【実施例1】
【0013】
本発明の包装機における包装方法を、
図1ないし
図8に示したそれを適用した包装機Pを用いて説明する。
この実施例の包装機Pは
図3に示すようにトラック方式の包装機であり、以下の15工程を経て包装袋a内に被包装物(ビスケット)を充填し施封して機外排出する装置である。
【0014】
具体的には、この実施例の包装機Pは、
図2または
図3に示すような18のステーションを有しており、これら18のステーションにおいて順次、以下の15工程が行われるように構成されている。すなわち、
図1に示すように、ステーション1および18において包装袋aを包装機Pに供給する給袋工程(1)、ステーション2においてグリップgにより包装袋aが掴まれているか否かを確認する掴み確認工程(2)、ステーション3においてグリップgによる包装袋aの把持状態を確認した後、把持状態が良好である場合は包装袋aに賞味期限等の印字を行う印字工程(3)、ステーション4において印字の有無を確認する印字検査工程(4)、ステーション5において印字されなかった包装袋aを機外に排出する空袋排出工程(5)、ステーション6においてグリップgに垂直姿勢で保持された包装袋aを水平姿勢に反転させる水平反転工程(6)、ステーション8において包装袋aを膨らませる底膨らまし工程(7)、ステーション9および10において包装袋a内に被包装物を充填して押し込む充填・押込工程(8)、ステーション11において包装袋a内に被包装物が充填されたか否かを確認する充填有無確認工程(9)、ステーション12において包装袋aの袋口を折り込むガゼット折込工程(10)、ステーション13において折り込んだ袋口付近をシールするトップシール工程(11)、ステーション14においてトップシールの良否を検査するシール検査工程(12)、ステーション15において被包装物が包装された包装袋aのうち良品を機外に排出する良品取出(包装品の機外排出工程)(13)、ステーション16においてグリップgを反転させる垂直反転工程(14)、ステーション17において被包装物が包装された包装袋aのうち不良品を機外に排出する不良品排出工程(15)の計15工程を順次行なわれる。
【0015】
なお、この実施例はトラック方式の包装機であるが、本発明の包装機における包装方法は、複数のグリップを放射状に配したターンテーブルの間欠回転によるロータリー方式の包装機や直線移動方式の包装機に適用することも可能である。
【0016】
そして、本発明の包装機における包装方法は、包装袋aの両側上部付近をそれぞれ把持するグリップgを間欠移動させて被包装物の各種包装工程を行う包装機における包装方法であって、少なくとも包装袋a内への被包装物の充填工程から包装品の機外排出工程まで、包装袋aが水平姿勢を保持された状態で行われることを特徴とするものであり、この実施例の包装機Pでは、ステーション8において行われる包装袋aを膨らませる底膨らまし工程(7)から、ステーション9および10において行われる包装袋a内に被包装物を充填して押し込む充填・押込工程(8)、ステーション11において行われる包装袋a内に被包装物が充填されたか否かを確認する充填有無確認工程(9)、ステーション12において行われる包装袋aの袋口を折り込むガゼット折込工程(10)、ステーション13において行われる折り込んだ袋口付近をシールするトップシール工程(11)、ステーション14において行われるトップシールの良否を検査するシール検査工程(12)、ステーション15において行われる被包装物が包装された包装袋aのうち良品を機外に排出する良品取出(包装品の機外排出工程)(13)まで、包装袋aが水平姿勢を保持された状態で行われる。
【0017】
このため、少なくとも被包装物が包装袋a内に存在する間は水平姿勢を保持された状態で各種工程が行われ、被包装物が落下する機会がないため、被包装物へのダメージがなく、被包装物が包装袋内に入らず詰まることもなく、さらに落下距離や落下時間等により包装機の処理能力が制限を受けることもなく高質な包装を行うことができる。
【0018】
なお、この実施例の包装機Pにおける包装方法では、包装袋aの底膨らまし工程から包装品の機外排出工程までが、包装袋aが水平姿勢を保持された状態で行われるが、すべての工程が、包装袋aが水平姿勢を保持された状態で行われるものも本発明の範疇に包含される。
【0019】
この包装機Pは、
図2に示すように、トラック(二つの直線部とその両端の半円形部からなる環状通路)20に沿って水平移動するグリップgが、18のステーション毎に2対ずつ揃って間欠移動するように構成されており、その間に上記15工程がそれぞれ直線部分で行われるように構成された包装機である。以下、15工程について順次詳述する。
