【解決手段】複数のフィラメントからなる洗剤製品であって、少なくとも一つの前記フィラメントが、該フィラメント中に、乾燥フィラメント基準で20重量%を超える1又は2以上の活性剤と、ヒドロキシルポリマーからなる少なくとも一つの水溶性フィルム形成材料とを含んでなる洗剤製品であり、a.特定の坪量試験方法により測定した場合に、500g/m
複数のフィラメントからなる洗剤製品であって、少なくとも一つの前記フィラメントが、該フィラメント中に、乾燥フィラメント基準で20重量%を超える1または2以上の活性剤と、ヒドロキシルポリマーからなる少なくとも一つの水溶性フィルム形成材料とを含んでなる洗剤製品であり、かつ、前記洗剤製品が、
a.本明細書に記載の坪量試験方法により測定した場合に、500g/m2未満である坪量、
b.本明細書に記載の伸張試験方法により測定した場合に、10%超であるMDピーク伸張、
c.本明細書に記載の弾性係数試験方法により測定した場合に、15,000g/cm2未満であるGM弾性係数、及び
d.これらの組み合わせ、からなる群から選択される特性を呈し、
前記活性剤が界面活性剤を含み、かつ、下記の少なくとも一つの条件:
(i)本明細書に記載の含水量試験方法により測定した場合に、0%〜20%の含水量を呈する、
(ii)本明細書に記載の溶解試験方法により測定した場合に、950s/g未満の平均溶解時間を呈する、
(iii)本明細書に記載の溶解試験方法により測定した場合に、120s/g未満の平均分解時間を呈する、
を具備することを特徴とする、洗剤製品。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
本明細書で使用するとき、「フィラメント」は、長さがその直径を大きく上回る、すなわち、長さと直径との比が少なくとも約10である、細長い微粒子を意味する。
【0023】
本発明のフィラメントは、好適な紡糸プロセス操作、例えばメルトブローイング及び/又はスパンボンディングを介してフィラメント形成組成物から紡糸することができる。
【0024】
本発明のフィラメントは、単一成分及び/又は多成分であってもよい。例えば、フィラメントは、2成分フィラメントを含んでもよい。2成分フィラメントは、例えばサイドバイサイド、コア及びシース、海島型等の任意の形態であってもよい。
【0025】
本発明のフィラメントは、2インチ(5.08cm)以上、及び/又は3インチ(7.62cm)以上、及び/又は4インチ(10.16cm)以上、及び/又は6インチ(15.24cm)以上の長さを呈する。
【0026】
フィラメントは、典型的には事実上連続しているか、ほぼ連続していると考えられる。フィラメントは繊維(これは長さ5.08cm未満である)よりも比較的長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローン及び/又はスパンボンドフィラメントが挙げられる。
【0027】
一実施例では、1つ以上の繊維は、フィラメントをより短い長さに切断されるなどして(例えば、長さ5.08cm未満)、本発明のフィラメントから形成されてもよい。したがって、一実施例では、本発明はまた、本発明のフィラメントから作製される繊維、例えば1つ以上のフィラメント形成材料と、活性剤などの1つ以上の添加剤と、を含む繊維を含む。したがって、フィラメント及び/又は本明細書における本発明のフィラメントへの言及は、特に注記がない限り、このようなフィラメントから作製される繊維をも含む。繊維は典型的に、本質的に連続性であると考えられるフィラメントと比較して、本質的に不連続性であると考えられる。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「フィラメント形成組成物」は、メルトブローイング及び/又はスパンボンディングなどによって、本発明のフィラメントを作製するのに好適な組成物を意味する。フィラメント形成組成物は、それらを紡糸してフィラメントにするのに好適であるようにする特性を呈する、1つ以上のフィラメント形成材料を含む。一実施例では、フィラメント形成材料はポリマーを含む。1つ以上のフィラメント形成材料に加えて、フィラメント形成組成物は1つ以上の添加剤、例えば1つ以上の活性剤を含んでもよい。更に、フィラメント形成組成物は、1つ以上の極性溶媒、例えば水を含んでもよく、この極性溶媒中に、1つ以上の例えば全てのフィラメント形成材料並びに/あるいは1つ以上の例えば全ての活性剤が溶解され、及び/又は分散される。
【0029】
一実施例では、
図3に示すように、本発明のフィラメント形成組成物から作製される本発明のフィラメント16は、1つ以上の添加剤18、例えば1つ以上の活性剤が、例えば従来技術の
図1及び
図2に示されるコーティングのようにフィラメント上ではなく、フィラメント中に存在し得るようなものである。フィラメント形成材料の合計濃度、及びフィラメント形成組成物内に存在する活性剤の合計濃度は、本発明のフィラメントが、それから作製され得る限りは任意の好適な量であってもよい。
【0030】
一実施例では、1つ以上の添加剤、例えば活性剤は、フィラメント中に存在してもよく、1つ以上の追加の添加剤、例えば活性剤は、フィラメントの表面上に存在してもよい。他の実施例では、本発明のフィラメントは1つ以上の添加剤、例えば活性剤を含んでもよく、これは、元々製造時にはフィラメント中に存在するが、フィラメントの目的用途の条件に曝される前に及び/又は曝されたときにフィラメントの表面でブルームする。
【0031】
本明細書で使用されるとき、「フィラメント形成材料」は、フィラメントを作製するのに好適な特性を呈するポリマーを製造することができるポリマー又はモノマーなどの材料を意味する。一実施例では、フィラメント形成材料は、1つ以上の置換ポリマー、例えばアニオン性、カチオン性、双極性イオン、及び/又は非イオン性ポリマーを含む。他の実施例では、ポリマーはヒドロキシルポリマー、例えばポリビニルアルコール(「PVOH」)、及び/又は多糖、例えばデンプン、及び/又はデンプン誘導体、例えばエトキシル化デンプン、及び/又は酸希釈デンプンを含んでもよい。別の実施例では、ポリマーはポリエチレン及び/又はテレフタレートを含んでもよい。更に他の実施例では、フィラメント形成材料は、極性溶媒可溶性材料である。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「添加剤」は、本発明のフィラメント中に存在するものの、フィラメント形成材料ではない任意の材料を意味する。一実施例では、添加剤は活性剤を含む。他の実施例では、添加剤は加工助剤を含む。更に他の実施例では、添加剤は充填剤を含む。一実施例では、添加剤にはフィラメント内に存在する任意の材料を含み、この材料は、フィラメントに存在しなくなった場合にも、フィラメントのフィラメント構造を損なわない(すなわち、このような材料が存在しなくなることで、フィラメントはその固体形態を損なわれない)材料である。他の実施例では、添加剤、例えば活性剤は非ポリマー材料を含む。
