特開2016-54862(P2016-54862A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016054862-結ばずに形状を変化させ得る撚紐玩具 図000003
  • 特開2016054862-結ばずに形状を変化させ得る撚紐玩具 図000004
  • 特開2016054862-結ばずに形状を変化させ得る撚紐玩具 図000005
  • 特開2016054862-結ばずに形状を変化させ得る撚紐玩具 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-54862(P2016-54862A)
(43)【公開日】2016年4月21日
(54)【発明の名称】結ばずに形状を変化させ得る撚紐玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 9/00 20060101AFI20160328BHJP
   B44C 5/00 20060101ALI20160328BHJP
【FI】
   A63H9/00 G
   B44C5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-182782(P2014-182782)
(22)【出願日】2014年9月8日
(71)【出願人】
【識別番号】504090352
【氏名又は名称】笠尾 敦司
(72)【発明者】
【氏名】笠尾 敦司
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BC02
2C150CA01
2C150FB44
2C150FD06
(57)【要約】
【課題】 紐を全体もしくはその一部に用いた装飾や玩具において、紐を結ぶことなく、つまり結ぶための強い力と複雑な結びの知識を必要とすることなく紐の形状を変えることで装飾や玩具の形状を直感的に自分の好みに自在に変更する。
【解決手段】 装飾や玩具に用いられている紐のかわりに、複数の紐を撚り合わせて作られた撚紐を用いることで、撚紐を構成する各紐を同時に捻りながら引き出したり、ループを作ったりする事で容易に複雑な形態に変形させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある方向に撚った際に逆方向の復元力と柔軟性を有する紐を複数撚り合わせて作られた撚紐を部分もしくは全体に用いることで、撚紐を構成する各紐(ストランド)を同時に捻りながら引っ張る行為やループを作る行為を通じて利用者が容易かつ直感的に変形を自在に行うことを可能とした装飾及び玩具。
【請求項2】
請求項1記載の装飾及び玩具で利用する撚紐は使用中に撚が戻らないようにその両端をほつれ止め等で固定してあり、且つ、その撚紐を構成する各紐(ストランド)を同時に捻りながら引っ張り枝状の突起や輪を作るなどして変形させる際に、少ない力で変形可能にするため、4.0<1m当たりの撚り数×紐(ストランド)数×紐(ストランド)の直径<8.0の条件を満たす柔軟性のある素材で作られ、さらに、各紐(ストランド)は部分的に分離可能であることを特徴としている。
【請求項3】
請求項1記載の撚紐は途中一箇所以上に紐(ストランド)のずれを生じないように紐(ストランド)を相互に固定する結束具を備えていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,紐を用いた装飾や玩具の形状変更を容易にするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紐を用いた装飾や玩具としては細い紐を巻き付けて制作され市販されているブードゥー人形やそのストラップが良く知られているが、これらのように紐を巻き付けてあるだけであったり、単に紐で結束されているだけのものがある(特許文献1、非特許文献1参照)。
【0003】
また、少ないながら装飾や玩具の形態を利用者が変えるために、紐の部分を結んだり結び目を作ったりすることが前提とされている玩具(非特許文献2参照)が存在している。しかし、これらには結ぶという行為が必要であるため、結ぶ力の足りない人や児童や高齢者には利用し難く、そもそも結び方には様々な方法があり且つ複雑であり、必要な結び方を覚えてそれを実現するには困難が伴うため、玩具として遊ぶと言うよりは、結び方の教材としての趣を持つものになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−247153
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】田中年子 著「くらしを楽しむ四季の花結び」 淡交社 2005年
【非特許文献2】笠尾小枝子 笠尾敦司著「誰でも作れるロープのキャラクターむすびくんとその可能性」 日本デザイン学会 第 59回 春季研究発表大会発表予稿集, 日本デザイン学会 2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紐で作られた装飾や人形などの玩具においては,子供に限らず多くの人にとって、直感的に自分の望む形状を作り出すことに困難が伴った点である。
