【解決手段】キャビティ構造を有する無線周波数フィルタであって、内部が中空であり、外部と遮断されるキャビティを有するハウジングと、上記ハウジングの内部中空に位置する共振素子を含み、上記ハウジングには、上記共振素子の長さ方向の先端面と向き合うハウジング内面との間隔が外部の圧力により調節されるためのシワ構造が形成されることを特徴とする。したがって、より小型化及び軽量化が可能であり、チューニングネジ及び固定用ナットの結合構造を採用することなく周波数チューニングが可能になるように設計され、簡単で、単純化された構造を有することができる。
前記キャビティ構造が多段で相互接続される構造である場合には、前記ハウジングが複数順次に接続され、相互順次に接続構造を有するキャビティ構造の間には、接続通路構造であるカップリングウィンドウが形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の無線周波数フィルタ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による望ましい実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの分離斜視図であり、
図2は、
図1の結合状態の斜視図、
図3は
図2のA−A’部分切開斜視図、
図4は
図2のA−A’部分切断面図である。
図1乃至
図4を参照すれば、本発明の第1の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタは、従来のように、内部が中空であり、外部と遮断されるキャビティを有するハウジングを含み、ハウジングの内部の中空に共振素子を設ける。この時、ハウジングは、共振素子が位置する第1のケースと、第1のケースを覆う第2のケースで構成されることができる。すなわち、ハウジングは、キャビティを形成する全体ケースのうち予め設定された境界面(すなわち、接合面)を基準にして、上側に該当する部分を形成する上側ケース10を第1のケースとして有し、上記全体ケースのうち上記境界面を基準にして下側に該当する部分を形成する下側ケース20を第2のケースとして有する。上側及び下側ケース10、20は、上記境界面で半田付けや熔接などで相互接合される。
【0017】
図1乃至
図4の例では、上側ケース10は、全体フィルタ構造からみて、上部面だけを形成するように平板の形態で形成されてカバーと類似の役割をし、下側ケース20は、全体フィルタ構造からみて、下部面と側面を形成するもので図示されている。
図1乃至
図4の例では、キャビティの平面構造が全体的に円形であるので、上側及び下側ケース10、20の平面構造が円形で形成されることが図示されるが、この他にも、上側及び下側ケース10、20の平面構造は四角形の形態をはじめ、多様な形態で形成されることができることは明らかである。
【0018】
この時、下側ケース20には、その下部面の中央からキャビティ内部に向かって上側に聳えながら突出され、かつ、その内部は空ていながら入り口が全体ケースの外部に向かうポケット形態である突出部202が残りの部位と継ぎ目なしで(seamless)、すなわち、別途の接合面の無しで一体型で形成される。このような突出部202は、該当無線周波数フィルタで共振素子の役割をするようになる。このように突出部202を有する下側ケース20は、例えば、アルミニウムやマグネシウム材質(合金含み)の平板の形態の母材を利用してプレス成形方式を使用して形成されることができ、特に、比較的に深さの深い突出部202を形成するために深絞りプレス(deep drawing press)成形方式を使用して形成することができる。もちろん、この場合に突出部202のサイズは、共振素子として作用できるように該当周波数などを考慮して適切に設計される。下側ケース20には、以後、入出力端子を接続するために突出部20の位置を考慮して適正部位に貫通穴(図示せず)が追加で形成される。
【0019】
上側ケース10は、下側ケース20と同様にアルミニウムやマグネシウム材質(合金含み)の平板の形態の母材を利用してプレス成形方式を使用して形成されることができる。このようなプレス成形時に、上側ケース10には、下側ケース20の共振素子に該当する突出部202と対応する部位に、突出部202の長さ方向の先端面と向き合う内面(すなわち、上側ケースの内面)との間隔を外部の圧力により調節するためのシワ構造102が形成される。このようなシワ構造102は、上下に突出される屈曲面が閉ループ形態に沿って(例えば、円形に沿って)少なくとも一つ以上形成される。