【0033】
他の実施例では、添加剤はフィラメントのための可塑剤を含む。本発明の好適な可塑剤の非限定的な例としては、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、ジメチコンコポリオールが挙げられる。有用なポリオールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ポリエチレングリコール(200〜600)、ペンタエリスリトール、並びに例えば、ソルビトール、マニトール、ラクチトール及び他のモノ−及び多価低分子量アルコール(例、C2〜C8アルコール)などの糖アルコール;例えばフルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、ラクトース、高級フルクトースコーンシロップ固形物、及びデキストリンなどの単糖、二糖及びオリゴ糖、並びにアスコルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
一実施例では、可塑剤としては、グリセリン及び/又はプロピレングリコール、及び/又はグリセロール誘導体、例えばプロポキシル化グリセロールが挙げられる。更に他の実施例では、可塑剤は、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリシドール、尿素、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、糖類、エチレンビスホルムアミド、アミノ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0035】
他の実施例では、添加剤には、本発明のフィラメント中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の架橋に好適な架橋剤を含む。一実施例では、架橋剤には、例えばヒドロキシルポリマーのヒドロキシル部分を介して、ヒドロキシルポリマーを一緒に架橋することができる架橋剤を含む。好適な架橋剤の非限定的な例としては、イミダゾリジノン、ポリカルボン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、架橋剤は、尿素グリオキサール付加物架橋剤、例えばジヒドロキシエチレン尿素(「DHEU」)などのジヒドロキシイミダゾリジノンを含む。架橋剤は、極性溶媒などの溶媒中のフィラメントの溶解度及び/又は溶解を制御するために、本発明のフィラメント形成組成物内、及び/又はフィラメント中に存在させてもよい。
【0036】
他の実施例では、添加剤は、剪断力変性剤及び/又は伸長変性剤などのレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤の非限定的な例としては、本発明のフィラメント中で使用され得るポリアクリルアミド、ポリウレタン、及びポリアクリレートが挙げられるが、これらに限定されない。レオロジー変性剤の非限定的な例はDow Chemical Company(Midland,MI)から市販されている。
【0037】
更に他の実施例において、添加剤は、フィラメントが目的用途の条件に曝されたときに、及び/又は活性剤がフィラメントから放出されたときに、及び/又はフィラメントのモルホロジーが変化したときに、視覚的な信号を提供するために、本発明のフィラメント中に組み込まれる1つ以上の色及び/又は染料を含む。
【0038】
更に他の実施例では、添加剤には1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤が含まれる。好適な剥離剤及び/又は潤滑剤の非限定的な実施例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、脂肪酸アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、剥離剤及び/又は潤滑剤はフィラメントに適用し、換言すれば、フィラメントを形成した後で適用する。一実施例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、収集装置上でフィラメントを回収して不織布を形成する前に、フィラメントに適用される。他の実施例では、1つ以上の剥離剤/潤滑剤は、不織布ウェブの積層体など1つ以上の不織布ウェブを接触させる前に、本発明のフィラメントから形成された不織布ウェブに適用する。更に他の実施例では、本発明のフィラメント及び/若しくは不織布ウェブの剥離を促進するために、並びに/又は本発明のフィラメント/不織布ウェブの層が互いに貼り付くのを、更には意図せずに貼り付かせるのを回避するために、フィラメント及び/又は不織布が表面(処理システムにおいて使用される装置の表面など)に接触する前に、本発明のフィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布に、1つ以上の剥離剤/潤滑剤を適用する。一実施例では、剥離剤/潤滑剤は微粒子を含む。
【0039】
更に他の実施例では、添加剤は1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含む。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、デンプン誘導体、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、雲母、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「目的用途の条件」は、本発明のフィラメントが、1つ以上のその設計目的のために使用されるときに曝される温度、物理的、化学的、及び/又は機械的条件を意味する。例えば、フィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布ウェブが、洗濯ケアの目的のための洗濯機内で使用されるように設計されている場合、目的用途の条件は、洗濯洗浄操作中のいずれかの洗浄水を含む、洗濯機内に存在するこれらの温度、化学的、物理的、及び/又は機械的条件を含むであろう。