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特開2016-70842周波数情報検出装置及び高周波電源装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-70842(P2016-70842A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】周波数情報検出装置及び高周波電源装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 23/02 20060101AFI20160404BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20160404BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20160404BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20160404BHJP
【FI】
   G01R23/02
   H05H1/46 R
   H01L21/302 101G
   H01L21/302 101B
   C23C16/505
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-202519(P2014-202519)
(22)【出願日】2014年9月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(72)【発明者】
【氏名】中森 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】梅原 昌雄
【テーマコード(参考)】
2G029
4K030
5F004
【Fターム(参考)】
2G029AA02
2G029AB06
2G029AD08
2G029AH01
4K030KA30
4K030KA32
5F004AA16
5F004BA04
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB32
5F004CA03
5F004CA06
(57)【要約】

【課題】
従来の周波数情報検出装置では、周波数を検出することはできるが、位相情報を検出することができないので、他の高周波電源の出力周波数及び位相を入力信号Vinの周波数及び位相に合わせることができなかった。
【解決手段】 時刻[t]における入力信号Vinの第1推定位相情報及び第1推定周波数情報を推定する。また、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号の第2位相情報及び第2周波数情報を推定する。第1推定周波数情報に対する第2推定周波数情報の誤差の移動平均値(Ferr_ave[t])を演算する。また第1推定位相情報に対する第2推定位相情報の誤差の移動平均値(αerr_ave[t])を演算する。そして、両方の誤差の平均値が予め定めた範囲内になるように、正弦波信号生成部40への指令周波数を補正する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログの正弦波信号Vinの周波数情報を検出する周波数情報検出装置であって、
アナログの正弦波信号Vinを、予め定めたサンプリング周期(サンプリング周波数fの逆数:1/f)でデジタル信号に変換することによって得られる時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を順次出力することにより、複数のサンプリングデータで構成される正弦波信号に変換するA/D変換部と、
時刻[t]における入力信号Vinの位相情報の推定値を第1推定位相情報として出力する第1推定位相情報出力部と、
時刻[t]における入力信号Vinの周波数情報の推定値を第1推定周波数情報として出力する第1推定周波数情報出力部と、
入力信号Vinの設定周波数情報に補正周波数情報を加算した周波数情報を同期周波数情報としたときに、前記同期周波数情報に基づいて正弦波信号を生成する正弦波信号生成部と、
時刻[t]における前記正弦波信号生成部から出力される正弦波信号の位相情報の推定値を第2推定位相情報として出力する第2推定位相情報出力部と、
時刻[t]における前記正弦波信号生成部から出力される正弦波信号の周波数情報の推定値を第2推定周波数情報として出力する第2推定周波数情報出力部と、
時刻[t]における前記第1推定周波数情報に対する前記第2推定周波数情報の誤差(誤差周波数情報)の移動平均値を演算し、誤差周波数移動平均値情報として出力する誤差周波数情報出力部と、
時刻[t]における前記第1推定位相情報に対する前記第2推定位相情報の誤差(誤差位相情報)の移動平均値を演算し、誤差位相移動平均値情報として出力する誤差位相情報出力部と、
前記誤差周波数移動平均値情報が予め定めた範囲外の場合は、前記誤差周波数移動平均値情報が小さくなるように前記補正周波数情報を定めて出力し、前記誤差周波数移動平均値情報が予め定めた範囲内の場合は、前記誤差位相移動平均値情報が小さくなるように前記補正周波数情報を定めて出力する周波数補正部と、
を備えた周波数情報検出装置。
【請求項2】
前記第1推定位相情報出力部は、
時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を微分した余弦値(cos(α[t]))の推定値を、時刻[t−1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]及び既知の値を用いて演算する余弦値推定部と、
時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を正弦要素(sin要素)とし、前記余弦値推定部21で推定された時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を余弦要素(cos要素)として、逆正接関数(tan−1)を用いて時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))の位相α[t]を演算し、演算した位相α[t]を第1推定位相情報として出力する位相推定部と、を有し、
前記第1推定周波数情報出力部は、
前記位相推定部で演算された時刻[t−1]における位相α[t−1]及び時刻[t]における位相α[t]に基づいて、時刻[t]における位相変位量Δα[t]を演算する位相変位量演算部と、
前記位相変位量演算部で演算された時刻[t]における位相変位量Δα[t]に基づいて、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報を演算し、演算した推定周波数情報を第1推定周波数情報として出力する周波数推定部と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載の周波数情報検出装置。
【請求項3】
前記余弦値推定部は、前記入力信号Vinの設定周波数情報を用いて演算される定数をKとしたときに、余弦値(cos(α[t]))を式(1)によって演算することを特徴とする請求項2に記載の周波数情報検出装置。
cos(α[t])=K・{Vin[t+1]−Vin[t−1]} ・・・(1)
【請求項4】
前記定数Kを式(2)によって演算することを特徴とする請求項3に記載の周波数情報検出装置。ただし、設定周波数情報を「Fset」とする。
K=1/{2sin(2π・(Fset/f)[t])} ・・・(2)
【請求項5】
請求項1〜4に記載の正弦波信号生成部から出力された正弦波信号に基づいて進行波電圧を出力する高周波電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログの正弦波信号の周波数情報を検出する周波数情報検出装置及びこの周波数情報検出装置を用いた高周波電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周波数情報検出装置は、例えばプラズマエッチング、プラズマCVDを行うプラズマ処理装置等の負荷に電力を供給する高周波電源等で用いることが可能である。
