(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-5904(P2016-5904A)
(43)【公開日】2016年1月14日
(54)【発明の名称】プロジェクションボード兼コミュニケーションボード及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B43L 1/10 20060101AFI20151211BHJP
G03B 21/60 20140101ALI20151211BHJP
【FI】
B43L1/10
G03B21/60
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-104094(P2015-104094)
(22)【出願日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】2014/0426
(32)【優先日】2014年6月3日
(33)【優先権主張国】BE
(71)【出願人】
【識別番号】500587539
【氏名又は名称】ポリビジョン,ナームローゼ フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(74)【代理人】
【識別番号】100074192
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】ウォウト バン デ ブローク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】筆記の乾式消去と投射光の適当な拡散性能を備えるボードを提供する。
【解決手段】エナメル下塗りが施された両面エナメル被覆の鋼鉄プレートを備え、それらの面のうち筆記面を構成する側の面に第2の白いエナメルコートが施され、それを焼なました後の粗さが下記のとおりとなる。Ra=0.6−1.2μm、Rz=3.0−8.0μm、R3z=3.0−8.0μm。そして、その上にエナメルパウダーから成る第3の薄い仕上げコートを施し、該エナメルパウダーの90%を超える部分が15μm未満の粒子から成り、それを焼なました後の粗さが下記のとおりとなる。Ra=0.4−1.4μm、Rz=2.0−6.0μm、R3z=2.0−6.0μm。以上を特徴とするプロジェクションボード兼コミュニケーションボード。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクションボード兼コミュニケーションボードが、エナメル下塗りが施された両面エナメル被覆の鋼鉄プレートを備え、それらの面のうち筆記面を構成する側の面に第2の白いエナメルコートが施され、それを焼なました後の粗さが下記のとおりとなり、
そして、その上にエナメルパウダーから成る第3の薄い仕上げコートを施し、該エナメルパウダーの90%を超える部分が15μm未満の粒子から成り、それを焼なました後の粗さが下記のとおりとなる、
ことを特徴とするプロジェクションボード兼コミュニケーションボード。
【請求項2】
前記エナメル下塗りが30乃至50μmの厚みを備え、第2の白いエナメルコートが50乃至70μmの厚みを備え、第3の仕上げコートが5乃至10μmの厚みを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のプロジェクションボード兼コミュニケーションボード。
【請求項3】
前記エナメル下塗り、第2の白いエナメルコート及び第3の薄い仕上げコートの組成物が酸化シリコン、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化カリウム、酸化リチウムを含有し、そして、前記エナメル下塗りにはさらに酸化コバルト及び酸化ニッケルも含まれ、前記第2の白いエナメルコートにはさらに酸化チタン及び酸化ジルコニウムも含まれ、前記第3の薄い仕上げコートにはさらに酸化チタンも含まれている、ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクションボード兼コミュニケーションボード。
【請求項4】
使用準備済のプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの光沢測定値が、20°の測定角度で7.5+/−1.5GU以下の光沢の許容範囲を示し、60°の測定角度で40+/−5GU以下の光沢の許容範囲を示す、ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクションボード兼コミュニケーションボード。
【請求項5】
プロジェクションボード兼コミュニケーションボードの製造方法であって、該方法が、
―水溶液混合物を鋼鉄製の支持部材にウェットコーティングすることによって前記エナメル下塗りを両側に施す段階と、
―前記エナメル下塗りが溶けて前記鋼鉄製の支持部材に固着されるように、該下塗りを800°を超える温度で焼きなます段階と、
―エナメル水溶液混合物を、すでに焼きなましされて冷却されているエナメル下塗りにウェットコーティングすることによって、前記第2の白いエナメルコートを前記ボードの筆記面に施す段階と、
―前記第2の白いエナメルコートが前記下塗りに固着するように、該第2の白いエナメルコートを800℃の温度で焼きなます段階と、