他の実施例では、フィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布ウェブが、ヘアケア目的のためのシャンプーとしてヒトによって使用されるように設計されている場合、目的用途の条件は、ヒトの毛髪のシャンプー中に存在するこれらの温度、化学的、物理的、及び/又は機械的条件を含むであろう。同様に、フィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布ウェブが、手による又は食器洗浄器による食器洗浄操作で使用されるように設計されている場合、目的用途の条件は、食器洗浄操作中の食器洗浄水及び/又は食器洗浄器内に存在する、これらの温度、化学的、物理的、及び/又は機械的条件を含むであろう。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「活性剤」は、フィラメント及び/又は本発明のフィラメントを含む不織布ウェブの外部の環境において、例えば、フィラメントが、フィラメント及び/又はこのフィラメントを含む不織布ウェブの目的用途の条件に曝されたときに意図された効果を作り出す添加剤を意味する。一実施例では、活性剤は、表面、例えば硬質表面(すなわちキッチンのカウンター、バスタブ、トイレ、便器、シンク、床、壁、歯、車、窓、鏡、皿)及び/又は軟質表面(すなわち、布地、毛髪、皮膚、カーペット、作物、植物)を処理する添加剤を含む。他の実施例では、活性剤は、化学反応(すなわち、発泡、泡立ち、着色、温度上昇、冷却、気泡、消毒及び/若しくは浄化、並びに/又は塩素化、例えば水の浄化、及び/又は水の消毒、及び/又は水の塩素化において)を生じさせる添加剤を含む。更に他の実施例では、活性剤は、環境を処理する添加剤を含む(すなわち空気を脱臭する、浄化する、芳香する)。一実施例では、活性剤は、活性剤を含むフィラメントの形成中などで、その場で形成され、例えばフィラメントは、水溶性ポリマー(例えばデンプン)及び界面活性剤(例えばアニオン性界面活性剤)を含んでもよく、これらは布地の表面を処理するのに使用される活性剤として機能する高分子錯体、すなわちコアセルベートを作り出すことができる。
【0042】
「処理する」は、表面処理に関して本明細書で使用されるとき、活性剤が、表面又は環境に利益をもたらすということを意味する。処理には、表面の又は環境の外観、清浄度、匂い、純度、及び/若しくは感触を制御すること、並びに/又はこれをすぐに改善することが挙げられる。一実施例では、ケラチン性組織(例えば、皮膚及び/又は毛髪)表面の処理に関する処理は、ケラチン性組織の表面的な外観及び/又は感触の調節及び/又は瞬間的な改善を意味する。例えば、「皮膚、毛髪、又は爪(ケラチン性組織)の状態の調節」には、皮膚、毛髪、又は爪の萎縮を低減するために、皮膚、毛髪、又は爪を厚くすること(例えば、皮膚の表皮及び/又は真皮及び/又は皮下(例えば、皮下脂肪又は筋肉)層の構築、並びに適用可能であるところで、爪及び毛幹の角質層の構築)、真皮−表皮の境界の回旋(convolution)の増加(乳頭間隆起としても既知)、弾力線維症、たるみ、あるいは目の下のクマなどの皮膚、毛髪、又は爪の着色におけるメラニン性又は非メラニン変化、アザ(例えば、酒さなどによる不均一な赤い着色)(本明細書において、後に「赤色斑点」と称される)、血色の悪さ(青白い色)、毛細血管拡張症又はクモ状血管、及び白髪により引き起こされる変色など、変形に由来する皮膚の弾力低下又は髪のコシの低下(機能的皮膚エラスチンの損失、損傷、及び/又は不活性化)の防止を含む。
【0043】
他の実施例では、処理は布地物品(布、タオル、リネンなど)、並びに/又は硬質表面(カウンター、及び/又は深鍋及び平鍋などを含む)から染み及び/若しくは臭気を除去することを意味する。
【0044】
本明細書で使用するとき、「布地ケア活性剤」は、布地に適用されたときに、布地に利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。布地への利益及び/又は改善の非限定的な実施例には、洗浄(例えば界面活性剤によって)、染み除去、染み低減、しわ除去、色回復、静電気制御、しわ耐性、パーマネントプレス、磨耗減少、磨耗耐性、毛玉取り、毛玉耐性、汚れ除去、汚れ耐性(汚れ放出を含む)、形状保持、縮み低減、柔軟性、芳香、抗菌、抗ウイルス、防臭、及び匂い除去が挙げられる。
【0045】
本明細書で使用するとき、「食器洗浄用活性剤」は、食卓用食器、ガラス製品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートに適用されたときに、食卓用食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、及び/又はクッキングシートに、利益及び/又は改善をもたらすということを意味する。食卓用食器、ガラス製品、プラスチック物品、深鍋、平鍋、台所用具、及び/又はクッキングシートへの利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食物及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば界面活性剤による)染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、ガラス及び金属ケア、衛生化、輝き、並びに研磨が挙げられる。
【0046】
本明細書で使用するとき、「硬質表面活性剤」は、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、バス及び/又はトイレに適用されたときに、床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、バス及び/又はトイレに利益及び/又は改善をもたらす活性剤を意味する。床、カウンター、シンク、窓、鏡、シャワー、バス及び/又はトイレへの利益及び/又は改善の非限定的な例としては、食品及び/又は汚れ除去、洗浄(例えば、界面活性剤による)、染み除去、染み低減、油脂除去、水染み除去及び/又は水染み防止、石鹸かすの除去、殺菌、輝き効果、研磨及びフレッシュニングが挙げられる。
【0047】
本明細書で使用するとき、「重量比」は、フィラメント中の添加剤(例えば活性剤(g又は%))の乾燥重量ベースでの重量に対する、フィラメント中のフィラメント形成材料のフィラメントベース及び/又は乾燥重量ベースでの重量(g又は%)を意味する。
【0048】
本明細書で使用するとき、「ヒドロキシルポリマー」には、例えばフィラメント形成材料として、本発明のフィラメント中に組み込まれ得る任意のヒドロキシル含有ポリマーが挙げられる。一実施例では、本発明のヒドロキシルポリマーは、10重量%を超える、及び/又は20重量%を超える、及び/又は25重量%を超えるヒドロキシル部分を含む。
