特開2016-69735(P2016-69735A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016069735-多機能・多用途外衣(ショール) 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-69735(P2016-69735A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】多機能・多用途外衣(ショール)
(51)【国際特許分類】
   A41D 3/08 20060101AFI20160404BHJP
   A41B 13/06 20060101ALI20160404BHJP
【FI】
   A41D3/08 A
   A41B13/06
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-196346(P2014-196346)
(22)【出願日】2014年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】309041834
【氏名又は名称】大森 彩
(72)【発明者】
【氏名】大森 彩
【テーマコード(参考)】
3B031
3B128
【Fターム(参考)】
3B031AA01
3B031AA02
3B031AA05
3B031AA22
3B031AA23
3B031AA26
3B031AB01
3B031AB12
3B031AC13
3B031AE01
3B031AE02
3B128PA00
(57)【要約】
【課題】 授乳時の被覆に加え、どのような年代、性別の方にも防寒・防災の用途があり、しかも作製が容易で、かつ携行性およびファッション性に優れる外衣を提供する。
【解決手段】 筒状に形成された生地の二つの挿通部(14、15)のうち一方の挿通部(15)の一部を接合して、その接合部の両側にさらに挿通部(22、23)を設ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の一部を接合して、その接合部の両側にさらに挿通部を設けたことを特徴とする外衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代の方が使用できる、多機能・多用途に使用可能な外衣に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、授乳中に他人から見られたくない部分を隠す授乳用ケープ(特開2010−69003)が提案されている。
また、一枚布にスリットや開口部を設けてずれ落ちを防止したり、外衣やひざ掛けとして使用できる多機能のショールが提案されている(特開2010−53501)。
これらは平面的な構造で携行の容易さや簡便性から広く利用できるが、一つで授乳用ケープ、ショール、防寒等の複数の機能・用途を果たすことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−053501
【特許文献2】特平2011−069003
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術に係る外衣は、その機能・用途が限られているので、外出の際、機能・用途ごとの外衣を携行しなければならず荷物がかさばる等の問題があった。また、その機能・用途が限られるので使用者が限定されるという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、授乳時の被覆に加え、どのような年代、性別の方にも防寒・防災の用途があり、しかも作製が容易で、かつ携行性およびファッション性に優れる外衣を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の外衣は、筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の一部を接合して、その接合部の両側にさらに挿通部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る外衣は、その3つの挿通部の適当なものに、頭、手または上半身等を挿通させることにより、通常の服、カーディガン、ベストとして着用することができる。
また、授乳時や小動物運搬時の目隠しとしても利用でき、膝かけ、肌掛け、おくるみやおむつ替えマットとしても利用できる。(使用方法の詳細は後述する)
このように、一つで多用途に使用出来るため、飛行機・電車・船舶等での移動時や登山時における防寒具として、緊急時・災害時の保温外衣として等、広く利用することが可能であり、旅行時等の携帯品を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】長形の生地
図2】筒状に形成された生地。(a)は図1のような長形の生地の短辺を接合して筒状に形成したもの。(b)は編物により筒状に形成され、接合部i(16)が陽に見えないもの。
図3】筒状の生地の一方の挿通部の一部を接合して得られた外衣。
図4】本発明に係る外衣の使用例。授乳用ケープとして、(a)は赤ちゃんの頭が完全に見えている例、(b)は赤ちゃんの頭の一部が見えている例。(c)は赤ちゃんを抱かずにポンチョとして使用した例。
図5】カーディガンとしての使用例で、(a)は前姿、(b)は後姿である。
図6】ベストとしての使用例で、(a)は前姿、(b)は後姿である。
図7】ストールを形成するための折込方法
図8】(a)は内折して形成したストール、(b)は外折して形成したストールである。
図9】ストールとしての使用例
図10】おくるみ・ポンチョ等を形成する方法であって、(a)は折込の方向、(b)は折込まれた直後、(c)形成されたポンチョを示す。
