特開2016-78744(P2016-78744A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-78744(P2016-78744A)
(43)【公開日】2016年5月16日
(54)【発明の名称】車両の走行制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/14 20060101AFI20160411BHJP
   G05D 1/02 20060101ALI20160411BHJP
   B60T 7/12 20060101ALI20160411BHJP
【FI】
   B60W30/14
   G05D1/02 X
   B60T7/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-214008(P2014-214008)
(22)【出願日】2014年10月20日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 陽介
【テーマコード(参考)】
3D241
3D246
5H301
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA49
3D241BB21
3D241BB25
3D241BC01
3D241CC01
3D241CC08
3D241CD11
3D241CD12
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DB02Z
3D241DC45Z
3D241DC49Z
3D246DA01
3D246EA02
3D246GB33
3D246GB36
3D246GC16
3D246HA64A
3D246HA94A
3D246HB08B
3D246JB01
3D246JB05
3D246JB49
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB20
5H301JJ01
(57)【要約】
【課題】例えば、制御対象を制御する操作量を調整したり設定したりすることが可能な新規な構成の車両の走行制御装置を得る。
【解決手段】走行制御装置は、例えば、車両の目標位置と実位置との偏差を小さくするように車両の駆動機構および制動機構のうち少なくとも一方を制御する操作量を算出する操作量算出部と、実位置が目標位置に追従しているか否かを判断する判断部と、判断部により実位置が目標位置に追従していると判断されている場合には、時間の経過により変化する目標位置を設定し、判断部により実位置が目標位置に追従していないと判断されている場合には、実位置が目標位置に追従していると判断されている場合よりも目標位置の時間の経過による変化が小さくなるよう、目標位置を設定する、目標位置設定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の目標位置と実位置との偏差を小さくするように車両の駆動機構および制動機構のうち少なくとも一方を制御する操作量を算出する操作量算出部と、
前記実位置が前記目標位置に追従しているか否かを判断する判断部と、
前記判断部により前記実位置が前記目標位置に追従していると判断されている場合には、時間の経過により変化する前記目標位置を設定し、前記判断部により前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断されている場合には、前記実位置が前記目標位置に追従していると判断されている場合よりも前記目標位置の時間の経過による変化が小さくなるよう、前記目標位置を設定する、目標位置設定部と、
を備えた、車両の走行制御装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記操作量が第一の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断する、請求項1に記載の車両の走行制御装置。
【請求項3】
障害物の高さに応じて前記第一の閾値を変更する閾値設定部を備えた、請求項2に記載の車両の走行制御装置。
【請求項4】
前記判断部は、車両が重力によって傾斜を下る状態であることが検出された場合に、前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の車両の走行制御装置。
【請求項5】
前記判断部は、前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断した時点以降の前記操作量の低下量が第二の閾値と同じかあるいはより大きくなった時点で、前記実位置が前記目標位置に追従し始めたと判断する、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の車両の走行制御装置。
【請求項6】
前記判断部により前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断されている場合に、前記操作量に追加される加算量を算出する加算量算出部を備えた、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の車両の走行制御装置。
【請求項7】
前記加算量算出部は、前記判断部により前記実位置が前記目標位置に追従していないと判断された以降、経時的に一定の前記加算量を算出する、請求項6に記載の車両の走行制御装置。
