【解決手段】受付番号発行機12と携帯端末機13とを備える受付番号発行システム11であって、受付番号発行機12は、携帯端末機13に対して受付番号データと待ち人数データとを送信可能であり、携帯端末機13は、受付番号発行機12から受信した受付番号データと待ち人数データとを表示可能である。
前記携帯端末機は、前記端末機通信回路で前記発行機通信回路と通信して前記受付番号発行機に顧客IDを送信することを特徴とする請求項3記載の受付番号発行システム。
前記受付番号発行機は、前記発行機通信回路で前記端末機通信回路と通信して前記携帯端末機から受信した顧客IDと、当該受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、当該受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、当該受信時点での待ち人数データに1を加算することを特徴とする請求項4記載の受付番号発行システム。
前記発信制御部は、待ち人数データが予め定められた人数に達した前記未処理の受付番号データに対して、当該受付番号データに関連付けられた顧客IDに基づいて前記顧客情報データベースに記憶された通信アドレスを選択して、当該通信アドレスに対して前記発信部により待ち人数データを発信させることを特徴とする請求項15記載の受付番号発行システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように受付票を発券するものであると、用紙代やインク代等が必要でありランニングコストが高くなってしまう。また、自然環境への影響を低減する考えから、廃棄する用紙の量を低減することが求められている。
【0005】
したがって、本発明は、ランニングコストを低減でき、自然環境への影響を低減できる受付番号発行システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、受付番号発行機と携帯端末機とを備える受付番号発行システムであって、前記受付番号発行機は、前記携帯端末機に対して受付番号データと待ち人数データとを送信可能であり、前記携帯端末機は、前記受付番号発行機から受信した受付番号データと待ち人数データとを表示可能であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記携帯端末機は、前記受付番号発行機に顧客IDを送信可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記受付番号発行機は、発行機通信回路を備え、前記携帯端末機は、前記発行機通信回路に近接することにより通信可能となる端末機通信回路を備えており、前記携帯端末機は、前記端末機通信回路で前記発行機通信回路と通信して前記受付番号発行機から受付番号データと待ち人数データとを受信することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記携帯端末機は、前記端末機通信回路で前記発行機通信回路と通信して前記受付番号発行機に顧客IDを送信することを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記受付番号発行機は、前記発行機通信回路で前記端末機通信回路と通信して前記携帯端末機から受信した顧客IDと、当該受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、当該受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、当該受信時点での待ち人数データに1を加算することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、受付窓口に設けられて、新たな受付番号データを呼び出す際に操作される呼出操作機と、受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する受付番号呼出機と、を有し、前記呼出操作機に呼出操作がなされると、前記受付番号発行機は、前記未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して前記受付番号呼出機に送信するとともに前記待ち人数データから1を減算し、前記受付番号呼出機は、受信した前記一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知することを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記受付番号発行機が複数相互に通信可能に設けられ、複数の前記受付番号発行機のうち、予め選択された1台が親機に、他は子機になり、前記親機は、該親機および前記子機のすべてについて、前記発行機通信回路で前記端末機通信回路と通信して前記携帯端末機から受信した顧客IDと、当該受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、当該受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、当該受信時点での待ち人数データに1を加算することを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明において、受付窓口に設けられて、新たな受付番号データを呼び出す際に操作される呼出操作機と、受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する受付番号呼出機と、を有し、前記呼出操作機に呼出操作がなされると、前記親機は、前記未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して前記受付番号呼出機に送信するとともに前記待ち人数データから1を減算し、前記受付番号呼出機は、受信した前記一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知することを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記受付番号発行機と通信可能な管理機を有し、該管理機は、前記受付番号発行機が前記発行機通信回路と前記端末機通信回路との通信で前記携帯端末機から受信した顧客IDと、当該受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、当該受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、当該受信時点での待ち人数データに1を加算