(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-55144(P2016-55144A)
(43)【公開日】2016年4月21日
(54)【発明の名称】袖の留めボタン
(51)【国際特許分類】
A44B 99/00 20100101AFI20160328BHJP
A44B 5/00 20060101ALI20160328BHJP
【FI】
A44B99/00 601A
A44B5/00 610Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-203463(P2014-203463)
(22)【出願日】2014年9月11日
(71)【出願人】
【識別番号】594030786
【氏名又は名称】新山 秀一
(72)【発明者】
【氏名】新山 秀一
(57)【要約】
【課題】夏季において、長袖シャツに付いている袖のボタンを使わず、それに替わって付けることにより、緩やかに袖を留めて体温を逃がせると共に、ある程度きちんとした身なりを保て、腕まくりが容易に綺麗に保てることを可能にした、袖の留めボタンを提供する。
【解決手段】ウレタン樹脂などの軟質で弾性変形可能な材料で形成されたコイルスプリングの一端に装飾ボタンを設け、他端にはボタンに引っ掛ける掛けリングを設け、これを長袖シャツの袖のボタンホールとボタン間に引っ掛けることにより、袖が適宜な緩さと締めを保持することを特徴とする袖の留めボタンである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン樹脂などの軟質で弾性変形可能な材料で形成されたコイルスプリングの一端に装飾ボタンを設け、他端にはシャツのボタンに引っ掛ける掛けリングを設け、これを長袖シャツの袖のボタンホールとボタン間に掛け渡すことにより、袖が適宜な緩さと締めを保持することを特徴とする袖の留めボタン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
夏季において、長袖シャツに付いている袖のボタンを使わず、それに替わって付けることにより、緩やかに袖を留めて体温を逃がせると共に、ある程度きちんとした身なりを保て、腕まくりが容易にでき、綺麗に保てることを可能にした、袖の留めボタンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、長袖シャツにおいて袖を捲くる場合、一般的には袖ボタンを外して一〜二回折り曲げるが、これでは不完全なため下がってしまうため、上腕まで二〜三回折り曲げることが多いがこれでは面倒であるので、この解決法としてゴムバンドや、上腕部に取り付けて袖口をクランプする袖止め具があった。
また、この目的のためにボタンとボタン穴間に弾性変形可能な長尺な弾性帯を用いる装身具が創案されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2014−100439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、次のような問題があった。
(イ)急な水仕事などで袖を捲くらなければならない場合、適当に袖捲くりをするため、濡らしたり汚したりすることがある。
(ロ)夏季において、通常は半袖が一般的であるが、強い日光を防ぎたい場合や、冷房の効いた室内や乗り物などにおいては長袖にしたいことがよくあるが、その対策として特に女性は袖カバーを着用することが多いが、着脱の面倒や装着時のお洒落感に問題があった。
(ハ)特許文献1に記載の装身具はボタンとボタン穴間に弾性変形可能な長尺な弾性帯を用いるので、弾性力が強いため、袖捲くりがし難く、締め付け感が強く、快適に使用するには適さない。
本発明は以上の袖の問題点を解決しょうとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ウレタン樹脂などの軟質で弾性変形可能な材料で形成されたコイルスプリングの一端に装飾ボタンを設け、他端にはシャツのボタンに引っ掛ける掛けリングを設ける。
これをシャツのボタンホールとボタン間に掛け渡すことにより、袖が適度な緩さと閉め付けを保持するため、シャツの形状を崩さない。
以上を特徴とする袖の留めボタンである。
【発明の効果】
【0006】
本発明はこの様な構造のため次のような効果をもたらす。
(イ)コイルスプリングにより、開放口は手首を締め付けることが無く、暑い場合は軽く指を掛けることで開放口を広げて体温を逃がすことができる。
(ロ)急な水仕事などで袖を捲くらなければならない場合、本発明ボタンを装着していれば其のまま袖を引き上げれば、コイルスプリング力により下がってこないし、また、袖を必要な回数簡単に捲くり上げられ、折り状態をしっかり保持される。
(ハ)袖は夏季において、通常は半袖が一般的であるが、強い日光を防ぎたい場合や冷房の効いた室内や乗り物などにおいては長袖にしたいことがよくある。
また、クールビズが推奨されているが、このような場合も考慮して長袖シャツを着た場合、本発明ボタンを使用すれば袖捲くりが容易に出来、ボタンも様々なデザインが選べ、カフスボタンのような装飾品となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】 本発明をシャツの袖に取り付けた正面断面図
【
図5】 本発明の別形態の装飾ボタンをシャツの袖に取り付けた正面断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)コイルスプリング2の材質は金属や直線的なゴム系でも可能なのであるが、ウレタン樹脂などの柔らかい材質の方が伸び切れることが無く、また、金属アレルギーの心配もない。
(ロ)シャツのボタンに引っ掛ける掛けリング3は適度な細さと弾力性を持っており、ボタンへの着脱が容易である。
(ハ)
図1の形態の場合は、掛けリング3はシャツのボタンホールを潜らせてからシャツのボタンに掛ける。
(ニ)この形態ではコイルスプリング2はシャツのボタンホールを潜らせるため、この穴より細い径のコイルを使用するが、シャツの裏側に隠れるためコイルスプリング2が目立たない。
(ホ)
図3の形態の場合は、装飾ボタン1に連結具5によりシャツのボタンホールに適合する大きさの補助ボタン1aが結合してあり、この補助ボタン1aをシャツのボタンホールに掛けてから、掛けリング3をシャツのボタン7に掛ける。
(ヘ)この形態はカフスボタン構造と類似しているが、カフスボタンの場合はボタンホールに入れ易くするため、尖った先端が回転して固定させる方法を採っているが、肌に直接当たり危険であるため円形にしてある。
(ト)また、この形態ではコイルスプリング2aは太いためシャツの表に出るので、コイルの径が制限されず、目立たせる装飾品として使用できる。
(チ)なお、コイルスプリング2aはネジの形のため、ボタンホールの径より大きくても回転させることによりボタンホールを潜らせることができる。
(リ)袖に付けると、袖口は少し開いた状態になり体温を逃がすのであるが、コイルスプリング2により、袖口が大きくパタつくことがなく、だらしなさを防げる。
(ヌ)袖を捲り上げる場合、コイルスプリング2が大きく伸びて、容易に捲り上げられると共にコイルスプリング2の縮む力で巻き上げられた状態を保持する。
(ル)これは緩いゴムバンドを袖口に内蔵させていると同じ状態になので、何段でも捲くり上げることが出来、また、元に戻すことも容易なので、状況に応じて繰り返しこの行為を行っても面倒がないため、長袖シャツの利点を大いに活かすことが出来る。
本発明は以上のような構成である。
これを使用するときは、上記の装飾ボタン1において、補助ボタン1aの無い場合は、コイルスプリング2をボタンホールに潜らせてから、掛けリング3をシャツのボタンに掛ける。
装飾ボタン1において、補助ボタン1aのある場合は、補助ボタン1aをシャツのボタンホールに掛けてから掛けリング3をシャツのボタンに掛ける。
この結果、特に夏季において、袖口に適度な隙間を設けられることにより体温を逃がし、また、適度なスプリング力により袖口を緩い締めを保持出来るため、絞まりのなさを防げる。
また、袖の捲り上げ下ろしが自在に出来るため、部屋の内外で、袖の長さを目的に応じて速やかに調節できる。
【符号の説明】
【0009】
1 装飾ボタン
1a 補助ボタン
2 コイルスプリング
2a 異径コイルスプリング
3 掛けリング
4 ジョイント
5 連結具
6 袖
7 袖ボタン