図4でより明確に図示されるように、シワ構造102は、上側ケース10の切断面がジグザグ形態になるように形成される。
【0020】
シワ構造102は、従来のチューニングネジ及び固定用ナットの結合構造に代えるためのものであって、本発明の実施形態では、周波数チューニングの際に該当フィルタリング特性をモニターリングしながら、フィルタリング特性が最適化されるか又は基準値を満たす時まで、該当シワ構造102と下側ケース20の突出部202の上段との距離が狭くなるように、シワ構造102を上側から押さえてシワの部分を伸ばす。
図4のaには、初期の製作状態のシワ構造102が例示され、
図4のbには、シワ構造102が周波数チューニング作業により伸ばされた状態が例示される。
【0021】
このように、本発明の実施形態では、シワ構造102を利用して周波数チューニング構造を形成することができ、このようなシワ構造102は、周波数チューニング作業による変形の以後に元の状態に戻らないように適切な材質、厚さ及びサイズに設定される。この時、シワ構造102の厚さは上側ケース10の厚さに比べて多少薄く設定されてもよい。
【0022】
図1乃至
図4に図示されるように、本発明の第1の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタを見ると、周波数チューニング構造が形成されるシワ構造102を有する上側ケース10が一回のプレス成形加工を通して形成されることができ、同様に共振素子の役割をする突出部202を有する下側ケース20も一回のプレス加工を通して形成されることができるので、従来のチューニングネジ及び固定用ナットの結合構造を採用した構造に比べてより簡単な構造を有し、より安価で迅速な製作が可能であり、より小型化及び軽量化が可能になる。この場合に、従来に比べて、チューニングネジを設けず、また別途の共振素子を付着する構造ではないので、キャビティを形成する内部面の不連続性によるPIMD(Passive Inter Modulation Distortion)特性を改善する作用効果も有することができる。
【0023】
特に、本発明の上記実施形態による無線周波数フィルタ構造は、従来のチューニングネジが設けられる構造と比較して、より小型であり、より高出力に使用されることができる。チューニングネジを使用する場合には、例えば、50Wの高出力に使用時にチューニングネジと共振素子との間隔を5mm以上に維持すべきである。これは、チューニングネジの縁の部位で静電容量が集中されるので、チューニングネジと共振素子との間の間隔が近いほどスパークが発生する可能性が大きくなるためである。これに比べて、本発明では、このようなチューニングネジを設けないので、従来と比較して、共振素子の上段と上側ケースとの間隔をより狭まくすることができ、高出力にもより安定に動作することができる。
【0024】
図5は、本発明の第2の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの分離斜視図であり、
図6は、
図2の結合構造におけるA−A’部分切開斜視図である。本発明の第2の実施形態による構造は、複数のキャビティ、例えば6個のキャビティ構造が多段で接続される場合を例示している。
図5及び
図6に図示された構造は、
図1乃至
図4に図示された第1の実施形態の構造が3個ずつ2行で位置して順次に接続された構造である。
【0025】
図5及び
図6を参照すれば、本発明の第2の実施形態による構造で、下側ケース22には、その下部面の複数のキャビティに該当する位置の中央で各キャビティ内部に向かって上側に突出され、かつ、その内部が空いていながら入り口が全体ケースの外部に向かうポケット形態の複数の突出部222が残りの部位と継ぎ目無しで形成されて共振素子の役割をする。もちろん、このような複数の突出部222を有する下側ケース22は、平板の形態の母材を利用して一回のプレス成形により形成される。この時、下側ケース22では、それぞれのキャビティ構造が相互順次にカップリング構造を有するように、相互順次に接続構造を有するキャビティ構造間で、接続通路構造であるカップリングウィンドウ224が形成される。