【請求項8】
前記加算量算出部は、前記加算量を時間の経過とともに増大し、前記判断部により前記実位置が前記目標位置に追従していることが判断された時点で前記加算量の増大を停止し、当該時点以降、前記操作量に追加される前記加算量を一定に維持する、請求項6に記載の車両の走行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの回転角度のフィードバック制御によって段差を乗り越える駐車支援装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−296135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両走行におけるフィードバック制御で、制御対象を制御する操作量が過大になるのは好ましくない。そこで、本発明の課題の一つは、例えば、制御対象を制御する操作量を調整したり設定したりすることが可能な新規な構成の車両の走行制御装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車両の走行制御装置は、例えば、車両の目標位置と実位置との偏差を小さくするように車両の駆動機構および制動機構のうち少なくとも一方を制御する操作量を算出する操作量算出部と、上記実位置が上記目標位置に追従しているか否かを判断する判断部と、上記判断部により上記実位置が上記目標位置に追従していると判断されている場合には、時間の経過により変化する上記目標位置を設定し、上記判断部により上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断されている場合には、上記実位置が上記目標位置に追従していると判断されている場合よりも上記目標位置の時間の経過による変化が小さくなるよう、上記目標位置を設定する、目標位置設定部と、を備える。
【0006】
また、上記車両の走行制御装置では、例えば、上記判断部は、上記操作量が第一の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断する。
【0007】
また、上記車両の走行制御装置は、例えば、障害物の高さに応じて上記第一の閾値を変更する閾値設定部を備える。
【0008】
また、上記車両の走行制御装置では、例えば、上記判断部は、車両が重力によって傾斜を下る状態であることが検出された場合に、上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断する。
【0009】
また、上記車両の走行制御装置では、例えば、上記判断部は、上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断した時点以降の上記操作量の低下量が第二の閾値と同じかあるいはより大きくなった時点で、上記実位置が上記目標位置に追従し始めたと判断する。
【0010】
また、上記車両の走行制御装置は、例えば、上記判断部により上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断されている場合に、上記操作量に追加される加算量を算出する加算量算出部を備える。
【0011】
また、上記車両の走行制御装置では、例えば、上記加算量算出部は、上記判断部により上記実位置が上記目標位置に追従していないと判断された以降、経時的に一定の上記加算量を算出する。
【0012】
また、上記車両の走行制御装置では、例えば、上記加算量算出部は、上記加算量を時間の経過とともに増大し、上記判断部により上記実位置が上記目標位置に追従していることが判断された時点で上記加算量の増大を停止し、当該時点以降、上記操作量に追加される上記加算量を一定に維持する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態の車両の走行制御装置の概略構成の例示的なブロック図である。
図2図2は、車輪が段差を乗り越える際に生じる力およびモーメントの例示的な概念図である。
図3図3は、実施形態の車両の走行制御装置による制御の手順が示された例示的なフローチャートである。
図4図4は、実施形態の車両の走行制御装置による制御の手順が示された例示的なフローチャートであって、図3の続きの手順が示された図である。
図5図5は、実施形態の車両の走行制御装置によるパラメータの経時変化の一例が示された図である。
図6図6は、実施形態の車両の走行制御装置によるパラメータの経時変化の別の一例が示された図である。
図7図7は、実施形態の車両の走行制御装置によるパラメータの経時変化のさらに別の一例が示された図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0015】
制御装置100は、終点位置すなわち最終的な目標位置までの制御区間において、駆動機構201および制動機構202のうち少なくともいずれか一方を制御し、これにより、車両1の加速および減速のうち少なくともいずれか一方を制御する。制御装置100は、例えば、駐車支援装置や、自動走行システム、自動操縦システム等の一部として構成されうる。駆動機構201は、例えば、内燃機関やモータ等であり、それらのECUを含む。また、制動機構202は、例えば、ABS(antilock brake system)であり、そのECU(electronic control unit)を含む。なお、以下の例では、制御装置100は操舵は制御しないが、操舵を制御してもよい。また、以下では、駆動機構201または制動機構202を、単に制御対象と称することがある。