することを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明において、受付窓口に設けられて、新たな受付番号データを呼び出す際に操作される呼出操作機と、受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する受付番号呼出機と、を有し、前記呼出操作機に呼出操作がなされると、前記管理機は、前記未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して前記受付番号呼出機に送信するとともに前記待ち人数データから1を減算し、前記受付番号呼出機は、受信した前記一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知することを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項9または10に係る発明において、前記受付番号発行機が複数設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項6,8,10のいずれか一項に係る発明において、前記呼出操作機は、任意の受付番号データを入力可能に構成されており、前記受付番号呼出機は、前記呼出操作機に入力された任意の受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知することを特徴とする。
【0018】
請求項13に係る発明は、請求項6,8,10,12のいずれか一項に係る発明において、前記呼出操作機が、受付窓口毎に設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項14に係る発明は、請求項13に係る発明において、前記受付番号呼出機が、複数台配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項15に係る発明は、請求項5ないし14のいずれか一項に係る発明において、前記顧客ID毎に前記携帯端末機の通信アドレスを記憶する顧客情報データベースと、前記未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、前記顧客情報データベースに記憶された通信アドレスに対して待ち人数データを発信する発信部と、該発信部を制御する発信制御部とを有することを特徴とする。
【0021】
請求項16に係る発明は、請求項15に係る発明において、前記発信制御部は、待ち人数データが予め定められた人数に達した前記未処理の受付番号データに対して、当該受付番号データに関連付けられた顧客IDに基づいて前記顧客情報データベースに記憶された通信アドレスを選択して、当該通信アドレスに対して前記発信部により待ち人数データを発信させることを特徴とする。
【0022】
請求項17に係る発明は、請求項9ないし11のいずれか一項に係る発明において、前記顧客ID毎に前記携帯端末機の通信アドレスを含む顧客情報を記憶する顧客情報データベースを有し、前記未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに対する受付番号データと顧客情報とを、前記管理機に表示させることを特徴とする。
【0023】
請求項18に係る発明は、請求項5ないし15のいずれか一項に係る発明において、顧客に提供可能な各種のデータを記憶する提供情報データベースを有し、前記未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、前記提供情報データベースのデータの一部を発信することを特徴とする。
【0024】
請求項19に係る発明は、請求項18に係る発明において、前記提供情報データベースのデータの一部として、前記顧客IDに応じたデータを発信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に係る発明によれば、受付番号発行機が携帯端末機に対して受付番号データと待ち人数データとを送信すると、携帯端末機が受付番号発行機から受信した受付番号データと待ち人数データとを表示する。よって、受付番号票を発券する場合と比べて用紙代やインク代等のランニングコストを低減できる。また、廃棄される使用済みの受付番号票を低減できるため、自然環境への影響も低減できる。
【0026】
請求項2に係る発明によれば、携帯端末機が顧客IDを受付番号発行機に送信すると、受付番号発行機ではこの顧客IDを受付番号データと関連付けて管理することになる。よって、来店した顧客の顧客IDをいち早く店舗側で把握することができ、サービス向上に役立てることができる。
【0027】
請求項3に係る発明によれば、携帯端末機は、その端末機通信回路が、受付番号発行機の発行機通信回路に近接させられると発行機通信回路と通信可能となって受付番号発行機から、受付番号データと待ち人数データとを受信する。よって、携帯端末機を受付番号発行機に近接させるという簡単な操作で、携帯端末機は受付番号発行機から受付番号データと待ち人数データとを受信することができる。
【0028】
請求項4に係る発明によれば、携帯端末機は、その端末機通信回路が、受付番号発行機の発行機通信回路に近接させられると発行機通信回路と通信可能となって受付番号発行機に顧客IDを送信する。よって、携帯端末機を受付番号発行機に近接させるという簡単な操作で、受付番号発行機は携帯端末機から顧客IDを受信することができる。
【0029】
請求項5に係る発明によれば、受付番号発行機は、発行機通信回路で携帯端末機の端末機通信回路と通信して携帯端末機から顧客IDを受信すると、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する。受付番号発行機は、このように簡単な制御で、携帯端末機から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。
【0030】
請求項6に係る発明によれば、受付窓口に設けられた呼出操作機に呼出操作がなされると、受付番号発行機が、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機に送信するとともに待ち人数データから1を減算する。受付番号呼出機は、受信した一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。これにより、この受付番号データが携帯端末機に表示されている顧客を、受付番号呼出機で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0031】
