【課題】磁場発生源の近傍に磁気センサを設置し、その磁気センサの出力に基づいて映像表示を行った場合に、観察者は、磁場発生源の近傍に、どのような磁界が発生しているのか、映像表示面を見ただけでは、直観的に把握することが難しい。
【解決手段】本発明の一形態に係る磁気検出装置は、表面に実装面を有し、裏面に投影面を有する回路基板と、実装面上に実装された複数の磁気検出素子と、各磁気検出素子の検出信号を処理する情報処理部とを備えている。これにより、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板を配置して、映像を回路基板の裏面へ投影することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記装置では、表示装置が磁場発生源から遠く離れている。そのため、観察者は、磁場発生源の近傍に、どのような磁界が発生しているのか、表示装置の画面を見ただけでは、直観的に把握することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することの可能な磁気検出装置および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の磁気検出装置は、表面に実装面を有し、裏面に投影面を有する回路基板と、実装面上に実装された複数の磁気検出素子と、各磁気検出素子の検出信号を処理する情報処理部とを備えている。
【0007】
本発明の磁気検出装置では、回路基板の裏面が投影面となっている。これにより、情報処理部等で検出信号を処理した結果得られる映像信号に基づく映像を投影装置により回路基板の裏面に投影することができる。
【0008】
本発明の第1の表示装置は、表面に実装面を有し、裏面に投影面を有する回路基板と、実装面上に実装された複数の磁気検出素子と、各磁気検出素子の検出信号を処理することにより、映像信号を生成する情報処理部とを備えている。この第1の表示装置は、さらに、映像信号に基づいて映像を投影面に投影する投影装置を備えている。
【0009】
本発明の第1の表示装置では、回路基板の裏面が投影面となっている。これにより、映像信号に基づく映像を投影装置により回路基板の裏面に投影することができる。
【0010】
本発明の第2の表示装置は、表面に実装面を有する回路基板と、実装面上に実装された複数の磁気検出素子と、各磁気検出素子の検出信号を処理することにより、映像信号を生成する情報処理部とを備えている。この第2の表示装置は、さらに、ユーザの眼球と回路基板の裏面との間に設けられる光透過性基板と、映像信号に基づいて映像を、光透過性基板の表面であって、かつユーザが回路基板の裏面を視認し得る領域に投影する投影装置とを備えている。
【0011】
本発明の第2の表示装置では、ユーザの眼球と回路基板の裏面との間に設けられる光透過性基板の表面が投影面となっている。これにより、映像信号に基づく映像を投影装置により光透過性基板の表面に投影することができる。
【0012】
本発明の第3の表示装置は、表面に実装面を有する回路基板と、実装面上に実装された複数の磁気検出素子と、各磁気検出素子の検出信号を処理することにより、映像信号を生成する情報処理部とを備えている。この第3の表示装置は、さらに、回路基板の裏面と対向する位置に設けられ、映像信号に基づいて映像を表示する表示パネルと、回路基板の裏面と表示パネルとの間に設けられた磁気シールドとを備えている。
【0013】
本発明の第3の表示装置では、回路基板の裏面と対向する位置に表示パネルが設けられている。これにより、映像信号に基づく映像を表示パネルに表示することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の磁気検出装置によれば、情報処理部等で検出信号を処理した結果得られる映像信号に基づく映像を投影装置により回路基板の裏面へ投影することができるようにしたので、回路基板の近傍の磁界の状態や変化を、回路基板の裏面に映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板を配置して、映像を回路基板の裏面に投影することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0015】
本発明の第1の表示装置によれば、映像信号に基づく映像を投影装置により回路基板の裏面へ投影することができるようにしたので、回路基板の近傍の磁界の状態や変化を、回路基板の裏面に映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板を配置して、映像を回路基板の裏面に投影することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0016】