【0016】
制御装置100は、フィードバック制御を含む制御によって、制御対象を制御する。フィードバック制御は、目標値と実値との偏差を小さくする制御である。
【0017】
制御装置100は、図1に例示されるように、目標値設定部10や、制御部20、判断部30、加算量算出部40、実値取得部50、閾値設定部60等を有する。制御部20には、操作量算出部21や、指令値算出部22等が含まれる。
【0018】
目標値設定部10は、終点位置のデータを取得する。終点位置のデータは、例えば、始点位置から終点位置までの車両1の移動距離である。制御装置100では、例えば、制御区間の始点位置の近傍では速度が徐々に増加し、制御区間の中間位置では速度が一定に維持され、制御区間の終点位置の近傍では速度が徐々に減少するような、車両1の経時的な位置の変化が設定される。目標値設定部10は、始点位置から終点位置までの制御区間において、設定された車両1の経時的な位置の変化が得られるよう、各制御タイミングすなわち各時刻での各パラメータの目標値を設定する。パラメータは、例えば、位置および速度である。なお、制御装置100では、制御区間の始点位置および終点位置のうち少なくとも一方からの距離が、車両1の位置として設定されうる。また、目標値設定部10は、各制御タイミングで目標値を算出してもよいし、予め算出され記憶されている目標値を各制御タイミングで取得してもよい。また、目標値設定部10は、目標位置設定部の一例である。
【0019】
実値取得部50は、目標値と同じパラメータの実値を取得する。すなわち、本実施形態では、実値取得部50は、例えば、車両1の位置および車両1の速度の実値を取得する。実値は、制御対象の動作に応じて得られた値であって、検出値、または当該検出値から導かれた値である。例えば、位置および速度の実値は、センサ203としての車輪速度センサの検出値から算出されうる。なお、センサ203は、例えば、車両1の停止時や走行時における、位置や、姿勢、状態等の物理量を検出するセンサであって、車輪速度センサ以外であってもよい。また、実値取得部50は、複数のセンサ203から検出結果を取得することができる。
【0020】
制御部20の操作量算出部21は、制御対象に対する操作量を算出する。操作量は、各パラメータの目標値と実値との偏差が大きいほど大きくなるとともに、各パラメータの影響度が反映されるよう、設定される。操作量は、例えば、力の次元または加速度の次元に設定される。操作量算出部21は、位置の偏差の時間による2階微分値および速度の偏差の時間による1階微分値を、それぞれの影響度に応じて設定された係数を乗算した上で、加算することにより、操作量を算出する。なお、本実施形態では、操作量は、当該操作量を増大すれば車両1が加速するよう設定され、制御対象は、正の操作量によって車両1を加速するよう制御され、負の操作量によって車両1を減速するよう制御される。操作量は、入力値とも称されうる。
【0021】
制御部20の指令値算出部22は、操作量算出部21で算出された操作量に対応した、制御対象への指令値を算出する。指令値算出部22は、例えば、操作量が正の値であった場合には、当該操作量の大きさに対応した加速が得られるよう、駆動機構201への駆動指令値としての回転トルク指令値を算出する。また、指令値算出部22は、例えば、操作量が負の値であった場合には、操作量の大きさに対応した減速すなわち負の加速が得られるよう、制動機構202への制動指令値としての制動トルク指令値を算出する。また、指令値算出部22は、車両1の走行状況等に応じて、例えば、車両1が制動機構202によって制動されながら駆動機構201によって加速する状態や、車両1が駆動機構201によって推進されながら制動機構202によって減速する状態等が得られるよう、駆動機構201と制動機構202とのトルク配分を決定することができる。その場合、指令値算出部22は、駆動トルクと制動トルクとの配分に応じた駆動機構201および制動機構202の双方への指令値を算出する。なお、指令値算出部22は、操作量に加算量算出部40によって算出された加算量が追加された場合にあっても、当該加算量が追加された操作量に対応した制御対象への指令値を算出する。
【0022】
判断部30は、実値が目標値に追従しているか否かを判断する。制御装置100では、追従の可否を判断する条件が設定されている。判断部30は、所定のパラメータの値と当該パラメータについて設定された条件とを比較することにより、実値が目標値に追従しているか否かを判断する。
【0023】
判断部30は、例えば、操作量が予め設定された第一の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、実値が目標値に追従していないと判断することができる。上述したように、操作量は、目標値と実値との偏差が大きいほど大きくなる。よって、実値が目標値に追従していない状態では、操作量は比較的大きい。したがって、操作量を第一の閾値と比較することで、実値が目標値に追従しているか否かを判断することができる。なお、判断部30が判断に用いる操作量は、加算量が追加されていない操作量である。
【0024】