【0049】
材料、例えばフィラメント全体及び/又はフィラメント中のポリマーとして(例えばフィラメント形成材料)などの材料に関して本明細書に関して使用されるとき、「生分解性」とは、本明細書において援用するOECD(1992)「Guideline for
the Testing of Chemicals 301B;Ready Biodegradability−CO
2 Evolution(Modified Sturm Test)Test」により測定した場合に、例えば元々のフィラメント及び/又はポリマーの少なくとも5%、及び/又は7%、及び/又は少なくとも10%が、30日後に二酸化炭素に変換されるように、公共固形廃棄物堆肥化施設において、フィラメント及び/又はポリマーを物理的、化学的、熱、及び/又は生物分解をさせることができること、及び/又はこのような分解が生じることを意味する。
【0050】
本明細書で使用するとき、フィラメント全体及び/又はフィラメント内のポリマー(例えばフィラメント形成材料)フィラメントなどの材料に関し、「非生分解性」とは、例えば、参照により本明細書に組み込まれるOECD(1992)「Guideline for the Testing of Chemicals 301B;Ready Biodegradability−CO
2 Evolution(Modified Sturm Test)Test」に従って測定した場合に、元のフィラメント及び/又はポリマーのうち少なくとも5%が30日後に二酸化炭素に変換されるように、公共固形廃棄物堆肥化施設において、フィラメント及び/又はポリマーを、物理的分解、化学的分解、熱分解、及び/又は生物分解させることができないということを意味する。
【0051】
本明細書で使用するとき、フィラメント全体及び/又はフィラメント内のポリマー(例えばフィラメント形成材料)などの材料に関し、「非熱可塑性」は、フィラメント及び/又はポリマーが、水、グリセリン、ソルビトール、及び尿素等の可塑剤が存在しない場合に圧力下でのフィラメント及び/又はポリマーの流動を可能にする融点及び/又は軟化点を呈さないということを意味する。
【0052】
本明細書で使用されるとき、「非熱可塑性の生分解性フィラメント」は、上記で定義されたような生分解性かつ非熱可塑性の特性を呈するフィラメントを意味する。
【0053】
本明細書で使用されるとき、「非熱可塑性、非生分解性フィラメント」は、上記で定義されたような非生分解性かつ非熱可塑性の特性を呈するフィラメントを意味する。
【0054】
フィラメント全体及び/又はフィラメント中のポリマー(例えばフィラメント形成材料)などの材料に関し、本明細書で使用するとき、「熱可塑性」は、フィラメント及び/又はポリマーが、特定の温度において融点及び/又は軟化点を呈するということを意味し、これにより可塑剤がない場合の圧力下での流動が可能になる。
【0055】
本明細書で使用されるとき、「熱可塑性の生分解性フィラメント」は、上記で定義されたような生分解性かつ熱可塑性の特性を呈するフィラメントを意味する。
【0056】
本明細書で使用されるとき、「熱可塑性、非生分解性フィラメント」は、上記で定義されたような非生分解性かつ非熱可塑性の特性を呈するフィラメントを意味する。
【0057】
本明細書で使用するとき、「非セルロース含有」は、5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は0.1重量%未満、及び/又は0重量%のセルロースポリマー、セルロース誘導体ポリマー、及び/又はセルロースコポリマーがフィラメント中に存在するということを意味する。一実施例では、「非セルロース含有」は、5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満、及び/又は0.1重量%未満、及び/又は0重量%のセルロースポリマーがフィラメント中に存在するということを意味する。
【0058】
本明細書で使用するとき、「極性溶媒可溶性材料」は、極性溶媒内で混和性である材料を意味する。一実施例では、極性溶媒可溶性材料は、アルコール及び/又は水に混和性である。換言すれば、極性溶媒可溶性材料は、極性溶剤、例えばアルコール及び/又は水などと周囲条件において安定した(均質の溶液を形成した後、5分を超えて相分離しない)均質な溶液を形成することができる材料である。
【0059】
本明細書で使用するとき、「アルコール可溶性材料」は、アルコール内で混和性である材料を意味する。換言すれば、周囲条件において、アルコールと安定した(均質の溶液を形成した後、5分を超えて相分離しない)均質な溶液を形成することができる材料である。
【0060】
本明細書で使用するとき、「水溶性材料」は、水中で混和性である材料を意味する。換言すれば、周囲条件において、水と安定した(均質の溶液を形成した後、5分を超えて分離しない)均質な溶液を形成することができる材料である。
【0061】
本明細書で使用するとき、「非極性溶媒可溶性材料」は、非極性溶媒内で混和性である材料を意味する。換言すれば、非極性溶媒可溶性材料は、非極性溶剤と安定した(均質の溶液を形成した後、5分を超えて相分離しない)均質な溶液を形成することができる材料である。
【0062】
本明細書で使用するとき、「周囲条件」は、約23℃±2.2℃(73°F±4°F)及び相対湿度50%±10%を意味する。
【0063】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」とは、「Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering
Aspects」(Vol.162,2000,pg.107〜121)に見出される手順に従って、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて決定される重量平均分子量を意味する。
【0064】
フィラメントに関して本明細書で使用されるとき、「長さ」は、一方の終端部から他方の終端部までの最長軸に沿った長さを意味する。フィラメントがよじれている、湾曲している、又はその内部で曲がっている場合、長さはフィラメントの全体経路に沿った長さである。
【0065】
フィラメントに関して本明細書で使用するとき、「直径」は、本明細書で記載の直径試験方法により測定される。一実施例では、本発明のフィラメントは、100μm未満の、及び/又は75μm未満の、及び/又は50μm未満の、及び/又は25μm未満の、及び/又は20μm未満の、及び/又は15μm未満の、及び/又は10μm未満の、及び/又は6μm未満の、及び/又は1μmを超える、及び/又は3μmを超える直径を呈する。