図5及び
図6を参照すれば、このようなカップリングウィンドウ224は、キャビティ相互間の隔壁に該当する部位に、予め設定されたサイズで一定部分が除去された形態で形成されることができる。
【0026】
上側ケース12には、下側ケース22の複数の突出部222と各々対応する部位に、上下に突出される屈曲面が閉ループ形態に沿って(例えば、円形に沿って)少なくとも一つ以上形成される複数のシワ構造122が形成されて、周波数チューニングのために使用される。もちろん複数のシワ構造122を有する上側ケース12も一回のプレス成形により形成される。
【0027】
また、上側ケース12には、下側ケース22の複数の突出部222と各々対応する位置に微細なサイズの伝導性ピン注入用穴1222が各々形成されるが、これは周波数チューニング作業時に上側ケース12と下側ケース22のそれぞれの突出部222との間を相互ショート(short)させるための伝導性ピン注入のために使用される。より詳細に説明すれば、周波数チューニング方式によってそれぞれのキャビティ構造の共振素子(すなわち、突出部)別に周波数チューニング作業を順次に個別的に遂行する方式を使用することができるが、この場合に現在チューニング作業を進行中のキャビティ構造のほかの、残りのキャビティ構造における共振素子は電気的にショートされる必要がある。従って、本発明では、上記複数の伝導性ピン注入用穴1222を通して伝導性ピンを注入することによって、該当キャビティ構造の共振素子(突出部)をショートさせることができる。
【0028】
一方、
図5及び
図6には、該当無線周波数フィルタの入力端子52及び出力端子54が入力端及び出力端キャビティ構造と各々接続するように下側ケース22の側面に形成される穴を通して付着される構造が図示されている。
【0029】
図7は、本発明の第3の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの分離斜視図であり、
図8は、
図7の結合構造におけるA−A’部分の切開斜視図である。
図7及び
図8を参照すれば、本発明の第3の実施形態による構造は、全体的な外観形態は
図1乃至
図4に図示される第1の実施形態の構造と同様であるが、上側ケース14が全体フィルタ構造からみると、上部面及び側面を含んでポケット形態のように形成され、下側ケース24は、全体フィルタ構造で下部面に該当する面だけを形成することで図示されている。もちろん、本発明の第4の実施形態による構造でも下側ケース24には突出部242が形成されて、上側ケース14にはシワ構造142が形成される。
【0030】
図7及び
図8に図示された第3の実施形態の構造は、第1の実施形態の構造と比較して、上側ケース14と下側ケース24との間の境界面(接合面)が相異なるように設定された構造である。このような境界面は、この他にも該当無線周波数フィルタの全体構造における側面のどの位置でも適切に設定されることができ、従って、上側ケース14及び下側ケース24が形成されることができる。
【0031】
図9は、本発明の第4の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの分離斜視図であり、
図10は
図9の結合状態斜視図であり、
図11は、
図10のA−A’部分切開斜視図である。本発明の第4の実施形態による構造は複数のキャビティ、例えば6個のキャビティ構造が多段で接続される場合を例示している。
図9乃至
図11に図示された構造は、
図7及び
図9に図示された第3の実施形態の構造が3個ずつ2行に位置して順次に接続された構造である。
【0032】
図9乃至
図11を参照すれば、本発明の第4の実施形態による構造では、全体的に平板の形態の下側ケース26に複数のキャビティ構造に対応する複数の突出部262が形成され、上側ケース16には、下側ケース26の複数の突出部262と各々対応する部位に各々シワ構造162が形成される。この時、上側ケース16では、それぞれのキャビティ構造が相互順次にカップリング構造を有するように、相互順次に接続構造を有するキャビティ構造間には、相互間の接続通路構造であるカップリングウィンドウ264が形成される。また、上側ケース16には下側ケース26の複数の突出部262と各々対応する位置に伝導性ピン注入用穴1622が各々形成される。