―スクリーン印刷によって、第3の薄い仕上げコートを前記第2のエナメルコートに塗り、エナメルパウダーが略3分の2とスクリーン印刷媒体が略3分の1の配合から成る印刷ペーストが用いられ、該エナメルパウダーの数々の粒子のうち少なくとも90%が15μmよりも小さく、前記印刷ペーストが直径57μmでスクリーンに染み渡り、15乃至25cm3/m2の印刷ペーストの体積が形成される段階と、
―前記第3の薄い仕上げコートを600℃乃至700℃の温度で焼きなまし、該第3の仕上げコートが前記第2の白いエナメルコートに固着される段階と、
―前記プロジェクションボード兼コミュニケーションボードを所望の寸法に切断する段階、
から成るプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロジェクションボード兼コミュニケーションボード及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
書くことの出来るボードとして意図されるビジュアルコミュニケーションボードは、フェルトペン又はその他の筆記手段によって適切に書くことが出来なければならないが、書いたものを適切に乾式消去することも出来なければならない。乾式消去することができるとは、水又はその他の溶材又は洗浄用品を用いずに、書かれた文や記号を取り除くことが出来、しかも、それを繰り返し用いることが出来る、ということである。
【0003】
良好な筆記自在且つ消去自在のコミュニケーションボードというものは、フェルトペン又はその他の筆記手段で適切に書くことが出来るだけでなく、乾いたボードワイパーで簡単に消去することが出来るほど滑らかな、スムーズで水漏れ防止のエナメルコーティングをボードに施すことによって実現されてきた。
【0004】
そのようなエナメル被覆されたコミュニケーションボードの欠点は、そのボードが、太陽やライトのような光源からの不都合な光の反射をもたらし、それを見る人にとって、或いは、双方向式のコミュニケーションボードの場合には表面の画像を記録する光学システムにとっても、そのコミュニケーションボードの読み取りやすさが減少するほど、前記エナメルコートは滑らかで光沢のあるものになっている。
【0005】
この問題は、特に、前記のエナメル被覆の筆記ボードを画像プロジェクター用のプロジェクションボードとしても用いなければならない場合に起こり、その場合には、必然的に強烈になる該プロジェクターの光源によって、光の反射が尚一層強められてしまう。
【0006】
これらの光の反射への対策をするために、プロジェクションスクリーンとして艶消しのエナメルボードが用いられてきたが、それは筆記ボードとして用いる場合は書かれたものを適切に乾式消去することは出来ない。
【0007】
1つ又はそれ以上のコーティングが施されたエナメル被覆の面を備えたパブリケーションボードも開発された。たとえば、ベルギー特許第1016588号には、艶を付けるか又はセラミックによる反射防止コーティングによってエナメル被覆の鋼鉄の表面を覆うことが記載されていて、それは、ゾル―ゲル法のディスパージョンとして適用され、適切なより高い温度で焼きなましをするものである。
【0008】
例えば、ベルギー特許第1017572号は、可視光のスペクトラムの波長の4分の1と一致する厚みを有する一つの被覆層を用いることを記載しているだけでなく、互いに調整された3つの被覆層についても記載していて、これは、双方向型のエナメル被覆によるコミュニケーションボード用のものである。
【0009】
そのようなエナメル被覆した鋼鉄製の双方向型コミュニケーションボードは、光学的に読み取り可能な位置コーディングパターンを利用するものであり、それはベルギー特許第1015482号に記載されている。
【0010】
艶がより鈍いプロジェクションスクリーンはこのようにして実現されるが、乾式消去ができにくくなるという欠点があり、そのことによって、これらのプロジェクションボードを筆記ボードとして用いるのにはより不適なものとなる。
【0011】
良好な乾式消去性を実現するには、ボードの表面の滑らかさは出来るだけ高くなければならないが、一方、入射光が不都合な反射を引き起こさないように拡散させるには、投影ボードの表面が出来るだけ粗くなっていなければならない。それ故、両方の特性を組み合わせれば、ボードの表面についての必要な条件が矛盾を呈することになる。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、上記又はそれ以外の欠点に対する解決を与えることにあり、そのため、本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードは、エナメル下塗りが施された両面エナメル被覆の鋼鉄プレートを備え、それらの面のうち筆記面を構成する側の面に第2の白いエナメルコートが施され、それを800℃を超える温度で焼なました後の粗さは、ISO4278及びISO4288に従って0.8mmの基準長さ(表面粗さ)及び4mmの評価長さで測定すると下記のとおりとなり、
そして、その上にエナメルパウダーが略3分の2とスクリーン印刷媒体が略3分の1から成る第3の薄い仕上げコートを施し、該エナメルパウダーの90%を超える部分が15μm未満の粒子から成り、そして、600℃を超える温度で焼きなました後の粗さは、ISO4278及びISO4288に従って0.8mmの基準長さ(表面粗さ)及び4mmの評価長さで測定すると下記のとおりとなり、
そのようにして、この第3の薄い仕上げコートは、入射光を散乱させることによって光の反射による妨害を防ぐような光学的な粗さを実現しつつ、該コミュニケーションボードに優れた乾式消去性を与える物理的滑らかさを確保するものである。