また、判断部30は、例えば、車両1が重力によって傾斜を下る状態である場合に、実値が目標値に追従していないと判断することができる。制御装置100による制御開始時あるいは制御中に、車両1が推力によらずあるいは推力に抗して傾斜を下る状態は、車両1が重力によって傾斜を下り、実値が目標値に追従していない状態と見なすことができる。判断部30は、例えば、センサ203としての車輪速度センサや加速度センサの検出値、または当該検出値に基づく実値から、車両1が重力によって傾斜を下がっていることを検出することができる。加速度センサは、例えば、車両1の前後方向の加速度を検出することができる。この場合、例えば、車輪速度センサにより所定の閾値以上の値が検出され、かつ加速度センサにより下向きの、別の所定の閾値以上の値が検出された場合に、判断部30は、車両1が傾斜を下る状態と判断することができる。なお、車輪速度センサの信号によって車両1の移動方向が検出可能である場合には、車輪速度センサの検出結果のみからでも車両1が傾斜を下る状態を判断できる場合がある。
【0025】
また、判断部30は、目標値と実値との偏差の大きさによって、実値が目標値に追従しているか否かを判断してもよい。この場合、例えば、判断部30は、位置の偏差が所定の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、実値が目標値に追従していないと判断することができる。
【0026】
また、判断部30は、実値が目標値に追従していないと判断した後、当該判断した時点以降の操作量の低下量が第二の閾値と同じかあるいはより大きくなった時点で、実値が目標値に追従し始めたと判断することができる。実値が目標値に追従している状態での操作量は、実値が目標値に追従していない状態での操作量よりも小さい。よって、実値が目標値に追従していない状態から実値が目標値に追従している状態に変化する場合、操作量は低下する。したがって、操作量の低下量(の大きさ)を第二の閾値と比較することで、実値が目標値に追従しているか否かを判断することができる。
【0027】
判断部30による、実値が目標値に追従しているか否かの判断によって、制御装置100は、制御状態を変更することができる。本実施形態では、目標値設定部10と、加算量算出部40とが、判断部30による判断結果に応じた処理を実行する。
【0028】
目標値設定部10は、複数のモードで目標値を設定することができる。本実施形態では、例えば、時間の経過により変化する目標値を設定する第一のモードと、時間が経過しても変化しないすなわち一定の目標値を設定する第二のモードとが、設定されている。目標値設定部10は、判断部30によって実値が目標値に追従していると判断された場合には、第一のモードで目標値を設定する。一方、目標値設定部10は、判断部30によって実値が目標値に追従していないと判断された場合には、第二のモードで目標値を設定する。実値が目標値に追従していない状態で目標値がさらに変化すると、偏差がさらに増大し、当該追従していない状態が解消され難くなる場合がある。この点、本実施形態によれば、実値が目標値に追従していないと判断された時点で目標値の変化が抑制されるので、目標値がさらに変化する場合に比べて、実値が目標値に追従していない状態が解消されやすくなる場合がある。なお、第一のモードは通常モード、第二のモードは制限モードあるいは抑制モードとも称されうる。また、第二のモードでは、時間の経過による目標値の変化量が第一のモードよりも小さければよく、目標値が一定であることは必須では無い。また、目標値の算出の仕方は、種々に設定されうる。
【0029】
加算量算出部40は、判断部30により実値が目標値に追従していないと判断された場合に、必要に応じて操作量(の大きさ)を増大するために操作量に追加する加算量を、算出する。加算量算出部40で算出された加算量は、加算器23で、操作量に追加される。判断部30には、加算器23で加算量が追加される前の操作量が入力される。実値が目標値に追従していない状態は、操作量(の大きさ)が不足している状態であると言える。よって、操作量算出部21で算出された操作量に、加算量算出部40で算出された加算量を追加することによって、実値が目標値に追従していない状態が解消されやすくなる場合がある。また、加算量算出部40による加算量の調整によって、操作量の大きさをより適切に調整したり設定したりすることができるため、実値が目標値に追従していない状態がより解消されやすくなったり、不都合な事象がより生じ難くなったりする場合がある。また、加算量算出部40は、実値が目標値に追従していない状態が解消された後も、加算量の値を維持する。よって、実値が目標値に追従した時点で加算量が無くなることにより実値が目標値に追従していない状態に戻ってしまうのが、抑制される。なお、操作量の増大の仕方は、種々に設定されうる。また、加算量が追加された操作量は、入力値とも称されうる。また、加算量は、入力値あるいは操作量の一部であると言うこともできる。
【0030】