本発明の第2の表示装置によれば、映像信号に基づく映像を投影装置により光透過性基板の表面に投影することができるようにしたので、回路基板の近傍の磁界の状態や変化を、光透過性基板の表面に映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板を配置して、光透過性基板の表面に映し出した映像越しに、回路基板の裏面を視認することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0017】
本発明の第3の表示装置によれば、映像信号に基づく映像を、回路基板の裏面と対向する位置に設けた表示パネルに表示することができるようにしたので、回路基板の近傍の磁界の状態や変化を、表示パネルに映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板を配置して、映像を表示パネルに表示することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
回路基板の裏面が投影面となっている例
2.第2の実施の形態
光透過性基板の表面が投影面となっている例
3.第3の実施の形態
回路基板の裏面に表示パネルが設けられている例
【0020】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
本発明の第1の実施の形態の表示装置1について説明する。
図1は、表示装置1の概略構成の一例を表したものである。表示装置1は、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を計測し、表示するものである。磁場発生源としては、例えば、溶接ロボットシステムにおける溶接電極、ワイヤレス給電装置、IH(Induction Heating)インバータ、変圧器などが挙げられる。
【0021】
表示装置1は、磁気検出装置10と、信号処理部20と、投影装置30とを備えている。表示装置1は、さらに、磁気検出装置10および信号処理部20を互いに接続するケーブルC1と、信号処理部20および投影装置30を互いに接続するケーブルC2とを備えている。磁気検出装置10と信号処理部20との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC1が省略され得る。信号処理部20と投影装置30との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC2が省略され得る。
【0022】
磁気検出装置10は、回路基板11と、複数の磁気検出素子12と、データ送信部13と、磁気シールド層14とを有している。なお、データ送信部13、または、データ送信部13および信号処理部20からなる装置が、本発明の「情報処理部」の一具体例に相当する。回路基板11は、例えば、樹脂基板を含んで構成されている。回路基板11は、表面に、複数の磁気検出素子12の実装面S1を有しており、裏面に、投影面S2を有している。複数の磁気検出素子12は、回路基板11の実装面S1に実装されている。回路基板11は、実装面S1に、磁気検出素子12ごとに1つずつもしくは複数個ずつ割り当てられた複数の電極パッド(図示せず)を有している。回路基板11は、実装面S1に、または、回路基板11の内部に、各電極パッドとデータ送信部13とを互いに接続する複数の配線(図示せず)を有している。回路基板11は、各磁気検出素子12と、上記配線との間の層内に、上記配線で発生する磁界の実装面S1側への漏えいを抑制する磁気シールド層(図示せず)を有していてもよい。
【0023】
投影面S2は、投影装置30からの投影光30Aを投影する面である。投影面S2は、後述の映像信号20Aに基づく投影光30Aが投影面S2に投影されたときに投影面S2に生成される映像が、観察者が視認できる程度のコントラストを有するように構成されている。投影面S2は、例えば、散乱性反射面となっている。投影面S2は、例えば、散乱性反射膜によって構成されていてもよい。散乱性反射面や散乱性反射膜の表面の色は、例えば、白色となっている。
【0024】
複数の磁気検出素子12は、実装面S1近傍の磁界を検出し、検出した磁界の大きさに応じた検出信号を出力するようになっている。データ送信部13は、各磁気検出素子12の検出信号に基づいて生成された計測信号13Aを信号処理部20に送信するようになっている。データ送信部13は、例えば、実装面S1に実装されている。磁気シールド層14は、データ送信部13を覆っており、データ送信部13で発生した磁界の外部への漏えいを低減するようになっている。磁気シールド層14は、例えば、軟磁性材料によって構成されている。磁気シールド層14は、必要に応じて、省略され得る。
