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特開2016-74416ワイパーブレード装置及びワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパー装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-74416(P2016-74416A)
(43)【公開日】2016年5月12日
(54)【発明の名称】ワイパーブレード装置及びワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパー装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/52 20060101AFI20160408BHJP
   B60S 1/48 20060101ALI20160408BHJP
【FI】
   B60S1/52
   B60S1/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-195876(P2015-195876)
(22)【出願日】2015年10月1日
(31)【優先権主張番号】14306554.8
(32)【優先日】2014年10月2日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】ドニ、テボー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、ショイブレ
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA01
3D025AB00
3D025AC02
3D025AD01
3D025AE01
3D025AF10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンパクトなアセンブリにおいて内部噴霧ダクトを有さないワイパーブレード用の、洗浄流体噴霧機能を有するワイパーブレード装置を提供する。
【解決手段】ワイパーアーム装置に連結されるように構成されたアダプタと、ワイパーブレードに連結されるように構成されたブレードコネクタと、を備え、前記アダプタ及び前記ブレードコネクタは、ワイパーブレードの長手方向に垂直であるように予定される回転軸において互いに対して枢動可能であるように配設されている、ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパーブレード装置において、流体チャネルが前記アダプタ内に配設されており、前記流体チャネルは、水ホースに差し込まれることが予定される入口を有するとともに、洗浄流体の噴霧を可能とする少なくとも1つの噴霧ノズルによって終了している、ワイパーブレード装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパーブレード装置において、
ワイパーアームに連結されるように構成されたアダプタ(30;30’;30”)と、
ワイパーブレードに連結されるように構成されたブレードコネクタ(31)と、を備え、
前記アダプタ(30;30’;30”)及び前記ブレードコネクタ(31)は、前記ワイパーブレードの長手方向(L)に垂直となることを予定された回転軸(R)において互いに対して枢動可能であるように配設され、
流体チャネル(50)が、前記アダプタ(30;30’;30”)内に配設されており、
前記流体チャネル(50)は、水ホースに差し込まれることを予定された入口(51)を有し、洗浄流体の噴霧を可能とする少なくとも1つの噴霧ノズル(52a、52b、52c)によって終了している、ワイパーブレード装置。
【請求項2】
前記回転軸(R)は枢動ピン(44)を備え、その周囲に前記アダプタ(30;30’;30”)及び前記ブレードコネクタ(31)が枢動可能に配設されている、
請求項1に記載のワイパーブレード装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの噴霧ノズル(52a、52b、52c)は、前記アダプタ(30;30’)の本体(22)の側壁(35)に配設された、前記アダプタ(30;30’)の突出部(53)に配設されている、
請求項1又は2に記載のワイパーブレード装置。
【請求項4】
前記流体チャネル(50)は、前記回転軸(R)に対して平行な方向に延在する中間流体部分(55)を備えている、
請求項1乃至3の一項に記載のワイパーブレード装置。
【請求項5】