【0066】
本明細書で使用するとき、「誘因条件」は、一実施例において、フィラメント中で刺激として機能し、変化(例えば、フィラメントの物理的構造の損失又は変化、及び/又は活性剤などの添加剤の放出)を開始する、又は促進する活動若しくは現象としてのあらゆるものを意味する。他の実施例では、誘因条件は、本発明のフィラメント、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムが水に添加されたときに、環境(例えば水など)中に存在してもよい。換言すれば、本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムが水に添加されたという事実以外は、水中では何も変化しない。
【0067】
フィラメントのモルホルジー変化に関し、本明細書で使用されるとき、「モルホロジー変化」は、フィラメントがその物理的構造の変化を経験するということを意味する。本発明のフィラメントに関するモルホルジー変化の非限定的な例には、溶解、融解、膨張、縮小、粉々に砕ける、破裂する、延長する、短縮する、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のフィラメントは、目的用途の条件に曝されたときにそれらのフィラメントの物理的構造を完全に若しくは実質的に失う場合があり、それらのモルホルジーが変化してもよく、あるいはそれらのフィラメントの物理的構造を保持する、又は実質的に保持し得る。
【0068】
「乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により」は、フィラメント及び/又は洗剤製品を調整室で約23℃±2.2℃(73°F±4°F)及び相対湿度50%±10%にて2時間にわたって調整した直後に、フィラメント及び/又は洗剤製品の重量を測定したことを意味する。一実施例では、「乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により」は、本明細書に記載の含水量試験方法により測定した場合に、フィラメント及び/又は洗剤製品が、フィラメント及び/又は洗剤製品の20重量%未満及び/又は15重量%未満及び/又は10重量%未満及び/又は7重量%未満及び/又は5重量%未満及び/又は3重量%未満及び/又は0重量%及び/又は0重量%超の水分(水、例えば、遊離水など)を含むことを意味する。
【0069】
例えば、フィラメント及び/又は洗剤製品中に存在する1つ以上の活性剤の合計濃度に関し、本明細書で使用するとき、「合計濃度」は、被験材料(例えば活性剤)全ての合計重量又は重量%を意味する。換言すれば、フィラメント及び/又は洗剤製品は、フィラメント中に存在する活性剤の合計濃度が乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により50重量%超、すなわち55重量%になるように、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により25重量%のアニオン性界面活性剤と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により15重量%の非イオン性界面活性剤と、10重量%のキレート剤と、5重量%の香料と、を含んでもよい。
【0070】
本明細書で使用するとき、「洗剤製品」は、1つ以上の活性剤(例えば、布地ケア活性剤、食器洗浄用活性剤、硬質表面用活性剤及びこれらの組み合わせ)を含む固体形態(例えば、場合によりシートと呼ばれる長方形の固体)を意味する。一実施例では、本発明の洗剤製品は、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の酵素、1つ以上の香料及び/又は1つ以上の抑泡剤を含む。別の実施例では、本発明の洗剤製品は、ビルダー及び/又はキレート剤を含む。別の実施例では、本発明の洗剤製品は、漂白剤を含む。
【0071】
一実施例では、洗剤製品は、ウェブ(例えば、不織布ウェブ)を含む。
【0072】
本明細書で使用するとき、「ウェブ」は、互いに関連するいずれかの特質又は起源をもつ、形成された繊維及び/若しくはフィラメントの集合体(例えば繊維性構造体)、並びに/又は繊維及び/若しくはフィラメントから形成された洗剤製品(例えば連続性フィラメント)を意味する。一実施例では、ウェブは、キャスティングプロセスではなく紡糸プロセスを介して形成される繊維及び/又はフィラメントを含む長方形固体である。
【0073】
本明細書で使用するときの本発明の目的の、及び全体的にEuropean Disposables and Nonwovens Association(EDANA)に定義されるような「不織布ウェブ」は、繊維及び/又はフィラメントのシート(例えば任意の手段によってウェブに形成されており、かつ製織又は編み組みを除いた任意の手段によって一緒に接合され得る、任意の特質又は起源の連続性フィラメントなど)を意味する。ウェットミリングによって得られるフェルトは不織布ウェブではない。一実施例では、本発明に従う不織布ウェブは、機能を実行するために構造体内で規則正しく配置されたフィラメントを意味する。一実施例では、本発明の不織布ウェブは、内部で絡みあった、ないしは別の方法で互いに関連付けられた、不織布ウェブを形成する2つ以上及び/又は3つ以上の複数のフィラメントを含む配置である。一実施例では、本発明の不織布ウェブは、本発明のフィラメントに加えて、1つ以上の固体添加剤、例えば微粒子及び/又は繊維を含んでもよい。
【0074】
本明細書で使用するとき、「微粒子」は、粒状の物質及び/又は粉末を意味する。一実施例では、フィラメント及び/又は繊維は、粉末に転換させることができる。
【0075】
本明細書で使用するとき、冠詞「a」及び「an」は、例えば「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」など、本明細書で使用する場合、特許請求された又は記載された物質の1以上を意味するものと理解される。
【0076】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0077】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、構成成分又は組成物の活性濃度に関するものであり、市販の供給源に存在する可能性がある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除く。