【0033】
上記の通りに、本発明の複数の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタが構成されてもよく、この他にも多様な実施例や変形例があってもよい。
【0034】
例えば、上記の実施形態では上側ケースにシワ構造が形成されることで図示したが、精密な加工により加工公差がほとんど無くフィルタ製作が可能である場合や、精密な周波数チューニングが要求されないフィルタの場合には上記シワ構造が省略されてもよい。
【0035】
また、
図5などに図示された実施形態と同様に、複数のキャビティを有するフィルタ構造では、周波数チューニング作業のために上側ケースにおける、下側ケースの突出部と対応する位置に、両方を相互ショートさせるための伝導性ピン注入用穴を形成すると説明したが、この他にも下側ケースの突出部の上段にこのような用途の穴を形成する構造も有することができる。
【0036】
また、
図5などに図示された実施形態と同様に、複数のキャビティを有するフィルタ構造では、上側ケースにおける、該当下側ケースのカップリングウィンドウに対応する位置に、上記周波数チューニングのためのチューニング構造と類似のシワ構造を追加で形成してカップリングチューニングを遂行する構造を採用することができる。
【0037】
また、上記の説明では、上側ケース及び下側ケースの両方がアルミニウムやマグネシウム材質で構成されると説明したが、この他にも多様な材質で構成することができ、特に、この場合に上側ケース及び下側ケースの両方を同じ材質又は相異なる材質で形成することができる。
【0038】
また、
図5などに図示されるように、特に、上側ケースが薄い平板の形態で構成される場合には、該当上側ケースはプラスチック材質で構成することもできる。もちろん、薄い平板の形態の他の形態でも上側ケース又は下側ケースはプラスチック材質で実現されることができる。
【0039】
また、上記の説明では、上側ケースに形成されるシワ構造は下側ケースの突出部に対応する位置に形成され、例えば、平面上の中心部位に形成されると説明したが、この他にも
図12に図示した通り、シワ構造104は平面上の縁の部位に形成されるように構成されてもよい。すなわち、
図12に図示されたシワ構造104により現れる円形軌跡のサイズは、他の実施形態と比較するとより大きく形成されることが分かる。
【0040】
また、上記の説明では、シワ構造が上側ケースに形成されると説明したが、この他にも
図13に図示した通り、下側ケースの共振素子の役割をする突出部の側面に形成されることができる。また、
図14に図示した通り、下側ケースの共振素子の役割をする突出部の幅方向の先端面と向き合うハウジング面、すなわち、全体フィルタ構造で側面に該当する部位にジャバラ(jabara)形態のシワ206、106がある構造も採用することができる。
【0041】
また、上記の説明では、本発明の上側ケース及び下側ケースの両方がプレス成形方式により形成されると説明したが、この他にも下側ケースは従来と同一方式で実現され、上記本発明の実施形態によるシワ構造を有する上側ケースだけを特徴的に有することでも、製品の小型化及び軽量化に有利である。
【0042】
また、本発明のまた他の実施形態では、
図15を参照すれば、上側ケースでシワ構造が形成される部位に適切な形態の突出部材1108が追加で形成されることができる。突出部材1108は、上側ケースのプレス成形時に同時に形成されるか、又は、別途に製作されてレーザ熔接などにより後で付着されることもできる。このような突出部材1108は、該当突出部材1108を直接的に、又は突出部材1108に形成されることができる穴などのようなキャッチング構造(catching structure)に別途の輪などを連結して引っ張るようにするためのものであって、これを通じて、周波数チューニング際に下側に押さえられて伸ばされたシワ構造をまた(所定の間)元の状態に戻して、周波数チューニング作業時に、より有用であり、再チューニングをすることが可能になる。
【0043】
図16は、本発明の第5の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタのカバー役割をする上側ケース(すなわち、第2のケース)の斜視図であり、
図17は、
