【解決手段】光増幅装置1の制御方法は、光増幅部13及び光減衰部12が集積された半導体チップ11において、光減衰部に第1の電圧を印加し、光L1が光減衰部12に入力されたときに光減衰部12に流れる電流値IMに基づいて光L1の強度を演算し、この演算の結果に基づいて設定された第2の電圧を光減衰部12に印加し、光増幅部13を駆動させる制御を行う。この制御方法では、光増幅部13から出力された出力光の強度を検知し、出力光の検知結果に基づいて光増幅部13をフィードバックにより制御してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明の一実施形態は、光増幅部及び光減衰部が集積された半導体チップを備える光増幅装置において、光減衰部に第1の電圧を印加し、光が光減衰部に入力されたときに光減衰部に流れる電流値に基づいて光の強度を演算し、演算の結果に基づいて設定された第2の電圧を光減衰部に印加し、光増幅部を駆動させる制御をなす光増幅装置の制御方法である。
【0013】
この光増幅装置の制御方法によれば、例えばフォトダイオード等を用いなくとも光減衰部へ入力される光の強度を演算し、光減衰部への入力光の減衰度を調整できる。これにより、光増幅装置の大型化を抑制しつつ減衰度の調整が可能となり、光増幅部によって所望の出力光を容易に出力できる。
【0014】
また、上記制御方法では、光増幅部から出力された出力光の強度を検知し、出力光の検知結果に基づいて光増幅部をフィードバックにより制御してもよい。この場合、光増幅部から出力される出力光の強度を容易に所望の範囲に調整できる。
【0015】
また、上記制御方法では、第2の電圧を光減衰部に印加した後に、光増幅部を駆動させてもよい。この場合、光減衰部にて減衰度が調整された光を光増幅部にて増幅することができる。
【0016】
また、第1の電圧及び第2の電圧は、無バイアスまたは逆バイアスであってもよい。第1の電圧が無バイアス又は逆バイアスの場合、第1の電圧が印加されている光減衰部から光増幅部へ出力される光の強度が0又は極めて小さくなる。これにより、例えば光増幅部からの出力光を受光する装置の誤作動等を抑制できる。
【0017】
また、第1の電圧は、光増幅部に電流を流さない状態で印加されてもよい。この場合、例えば光増幅部からの出力光を受光する装置の誤作動等を抑制できる。
【0018】
また、本願発明の一実施形態は、光増幅部及び光減衰部が集積された半導体チップと、光減衰部に第1の電圧を印加し、光が光減衰部に入力されたときに光減衰部に流れる電流値に基づいて光の強度を演算し、演算の結果に基づいて設定された第2の電圧を光減衰部に印加し、光増幅部を駆動させる制御をする制御部と、を備える光装置である。
【0019】
この光装置によれば、制御部は、例えばフォトダイオード等を用いなくとも光減衰部へ入力される光の強度を演算し、光減衰部への入力光の減衰度を調整できる。これにより、制御部は光装置の大型化を抑制しつつ減衰度の調整が可能となり、光増幅部によって所望の出力光を容易に出力できるように制御できる。
【0020】
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0021】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る光増幅装置の使用例を示す模式図である。
図1に示されるように、光増幅装置1は、光送信器2と光受信器3との間に設けられている。光増幅装置1は、コネクタ4aが取り付けられた光ファイバ4と、コネクタ5aが取り付けられた光ファイバ5とを有する。コネクタ4aは、例えば光送信器2に接続される光ファイバ6のコネクタ6aに接続されるように設けられる。コネクタ5aは、例えば光受信器3に接続される光ファイバ7のコネクタ7aに接続されるように設けられる。したがって、例えば光増幅装置1には光ファイバ4,6を伝搬する光が入力される。また、光増幅装置1は、例えば光ファイバ5,7を伝搬する光を光受信器3へ出力する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る光増幅装置を含んだブロック図である。
図2に示されるように、光増幅装置1は、光減衰部(VOA:Variable Optical Attenuator)12と光増幅部(SOA:SemiconductorOptical Amplifier)13とが集積された半導体チップ11を有している。例えば、光減衰部12には光(入力光)L1が入力され、光増幅部13から光(出力光)L2が出力される。