【0078】
フィラメント
本発明のフィラメントは、1つ以上のフィラメント形成材料を含む。このフィラメント形成材料に加えて、フィラメントは、例えば、目的用途の条件に曝されたときにフィラメントから放出可能である1つ以上の活性剤を更に含んでもよく、ここで、フィラメント中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、80重量%未満であり、フィラメント中に存在する1つ以上の活性剤の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、20重量%超であるものが提供される。
【0079】
一実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約100重量%、及び/又は95重量%超及び/又は90重量%超及び/又は85重量%超及び/又は75重量%超及び/又は50重量%超の1つ以上のフィラメント形成材料を含む。例えば、フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール及び/又はデンプンを含み得る。
【0080】
別の実施例では、本発明のフィラメントは、1つ以上のフィラメント形成材料と、1つ以上の活性剤と、を含み、フィラメント中に存在するフィラメント形成材料の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約5重量%〜80重量%未満であり、フィラメント中に存在する活性剤の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、20重量%超〜約95重量%である。
【0081】
一実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、少なくとも10重量%及び/又は少なくとも15重量%及び/又は少なくとも20重量%、並びに/あるいは、80重量%未満及び/又は75重量%未満及び/又は65重量%未満及び/又は60重量%未満及び/又は55重量%未満及び/又は50重量%未満及び/又は45重量%未満及び/又は40重量%未満のフィラメント形成材料と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、20重量%超、及び/又は、少なくとも35重量%及び/又は少なくとも40重量%及び/又は少なくとも45重量%及び/又は少なくとも50重量%及び/又は少なくとも60重量%、並びに/あるいは、95重量%未満及び/又は90重量%未満及び/又は85重量%未満及び/又は80重量%未満及び/又は75重量%未満の活性剤と、を含む。
【0082】
一実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、少なくとも5重量%及び/又は少なくとも10重量%及び/又は少なくとも15重量%及び/又は少なくとも20重量%、並びに/あるいは、50重量%未満及び/又は45重量%未満及び/又は40重量%未満及び/又は35重量%未満及び/又は30重量%未満及び/又は25重量%未満のフィラメント形成材料と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、50重量%超、及び/又は、少なくとも55重量%及び/又は少なくとも60重量%及び/又は少なくとも65重量%及び/又は少なくとも70重量%、並びに/あるいは、95重量%未満及び/又は90重量%未満及び/又は85重量%未満及び/又は80重量%未満及び/又は75重量%未満の活性剤と、を含む。一実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、80重量%超の活性剤を含む。
【0083】
別の実施例では、1つ以上のフィラメント形成材料と活性剤は、活性剤の合計濃度に対するフィラメント形成材料の合計濃度の重量比が、4.0以下及び/又は3.5以下及び/又は3.0以下及び/又は2.5以下及び/又は2.0以下及び/又は1.85以下及び/又は1.7以下及び/又は1.6以下及び/又は1.5以下及び/又は1.3以下及び/又は1.2以下及び/又は1以下及び/又は0.7以下及び/又は0.5以下及び/又は0.4以下及び/又は0.3以下、並びに/あるいは、0.1超及び/又は0.15超及び/又は0.2超になるようフィラメント中に存在する。
【0084】
更に別の実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約10重量%から、及び/又は約15重量%から80重量%未満までのフィラメント形成材料(例えばポリビニルアルコールポリマー及び/又はデンプンポリマー)と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、20重量%超から約90重量%まで及び/又は約85重量%までの活性剤と、を含む。フィラメントは、可塑剤、例えばグリセリン、及び/又はpH調整剤、例えばクエン酸を更に含む。
【0085】
更に別の実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約10重量%から、及び/又は約15重量%から80重量%未満までのフィラメント形成材料(例えばポリビニルアルコールポリマー及び/又はデンプンポリマー)と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、20重量%を超えて、約90重量%までの、及び/又は約85重量%までの活性剤と、を含み、ここで、活性剤に対するフィラメント形成材料の重量比は4.0以下である。フィラメントは、可塑剤、例えばグリセリン、及び/又はpH調整剤、例えばクエン酸を更に含む。
【0086】
本発明の更に他の実施例では、フィラメントは、1つ以上のフィラメント形成材料と、フィラメントが目的用途の条件に曝されたときに放出可能である及び/又は放出される酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤、感覚剤、分散剤及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の活性剤と、を含む。一実施例では、フィラメントは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、95重量%未満及び/又は90重量%未満及び/又は80重量%未満及び/又は50重量%未満及び/又は35重量%未満、並びに/あるいは、約5重量%まで及び/又は約10重量%まで及び/又は約20重量%までの合計濃度のフィラメント形成材料と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、5重量%超及び/又は10重量%超及び/又は20重量%超及び/又は35重量%超及び/又は50重量%超及び/又は65重量%超、並びに/あるいは、約95重量%まで及び/又は約90重量%まで及び/又は約80重量%までの合計濃度の、酵素、漂白剤、ビルダー、キレート剤及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤と、を含む。一実施例では、活性剤は1つ以上の酵素を含む。他の実施例では、活性剤は1つ以上の漂白剤を含む。更に他の実施例では、活性剤は1つ以上のビルダーを含む。更に他の実施例では、活性剤は1つ以上のキレート剤を含む。
