特開2016-72222(P2016-72222A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-72222(P2016-72222A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20160404BHJP
【FI】
   H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-104646(P2015-104646)
(22)【出願日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】62/055,996
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513049697
【氏名又は名称】ジェイエイイイ エレクトロニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】竹永 悠一
(72)【発明者】
【氏名】帯金 宏明
(72)【発明者】
【氏名】西村 貴行
(72)【発明者】
【氏名】町原 大介
(72)【発明者】
【氏名】森 祐太朗
【テーマコード(参考)】
5E123
【Fターム(参考)】
5E123AB02
5E123AB06
5E123BA01
5E123BA07
5E123BB01
5E123BB12
5E123CB22
5E123CB39
5E123CB46
5E123CB84
5E123CD01
5E123DA05
5E123DB11
5E123DB25
5E123DB29
5E123DB36
5E123EA03
5E123EA16
(57)【要約】
【課題】より小型化されたコネクタを提供すること。
【解決手段】ハウジング10には複数の被保持部22が設けられている。端子40は、
基部42と、第1部位46と、第2部位48と、第3部位56とを有している。第1部位46、第2部位48及び第3部位56は、夫々、基部42から直接延びている。第1部位46には、X方向において第2部位48に向かって突出する第1接点部46が設けられている。第2部位48には、X方向において第1部位44に向かって突出すると共に第1接点部46と対向する第2接点部52と、X方向において第3部位56に向かって突出する突起54とが設けられている。被保持部22は、端子40の第2部位48と第3部位56とに保持される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、複数の被保持部を有するハウジングと、前記被保持部に夫々対応する複数の端子とを備えており、
前記端子の夫々は、基部と、第1部位と、第2部位と、第3部位とを有しており、
前記第1部位は、前記基部から直接延びており、
前記第1部位には、前記第1方向と直交する第2方向において前記第2部位に向かって突出する第1接点部が設けられており、
前記第2部位は、前記基部から直接延びており、
前記第2部位には、前記第2方向において前記第1部位に向かって突出すると共に前記第1接点部と対向する第2接点部と、前記第2方向において前記第3部位に向かって突出する突起とが設けられており、
前記第3部位は、前記基部から直接延びており、
前記被保持部の夫々は、当該被保持部に対応する前記端子の前記第2部位と前記第3部位とに保持される
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記相手側コネクタは、前記端子に夫々対応する複数の相手側端子を備えており、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合したとき、前記相手側端子の夫々が、当該相手側端子に対応する前記端子の前記第1接点部と前記第2接点部との間に挟まれ、それによって、前記突起が前記被保持部に対して押し付けられる
コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタであって、
前記第2部位は、端部を有しており、
前記第1方向において、前記端部と前記基部との間の距離は、前記突起と前記基部との間の距離よりも大きく、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合する前、前記端部は前記第2方向において前記被保持部から離れて位置しており、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合すると、前記端部が前記被保持部まで又は前記被保持部に向かって移動する
コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記端子の夫々には、前記コネクタが回路基板に搭載されたときに前記回路基板に固定される被固定部が設けられており、
前記被固定部は、前記第3部位から延びており、且つ、前記第1方向において前記基部から離れて位置している
コネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタであって、
前記ハウジングに取り付けられた2つの補強部材を更に備えており、
前記補強部材の夫々は、支持部と2つの留め部とを有しており、
前記支持部は、前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に、前記ハウジングを受け止めて支持しており、
前記留め部は、前記第2方向において前記支持部から互いに逆方向に延びており、
前記留め部は、前記コネクタが前記回路基板に搭載されたときに前記回路基板に固定され、前記支持部を前記回路基板に対して留める
コネクタ。
【請求項6】