【0020】
給袋工程(1)は、ステーション1または18において順次間欠移動してくるグリップgに包装袋aに供給する工程であり、
図2に示すように、ステーション1に配置された給袋装置30Aとステーション18に配置された給袋装置30Bの供給台上に積み重ねられた包装袋aを上方から一枚ずつ分離して、袋口を上にして垂直姿勢で吊り下げた状態で順次間欠移動してくるグリップgに供給することにより行われる。
【0021】
掴み確認工程(2)は、ステーション2においてグリップgにより包装袋aが掴まれているか否かを確認する工程であり、センサ(図示しない)によりグリップgによる包装袋aの把持の有無が検出されることにより行われる。
【0022】
印字工程(3)は、ステーション3において包装袋aに賞味期限等の印字を行う工程であり、グリップgによる包装袋aの把持状態をセンサ(図示しない)により確認した後、把持状態が良好である場合のみ、
図1または
図2に示したサーマルプリンタ50によって包装袋aに賞味期限等が印字されることにより行われる。
【0023】
印字検査工程(4)は、ステーション4において印字の有無や文字欠け等印刷不良を確認する工程であり、上記印字工程(3)で印刷がなされたか否か、または文字欠け等印刷不良の有無を
図1または
図3に示したカメラ70により画像検出して行われる。
【0024】
空袋排出工程(5)は、ステーション5において印字されなかった包装袋aや文字欠け等印刷不良の包装袋aを機外に排出する工程であり、上記印字検査工程(4)で印刷がされなかった、または文字欠け等印刷不良が生じている包装袋aのグリップgによる把持を解除して、
図1または
図3に示すように排出口71より機外排出することにより行われる。
【0025】
水平反転工程(6)は、ステーション6においてグリップgに垂直姿勢で保持された包装袋aを、
図1または
図3に示すように水平姿勢に反転させる工程であり、包装袋支持角度可変装置(図示しない)により、グリップgを90°回転することにより行われる。
【0026】
底膨らまし工程(7)は、ステーション8において包装袋aの底部を膨らませる工程であり、
図1に示すように、エアー吹込みノズル72を包装袋aの袋口から挿入してエアー(空気)を注入することにより行われる。これにより、包装袋aの底部を膨らませて、その後の工程で行われる被包装物の充填をよりスムーズなものとすることができる。なお、被包装物の種類によってはエアー(空気)に換えて不活性ガスが注入される。
【0027】
充填・押込工程(8)は、ステーション9および10において包装袋a内に被包装物を充填して押し込む工程であり、この工程では、まず、
図2に示すように、搬送コンベア73によってステーション8に順次搬送される被包装物kが、搬送コンベア73の先端部位において搬送コンベア73に直交する方向(トラック20の進行方向)に延在するよう設けられた第2搬送コンベア74によってステーション9へ間欠搬送される。ステーション9に搬送された被包装物kの前方側には、
図4(a)に示すように、四方開放可能なヘラ75が設けられており、ステーション9に搬送された被包装物kの後方側には往復動可能に設けられた第1押し込み棒76が設けられている。
【0028】
他方、グリップgは包装袋aの袋口を四方に向かって開口可能な四方開口機構80を有している。四方開口機構80は、
図6または
図8に示すように、包装袋(ガゼット袋)aの一端側上部を挟持する第1挟持対81a,81bと、一端側下部を挟持する第2挟持対82a,82bと、他端側上部を挟持する第3挟持対83a,83bと、他端側下部を挟持する第4挟持対84a,84bを有している。これら4対の挟持対、計8本の挟持対81a,81b,82a,82b,83a,83b,84a,84bがそれぞれ往復動手段(図示しない)により単独で往復動可能に構成されており、包装袋(ガゼット袋)aの把持、把持解除または袋口の四方開口が可能に構成されている。
【0029】
具体的には、包装袋(ガゼット袋)aを把持する場合は、
図5または
図6に示すように、第1挟持対81a,81b、第2挟持対82a,82b、第3挟持対83a,83bおよび第4挟持対84a,84bの各対同士をそれぞれ接近させて包装袋(ガゼット袋)aの袋口付近の四方端部をそれぞれ挟持して把持する。
【0030】
逆に、包装袋(ガゼット袋)aの把持を解除する場合は、第1挟持対81a,81b、第2挟持対82a,82b、第3挟持対83a,83bおよび第4挟持対84a,84bの各対同士をそれぞれ離間させて袋口付近の四方端部における挟持を解除すれば、グリップgから包装袋aが外れるように構成されている。