【0087】
本発明の更に他の実施例では、本発明のフィラメントは、それらが空中に飛散した場合に、健康及び/又は安全性に対する懸念を生じ得る活性剤を含む場合がある。例えば、フィラメントは、フィラメント内の酵素が空中に飛散するのを防止するために使用されてもよい。
【0088】
一実施例では、本発明のフィラメントはメルトブローンフィラメントであってもよい。他の実施例では、本発明のフィラメントはスパンボンドフィラメントであってもよい。他の実施例では、フィラメントは、1つ以上のその活性剤の放出前、及び/又は放出後に中空のフィラメントであってもよい。
【0089】
本発明のフィラメントは、親水性又は疎水性であってもよい。フィラメントは、フィラメント固有の親水性若しくは疎水性特性を変更するために、表面処理及び/又は内部処理されてもよい。
【0090】
一実施例では、フィラメントは、本明細書に記載の直径試験方法により測定した場合に、100μm未満、及び/又は75μm未満、及び/又は50μm未満、及び/又は25μm未満、及び/又は10μm未満、及び/又は5μm未満、及び/又は1μm未満の直径を呈する。他の実施例では、本発明のフィラメントは、本明細書に記載の直径試験方法により測定した場合に、1μmを超える直径を呈する。本発明のフィラメントの直径は、フィラメント中に存在する1つ以上の活性剤の放出速度、並びに/又はフィラメントの物理的構造の損失及び/若しくはこれを変化させる速度を制御するために使用されてもよい。
【0091】
フィラメントは、2つ以上の異なる活性剤を含んでもよい。一実施例では、フィラメントは2つ以上の異なる活性剤を含み、この2つ以上の異なる活性剤は互いに適合するものである。他の実施例では、フィラメントは2つ以上の異なる活性剤を含み、2つ以上の異なる活性剤は互いに適合しないものである。
【0092】
一実施例では、フィラメントは、フィラメント中の活性剤と、フィラメント上のコーティングなどフィラメントの外面の活性剤と、を含んでもよい。フィラメントの外面上の活性剤は、フィラメント中に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合は、活性剤は互いに適合するものであってもよく、又は不適合なものであってもよい。
【0093】
一実施例では、1つ以上の活性剤はフィラメント全体に、均一に分散されてもよく、又は実質的に均一に分散されてもよい。他の実施例では、1つ以上の活性剤は、フィラメント中に別個の領域として分散されてもよい。更に他の実施例では、少なくとも1つの活性剤は、フィラメント全体に均一に、又は実質的に均一に分散され、少なくとも他の活性剤は、フィラメント中の1つ以上の別個の領域として分散される。更に他の実施例では、少なくとも1つの活性剤は、フィラメント中の1つ以上の別個の領域として分散され、少なくとも1つの他の活性剤は、フィラメント中の第1の別個の領域から1つ以上の別個の領域として分散される。
【0094】
フィラメントは別個の物品として使用されてもよい。一実施例では、フィラメントは、担体基材(例えば、ワイプ、紙タオル、トイレットペーパー、化粧紙、生理用ナプキン、タンポン、おむつ、成人失禁物品、洗い布、乾燥機用シート、洗濯用シート、洗濯用バー、乾燥洗浄用シート、網製品、濾過紙、織物、衣服、下着等)に適用されてもよく、及び/又はこの上に堆積されてもよい。
【0095】
更に、本発明の複数のフィラメントは、フィルム内に回収され、かつこれに圧縮されて、したがって1つ以上のフィラメント形成材料と、例えば、フィルムが目的用途の条件に曝されたときにフィルムから放出可能である1つ以上の活性剤と、を含むフィルムとなり得る。
【0096】
一実施例では、本発明のフィルムは、本明細書に記載の溶解試験方法により測定した場合に、試料当たり、120秒未満、及び/又は100秒未満、及び/又は80秒未満、及び/又は55秒未満、及び/又は50秒未満、及び/又は40秒未満、及び/又は30秒未満、及び/又は20秒/g(s/g)の平均分解時間を呈する。
【0097】
他の実施例では、本発明のフィルムは、本明細書に記載の溶解試験方法により測定した場合に、試料当たり、950秒未満、及び/又は900秒未満、及び/又は800秒未満、及び/又は700秒未満、及び/又は600秒未満、及び/又は550秒未満/g(s/g)の平均溶解時間を呈する。
【0098】
一実施例では、本発明のフィルムは、本明細書に記載の厚さ試験方法によって測定されたときに、0.01mmを超える、及び/又は0.05mmを超える、及び/又は0.1mmを超える、及び/又は、約20mmまでの、及び/又は約10mmまでの、及び/又は約5mmまでの、及び/又は約2mmまでの、及び/又は0.5mmまでの、及び/又は約0.3mmまでの厚さを呈する。
【0099】
フィラメント形成材料
フィラメント形成材料は、紡糸プロセスなどによってフィラメントを作製するのに好適な特性を呈するポリマーを製造することができるポリマー又はモノマーなど、任意の好適な材料である。
【0100】
一実施例では、フィラメント形成材料は、アルコール可溶性材料及び/又は水溶性材料などの極性溶媒可溶性材料を含んでもよい。
【0101】
他の実施例では、フィラメント形成材料は、非極性溶媒可溶性材料を含んでもよい。
【0102】
更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、極性溶媒可溶性材料を含み、かつ非極性溶媒可溶性材料を含まなくても(乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、5重量%未満及び/又は3重量%未満及び/又は1重量%未満及び/又は0重量%)よい。
【0103】