請求項5記載のコネクタであって、
前記ハウジングは、2つの第1壁部と2つの第2壁部とを有しており、
前記第1壁部は、前記第2方向において、互いに離れて位置しており、
前記第1壁部の夫々は、前記被保持部を有しており、
前記第2壁部は、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向において、互いに離れて位置しており、
前記第2壁部の夫々は、前記第2方向において前記第1壁部を接続しており、
前記補強部材には、夫々、補強片が更に設けられており、
前記補強片は、前記第1方向において、前記支持部から延びており、且つ、前記第3方向において、夫々、前記第2壁部の外側に近接して位置し、前記第2壁部を補強している
コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタであって、
前記補強部材には、夫々、前記補強片から前記第3方向において互いに向かって突出した維持部が更に設けられており、
前記維持部は、前記第1方向において、前記支持部から離れて位置しており、
前記第2壁部は、前記維持部と前記支持部の間に位置している
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に搭載されるコネクタであって、相手側回路基板に搭載された相手側コネクタと嵌合可能なコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、図27に示されるように、回路基板910及び相手側回路基板960に夫々搭載されたコネクタ900及び相手側コネクタ950を開示している。コネクタ900は、絶縁体からなるハウジング920と、導電体からなる複数の端子930とを備えている。ハウジング920には、圧入孔925が形成されている。端子930には、夫々、圧入部935が設けられている。圧入孔925に圧入部935が夫々圧入されて、端子930がハウジング920に保持されている。圧入孔925に対する圧入部935の圧入の際にハウジング920が破損しないように、ハウジング920の肉厚を厚くして、ある程度の強度を確保している。相手側コネクタ950は、絶縁体からなる相手側ハウジング970と、導電体からなる複数の相手側端子980とを備えている。相手側端子980は相手側ハウジング970に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−302901号公報、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より小型化されたコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1のコネクタとして、
第1方向において相手側コネクタと嵌合するコネクタであって、
前記コネクタは、複数の被保持部を有するハウジングと、前記被保持部に夫々対応する複数の端子とを備えており、
前記端子の夫々は、基部と、第1部位と、第2部位と、第3部位とを有しており、
前記第1部位は、前記基部から直接延びており、
前記第1部位には、前記第1方向と直交する第2方向において前記第2部位に向かって突出する第1接点部が設けられており、
前記第2部位は、前記基部から直接延びており、
前記第2部位には、前記第2方向において前記第1部位に向かって突出すると共に前記第1接点部と対向する第2接点部と、前記第2方向において前記第3部位に向かって突出する突起とが設けられており、
前記第3部位は、前記基部から直接延びており、
前記被保持部の夫々は、当該被保持部に対応する前記端子の前記第2部位と前記第3部位とに保持される
コネクタを提供する。
【0006】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記相手側コネクタは、前記端子に夫々対応する複数の相手側端子を備えており、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合したとき、前記相手側端子の夫々が、当該相手側端子に対応する前記端子の前記第1接点部と前記第2接点部との間に挟まれ、それによって、前記突起が前記被保持部に対して押し付けられる
コネクタを提供する。
【0007】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第2のコネクタであって、
前記第2部位は、端部を有しており、
前記第1方向において、前記端部と前記基部との間の距離は、前記突起と前記基部との間の距離よりも大きく、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合する前、前記端部は前記第2方向において前記被保持部から離れて位置しており、
前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合すると、前記端部が前記被保持部まで又は前記被保持部に向かって移動する
コネクタを提供する。
【0008】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記端子の夫々には、前記コネクタが回路基板に搭載されたときに前記回路基板に固定される被固定部が設けられており、
前記被固定部は、前記第3部位から延びており、且つ、前記第1方向において前記基部から離れて位置している
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記ハウジングに取り付けられた補強部材を更に備えており、
前記補強部材の夫々は、支持部と留め部とを有しており、
前記支持部は、前記コネクタが前記相手側コネクタと嵌合する際に、前記ハウジングを受け止めて支持しており、