前記流体チャネル(50)は、前記回転軸(R)に整列した方向において、又は前記枢動ピン(44)に対して同軸である方向において延在する中間流体部分(55)を備えている、
請求項4に記載のワイパーブレード装置。
【請求項6】
前記流体チャネル(50)と前記枢動ピン(44)との間に挿入された閉鎖要素(58)を備えている、
請求項5に記載のワイパーブレード装置。
【請求項7】
前記流体チャネル(50)は、前記回転軸(R)と前記アダプタ(30”)のフロントカバー(42)との間に配設された中間流体部分(55)を備えている、
請求項4に記載のワイパーブレード装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの噴霧ノズル(52a、52b、52c)は、前記フロントカバー(42)に配設されている、
請求項7に記載のワイパーブレード装置。
【請求項9】
前記流体チャネル(50)は、前記入口(51)と、前記ワイパーブレードの前記長手方向(L)に対して平行に配設されることが予定されている前記中間流体部分(55)との間を連通する入口流体部分(56)を備えている、
請求項1乃至8のいずれか一項及び請求項4に記載のワイパーブレード装置。
【請求項10】
前記アダプタ(30;30’;30”)は、ワイパーブレード装置がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、前記ワイパーアーム装置(2;2’)の相補的な連結要素と協働して前記ワイパーアーム装置(2、2’)をワイパーブレード装置に対して連結するように構成されている、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のワイパーブレード装置。
【請求項11】
‐前記ワイパーアーム装置の前記相補的な連結要素は、前記ワイパーアーム装置(2;2’)の各側壁(13、14)に配設された少なくとも2つの連結ラグ(17、18)を備え、
‐前記アダプタ(30;30’;30”)は、前記長手方向(L)に対して垂直に延在する相補的なスロット(34)又は境界部(32)と、前記スロット(34)又は前記境界部(32)の端部において前記長手方向(L)に延在するノッチ(37、38)と、を備え、前記連結ラグ(17、18)は、ワイパーブレード装置がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、前記相補的なスロット(34)又は前記境界部(32)及び前記ノッチ(37、38)と協働して前記ワイパーアーム装置(2;2’)をワイパーブレード装置に対して連結することが可能である、
請求項10に記載のワイパーブレード装置。
【請求項12】
ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパー装置(1)において、
ワイパーアームに連結されることを予定されたワイパーアーム装置(2;2’)と、ワイパーブレードに連結されることを予定された請求項1乃至11のいずれか一項に記載のワイパーブレード装置と、を備えている、
ワイパー装置。
【請求項13】
前記噴霧ノズル(52a)は、組立てられたワイパー装置(1)の前端部の側に配設されている、
請求項12に記載のワイパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパー装置用のワイパーブレード装置に関する。更に、本発明は、ワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパーブレードをワイパーアームに連結するためのワイパー装置であって、ワイパーアーム側のアダプタ要素とワイパーブレード側のアダプタ要素とを有するワイパーブレードアダプタを備え、これらのアダプタ要素が回転軸において互いに対して枢動可能に配設されているワイパー装置は、従来技術から公知である。このワイパー装置は、ワイパーアームに対するワイパーブレードの大きい回転振幅を有することを許容する。
【0003】
ワイパーブレードは、2つのワイパーブレード部からなる。それぞれのワイパーブレード部は内部に構成された噴霧ダクトを有し、これらの噴霧ダクトはワイパーブレードアダプタに連結されている。ワイパーブレードアダプタは、車両側のワイパーアームに沿って案内される洗浄流体用の供給ラインに連結されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の1つの目的は、コンパクトなアセンブリにおいて内部噴霧ダクトを有さないワイパーブレード用の、洗浄流体噴霧機能を有するワイパーブレード装置を提供することである。