【0031】
さらに、包装袋(ガゼット袋)aの袋口を四方開口する場合は、
図7または
図8に示すように、第1挟持対81a,81b、第2挟持対82a,82b、第3挟持対83a,83bおよび第4挟持対84a,84bの各対同士をそれぞれ接近させて包装袋(ガゼット袋)aの袋口付近の四方端部をそれぞれ挟持して把持した状態で、相対的に、第1挟持対81a,81bと第2挟持対82a,82bとの間と、第3挟持対83a,83bと第4挟持対84a,84bとの間を離間させることにより袋口を四方開口することができる。なお、この実施例では、ステーション8,9における充填・押込工程(8)の間は、グリップgは袋口を四方開口状態で把持するように四方開口機構80が制御されている。
【0032】
そして、包装袋aが四方開口した状態で、
図4(b)に示すように、第1押し込み棒76により被包装物kを前方側に押し込むと、閉じていたヘラ75が包装袋aの袋口内で四方に開口して袋口の内側におけるガイドとして機能し、被包装物kが包装袋a内にスムーズに挿入される。
【0033】
さらに、上記状態でグリップgがステーション10に間欠移動すると、包装袋aの後方側には
図4(c)に示すように、往復動可能に設けられた第2押し込み棒77が配されており、
図4(d)に示すように、この第2押し込み棒77が包装袋a内の被包装物kを奥まで押し込むことにより、包装袋a内への被包装物kの充填が完了するように構成されている。
【0034】
充填有無確認工程(9)は、ステーション11において包装袋a内に被包装物が充填されたか否かを確認する工程であり、
図1に示すように包装袋aの上面側から充填有無確認用部材78を当接させることにより行われる。
【0035】
ガゼット折込工程(10)は、ステーション12において包装袋aの袋口を折り込む工程であり、包装袋aの袋口付近を
図1に示すように折り曲げ用部材79により幅方向に沿って180°折り曲げることにより行われる。
【0036】
トップシール工程(11)は、ステーション13において折り込んだ袋口付近をシールする工程であり、袋口付近が折り曲げられた包装袋aのトップ付近をシール装置90により幅方向に沿ってシールすることにより行われる。
【0037】
シール検査工程(12)は、ステーション14においてトップシールの良否を検査する工程であり、
図1に示すようにセンサ91によりトップシールの良否を検出して行われる。
【0038】
包装品の機外排出工程(13)は、ステーション15において被包装物が包装された包装袋aのうち良品を機外に排出する工程であり、充填有無確認工程(9)およびシール検査工程(12)を経て良品とされた包装袋aは、水平姿勢が保持されたままでグリップgにより把持が解除されると共に、
図1また
図3に示すように水平姿勢のままで機外搬出用コンベア92を介して機外に搬送される。
【0039】
このように、本発明の包装機Pでは、底膨らまし工程(7)、充填・押込工程(8)、充填有無確認工程(9)、ガゼット折込工程(10)、トップシール工程(11)、シール検査工程(12)および包装品の機外排出工程(13)を、包装袋aが水平姿勢を保持された状態で行なうため、少なくとも被包装物が包装袋a内に存在する間は水平姿勢が保持された状態で行われ、被包装物が落下する機会がないため、被包装物へのダメージがなく、被包装物が包装袋内に入らず詰まることもなく、さらに落下距離や落下時間等により包装機の処理能力が制限を受けることもなく高質な包装を行うことができる。
【0040】
さらに、この実施例の包装機における包装方法では、垂直反転工程(14)と不良品排出工程(15)が行われる。垂直反転工程(14)は、ステーション16においてグリップgを反転させる工程であり、包装袋支持角度可変装置(図示しない)により、グリップgを90°回転(水平反転工程(6)とは逆回りに回転)させることにより行われる。これにより、給袋工程(1)または(18)においてグリップgにより包装袋aを垂直姿勢で保持可能とすることができるよう構成されている。
【0041】
不良品排出工程(15)は、ステーション17において被包装物が包装された包装袋aのうち不良品を機外に排出する工程であり、上記充填有無確認工程(9)およびシール検査工程(12)を経て不良品とされた包装袋aのグリップgによる把持を解除して不良品排出口93より機外に排出することにより行われる。
【0042】
本発明の包装機Pでは、以上の15工程が18の各ステーションで繰り返し行われることで、被包装物の包装品が効率的かつ被包装物がダメージを受けることなく大量生産することができる。