【0003】
図6は、高周波電力供給システムの概略構成例である。
第1高周波電源110及び第2高周波電源120は、共通の発振器100から出力される高周波信号を進行波電力出力部(図略)で増幅して高周波電力を出力する。第1高周波電源110及び第2高周波電源120から出力された高周波電力は、負荷となるプラズマ処理装置130内の電極(131,132)の2箇所に供給される。この図6では、電極131及び電極132のぞれぞれに高周波電力を供給する例を示したが、例えば、図7に示すように、上側の電極131の2箇所に高周波電力を供給することも可能である。
【0004】
なお、第1高周波電源110及び第2高周波電源120からプラズマ処理装置130に向かう高周波電力を進行波電力といい、プラズマ処理装置130で反射されて高周波電源側に戻ってくる高周波電力を反射波電力という。
【0005】
プラズマ処理装置130では、第1高周波電源110及び第2高周波電源120から供給された高周波電力を用いてプラズマ133を発生させて、エッチング等を行う。
【0006】
なお、第1高周波電源110とプラズマ処理装置130との間には、第1高周波電源110とプラズマ処理装置130とのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合器が用いられることがある。第2高周波電源120とプラズマ処理装置130との間にも同様にインピーダンス整合器が用いられることがある。
【0007】
図6及び図7の高周波電力供給システムでは、第1高周波電源110及び第2高周波電源120の制御が、それぞれ別の制御回路で行われることになる。制御回路が異なると、たとえ共通の発振器100から高周波信号が与えられても、第1高周波電源110及び第2高周波電源120の出力周波数が僅かに異なる場合がある。この原因としては、例えば、制御クロックが異なることによる誤差等が考えられる。特に、第1高周波電源110と第2高周波電源120とが別のメーカのものであれば、若干の違いが生じる可能性がある。
【0008】
図6及び図7のような高周波電力供給システムにおいて、2つの高周波電源110及び120の出力周波数が僅かに異なる場合、電極(131,132)には、周波数が僅かに異なる高周波電力が供給されて混合される。すなわち、電極(131,132)に印加される2種類の高周波電圧の周波数が僅かに異なっているので、2種類の高周波電圧が重なり合って生じる電圧の波形は変調されたように振幅が周期的に変動する。例えば、2種類の高周波電圧の周波数が、13.56MHz近傍で1Hz異なっていると、約1sの周期で振幅が変動する。その結果、プラズマ処理装置130で発生するプラズマの電位も周期的に変動するため、悪影響を及ぼす。
例えば、一方の高周波電圧波形の山と他方の高周波電圧波形の山が同じ位相になると重なり合って生じる電圧の波形は最大値となるが、一方の高周波電圧波形の山と他方の高周波電圧波形の谷が同じ位相になると重なり合って生じる電圧の波形は最小値となる。この最大値と最小値との差は大きいので、2種類の高周波電圧が重なり合って生じる電圧の波形は大きな振幅の変化を伴って周期的に変動する。
【0009】
したがって、第1高周波電源110及び第2高周波電源120の出力周波数を同一にする必要がある。そのためには、一方の高周波電源の出力周波数を検出し、他方の高周波電源の出力周波数を検出した周波数に合わせれば、上記の問題を解決できる。そのため、高周波電力供給システムの分野においても、周波数を検出する周波数情報検出装置が必要である。また、高周波電源の出力周波数をモニタする等の用途が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭63−66472
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来、高周波領域における周波数情報検出装置としては、例えば、特許文献1(特開昭63−66472)のようなものが提案されていた。しかし、この特許文献1では、周波数を検出することはできるが、位相情報を検出することができない。そのため、従来の周波数情報検出装置を用いても、第1高周波電源110から出力される進行波電圧及び第2高周波電源120(他の高周波電源)から出力される進行波電圧の周波数及び位相を合わせることができない。
【0012】
本発明は、2つの高周波電源から出力される進行波電圧の周波数及び位相を合わせることを可能とする周波数情報検出装置、及びこの周波数情報検出装置を備えている高周波電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明によって提供される周波数情報検出装置は、
アナログの正弦波信号Vinの周波数情報を検出する周波数情報検出装置であって、
アナログの正弦波信号Vinを、予め定めたサンプリング周期(サンプリング周波数fの逆数:1/f)でデジタル信号に変換することによって得られる時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を順次出力することにより、複数のサンプリングデータで構成される正弦波信号に変換するA/D変換部と、
時刻[t]における入力信号Vinの位相情報の推定値を第1推定位相情報として出力する第1推定位相情報出力部と、
時刻[t]における入力信号Vinの周波数情報の推定値を第1推定周波数情報として出力する第1推定周波数情報出力部と、
入力信号Vinの設定周波数情報に補正周波数情報を加算した周波数情報を同期周波数情報としたときに、前記同期周波数情報に基づいて正弦波信号を生成する正弦波信号生成部と、
時刻[t]における前記正弦波信号生成部から出力される正弦波信号の位相情報の推定値を第2推定位相情報として出力する第2推定位相情報出力部と、
時刻[t]における前記正弦波信号生成部から出力される正弦波信号の周波数情報の推定値を第2推定周波数情報として出力する第2推定周波数情報出力部と、
時刻[t]における前記第1推定周波数情報に対する前記第2推定周波数情報の誤差(誤差周波数情報)の移動平均値を演算し、誤差周波数移動平均値情報として出力する誤差周波数情報出力部と、
時刻[t]における前記第1推定位相情報に対する前記第2推定位相情報の誤差(誤差位相情報)の移動平均値を演算し、誤差位相移動平均値情報として出力する誤差位相情報出力部と、
前記誤差周波数移動平均値情報が予め定めた範囲外の場合は、前記誤差周波数移動平均値情報が小さくなるように前記補正周波数情報を定めて出力し、前記誤差周波数移動平均値情報が予め定めた範囲内の場合は、前記誤差位相移動平均値情報が小さくなるように前記補正周波数情報を定めて出力する周波数補正部と、
を備えている。
【0014】
第2の発明によって提供される周波数情報検出装置は、
前記第1推定位相情報出力部が、
時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を微分した余弦値(cos(α[t]))の推定値を、時刻[t−1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]及び既知の値を用いて演算する余弦値推定部と、
時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を正弦要素(sin要素)とし、前記余弦値推定部21で推定された時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を余弦要素(cos要素)として、逆正接関数(tan−1)を用いて時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))の位相α[t]を演算し、演算した位相α[t]を第1推定位相情報として出力する位相推定部と、を有し、