請求項7に係る発明によれば、複数の受付番号発行機のうち、予め選択された1台の親機となる受付番号発行機が、この親機および他の子機のすべてについて、発行機通信回路で携帯端末機の端末機通信回路と通信して携帯端末機から受信した顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する。親機となる受付番号発行機は、このように簡単な制御で、この親機および他の子機のすべてについての携帯端末機から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。複数の受付番号発行機がそれぞれ携帯端末機から受信した顧客IDを、1台の親機となる受付番号発行機で受付番号データに関連付けて記憶することができるため、システムコストを低減することができる。
【0032】
請求項8に係る発明によれば、受付窓口に設けられた呼出操作機に呼出操作がなされると、親機が、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機に送信するとともに待ち人数データから1を減算する。受付番号呼出機は、受信した一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。これにより、この受付番号データが携帯端末機に表示されている顧客を、受付番号呼出機で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0033】
請求項9に係る発明によれば、受付番号発行機が発行機通信回路と端末機通信回路との通信で携帯端末機から顧客IDを受信すると、管理機は、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する。管理機は、このように簡単な制御で、受付番号発行機が携帯端末機から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。
【0034】
請求項10に係る発明によれば、受付窓口に設けられた呼出操作機に呼出操作がなされると、管理機が、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機に送信するとともに待ち人数データから1を減算する。受付番号呼出機は、受信した一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。これにより、この受付番号データが携帯端末機に表示されている顧客を、受付番号呼出機で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0035】
請求項11に係る発明によれば、複数の受付番号発行機のそれぞれについて、発行機通信回路と端末機通信回路との通信で携帯端末機から顧客IDを受信すると、これらの顧客IDの受付番号データとの関連付けおよび待ち人数データを、管理機によって一括して管理することが可能になる。
【0036】
請求項12に係る発明によれば、呼出操作機で任意の受付番号データが入力されると、受付番号呼出機は、この入力された任意の受付番号データを番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。よって、受付順とは無関係に任意の受付番号データを優先して呼び出すことができる。
【0037】
請求項13に係る発明によれば、呼出操作機が、受付窓口毎に設けられているため、受付窓口毎に呼出操作が入力可能になり、窓口係員による呼出操作が容易となる。
【0038】
請求項14に係る発明によれば、受付番号呼出機が複数台配置されているため、顧客が受付番号の呼び出し表示を見逃してしまう可能性を低減できる。
【0039】
請求項15に係る発明によれば、発信部が、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、顧客情報データベースに記憶された通信アドレスに対して待ち人数データを発信するため、携帯端末機に最新の待ち人数データを表示させることができる。
【0040】
請求項16に係る発明によれば、待ち人数データが予め定められた人数に達した未処理の受付番号データに関連付けられた顧客IDに基づいて通信アドレスを選択して待ち人数データを発信させることになるため、携帯端末機における更新された待ち人数データの受信の頻度を減らすことができる。
【0041】
請求項17に係る発明によれば、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに対する受付番号データと顧客情報とを管理機に表示させるため、この顧客情報に基づいて係員が個別に対応する等のサービスが可能になる。
【0042】
請求項18に係る発明によれば、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベースのデータの一部を発信するため、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機に、提供情報データベースのデータの一部を表示させることができる。
【0043】
請求項19に係る発明によれば、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベースのデータのうちの顧客IDに応じた情報を発信するため、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機に、提供情報データベースのデータの中から顧客IDに応じたデータを表示させることができる。よって、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機に、この顧客に合ったデータを表示させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態の受付番号発行システム11を
図1〜
図3を参照して以下に説明する。第1実施形態の受付番号発行システム11は、銀行等の金融機関の店舗の出入口と受付窓口との間に設置される受付番号発行機12と、顧客が個々に所有するスマートフォン等の携帯端末機13と、金融機関の店舗の受付窓口に設置される複数の呼出操作機14と、同じく受付窓口に設置される複数の受付番号呼出機15と、
図2に示す顧客情報データベース16と、提供情報データベース17とから構成されるものである。
【0046】
受付番号発行機12は、顧客による操作入力を受け付ける発行機操作部21と、モニタ表示を行う発行機表示部22と、音声を発生させる発行機音声発生部23と、用紙に受付番号データを印字して発券するプリンタ24と、近距離無線通信を行うための発行機送受信部25を含む発行機通信回路26と、携帯端末機13の通信アドレスに対してデータを発信する発行機発信部27(発信部)と、これらを制御する発行機制御部28(発信制御部)と、を有している。