閾値設定部60は、障害物データを取得する。障害物データは、例えば、障害物を検出可能なソナー等によって取得された、障害物の高さを示すデータである。障害物は、例えば、路上の石や、段差等である。閾値設定部60は、取得した障害物データに基づいて、判断部30で用いられる第一の閾値を設定したり変更したりすることができる。障害物の高さが高いほど、実値が目標値に追従していない状態が長く続き、不図示の車輪が当該障害物を乗り越えるまで、操作量が増大する。すなわち、操作量は、障害物の高さが大きいほど大きくなる。また、上述したように、本実施形態では、操作量が第一の閾値と同じかあるいは超えた場合に、目標値設定部10のモードが第二のモードに切り替わる。よって、例えば、閾値設定部60によって障害物の高さに応じた第一の閾値が設定されることにより、車輪が障害物を乗り越えた後、速やかに、目標値設定部10は第二のモードに切り替わることができる。この場合、車両1が障害物を乗り越えた直後から、変化の抑制された目標値に実値が近づくよう、フィードバック制御が行われるため、より変化の大きい目標値に対するフィードバック制御が行われる場合に比べて、実値が目標値に追従していない状態がより迅速に解消されやすい。また、操作量に加算量が追加されることなく、車両1が障害を乗り越えられるので、乗り越えの前後に制御対象に過度な大きさの操作量が与えられる状況が抑制されうる。
【0031】
ここで、図2に例示される段差Sについて、車両1の推力F、車輪の半径r、荷重m、段差h、傾斜の角度θ、重力加速度gの場合、荷重mgによる、段差Sの角の点Pを中心とした図2の反時計回り方向の回転モーメントM1は、次の式(1)で表せる。
【数1】
また、車両1の推力Fによる図2の時計回り方向の回転モーメントは、次の式(2)で表せる。
【数2】
段差Sを乗り越えるには、M2>M1であることが必要であるから、推力Fについては、次の式(3)が成り立つ。
【数3】
よって、段差Sの高さに対応した操作量の第一の閾値Fth1は、次の式(4)で設定されうる。
【数4】
したがって、閾値設定部60は、障害物データより得られた障害物の高さを、式(4)の高さhに代入することで、第一の閾値Fth1を設定したり変更したりすることができる。
【0032】
制御装置100は、例えばECUである。制御装置100は、車両1に搭載されたいずれかのシステムのECUに組み込まれてもよいし、独立したECUであってもよい。制御装置100は、不図示のCPU(central processing unit)や、コントローラ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、フラッシュメモリ等を有することができる。制御装置100は、インストールされ、ロードされたプログラムにしたがって処理を実行し、各機能を実現することができる。すなわち、プログラムにしたがって処理が実行されることにより、制御装置100は、目標値設定部10や、制御部20、操作量算出部21、指令値算出部22、判断部30、加算量算出部40、実値取得部50、閾値設定部60等として機能することができる。また、記憶部には、各部の演算処理で用いられるデータや、演算処理の結果のデータ等が記憶される。なお、上記各部の機能の少なくとも一部は、ハードウエアによって実現されてもよい。また、制御装置100による制御には、フィードバック制御の他に、フィードフォワード制御等の他の制御が組み込まれてもよい。その場合、例えば、操作量算出部21が、フィードフォワード制御による加算量を操作量に追加してもよい。
【0033】
以下、図3,4が参照され、制御装置100による制御の手順の一例が説明される。図3,4に例示されるフローは、各制御タイミングで実行される。
【0034】
まず、実値取得部50は、センサ203の検出値および当該検出値に基づく実値を取得する(S10)。S10では、実値取得部50は、例えば、位置および速度の実値や、加速度の検出値等を取得する。
【0035】
次に、判断部30は、車両1が重力によって傾斜を下る状態であるか否かを判断する(S20)。S20では、判断部30は、例えば、速度の実値や加速度の検出値から、車両1が重力によって傾斜を下がっているか否かを判断する。
【0036】
S20で、判断部30が、車両1が重力によって下っていない状態であると判断した場合(S20でNo)、判断部30は、フラグ1を「1」に設定する(S21)。このフラグ1は、実値が目標値に追従しているか否かを示しており、「1」は追従している状態、「0」は追従していない状態を示す。フラグ1は、後のS40での判断に用いられる。
【0037】
S20で、判断部30が、車両1が重力によって下がっている状態であると判断した場合(S20でYes)、判断部30は、フラグ1を「0」に設定するとともに(S22)、加算パターンのフラグを「1」に設定する(S23)。フラグ1が「0」である場合、後のS42で、目標値が維持される。また、加算パターンのフラグが「1」である場合、後のS43で、時間的にステップ状となる一定の加算量が算出される。このパターンは、第一の加算パターンと称される。
【0038】
次に、判断部30は、操作量と第一の閾値Fth1とを比較する(S30)。
【0039】
S30で、操作量がFth1より小さい場合(S30でNo)、判断部30は、フラグ2を「1」に設定する(S31)。このフラグ2は、実値が目標値に追従しているか否かを示しており、「1」は追従している状態、「0」は追従していない状態を示す。フラグ2は、後のS40での判断に用いられる。フラグ2とフラグ1とを別に設定することにより、追従しているか否かがどの条件で判断されたのかを識別できる。よって、例えば、判断された条件によって異なる処理が実行されうる。
【0040】
一方、S30で、操作量がFth1以上である場合(S30でYes)、判断部30は、フラグ2を「0」に設定する(S32)。フラグ2が「0」である場合も、フラグ1が「0」である場合と同様、目標値が維持される。