前記第1推定周波数情報出力部が、
前記位相推定部で演算された時刻[t−1]における位相α[t−1]及び時刻[t]における位相α[t]に基づいて、時刻[t]における位相変位量Δα[t]を演算する位相変位量演算部と、
前記位相変位量演算部で演算された時刻[t]における位相変位量Δα[t]に基づいて、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報を演算し、演算した推定周波数情報を第1推定周波数情報として出力する周波数推定部と、
を有していることを特徴としている。
【0015】
第3の発明によって提供される周波数情報検出装置は、
前記余弦値推定部は、前記入力信号Vinの設定周波数情報を用いて演算される定数をKとしたときに、余弦値(cos(α[t]))を下式によって演算することを特徴としている。
cos(α[t])=K・{Vin[t+1]−Vin[t−1]}
【0016】
第4の発明によって提供される周波数情報検出装置は、
前記定数Kを下式によって演算することを特徴としている。ただし、設定周波数情報を「Fset」とする。
K=1/{2sin(2π・(Fset/f)[t])}
ことを特徴としている。
【0017】
第5の発明によって提供される高周波電源装置は、
第1〜6の発明に記載の正弦波信号生成部から出力された正弦波信号に基づいて進行波電圧を出力することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、周波数情報検出装置に備わっている正弦波信号生成部から出力される正弦波信号の周波数及び位相が、入力信号の周波数及び位相に近づくように収束していくので、正弦波信号生成部から出力される正弦波信号を用いることにより、他の高周波電源の出力周波数及び位相を入力信号Vinの周波数及び位相に合わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】高周波電圧の検出例を示すブロック図である。
図2】周波数情報検出装置1の構成例である。
図3】正弦波信号生成部40の構成例を示す図である。
図4】入力信号Vinの周波数finが設定周波数fsetからずれていると想定した場合に、移動平均部71から出力される差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]のシミュレーション結果である。
図5】入力信号Vinの周波数finが設定周波数fsetからずれていると想定した場合に、移動平均部71から出力される差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]のシミュレーション結果である。
図6】高周波電力供給システムの概略構成例である。
図7】高周波電力供給システムの他の概略構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、従来と同一又は同様の構成には、同一符号を付している。
【0021】
図1は、高周波電圧の検出例を示すブロック図である。
第1高周波電源110は、発振器100から出力される高周波信号を増幅し、無線周波数帯域の出力周波数を有する進行波電力PFを出力して負荷となるプラズマ処理装置130に供給するための装置である。高周波電源110から出力された進行波電力PFは、伝送線路140を介してプラズマ処理装置130に供給される。なお、一般にこの種の高周波電源では、数百kHz以上の無線周波数帯域の周波数(例えば、13MHz,40MHz等の周波数)を有する進行波電力PFを出力している。
【0022】
負荷となるプラズマ処理装置130は、加工部を備え、その加工部の内部に搬入したウエハ、液晶基板等の被加工物を加工(エッチング、CVD等)するための装置である。なお、加工部には、電極(図6及び図7参照)が設けられている。この加工部にプラズマ放電用ガスが導入され、電極に高周波電源110から出力された進行波電力PFが供給されると、放電が生じてプラズマが発生する。プラズマ処理装置130は、このプラズマを利用して被加工物を加工している。
【0023】
方向性結合器150は、第1高周波電源110とプラズマ処理装置130との間に挿入されて、高周波電源110からプラズマ処理装置130に向かう進行波電圧VFを検出し、その検出信号を進行波検出信号Vとして出力する。なお、方向性結合器150は、負荷で反射された反射波電圧を検出する機能も有するが、この例では必要ないので省略している。
【0024】
フィルタ160は、ローパスフィルタ又はバンドパスフィルタであり、方向性結合器150から出力される進行波検出信号Vから高調波成分を除去し、基本周波数成分を通過させる。これにより、フィルタ160から出力される信号は正弦波信号となり、周波数情報検出装置1へ送られる。本明細書では、フィルタ160から出力される信号を周波数情報検出装置1への入力信号Vinとする。
なお、入力信号Vinは、アナログの電圧信号であるので、出力周波数をf、時間をt、位相オフセットをθ、角周波数をω(=2π・f)とすると、入力信号Vinは、式(1)のように表すことができる。なお、ここでは、入力信号Vinの振幅を「1」としている。
in=sin(2π・f・t+θ)
=sin(ω・t+θ) ・・・(1)
【0025】
また、フィルタ160の後段には、後述するA/D変換部10の入力範囲に適するように信号のレベルを変換するレベル変換回路を設けてもよいが、この図1では省略している。
【0026】
図2は、周波数情報検出装置1の構成例である。周波数情報検出装置1は、図2に示すように、A/D変換部10、第1推定位相情報出力部20、第1推定周波数情報出力部30、正弦波信号生成部40、第2推定位相情報出力部50、第2推定周波数情報出力部60、誤差周波数情報出力部70、誤差位相情報出力部80及び周波数補正部90を備えている。
【0027】
<A/D変換部10>
A/D変換部10は、フィルタ160から出力されるアナログの入力信号Vinを予め定めたサンプリング周期(サンプリング周波数fの逆数:1/f)でデジタル信号に変換する。A/D変換されたサンプリングデータは、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]として順次出力される。これにより、交流のアナログ信号波形が、複数のサンプリングデータで構成されるデジタル信号波形に変換される。なお、フィルタ160から出力される入力信号Vinが正弦波信号であれば、A/D変換部10から出力されるデジタル信号波形も正弦波信号となる。
なお、A/D変換部10には、A/Dコンバータが備わっていて、上記のようなA/D変換を行う。また、A/Dコンバータの後段にローパスフィルタ又はバンドパスフィルタを設けて、基本周波数成分を通過させるようにしてもよい。
【0028】
ここで、入力信号Vinの周波数をfin、サンプリング周波数をf、位相オフセットをθ’、相対角周波数をωin=2π・(fin/f)とすると、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]は、式(2)のように表すことができる。なお、ここでは、入力信号Vinの振幅を「1」としている。また時間データ「t」はサンプリング周期毎にインクリメントされる変数である。
in[t]=sin(2π・(fin/f)[t]+θ’)
=sin(ωin[t]+θ’) ・・・・・(2)
【0029】
<第1推定位相情報出力部20>
第1推定位相情報出力部20は、時刻[t]における入力信号Vinの位相情報の推定値α[t]を第1推定位相情報として出力する。この第1推定位相情報出力部20は、余弦値推定部21、位相推定部22を備えている。
【0030】
[余弦値推定部21]
余弦値推定部21は、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を微分した余弦値「cos(ωin[t]+θ’)」の推定値を、時刻[t−1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]及び既知の値を用いて演算する。推定した余弦値「cos(ωin[t]+θ’)」は位相推定部22に送られる。以下、具体的に説明する。