【0025】
信号処理部20は、データ送信部13からの計測信号13Aを処理することにより、映像信号20Aを生成するようになっている。映像信号20Aは、投影面S2への映像を生成するものである。映像信号20Aによって生成される映像としては、例えば、磁気ベクトル、磁力線もしくは磁力密度分布など、磁界を表現する様々なものが含まれ得る。
【0026】
投影装置30は、映像信号20Aに基づいて映像を投影面S2に投影するものである。投影装置30は、具体的には、映像信号20Aに基づいて投影光30Aを生成し、生成した投影光30Aを投影面S2に向けて放射して、投影光30Aを投影面S2で反射・散乱させることにより、投影光30Aに対応する映像を投影面S2に投影するものである。信号処理部20および投影装置30は、磁気検出装置10とは別体で設けられており、磁気検出装置10とは所定の間隙を隔てて配置されている。
【0027】
[効果]
次に、表示装置1の効果について説明する。
【0028】
表示装置1では、回路基板11の裏面が投影面S2となっている。これにより、映像信号20Aに基づく映像を投影装置30により回路基板11の裏面に投影することができる。これにより、回路基板11の近傍の磁界の状態や変化を、回路基板11の裏面に映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板11を配置して、映像を回路基板11の裏面に投影することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0029】
また、表示装置1では、信号処理部20および投影装置30が回路基板11から離れて配置されている。これにより、信号処理部20および投影装置30から発生する磁気の影響が磁気検出素子12に及ぶのを低減することができる。これにより、正確に磁界を計測することができる。
【0030】
また、表示装置1において、磁気シールド層14が設けられたり、さらに、各磁気検出素子12と、上記配線との間の層内に磁気シールド層が設けられたりする場合には、データ送信部13や、上記配線から発生する磁気が実装面S1側に漏れるのを低減することができる。これにより、より正確に磁界を計測することができる。
【0031】
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態の表示装置2について説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記の実施の形態と同一の符号が付されている。そこで、以下では、上記の実施の形態と異なる構成要素について主に説明し、上記の実施の形態と共通の構成要素についての説明は、適宜、省略するものとする。
【0032】
[構成]
図2は、表示装置2の概略構成の一例を表したものである。表示装置2は、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を計測し、表示するものである。表示装置2は、磁気検出装置10と、信号処理部20と、ウエアラブルディスプレイ40とを備えている。表示装置2は、さらに、ケーブルC1と、信号処理部20およびウエアラブルディスプレイ40を互いに接続するケーブルC3とを備えている。磁気検出装置10と信号処理部20との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC1が省略され得る。信号処理部20とウエアラブルディスプレイ40との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC3が省略され得る。
【0033】
回路基板11は、表面に実装面S1を有しており、裏面に間接投影面S3を有している。間接投影面S3は、例えば、投影面S2と同一の構成となっているが、投影光が直接、投影される面ではない。間接投影面S3は、例えば、散乱性反射面となっている。間接投影面S3は、例えば、散乱性反射膜によって構成されていてもよい。間接投影面S3は、仮に、投影光が間接投影面S3に投影されたときに間接投影面S3に生成される映像が、観察者(ユーザ100)が視認できる程度のコントラストを有するように構成されている。間接投影面S3は、例えば、白色の散乱性反射面となっている。間接投影面S3は、例えば、白色の散乱性反射膜によって構成されていてもよい。
【0034】
ウエアラブルディスプレイ40は、一対の光透過性基板41と、投影装置42と、一対の光透過性基板41および投影装置42を支持する枠体43とを有している。投影装置42は、一方の光透過性基板41に割り当てられている。ウエアラブルディスプレイ40は、必要に応じて、他方の光透過性基板41に割り当てられた投影装置42をさらに有していてもよい。