図16のA−A’部分切断面図である。
図16及び
図17に図示された第5の実施形態では説明の便宜のために下側ケースに対する図示は省略した。また、
図16及び
図17に図示された第5の実施形態は
図5などに図示された第2の実施形態と同様に、6個のキャビティ構造が例えば、3個ずつ2行に順次に接続された構造であり、図示された上側ケース11はこれと対応する構造を示している。この時、図示されていない下側ケースは、
図5などに図示された第2の実施形態の構造と同一の構造を有してもよく、また、その他にも、従来に従って通常的な構造のように、別途に製作される共振素子が設けられる構造を有してもよい。そのような場合には、上側ケース11は下側ケースとネジ結合を通して結合されることができるので、そのために上側ケース11の適所にネジ結合のためのネジ穴(図示せず)が複数形成されることができる。
【0044】
図16及び
図17を参照すれば、本発明の第5の実施形態による無線周波数フィルタでカバー役割をする上側ケース11には、他の実施形態と同様に、下側ケースに設けられる複数の共振素子21(又は、突出部)と各々対応する部位に、上下に突出される屈曲面が閉ループ形態に沿って(例えば、円形に沿って)少なくとも一つ以上形成される複数のシワ構造112が形成されて、周波数チューニングのために使用される。
【0045】
しかし、第5の実施形態でシワ構造112は、他の実施形態では上下に突出される屈曲面の側面形態が三角形の形態の屈曲構造ではなく、四角形の形態の屈曲構造を有する。このような四角形の形態の屈曲構造を形成するために、例えば、全体的に円形である複数の溝112a、112bが上側ケース11の上面及び下面にお互い会わないように交代に形成される。
【0046】
このような上側ケース11は、他の実施形態と同様に、一回のプレス成形によりシワ構造112を同時に形成しながら製作されることができる。また、この他にも、無線周波数フィルタのサイズなどによって、シワ構造112は、平板形態の上側ケース11を製作した後に、切削加工などにより、溝112a、112bを形成して製作することがより効率的なこともある。
【0047】
一方、
図16及び
図17を参照すれば、第5の実施形態では上側ケース11のシワ構造112の付近に内部中空側にむかって凹む形態の陥没部位114が少なくとも一つ以上設けられることができる。
【0048】
陥没部位114は、補助的又は追加的な周波数チューニングのためのものであって、補助的な周波数チューニング作業時に、陥没部位114に外部打刻装備の打刻ピン502による打刻又は押下によりドットピン構造1142が形成される。このようなドットピン構造1142は、結果的に、陥没部位114の下面と共振素子21との距離が狭まくなることで(併せて、内部中空の体積が変わることにより)補助的な周波数チューニング作業をするようになる。
【0049】
図18を参照して、周波数チューニング装置の全体構成を説明すれば、周波数チューニング対象である本発明の上記第5の実施形態による無線周波数フィルタ1は、打刻ピン502を有する打刻装備5の棚に置かれる。打刻装備5は、通常的なドットピンマーキングマシンで構成することができる。無線周波数フィルタ1の動作特性は計測装備2で計測されるが、このために計測装備2は、無線周波数フィルタ1に予め設定された周波数の入力信号を提供し、無線周波数フィルタ1の出力の提供を受けるように無線周波数フィルタ1と接続する。計測装備2で計測された無線周波数フィルタ1の動作特性は、PCなどで実現されることができる制御装備3に提供される。制御装備3は、無線周波数フィルタ1の動作特性をモニターリングしながら、フィルタリング特性が最適化されたり、又は基準値を満たす時まで打刻装備5の動作を制御し、打刻装備5が無線周波数フィルタ1の凹凸構造114の陥没面に適切な個数及び形態のドットピン構造1142を形成する。
【0050】
ドットピン構造1142は、陥没部位114に複数形成されることができる。また、陥没部位114の厚さや陥没される範囲の幅などは、ドットピン構造1142が形成される周波数チューニング作業時によるストレスによって希望しない変形などが発生しないように適切に設定される。また、この場合に、陥没部位114の幅や厚さ又は形態などの差異によって、同一な打刻装備5で作業する場合にも相異なる可変量を表すドットピン構造1142が形成されることができる。このような陥没部位114のより具体的な詳細構造は、該当設計する無線周波数フィルタ1に要求される特性や条件などによって適切に設計されることができる。
