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特開2016-53118コークス炉炉蓋及びコークス炉炉蓋用ナイフエッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-53118(P2016-53118A)
(43)【公開日】2016年4月14日
(54)【発明の名称】コークス炉炉蓋及びコークス炉炉蓋用ナイフエッジ
(51)【国際特許分類】
   C10B 25/16 20060101AFI20160318BHJP
   C10B 25/24 20060101ALI20160318BHJP
【FI】
   C10B25/16
   C10B25/24 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-179662(P2014-179662)
(22)【出願日】2014年9月3日
(71)【出願人】
【識別番号】514223588
【氏名又は名称】株式会社クリーンシール
(74)【代理人】
【識別番号】100168930
【弁理士】
【氏名又は名称】大坪 勤
(72)【発明者】
【氏名】瓜生 博一
【テーマコード(参考)】
4H012
【Fターム(参考)】
4H012CA02
4H012CA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ナイフエッジの先端をシート面に柔軟に追従密着させることによって、ガスシール性を向上させるコークス炉炉蓋及びコークス炉炉蓋用ナイフエッジの提供。
【解決手段】コークス炉の炭化室の開口部に取付けられるコークス炉炉蓋であって、炉蓋本体に取付けられるシールプレートと、シールプレートの外周部に取付けられ、コークス炉の炉枠を押圧可能なナイフエッジ15と、ナイフエッジ15を押圧して炉枠に押し付ける複数のナイフエッジ押圧装置17と、を有し、ナイフエッジ15の背面に溝部15bが形成されたことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コークス炉の炭化室の開口部に取付けられるコークス炉炉蓋であって、
炉蓋本体に取付けられるシールプレートと、
前記シールプレートの外周部に取付けられ、前記コークス炉の炉枠を押圧可能なナイフエッジと、
前記ナイフエッジを押圧して前記炉枠に押し付ける複数のナイフエッジ押圧装置と、を有し、
前記ナイフエッジの背面に溝部が形成されたことを特徴とするコークス炉炉蓋。
【請求項2】
前記溝部は、前記ナイフエッジの背面において前記複数のナイフエッジ押圧装置の各々による挟持位置に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉炉蓋。
【請求項3】
前記ナイフエッジ押圧装置の先端とナイフエッジの背面との間に介在される横向片をさらに有し、
前記溝部は、前記ナイフエッジの背面において前記横向片の各々による挟持位置に複数形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコークス炉炉蓋。
【請求項4】
コークス炉の炭化室の開口部に取り付けられるコークス炉炉蓋用のナイフエッジであって、当該ナイフエッジの背面に溝部が形成されたことを特徴とするコークス炉炉蓋用ナイフエッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コークス炉において炭化室の開口部に設置されるコークス炉炉蓋及びコークス炉炉蓋用ナイフエッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コークス炉において、炭化室の窯口(以下、「開口部」ともいう。)にはコークス炉炉蓋(以下、単に「炉蓋」ともいう。)が設置されている(例えば、特許文献1参照)。この炉蓋が炭化室を外気から遮断し、炭化室への外気の流入を防ぐとともに、炭化室内で石炭乾留時に発生する硫黄・コールタール・ピッチ等を含む石炭由来のガスが外部に流出するのを防いでいる。
【0003】
図6は、従来のコークス炉炉蓋の全体を示す図である。図6(a)は従来のコークス炉炉蓋100の全体側面図であり、図6(b)は図6(a)を右方から見た図である。
【0004】
図6に示すように、従来の炉蓋100は、当該炉蓋100の外周に沿って配設されるナイフエッジ120と、当該炉蓋100の外周に沿って複数並設されるナイフエッジ押圧装置130とを備える。
【0005】
図7は、従来のコークス炉炉蓋のガスシール機構の一例を示す断面図である。図7では、図6(b)のB−Bにおける断面図を示している。なお、以下の説明においては、図6と同様の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0006】
図7に示すように炉蓋100は、シールプレート110、ナイフエッジ120、ナイフエッジ押圧装置130等を備え、炭化室300の開口部300Aに設置される。なお、ここでの開口部300Aは、炭化室300内で製造されるコークスの押出側又は排出側の開口部である。
【0007】