【0047】
携帯端末機13は、操作入力を受け付けるとともに画面表示を行うタッチパネル式の端末機操作表示部41と、音声を発生させる端末機音声発生部42と、振動を発生させる端末機振動発生部43と、近距離無線通信を行うための端末機送受信部44を含む端末機通信回路45と、これらを制御する端末機制御部46と、を有している。端末機通信回路45は、読み書き可能な記憶媒体であるICチップ47を含んでいる。
【0048】
顧客は、例えば金融機関の口座の開設にあたって、支店および科目を指定し、氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、携帯端末機13の通信アドレス等を登録する。すると、金融機関側では、指定の支店および科目の所定の口座番号を有する口座を開設し顧客IDを設定する。金融機関側では、これらの支店名、科目および口座番号等の口座情報と、顧客の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号および携帯端末機13の通信アドレス等の個人情報と、預金残高、現在の資産運用および過去の資産運用等の運用情報と、顧客IDの情報とを関連付けて顧客情報データベース16に記憶する。言い換えれば、この顧客情報データベース16は顧客ID毎に、上記の口座情報と、携帯端末機13の通信アドレスを含む上記の個人情報と、上記の運用情報とからなる顧客情報を記憶している。
【0049】
提供情報データベース17は、顧客に提供可能な各種のデータ、例えば、店舗の営業日の情報、ローン相談会等のイベント情報、投資商品等の資産運用商品、保険商品等のデータを記憶している。
【0050】
携帯端末機13の端末機制御部46には、受付番号発行システム11を構成するためのアプリケーションプログラムが予め記憶されており、顧客IDが予め記憶されている。顧客は、携帯端末機13を用いて例えば金融機関のホームページにインターネット経由でアクセスし、予めこのホームページからインターネット経由でアプリケーションプログラムを携帯端末機13にダウンロードし記憶する。その際に、顧客が金融機関側から提示された顧客IDを入力すると、顧客IDが端末機制御部46および端末機通信回路45のICチップ47に記憶される。
【0051】
複数の呼出操作機14は、金融機関の店舗の複数の受付窓口のカウンタにそれぞれ一台ずつ設置されており、いずれも受付番号発行機12の発行機制御部28に通信可能に接続されている。複数の呼出操作機14は、それぞれ対応配置された受付窓口の窓口係員により新たな受付番号データを呼び出す際に操作される。
【0052】
複数の受付番号呼出機15は、複数の受付窓口のカウンタにそれぞれ一台ずつ設置されており、いずれも受付番号発行機12の発行機制御部28に通信可能に接続されている。受付番号呼出機15は、受付番号データを番号表示で報知する番号表示部51と、受付番号データを音声呼び出しで報知する音声出力部52とを有している。受付番号呼出機15は、受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。ここで、受付番号呼出機15を、受付窓口にそれぞれ一台ずつ設置するのではなく、複数の受付窓口で一台を共用するようにしても良い。この場合には、受付番号呼出機15が受付番号データと呼び出した受付窓口の窓口番号データとを報知することになる。
【0053】
携帯端末機13の端末機操作表示部41の
図3(a)に示すホーム画面は、受付番号発行システム11を構成するためのアプリケーションプログラムの「○○銀行」のテキスト表示を含むアイコンAを含んでいる。このアイコンAがタップ(タッチ操作)されたことを端末機操作表示部41が検知すると、端末機制御部46は、
図3(b)に示すこのアプリケーションプログラムの初期画面を端末機操作表示部41に表示させる。この初期画面は、受付番号を取得するための「受付LINK」のテキスト表示を含むアイコンBを含んでいる。このアイコンBがタップされたことを端末機操作表示部41が検知すると、端末機制御部46は、受付番号発行機12の発行機送受信部25に携帯端末機13を近接させるように案内する表示を端末機操作表示部41に表示させる。具体的には、
図3(c)に示すように、携帯端末機13を発行機送受信部25に近接させる動作を模式的に示す図と、「お客様の受付をしますのでスマートフォンを受付番号発行機の「IC」にタッチして下さい」というテキスト表示とを端末機操作表示部41に表示させる。
図1に示すように受付番号発行機12の「IC」のテキスト表示は発行機送受信部25の位置に表示されている。
【0054】
端末機操作表示部41のこれらの表示を見て、顧客は、受付番号発行機12の発行機送受信部25に、携帯端末機13を近接させる。これにより、受付番号発行機12の発行機通信回路26の発行機送受信部25と携帯端末機13の端末機通信回路45の端末機送受信部44とが無線通信可能な所定距離まで近接することになる。言い換えれば、この所定距離を超えている状態では発行機送受信部25と端末機送受信部44とは無線通信不可となっている。受付番号発行機12の発行機通信回路26と携帯端末機13の端末機通信回路45とが無線通信可能な状態となると、携帯端末機13は、端末機通信回路45で発行機通信回路26と無線で通信してICチップ47に記憶された顧客IDを発行機制御部28に送信する。
【0055】
なお、携帯端末機13は、主電源のオフ状態、端末機操作表示部41に
図3(a)に示すホーム画面を表示させている状態、端末機操作表示部41に受付番号発行システム11を構成するためのアプリケーションプログラムの
図3(b)に示す初期画面を表示させている状態、および他のアプリケーションプログラムの実行中の状態のいずれであっても、受付番号発行機12の発行機通信回路26と携帯端末機13の端末機通信回路45とが無線通信可能な状態となると、携帯端末機13は、端末機通信回路45で発行機通信回路26と無線で通信して発行機制御部28に顧客IDを送信する。
【0056】
このように発行機通信回路26で端末機通信回路45と無線で通信してICチップ47から顧客IDを受信すると、発行機制御部28は、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶して、この受信時点での受付番号データと待ち人数データとを発行機通信回路26で端末機通信回路45と無線で通信して端末機制御部46に送信するとともに、この受信時点での受付番号データと待ち人数データとにそれぞれ1を加算する。