【0023】
図3は、
図2のIII-III線矢視断面図である。
図3に示されるように、半導体チップ11における光減衰部12と光増幅部13とは、単一の半導体基板21の主面21a上に設けられている。すなわち、半導体チップ11における光減衰部12と光増幅部13とは、モノリシックに集積されている。これにより、半導体チップ11(光増幅装置1)のさらなる小型化が可能になる。半導体基板21は、例えばn型のInP基板等である。半導体基板21の裏面21bには、金属等の導電性材料を有する電極22が設けられている。
【0024】
光減衰部12は、クラッド層23、光減衰層24、クラッド層25、コンタクト層26及び電極27が順に積層された構造を有する。クラッド層23は、例えばn型のInP層である。光減衰層24は、例えばInGaAsPを含んでおり、量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有している。クラッド層25は、例えばp型のInP層である。コンタクト層26は、例えばInGaAsP層である。電極27は、金属等の導電性材料を有する。
【0025】
光増幅部13は、クラッド層23、光増幅層28、クラッド層25、コンタクト層26及び電極29が順に積層された構造を有する。光増幅層28は、例えばInGaAsPを含んでおり、量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)を有している。電極29は、金属等の導電性材料を有する。光増幅部13のコンタクト層26と、光減衰部12のコンタクト層26とは、保護層30によって互いに分離されている。保護層30は、例えば酸化シリコンを含む絶縁層である。
【0026】
図2に示されるように、光検知部31は、半導体チップ11から出力される光の強度を検知する。光検知部31として、例えばフォトダイオードが用いられる。
【0027】
制御部32は、光減衰部12に入力される光の減衰度を制御する。例えば、制御部32は、光が光減衰部12に入力されたときに光減衰部12に流れる電流値を検知し、検知した電流値に基づいて光の強度を演算する。そして、制御部32は、光の強度の演算結果に基づいた電圧を光減衰部12に印加することによって、光減衰部12に入力される光L1の減衰度を制御する。光減衰部12に流れる電流値は、例えば制御部32に設けられる又は制御部32に接続される電流計によって検知される。また、制御部32は、光増幅部13に入力される光の増幅度を制御する。例えば、制御部32は所定範囲の電流値を光増幅部13に流すことによって、光増幅部13による光の増幅度を制御する。また、制御部32は、光検知部31による光L2の検知結果に基づいて、光増幅部13をフィードバックにより制御する。なお、光増幅装置1と制御部32とを併せて光装置としてもよい。
【0028】
次に、
図4を用いながら光増幅装置1の詳細な構成について説明する。
図4は、光増幅装置1の詳細な構成を示す平面断面図である。
図4に示されるように、光増幅装置1は、半導体チップ11を収容するパッケージ40、第1光接続部41、第2光接続部42、レンズ43及びガラス窓材44を備える。
【0029】
パッケージ40は、略直方体状の外観を有する中空部材である。パッケージ40は、互いに対向する側壁40a及び40b、互いに対向し側壁40a及び40bに対して垂直な方向に延びる側壁40c及び40dを有する。また、パッケージ40は、図示しない底板及び天板を有する。パッケージ40は、底板を除いて、例えばFe−Ni−Co合金からなる。底板は、例えば熱伝導性に優れたCuW合金からなる。側壁40aは、接合面40eを外面に含む。接合面40eには、後述する第1光接続部41が固定される。また、側壁40aには、開口部40gが形成されている。この開口部40gにはレンズ43が固定されており、半導体チップ11の一端から延びる光軸D1がレンズ43を通過する。側壁40bは、接合面40fを外面に含む。また、側壁40bには、開口部40hが形成されている。この開口部40hにはガラス窓材44が固定されており、半導体チップ11の他端から延びる光軸D2がガラス窓材44を通過する。
【0030】