【0005】
この目的は、
ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパーブレード装置であって、
ワイパーアームに連結されるように構成されたアダプタ(30;30’;30”)と、
ワイパーブレードに連結されるように構成されたブレードコネクタ(31)と、を備え、
前記アダプタ(30;30’;30”)及び前記ブレードコネクタ(31)は、前記ワイパーブレードの長手方向(L)に垂直となることを予定された回転軸(R)において互いに対して枢動可能であるように配設され、
流体チャネル(50)が、前記アダプタ(30;30’;30”)内に配設されており、
前記流体チャネル(50)は、水ホースに差し込まれることを予定された入口(51)を有し、洗浄流体の噴霧を可能とする少なくとも1つの噴霧ノズル(52a、52b、52c)によって終了している、ワイパーブレード装置により、達成される。
【0006】
したがって、当該ワイパーブレード装置は、ワイパーブレードのワイパーアームに対する連結を可能とするとともに、噴霧機能の提供を可能とする。したがって、アダプタ内に挿入された噴霧機能は、回転軸の付近で良好に完成される。これにより、ワイパーブレードによって払拭される表面に直接的に洗浄流体を噴霧しつつコンパクトなワイパー装置を提供することが可能となる。
【0007】
ワイパーブレード装置は、更に以下の1つ以上の特徴を単独又は組み合わせて備え得る。
‐前記回転軸は枢動ピンを備え、その周囲に前記アダプタ及び前記ブレードコネクタが枢動可能に配設されている。
‐前記少なくとも1つの噴霧ノズルは、前記アダプタの本体の側壁に配設された、前記アダプタの突出部に配設されている。
‐前記流体チャネルは、前記回転軸に対して平行な方向に延在する中間流体部分を備えている。
‐前記流体チャネルは、前記回転軸に整列した方向において、又は前記枢動ピンに対して同軸である方向において延在する中間流体部分を備えている。
‐前記ワイパーブレード装置は、前記流体チャネルと前記枢動ピンとの間に挿入された閉鎖要素を備えている。
‐前記流体チャネルは、前記回転軸と前記アダプタのフロントカバーとの間に配設された中間流体部分を備えている。
‐前記少なくとも1つの噴霧ノズルは、前記フロントカバーに配設されている。
‐前記流体チャネルは、前記入口と、前記ワイパーブレードの前記長手方向に対して平行に配設されることが予定されている前記中間流体部分との間を連通する入口流体部分を備えている。
‐前記アダプタは、ワイパーブレード装置がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、前記ワイパーアーム装置の相補的な連結要素と協働して前記ワイパーアーム装置をワイパーブレード装置に対して連結するように構成されている。
‐前記ワイパーアーム装置の前記相補的な連結要素は、前記ワイパーアーム装置の各側壁に配設された少なくとも2つの連結ラグを備える。
‐前記アダプタは、前記長手方向に対して垂直に延在する相補的なスロット又は境界部と、前記スロット又は前記境界部の端部において前記長手方向に延在するノッチと、を備え、前記連結ラグは、ワイパーブレード装置がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、前記相補的なスロット又は前記境界部及び前記ノッチと協働して前記ワイパーアーム装置をワイパーブレード装置に対して連結することが可能である。
【0008】
本発明の他の目的は、
ワイパーブレードを車両のワイパーアームに連結するためのワイパー装置であって、
ワイパーアームに連結されることを予定されたワイパーアーム装置と、ワイパーブレードに連結されることを予定された前述のワイパーブレード装置と、を備えている。
【0009】
前記噴霧ノズルは、組立てられたワイパー装置の前端部の側に配設されていてもよい。
本発明の更なる利点、特徴及び詳細は、以下の好適な実施形態例及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態による、分解されたワイパー装置の斜視背面図。
図2図2は、分解された状態における、本体及び突出部を有するワイパーブレード装置のアダプタの斜視図。
図3a図3aは、図1のワイパー装置の斜視側面図であって、ワイパーブレード装置は組み付けられており、ワイパーアーム装置がワイパーブレード装置に対して垂直な状態にある図。
図3b図3bは、ワイパーアーム装置とワイパーブレード装置とが互いに対して鉛直方向において動かさされた、図3aの工程に続くワイパー装置装着ステップを示す図。