【0057】
携帯端末機13の端末機制御部46は、端末機通信回路45で発行機通信回路26と無線で通信して発行機制御部28から受付番号データと待ち人数データとを受信すると、
図3(d)に示すように、受付番号発行機12から受信した受付番号データを、端末機操作表示部41の「お客様の受付番号」のテキスト表示の近傍の受付番号データ表示域Cに、待ち人数データを、「現在の待ち人数」のテキスト表示の近傍の端末機操作表示部41の待ち人数データ表示領域Dに表示させる。
【0058】
例えば、それまでに「11番」の受付番号データまでが呼び出し済みであって、「12番」の受付番号データの待ち人数データが、自分を含まない「0人」の待ち人数データであり、「13番」の受付番号データの待ち人数データが、自分を含まない「1人」の待ち人数データであり、「14番」の受付番号データの待ち人数データが、自分を含まない「2人」の待ち人数データであって、これらの受付番号データが既に発行済みで呼び出しを待機しているとする。すると、発行機制御部28において、「15番」の受付番号データが受け付け待ちであり、受け付け待ちの待ち人数データは「3人」であって、これらを受付番号発行機12の発行機表示部22に表示させている。
【0059】
この時点で、端末機通信回路45のICチップ47から顧客IDを受信すると、発行機制御部28は、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている「15番」の受付番号データとを関連付けて記憶し、この「15番」の受付番号データをそれまでの「12番」、「13番」、「14番」の未処理の受付番号データ列に記憶して、「12番」、「13番」、「14番」、「15番」の未処理の受付番号データ列とする。また、この「15番」の受付番号データと「3人」の待ち人数データとを端末機制御部46に送信するとともに、「15番」の受付番号データに1を加算して「16番」を受け付け待ちの受付番号データとし、「3人」の待ち人数データに1を加算して「4人」を受け付け待ちの待ち人数データとして、これらを受付番号発行機12の発行機表示部22に表示させる。
【0060】
携帯端末機13の端末機制御部46は、発行機制御部28から「15番」受付番号データと「3人」の待ち人数データとを受信すると、
図3(d)に示すように、「15番」の受付番号データを「お客様の受付番号」のテキスト表示とともに端末機操作表示部41に表示させ、「3人」の待ち人数データを「現在の待ち人数」および「待ち人数の目安をお知らせいたします」のテキスト表示とともに端末機操作表示部41に表示させる。
【0061】
発行機制御部28は、上記とは別に発行機操作部21が操作されると、操作時点での受け付け待ちの受付番号データと受け付け待ちの待ち人数データとをプリンタ24で用紙に印字して発券するとともに、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶して、これら受付番号データと待ち人数データとにそれぞれ1を加算する。つまり、携帯端末機13での受け付けを行わない顧客に対しては、従来と同様に受付番号票を発券する。
【0062】
窓口係員によって呼出操作機14に呼出操作がなされると、呼出操作機14は、この呼出操作機14の識別を含む操作信号を受付番号発行機12の発行機制御部28に送信する。すると、発行機制御部28は、未処理の受付番号データ列から所定のルールで一つの受付番号データを選択して、この呼出操作機14の識別に対応する受付番号呼出機15に送信するとともに、この一つの受付番号データを未処理の受付番号データ列から削除し、待ち人数データから1を減算して更新する。
【0063】
ここで、一つの受付番号データを選択する所定のルールとは、基本的には受付順である。なお、科目別に受付窓口が設定されている場合、呼出操作機14に呼出操作がなされた受付窓口の科目の受付順となる。この場合、科目別に使用する受付番号データの範囲を他と異ならせて顧客に混乱や不快感が生じないようにする。あるいは、未処理の受付番号データ列の受付番号データに対応する顧客IDに重要顧客の顧客IDが含まれる場合には、この重要顧客の顧客IDを一般の顧客IDに対して優先させ、重要顧客の顧客IDの受付順とする。この場合も、重要顧客の顧客IDに使用する受付番号データの範囲を他と異ならせて顧客に混乱や不快感が生じないようにする。
【0064】
発行機制御部28は、未処理の受付番号データ列を構成する未処理の受付番号データのそれぞれに対応記憶された顧客IDの通信アドレスを顧客情報データベース16から読み出して、この通信アドレスつまりこの通信アドレスの携帯端末機13に、更新後の待ち人数データを発行機発信部27から発信させる。
【0065】
受付番号呼出機15は、受信したこの一つの受付番号データを、番号表示部51による番号表示および音声出力部52による音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。
【0066】
例えば、「11番」の受付番号データまでが呼び出し済みであって、「12番」の受付番号データの待ち人数データが「0人」の待ち人数データであり、「13番」の受付番号データの待ち人数データが「1人」の待ち人数データであり、「14番」の受付番号データの待ち人数データが「2人」の待ち人数データであり、「15番」の受付番号データの待ち人数データが「3人」の待ち人数データであるとする。この状態で操作信号を受信すると、発行機制御部28は、「12番」、「13番」、「14番」、「15番」の未処理の受付番号データ列から、最も早く受け付けた「12番」の受付番号データを選択して、操作信号の識別に対応する受付番号呼出機15に送信する。
【0067】
それとともに、発行機制御部28は、「12番」、「13番」、「14番」、「15番」の未処理の受付番号データ列から、選択した「12番」の受付番号データを削除して、「13番」、「14番」、「15番」の未処理の受付番号データ列とし、待ち人数データから1を減算して、「13番」の受付番号データを「0人」の待ち人数データとし、「14番」の受付番号データを「1人」の待ち人数データとし、「15番」の受付番号データを「2人」の待ち人数データとする。
【0068】