【0051】
図19は、本発明の第6の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの上側ケース斜視図であり、
図20は、
図19のA−A’部分切断面図である。
図19及び
図20に図示された第6の実施形態では説明の便宜のために下側ケースに対する図示は省略した。図示されない下側ケースは、
図5などに図示された第2の実施形態の構造と同一な構造を有してもよく、この他にも、従来に従って通常的な構造のように、別途に製作される共振素子が設けられる構造を有することができる。
【0052】
図19及び
図20を参照すれば、本発明の第6の実施形態による無線周波数フィルタでカバー役割をする上側ケース13には、他の実施形態と同様に、下側ケースに設けられる複数の共振素子21(又は、突出部)と各々対応する部位で、シワ構造132が形成されるが、このようなシワ構造132は、他の実施形態とは相異なるように、平板形態の上側ケース13の下部面が変形されず、上部面で全体的に閉ループ形態(例えば、円形)で複数の溝132a、132bが形成されて構成される。
【0053】
また、
図19及び
図20に図示された構造は、周波数チューニング作業時に、シワ構造132を押さえる場合に、他の実施形態と比較して多少強い押し圧力力が要求されるので、円形の複数の溝132a、132bの間を接続する追加接続溝132cが少なくとも一つ以上追加で形成される。
【0054】
このような上側ケース13は、他の実施形態と同様に、一回のプレス成形を通してシワ構造132が同時に形成されながら製作されてもよく、この他にも上側ケース13が製作された後に、切削加工などにより溝132a、132b、132cが形成されて製作されてもよい。
【0055】
図21は、本発明の第7の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの上側ケース斜視図であり、
図22は
図21の押し部が矢印方向に押さえられる場合におけるA−A’部分切断面図であって、説明の便宜のために下側ケースに対する図示は省略した。
図21及び
図22を参照すれば、本発明の第7の実施形態による無線周波数フィルタは、上側ケース15には他の実施形態で構成されるシワ構造がなく、本発明の第7の実施形態によって、下側ケースに設けられる複数の共振素子21(又は、突出部)と各々対応する部位に、予め設定された形態(例えば、円形)の押し部152が形成される。
【0056】
押し部152は、少なくとも一つの貫通スロット152a、152bにより枠線の大部分が形成されて全体形態が形成される。この時、上記枠線のうち(上記貫通スロットが形成されない)少なくとも一つの接続地点a、bは、上記上側ケースの他の部位と接続することによって、押し部152を支持するようになる。すなわち、押し部152は貫通スロット152a、152b及び接続地点a、bにより囲まれるようになる。
【0057】
図21及び
図22を参照すれば、押し部152は、全体的に二重構造の円形で形成されるが、符号152aで示した三個の円弧形態の貫通スロットが接続地点aを隔てて全体的に一つの円形を形成し、符号152bで示した三個の円弧形態の貫通スロットは接続地点bを隔てて全体的に一つの円形を形成する。本発明の他の実施形態では押し部が二重の円形ではなく、一つの円形を形成する構造や、三重構造の円形を有することができることはあきらかである。
【0058】
このような構造で、周波数チューニング作業時に押し部152を押さえるようになれば、
図22に図示されるように、接続地点a、bが引張及び曲げられることなどにより、押し部152が下側ケースの共振素子21側に組み込まれるようになり、このような方式で、押し部152と共振素子21との間の距離調節を通して周波数チューニング作業が行われる。
【0059】
一方、無線周波数フィルタの上側ケースに上記のような貫通スロットが形成される場合、上記貫通スロットを通して無線信号が多少漏れる場合があるが、信号漏出量が敏感に作用しない装置ではこのような構造の無線周波数フィルタを採用することを十分に考慮する。
【0060】