図11】おくるみ・ポンチョ等の使用例で、(a)は赤ちゃんがくるまれた例、(b)はくるまれた赤ちゃんが抱かれた例である。(c)はポンチョとして、(d)は頭巾としての使用例である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
図1は長形の生地である。この生地は、図1に示すように一種類の素材で構成してもいいし、複数種類の素材を接合して構成しても構わない。
図2(a)は、長形の生地(1)の短辺abとa’b’を接合して筒状の生地を構成したものである。本図中、11は正面図、12は平面図、13は底面図、14は挿通部B、15は挿通部B’、16は接合部iである。「わ」は、本生地が輪を構成する、つまり本生地が筒状に構成されていることを示す。
図2(b)は、編物で形成された筒状の生地を示す。本図中、11’は正面図、12’は平面図、13’は底面図、14’は挿通部B、15’は挿通部B’である。図2(a)と異なる点は、編物として筒状の生地が形成されるので、接合部iが存在しないことである。
【0009】
図3は、図2(a)または図2(b)に示す筒状の生地の二つの挿通部B、B’のうちの一方の挿通部B’において、その一部であるcc’とdd’の間を接合して、その接合部j(21)の両側に挿通部A(22)、挿通部A’(23)を設けることによって形成された、本発明に係る外衣である。
本外衣の標準的な出来上がりサイズは厳密なものではないが、その目安は、使いやすさの観点から100cm×50cm程度である。短辺のサイズは、おくるみとして使用する場合、新生児の身長以上であること、例えば、50cm以上であることが好ましい。挿通部A(22)、挿通部A’(23)のサイズは、頭の入れ易さの観点から、35cm(周囲70cm)程度が好ましいが、伸縮性のある生地で作成する場合は小さめでも構わない。
なお、図3において接合部i(16)を破線で示しているのは、図2(a)のように、長形の生地を接合して本外衣を形成する場合は接合部i(16)が陽に見え、図2(b)のように、編物で本外衣を形成する場は、接合部i(16)が陽に見えないことを意味する。
【0010】
接合部i(16)、接合部j(21)を形成する手段としては、縫合、ファスナー、ボタン、ホック、素材によっては、熱処理、接着剤等を使用することが出来る。
また、本外衣の素材は、布地に限らず、織物、編物、不織布などの布材、樹脂材、ビニール材、皮革材、紙材又は金属材等、織込み等が自由にできるものであれば何でも構わない。素材の伸縮性、機密性、保温性、透明性、耐火性等の面から適切なものを選べばよい。
また、長形の生地(1)は一重仕立てでも二重仕立てでも構わない。二重仕立てにすればより保温性を増すことができる。
また、素材の質感や模様を生かして、ファッション性を発揮することも可能である。
【0011】
図3に示す外衣の、一つの大きな挿通部B(14)と二つの小さな挿通部A(22)、挿通部A’(23)に、人の頭、手、上半身等のいろいろな部位を挿通させることにより、本外衣は、授乳用ケープ、カーディガン、ベスト等、いろいろな用途に使用することができる。
また、図3に示す外衣を折込むと、ストールとして、または、おくるみ、ポンチョ、頭巾等として使用することができる。
以下、本外衣の使用例について詳細に述べる。
【0012】
図3に示す外衣を、授乳用ケープとして使用する例について説明する。
挿通部B(14)から自己の頭を入れ挿通部A(22)からその頭を出す。挿通部A’(23)から抱いた赤ちゃんの頭を出す。図4(a)は赤ちゃんの頭が完全に見えている状態、図(b)は赤ちゃんの頭の一部が見えている状態である。
また、図4(c)は、赤ちゃんを抱かないで、挿通部A(22)から自己の頭を出し、挿通部A’(23)から自己の手を出して、ポンチョとして使用する例である。
【0013】
図3に示す外衣を、カーディガンまたはベストとして使用する例について説明する。
挿通部B(14)を広げて背中側からはおり、挿通部A(22)、挿通部A’(23)それぞれに自己の左右の手を通すとカーディガンとして使用することができる。その前姿を図5(a)に、後姿を図5(b)に示す。
また、このように本外衣をカーディガンとして着用した状態において、挿通部A(22)、挿通部A’(23)を肩までたくし上げると、ベストとして使用することができる。その前姿を図6(a)に、後姿を図6(b)に示す。
【0014】
図3に示す外衣を、ストールとして使用する例について説明する。
図3に示す外衣を、図7に示すように、その挿通部B(14)を、ストール用折込線(31)に沿って、挿通部A(22)および挿通部A’(23)側に向けて、内側または外側に折込む。図8(a)は、内側に折込んだ例、図8(b)は、外側に折込んだ例である。
このように、その幅が半分になるように折込んだ外衣を、マフラーのように首にかけ、挿通部A(22)を挿通部A’(23)に通してフィットさせると、図9に示すように、ストールとして使用することができる。
【0015】
図3に示す外衣を、おくるみ、ポンチョまたは頭巾として使用する例について説明する。
図10(a)の矢印に示すように、挿通部A’(23)が挿通部A(22)の内側に、f部分がe部分の内側に、f’部分がe’部分の内側に重なるように、本外衣の挿通部A’(23)を挿通部B(14)の内側に折込む。
そうすると、図10(b)に示すように、挿通部A(22)と挿通部A’(23)が二重に重なる。次に、e、f部分の対角部分であるg部分、h部分を開くと、図10(c)に示すように兜状のポンチョが構成され、挿通部D(33)が新たに構成される。
【0016】