シールプレート110は、開口部300Aを外気から遮断し密閉するためのダイヤフラムである。ナイフエッジ120は、シールプレート110の外周部に溶接固定され、その刃先が炉枠400のシート面400aに押付けられてシールプレート110による密閉を確実にするためのものである。ナイフエッジ押圧装置130は、ナイフエッジ120を押圧して炉枠400のシート面400aに押し付ける例えばばね内蔵シリンダーである。
【0008】
このような炉蓋において、特許文献1には、炉蓋の上下域(図6(a)の上下域)からのガス漏れを防止すべく、ナイフエッジの上下域の前後方向幅(図6(a)の横方向幅)を小さくして前後方向に弯曲可能に形成し、ばね内蔵シリンダーによる押圧力を炉蓋側で十分支持することができるようにして上下域のナイフエッジを弯曲させ間隙を閉塞可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−77480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記特許文献1に開示されている技術によれば、炉蓋の上下域のナイフエッジがばね内蔵シリンダーの力によって反った炉枠に倣って弯曲し、炉枠のシート面に生じる間隙を閉塞し得て炉内ガスの漏出を防止し得る効果がある。
【0011】
しかしながら、永年経過により炉枠のシート面に熱影響で曲り変形が発生したり、ばね内蔵シリンダー間に炉枠のシート面の凹凸曲りが発生したりした場合(例えば、図4の炉枠40を参照)には、ナイフエッジの先端をシート面に追従密着させることができなかった。これは、ナイフエッジの剛性が高く、変形しにくいためである。
【0012】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、ナイフエッジの先端をシート面に柔軟に追従密着させることによって、ガスシール性を向上させるコークス炉炉蓋及びコークス炉炉蓋用ナイフエッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明に係るコークス炉炉蓋は、コークス炉の炭化室の開口部に取付けられるコークス炉炉蓋であって、炉蓋本体に取付けられるシールプレートと、前記シールプレートの外周部に取付けられ、前記コークス炉の炉枠を押圧可能なナイフエッジと、前記ナイフエッジを押圧して前記炉枠に押し付ける複数のナイフエッジ押圧装置と、を有し、前記ナイフエッジの背面に溝部が形成されたことを特徴とする。
【0014】
また上記の目的を達成するために、本発明に係るコークス炉炉蓋用ナイフエッジは、コークス炉の炭化室の開口部に取り付けられるコークス炉炉蓋用のナイフエッジであって、当該ナイフエッジの背面に溝部が形成されたことを特徴とする。
を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ナイフエッジの先端をシート面に柔軟に追従密着させることによって、ガスシール性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るコークス炉炉蓋の全体を示す図である。
図2】本実施形態に係るコークス炉炉蓋の一例を示す断面図である。
図3】本実施形態に係るナイフエッジ押圧装置下端部及びナイフエッジの一例を示す分解斜視図である。
図4】本実施形態に係るナイフエッジが炉蓋のシート面に追従密着する様子を説明する図である。
図5】本実施形態に係るナイフエッジ押圧装置下端部及びナイフエッジの他の例を示す分解斜視図である。
図6】従来のコークス炉炉蓋の全体を示す図である。
図7】従来のコークス炉炉蓋のガスシール機構の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係るコークス炉炉蓋の全体を示す図である。図1(a)は本実施形態に係るコークス炉炉蓋1の全体側面図であり、図1(b)は図1(a)を右方から見た図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る炉蓋1は、当該炉蓋1の外周に沿って配設されるナイフエッジ15と、当該炉蓋1の外周に沿って等間隔で複数並設されるナイフエッジ押圧装置17とを備える。
【0020】
図2は、本実施形態に係るコークス炉炉蓋の一例を示す断面図である。図2では、図1(b)のA−Aにおける断面図を示している。なお、以下の説明においては、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0021】
図2に示すように、本実施形態に係る炉蓋1は、炉蓋本体11、耐火物12、シールプレート13、スライドプレート14、ナイフエッジ(コークス炉炉蓋用ナイフエッジ)15、冷却空間16、ナイフエッジ押圧装置17、調整ネジ18、皿バネ19、炉蓋閂20等を有し、炭化室30の開口部30Aに設置される。なお、ここでの開口部30Aは、炭化室30内で製造されたコークスを押出側又は排出側の開口部分である。
【0022】
炉蓋1は、炭化室30の開口部30Aに取付けられる装脱式の蓋である。この炉蓋1は炭化室30を外気から遮断し、炭化室30内で発生した石炭由来のガスが外部に流出しないように密閉する。この炉蓋1は、炭化室30からコークスを取り出す際に脱着される。