【0007】
本発明は紐を結ぶことなく、つまり結ぶための強い力と複雑な結びの知識を必要とすることなく紐を用いた装飾や玩具の形状を直感的に自分の好みに変化させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために,本発明においては,従来の玩具の紐の部分、もしくは装飾用の紐のかわりに、撚紐を用いる。その撚紐を構成する複数の紐(以下ストランドと呼ぶ)は部分的に相互に分離可能でかつ柔軟性を持ち、そのストランドで構成された撚紐の両端は何かしらの方法、例えば粘着テープや縫い糸などで撚が戻らないように固定されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明は,以上説明したように構成されているので,以下に記載されるような効果を奏する。撚紐の変形させたい部位のストランドを捻りながら引っ張ることで枝状の突起を作り出し、その突起をさらに変形させるなどして直感的な操作で且つ強い力を必要とすることなく人形の手や足を好きな長さで作りだしたり、装飾の模様をより複雑化させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の変形前の外形図である。
図2図2は本発明に用いられている撚紐から枝状の突起を引きだし人間の手足に見立て、本発明を人形らしい形にした様子を示した図である 。
図3図3は恐竜の形に変形した様子を示す図である。
図4図4はストランドに異なる色を着色した際の見え方を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1に示したのは人形を作るためストランド2本の場合であるが、もちろんストランドの数は3以上であっても同様の効果が得られる。
【0012】
人間だけでなく動物も手足が2本ずつの組になっており、ムカデなども沢山の足があるものもそれぞれの足は対になっているため2本のストランドからなる撚紐を用いることで容易に作ることができる。
【0013】
一方、樹木などは、幹や枝を組み紐で作ることを考えると、枝は色々な方向に伸びているので3本以上のストランドで作った撚紐を用いると作り易くなる。いずれにしても、最終的に作り出したい形態に合わせてストランドの数を適切に選択すれば、むりなく大きな力を必要とせず直感的に造形することができる。
【0014】
変形前の状態は本実施例では顔の下に撚紐が固定されている。また、撚紐の顔の反対側の端には撚紐がほつれないようにテープや縫い糸、金属の環などでほつれ止めが施されており、顔自体もほつれ止めとしての効果を有している。この例では、人形であるため片方の端は顔であるが、装飾紐であれば、両端にほつれ止めが付く。
【0015】
恐竜のような複雑な動物を作り出すためには1m程度の長い撚紐を用いることになる。この場合の具体的な数値は、木のボールで作った目1は直径1cm、紐を輪にすることで作った人形の顔2は直径1.5cm、体の部分3は直径6mmのクレモナ(登録商標)ロープ2本からなる撚紐であり、それぞれは金剛打ちで作られている。顔と反対側にはほつれ止め4として粘着テープが巻かれている。また、このように長い撚紐の場合は途中一箇所以上に紐やテープや金輪などによる結束具5を付けることが好ましい。
【0016】
金剛打ちのクレモナ(登録商標)ロープは手に入りやすく、適切な剛性と柔軟性を持っているため、人形の姿勢を保ちやすく且つ人形を変形しやすいが、もちろんこれに限る物ではなく、綿を素材とした三つ撚りの紐、ゴム製の撚紐など他の撚紐でもそれぞれの特徴を出した人形を作ることが可能である。
【0017】
ただし、撚り方としては、1m当たりの撚り数×ストランド数×紐の直径の値が4.0〜8.0の範囲になるように設定することが好ましく、本実施例では撚り数は1m当たり50としたので、1m当たりの撚り数×ストランド数×紐の直径の値は6.0となりこの範囲内に入っている。
【0018】
これに、同時にストランドを捻りながら引っ張り出したり、背中の突起をループで作ったりするなどしながら変形を加えることで図3のように恐竜のような形に変形させることができる。もちろん図3に限らず色々な動物を作り出すことができる。また、ストランドに異なる色を付けておくと、図4のように手や足の色を変えたり胴体を縞模様にしたりする色彩効果を得ることも可能となる。さらに、ストランドの数を増やすことで、樹木や草花も作れるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の 結ばずに形状を変化させ得る紐玩具は単なる玩具としてのみでなく、児童教育、高齢者の指先のリハビリ等、もしくは購入後個人で意匠を変えたい紐の装飾にも利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 木製の目玉
2 顔
3 撚紐で作られた胴体
4 ほつれ止め
5 結束具
図1
図2
図3
図4