図3c図3cは、ワイパーアーム装置とワイパーブレード装置とが互いに対してワイパーブレードの長手方向において動かさされた、図3bの工程に続くワイパー装置装着ステップを示す図。
図4図4は、図3cのA−A平面方向における断面図。
図5a図5aは、アダプタの斜視側面図であって、その本体が透視的に示される図。
図5b図5bは、図5aのアダプタと同様の上面図。
図5c図5cは、図5aのアダプタと同様の背面図。
図6図6は、第2の実施形態によるアダプタの上面図であって、その本体が透視的に示される図。
図7図7は、第3の実施形態によるアダプタの上面図であって、その本体が透視的に示される図。
図8a図8aは、ワイパーアーム装置がワイパーブレード装置に対して垂直な状態にある、第3の実施形態によるワイパー装置の斜視側面図。
図8b図8bは、ワイパーアーム装置とワイパーブレード装置とが互いに対して鉛直方向において動かされた、図8aの工程に続くワイパー装置装着ステップを示す図。
図8c図8cは、ワイパーアーム装置とワイパーブレード装置とが互いに対してワイパーブレードの長手方向において動かされた、図8bの工程に続くワイパー装置装着ステップを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図において、同一の部品又は同一の機能を有する部品には同一の参照番号が付されている。
以下の説明において、ワイパー装置1に対して固定された系(L、V、T)により図中に示される長手方向、鉛直方向及び横断方向が非制限的に採用される。長手方向Lは、ワイパーブレードの主方向に一致する。図示のワイパー装置のように、水平面は平面(L、T)に一致する。「上」方向及び「下」方向は、図3a及び8aにおけるワイパー装置の配向に関して示されている。「前」方向は、ワイパーアームの自由端側に関して示されている。
【0012】
図1、2、3a、3b、3c、4、5a、5b及び5cは、ワイパーブレード(図示せず)を車両のワイパーアーム(図示せず)に連結するためのワイパー装置1の第1の実施形態を示す。
【0013】
図1から理解されるように、ワイパー装置1は、ワイパーアームに機械的に連結されることが予定されるアームコネクタ3を備えたワイパーアーム装置2と、ワイパーブレードに機械的に連結されることが予定されるワイパーブレード装置と、を備えている。
【0014】
ワイパーブレード装置は、ワイパーアーム側においてワイパーアーム装置2に機械的に連結されるように構成されたアダプタ30と、例えばクリップ4によってワイパーブレード側でワイパーブレードに機械的に連結されるように構成されたブレードコネクタ31と、を備えている。
【0015】
アダプタ30とブレードコネクタ31とは、ワイパーブレードの長手方向Lに垂直な回転軸R(図4)において、互いに枢動可能に配設されている。回転軸Rは枢動ピン44を備え、その周囲にアダプタ30及びブレードコネクタ31が枢動可能に配設されている。
【0016】
図3a、3b、3cによりよく示されるように、アダプタ30は、ワイパーブレード装置2がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、ワイパーアーム装置2の相補的な連結要素と協働してワイパーアーム装置2をワイパーブレード装置に対して連結するように構成されている。
【0017】
より詳細には、ワイパーアーム装置2は、ワイパーブレードに面する側においてU字形状の断面を有している。ワイパーアーム装置2は、ワイパーブレード装置に連結する領域において、アームコネクタ3と対向する側に矩形のベース部12を有している。側壁13、14がベース部12から突出しており、これらはワイパーブレードの方向において直角に屈曲されている。図示の実施形態例において、ワイパーアーム装置2の相補的な連結要素は、少なくとも2つの連結ラグ17、本例においては例えば4つのラグ17、18、を備えている。これらのラグ17、18は、連結領域においてU字形状断面を有するワイパーアーム装置2の各側壁13、14に配設されている。
【0018】
連結ラグ17、18は、ベース部12から離間して対面しつつ、側部13、14の下方境界縁部15、16に一部品として一体的に形成され得る。一方の連結ラグ17は、ワイパーアーム装置2の端部すなわち前面に整列されており、他方の連結ラグ18は、ワイパーアーム装置2の長手方向において連結ラグ17から離間して配設されている。連結ラグ17、18は、互いに対面するように直角に内方に屈曲されて、本実施形態例において矩形の断面を有している。ワイパーアーム装置2のベース部12において、矩形の切欠が開口部19の形状において設けられている。開口部19は、ワイパーブレード装置のアダプタ30の戻り止めボタン21と協働する。