パッケージ10は、半導体チップ11に加えて、サブキャリア45、第1コリメートレンズ46、第2コリメートレンズ47、サーミスタ48、キャリア49、及び温度制御部(TEC:Thermo Electric Cooler)Tを収容している。温度制御部T上のキャリア49には、半導体チップ11を搭載したサブキャリア45、第1コリメートレンズ46、第2コリメートレンズ47、及びサーミスタ48が搭載されている。
【0031】
半導体チップ11は、第1端面11aと、第1端面41aに対向する第2端面11bとを有している。第1端面11aは、
図3に示される光減衰部12の端面12aに対応し、第2端面11bは、
図3に示される光増幅部13の端面13aに対応する。半導体チップ11は、第1コリメートレンズ46と第2コリメートレンズ47とによって挟まれ、半導体チップ11の第1端面11aは第1コリメートレンズ46に光学的に結合される。第2端面11bは、第2コリメートレンズ47と光学的に結合される。半導体チップ11の第1端面11a及び第2端面11bからの戻り光を低減させるために、第1端面11a及び第2端面11bは、光軸D1及び光軸D2に垂直な面に対して傾斜して対向している。
【0032】
サブキャリア45は、半導体チップ11を搭載する部材であり、例えばAlNからなる。キャリア49は、サブキャリア45、第1コリメートレンズ46、第2コリメートレンズ47、及びサーミスタ48を搭載する。温度制御部Tは、キャリア49を搭載する。温度制御部Tは、例えばペルチェ素子であることができる。サーミスタ48は、半導体チップ11の素子温度を検知するために、半導体チップ11の近傍に設置される。
【0033】
側壁40dには開口部が形成されており、この開口部にはフィードスルー50が設けられている。フィードスルー50には、例えば金属配線52a〜52hが設けられ、金属配線52a〜52hは、それぞれ、温度制御部T、半導体チップ11、サーミスタ48と電気的に接続される。また、フィードスルー50には、金属配線52a〜52hにそれぞれ接続される外部端子53a〜53hが更に設けられている。外部端子53a〜53hは、例えば、半導体チップ11の光増幅部13用の駆動端子(
図2を参照)、半導体チップ11の光減衰部12用の駆動端子と検知端子(
図2を参照)、温度制御部T用の端子、及びサーミスタ48用の端子として利用される。半導体チップ11及びサーミスタ48は、金属配線52a〜52h及び外部端子53a〜53hを介して、光増幅装置1の外部(例えば、
図2に示される制御部32)との間で電気信号の送受信を行う。フィードスルー50は、例えばセラミックからなり、金属配線52a〜52h及び外部端子53a〜53hは、例えばAuからなる。
【0034】
第1光接続部41は、例えばステンレスからなり、パッケージ40の接合面40eに溶接等によって固定され、半導体チップ11の第1端面11aから延びる光軸D1を通過させる。第1光接続部41は例えば光レセプタクルであある。第1光接続部41の内部には、スタブ61及びアイソレータ62が収容されている。スタブ61は、アイソレータ62と光学的に結合されている。アイソレータ62は、レンズ43と光学的に結合されている。スタブ61は、光レセプタクルのための光結合部品であり、例えばセラミックからなる。アイソレータ62は、半導体チップ11の第1端面11aに向かう光を通過させるとともに、半導体チップ11の第1端面11aからの光を遮断する。
【0035】
第2光接続部42は、光軸D2を中心とする略円筒状の部材からなり、その一端がパッケージ40の接合面40fに溶接等によって固定されている。第2光接続部42の他端は、例えば溶接等によって外部光学装置と接合される。第2光接続部42は、半導体チップ11の第2端面11bから延びる光軸D2を通過させる。
【0036】
次に、
図5を用いながら本実施形態の光増幅装置の制御方法の一例を説明する。
図5は、本実施形態の光増幅装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0037】
図2及び
図5に示されるように、まず第1ステップとして、制御部32によって光減衰部12に電圧(第1の電圧)V1を印加する(ステップS1)。電圧V1は、光減衰部12に逆バイアス(マイナス)が印加される電圧であればよく、例えば0[V]未満(0[V]より小さい)である。また、このときに光増幅部13に流れる電流を0[mA]とする。この場合、光増幅部13からの自然放射増幅光(ASE:AmplifiedSpontaneous Emission)が抑制されるので、好ましい。また、電圧V1は、無バイアス(0[V])でもよい。
