【解決手段】電子カルテシステムのカルテデータベース211に記録されているレコードの診療日を見て、電子カルテシステムの利用日数を算出する。例えば、クライアント103で電子カルテシステムを稼働していたとしても、カルテデータベース211に新たなレコードが追記録されていない日があれば、電子カルテシステムを利用していないものとみなす。このようにシステムを構成することで、利用者102が料金体系について納得して電子カルテシステムを利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[サービス利用料管理システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るサービス利用料管理システム101の全体構成を示す概略図である。
利用者102a、102bは、パソコン(クライアント103a、103b)に電子カルテシステムのプログラムをインストールして、診療日に利用している。このクライアント103a、103bはインターネット104に接続されている。
また、インターネット104には電子カルテシステムを提供する業者105が運用する課金サーバ106が接続されている。更に、インターネット104には業者105が利用する管理クライアント107も接続されている。
なお、これ以降、利用者102a、102bを特に区別しない場合は利用者102と総称する。同様に、クライアント103a、103bを特に区別しない場合はクライアント103と総称する。
【0010】
クライアント103にて稼働する電子カルテシステムは、プログラムの起動時に、指定した一ヶ月分の重複しない電子カルテシステム利用日をリストアップして、この電子カルテ利用日リストを課金サーバ106に送信する。電子カルテ利用日リストは、指定した一ヶ月のうち、利用者102が電子カルテシステムを利用した日の日付が列挙されたリストである。一ヶ月という日数は一例であり、電子カルテシステムで定めている。課金サーバ106は、受信したリストから、利用者102を一意に識別するユーザIDと、利用日数を取得する。 利用者102の、締め日から一ヶ月以内の利用日数が20日以上であれば、既定の月額利用料金を請求する。
利用者102の、締め日から一ヶ月以内の利用日数が20日未満であれば、既定の月額利用料金から、不足する日数分だけ割引を施した料金を請求する。
上記20日という日数は一例であり、課金サーバ106の利用料算出部417で設定する。
月額利用料金の計算は、課金サーバ106で行っても、また業者105の管理クライアント107で行ってもよい。
【0011】
[クライアント103のハードウェア構成とソフトウェア機能]
図2Aは、利用者102が使用するクライアント103のハードウェア構成を示すブロック図である。
周知のパソコンであるクライアント103は、バス201に接続された、CPU202、ROM203、RAM204、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の不揮発性ストレージ205、液晶ディスプレイ等の表示部206、キーボードやマウス等の操作部207、現在日時情報を出力するリアルタイムクロック(Real Time Clock:RTC)208を備える。
バス201には更に、インターネット104に接続するためのNIC(Network Information Card)209が接続されている。
不揮発性ストレージ205には、ネットワークOSと、電子カルテシステムのプログラムが格納されており、クライアント103はこれらを実行することで、電子カルテシステムの機能を実現する。
【0012】
図2Bは、クライアント103の電子カルテシステムとしてのソフトウェア機能を示すブロック図である。
入出力制御部210は、操作部207の操作情報を受け付けて、表示部206に所定の表示内容を表示する。そして、必要に応じてカルテデータベース211に情報の書き込み/読み出しを行い、インターネット104を介して課金サーバ106と情報の送受信を行う。
利用者102は操作部207を操作することで、操作部207の操作情報が、診療日付記録部ともいえる入出力制御部210のカルテ記録部212を通じて患者を診療した際の情報に変換される。この情報は入出力制御部210によって表示部206に表示されると共に、必要に応じてカルテデータベース211に記録される。なお、カルテ記録部212は、カルテデータベース211に新規レコードを追記録する際、RTC208から現在日時情報を取得してもよいし、操作部207から直接利用者102の手入力にて日時情報を入力してもよい。
入出力制御部210は、自身が起動したことを知ると、集計部213を起動してカルテデータベース211から指定した一ヶ月分のレコードを検索して、電子カルテ利用日リストを作成する。次に、非対話型webクライアント214を起動して、電子カルテ利用日リストを課金サーバ106へ送信する。
【0013】
図3は、カルテデータベース211のフィールド構成を示す図である。
診療日付記憶部ともいえるカルテデータベース211は、診療日時フィールドと、患者IDフィールドと、診療内容フィールドを有する。
診療日時フィールドには、患者を診療した日時情報が格納される。
患者IDフィールドには、診療日時フィールドに記録された日時情報に診療した患者の、患者を一意に識別する患者IDが格納される。
診療内容フィールドには、患者を診療した際の情報が格納される。
本実施形態においては、診療日時フィールドが重要である。
【0014】
[課金サーバ106のハードウェア構成とソフトウェア機能]
図4Aは、課金サーバ106のハードウェア構成を示すブロック図である。
課金サーバ106のハードウェア構成は周知のパソコンに類似する。課金サーバ106は、バス401に接続された、周知のCPU402、ROM403、RAM404、ハードディスク装置やフラッシュメモリ等の不揮発性ストレージ405、RTC408、そしてNIC409を備える。多くの場合、クライアント103に備わっていた表示部206と操作部207は省略されている。しかし、必ずしもこれらを省略しなければならない訳ではなく、例えばパソコンをそのまま課金サーバ106として運用してもよい。
