(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-69746(P2016-69746A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】まつ毛エクステンション用作業器具
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20160404BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-197790(P2014-197790)
(22)【出願日】2014年9月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示による公開(平成26年5月19日)
(71)【出願人】
【識別番号】314012685
【氏名又は名称】有限会社シオン
(71)【出願人】
【識別番号】514247676
【氏名又は名称】株式会社ビューティースタイル
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】山田 健
(57)【要約】
【課題】 揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを抑制することが可能な「まつ毛エクステンション用作業器具」を提供する。
【解決手段】 施術者が用いるピンセット部に装着可能な空気管装着具7と、空気管装着具7に保持されるとともに、空気が流通可能な管状の空気管5であってピンセット部3の先端側に向けて開口した開口部5Aを有する空気管5とを備える。これにより、空気管5により誘起される気流により、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを抑制できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
「人工のまつ毛」をグルーにて「自まつ毛」に接着する「まつ毛エクステンション」の作業時に用いられる作業器具において、
前記「まつ毛エクステンション」を施術する施術者が用いるピンセットに装着可能な空気管装着具と、
前記空気管装着具に保持されるとともに、空気が流通可能な管状の空気管であって、前記ピンセットの先端側に向けて開口した開口部を有する空気管と
を備えることを特徴とする「まつ毛エクステンション用作業器具」。
【請求項2】
前記開口部は空気が噴き出す吹出口であって、当該吹出口側には、噴き出される空気を拡散させるディフューザー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の「まつ毛エクステンション用作業器具」。
【請求項3】
「人工のまつ毛」をグルーにて「自まつ毛」に接着する「まつ毛エクステンション」の作業時に用いられる作業器具であって、
ピンセット部と、
空気が流通可能な管状の空気管と、
前記空気管を保持する保持部を有するとともに、前記ピンセット部に装着された空気管装着具と
を備えることを特徴とする「まつ毛エクステンション用作業器具」。
【請求項4】
前記空気管装着具には、前記空気管の保持角度を変更可能とする角度調整部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の「まつ毛エクステンション用作業器具」。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「人工のまつ毛」をグルー等の接着剤にて「自まつ毛」に接着する「まつ毛エクステンション」の作業時に用いられる作業器具に関する。
【背景技術】
【0002】
「まつ毛エクステンション」では、施術者がピンセットを用いて「人工のまつ毛」を一本一本「自まつ毛」に装着する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−209503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グルーが硬化する際に揮発物質(例えば、ホルムアルデヒド)が発生する。
本発明は、上記点に鑑み、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを抑制することが可能な「まつ毛エクステンション用作業器具」を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、「人工のまつ毛」をグルーにて「自まつ毛」に接着する「まつ毛エクステンション」の作業時に用いられる作業器具において、「まつ毛エクステンション」を施術する施術者が用いるピンセット(3)に装着可能な空気管装着具(7)と、空気管装着具(7)に保持されるとともに、空気が流通可能な管状の空気管(5)であって、ピンセット(3)の先端側に向けて開口した開口部(5A)を有する空気管(5)とを備えることを特徴とする。
【0006】
これにより、本発明では、空気管(5)により誘起される気流により、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを抑制できる。なお、空気管(5)は、空気を吹き出す場合、及び空気を吸引する場合のいずれであっても構わない。
【0007】
なお、本発明は以下のように構成してもよい。
すなわち、開口部(5A)を空気が噴き出す吹出口とするとともに、当該吹出口(5A)側には、噴き出される空気を拡散させるディフューザー部(5B)を設ける。これにより、施術者及び被施術者の周囲の空気を拡散させることが可能となるので、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを確実に抑制できる。