発行機制御部28は、更新後の未処理の受付番号データ列を構成する「13番」、「14番」、「15番」の未処理の受付番号データのそれぞれに対応記憶された顧客IDの通信アドレスを、顧客情報データベース16から読み出して、「13番」の受付番号データに対応する顧客IDの携帯端末機13に「0人」の待ち人数データを、「14番」の受付番号データに対応する顧客IDの携帯端末機13に「1人」の待ち人数データを、「15番」の受付番号データに対応する顧客IDの携帯端末機13に「2人」の待ち人数データを、それぞれ電子メールで送信する。端末機操作表示部41への操作で端末機制御部46は、受信した電子メールを端末機操作表示部41に表示させる。この表示を見て顧客は更新された待ち人数データを認識する。
【0069】
ここで、発行機制御部28は、更新が生じる都度、未処理の受付番号データのそれぞれに対応記憶された顧客IDの通信アドレスに、待ち人数データを電子メールで送信するようにしても良いが、待ち人数データが予め定められた人数(例えば、10人、5人、2人、1人、0人)に達した未処理の受付番号データに対して、関連付けられた顧客IDに基づいて顧客情報データベース16に記憶された通信アドレスを選択して、この通信アドレスに対して発行機発信部27により待ち人数データを発信させるようにしても良い。これにより、頻繁にメールが送られて顧客が不快に思うことを防止する。メールを送信することになる待ち人数データは、システム固定であっても、顧客の希望に応じて設定可能であっても良く、いずれにおいても、一の待ち人数データでのみメールを送信したり、複数の待ち人数データでメールを送信したりできる。
【0070】
受付番号呼出機15は、受信した「12番」の受付番号データを、番号表示部51による番号表示および音声出力部52による音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。
【0071】
ここで、呼出操作機14は、任意の受付番号データを入力可能に構成されており、受付番号呼出機15は、呼出操作機14に入力された任意の受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知するようになっている。例えば、呼出操作機14に「100番」の受付番号データが入力されると、この呼出操作機14と同じ受付窓口に設置された受付番号呼出機15がこの「100番」の受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。これにより、予め定められたルールがあっても、このルールとは別に任意の受付番号データを呼び出すことができる。なお、このように呼出操作機14に入力された任意の受付番号データは、発行機制御部28にも送信されることになり、発行機制御部28では、この受付番号データを未処理の受付番号データ列から削除するとともに、待ち人数データから1を減算する。
【0072】
発行機制御部28は、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが、待ち時間が所定時間以上あると想定できる予め定められた人数(例えば5人)以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータのうちの一部を発信する。提供情報データベース17は、上述したように、店舗の営業日の情報、ローン相談会等のイベント情報、投資商品等の資産運用商品、保険商品等のデータを記憶している。例えば、待ち人数データが予め定められた人数以上のすべての顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータのうちの一部である営業日の情報およびイベント情報等の一般的な情報を発信する。
【0073】
また、待ち人数データが予め定められた人数(例えば10人)以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータのうちの顧客IDに応じたデータを発信する。例えば、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの顧客情報を顧客情報データベース16から読み出し、この顧客情報に含まれる個人情報や運用情報に応じて投資商品等の資産運用商品、保険商品等の中から選択してデータを送信する。
【0074】
以上に述べた第1実施形態の受付番号発行システム11によれば、受付番号発行機12が携帯端末機13に対して受付番号データと待ち人数データとを送信すると、携帯端末機13が受付番号発行機12から受信した受付番号データと待ち人数データとを表示する。つまり、携帯端末機13と受付番号発行機12とがリンクする受付番号発行システム11となっている。よって、受付番号票を発券する場合と比べて用紙代やインク代等のランニングコストを低減できる。また、廃棄される使用済みの受付番号票を低減できるため、自然環境への影響も低減できる。
【0075】
また、携帯端末機13が顧客IDを受付番号発行機12に送信すると、受付番号発行機12ではこの顧客IDを受付番号データと関連付けて管理することになる。よって、来店した顧客の顧客IDをいち早く店舗側で把握することができ、サービス向上に役立てることができる。
【0076】
また、携帯端末機13は、その端末機通信回路45が、受付番号発行機12の発行機通信回路26に近接させられると発行機通信回路26と無線通信可能となって受付番号発行機12から、受付番号データと待ち人数データとを受信する。よって、携帯端末機13を受付番号発行機12に近接させるという簡単な操作で、携帯端末機13は受付番号発行機12から受付番号データと待ち人数データとを受信することができる。
【0077】
また、携帯端末機13は、その端末機通信回路45が、受付番号発行機12の発行機通信回路26に近接させられると発行機通信回路26と無線通信可能となって受付番号発行機12に顧客IDを送信する。よって、携帯端末機13を受付番号発行機12に近接させるという簡単な操作で、受付番号発行機12は携帯端末機13から顧客IDを受信することができる。
【0078】
また、受付番号発行機12は、発行機通信回路26で携帯端末機13の端末機通信回路45と無線で通信して携帯端末機13から顧客IDを受信すると、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する。受付番号発行機12は、このように簡単な制御で、携帯端末機13から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。
【0079】
また、受付窓口に設けられた呼出操作機14に呼出操作がなされると、受付番号発行機12が、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機15に送信するとともに待ち人数データから1を減算する。受付番号呼出機15は、受信した一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。これにより、この受付番号データが携帯端末機13に表示されている顧客を、受付番号呼出機15で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0080】