【0041】
次に、判断部30は、S30で実値が目標値に追従していないと判断した後、当該判断した時点以降の操作量の低下量αが第二の閾値Fth2と同じかあるいはより大きい場合、すなわち、実値が目標値に追従していない状態から実値が目標値に追従している状態に変化したと推定される場合には(S33でYes)、S31を実行する。すなわち、フラグ2は「0」から「1」に変更される。
【0042】
一方、判断部30が、S30で実値が目標値に追従していないと判断した後、未だ実値が目標値に追従していない状態が継続されていると推定される場合には(S33でNo)、制御タイミングの回数をカウントするカウント数nを、インクリメントする、すなわち、n=n+1とする(S34)。
【0043】
S34の後、判断部30は、カウント数nが第三の閾値T1と同じかあるいはより大きい場合、すなわち、実値が目標値に追従していない状態から追従している状態に変化した後、所定時間経過した場合に(S35でYes)、加算パターンのフラグを「2」に設定する(S36)。第三の閾値T1は、当該所定時間の長さに対応する。加算パターンのフラグが「2」である場合、後のS43で、経時的にランプ状に変化する、すなわち経時的に漸増する加算量が、算出される。このパターンは、第二の加算パターンと称される。
【0044】
S31の後、S35でNo、またはS36の後、制御装置100は、フラグ1およびフラグ2の双方が「1」である場合、すなわち、S20での車両1の下降の判断、およびS30での操作量の第一の閾値Fth1との比較の双方で、判断部30が、実値が目標値に追従していると判断した場合に(S40でNo)、目標値設定部10は、第一のモードで処理を実行し、時間とともに所要の変化量で変化するよう、目標値を設定する(S41)。このS41では、目標値は、前回の制御タイミングでの目標値から更新される。また、S40でNoの場合、操作量に加算量は追加されない。すなわち、加算量はゼロ(0)である。
【0045】
一方、S40で、フラグ1およびフラグ2のうち少なくとも一方が「0」である場合、すなわち、S20での車両1の下降の判断、およびS30での操作量の第一の閾値Fth1との比較のうち、少なくともいずれか一方で、実値が目標値に追従していないと判断された場合(S40でYes)、目標値設定部10は、第二のモードで処理を実行し、目標値を維持する(S42)。このS42では、目標値は、前回の制御タイミングでの目標値と同じ値に設定される。
【0046】
また、S40でYesの場合、加算量算出部40は、加算量を算出する(S43)。S43では、フラグ1や、フラグ2、および加算パターンのフラグ等の、それぞれの値に基づいて、加算パターンが算出される。
【0047】
具体的には、フラグ1が「0」、フラグ2が「1」で、加算パターンのフラグが「1」であった場合、すなわち、S20では車両1が重力によって下降し、実値は目標値に追従していないと判断されたものの、S30では操作量は第一の閾値Fth1より小さく、実値は目標値に追従していると判断された場合、加算量算出部40は、第一の加算パターンすなわち経時的にステップ状となるよう一定の加算量を算出する。
【0048】
また、フラグ1が「1」、フラグ2が「0」で、加算パターンのフラグが「2」であった場合、すなわち、S20では車両1が重力によって下降せず、実値は目標値に追従していると判断されたものの、S30では操作量は第一の閾値Fth1と同じかより大きく、実値は目標値に追従していないと判断された場合、加算量算出部40は、第二の加算パターンすなわち経時的にランプ状に変化するよう加算量を算出する。
【0049】
また、フラグ1およびフラグ2の双方が「0」であった場合、すなわち、S20では車両1が下降し、実値は目標値に追従していないと判断されるとともに、S30でも操作量が第一の閾値Fth1と同じかより大きく、実値は目標値に追従していないと判断された場合、加算量算出部40は、経時的にステップ状に一定量加算される成分と経時的にランプ状に漸増する成分との和として、加算量を算出することができる。
【0050】
なお、加算パターンのフラグが「1」および「2」のいずれでもなかった場合、加算量算出部40は、加算量を0(ゼロ)とする。
【0051】
本実施形態では、加算量算出部40で加算された加算量は、実値が目標値に追従していない状態が解消された後も、継続して加算される。これにより、実値が目標値に追従した時点で操作量が減り、実値が目標値に追従していない状態に戻るのが抑制される。
【0052】
S41またはS43の後、操作量算出部21で算出された操作量に、加算量算出部40からの加算量が追加された操作量が、指令値算出部22に入力される(S50)。次に、指令値算出部22は、入力された操作量に基づいて駆動機構201および制動機構202のうち少なくともいずれか一方への指令値を算出する(S51)。次に、指令値算出部22は、算出した指令値を、駆動機構201および制動機構202のうち少なくともいずれか一方に出力し、これにより、車両1の加速および減速のうち少なくともいずれか一方を制御する(S52)。
【0053】
図5〜7には、図3,4の手順で制御された場合の、各パラメータの経時変化が例示されている。
【0054】