【0008】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る「まつ毛エクステンション用作業器具」の全体図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る「空気管装着具」の二面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る「空気管」を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0011】
各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
1.「まつ毛エクステンション用作業器具」の構成
図1は、本実施形態に係る「まつ毛エクステンション用作業器具(以下、「作業具1」と記す。)の全体図である。作業具1は、ピンセット部3、空気管5及び空気管装着具7等を備えている。
【0013】
ピンセット部3は、人工まつ毛を摘むためのものであって、施術者により把持される部位である。当該ピンセット部3は、先端側が尖った一対の板ばね部3Aを有し、かつ、それら板ばね部3Aの他端側が互いに接合されたものである。
【0014】
空気管5は、空気が流通可能な管状の部材であって、ピンセット部3の先端側に向けて開口した開口部5Aを有する。空気管5の他端側には、シリコンチューブ等の可撓性を有するチューブ6が接続される。
【0015】
チューブ6は、コンプレッサ等の送風装置(図示せず。)の吐出口に接続される。このため、チューブ6を介して空気管5に送風された空気は、空気管5内を流通して開口部5Aから吹き出される。つまり、本実施形態に係る開口部5Aは、空気が吹き出す吹出口として機能する。
【0016】
なお、空気管5に供給される空気は、流量調整弁の開度又は送風装置の作動を制御することにより調整可能である。流量調整弁の開度又は送風装置の作動を調整する手段として、本実施形態では、脚踏み式操作スイッチ(図示せず。)を採用している。
【0017】
空気管装着具7は空気管5をピンセット部3に取り付けるための部材である。この空気管装着具7は、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、空気管5を保持する保持部7A、空気管装着具7をピンセット部3に装着するための装着部7Bを有している。
【0018】
保持部7Aは空気管5が挿入可能な貫通穴にて構成されている。当該貫通穴は、空気管5を基準としてh7〜h8程度の「すきまばめ」である。このため、空気管5を保持部(貫通穴)7Aに挿入した状態では、空気管5は、空気管5に作用する重力によって空気管装着具7に対して移動することはない。しかし、施術者が空気管5を押圧又は引っ張ることにより、空気管5を空気管装着具7に対して移動させることができる。
【0019】
装着部7Bは、一対の板ばね部3Aの他端側が挿入可能なスリット状の凹部7C(
図2(a)参照)、及び雌ネジが形成された一対の貫通穴7D、7E(
図2(b)参照)を有している。
【0020】
各貫通穴7D、7EにはPネジ等のネジを装着される。当該ネジが締め込まれると、空気管装着具7がピンセット部3に固定される。そして、貫通穴7D、7Eに挿入されたネジのうちいずれか一方を支点として、ピンセット部3に対する空気管装着具7の固定角度を変更すれば、空気管5の保持角度を変更することができる。
【0021】
つまり、貫通穴7D、7E及びそれらに挿入されたネジは、空気管5の保持角度を変更可能とする角度調整部として機能する。なお、空気管装着具7のピンセット部3への組み付け手順は、例えば、以下の通りである。
【0022】
先ず、例えば貫通穴7Dに挿入したネジを仮締めする。次に、貫通穴7Eに挿入されたネジの先端がピンセット部3に触れる程度に当該ネジを締め込む。この状態で、空気管装着具7の組み付け角度、つまり空気管5の向きを調整する。
【0023】
そして、空気管5の向きが適切な向きとなったときに、2本のネジを締め込む。これにより、当該取付角度が維持された状態で空気管装着具7がピンセット部3に固定される。
2.本実施形態に係る作業具の特徴
本実施形態に係る作業具1では、空気管5から吹き出す空気流により、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを抑制できる。
【0024】
(第2実施形態)
本実施形態に係る空気管5は、
図3に示すように、吹出口、つまり開口部5A側に、噴き出される空気を拡散させるディフューザー部5Bを設けたものである。なお、ディフューザー部5Bは、先端に向かうほど、穴径が拡大するようなラッパ状に形成された部位である。
【0025】
これにより、本実施形態では、施術者及び被施術者の周囲の空気を拡散させることが可能となるので、揮発物質が施術者及び被施術者の周囲に滞留し続けることを確実に抑制できる。
【0026】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、開口部3Bから空気を吹き出すタイプの空気管5であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、空気を吸引するタイプの空気管5であってもよい。
【0027】
本発明に係る保持部7A、装着部7B及び角度調整部は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その構造であってもよい。
上述の実施形態に係る空気管5及び空気管装着具7は、チタン等の耐食性に優れ、かつ、密度の小さい金属製であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステンレスや樹脂等のその他素材であってもよい。
【0028】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0029】
1… 作業具
3… ピンセット部
3A… 部
3B… 開口部
5… 空気管
5A… 開口部
5B… ディフューザー部
6… チューブ
7… 空気管装着具
7A… 保持部
7B… 装着部
7C、7E… 凹部