【0019】
ワイパーブレード装置のワイパーアーム装置に対する連結は、ワイパーアーム側の、嵌合又は型嵌め(form fitting)又は圧力嵌め(force fitting)の態様でワイパーアーム装置2と協働するアダプタ30を介して実施される。この目的のために、ワイパー装置1はプラスチックから構成されるか、又はアダプタ30が図2に示す弾性部33を有している。弾性部33の自由端において戻り止めボタン21が配設されている。ワイパーアーム装置2に連結されたワイパーブレード装置の位置において、戻り止めボタン21は、嵌合又は型嵌めの態様でワイパーアーム装置2の開口部19内に係合して、ワイパーアーム装置2をワイパーブレードの長手方向Lにおいて位置決めしている。
【0020】
図1、2及び4から理解されるように、アダプタ30は、ワイパーブレードの長手方向軸Lにおいて延在する本体22を備えている。本体22に設けられたキャビティ45は、ブレードコネクタ31の対応する突起46を受容可能である。枢動ピン44は、キャビティ45、本体22及び突起46を貫通して、アダプタ30とブレードコネクタ31との間の相対的回転を可能としている。
【0021】
アダプタ30は、長手方向Lに対して垂直な鉛直方向Vにおいて延在する相補的なスロット34又は境界部32(長手方向スロット34に代えて対応する溝を設けることも可能である)と、長手方向Lに沿ってスロット34又は境界部32の端部において延在するノッチ37、38と、を備えている。スロット34又は境界部32は、アダプタ30の本体22の側壁35に配設されており、ノッチ37、38は側壁35の下方境界縁部に配設されている。
【0022】
ワイパーアーム装置2の連結ラグ17、18は、ワイパーブレード装置2がなす互いに対して垂直な2つの動作の後に、相補的なスロット34又は境界部32及びノッチ37、38と協働してワイパーアーム装置2をワイパーブレード装置に対して連結することが可能である。
【0023】
流体チャネル50が、アダプタ30に設けられている(図4、5a、5b、5c)。
【0024】
流体チャネル50は、車両側のワイパーアームに沿って案内される洗浄液の供給ラインに連結された水ホースに差し込まれることが予定される入口51を有するとともに、洗浄流体の噴霧を可能とする少なくとも1つの噴霧ノズル52a、52b、52cによって終了している。
【0025】
差込(プラグ・イン接続)は、手動で非常に簡単に実施され得る。
【0026】
少なくとも1つの噴霧ノズル52a、52b、52cは、アダプタ30の第1部分の本体22の側壁35に配設された、アダプタ30の突出部53に配設され得る。例えば、突出部53は薄いブリッジによって側壁35に連接されている。相補的な開口部54がワイパーアーム装置2の対応する側壁13に配設されており、これによりブリッジの通過及びアダプタ30とワイパーアーム装置2との組み付けが可能とされている。突出部53、ブリッジ及び本体22は、一部品として一体的に形成されてもよいし、別体の要素として形成されて例えばクリップ(嵌合又は型嵌め連結)、接着剤、超音波、螺子、又は常温かしめ(warm caulking)によって組み付けられてもよい。
【0027】
少なくとも1つの噴霧ノズル52aは、突出部53の前部に配設され得るとともに、少なくとも1つの別の噴霧ノズル52bは突出部53の後側に配設される。これにより、長手方向Lの前後方向における洗浄流体の噴霧が可能とされる。
【0028】
例えば、図5aにおいてよりよく示されるように、3つの噴霧ノズル52aが前側に配設され得るとともに、3つの別の噴霧ノズル52bが後側に配設されている。また、補足の噴霧ノズル52cが下方に配設され得る。これによりワイパーブレードの方向における洗浄流体の噴霧が可能とされている。洗浄液が噴霧され得る長さを増大させるように、前方及び後方噴霧ノズル52a、52bは、重ね合されるとともにワイパーブレードに向かって異なる傾き角度で配向されている。
【0029】
流体チャネル50は、中間流体部分55と入口流体部分56とを備え得る。それらは、例えば互いに対して垂直である。流体チャネル50は、円筒形チャネルを備え得る。
【0030】
入口流体部分56は、入口51と中間流体部分55との間を連通している。入口流体部分56は、ワイパーブレードの長手方向Lに対して平行な方向に延在している。
【0031】