【0023】
炉蓋本体11は、炉蓋1の本体部分であり、スライドプレート14を介して耐火物12やシールプレート13等が取付けられる鋳鉄製の剛性体フレームである。
【0024】
耐火物12は、炉蓋本体11に取付けられる耐熱煉瓦であり、炉蓋本体11を石炭乾留時の高熱から断熱保護する。併せて、炭化室30の内部温度を保持し、石炭乾留に要する熱量の低減に寄与する。
【0025】
シールプレート13は、スライドプレート14を介して炉蓋本体11に取付けられるダイヤフラムである。このシールプレート13と後述するナイフエッジ15とにより、炭化室30の開口部30Aは密閉される。このシールプレート13は柔軟に湾曲する部材、例えばSUSで形成される。これにより、炉枠40に曲りや前後方向の変位が生じた場合であっても、ナイフエッジ15が炉枠40のシート面40aに密着するようナイフエッジ押圧装置17でナイフエッジ15を追従させ、炭化室30の密閉性を確保することができる。なお、図1に示すシールプレート13は段差なしのフラットタイプであるが、このタイプに限定されるものではない。段差ありのプレスタイプであっても良い。
【0026】
ナイフエッジ15は、シールプレート13の外周部に溶接固定され、ナイフエッジ押圧装置17を介して炉蓋本体11に取付けられる。このナイフエッジ15の刃先は炉枠40のシート面40aを押圧可能であり、刃先が炉枠40のシート面40aに押付けられることによって、シールプレート13による炭化室30の密閉を確実なものにする。また、ナイフエッジ15は炉枠40のシート面40aに付着した異物をその刃先で切断する。このナイフエッジ15は、高張力鋼板(ハイテン鋼)、SUS、ジュコール鋼等で形成され、剛性が要求される。本実施形態に係るナイフエッジ15の詳細については図3図5を用いて後述する。
【0027】
冷却空間16は、シールプレート13の裏面と炉蓋本体11との間に設けられた空気冷却スペースである。この冷却空間16が設けられることによって、炭化室30の内部熱によって生じる炉蓋本体11の熱変形を防止することができる。
【0028】
ナイフエッジ押圧装置17は、ナイフエッジ15を押圧して炉枠40のシート面40aに押し付ける例えばバネ内蔵シリンダーである。このナイフエッジ押圧装置17は、ナイフエッジ15の圧接力を調整する。調整ネジ18は、炉蓋本体11と耐火物12、シールプレート13及びスライドプレート14との位置を調整するためのネジである。皿ばね19は、炭化室30内の石炭からの押圧(図中、W)、石炭のガス圧(図中、P)、ナイフエッジ15の押圧の反作用の力(図中、f)を足し合わせた力と釣り合う力(図中、F)を、炉蓋本体11から炭化室30側に付与する。
【0029】
炉蓋閂20は、炉側に設けられた専用のブラケット20Aに係合し、炉蓋1を炭化室30側に押付け支持するための固定バーである。
【0030】
炉枠40は、炭化室30側に形成される金型であって、ナイフエッジ15が当該炉枠40のシート面40aに押付けられることで炉蓋1とのシール部分を構成する。
【0031】
以上、本実施形態に係る炉蓋1の全体構成について説明を行ってきたが、本実施形態に係る炉蓋1では、後述するようにナイフエッジ15の背面に溝部を設けている。この溝部でナイフエッジ15を屈曲させることによって、永年経過により炉枠40のシート面40aに熱影響で曲り変形が発生したり、ナイフエッジ押圧装置17間にシート面40aの凹凸曲りが発生したりした場合であっても、ナイフエッジ15の刃先をシート面40aに柔軟に追従密着させ、ガスシール性を向上させることができる。
【0032】
[ナイフエッジの一例]
図3は、本実施形態に係るナイフエッジ押圧装置下端部及びナイフエッジの一例を示す分解斜視図である。図4は、本実施形態に係るナイフエッジが炉蓋のシート面に追従密着する様子を説明する図である。
【0033】
図3に示すように、ナイフエッジ15の背面15aにおいて、各ナイフエッジ押圧装置17の内側先端部17a及び外側先端部17bによって挟持される位置に切欠状の溝部(スリット)15bが形成される。図3に示す溝部15bは略U字状の溝であるが、他の形状例えば略四角状の溝であってもよいし、溝部15b毎に形状を異ならせても良い。このような溝部15bが、ナイフエッジ15の全周の背面15aにおいて、各ナイフエッジ押圧装置17の内側先端部17a及び外側先端部17bの直近位置に切削加工により形成される。溝部15bの深さはナイフエッジ15の高さの略30%〜60%であることが望ましいが、この深さに限定されるものではない。
【0034】
このような構成により、各ナイフエッジ押圧装置17の内側先端部17a及び外側先端部17bの間の溝部17cが、対応する溝部15bを包み込んだ状態でナイフエッジ15を挟持する。
【0035】
図4では、図3に示すナイフエッジ15を用いて、当該ナイフエッジ15の刃先を炉蓋40のシート面40aに追従密着させる様子を例示している。図4は炉蓋1の一部拡大側面図である。
【0036】
