【実施例1】
【0008】
図1は長形の生地である。この生地は、
図1に示すように一種類の素材で構成してもいいし、複数種類の素材を接合して構成しても構わない。
図2(a)は、長形の生地(1)の短辺abとa’b’を接合して筒状の生地を構成したものである。本図中、11は正面図、12は平面図、13は底面図、14は挿通部B、15は挿通部B’、16は接合部iである。「わ」は、本生地が輪を構成する、つまり本生地が筒状に構成されていることを示す。
図2(b)は、編物で形成された筒状の生地を示す。本図中、11’は正面図、12’は平面図、13’は底面図、14’は挿通部B、15’は挿通部B’である。
図2(a)と異なる点は、編物として筒状の生地が形成されるので、接合部iが存在しないことである。
【0009】
図3は、
図2(a)または
図2(b)に示す筒状の生地の二つの挿通部B、B’のうちの一方の挿通部B’において、その一部であるcc’とdd’の間を接合して、その接合部j(21)の両側に挿通部A(22)、挿通部A’(23)を設けることによって形成された、本発明に係る外衣である。
本外衣の標準的な出来上がりサイズは厳密なものではないが、その目安は、使いやすさの観点から100cm×50cm程度である。短辺のサイズは、おくるみとして使用する場合、新生児の身長以上であること、例えば、50cm以上であることが好ましい。挿通部A(22)、挿通部A’(23)のサイズは、頭の入れ易さの観点から、35cm(周囲70cm)程度が好ましいが、伸縮性のある生地で作成する場合は小さめでも構わない。
なお、
図3において接合部i(16)を破線で示しているのは、
図2(a)のように、長形の生地を接合して本外衣を形成する場合は接合部i(16)が陽に見え、
図2(b)のように、編物で本外衣を形成する場は、接合部i(16)が陽に見えないことを意味する。
【0010】
接合部i(16)、接合部j(21)を形成する手段としては、縫合、ファスナー、ボタン、ホック、素材によっては、熱処理、接着剤等を使用することが出来る。
また、本外衣の素材は、布地に限らず、織物、編物、不織布などの布材、樹脂材、ビニール材、皮革材、紙材又は金属材等、織込み等が自由にできるものであれば何でも構わない。素材の伸縮性、機密性、保温性、透明性、耐火性等の面から適切なものを選べばよい。
また、長形の生地(1)は一重仕立てでも二重仕立てでも構わない。二重仕立てにすればより保温性を増すことができる。
また、素材の質感や模様を生かして、ファッション性を発揮することも可能である。
【0011】
図3に示す外衣の、一つの大きな挿通部B(14)と二つの小さな挿通部A(22)、挿通部A’(23)に、人の頭、手、上半身等のいろいろな部位を挿通させることにより、本外衣は、授乳用ケープ、カーディガン、ベスト等、いろいろな用途に使用することができる。
また、
図3に示す外衣を折込むと、ストールとして、または、おくるみ、ポンチョ、頭巾等として使用することができる。
以下、本外衣の使用例について詳細に述べる。
【0012】
図3に示す外衣を、授乳用ケープとして使用する例について説明する。
挿通部B(14)から自己の頭を入れ挿通部A(22)からその頭を出す。挿通部A’(23)から抱いた赤ちゃんの頭を出す。
図4(a)は赤ちゃんの頭が完全に見えている状態、図(b)は赤ちゃんの頭の一部が見えている状態である。
また、
図4(c)は、赤ちゃんを抱かないで、挿通部A(22)から自己の頭を出し、挿通部A’(23)から自己の手を出して、ポンチョとして使用する例である。
【0013】
図3に示す外衣を、カーディガンまたはベストとして使用する例について説明する。
挿通部B(14)を広げて背中側からはおり、挿通部A(22)、挿通部A’(23)それぞれに自己の左右の手を通すとカーディガンとして使用することができる。その前姿を
図5(a)に、後姿を
図5(b)に示す。
また、このように本外衣をカーディガンとして着用した状態において、挿通部A(22)、挿通部A’(23)を肩までたくし上げると、ベストとして使用することができる。その前姿を
図6(a)に、後姿を
図6(b)に示す。
【0014】
図3に示す外衣を、ストールとして使用する例について説明する。
図3に示す外衣を、
図7に示すように、その挿通部B(14)を、ストール用折込線(31)に沿って、挿通部A(22)および挿通部A’(23)側に向けて、内側または外側に折込む。
図8(a)は、内側に折込んだ例、
図8(b)は、外側に折込んだ例である。
このように、その幅が半分になるように折込んだ外衣を、マフラーのように首にかけ、挿通部A(22)を挿通部A’(23)に通してフィットさせると、
図9に示すように、ストールとして使用することができる。
【0015】
図3に示す外衣を、おくるみ、ポンチョまたは頭巾として使用する例について説明する。
図10(a)の矢印に示すように、挿通部A’(23)が挿通部A(22)の内側に、f部分がe部分の内側に、f’部分がe’部分の内側に重なるように、本外衣の挿通部A’(23)を挿通部B(14)の内側に折込む。
そうすると、
図10(b)に示すように、挿通部A(22)と挿通部A’(23)が二重に重なる。次に、e、f部分の対角部分であるg部分、h部分を開くと、
図10(c)に示すように兜状のポンチョが構成され、挿通部D(33)が新たに構成される。
【0016】
この挿通部D(33)から赤ちゃんの頭を入れ、その頭を、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から出すと、おくるみとして使用することができる。
図11(a)は、おくるみに赤ちゃんがくるまれた状態を、
図11(b)は、おくるみにくるまれた赤ちゃんが抱かれている状態を示す。
【0017】
また、挿通部D(33)から自己の頭を入れ、その頭を、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から出すと、
図11(c)に示すように、上半身が覆われてポンチョとして使用することができる。
さらには、挿通部D(33)から自己の頭を入れ、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から顔だけ出すと、
図11(d)に示すように頭巾として使用することができる。