図23は、本発明の第8の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの上側ケース斜視図であり、
図24は
図23の押し部が矢印方向に押さえられる場合におけるA−A’部分切断面図であって、説明の便宜のために下側ケースに対する図示は省略した。
図23及び
図24を参照すれば、本発明の第8の実施形態による無線周波数フィルタは上側ケース17には
図21及び
図22に開示される第7の実施形態と類似な原理で実現される押し部172が設けられるが、第8の実施形態では押し部172の全体形態が上記第7の実施形態と異なる。
【0061】
図23及び
図24を参照してより詳細に説明すれば、押し部172は第7の実施形態と同様に、少なくとも一つの貫通スロット172a、17bにより枠線の大部分が形成されることによって全体形状が形成される。この時、上記枠線のうち少なくとも一つの接続地点a、bは上側ケース17の他の部位と接続することによって、押し部172を支持するようになる。この時、押し部172は全体的に長い棒の形態であってもよく、棒の形態の両端に接続地点a、bが形成されてもよい。
【0062】
このような構造で、周波数チューニング作業時に押し部172が押さえられると、
図24に図示されるように、接続地点a、bが引張及び曲げられて、棒の形態の押し部172の中心部位が下側ケースの共振素子21側に曲げられて周波数チューニング役割をするようになる。
【0063】
図25は、本発明の第9の実施形態によるキャビティ構造を有する無線周波数フィルタの上側ケース斜視図であり、
図26は
図25の押し部が押さえられる場合にA−A’部分切断面図である。
図25及び
図26を参照すれば、本発明の第9の実施形態による無線周波数フィルタは上側ケース19には、
図21乃至
図24に開示される第7及び第8の実施形態と類似な原理で実現される押し部192が設けられるが、第9の実施形態では押し部192の全体形態が他の実施形態と相異する。
【0064】
押し部192は、第7及び第8の実施形態と同様に、少なくとも一つの貫通スロット192aにより枠線が形成されることによって、全体的に「U」字の形態が形成される。この時、押し部192は、上記枠線のうち貫通スロット192aが形成されない接続地点aを通して上側ケース19の他の部位と接続する。
【0065】
このような構造で、周波数チューニング作業時に押し部192が押さえられると、
図26に図示されるように、接続地点aが引張及び曲げられ、「U」字の形態の押し部192の一段が下側ケースの共振素子21側に押下されて周波数チューニング役割をするようになる。
【0066】
図25及び
図26では、押し部192が上側ケース19における、共振素子21の上段と向き合う位置の中心から多少離れて、共振素子21別に一つや2個ずつ形成されることで図示したが、このような押し部192の形成位置及び個数は該当フィルタの特性によって適切に設定されることができる。
【0067】
また、
図25及び
図26では、上側ケース19に、押し部192と類似の構造を有するカップリングチューニング用押し部194がさらに設けられることが図示されているが、カップリングチューニング用押し部194は、下側ケースにおけるそれぞれのキャビティ間の通路構造であるカップリングウィンドウに対応する部位に設置される。このようなカップリングチューニング用押し部194は、周波数チューニングのためのチューニング方式と類似の方式でカップリングチューニングの役割を遂行するようになる。
【0068】
図16乃至
図26に図示されるように、本発明の第5乃至第9の実施形態が形成されることができるが、上記実施形態の少なくとも一部構成は上記第1乃至第4の実施形態をはじめ他の実施形態でも同様に適用されることができる。例えば、
図16に図示されるように陥没部位は他の実施形態でも同様に適用されることができる。
【0069】
また
図25に図示したようなカップリングチューニングのために押さえる構造も同様に他の実施形態に適用されてもよく、反対に他の実施形態の押さえる構造もカップリングチューニングのために適用されてもよい。
【0070】
また、この他にも場合によっては、キャビティ構造が多段で接続された無線周波数フィルタで各キャビティ別に上記実施形態による構造が相異なるように適用されることができる。