前記留め部は、前記第2方向において前記支持部から互いに逆方向に延びており、
前記留め部は、前記コネクタが前記回路基板に搭載されたときに前記回路基板に固定され、前記支持部を前記回路基板に対して留める
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第5のコネクタであって、
前記ハウジングは、2つの第1壁部と2つの第2壁部とを有しており、
前記第1壁部は、前記第2方向において、互いに離れて位置しており、
前記第1壁部の夫々は、前記被保持部を有しており、
前記第2壁部は、前記第1方向及び前記第2方向の双方と直交する第3方向において、互いに離れて位置しており、
前記第2壁部の夫々は、前記第2方向において前記第1壁部を接続しており、
前記補強部材には、夫々、補強片が更に設けられており、
前記補強片は、前記第1方向において、前記支持部から延びており、且つ、前記第3方向において、夫々、前記第2壁部の外側に近接して位置し、前記第2壁部を補強している
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第6のコネクタであって、
前記補強部材には、夫々、前記補強片から前記第3方向において互いに向かって突出した維持部が更に設けられており、
前記維持部は、前記第1方向において、前記支持部から離れて位置しており、
前記第2壁部は、前記維持部と前記支持部の間に位置している
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0012】
各端子には、ハウジングに圧入される部位が設けられていない。代わりに、ハウジングには被保持部が設けられており、被保持部の夫々が当該被保持部に対応する端子の第2部位と第3部位との間に挿入され、それら第2部位と第3部位により保持されている。そのため、ハウジングは、特許文献1のコネクタのような厚みを有する必要がない。ハウジングを小型化することができ、従って、コネクタを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態によるコネクタを示す上面斜視図である。
図2図1のコネクタを示す底面斜視図である。
図3図1のコネクタを示す上面図である。
図4図3のコネクタをA--A線に沿って示す断面図である。
図5図3のコネクタをB--B線に沿って示す断面図である。
図6図3のコネクタをC--C線に沿って示す断面図である。
図7図2のコネクタのうち円Dで囲まれた部分を示す拡大図である。
図8図4のコネクタのうち円Eで囲まれた部分を示す拡大図である。
図9図1のコネクタに含まれるハウジングを示す上面斜視図である。
図10図9のハウジングを示す底面斜視図である。
図11図9のハウジングをF--F線に沿って示す断面図である。
図12図1のコネクタに含まれる端子を示す斜視図である。
図13図1のコネクタに含まれる補強部材を示す斜視図である。
図14図13の補強部材を示す側面図である。
図15】相手側コネクタを示す断面図である。
図16図4のコネクタを図15の相手側コネクタと嵌合した状態を示す図である。
図17】本発明の第2の実施の形態によるコネクタを示す上面斜視図である。
図18図17のコネクタを示す底面斜視図である。
図19図17のコネクタを示す上面図である。
図20図19のコネクタをG--G線に沿って示す断面図である。
図21図19のコネクタをH--H線に沿って示す断面図である。
図22図19のコネクタをJ--J線に沿って示す断面図である。
図23図17のコネクタのうち円Kで囲まれた部分を示す拡大図である。
図24図17のコネクタに含まれるハウジングを示す上面斜視図である。
図25図24のハウジングのうち円Lで囲まれた部分を示す拡大図である。
図26図17のコネクタに含まれる補強部材を示す斜視図である。
図27】特許文献1のコネクタと相手側コネクタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
図4を参照すると、本発明の第1の実施の形態によるコネクタ1は、回路基板5に搭載され固定されるものである。特に、本実施の形態の回路基板5には、凹部6が形成されており、コネクタ1は、回路基板5に搭載されると、凹部6内に部分的に収容される。図4図15及び図16から理解されるように、コネクタ1は、相手側コネクタ3とZ方向(第1方向)に沿って嵌合する。図15に示されるように、相手側コネクタ3は、相手側回路基板7に搭載され固定されるものである。上述したことから理解されるように、コネクタ1と相手側コネクタ3とは、基板対基板コネクタ組立体を構成している。図15に示されるように、相手側コネクタ3は、相手側ハウジング110と、複数の相手側端子120を備えている。相手側端子120は、相手側ハウジング110に保持されている。
【0015】
図1乃至図3を参照すると、コネクタ1は、絶縁体からなるハウジング10と、導電体からなる複数の端子40と、金属からなる2つの補強部材70とを備えている。
【0016】
図9に示されるように、ハウジング10は、2つの第1壁部12と、2つの第2壁部14と、底部16と、島状部18とを有している。第1壁部12は、X方向(第2方向)において、互いに離れて位置している。第1壁部12の夫々は、Y方向(第3方向)に長く延びている。各第1壁部12には、複数の被保持部22が設けられている。図1図4及び図9から理解されるように、被保持部22は、夫々、端子40と対応している。図9に示されるように、第2壁部14は、Y方向において、互いに離れて位置している。第2壁部14の夫々は、X方向において第1壁部12を接続している。島状部18は、底部16からZ方向に突出している。島状部18は、Y方向に長く延びている。第1壁部12及び第2壁部14と島状部18との間には、受容部20が形成されている。本実施の形態の第1壁部12は、Y方向において約12mmの長さを有しており、X方向において約0.2mmの厚みを有している。このことから理解されるように、コネクタ1は極めて小さい。