また、呼出操作機14で任意の受付番号データが入力されると、受付番号呼出機15は、この入力された任意の受付番号データを番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。よって、受付順とは無関係に任意の受付番号データを優先して呼び出すことができる。
【0081】
また、呼出操作機14が、受付窓口毎に設けられているため、受付窓口毎に呼出操作が入力可能になり、窓口係員による呼出操作が容易となる。
【0082】
また、受付番号呼出機15が複数台配置されているため、顧客が受付番号の呼び出し表示を見逃してしまう可能性を低減できる。
【0083】
また、発行機発信部27が、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、顧客情報データベース16に記憶された通信アドレスに対して待ち人数データを発信するため、携帯端末機13に最新の待ち人数データを表示させることができる。
【0084】
また、待ち人数データが予め定められた人数に達した未処理の受付番号データに関連付けられた顧客IDに基づいて通信アドレスを選択して待ち人数データを発信させることになるため、携帯端末機13における更新された待ち人数データの受信の頻度を減らすことができる。
【0085】
また、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータの一部を発信するため、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機13に、提供情報データベース17のデータの一部を表示させることができる。
【0086】
また、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータのうちの顧客IDに応じた情報を発信するため、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機13に、提供情報データベース17のデータの中から顧客IDに応じたデータを表示させることができる。よって、呼び出しを待っている顧客の携帯端末機13に、この顧客に合ったデータを表示させることができる。
【0087】
ここで、第1実施形態において、受付番号発行機12が複数設けられていても良い。この場合、複数の受付番号発行機12は発行機制御部28が相互に通信可能に設けられることになる。また、複数の受付番号発行機12のうち、予め選択された1台が親機に、他は子機になって、マスタ・スレイブの関係となる。つまり、親機となる受付番号発行機12は、親機となる受付番号発行機12およびすべての子機となる受付番号発行機12について、発行機通信回路26で端末機通信回路45と無線で通信して携帯端末機13から受信した顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する制御を行う。親機となる受付番号発行機12は、このように簡単な制御で、この親機および他の子機のすべてについての携帯端末機13から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。複数の受付番号発行機12がそれぞれ携帯端末機13から受信した顧客IDを、1台の親機となる受付番号発行機12で受付番号データに関連付けて記憶することができるため、システムコストを低減することができる。
【0088】
また、受付番号発行機12が複数設けられる場合、呼出操作機14に呼出操作がなされると、親機となる受付番号発行機12は、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機15に送信するとともに待ち人数データから1を減算する制御を行い、受付番号呼出機15は、受信したこの一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知することになる。これにより、この受付番号データが携帯端末機13に表示されている顧客を、受付番号呼出機15で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0089】
「第2実施形態」
本発明に係る第2実施形態の受付番号発行システム11を主に
図4,
図5を参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。
【0090】
第2実施形態では、
図4に示すように、受付番号発行機12と通信可能なパーソナルコンピュータからなる管理機61が設けられている。この管理機61は、係員による操作入力を受け付ける管理機操作部62と、モニタ表示を行う管理機表示部63と、音声を発生させる
図5に示す管理機音声発生部64と、携帯端末機13の通信アドレスに対してデータを発信する管理機発信部65(発信部)と、これらを制御する管理機制御部66(発信制御部)とを有している。
【0091】
受付番号発行機12の発行機通信回路26と携帯端末機13の端末機通信回路45とが無線通信可能な状態となると、携帯端末機13は、端末機通信回路45で発行機通信回路26と無線で通信してICチップ47に記憶された顧客IDを発行機制御部28に送信する。すると、発行機制御部28は、顧客IDを管理機制御部66に送信する。
【0092】
このように受付番号発行機12が発行機通信回路26と端末機通信回路45との無線通信でICチップ47から顧客IDを受信すると、管理機制御部66は、第1実施形態の発行機制御部28と同様に、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶し、この受信時点での受付番号データと待ち人数データとにそれぞれ1を加算する。管理機制御部66は、これらの受付番号データと待ち人数データとを発行機通信回路26で端末機通信回路45と無線で通信して端末機制御部46に送信する。
【0093】
発行機制御部28は、上記とは別に発行機操作部21が操作されると、操作時点での受付番号データと待ち人数データとをプリンタ24で用紙に印字して発券するとともに、これらの受付番号データと待ち人数データとを、管理機制御部66に送信する。すると、管理機制御部66は、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶して、これら受付番号データと待ち人数データとにそれぞれ1を加算する。
