダーカットの態様で配列されるのが好ましい。
【0051】
第1幅広部分14がローラ要素16とともに案内部分10の下面にアンダーカットの態様で配列されている間、レールシステム2は、車両シートのシートバックレストのバックレスト傾斜から独立してロック解除状態に保持される。
【0052】
この場合、第1幅広部分14は、ローラ要素16とともに案内部分10の下面に沿って動くことができる。さらに、ローラ要素16を備えた第1幅広部分14と案内部分10との間の圧力嵌め及び/又は形状嵌め接続により、ブラケット状要素7及びリリースレバー13の戻り枢動とレールシステム2の結果的なロックとが防止される。
【0053】
この場合、このロック解除システムは、ロアレール3に対するアッパレール4の位置に依存する。
【0054】
図4は、イージーエントリー機能がレールシステム2のロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置1の模式的な前面図を示す。
【0055】
図10は、イージーエントリー機能がレールシステム2のロック解除状態にある車両シート用のロック解除装置1の模式的なさらなる前面図を示す。
【符号の説明】
【0056】
1 ロック解除装置
2 レールシステム
3 ロアレール
4 アッパレール
5 ロック要素
6 締結部分
7 ブラケット状要素
8 案内片
9 締結手段
10 案内部分
11 側表面
12 第1端
13 リリースレバー
14 第1幅広部分
15 第2幅広部分
16 ローラ要素
17 端
18 レール
19 制御モジュール
20 凹部
21 結合部分
22 作動ケーブル
【手続補正書】
【提出日】2015年12月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イージーエントリー機能を備えた車両シート用のロック解除装置(1)であって、
ブラケット状要素(7)及び案内片(8)を含み、
前記案内片(8)は、前記シートの長手方向調整のためのレールシステム(2)のロアレール(3)に少なくとも一つの締結手段(9)を使用して配列され、
前記ブラケット状要素(7)は、前記イージーエントリー機能用のリリースレバー(13)に固定して結合されるロック解除装置(1)。
【請求項2】
前記案内片(8)は、数回折り返されて前記ロアレール(3)に部分的に対応する形状とされた打ち抜きシートメタル部品として構成される請求項1に記載のロック解除装置(1)。
【請求項3】
前記案内片(8)は、前記ロアレール(3)の側表面(11)から折り返されて前記ロアレール(3)に配列される少なくとも一つの案内部分(10)を有する請求項1又は2に記載のロック解除装置(1)。
【請求項4】
前記案内部分(10)の第1端(12)は丸まった構成とされる請求項3に記載のロック解除装置(1)。
【請求項5】
前記ブラケット状要素(7)は、少なくとも部分的にU字形状の断面を有し、
前記ブラケット状要素(7)の端には第1幅広部分(14)が配列され、
前記ブラケット状要素(7)の中央領域には第2幅広部分(15)が配列される請求項1に記載のロック解除装置(1)。
【請求項6】
前記制御モジュール(19)は、
前記第2幅広部分(15)と、
前記ブラケット状要素(7)の、前記第1幅広部分(14)から離れた方の端(17)と
に作用する請求項5に記載のロック解除装置(1)。
【請求項7】
前記ローラ要素(16)は、枢動軸として構成された前記ブラケット状要素(7)の第1幅広部分(14)に配列される請求項5に記載のロック解除装置(1)。
【請求項8】
前記ブラケット状要素(7)は、丸まった又は半丸構成の凹部(20)を上面に有し、
前記凹部は、前記レールシステム(2)のロック要素(5)の従来型リリースレバー(13)に対応するべく構成され、
前記リリースレバー(13)は、前記ブラケット状要素(7)の凹部(20)に、少なくとも部分的には物質接続により配列される請求項1、5、6又は7に記載のロック解除装置(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のロック解除装置(1)を動作させる方法であって、
イージーエントリー機能の動作中、レールシステム(2)のロック解除は、作動ケーブル(22)が制御モジュール(19)に作用することによって行われ、
前記作動ケーブル(22)はブラケット状要素(7)及び少なくとも一つのロック要素(5)に作用し、
前記ブラケット状要素(7)は、前記ブラケット状要素(7)の第1幅広部分(14)がローラ要素(16)とともに案内片(8)の案内部分(10)の下方に配列されるように枢動される方法。
【請求項10】
前記イージーエントリー機能の作動中、及び車両乗員のイージーエントリー位置への車両シートの結果的な長手方向移動中、前記第1幅広部分(14)が前記ローラ要素(16)によって、前記案内部分(10)と形状嵌め及び/又は圧力嵌め係合を形成し、
前記イージーエントリー機能のリリースレバー(13)が、その関連復元ばねに抵抗して前記車両シートのシートバックレストのバックレスト傾斜から独立してロック解除位置に保持され、
前記ローラ要素(16)を備えた前記第1幅広部分(14)は、前記案内部分(10)の下面のアンダーカットの態様で配列され、前記案内部分(10)の下面に沿って動くことができる請求項9に記載の方法。
【外国語明細書】