【0031】
「α[t]=ωin[t]+θ’=2π・(fin/f)[t]+θ’」とすると、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))は、式(3)で表すことができる。
cos(α[t])
={(2sin(ωin[t])・cos(α[t])}/(2sin(ωin[t]))
={sin(α[t]+ωin[t])−sin(α[t]−ωin[t])}/(2sin(ωin[t]))
={sin(2ωin[t]+θ’)−sin(θ’)}/(2sin(ωin[t])) ・・・(3)
【0032】
式(2)を参照すると、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]は「sin(ωin[t]+θ’)」であるので、入力信号Vinの周波数finが変化しなければ、サンプリング周期(1/f)毎の相対角周波数ωinの変位量は「ωin[t]」で一定である。したがって、式(3)の分子は、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]から、時刻[t−1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]を減算することを表している。
【0033】
また、式(3)の分母の「sin(ωin[t])」は、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]から位相オフセットθ’を省略したものとなっている。
【0034】
したがって、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))は、時刻[t−1]、[t]及び[t+1]における3つの入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]、Vin[t]及びVin[t+1]を用いて推定することができる。
【0035】
ただし、上記のように、「sin(ωin[t])」は、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]から位相オフセットθ’を省略したものとなっているので、式(3)の分母には誤差が生じる。ここで、正弦関数の値(sinの値)は、0を中心として±1の範囲で変化するものであるから、誤差は正になることもあれば負になることもある。
【0036】
後述するように、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を推定した後、位相α[t]を演算し、さらに位相α[t]のサンプリング周期毎の位相変位量Δα[t]に基づいて入力信号Vinの周波数の推定値fest[t]又は角周波数の推定値ωest[t]を演算する。その後、演算した周波数の推定値fest[t]又は角周波数の推定値ωest[t]の移動平均値を演算するので、式(3)の分母の誤差は、殆ど相殺される。
【0037】
そこで、もともと誤差のある式(3)の分母を構成する入力信号Vinの周波数finを、式(4)のように、設定周波数fsetに置き換えても殆ど影響はない。ここで、設定周波数fsetとは、入力信号Vinの設定周波数であるので、誤差も小さい。例えば、図6及び図7の例では、発振器100から出力される高周波信号の周波数である。この設定周波数fsetは、予め分かっているので、例えば余弦値推定部21に入力しておけばよい。もちろん、設定角周波数ωset(=2π・fin)を用いてもよい。
2sin(ωin[t])=2sin(2π・(fin/f)[t])
→ 2sin(2π・(fset/f)[t]) ・・・(4)
【0038】
なお、本明細書では、設定周波数fset及び設定角周波数ωsetを総称して「設定周波数情報Fset」という。
【0039】
ここで、式(4)を構成する各要素は、全て既知の値である。そのため、「1/{2sin(2π・(fset/f)[t])}」を定数Kで表すと、式(3)は式(5)のように変形できる。したがって、本来であれば、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を推定する際には、式(3)を用いる必要があるので複雑な演算が必要であるが、式(5)を用いることによって、演算式を簡略化でき、演算負荷を低減できる。
cos(α[t])=K・{sin(2ωin[t]+θ’)−sin(θ’)}
=K・{Vin[t+1]−Vin[t−1]} ・・・(5)
【0040】
上記のように、余弦値推定部21は、A/D変換部10によってデジタル信号となった複数の入力信号Vinのデータを用いて時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を演算する。そのため、余弦値推定部21は図示しないメモリを有し、そのメモリにA/D変換部10から出力された入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を順次記憶していく。
【0041】
なお、上記のように、余弦値推定部21では、時刻[t−1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t−1]と、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]とを用いるが、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を用いない。しかし、後述するように位相推定部22で行う演算には時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を用いるので、メモリには、少なくとも瞬時値Vin[t−1]、瞬時値Vin[t]及び瞬時値Vin[t+1]の連続する3つのデータを記憶しておく。
【0042】
また、上記の例では、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を演算することができる。
【0043】
[位相推定部22]
位相推定部22は、時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]を正弦要素(sin要素)とし、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))を余弦要素(cos要素)として、式(6)に示すように、逆正接関数(tan−1)を用いて時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))の位相α[t]を演算する。この位相α[t]は、±π[単位:rad]の範囲で演算される。演算された位相α[t]は、位相変位量演算部31に送られる。
α[t]=tan−1(Vin[t]/cos(α[t])) ・・・(6)
【0044】
なお、上記のように、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))が演算されるので、位相α[t]も、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算される。また、位相α[t]の演算に必要な時刻[t]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t]は、余弦値推定部21に設けたメモリから読み出せばよい。
【0045】
<第1推定周波数情報出力部30>
第1推定周波数情報出力部30は、時刻[t]における入力信号Vinの周波数情報の推定値を第1推定周波数情報Fest[t]として出力する。この第1推定周波数情報出力部30は、位相変位量演算部31、周波数推定部32を備えている。
【0046】
[位相変位量演算部31]