【0013】
そのようなプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの有利な点は、繰り返し使用した後においても乾式消去性を維持しているので筆記ボードとして使用することができ、また、プロジェクターによってボード上に画像を投影させるためのプロジェクションボードとしても使用でき、しかも、いずれの場合もボードの表面に不都合な光の反射がない、ということである。
【0014】
前記仕上げコートのエナメルパウダーをセリグラフに適用するための使用可能な組成物の一例を下記に示す。
【0015】
乾いて仕上がったプレートの断面を走査電子顕微鏡を用いて測定したとき、前記エナメル下塗りの厚みが30乃至50μmで、前記第2の白いエナメルコートの厚みが50乃至70μmで、前記仕上げコートの厚みが5乃至10μmであるのが望ましい。
【0016】
これらのコートの厚みの有利な点は、その表面がざらざらした構造によって、前記第3の仕上げコートが光散乱によって反射を防止しつつ、それでいて、このコートが、消去性の筆記ボードに用いられている従来式のエナメルコートの望ましい乾式消去性を備えている、ことである。
【0017】
別の有利な点は、前記第3の仕上げコートよりも下にある粗い面で光の屈折と散乱が起こるように、該第3の仕上げコートは入射光に対して部分的に透明になっている、ことである。
【0018】
これらのコートの厚みの別の有利な点は、前記第2の白いエナメルコートが前記仕上げコートの粗さとは異なる粗さを備えているため、該第2の白いエナメルコートもまた前記ボードの反射防止特性の効果を発揮することである。
【0019】
本発明はまた、上記のようなプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの製造方法に関するものでもあり、その方法は、
―水溶液混合物を鋼鉄製の支持部材にウェットコーティングすることによって前記エナメル下塗りを両側面に施す段階と、
―前記エナメル下塗りが溶けて前記鋼鉄製の支持部材に固着されるように、該下塗りを800°を超える温度で焼きなます段階と、
―すでに焼きなましされて冷却されているエナメル下塗りにエナメル水溶液混合物をウェットコーティングすることによって、前記第2の白いエナメルコートを前記ボードの筆記面に施す段階と、
―前記第2の白いエナメルコートが前記下塗りに固着するように、該第2の白いエナメルコートを800℃の温度で焼きなます段階と、
―スクリーン印刷によって、第3の薄い仕上げコートを前記第2のエナメルコートに塗り、エナメルパウダーが略3分の2とスクリーン印刷媒体が略3分の1の配合から成る印刷ペーストが用いられ、該エナメルパウダーの数々の粒子のうち少なくとも90%の粒子が15μmよりも小さく、前記印刷ペーストが直径57μmでスクリーンに染み渡り、15乃至25cm
3/m
2の印刷ペーストの体積が形成される段階と、
―前記第3の薄い仕上げコートを600℃乃至700℃の温度で焼きなまし、該第3の仕上げコートが前記第2の白いエナメルコートに固着される段階と、
―前記プロジェクションボード兼コミュニケーションボードを所望の寸法に切断する段階、
から成るものである。
【0020】
前記第2のエナメルコートは、800℃で焼きなましすることによってその結果として反射防止特性を備えた艶消し面を確保する特定の粗さを備えた領域となる組成物を備えている。
【0021】
前記第3の仕上げコートの有利な点は、前記筆記面の表面をより滑らかにし、それによって乾式消去性を促進し、それでいて、その粒状組織によってプロジェクターの光源等からの不都合な光の反射を防止する反射防止特性を保持していることである。
【0022】
前記反射防止特性は、使用準備済のプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの光沢の測定値によって示され、20°の測定角度では光沢の許容範囲が7.5+/−1.5GU以下の測定値を示し、60°の測定角度では光沢の許容範囲が40+/−5GU以下の測定値を示す。60°の測定角度では、光沢のある乾式消去性の筆記面は70GUを超える値を示す。
【0023】
前記第3の仕上げコートをスクリーン印刷するために用いられる57μmの口径を備えたスクリーンは、1cm当たりワイヤー100個のメッシュから成り、各々のワイヤーは4μmの直径を備え、印刷ペーストがドクターブレードで伸びるようにスクリーンが65μmの厚みを備えた構成を有している。
【0024】
前記エナメル下塗り、前記第2の白いエナメルコート及び前記第3の薄い仕上げコートの組成物は、それら3つのコート全てにおいて、酸化シリコン、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化カリウム、酸化リチウムを含んでいる。前記エナメル下塗りは、さらに酸化コバルト及び酸化ニッケルをも含み、前記第2の白いエナメルコートはさらに酸化チタン及び酸化ジルコニウムをも含み、そして前記第3の薄い仕上げコートはさらに酸化チタンをも含む。
【0025】
前記3つのコートには、アンチモン、水銀、カドミウム、鉛、六価クロムの化合物は含まれない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの斜視図を示したものである。
【
図2】
図1のII―II線断面図を示したものである。
【
図3】本発明による仕上げコートの粒の大きさの分布をグラフで示したものである。