【0017】
図9乃至図11に示されるように、ハウジング10には、複数の端子収容部24が形成されている。図1図4図9及び図11から理解されるように、端子収容部24は、端子40に夫々対応している。図9及び図10に示されるように、端子収容部24は、底部16を貫通しており、受容部20と繋がっている。図9乃至図11に示されるように、端子収容部24は、第1壁部12及び島状部18内にも部分的に形成されている。図11に示されるように、本実施の形態の被保持部22は、端子収容部24内に位置している。
【0018】
図9及び図10に示されるように、各第1壁部12には、2つの被圧入部26が形成されている。各被圧入部26は、第1壁部12のY方向における一端に位置しており、X方向において内側に向かって凹んでいる。各第2壁部14には、凹部28が形成されている。凹部28は、Y方向において内側に向かって凹んでいる。
【0019】
図16に示されるように、端子40は、相手側端子120に夫々対応している。図4に示されるように、端子40は、夫々、端子収容部24内に部分的に収容されている。
【0020】
図12に示されるように、各端子40は、金属板を打ち抜いて形成されたものであり、曲げ形成はなされていない。即ち、端子40は、打ち抜かれた部材である。図4及び図12に示されるように、各端子40は、基部42と、第1部位44と、第2部位48と、第3部位56と、被固定部58とを有している。詳しくは、図12は、図4に示される2つの端子40のうちの+X側の一方を示す。図4に示された2つの端子40は、互いに同じ構造を有しており、線対称に配置されている。
【0021】
図4及び図12に示されるように、第1部位44は、略L字状の形状を有しており、弾性変形可能である。第1部位44は、X方向において内側に向かって基部42から直接延びている。第1部位44には、X方向において第2部位48に向かって突出する第1接点部46が設けられている。図4及び図5に示されるように、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合していないとき、第1接点部46は、受容部20内に突出している。
【0022】
図4及び図12に示されるように、第2部位48は、基部42からZ方向に直接延びている。第2部位48には、第2接点部52と突起54とが設けられている。Z方向において、端部50と基部42との間の距離は、突起54と基部42との間の距離よりも大きい。即ち、Z方向において、突起54は、第2部位48の端部50と基部42との間に位置している。第2接点部52は、X方向において第1部位44に向かって突出している。特に、図4及び図5に示されるように、本実施の形態の第2接点部52は、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合していないとき、受容部20内に突出している。更に、図4及び図12に示されるように、第2接点部52は、X方向において第1接点部46と対向している。即ち、図4に示されるように、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合していないとき、X方向において第1接点部46と第2接点部52との間には何も存在していない。図4及び図12に示されるように、突起54は、X方向において第3部位56に向かって突出している。
【0023】
図4及び図12に示されるように、第3部位56は、基部42からZ方向に直接延びている。第2部位48と第3部位56とは、X方向において離れて位置している。図4図11及び図12から理解されるように、各被保持部22は、その被保持部22に対応する端子40の第2部位48と第3部位56と間に挿入され、第2部位48と第3部位56に挟まれ保持される。図8に最もよく示されるように、本実施の形態の第2部位48の端部50は、X方向において被保持部22から離れて位置している。
【0024】
図4に示されるように、被固定部58は、コネクタ1が回路基板5に搭載されたときに回路基板5に対して例えば半田付けにより固定される。図4及び図12に示されるように、被固定部58は、X方向において外側に向かって第3部位56から延びている。被固定部58は、Z方向において基部42から離れて位置している。そのため、図4に示されるように、コネクタ1を回路基板5の凹部6内に部分的に収容しつつ、回路基板5にコネクタ1を固定することができる。
【0025】
図13及び図14に示されるように、補強部材70は、支持部72と、2つの留め部76と、1つの補強片78とを有している。詳しくは、図13及び図14は、図1に示される2つの補強部材70のうちの+Y側の一方を示す。図1に示される2つの補強部材70は、互いに同じ構造を有しており、線対称に配置されている。
【0026】
図13及び図14に示されるように、支持部72は、幅広く角ばったようなU字状の形状を有している。支持部72には、Y方向に突出した圧入部74が設けられている。留め部76は、X方向において支持部72から互いに逆方向に延びている。補強片78は、支持部72からZ方向に延びている。
【0027】
