(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-78873(P2016-78873A)
(43)【公開日】2016年5月16日
(54)【発明の名称】灯油タンク内で、灯油と水が分離している容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/02 20060101AFI20160411BHJP
B65D 77/06 20060101ALI20160411BHJP
B65D 25/42 20060101ALN20160411BHJP
【FI】
B65D25/02 B
B65D77/06 G
B65D25/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-210331(P2014-210331)
(22)【出願日】2014年10月15日
(71)【出願人】
【識別番号】714009304
【氏名又は名称】畠山 久
(72)【発明者】
【氏名】畠山 久
【テーマコード(参考)】
3E062
3E067
【Fターム(参考)】
3E062AA06
3E062AB03
3E062AC02
3E062KA04
3E062KB02
3E062KB11
3E062KB14
3E062KB15
3E062KB17
3E062KC02
3E067AA02
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA02C
3E067BA11B
3E067BB11C
3E067EA32
3E067EB27
3E067EB32
3E067EE56
3E067FA04
3E067FB15
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】 従来は、灯油タンクを長く愛用していると、いつの間にか水が混入し、それに気が付かず、ストーブ内や、カートリッジ内に水を入れる事故があった。又、翌シーズンまで持ち越した灯油が変質し、燃焼時に異臭を発生する時があった。
【解決手段】 灯油タンク内に、灯油専用の別容器を入れ灯油タンク内に入ってくる空気と分離する。空気と分離されているので、空気中に含まれる水分や、酸素の影響を全く受けず、気温や湿度の変動で水分が凝結し水になっても、水の混入と灯油の変質を防げる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯油を入れる容器で、容器そのものの材質は灯油に強いものであるが、厚みを薄くし、それ自体では自立できない厚さで、これを支える為に容器よりは肉厚のパイプがついている。パイプには空気を逃がすための弁を設けてある。この容器は他の容器内に入ることが、前提で作られている。
【請求項2】
請求項1の容器において、これと外側の容器が、一体になっている物や、請求項1の容器と同等の構造であれば、灯油以外の他の液体を入れる容器も含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、灯油タンク内で、空気中の水分が凝結しても、灯油と混合しない構造の容器である。
【背景技術】
【0002】
従来は、同じ灯油タンクを長い期間使用していると、いつの間にか灯油タンク内に水が混入し、それに気づかず、ストーブのタンクへ灯油と一緒に水を入れる事もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これには次のような欠点があった。
気温の比較的高い昼前後で湿度の高い日に、灯油をストーブ等のカートリッジに給油すると、灯油タンク内に湿度の高い空気が入り込み、夜の気温低下によって空気中の水分が結露し、灯油タンク内に水が混入していた。
【0004】
また、冬のシーズンに灯油を切らさないよう買い置きしたものが残って、翌シーズンまで持ち越しになる場合もあり、空気中の酸素が夏場の気温上昇などの影響で、灯油成分を酸化させ変質灯油になることもあり、ストーブの種類によっては燃焼時に、悪臭になる場合もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
図1を参照、灯油を入れる容器の材質は自立できないくらい薄く、灯油の減少に合わせて容器が萎んで変形していく。このままの形では容器内に灯油を入れることが難しいため、ガイド用にパイプを取り付け、灯油を入れる時の空気の逃げ場用に弁が付いている。この弁はパイプの内側の方に開く構造にする。
【0006】
容器自体では、自立はできないと同時に持ち運びもできず、容器の耐久性等に対する強度が無いので、この容器そのものを従来の灯油タンクに入れる。そのため灯油が入る容器と灯油タンクとは別物になり、空気が容器内に入り込まず、灯油と空気は灯油タンク内で容器によって分離されている。
【発明の効果】
【0007】
ストーブのカートリッジ等に給油することで灯油は減少し、容器自体もその減少に従って変形し、灯油タンク内で縮む。灯油タンク内に空気は入り込むが、灯油が入っている容器とは分離されているので、この空気が温度の上下によって、水が凝結しても、灯油が入っている容器の灯油内に水は混入しない。
【0008】
灯油タンク内では、灯油と空気は分離されているので、灯油タンク内の空気中の酸素の影響を受けることはなく、一夏を越した場合でも灯油の変質はおきず、燃焼不良による悪臭も防げる。この為、古い灯油を廃油として業者に回収してもらう必要がない。
【0009】
本発明のパイプ内には空気が入り、従来と同じ現象の心配はあるが、パイプ内に入っている空気の体積と、従来のままのタンク内に入っている空気の体積比を比べると、問題ないレベルである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】灯油容器の斜視図(容器内は空)。弁はタンク内に灯油を入れる時以外は閉じているが、位置を示すため作図には常に開いている様子を書き入れている。
【
図2】
図1を膨らませたイメージの斜視図(容量は20リットル)
【
図3】
図1を入れる市販されている灯油タンク(18リットル)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1の容器を、
図3の灯油タンク(4)の入口(5)から入れ、別の入口の(6)の方は
図9の穴あき蓋(6)に交換する。
このまま従来通りに、容器の入口(2)から容器内に新しい灯油を充填する。容器内に入っている空気は、弁(3)から大気中に放出される。灯油を充填し終えたら、蓋(5)をして、保存する。
【実施例】
【0012】
蓋(5)を外し、容器(1)のパイプ(2)へ市販されている灯油ポンプを入れ、ストーブ等のカートリッジへ、補給する。ポンプで吸い上げられ灯油の減少した分は、灯油タンクの穴あき蓋(6)から入ってきた空気によって、容器(1)を変形させる。
図6、
図7参照
パイプ(2)についている弁(3)は、容器(1)内に残存している空気を
押し出す役目と、灯油の減少で容器内に空気が入るのを防ぐ目的である。
【産業上の利用可能性】
【0013】
この書の説明は、灯油タンク18リットルに対しての、図と説明であったが、寒冷地等では、灯油の保管は金属製で150リットル以上の容器を使用しており、外に置かれる環境も多く、直射日光や夜の冷え込みなどによるタンク内温度の上下も大きく、タンク内への水の混入は避けられないが、本発明の構造であれば水とは分離されているので、水抜き材の使用頻度を抑えることができる。
【0014】
又、本発明は、灯油だけに留まらず、空気や水分と分離したい内容物で有れば、全てに使用できる。この書の説明では、市販のタンクを使用したが、このタンク自体は底に穴が開いていても問題なく、むしろ開いている方が水抜き作業の手間がなく快適に使用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 灯油の入る容器
2 容器を支えるパイプ
3 容器内から空気を抜く弁
4 市販の灯油タンク
5 灯油タンクの入口と蓋
6 灯油タンクの入口と穴あき蓋