図4に示す炉枠40のシート面40aは、側面視凸凹に変形している。そこで、ナイフエッジ15の刃先をシート面40aに追従密着させるべく、各ナイフエッジ押圧装置17−1〜17−4による押圧量を制御する。
【0037】
そうすると、シート面40aの変形に倣ってナイフエッジ15の溝部15b−1は上方に向かって幅狭に変形し、溝部15b−2は上方に向かって幅広に変形する。また、溝部15b−3は溝部15b−1と同様に上方に向かって幅狭に変形し、溝部15b−4は左側のみが上方に向かって幅広に変形する。すなわちシート面40aの変形に追従密着するために、ナイフエッジ15は隣り合う溝部15bの間毎に谷折りや山折りに変形する。このように、ナイフエッジ15の各溝部15b−1〜15b−4の変形を利用することによって、ナイフエッジ15の刃先をシート面40aの凹凸に柔軟に追従密着させることができる。また隣り合う溝部間の曲がりが、更に隣の溝部間の形状に影響しないようにしている。
【0038】
以上説明してきた図4はあくまで一例であるが、本実施形態に係るナイフエッジ15によれば、ナイフエッジ15と炉枠40のシート面40aとの間に発生する炉枠40のシート面40aの凹凸曲りに応じて、ナイフエッジ15の背面15aに設けた溝部15bを変形させている。
【0039】
これにより、ナイフエッジ15の刃先をシート面40aに柔軟に追従密着させ、ガスシール性を向上させた炉蓋1及びナイフエッジ15を提供することができる。言い換えると、ナイフエッジ15の本来の機能である異物の押切やガスシールに必要なナイフ剛度は維持した状態で、炉枠40の変形に追従し、ガスシール性を向上させることができる。
【0040】
[ナイフエッジの他の例]
以上、図3及び図4を用いてナイフエッジ15の一例を説明してきた。ここでは、ナイフエッジ15の他の例を説明する。なお、以下に説明を行う他の例では、前述のナイフエッジ15及びナイフエッジ押圧装置17を、それぞれナイフエッジ25、ナイフエッジ押圧装置27に置き換えるものとする。
【0041】
図5は、本実施形態に係るナイフエッジ押圧装置下端部及びナイフエッジの他の例を示す分解斜視図である。
【0042】
ナイフエッジ25は、前述のナイフエッジ15の溝部15bよりも溝部25b間の間隔が狭い点がナイフエッジ15と相違する。ナイフエッジ押圧装置27は、先端の溝部27cの幅hが前述のナイフエッジ17の溝部17cの幅よりも広い点がナイフエッジ押圧装置27と相違する。
【0043】
図5に示すように、ナイフエッジ25の背面25aとナイフエッジ押圧装置27との間に横向片21を介在させる。そして、横向片21の中央部背面21aにナイフエッジ押圧装置27の内側先端部27a、外側先端部27b及び溝部27cを接触させて押圧することにより、ナイフエッジ25への押圧部分を増やす。なお、横向片21の中央部背面21aは、ナイフエッジ押圧装置27の横方向ずれを防止可能に凹んだ構造となっている。
【0044】
更に、図5に示すように、ナイフエッジ25の背面25aにおいて、各横向片21の横方向両端の内側先端部21b及び外側先端部21cによって挟持される位置に二つの切欠状の溝部25bが形成される。図5に示す溝部25bは略U字状の溝であるが、他の形状例えば略四角状の溝であってもよいし、溝部25b毎に形状を異ならせても良い。このような溝部25bは、ナイフエッジ25の全周の背面25aにおいて、各横向片21の内側先端部21b及び外側先端部21cの直近位置に切削加工により形成される。溝部25bの深さはナイフエッジ25の高さの略30%〜60%であることが望ましいが、この深さに限定されるものではない。
【0045】
このような構成により、各横向片21の内側先端部21b及び外側先端21cの間の溝部21dが、対応する二つの溝部25bを包み込んだ状態でナイフエッジ25を挟持する。
【0046】
このように横向片21を介してナイフエッジ押圧装置27とナイフエッジ25を接続することにより、ナイフエッジ25の背面25aに形成される溝部25bの個数を多くしている。そのため、前述したナイフエッジ15による効果に加え、シート面40aの凹凸小曲りの特に多い部位であっても、ナイフエッジ25の刃先をシート面40aに追従密着させることができる。
【0047】
なお、図5に示す例では、一つの横向片21に対して溝部25dを二つ形成しているが、一つの横向片21に対して形成される溝部25dの個数はこの場合に限定されるものではない。三つ以上であってもよい。また、ナイフエッジ押圧装置27とナイフエッジ25との間に一段の横向片21を介在させているが、この段数に限定されるものではない。二段以上の横向片21を介在させてもよい。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものであり、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0049】
1 炉蓋
13 シールプレート
15、25 ナイフエッジ
15a、25a 背面
15b、25b 溝部
17、27 ナイフエッジ押圧装置
21 横向片
30 炭化室
30a 開口部
40 炉枠
40a シート面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7