図1及び図2に示されるように、補強部材70は、ハウジング10に取り付けられる。図2図7及び図10から理解されるように、圧入部74は被圧入部26に圧入され保持される。これにより、図5に示されるように、支持部72は、ハウジング10の底部16の一部と第1壁部12の一部を外側から囲っている。図1図6及び図9から理解されるように、補強片78は、凹部28内に受容されている。図6に示されるように、補強片78は、Y方向において、第2壁部14の外側に近接して位置し、第2壁部14を補強している。コネクタ1が相手側コネクタ3(図5参照)と嵌合する際、相手側コネクタ3の一部が第2壁部14に当たり、第2壁部14をY方向において外側に押す場合がある。そのような場合であっても、補強片78が第2壁部14を補強しているので、第2壁部14の破損を避けることができる。
【0028】
図5に示されるように、留め部76は、コネクタ1が回路基板5に搭載されたときに回路基板5に固定され、支持部72を回路基板5に対して留める。図4及び図5に示されるように、コネクタ1は回路基板5の凹部6内に配置されている。そのため、コネクタ1と相手側コネクタ3(図5参照)とが嵌合する際、回路基板5はコネクタ1を支えることはできない。その代わり、図5から理解されるように、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合する際に、支持部72がハウジング10を受け止めて支持する。
【0029】
図16に示されるように、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合したとき、相手側端子120の夫々が、当該相手側端子120に対応する端子40の第1接点部46と第2接点部52との間に挟まれ、それによって、突起54が被保持部22に対して押し付けられる。図8に示されるように、本実施の形態においては、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合する前、端部50はX方向において被保持部22から離れて位置している。図16に示されるように、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合すると、端部50が被保持部22に向かって移動する。特に、本実施の形態においては、コネクタ1が相手側コネクタ3と嵌合すると、端部50が被保持部22に接触する。これにより、突起54が被保持部22に対して、より強く押し付けられ、端子40によるハウジング10の保持が強化される。そのため、コネクタ1を相手側コネクタ3から抜去する際に、ハウジング10が端子40から外れてしまうことを避けることができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図1乃至図6並びに図17乃至図22を参照すると、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ1Aは上述した第1の実施の形態のコネクタ1の変形例である。コネクタ1Aは、補強部材70Aとその周辺部の構造のみにおいて、コネクタ1と異なっている。図17乃至図26において、図1乃至図16を用いて既に説明された構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、それらの構成要素については詳細な説明を省略する。例えば、コネクタ1Aの端子40は、上述した第1の実施の形態の端子40と同じである。同様に、コネクタ1Aのハウジング10Aと端子40との構造的関係は、上述したコネクタ1のハウジング10と端子40との構造的関係と同じである。
【0031】
図24及び図25に示されるように、本実施の形態のハウジング10Aの第2壁部14Aには、被維持部30Aが形成されている。本実施の形態の被維持部30Aは、Z方向において凹んでおり、底部16に向かって延びる斜面を有している。
【0032】
図17及び図26に示されるように、各補強部材70Aには、Y方向とZ方向の双方と斜交する方向に向かって補強片78Aから延びる維持部80Aが更に設けられている。図17に示されるように、補強部材70Aがハウジング10Aに取り付けられると、維持部80Aは、Y方向において、互いに向かって突出する。図22に最もよく示されるように、維持部80Aは、Z方向において支持部72から離れて位置している。図22及び図23に示されるように、維持部80Aは、被維持部30Aに沿うように底部16に向かって延びている。図22に示されるように、第2壁部14Aの被維持部30Aは、維持部80Aと支持部72との間に位置している。そのため、コネクタ1を相手側コネクタ3から抜去する際、ハウジング10Aが相手側コネクタ3に追従して補強部材70Aから外れてしまうことを防ぐことができる。
【0033】
上述した実施の形態によるコネクタ1,1Aは、種々変形可能である。例えば、上述した実施の形態によるハウジング10,10Aには、凹部28が設けられていたが、凹部28は設けられていなくてもよい。また、被維持部30Aは、斜面に代えて、Z方向と直交する面を有していてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1,1A コネクタ
3 相手側コネクタ
5 回路基板
6 凹部
7 相手側回路基板
10,10A ハウジング
12 第1壁部
14,14A 第2壁部
16 底部
18 島状部
20 受容部
22 被保持部
24 端子収容部
26 被圧入部
28 凹部
30A 被維持部
40 端子
42 基部
44 第1部位
46 第1接点部
48 第2部位
50 端部
52 第2接点部
54 突起
56 第3部位
58 被固定部
70,70A 補強部材
72 支持部
74 圧入部
76 留め部
78,78A 補強片
80A 維持部
110 相手側ハウジング
120 相手側端子
図1
図2
図3
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