(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-73566(P2016-73566A)
(43)【公開日】2016年5月12日
(54)【発明の名称】多目的作業台兼運搬車
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20160408BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20160408BHJP
B65F 1/14 20060101ALI20160408BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20160408BHJP
【FI】
A61G12/00 C
B65F1/00 A
B65F1/14 E
B62B3/00 D
A61G12/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-207613(P2014-207613)
(22)【出願日】2014年10月8日
(71)【出願人】
【識別番号】714009706
【氏名又は名称】株式会社進策
(72)【発明者】
【氏名】藤原 幸尚
(72)【発明者】
【氏名】高山 典明
【テーマコード(参考)】
3D050
3E023
4C341
【Fターム(参考)】
3D050AA21
3D050BB05
3D050DD01
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050KK16
3D050KK19
3E023AA13
3E023AA14
3E023LA02
3E023MB10
4C341LL07
4C341LL14
4C341LL22
(57)【要約】
【課題】おむつ交換等の汚物が2層に分かれているポリ袋が一杯になった場合、外に設置されている、ゴミステーションまで一気に簡単に運べ、捨てられる「多目的作業台兼運搬車」である。
介護作業に必要な、用品を手元に置いておける。
その他、介護施設をいつも清潔にする道具も常に置け、そこで作業が出来るという多機能性も備えている。
【解決手段】介護施設の業務で発生する大量、多くの汚物異臭を抑え、衛生的に保ち、一気にゴミステーションへ運ぶものである。
その実現は、作業面をスライド方式にしたことにより、介護者が汚物除去作業を行う場合、広い作業スペースを確保でき無理な体勢を取らずに行えるものであり、作業スペースの下は、すべてごみ袋を入れるスペースとした事で得られている。
一つの袋の重さは15kg以内にしてある。
外観的には、住宅型の施設に置かれていても、仕事観を感じさせないデザインとしている特徴を持つ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業台の上で、新聞紙を広げおむつ交換が出来る。また、おむつ交換で出たおむつ、おしりふき、手袋等を包み、作業台のすぐ下に設置されたごみ袋に入れる事が出来る。
作業台面は、突起物が無く、汚物交換、掃除等の作業を行う際カート上面部全面を使用でき広いスペースを利用できる。
また、汚物は、スライド方式の蓋右と蓋左を引くことで簡単にごみ袋が収まっている収納箱に入る。
消臭、衛生面に関しては、重曹、消臭スプレーを装備してあるが、ゴミ箱自体が密閉出来る構造にして解決している。
【請求項2】
汚物収納に関しては、70リットルごみ箱が作業台の下に2つセット出来る構造である。
ごみ袋は、70リットル用に収納できる。
このため、最大140リットルと言う汚物等を収納できる。
2つのゴミ箱は、専用の引き出し型スライド方式で、簡単にごみ袋を取り出す事が出来る。
【請求項3】
ごみを外に設置されている、ゴミステーションへ移動を掛ける場合、進行方向の左右には突起物が無く、移動し易くなっている。部屋の出入り、エレベーターに入る場合も簡単である。
汚物処理または廃棄に関しては、夜間に移動する事が多い中、移動時の安全性を高めるため、各コーナー部には蓄光処理を施している
移動の際は把手を持って行う。
移動用の車輪は、固定式が2つ、旋回式が2つで構成され、ストッパーをかけることにより、作業時動かない構造となっている。
【請求項4】
進行方向に、おむつ、おしりふき、手袋、新聞紙、新聞紙の上に振りかけ匂いを消す重曹、消臭・殺菌スプレー等を入れられる置台が付いている。
また、掃除用のバケツが引っ掛けられ、掃除用具(雑巾・ブラシ・手袋・洗剤等)も置けるスペースを要している。
更に、取り換え用、使用済みのリネン類を置ける様、作業台スペースを大きくしてある。
リネン類は、作業台ばかりでなく、他の収納部位にも納める事が出来る。
【請求項5】
材質は、作業性向上と見栄えを良くするためアルミとプラスチックを主力に使っている。
外観は、サ高住、有料老人ホームで使用できる様、木目調の処理を多くの面積に施している。
掃除が簡単に出来る様に、各パーツが取り外しできる様になっている。
請求項1から4を備えた多機能な「作業台兼運搬車」である。
シンプルな構造で、安価、使いやすさ、安全性を考慮した今までにない製品となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は病人、高齢者等の介護に用いる作業台と運搬車に係り、特にこれらの介護を行う者の仕事態様に応じて複数の目的に使用することが可能な多機能で使い易さや安全性を考慮した作業台兼運搬車に関する設計レイアウトと多目的機能を持たせた技術である。
【背景技術】