【
図4】本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの第2の白いエナメルコート及び仕上げコートの粗度定数を表で示したものである。
【
図5】仕上げコートが施される前の第2の白いエナメルコートの断面の輪郭を示したものである。
【
図6】本発明による仕上げコートが施された第2の白いエナメルコートの断面の輪郭を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の特徴をより良く説明するために、本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの望ましい実施例を、添付図面に言及しながら、いかなる限定もすることなく一例として、これ以降に説明する。
【0028】
図1は本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードを示すものであり、その筆記面2が設けられた左側面は多くのコーティングを重ねて構成され、すなわち、鋼鉄プレートの筆記面と背面にエナメル下塗り4が施され、それらの面のうち筆記面に第2の白いエナメルコート5が施され、その上に第3のエナメル仕上げコートが施され、その第3のコートが前記コミュニケーションボードの筆記面を構成する。
【0029】
図2は、本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの断面を、
図1のII−II線に沿ってより一層詳細に示すものであり、それは、走査型電子顕微鏡によって記録したものを示すものであり、そこから、エナメル仕上げコート6の厚さ(5乃至10μm)と、その下にある第2の白いエナメルコート5の厚さ(60μm)と、さらにその下にあるエナメル下塗りの厚さ(45μm)が分かり、そして、そのエナメル下塗りが数ミリメートルの厚さの鋼鉄プレート3に施されていることが理解できる。
【0030】
図3は、前記エナメル仕上げコートをスクリーン印刷によって前記第2の白いエナメルコート5に施したときにその手段として用いた印刷ペーストを構成する場合の該仕上げコートに用いられたエナメル粒子のサイズの分布曲線を示したものである。曲線1は、各々の粒の大きさの体積(X軸)のパーセンテージを対数目盛上(Y軸)にマイクロメーターの単位で示したものである。
【0031】
曲線2は、マイクロメーターで示した粒子サイズよりも小さな粒子全ての累積体積をY軸に%で示したものである。累積体積についての別の種々のパーセンテージについては、下記の粒子サイズの表において、各々のパーセンテージがそれに対応して示した粒子サイズよりも小さい粒子サイズのものが該当する形で、最大の粒子サイズがマイクロメーターの単位で示されている。
【0032】
前記分布曲線は0.3μmと20μmとの間にあり、そこに示された粒子の体積の98%は15μmよりも小さい。該分布曲線は水(屈折率1.33)の中で測定され、前記粒子(屈折率1.54)は、ミー散乱方法によるマルバーンマスターサイザー3000粒子サイズ分析器で測定された。
【0033】
図4は、前記第2の白いエナメルコート5及び仕上げコート6の様々な粗度パラメーターを表の形で示したものである。該様々な粗度パラメーターは、ISO4287及びISO4288によってアルファステッププロファイラー(KLA Tencor)を用いて試長4000μm且つカットオフ値(Lc cut-off value)800μmで測定された。該粗度は、常に標準的な測定偏差を伴うRa値、Rz値、Rt値及びR3z値に基づいて示された。該Ra値は、表面の粗さについて最も一般的に用いられる一次元パラメーターであり、粗さが増すほど高くなる。
【0034】
図5は、前記第2のエナメルコート5が施されていて第3の仕上げコートが施されていないプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの表面に垂直な断面の断面輪郭7を示したものである。該断面輪郭は、その表面に多くの尖った山部8と深い溝部9があることを示していて、そのことは3次元の表面表示で理解できる(が、図面には示していない)。
【0035】
図6は、前記第3のコートすなわち仕上げコート6が施された本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードの表面に垂直な断面の断面輪郭10を示したものであって、それは、溝を埋め、乾式消去することが可能なより高い物理的滑らかさを確実にする前記第3の仕上げコートによって前記の数々の尖った山部と数々の溝部がほぼ横這いになっていることを示している。
【0036】
この第3のコートは、また、入射光が部分的に貫通して前記第2のエナメルコート5のより粗い面で散乱するように、部分的に光学的透明になっていて、前記コミュニケーションボード1上で不都合な光が反射するのを防止する。
【0037】
本発明は、一例として明細書や図面に記載した実施例に限定されるものでは決してなく、本発明によるプロジェクションボード兼コミュニケーションボードは、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる形式と寸法で実現することが出来るものである。
【0038】
例えば、第3の仕上げコートを適用するに当たっては、スクリーン印刷以外のコーティング技術、例えば、回転式オフセット印刷、気相等による化学的堆積等を用いることも出来る。
【外国語明細書】