位相変位量演算部31は、位相推定部22で演算された時刻[t−1]における位相α[t−1]及び時刻[t]における位相α[t]に基づいて、時刻[t]における位相変位量Δα[t]を演算する。演算された位相変位量Δα[t]は、周波数推定部32に送られる。
【0047】
ここで、位相変位量演算部31は、時刻[t−1]から時刻[t]のサンプリング周期の間に生じた位相変位量Δα[t]を演算するのであるが、位相推定部22から出力される時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))の位相α[t]が、上記のように±π[単位:rad]の範囲で演算されるため、{「α[t]−α[t−1]}が正の場合は、位相変位量Δα[t]を式(7)を用いて演算し、{「α[t]−α[t−1]}が負の場合は、位相変位量Δα[t]を式(8)を用いて演算する。
Δα[t]=α[t]−α[t−1] ・・・(7)
Δα[t]=(α[t]−α[t−1])+2π ・・・(8)
【0048】
なお、上記のように、位相変位量演算部31は、位相推定部22によって演算された時刻[t−1]における位相α[t−1]及び時刻[t]における位相α[t]を用いて時刻[t]における位相変位量Δα[t]を演算するので、位相変位量演算部31は、図示しないメモリを有し、そのメモリに位相推定部22から出力された位相α[t]を順次記憶していく。このメモリには、少なくとも時刻[t−1]における位相α[t−1]及び時刻[t]における位相α[t]を記憶しておく。
【0049】
また、上記のように、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に、時刻[t]における位相α[t]が演算されるので、位相変位量Δα[t]も、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算される。
【0050】
[周波数推定部32]
周波数推定部32は、位相変位量演算部31で演算された時刻[t]における位相変位量Δα[t]に基づいて、時刻[t]における入力信号Vinの角周波数の推定値ωest[t]又は周波数の推定値fest[t]を演算する。演算された入力信号Vinの角周波数の推定値ωest[t]又は周波数の推定値fest[t]は、誤差周波数情報出力部70に送られる。
なお、入力信号Vinの周波数の推定値(検出値)は、周波数推定部32から出力される推定周波数情報Fest[t]を移動平均することによって、誤差を小さくし、精度のよい周波数情報を得ることができる。そこで、周波数推定部32の後段に移動平均部(図略)を設けて、移動平均部(図略)の出力を入力信号Vinの周波数の推定値(検出値)とすることができる。
【0051】
ここで、位相変位量Δα[t]は、サンプリング周期の間に生じた位相変位量であるから、式(9)に示すように、位相変位量Δα[t]にサンプリング周波数fを乗算すると、1秒間に生じる位相変位量を求めることができる。すなわち、時刻[t]における入力信号Vinの角周波数の推定値ωest[t][単位:rad/s]を演算することができる。また、式(10)に示すように、時刻[t]における位相変位量Δα[t]にサンプリング周波数fを乗算するとともに「2π」で除算することにより、時刻[t]における周波数の推定値fest[t][単位:Hz]を演算することができる。
ωest[t]=Δα・f ・・・(9)
est[t]=Δα・f/(2π) ・・・(10)
【0052】
また、角周波数の推定値ωest[t]と設定角周波数ωsetとの差角周波数の推定値ωdif[t]は、式(11)のように演算できる。なお、設定角周波数ωsetは、「2π・fset」である。また周波数の推定値fest[t]と設定周波数fsetとの差周波数の推定値fdif[t]は、式(12)のように演算できる。そのため、周波数推定部32は、差角周波数の推定値ωdif[t]、差周波数の推定値fdif[t]を出力することもできる。この場合、例えば、周波数推定部32に設定周波数fsetを入力すればよい。もちろん、周波数推定部32に設定角周波数ωsetを入力してもよい。また設定周波数fsetから設定角周波数ωsetを演算してもよいし、その逆に、設定角周波数ωsetから設定周波数fsetを演算してもよい。
ωdif[t] =ωest[t]−ωset[t] ・・・(11)
dif[t] =fest[t]−fset[t] ・・・(12)
【0053】
なお、本明細書では、入力信号Vinの角周波数の推定値ωest[t]、周波数の推定値fest[t]、差角周波数の推定値ωdif[t]及び差周波数の推定値fdif[t]を総称して時刻[t]における入力信号Vinの「推定周波数情報Fest[t]」という。
【0054】
また、入力信号Vinの角周波数の推定値ωest[t]、周波数の推定値fest[t]、差角周波数の推定値ωdif[t]及び差周波数の推定値fdif[t]は、いずれか1つを出力すればよいが、複数を出力するようにしてもよい。
【0055】
なお、上記のように、時刻[t]における位相変位量Δα[t]は、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算されるので、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報Fest[t]も、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算される。
【0056】
<正弦波信号生成部40>
正弦波信号生成部40は、設定周波数情報Fsetに後述する補正周波数情報Frev[t]を加算した同期周波数情報Fsyc[t]を指令値として、同期周波数情報Fsyc[t]と同じ周波数(角周波数で表現してもよい)の正弦波信号Vout[t]を生成して出力する。
なお、内部の発振器41(図3参照)から出力する正弦波信号Voutの時刻[t]における瞬時値をVout[t]としている。
【0057】
この正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Vout[t]は、入力信号Vin[t]に同期する信号となる。すなわち、後述するように内部の発振器41から出力する正弦波信号Voutの周波数及び位相が、入力信号Vinの周波数及び位相に近づくように収束していく。その結果、内部の発振器41から出力する正弦波信号Voutは、入力信号Vinに同期する信号となる。
【0058】
図3は、正弦波信号生成部40の構成例を示す図である。この図3に示すように、正弦波信号生成部40は、例えば図3(a)〜(b)のような構成例が考えられるが、いずれの場合も、正弦波信号生成部40には、例えば、ダイレクト・デジタル・シンセサイザー(DDS))で構成される発振器41が備わっている。
発振器41は、他の高周波電源(例えば図6及び図7に示した第2高周波電源120)の発振器として機能する。なお、「他の高周波電源」の「他」とは、入力信号Vinの発生源である高周波電源(この実施形態では図1に示した第1高周波電源110)に対して他の高周波電源という意味である。この図3では、他の高周波電源43と表記している。
【0059】
(1)図3(a)の正弦波信号生成部40は、発振器41とA/D変換部42とを備えている。この例では、発振器41の出力を他の高周波電源43に送り、他の高周波電源43において無線周波数帯域の周波数を有する進行波電力PFを出力させるとともに、発振器41から出力される正弦波信号VoutをA/D変換部42を介して第2推定位相情報出力部50に送る。
【0060】
ここで、発振器41から出力される正弦波信号Voutの周波数をfout、時間をt、位相オフセットをθ”、角周波数をω(=2π・f)とすると、発振器41から出力される正弦波信号Voutは、式(13)のように表すことができる。なお、ここでは、正弦波信号Voutの振幅を「1」としている。
out=sin(2π・fout・t+θ”)
=sin(ω・t+θ”) ・・・(13)
【0061】