【0002】
今後益々増加する高齢者を如何に介護するかは社会的な急務であり、その一環として介護要員の増加等の人的側面の外、物的側面からは各種介護用品が開発提案され、介護要員の介護の補助が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−209576号公報
【特許文献2】特開2005−271746号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】実用新案登録第3069593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1で提案された汚物収納ケース、介護サービスワゴンは、直方体形状で上面開放のインナーボックスが収納されている。
しかし、決定的な違いは、汚物交換の作業を楽にする目的としておらず、運搬においても、進行する横の面に突起物、所謂配給品収容ケースを設けており移動時に引っ掛け進行を阻害する要素を含んでいる。
また、作業台とするスペース、所謂上面スペースに突起物があり作業する際大きなスペースを取れない。また、汚物を収納ケースに入れる場合観音開きの構造を取っており、入れ易さを追求したものではない。
【0006】
前記特許文献2で提案された衛生用品運搬カートは、カート上面に突起物があり、汚物交換作業を楽にする目的をはたすには課題がある。
また、運搬に関しては、汚物収納空間が汚物であふれた場合、夜間時、外のゴミステーションへ移動をかけるケースがあるが、カート自体に発光機能が無く不便さを感じる。
また、このカート衛生を主眼とされており、実際介護する者が必要としている、作業面、多量汚物の合理的な運搬面のニーズを具体的に追求したものではない。
【0007】
前記実案文献1で提案されたおむつ交換カートは、目的としては使用後のおむつ・タオルを回収する際介護者に汚物が付着することなく、未使用のおむつ・タオルを取り出し交換でき、汚物処理後は電動式の移動車で目的地に達することができるものである。
重要視すべき点は、その一台が近くあれば、被介護者が必要とするサービスをより多く提供でき、効率的且つ楽に処理することができる事である。
また、おむつ交換時の作業を楽にする点を追求したものとなっていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため、この発明品は、汚物交換時、楽な姿勢で作業ができ、その作業台は、運搬に要する直方体の上面すべてが作業台となっている。
【0009】
この発明品は、作業台の下が全て汚物品を入れるスペースとなっており、多量な汚物を衛生的に処理できる設計となっている。
【0010】
この発明品は、腰に近い位置に作業スペースを設けており、上面の板はスライド方式をとる事により、新聞紙を広げても使える広いスペースの確保を実現している。
【0011】
この発明品は、上面のスライド板の片方を解放すれば、自重落下で汚物がごみ袋に入り、ごみ袋が入っている箱を閉める事で異臭等をカットできる仕組みをとっている。
【0012】
この発明品は、おむつ交換だけに限定していない。
場合により、掃除が必要となった場合に置いても対応できる収納が、カート進行方向に付随品を置ける設計となっている。
【0013】
この発明品は、運搬車として使える。
多量に出た汚物等は、ごみ袋が入ったごみ箱に収納されているが、各部屋は勿論、エレベーターへの出入りにも問題ない大きさに設計され、移動時に障害となる凸は、進行方向横面にはとっていない。そのため安全に外に設けられたゴミステーションへ移動できる。
【0014】
この発明品は、夜作業する場合、作業台兼運搬車の四コーナー部に、蓄光塗料が塗られ、夜間でも安全に走行できる。
【0015】
この発明品は、有料老人ホーム、サ高住の様な、住まい的な支援機関でも使用できる様に家具調に外観を仕上げており、どこに置かれていても違和感を少なくする工夫が施されている。
【発明の効果】
【0016】
この作業台兼運搬車は、特に特別養護老人ホームの様な要介護度が高く、大勢の被介護者がいる施設では有効的に使用できるものである。
おむつ交換作業の軽減ができると共に作業スピードが上がる。
ゴミステーションへ捨てるまで衛生的である。
大量の汚物運搬ができ、色んな場面で使える機能を持ち合わせたものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は正面図を示した説明図である。(実施例1)
【
図2】
図2は裏面図を示した説明図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0018】
3のスライド板の全体が作業面となっている。
その下全体がごみ箱1を入れるスペースとなっている。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明品の実施例1の正面図であって、1、2、3、4、5を示している。
【実施例2】
【0020】
図2は、本発明品の実施例2の裏面図であって、6,7を示している。
【産業上の利用可能性】
【0021】
近年、介護施設が新設され大量の汚物処理を行う必要性が出てきており、衛生的且つ重労働にならないものが必要とされていた。
介護が必要な方のおむつ交換等の機器は開発されているが、その後の処理(作業)改善がなされてなく必要とされていた。
【符号の説明】
【0022】
1 ごみ箱
2 ごみ箱取り出し板
3 スライド板
4 備品置き1
5 把手
6 備品置き2
7 キャスター