【0038】
次に第2ステップとして、光減衰部12に光を入力する(ステップS2)。この光は、例えば光増幅装置1に入力される光L1(
図2を参照)と同一の強度を有する。光減衰部12には電圧V1が印加されているので、上記光の全て又は大部分は、光減衰部12にて吸収される。
【0039】
次に第3ステップとして、光の強度Pinを演算する(ステップS3)。光が光減衰部12に入力されたときに当該光減衰部12に流れる電流値IMに基づいて、光の強度Pinが制御部32によって演算される。光の強度Pinは、例えば下記表1を用いて演算される。下記表1は、光減衰部12に流れる電流値IMに対応する光の強度Pinを示すものである。この表1に示されるデータは、出荷前検査によって事前に求められる。
【0041】
次に第4ステップとして、光の演算結果に基づいて設定された電圧(第2の電圧)V2を光減衰部12に印加する(ステップS4)。このように制御部32が電圧V2を光減衰部12に印加することによって、光減衰部12に入力される光L1を減衰する。電圧V2は、光の強度Pinによって変化し、例えば下記表2に基づいて決定される。下記表2は、光の強度Pinに応じて印加される電圧V2を示すものである。
【0043】
次に第5ステップとして、減衰された光L1を光増幅部13によって増幅する(ステップS5)。例えば、制御部32が光減衰部12に印加する電圧V2に基づいて光増幅部13を駆動する制御をする。これにより、制御部32は光増幅部13の増幅度を制御する。光増幅部13の増幅度は、例えば下記表3に基づいて決定される。下記表3は、光の強度Pinに応じた光減衰部12による減衰度VOA:ATTと、光増幅部13による増幅度SOA:Ampと、光L2の強度Poutとをそれぞれ示すものである。また、
図6は、光増幅部13に流れる電流値と光増幅部13が出力する光L2の強度の関係の一例を示すグラフである。
図6において、縦軸は光L2の強度を示し、横軸は光増幅部13を流れる電流値を示す。
【0045】
図7は、半導体チップ11を透過する光の強度変化を示すグラフである。
図7において、縦軸は光の強度を示しており、横軸は光の位置を示している。
図7の横軸において、αは半導体チップ11に入力される光L1の任意の位置であり、VOAinは光L1が光減衰部12に入力される位置であり、SOAinは減衰した光L1が光増幅部13に入力される位置であり、βは半導体チップ11から出力される光L2の任意の位置である。αにおける光L1の強度はPinであり、βにおける光L2の強度はPoutである。また、
図7に示される各グラフa〜gは、表3のa〜gに対応している。例えばグラフaに示される光の強度Pinは−20dBmであり、SOAinまで強度が変化していない。よって、グラフaに示される光は光減衰部12によって減衰していない。また、グラフaに示される光の強度はSOAinから高まり、Poutが−5dBmになる。よって、グラフaに示される光の強度は、光増幅部13によって15dBm増幅される。一方、グラフfに示される光の強度Pinは5dBmであり、VOAinを超えると−10dBmまで減衰する。また、グラフfに示される光の強度はSOAinから高まり、Poutが−5dBmになる。よって、グラフfに示される光の強度は、光増幅部13によって5dBm増幅される。したがって、表3及び
図7に示されるように、光L2の強度Poutが一定(−5dBm)になるように、光減衰部12による光の減衰度と、光増幅部13による光の増幅度とが設定される。なお、光減衰部12による光の減衰度と、光増幅部13による光の増幅度とは、互いに一定でなくてもよい。また、光減衰部12によって光が必ずしも減衰しなくてもよい。
【0046】
次に第6ステップとして、光増幅部13から出力された光L2の強度Poutを検知する(ステップS6)。例えば、光検知部31によって光L2の強度Poutを検知する。
【0047】
次に第7ステップとして、光L2の検知結果に基づいて光増幅部13をフィードバックにより制御する(ステップS7)。例えば、光検知部31によって検知された光L2の強度Poutが上記表3に示される値と一致しない場合、制御部32は、光増幅部13の増幅度を変化する制御を行う。以上により、光増幅装置1から所望の強度を有する光を出力できる。
【0048】
以上に説明した、本実施形態に係る光増幅装置1の制御方法によって得られる効果について説明する。