この挿通部D(33)から赤ちゃんの頭を入れ、その頭を、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から出すと、おくるみとして使用することができる。図11(a)は、おくるみに赤ちゃんがくるまれた状態を、図11(b)は、おくるみにくるまれた赤ちゃんが抱かれている状態を示す。
【0017】
また、挿通部D(33)から自己の頭を入れ、その頭を、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から出すと、図11(c)に示すように、上半身が覆われてポンチョとして使用することができる。
さらには、挿通部D(33)から自己の頭を入れ、重なった挿通部A(22)、挿通部A’(23)から顔だけ出すと、図11(d)に示すように頭巾として使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明に係る外衣は、授乳時の被覆に加え、どのような年代、性別の方にも防寒・防災の用途があり、しかも作製が容易で、かつ携行性およびファッション性に優れるので、授乳用ケープ、ポンチョ、カーディガン、ベスト、ストール、おくるみ、頭巾等、多用途の外衣として利用することができる。
【符号の説明】
【0019】
1 長形の生地(正面図)
2 長形の生地(平面図)
3 長形の生地(底面図)
11、11’ 筒状に形成された生地(正面図)
12、12’ 筒状に形成された生地(平面図)
13、13’ 筒状に形成された生地(底面図)
14、14’ 挿通部B
15、15’ 挿通部B’
16 接合部i
21 接合部j
22 挿通部A
23 挿通部A’
31 ストール用折込線
32 挿通部C
33 挿通部D
図1
図2
図3
図7
図8
図10
図4
図5
図6
図9
図11
【手続補正書】
【提出日】2015年2月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を接合して、その接合部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部を設けたことを特徴とする外衣。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1記載の外衣は、筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を接合して、その接合部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部を設けたことを特徴とするものである。
【手続補正書】
【提出日】2015年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長形の生地の両方の短辺を接合して筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を、その短辺の接合部の前記一方の側の端部がその中央部の中心部分に位置するように接合して、
または、編物で筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を接合して、
その接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部を設けたことを特徴とする外衣。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
長形の生地の両方の短辺を接合して筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を、その短辺の接合部の前記一方の側の端部がその中央部の中心部分に位置するように接合して、または、編物で筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部を接合して、その接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部を設けたことを特徴とするものである。
【手続補正書】
【提出日】2015年9月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長形の生地の両方の短辺が接合されて筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部が、前記短辺の接合部の前記一方の側の端部が前記中央部の中心部分に位置するように接合されており、
前記接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部が形成されていることを特徴とする外衣。
【請求項2】
筒状に形成された編物の生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部が接合されており、
前記接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部が形成されていることを特徴とする外衣。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
請求項1に記載の外衣は、長形の生地の両方の短辺が接合されて筒状に形成された生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部が、前記短辺の接合部の前記一方の側の端部が前記中央部の中心部分に位置するように接合されており、前記接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の外衣は、筒状に形成された編物の生地の二つの挿通部のうち一方の挿通部の中央部が接合されており、前記接合された中央部の両側に人の頭が入る大きさの挿通部が形成されていることを特徴とするものである。