図5には、判断部30によって車両1が重力によって傾斜を下がっていると判断された場合が例示されている。図5に例示されるように、時刻0から時刻t1までの間、時間の経過とともに、距離(位置)および速度の目標値と実値との偏差が拡大するとともに操作量も増大している。すなわち、実値が目標値に追従していない状況が生じている。このケースでは、判断部30が、時刻t1で、検出値や実値から、車両1が重力によって傾斜を下がっていることを判断する。この場合は、実値が目標値に追従していない状態であるため、目標値設定部10は、時刻t1から、第二のモードで、目標値を一定に維持する。また、この場合は、第一の加算パターンで経時的にステップ状となるよう時刻t1以降一定の加算量が、制御量に追加される。よって、時刻t1以降、目標値の維持および操作量への加算量の追加により、距離および速度ともに、目標値と実値との偏差が徐々に縮小する。時刻t2で、判断部30は、時刻t1以降の操作量の低下量αが第二の閾値Fth2と同じかあるいはより大きくなることにより、実値が目標値に追従している状態に変化したと判断する。よって、時刻t2以降、目標値設定部10は、第一のモードで、時間の経過とともに変化する目標値を設定し、距離および速度の実値は目標値に追従して変化する。ただし、時刻t2以降も一定の加算量が維持される。これにより、時刻t2で加算量が減ることにより実値が目標値に追従していない状態に戻ってしまうのが抑制される。なお、加算量の大きさは、車両1の傾斜角度を取得できる構成である場合には、当該傾斜角度に応じた大きさに設定されうる。また、この場合、時刻0から時刻t1までの間で、距離や速度が負の値となる場合もあるが、図5の例では、距離や速度が負の値である場合には、0となるように設定されている。また、加算量の大きさは、車両1の傾斜角度を取得できる構成である場合には、当該傾斜角度に応じた大きさに設定されうる。
【0055】
図6には、判断部30によって操作量が第一の閾値Fth1と同じかあるいはより大きいと判断された場合が例示されている。図6に例示されるように、時刻0から時刻t1までの間、時間の経過とともに、距離(位置)および速度の目標値と実値との偏差が拡大するとともに操作量も増大している。すなわち、実値が目標値に追従していない状況が生じている。このケースでは、判断部30が、時刻t1で、操作量が第一の閾値Fth1と同じかあるいはより大きいことを判断する。この場合は、実値が目標値に追従していない状態であるため、目標値設定部10は、時刻t1から、第二のモードで、目標値を一定に維持する。また、この場合は、カウント数n+1が第三の閾値T1と同じとなった時刻t3から、第二の加算パターンで、経時的にランプ状となるよう時刻t3以降時間の経過とともに増加する加算量が、制御量に追加される。よって、時刻t1以降の目標値の維持および時刻t3以降の操作量への加算量の追加により、距離および速度ともに、目標値と実値との偏差が徐々に縮小する。時刻t2で、判断部30は、時刻t1以降の操作量の低下量αが第二の閾値Fth2と同じかあるいはより大きくなることにより、実値が目標値に追従している状態に変化したと判断する。よって、時刻t2以降、目標値設定部10は、第一のモードで、時間の経過とともに変化する目標値を設定し、距離および速度の実値は目標値に追従して変化する。ただし、時刻t2以降も当該時刻t2での加算量が維持される。これにより、時刻t2で加算量が減ることにより実値が目標値に追従していない状態に戻ってしまうのが抑制される。
【0056】
図6に例示されるような制御は、例えば、障害物の高さがわからない場合や、センサ203の検出誤差やその他に起因する操作量に対応した結果のずれが生じている場合等に、有効である。すなわち、例えば、障害物によって車輪の回転が阻害された場合に、障害物の高さが不明である場合には、実値が目標値に追従していない状態がいつ解消されるのかがわからない上、障害物を乗り越えるのに必要な操作量の大きさがわからない状況が起こりうる。この場合、予め設定されたある程度の高さに対応する第一の閾値Fth1を超えた時点で、判断部30は、実値が目標値に追従していない状態にあると判断して、目標値の増加の抑制と、操作量の増大とを、実行することができる。また、実値が目標値に追従していないと判断された後、追加量が経時的に徐々に増大されるため、制御対象を制御する操作量が過大になる状態が回避されやすい。また、図6の例では、追加量すなわち制御対象に入力される操作量は、経時的に線形的(1次関数的)に増加するが、これには限定されず、追加量すなわち制御対象に入力される操作量の経時的な増大の仕方は、種々に設定あるいは変更されうる。また、例えば、操作量に対応した結果のずれが生じている状態、すなわち、特に障害物等が無い状態で所要の操作量が入力されているにも拘わらず制御対象による所望の結果が得られないような状態等にあっても、実値が目標値に追従していない状態がいつ解消されるのかがわからない上、実値が目標値に追従するのに必要な操作量の大きさがわからない状況が起こりうる。このような場合も、障害物の高さがわからない場合と同様に、予め設定された第一の閾値Fth1を超えた時点で、判断部30は、実値が目標値に追従していない状態にあると判断して、目標値の増加の抑制と、操作量の増大とを、実行することができる。また、実値が目標値に追従していないと判断された後、追加量が経時的に徐々に増大されるため、制御対象を制御する操作量が過大になる状態が回避されやすい。
【0057】