中間流体部分55は、回転軸Rに対して平行な方向に延在するとともに、アダプタ30のブリッジと交差して、突出部53の噴霧ノズル52a、52b、52cを入口流体部分56に対して連結している。
【0032】
第1の実施形態において、中間流体部分55は、回転軸Rに整列した方向において延在している。換言すれば、枢動ピン44は、円筒形の中間流体部分55に対して同軸である。したがって、突出部53は、アダプタ30の第1部分の本体22の側壁35の中心に良好に位置決めされ得る。
【0033】
例えば掘削孔等の孔57が、中間流体部分55を形成し且つ枢動ピン44を受容すべく、アダプタ30に形成されている。別箇の要素からなる場合、孔57は、別箇の要素の組み付け後に作成され得る。また、アダプタ30は、別箇の要素の間に挿入された水密シール(図示せず)を備え得る。
【0034】
更に、ワイパー装置1は、流体チャネル50と枢動ピン44との間に挿入されて流体チャネル50を閉鎖する閉鎖要素58を備え得る。例えば、閉鎖要素58は、ディスク又はボールから構成される。閉鎖要素58は、例えば接着材又は超音波によって流体チャネル50に固定され得る。
【0035】
したがって、ワイパーブレード装置は、ワイパーブレードのワイパーアームに対する連結を可能とするとともに、噴霧機能の提供を可能とする。したがって、アダプタに挿入された噴霧機能は、回転軸の付近で良好に完成される。これにより、ワイパーブレードによって払拭される表面に直接的に洗浄流体を噴霧しつつコンパクトなワイパー装置を提供することが可能となる。しかも、この連結は、ラグをワイパーブレード装置のスロットに連結することによるバヨネット(bayonet)閉鎖を妨げることがない。したがって、コンパクトなワイパー装置は、組立及び分解が容易である。
【0036】
図6に示す第2の実施形態によれば、中間流体部分55が、回転軸Rとアダプタ30’の後端部との間に配設されている。中間流体部分55は、回転軸Rに平行であって、アダプタ30’のブリッジと交差して突出部53の噴霧ノズル52a、52b、52cを入口流体部分56に対して連通させている。
【0037】
図7、8a、8b及び8cに示す第3の実施形態によれば、中間流体部分55が、回転軸Rとアダプタ30”のフロントカバー42との間に配設されている。
【0038】
本実施形態において、噴霧ノズル52a、52b、52cは、アダプタ30”の第1部分の本体22のフロントカバー42の側に配設され得る。したがって、組立てられると、噴霧ノズル52aが、ワイパー装置1の前端部の側に配置される。
【0039】
噴霧ノズル52a、52bは重ね合されられ得る。
【0040】
このような構成であれば、ワイパーアーム装置2’は、アダプタ30”の組み付けのために側壁に設けられた相補的な開口部54を有する必要がなくなる。
【0041】
図8a、8b及び8cから理解されるように、組み付け工程は、図3a、3b及び3cに示す第1及び第2の実施形態と同様であり得る。
【0042】
図3a及び8aを参照すると、ワイパーブレード装置は、ワイパーアーム装置2;2’に対して、連結ラグ17が長手方向スロット34及び境界部32に整列するように位置決めされている。次いで、図3b;8bに示すように、ワイパーアーム装置2;2’とワイパーブレード装置とが互いに向かって、矢印39の方向において動かされ、これにより、連結ラグ17が長手方向スロット34に係合する一方、他方の連結ラグ18が側壁35の境界部32に沿って摺動する。
【0043】
連結ラグ17、18がノッチ37、38の高さにおいて配設されるとともに、連結領域のベース部12がアダプタ30’;30”上に載置されたら、ワイパーブレード装置は、長手方向L(矢印41)において動かされ得る。すなわち、ワイパーブレード装置は、矢印39の方向における連結ラグ17、18の案内動作に垂直に摺動し、これにより連結ラグ17、18がノッチ37、38内に到達してこれらと協働する。ここで、ノッチ37、38は連結ラグ17、18の軸方向ストッパとして機能する。ワイパーアーム装置2;2’に対するワイパーブレード装置の最終位置において、戻り止めボタン21がワイパーアーム装置2;2’の開口部19に係合して、ワイパーブレードを位置決めする。
【0044】
また、ベース部12及び側部13、14が、アダプタ30のフロントカバー42に当接した状態でワイパーアーム装置2;2’の1つの前面に配設される。
【0045】
ワイパーブレードをワイパーアームから開放する際には、上述の装着工程が逆の順序で実施される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図4
【外国語明細書】
2016074416000001.pdf