A/D変換部42は、A/D変換部10と同様に、発振器41から出力される正弦波信号Voutを予め定めたサンプリング周期(サンプリング周波数fの逆数:1/f)でデジタル信号に変換する。A/D変換されたサンプリングデータは、時刻[t]における正弦波信号Voutの瞬時値Vout[t]として順次出力される。これにより、交流のアナログ信号波形が、複数のサンプリングデータで構成されるデジタル信号波形に変換される。なお、発振器41から出力される正弦波信号Voutが正弦波信号であれば、A/D変換部42から出力されるデジタル信号波形も正弦波信号となる。
なお、A/D変換部42には、A/Dコンバータが備わっていて、上記のようなA/D変換を行う。また、A/Dコンバータの後段にローパスフィルタ又はバンドパスフィルタを設けて、基本周波数成分を通過させるようにしてもよい。
【0062】
ここで、正弦波信号Voutの周波数をfout、サンプリング周波数をf、位相オフセットをθ”、相対角周波数をωout=2π・(fout/f)とすると、時刻[t]における正弦波信号Voutの瞬時値Vout[t]は、式(14)のように表すことができる。なお、ここでは、正弦波信号Voutの振幅を「1」としている。また時間データ「t」はサンプリング周期毎にインクリメントされる変数である。
out[t]=sin(2π・(fout/f)[t]+θ”)
=sin(ωout[t]+θ”) ・・・・・(14)
【0063】
(2)図3(b)の正弦波信号生成部40は、発振器41の出力を他の高周波電源43で増幅し、その出力である進行波電圧VFを方向性結合器44で検出する。そして、その検出信号である進行波検出信号Vf2をフィルタ45及びA/D変換部46を介して第2推定位相情報出力部50に送る。
なお、方向性結合器44、フィルタ45及びA/D変換部46は、それぞれ図1に示した方向性結合器150、フィルタ160及びA/D変換部10と同様の機能を有する。そのため詳細説明は省略する。また、図3(b)では、フィルタ45の出力を正弦波信号Vout’、A/D変換部46の出力を正弦波信号Vout’[t]としている。また、説明を簡略化するために、図3(a)及び図3(b)では、発振器41の符号を同じにしている。
【0064】
図3(b)の場合でも、発振器41から出力される正弦波信号Voutに基づいて他の高周波電源43から進行波電圧VFが出力されるので、正弦波信号Voutと進行波電圧VFとは、周波数及び位相が同期する。そのため、その後段にある方向性結合器44、フィルタ45及びA/D変換部46を介して第2推定位相情報出力部50に送られる正弦波信号Vout’[t]も入力信号Vinに同期する信号となる。
【0065】
図2及び図3に示す正弦波信号生成部40から出力する正弦波信号Vout[t]の周波数は、同期周波数情報Fsyc[t]である。そして同期周波数情報Fsyc[t]は、第1高周波電源110からプラズマ処理装置130に向かう進行波電圧VFの周波数を表すので、他の高周波電源用の発振器41の指令信号として同期周波数情報Fsyc[t]を用いることにより、第1高周波電源110の出力周波数と他の高周波電源の出力周波数とを合わせることができる(同期させることができる)。
【0066】
<第2推定位相情報出力部50>
第2推定位相情報出力部50は、第1推定位相情報出力部20と同様の構成であるが、第1推定位相情報出力部20が、時刻[t]における入力信号Vinを入力とし、入力信号Vinの位相α[t]を出力するのに対して、第2推定位相情報出力部50は、正弦波信号生成部40から出力された時刻[t]における正弦波信号Vout[t]を入力とし、正弦波信号Vout[t]の位相α[t]を出力する点が異なる。その他は、第1推定位相情報出力部20と同様なので、説明を省略する。
【0067】
<第2推定周波数情報出力部60>
第2推定周波数情報出力部60は、第1推定周波数情報出力部30と同様の構成であるが、第1推定周波数情報出力部30が、第1推定位相情報出力部20から出力された入力信号Vinの位相α[t]を入力し、時刻[t]における入力信号Vinの周波数情報の推定値を第1推定周波数情報Fest[t]として出力するのに対して、第2推定周波数情報出力部60は、第2推定位相情報出力部50から出力された時刻[t]における正弦波信号Vout[t]の位相α[t]を入力し、時刻[t]における正弦波信号Vout[t]の周波数情報の推定値を第2推定周波数情報Fest2[t]として出力する点が異なる。その他は、第1推定周波数情報出力部30と同様なので、説明を省略する。
【0068】
<誤差周波数情報出力部70>
誤差周波数情報出力部70は、時刻[t]における第1推定周波数情報Fest[t]に対する第2推定周波数情報Fest2[t]の誤差を、時刻[t]における誤差周波数情報Ferr[t]として出力する。この誤差周波数情報出力部70は、誤差周波数情報Ferr[t]の移動平均値を演算する移動平均部71が備わっている。
【0069】
なお、第1推定周波数情報Fest[t]と第2推定周波数情報Fest2[t]とは同じ種類の情報で比較する必要がある、例えば、第1推定周波数情報Fest[t]が周波数で表されているのであれば、第2推定周波数情報Fest2[t]も周波数で表されている必要がある。角周波数、差周波数又は差角周波数の場合も同様である。
【0070】
[移動平均部71]
移動平均部71は、誤差周波数情報Ferr[t]の移動平均値を演算し、誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]として出力する(周波数情報検出装置1の外部に出力することもできる)。移動平均値は、予め定めたデータ数を用いて演算される。
【0071】
上記のように、移動平均部71は、誤差演算された時刻[t]における誤差周波数情報Ferr[t]に基づいて、予め定めたデータ数の移動平均値を演算するので、移動平均部71は、図示しないメモリを有し、そのメモリに誤差周波数情報Ferr[t]を順次記憶していく。このメモリには、少なくとも移動平均値の演算に必要な予め定めた数のデータを記憶しておく。
【0072】
また、上記のように、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報Fest[t]が演算されるので、角周波数の移動平均値ωave[t]、周波数の移動平均値fave[t]も、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算される。そのため、対応する誤差周波数情報Ferr[t]も、時刻[t+1]における入力信号Vinの瞬時値Vin[t+1]が余弦値推定部21に入力された後に演算される。
【0073】
また、データのサンプリングを開始した直後は、移動平均値を演算するために必要な
予め定めた数のデータがメモリに保存されていない。そのため、予め定めた数のデータがメモリに保存されていない間は、予め定めた数よりも少ないデータを用いて移動平均値を演算してもよい。または、予め定めた数のデータがメモリに保存された後に、移動平均値を演算してもよい。どのように移動平均値を演算するかは、予め定めておけばよい。
【0074】
<移動平均値を演算する理由>
上記のように、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))には、誤差が含まれているので、位相α[t]にも誤差が含まれる。もちろん、時刻[t−1]における余弦値(cos(α)[t−1])、位相α[t−1]にも誤差が含まれる。その結果、位相変位量Δα[t]にも誤差が含まれる。そのため、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報Fest[t]にも誤差が含まれる。
【0075】
すなわち、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報Fest[t]に含まれる誤差は、時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))に起因する。