図8は、比較例に係る光増幅装置を含んだブロック図である。
図8に示される比較例の光増幅装置100では、光減衰部112と光増幅部113とがモノリシックに集積されていない。すなわち、光増幅装置100はディスクリート形式の光減衰部112及び光増幅部113を有する。また、光増幅装置100は、スプリッタ101〜103と、フォトダイオード104〜106とを有している。スプリッタ101及びフォトダイオード104により、光増幅装置100に入力される光L1の強度が検知される。また、スプリッタ101及びフォトダイオード104により、光減衰部112によって減衰された光L3の強度が検知される。スプリッタ103及びフォトダイオード106により、光増幅部113から出力される光L2の強度が検知される。光増幅装置100の制御部32は、フォトダイオード104〜106の検知結果に基づいて、光減衰部112及び光増幅部113を制御している。このような光増幅装置100では、制御部32の制御により所望の光出力が容易に得られるものの、スプリッタ101〜103及びフォトダイオード104〜106により光増幅装置100が大型化してしまう問題がある。
【0049】
これに対して、本実施形態に係る光増幅装置1では、例えば光増幅装置100のスプリッタ101〜103及びフォトダイオード104〜106を用いなくとも光減衰部12へ入力される光の強度Pinを演算し、光L1の減衰度VOA:ATTを調整できる。これにより、光増幅装置1の大型化を抑制しつつ減衰度VOA:ATTの調整が可能となり、所望の強度Poutを有する光L2を光増幅部13から容易に出力できる。また、半導体チップ11における光増幅部13及び光減衰部12がモノリシックに集積されているため、光増幅装置1のさらなる小型化が可能である。
【0050】
また、制御部32は、光増幅部13から出力された光L2の強度を検知し、光L2の検知結果に基づいて光増幅部13をフィードバックにより制御してもよい。この場合、光増幅部13から出力される光L2の強度を容易に所望の範囲に調整できる。
【0051】
また、制御部32は、電圧V2を光減衰部12に印加した後に、光増幅部13を駆動させてもよい。この場合、光減衰部12にて減衰度が調整された光を光増幅部13にて増幅することができる。
【0052】
また、電圧V1及び電圧V2は、無バイアスまたは逆バイアスであってもよい。電圧V1が無バイアス又は逆バイアスの場合、電圧V1が印加されている光減衰部12から光増幅部13へ出力される光の強度が0又は極めて小さくなる。これにより、例えば光増幅部13からの光L2を受光する光受信器3の誤作動等を抑制できる。
【0053】
また、電圧V1は、光増幅部13に電流を流さない状態で印加されてもよい。この場合、例えば光増幅部13からの光L2を受光する光受信器3の誤作動等を抑制できる。
【0054】
また、電圧V1が光減衰部12に印加されており、光L1が光減衰部12に入力されたときに、光減衰部12に流れる電流値IMに基づいて光L1の強度Pinを演算できる。これにより、例えば光減衰部12に流れる電流値IMに応じた光L1の強度を予め制御部32等に保存しておくことで、光L1の強度Pinを容易に演算することができる。
【0055】
また、ステップS1等では光増幅部13に流れる電流を0[mA]が好ましいとしたが、光増幅部13に流れる電流は、0[mA]でなくてもよい。この場合、光増幅部13から出力される光強度を差分演算することで、参照光を検知することができる。例えば、光増幅部13に電流を流した状態で、光増幅部13から出力される光強度を事前に光減衰部12に流れる電流値IM
0として求めておく。そして、光増幅部13に電流を流した状態で参照光を入力させたときの光減衰部12に流れる電流値IM
1から電流値IM
0を差分演算することで、参照光の光減衰部12の電流値IMを求めることができる。
【0056】
また、光L2の強度は、
図1に示される、光増幅装置1と接続されてなる光受信器3内のフォトダイオード(図示しない)によって検知されてもよい。この場合、光増幅装置1内にフォトダイオードが備えられていなくても、光L2の強度に応じて光増幅部13を好適にフィードバックにより制御できる。
【0057】
本発明による光増幅装置1は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、本実施形態において、ステップS1及びステップS2は同時に行われてもよい。