【0035】
ウエアラブルディスプレイ40は、眼鏡をかける要領でユーザ100の頭部に装着されるものである。ウエアラブルディスプレイ40は、眼鏡をかける要領でユーザ100の頭部に装着されたときに、ユーザ100の各眼球110の前に、光透過性基板41が1つずつ配置される。つまり、ウエアラブルディスプレイ40の使用時には、各光透過性基板41は、ユーザ100の眼球110と回路基板11の裏面との間に設けられる。光透過性基板41は、可視光を透過する性質を有する基板で構成されており、例えば、透明樹脂基板、または、透明ガラス基板で構成されている。一対の光透過性基板41のうち、投影装置42が割り当てられている方の光透過性基板41において、眼球110寄りの表面が、投影面S4となっている。
【0036】
投影面S4は、投影装置42からの投影光42Aを投影する面である。投影面S4は、例えば、ハーフミラーまたはホログラフィック光学素子で構成されており、投影光42Aを反射するとともに、間接投影面S3からの反射光を透過する性質を有している。ハーフミラーは、例えば、光学多層膜で構成されている。ホログラフィック光学素子は、例えば、光透過性基板41の表面に形成された微細な凹凸で構成されている。なお、磁場発生源が、例えば、溶接ロボットシステムの溶接電極である場合、溶接時には、アーク光が発生する。そのため、アーク光から各眼球110を保護するために、各光透過性基板41が、アーク光を減衰させるフィルタ機能を有していてもよい。
【0037】
投影装置42は、映像信号20Aに基づいて映像を投影面S4に投影するものである。具体的には、投影装置42は、光透過性基板41の表面であって、かつユーザ100が回路基板11の裏面(特に間接投影面S3)を視認し得る領域に投影するようになっている。投影装置42は、具体的には、映像信号20Aに基づいて投影光42Aを生成し、生成した投影光42Aを投影面S4に向けて放射して、投影光42Aを投影面S4で反射させることにより、投影光42Aに対応する映像を投影面S4に投影するものである。信号処理部20および投影装置42は、磁気検出装置10とは別体で設けられており、磁気検出装置10とは所定の間隙を隔てて配置されている。
【0038】
[効果]
次に、表示装置2の効果について説明する。
【0039】
表示装置2では、ユーザ100の眼球110と回路基板11の裏面との間に設けられる光透過性基板41の表面が投影面S4となっている。これにより、映像信号20Aに基づく映像を投影装置42により光透過性基板41の表面に投影することができる。これにより、回路基板11の近傍の磁界の状態や変化を、光透過性基板41の表面に映し出すことができる。従って、ユーザ100は、磁場発生源の近傍に回路基板11を配置して、光透過性基板41の表面に映し出した映像越しに、回路基板11の裏面を視認することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0040】
また、表示装置2では、信号処理部20および投影装置42が回路基板11から離れて配置されている。これにより、信号処理部20および投影装置42から発生する磁気の影響が磁気検出素子12に及ぶのを低減することができる。これにより、正確に磁界を計測することができる。
【0041】
また、表示装置2において、磁気シールド層14が設けられたり、さらに、各磁気検出素子12と、上記配線との間の層内に磁気シールド層が設けられたりする場合には、データ送信部13や、上記配線から発生する磁気が実装面S1側に漏れるのを低減することができる。これにより、より正確に磁界を計測することができる。
【0042】
また、表示装置2において、各光透過性基板41が、アーク光を減衰させるフィルタ機能を有している場合には、ユーザ100は、アーク光から各眼球110を保護しながら、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を観察することができる。
【0043】
<3.第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態の表示装置3について説明する。なお、以下では、上記の実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記の実施の形態と同一の符号が付されている。そこで、以下では、上記の実施の形態と異なる構成要素について主に説明し、上記の実施の形態と共通の構成要素についての説明は、適宜、省略するものとする。
【0044】
[構成]