【0094】
窓口係員によって呼出操作機14に呼出操作がなされると、呼出操作機14は、この呼出操作機14の識別を含む操作信号を管理機61の管理機制御部66に送信する。すると、管理機制御部66は、第1実施形態の発行機制御部28と同様に、未処理の受付番号データ列から所定のルールで一つの受付番号データを選択して、この呼出操作機14の識別に対応する受付番号呼出機15に送信するとともに、この一つの受付番号データを未処理の受付番号データ列から削除し、待ち人数データから1を減算して更新する。すなわち、複数設けられた呼出操作機14のうちのどの呼出操作機14が操作されたのかが判るように、呼出操作機14には個々に識別情報を持っており、その識別情報に基づいて、対応する受付番号呼出機15に対して呼び出すべき受付番号データを送信する。
【0095】
管理機制御部66は、第1実施形態の発行機制御部28と同様に、未処理の受付番号データ列を構成する未処理の受付番号データのそれぞれに対応記憶された顧客IDの通信アドレスを、顧客情報データベース16から読み出して、この通信アドレスつまり携帯端末機13に、更新後の待ち人数データを管理機発信部65から発信させる。
【0096】
受付番号呼出機15は、受信したこの一つの受付番号データを、番号表示部51による番号表示および音声出力部52による音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。
【0097】
管理機61の管理機制御部66は、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに対応する顧客情報を顧客情報データベース16から読み出し、受付番号データと待ち人数データと顧客情報とを関連付けて管理機表示部63に表示させる。その際に、顧客情報に重要顧客であることを示す情報が含まれている場合に、管理機制御部66は、この情報を例えば色を変えたり点滅させたりして、他の顧客情報と判別できるようにする。それとともに、管理機音声発生部64で音声を発生させる。これにより、管理係員が重要顧客がいることを認識することになり、窓口係員に重要顧客の受付番号データを知らせる。すると、窓口係員は、呼出操作機14に、この受付番号データを入力することになり、受付番号呼出機15は、この受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの設定された少なくともいずれか一方で報知する。このようにして、重要顧客を優先的に呼び出すことができる。
【0098】
管理機制御部66は、第1実施形態の発行機制御部28と同様、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、待ち人数データが、待ち時間が所定時間以上あると想定できる予め定められた人数以上の顧客IDの通信アドレスに対して、提供情報データベース17のデータのうちの一部を発信することになり、必要により、顧客IDに応じたデータを発信することになる。
【0099】
以上に述べた第2実施形態の受付番号発行システム11によれば、受付番号発行機12が発行機通信回路26と端末機通信回路45との無線通信で携帯端末機13から顧客IDを受信すると、管理機61は、この顧客IDと、この受信時点で受け付け待ちとなっている受付番号データとを関連付けて記憶し、この受付番号データを未処理の受付番号データ列に記憶するとともに、この受信時点での待ち人数データに1を加算する。管理機61は、このように簡単な制御で、携帯端末機13から受信した顧客IDを管理して次の顧客IDの受信に備えることになる。
【0100】
また、受付窓口に設けられた呼出操作機14に呼出操作がなされると、管理機61が、未処理の受付番号データ列から一つの受付番号データを選択して受付番号呼出機15に送信するとともに待ち人数データから1を減算する。受付番号呼出機15は、受信した一つの受付番号データを、番号表示および音声呼び出しのうちの少なくともいずれか一方で報知する。これにより、この受付番号データが携帯端末機13に表示されている顧客を、受付番号呼出機15で呼び出すとともに呼び出しに応じて待ち人数データを減らすことができる。
【0101】
また、未処理の受付番号データ列に対応して記憶された顧客IDに基づいて、これら顧客IDに対する受付番号データと顧客情報とを管理機61の管理機表示部63に表示させるため、この顧客情報に基づいて係員が個別に対応する等のサービスが可能になる。
【0102】
ここで、第2実施形態において、受付番号発行機12が複数設けられていても良い。この場合、複数の受付番号発行機12は発行機制御部28がそれぞれ管理機61の管理機制御部66に通信可能に設けられることになる。
【0103】
この場合、複数の受付番号発行機12のそれぞれについて、発行機通信回路26と端末機通信回路45との無線通信で携帯端末機13から顧客IDを受信すると、これらの顧客IDの受付番号データとの関連付けおよび待ち人数データを、管理機61によって一括して管理することが可能になる。
【0104】
以上の第1,第2実施形態において、顧客情報データベース16および提供情報データベース17は、受付番号発行機12が設置される店舗に、受付番号発行機12や管理機61とは別に設けられている。しかしながら、顧客情報データベース16および提供情報データベース17の少なくとも一方が、受付番号発行機12に設けられていても良く、第2実施形態においては、管理機61に設けられていても良い。さらには、受付番号発行機12が設置される店舗以外(例えば店舗群を統括する管理部署)に設けられていても良い。発信部を、第2実施形態において、受付番号発行機12に設けて発行機制御部28で制御しても良い。さらには、発信部および発信制御部を、受付番号発行機12が設置される店舗に受付番号発行機12や管理機61とは別に設けても良く、受付番号発行機12が設置される店舗以外(例えば店舗群を統括する管理部署)に設けても良い。さらには、以上の第1,第2実施形態において、顧客IDを、金融機関の口座の開設にあたって、金融機関側で設定すると説明したが、これに限るものではなく、顧客が、携帯端末機13を用いて例えば金融機関のホームページにインターネット経由でアクセスし、予めこのホームページからインターネット経由でアプリケーションプログラムを携帯端末機13にダウンロードし記憶した際に、さらに顧客認証を受けた上で、金融機関側から顧客IDを受け取るか、または、重複しないデータであることを条件に、顧客側から入力したデータを顧客IDとして設定しても良く、このようにして取得・確定した顧客IDは、端末機制御部46および端末機通信回路45のICチップ47に記憶される。