不揮発性ストレージ405には、ネットワークOSと、課金サーバ106のプログラムが格納されており、課金サーバ106はこれらを実行することで、課金サーバ106の機能を実現する。
【0015】
図4Bは、課金サーバ106のソフトウェア機能を示すブロック図である。
webサーバプログラム410は、クライアント103の要求を受け取り、クライアント103の要求に応じてhtml(Hyper Text Markup Language)文書ファイルをクライアント103に送信したり、要求内容に該当するcgi(Common Gateway Interface)を起動して、その結果をクライアント103に送信する。webサーバプログラム410が起動するcgiには、認証処理部411、利用実績受信部412、請求書送信部413がある。なお、webサーバプログラム410が起動する機能は、cgiに限らない。例えばJava(登録商標)アプレット等が利用可能である。
【0016】
認証処理部411は、ユーザマスタ414を参照して、クライアント103及び管理クライアント107の認証を行う。
認証処理部411によって正規の利用者102であると認められたクライアント103が、電子カルテ利用日リストを送信すると、利用実績受信部412がこれを受信して、利用実績テーブル415に追記録する。
認証処理部411によって正規の業者105であると認められた管理クライアント107が、請求書送信要求を送信すると、請求書送信部413がこれを受信して、請求書テーブル416から請求書データを管理クライアント107へ返信する。
利用料算出部417は、図示しないスケジューラ等で起動され、利用実績テーブル415に格納されている利用者102毎の利用実績に基づいて、月額利用料を算出し、請求書テーブル416に月額利用料を書き込む。
【0017】
[サービス利用料管理システム101の動作]
図5は、クライアント103の動作の流れを示すフローチャートである。
電子カルテシステムのプログラムを起動すると(S501)、入出力制御部210は集計部213を起動する。集計部213は、RTC208から今日の日付を取得する。そして、カルテデータベース211に対し、今日から一ヶ月前迄のレコードのみ読み出すべく絞り込みを行う(S502)。
次に、集計部213は絞り込んだレコードから、診療日時フィールドの値の、診療日のみ読み出し(S503)、読み出した診療日を並べ替えて(S504)、診療日の重複を削除して、電子カルテ利用日リストを作成する(S505)。
次に、入出力制御部210は、非対話型webクライアント214を起動する。非対話型webクライアント214は、集計部213が作成した電子カルテ利用日リストを課金サーバ106へ送信する(S506)。こうして、一連の処理が終了する(S507)。
【0018】
すなわち、一日当たり一人でも診療を行えば、カルテデータベース211にはその日に診療した患者のレコードが存在する。そこで、指定の期間に含まれるレコードを抽出して、それらレコードの診療日時フィールドから診療日を抜き出し、日付順に並べ替えて、重複を削除すれば、電子カルテ利用日リストを作成できる。
【0019】
一方、課金サーバ106の利用料算出部417は、以下の式にて、月額利用料を算出する。
月額利用料=一日当たり利用料×みなし利用日数
但し:電子カルテ利用日数≧20の時、みなし利用日数=20、電子カルテ利用日数<20の時、みなし利用日数=電子カルテ利用日数
すなわち、月毎の電子カルテ利用日数の上限日数を20日として、20日を超える場合は全て20日とみなす。20日に満たない場合はその日数とする。
上記20日という日数は一例であり、課金サーバ106の利用料算出部417で設定する。
【0020】
本実施形態には、以下の様な応用例が可能である。
(1)月額利用料の算出は、課金サーバ106でなく、管理クライアント107が行ってもよい。この場合、管理クライアント107は課金サーバ106の利用実績テーブル415にアクセスして、クライアント103毎の月額利用料を算出するための検索等を行うこととなる。
(2)クライアント103は電子カルテ利用日リストを課金サーバ106に送信していたが、クライアント103は締め日に電子カルテ利用日数そのものを課金サーバ106に送信してもよい。
【0021】
(3)クライアント103に利用料算出部417を持たせてもよい。この場合、非対話型webクライアント214は、電子カルテ利用日リストに加え、利用料算出部417が算出した利用料データをも課金サーバ106へ送信することとなる。
(4)逆に、カルテデータベース211をクラウド化してもよい。すなわち、課金サーバ106が多くのクライアント103のカルテデータベース211を有する、データベースサーバとしても機能する。この場合、集計部213も課金サーバ106が備えることとなり、クライアント103の非対話型webクライアント214は不要になる。
このように、ネットワーク上の何処にデータベース(カルテデータベース211、利用実績テーブル415、請求書テーブル416)を置くか、何処に集計機能(集計部213)を持たせるか、何処に利用料算出機能(利用料算出部417)を持たせるかは自由である。
【0022】
本実施形態では、主として電子カルテシステムに利用されるサービス利用料管理システム101を開示した。
すなわち、クライアント103のカルテデータベース211に記録されているレコードの診療日を見て、電子カルテシステムの利用日数を算出する。仮に、クライアント103で電子カルテシステムを稼働していたとしても、診療をしていなければカルテデータベース211に新たなレコードは追記録されていないので、診療を行っていない日は電子カルテシステムを利用していないものとみなす。このようにサービス利用料管理システム101を構成することで、利用者102が料金体系について納得して電子カルテシステムを利用することができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するためにサービス利用料管理システム101の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の揮発性或は不揮発性のストレージ、または、ICカード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。