また、図6のケースでは、第三の閾値T1の設定により、時刻t1から時刻t2までの間、加算量が0(ゼロ)に設定される。時刻t1近傍で障害物を乗り越えた場合にあっては、加算量が追加され操作量が増大すると、不必要に加速度が増大する場合がある。この点、本実施形態によれば、時刻t1から時刻t2までの間は、操作量が増大しないように設定することで、そのような事態が回避されやすい。このような加算量の設定は、障害物データが取得できない場合に、より効果的である。
【0058】
図7には、第一の閾値Fth1が、障害物の高さに応じて設定された場合が例示されている。図7に例示されるように、このケースでも、図6の場合と同様に、時刻0から時刻t1までの間、時間の経過とともに、距離(位置)および速度の目標値と実値との偏差が拡大するとともに操作量も増大している。すなわち、実値が目標値に追従していない状況が生じている。このケースでも、判断部30が、時刻t1で、操作量が第一の閾値Fth1と同じかあるいはより大きいことを判断する。この場合は、実値が目標値に追従していない状態であるため、目標値設定部10は、時刻t1から、第二のモードで、目標値を一定に維持する。ただし、図7の例では、第一の閾値Fth1が障害物の高さに応じて設定されているため、ほぼ時刻t1で車輪は障害物を乗り越え、時刻t1以降は、加算量を加算しなくても、目標値と実値との偏差が減少する可能性が高い。よって、閾値設定部60が障害物の高さに応じた第一の閾値を設定した場合、加算量算出部40は加算量を0(ゼロ)とすることができる。時刻t1以降の制御は、加算量を0とする以外は、図5,6の場合と同様である。この場合、操作量に加算量が追加されないため、制御対象を制御する操作量が過大になる状態が回避されやすい。
【0059】
以上、説明したように、本実施形態では、例えば、目標値設定部10(目標位置設定部)は、判断部30により実値(実位置)が目標値(目標位置)に追従していると判断された場合には、時間の経過により変化する目標値を設定し、判断部30により実値が目標値に追従していないと判断された場合には、実値が目標値に追従していると判断された場合よりも目標値の時間の経過による変化が小さくなるよう、目標値を設定する。よって、例えば、実値が目標値に追従していないと判断された場合には、目標値の変化が抑制されるため、目標値がより変化する場合に比べて、操作量の増大が抑制される。よって、例えば、制御対象を制御する操作量が過大になるのが抑制されやすい。
【0060】
また、本実施形態では、例えば、判断部30は、操作量が第一の閾値と同じかあるいはより大きい場合に、実値が目標値に追従していないと判断する。よって、例えば、実値が目標値に追従していない状態が、より容易にあるいはより精度良く判断されうる。
【0061】
また、本実施形態では、例えば、判断部30は、車両1が重力によって傾斜を下る状態であることが検出された場合に、実位置が目標位置に追従していないと判断する。よって、例えば、車両1が重力によって傾斜を下る状態が、より迅速に解消されうる。
【0062】
また、本実施形態では、例えば、判断部30は、実値が目標値に追従していないと判断した時点以降の操作量の低下量が第二の閾値と同じかあるいはより大きくなった時点で、実値が目標値に追従し始めたと判断する。よって、例えば、実値が目標値に追従していない状態から実値が目標値に追従している状態に回復したことが、より容易にあるいはより精度良く判断されうる。
【0063】
また、本実施形態では、例えば、判断部30により実値が目標値に追従していないと判断されている場合に、操作量に追加される加算量を算出する加算量算出部40を備える。よって、例えば、操作量を増大することにより、実値が目標値に追従していない状態が解消されやすい。
【0064】
また、本実施形態では、例えば、加算量算出部40は、判断部30により実位置が目標位置に追従していないと判断された以降、経時的に変化しない前記加算量を出力する。よって、例えば、実位置が目標位置に追従していない状態が、より迅速に解消されやすい。
【0065】
また、本実施形態では、例えば、加算量算出部40は、加算量を時間の経過とともに増大し、判断部30により実位置が目標位置に追従していることが判断された時点で加算量の増大を停止し、当該時点以降、加算量を一定に維持する。よって、例えば、制御対象を制御する操作量が過大になるのが抑制されやすい。また、実位置が目標位置に追従していることが判断された時点で加算量が無くなることで実位置が目標位置に追従していない状態に戻るのが抑制されうる。
【0066】
また、本実施形態では、例えば、障害物の高さに応じて第一の閾値を変更する閾値設定部60を備える。よって、例えば、加算量が小さい状態で、障害物を乗り越えることができ、乗り越えた時点で目標値の変化を抑制することができるので、制御対象を制御する操作量が過大になるのが抑制されやすい。
【0067】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、数等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…車両、10…目標値設定部(目標位置設定部)、21…操作量算出部、30…判断部、40…加算量算出部、60…閾値設定部、100…制御装置(車両の走行制御装置)、201…駆動機構、202…制動機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7