図3は、表示装置3の概略構成の一例を表したものである。表示装置3は、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を計測し、表示するものである。表示装置3は、磁気検出装置50と、信号処理部20と、表示パネル60と、磁気シールド70とを備えている。表示装置3は、さらに、磁気検出装置50および信号処理部20を互いに接続するケーブルC4と、信号処理部20および表示パネル60を互いに接続するケーブルC5とを備えている。磁気検出装置50および表示パネル60が磁気シールド70を介して互いに貼り合わされている。信号処理部20は、例えば、磁気シールド70を介して回路基板51(後述)の裏面と対向する位置に配置されている。信号処理部20は、回路基板51から離れた位置に配置されていてもよい。磁気検出装置50と信号処理部20との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC4が省略され得る。信号処理部20と表示パネル60との間で無線通信が可能となっている場合には、ケーブルC5が省略され得る。
【0045】
磁気検出装置50は、回路基板51と、複数の磁気検出素子12と、データ送信部13と、磁気シールド層14とを有している。回路基板51は、例えば、樹脂基板を含んで構成されている。回路基板51は、表面に、複数の磁気検出素子12の実装面S5を有している。複数の磁気検出素子12は、回路基板51の実装面S5に実装されている。回路基板51は、実装面S5に、磁気検出素子12ごとに1つずつもしくは複数個ずつ割り当てられた複数の電極パッド(図示せず)を有している。回路基板51は、実装面S5に、または、回路基板51の内部に、各電極パッドとデータ送信部13とを互いに接続する複数の配線(図示せず)を有している。回路基板61は、各磁気検出素子12と、上記配線との間の層内に、上記配線で発生する磁界の実装面S6側への漏えいを抑制する磁気シールド層(図示せず)を有していてもよい。
【0046】
複数の磁気検出素子12は、実装面S5近傍の磁界を検出し、検出した磁界の大きさに応じた検出信号を出力するようになっている。データ送信部13は、各磁気検出素子12の検出信号に基づいて生成された計測信号13Aを信号処理部20に送信するようになっている。データ送信部13は、例えば、実装面S5に実装されている。表示パネル60は、磁気シールド70を介して回路基板61の裏面と対向する位置に設けられている。表示パネル60は、映像信号20Aに基づいて映像を表示面S6に表示するものである。磁気シールド70は、回路基板61の裏面と表示パネル60との間に設けられている。磁気シールド70は、表示パネル60で発生した磁界が実装面S5側に漏れ出るのを低減するものである。磁気シールド70は、例えば、軟磁性材料によって構成されている。磁気シールド70は、表示パネル60に内蔵されていてもよい。信号処理部20は、データ送信部13からの計測信号13Aを処理することにより、映像信号20Aを生成するようになっている。映像信号20Aは、表示面S6に映像を生成するものである。映像信号20Aによって生成される映像としては、例えば、磁気ベクトル、磁力線もしくは磁力密度分布など、磁界を表現する様々なものが含まれ得る。
【0047】
[効果]
次に、表示装置3の効果について説明する。
【0048】
表示装置3では、回路基板61の裏面と対向する位置に表示パネル60が設けられている。これにより、映像信号20Aに基づく映像を表示パネル60に表示することができる。これにより、回路基板61の近傍の磁界の状態や変化を、表示パネル60に映し出すことができる。従って、観察者は、磁場発生源の近傍に回路基板61を配置して、映像を表示パネル60に表示することにより、磁場発生源の近傍の磁界の状態や変化を直感的に把握することができる。
【0049】
また、表示装置3では、磁気シールド70が設けられているので、表示パネル60から発生する磁気が実装面S5側に漏れるのを低減することができる。これにより、正確に磁界を計測することができる。
【0050】
また、表示装置3において、磁気シールド層14が設けられたり、さらに、各磁気検出素子12と、上記配線との間の層内に磁気シールド層が設けられたりする場合には、データ送信部13や、上記配線から発生する磁気が実装面S5側に漏れるのを低減することができる。これにより、より正確に磁界を計測することができる。
【0051】
また、表示装置3では、磁気検出装置50、磁気シールド70および表示パネル60がこの順に重ね合わされている。これにより、観察者は、表示装置3を任意の位置に配置したり、任意の向きに向けたりすることができるので、観察者は、磁場を観察したい場所に表示装置3を容易に配置することができる。