この時刻[t]における余弦値(cos(α[t]))の誤差は、上記のように正になることもあれば負になることもあるので、時刻[t]における入力信号Vinの推定周波数情報Fest[t]の誤差も正になることもあれば負になることもある。そこで、移動平均部71によって、複数のデータの移動平均を行えば、誤差が相殺するので、誤差を小さくし、精度のよい周波数情報を得ることができる。
【0076】
誤差周波数情報出力部70での移動平均は、第1推定周波数情報Fest[t]に対して行われるわけではなく、時刻[t]における誤差周波数情報Ferr[t]に対して行われる。この際、第2推定周波数情報Fest2[t]にも誤差が含まれるため、上記と同様に移動平均の効果を得ることができる。
【0077】
このように、移動平均部71を設けて移動平均を行うことが好ましいが、第1推定周波数情報Fest[t]及び第2推定周波数情報Fest2[t]の誤差が小さければ省略可能な場合もある。
【0078】
<誤差位相情報出力部80>
誤差位相情報出力部80は、時刻[t]における第1推定位相情報位相α[t]に対する第2推定位相情報α[t]の誤差を、時刻[t]における誤差位相情報αerr[t]として出力する。この誤差位相情報出力部80は、誤差位相情報αerr[t]の移動平均値を演算する移動平均部81が備わっている。
【0079】
[移動平均部81]
移動平均部81は、誤差位相情報αerr[t]の移動平均値を演算し、誤差位相移動平均値情報αerr_ave[t]として出力する(周波数情報検出装置1の外部に出力することもできる)。移動平均値は、予め定めたデータ数を用いて演算される。
移動平均部71が誤差周波数情報Ferr[t]の移動平均値を演算するのに対して、移動平均部81は、誤差位相情報αerr[t]の移動平均値を演算する点が異なるがその他は、同様なので説明を省略する。
【0080】
<周波数補正部90>
周波数補正部90は、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t])が予め定めた範囲外の場合は、誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が小さくなるように時刻[t]における補正周波数情報Frev[t]を定めて出力する。また、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲内の場合は、誤差位相移動平均値情報αerr_ave[t]が小さくなるように補正周波数情報Frev[t]を定めて出力する。以下、周波数補正部90について、更に説明する。
【0081】
上述したように、設定周波数情報Fsetと第1高周波電源110からプラズマ処理装置130に向かう進行波電圧VFの周波数とに誤差が生じる場合がある。そのために、実際の進行波電圧VFの周波数を検出し、その周波数の情報を他の高周波電源(例えば図6及び図7に示した第2高周波電源120)の発振器の指令信号にすることにより、第1高周波電源110の出力周波数と他の高周波電源の出力周波数とを合わせることができる(同期させることができる)。
【0082】
なお、進行波電圧VFの周波数は、周波数推定部32から出力される推定周波数情報Fest[t]によって得られる。また、誤差を低減させて精度のよい周波数情報の推定値を得るために、周波数推定部32の後段に移動平均部を設けている。
【0083】
しかし、周波数推定部32から出力される推定周波数情報Fest[t]だけでは、進行波電圧VFの位相情報を得ることができない。
そこで、進行波電圧VFの検出信号である進行波検出信号V(より具体的には、フィルタ160を通過した入力信号Vin)と同期させるための正弦波信号Voutを正弦波信号生成部40で発生させている。また、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの周波数及び位相を入力信号Vinの周波数及び位相に近づける制御を行っている。
そして、正弦波信号Voutの周波数及び位相が入力信号Vinの周波数及び位相に近づき、両者の誤差が十分に小さい状態にすることで、第1高周波電源110と他の高周波電源の出力周波数及び位相を合わせることができる(同期させることができる)。
【0084】
そのために、誤差周波数情報出力部70によって、時刻[t]における第1推定周波数情報Fest[t]に対する第2推定周波数情報Fest2[t]の誤差を求めている。この誤差が誤差周波数情報Ferr[t]として出力され、移動平均部71を介して誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が周波数補正部90に入力される。
【0085】
一方、位相情報に関しては、誤差位相情報出力部80によって、時刻[t]における第1推定位相情報位相α[t]に対する第2推定位相情報α[t]の誤差を求めている。この誤差が誤差位相情報αerr[t]として出力され、移動平均部81を介して誤差位相移動平均値情報αerr_ave[t]が周波数補正部90に入力される。
【0086】
そして、上述したように、周波数補正部90では、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲外の場合は、誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が小さくなるように時刻[t]における補正周波数情報Frev[t]を定めて出力する。
すなわち、第1推定周波数情報Fest[t]の方が、第2推定周波数情報Fest2[t]よりも大きい(周波数が高い)場合は、正弦波信号生成部40への指令値である同期周波数情報Fsyc[t]が大きく(周波数が高く)なるように、正(プラス)の補正周波数情報Frev[t]を出力する。反対に、第1推定周波数情報Fest[t]の方が、第2推定周波数情報Fest2[t]よりも小さい(周波数が低い)場合は、負(マイナス)の補正周波数情報Frev[t]を出力する。
【0087】
なお、第1推定周波数情報Fest[t]と第2推定周波数情報Fest2[t]との誤差の大きさ(より詳細には誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]の大きさ)に応じて補正周波数情報Frev[t]が定まるが、誤差に乗じる係数(K)を調整できるようにしておくと、制御がし易くなるので好ましい。
【0088】
上記のような制御を行うことによって、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの周波数を入力信号Vinの周波数に近づけることができる。
【0089】
そして、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲内になると、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの周波数が入力信号Vinの周波数に近づいたと判断して、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの位相を入力信号Vinの位相に近づける制御に移行する。
【0090】
このとき、周波数補正部90では、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲内の場合は、誤差位相情報αerr[t]が小さくなるように補正周波数情報Frev[t]を定めて出力する。
すなわち、第1推定位相情報位相α[t]の方が、第2推定位相情報α[t]よりも大きい場合は、正弦波信号生成部40への指令値である同期周波数情報Fsyc[t]が大きく(周波数が高く)なるように、正(プラス)の補正周波数情報Frev[t]を出力する。反対に、第1推定位相情報位相α[t]の方が、第2推定位相情報α[t]よりも小さい場合は、負(マイナス)の補正周波数情報Frev[t]を出力する。
【0091】
なお、第1推定位相情報位相α[t]と第2推定位相情報α[t]との誤差の大きさ(より詳細には誤差位相移動平均値情報αerr_ave[t]の大きさ)に応じて補正周波数情報Frev[t]が定まるが、誤差に乗じる係数(Kα)を調整できるようにしておくと、制御がし易くなるので好ましい。
