特開2016-70906(P2016-70906A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2016070906-貴金属鑑定装置 図000003
  • 特開2016070906-貴金属鑑定装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-70906(P2016-70906A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】貴金属鑑定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/07 20060101AFI20160404BHJP
【FI】
   G01N29/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-209432(P2014-209432)
(22)【出願日】2014年9月24日
(71)【出願人】
【識別番号】514260136
【氏名又は名称】池 文男
(72)【発明者】
【氏名】池 文男
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AB04
2G047BA01
2G047BB01
2G047BB04
2G047BC02
2G047BC14
2G047BC18
2G047EA12
2G047EA16
2G047GA03
2G047GA14
2G047GA19
2G047GG30
2G047GG33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】中古貴金属製品売買の現場において、たとえば、比重が純金に極めて近いタングステンの周りを純金で包んだような贋物は、従来からの比重測定や試金石検査では見極めが困難であった。現場で使える実用的な鑑定装置を提供する。
【解決手段】デジタルノギス等の物差しと、音響振動伝播時間から物体の厚さを測定する測定器とを一体化した装置1によって鑑定対象貴金属の厚さを計測することで、物差しで得られた厚さの値Aと、音響伝播時間から得られた厚さの値Bの双方を比較することで、AとBがほぼ同じなら鑑定対象貴金属は本物、AとBが大きく異なるときは贋物と判定できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鑑定対象貴金属の厚さを、デジタルノギス等の物差しで計測した厚さと、鑑定対象貴金属中を音響振動が伝播する時間から算出した厚さとを比較することによって、鑑定対象貴金属が一様の物質でできているか、または内部に異物が存在しているかを判定可能とした貴金属鑑定装置。
【請求項2】
デジタルノギス等の物差しと、音響振動による厚さ測定器とを一体化した構造で、請求項1に記載した原理を利用したことを特徴とする貴金属鑑定装置。
【請求項3】
貴金属表面から音響振動を入射する方法として、貴金属表面に物理的打撃を与えることを特徴とする、請求項1に記載した原理を利用した貴金属鑑定装置。
【請求項4】
貴金属表面に物理的打撃を与える際に、測定対象貴金属の大きさ、質量に応じて、打撃の強弱を、電磁気的、または機械的に可変することを特徴とする、請求項1に記載した原理を利用した貴金属鑑定装置。
【請求項5】
デジタルノギス等の物差し、音響振動による厚さ測定器、およびデータ処理・表示装置間を、ケーブル、または無線等でデータ通信を可能としたことを特徴とする、請求項1に記載した原理を利用した貴金属鑑定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貴金属内部の貴金属以外の異物検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貴金属内部の異物検知には比重測定やX線蛍光分析などの方法がある。
【0003】
しかしながら、たとえば、比重が純金にきわめて近いタングステンを純金で包んだものは、中古貴金属業界に広く普及している精密比重計では検知できない。唯一、X線蛍光分析装置で鑑定する方法があるが、高価かつ取り扱いが不便という欠点がある。
【発明の概要】
デジタルノギス等の物差しと、音響振動の伝播時間から物体の厚さを計測する測定器とを一体化させ、双方で計測した厚さデータを比較することで、鑑定対象の貴金属内部が一様の物質でできているか、または内部に異物が存在するかを判定する貴金属鑑定装置。
【発明が解決しようとする課題】
貴金属内部に異物が存在しているか否かを、X線を用いた装置よりも簡便、かつ安価に判定できる装置の開発。
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、
【0004】
鑑定対象の貴金属表面から音響振動を入射し、音響振動入射面と反対側面、または内部の異物境界面で反射して戻るまで時間を計測することで、鑑定対象の貴金属固有の音速値から鑑定対象の貴金属の厚さA、または異物境界面までの厚さAが求まる。
一方、デジタルノギス等の物差しで鑑定対象の貴金属の厚さBを計測する。
【0005】
厚さAと厚さBがほぼ同じ値ならば鑑定対象の貴金属は一様の物質でできている、すなわち本物と判定できる。
【0006】
厚さAと厚さBが明らかに異なるときは、鑑定対象の貴金属の内部には異物が存在している、すなわち偽物と判定できる。
【発明の効果】
【0007】
貴金属の内部に異物が存在するか否かの判定には、従来はX線装置による方法しかなかったが、本発明の装置により簡便かつ安価に異物判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
図1】この発明の一実施形態を示す正面図である。
図2】この発明の他の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【008】
この発明の音響振動反射時間計測式の場合の一実施形態を図1に示す。
【符号の説明】
【009】
1 デジタル物差し本体 2 データ表示部
3 固定ネジツマミ 4 可動データ処理部
5 貴金属以外の異物 6 貴金属
7 音響振動送信部・受信部 8 操作ボタン部
9 微動調節ダイヤル
【0010】
この発明の音響振動貫通時間計測式の場合の一実施形態を図2に示す。
【符号の説明】
【0011】
1 デジタル物差し本体 2 データ表示部
3 固定ネジツマミ 4 可動データ処理部
5 音響振動発信部 6 貴金属以外の異物
7 貴金属 8 音響振動受信部
9 操作ボタン部 10 微動調節ダイヤル
図1
図2