【0092】
周波数補正部90から補正周波数情報Frev[t]が出力されると、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの周波数が変化するので、第1推定位相情報位相α[t]に対する第2推定位相情報α[t]の関係が変化して、誤差位相情報αerr[t]が小さくっていく。
【0093】
そして、誤差位相情報αerr[t]が予め定めた範囲内になると、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの位相が入力信号Vinの位相に近づいたと判断する。
上記のような制御を行うことによって、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの位相を入力信号Vinの位相に近づけることができる。
【0094】
なお、正弦波信号生成部40から出力される正弦波信号Voutの位相を入力信号Vinの位相に近づける制御を行う際に、正弦波信号Voutの周波数を変更しているので、誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲外になっていることが考えられる。そのため、周波数補正部90は、再度、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t]が予め定めた範囲外になっているか否かを確認し、上記のような制御を繰り返して実行する。
【0095】
これにより、正弦波信号Voutの周波数及び位相が、入力信号Vinの周波数及び位相に近づくように収束していく。そして、周波数補正部90は、時刻[t]における誤差周波数移動平均値情報Ferr_ave[t])が予め定めた範囲内であり、且つ、誤差位相移動平均値情報αerr_ave[t]が予め定めた範囲内になったときに、収束したと判定する。なお、収束したと判定した際には、その旨を示す収束信号Sconを外部に出力してもよい。
【0096】
<シミュレーション結果>
上記のように、進行波電圧VFの周波数は、周波数推定部32から出力される推定周波数情報Fest[t]を移動平均することによって得ることができる。そこで、周波数推定部32の後段に移動平均部を設けた場合のシミュレーション結果を示す。
【0097】
図4は、入力信号Vinの周波数finが設定周波数fsetからずれていると想定した場合に、移動平均部71から出力される差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]のシミュレーション結果である。図4(a)は、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]のシミュレーション結果であり、図4(b)は、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]のシミュレーション結果であり、図4(c)は、図4(b)の一部拡大図である。また、図4(a)及び図4(b)は、サンプリング開始後、約150〜160μs間のデータであり、図4(c)は、サンプリング開始後、約159〜160μs間のデータである。
【0098】
なお、シミュレーション条件は次のとおりである。
(1)サンプリング周波数f :50MHz
(2)設定周波数fset :13.56MHz
(3)入力信号Vinの周波数fin:13.563MHz
(設定周波数fsetと3,000Hzだけずれていると想定)
(4)移動平均値の演算に用いるデータ数:500個(10μsの移動平均値)
【0099】
図5は、入力信号Vinの周波数finが設定周波数fsetからずれていると想定した場合に、移動平均部71から出力される差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]の他のシミュレーション結果である。図5(a)は、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]のシミュレーション結果であり、図5(b)は、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]のシミュレーション結果であり、図5(c)は、図5(b)の一部拡大図である。
なお、この図5は、入力信号Vinの周波数finが13.5603MHz(設定周波数fsetと300Hzだけずれていると想定)であることを除き、図4と同じ条件でのシミュレーション結果である。
【0100】
図4(a)のように、入力信号Vinの周波数が設定周波数fset(13.56MHz)に対して3,000Hzずれていると想定した場合、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]は、検出すべき周波数(3,000Hz)に対して約±400Hzの範囲でばらついているが、図4(b)及び図4(c)に示すように、差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]は、検出すべき周波数(3,000Hz)に対して約±0.6Hzの範囲に収まっていることが分かる。
このように、入力信号Vinの周波数が設定周波数fsetに対して大幅にずれている場合であっても、移動平均部71から出力される差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]は、検出すべき周波数に対して誤差が小さい。
【0101】
また、図5(a)のように、入力信号Vinの周波数finが設定周波数fset(13.56MHz)に対して300Hzずれていると想定した場合、入力信号Vinの差周波数の推定値fdif[t]は、検出すべき周波数(300Hz)に対して約±40Hzの範囲でばらついているが、図5(b)及び図5(c)に示すように、差周波数の推定値fdif[t]の移動平均値fdif_ave[t]は、検出すべき周波数(300Hz)に対して約±0.05Hzの範囲に収まっていることが分かる。したがって、精度良く入力信号Vinの周波数を検出できていることが分かる。
【0102】
すなわち、入力信号Vinの周波数finと設定周波数fsetとの誤差が小さい程、より精度良く入力信号Vinの周波数を検出できていることが分かる。
上記の実施形態では、正弦波信号Voutの周波数が、入力信号Vinの周波数に近づくように制御するので、制御を行うにつれて、より精度良く入力信号Vinの周波数を検出することができることを示している。
【0103】
なお、本実施例の周波数情報検出装置は、アナログの正弦波信号Vinを、予め定めたサンプリング周期(サンプリング周波数fの逆数:1/f)でデジタル信号にA/D変換することによって得られるデジタルの正弦波信号の周波数情報を検出する周波数情報検出装置であり、特に用途は限定されない。そのため、上記では、周波数情報検出装置を、例えば図6及び図7のような高周波電力供給システムに用いる例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、商用周波数帯域(50Hz〜60Hz)でも適用できる。
【符号の説明】
【0104】
1 周波数情報検出装置
10 A/D変換部
20 第1推定位相情報出力部
21 余弦値推定部
22 位相推定部
30 第1推定周波数情報出力部
31 位相変位量演算部
32 周波数推定部
40 移動平均部
50 第2推定位相情報出力部50
60 第2推定周波数情報出力部60
70 誤差周波数情報出力部
80 誤差位相情報出力部80
90 周波数補正部
100 発振器
110 第1高周波電源
120 第2高周波電源
130 プラズマ処理装置(負荷)
131 電極
132 電極
133 プラズマ
140 伝送線路
150 方向性結合器
160 フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7