更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、フィルム形成材料であってもよい。更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、合成であっても、又は天然由来であってもよく、これが化学的に、酵素的に、及び/又は物理的に修飾されてもよい。
【0104】
本発明の更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、エチレン不飽和性カルボン酸モノマー及びエチレン性不飽和モノマーなどのアクリル単量体から誘導されたポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸及びメチルアクリルレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン及びデンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、並びにカルボキシメチルセルロースからなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0105】
更に別の実施例では、フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0106】
更なる実施例では、フィラメント形成材料は、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ペクチン、キチン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニールアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0107】
極性溶媒可溶性材料
極性溶媒可溶性材料の非限定的な実施例としては極性溶媒可溶性ポリマーが挙げられる。極性溶媒可溶性ポリマーは合成であっても、又は天然由来であってもよく、かつ化学的に及び/又は物理的に修飾されてもよい。一実施例では、極性溶媒可溶性ポリマーは、少なくとも約10,000g/モル、及び/又は少なくとも約20,000g/モル、及び/又は少なくとも40,000g/モル、及び/又は少なくとも80,000g/モル、及び/又は少なくとも約100,000g/モル、及び/又は少なくとも1,000,000g/モル、及び/又は少なくとも3,000,000g/モル、及び/又は少なくとも10,000,000g/モル、及び/又は少なくとも20,000,000g/モル、及び/又は約40,000,000g/モルまでの、及び/又は約30,000,000g/モルまでの重量平均分子量を呈する。
【0108】
一実施例では、極性溶媒可溶性ポリマーは、アルコール可溶性ポリマー、水溶性ポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される。水溶性ポリマーの非限定的な実施例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性性分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。一実施例では、水溶性ポリマーはポリビニルアルコールを含む。別の実施例では、水溶性ポリマーはデンプンを含む。更に別の実施例では、水溶性ポリマーはポリビニルアルコール及びデンプンを含む。
【0109】
a.水溶性ヒドロキシルポリマー−本発明に従う水溶性ヒドロキシルポリマーの非限定的な実施例としては、ポリオール、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、デンプン誘導体、デンプンコポリマー、キトサン、キトサン誘導体、キトサンコポリマー、セルロース、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル及びエステル誘導体、セルロースコポリマー、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ヘミセルロースコポリマー、ゴム、アラビナン、ガラクタン、タンパク質及び他の様々な多糖、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0110】
一実施例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは多糖を含む。
【0111】
本明細書で使用するとき、「多糖」は、天然多糖、及び多糖誘導体又は修飾多糖を意味する。好適な水溶性多糖には、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。水溶性多糖は、約10,000g/モル〜約40,000,000g/モル、及び/又は100,000g/モルを超えて、及び/又は1,000,000g/モルを超えて、及び/又は3,000,000g/モルを超えて、及び/又は約3,000,000g/モルを超えて約40,000,000g/モルまでの重量平均分子量を呈してもよい。
【0112】
水溶性多糖は、非セルロース及び/若しくは非セルロース誘導体、及び/又は非セルロースコポリマー水溶性多糖を含んでもよい。このような非セルロース可溶性多糖は、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、ヘミセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0113】
別の実施例では、本発明の水溶性ヒドロキシルポリマーは非熱可塑性ポリマーを含む。
【0114】
水溶性ヒドロキシルポリマーは、約10,000g/モル〜約40,000,000g/モル、及び/又は100,000g/モルを超えて、及び/又は1,000,000g/モルを超えて、及び/又は3,000,000g/モルを超えて、及び/又は約3,000,000g/モルを超えて約40,000,000g/モルまでの重量平均分子量を呈してもよい。特定の所望の範囲内の重量平均分子量を有するヒドロキシルポリマーと併せて、より高い分子量及びより低い分子量の水溶性ヒドロキシルポリマーを使用してよい。
【0115】
例えば天然デンプンなどの水溶性ヒドロキシルポリマーの周知の修飾としては、化学修飾及び/又は酵素修飾が挙げられる。例えば、天然デンプンは、酸希釈(acid-thinned)、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又は酸化することができる。更に、水溶性ヒドロキシルポリマーは、デントコーンデンプンを含んでよい。
【0116】
天然由来のデンプンは一般に、Dグルコース単位の線状アミロース及び分枝状アミロペクチンポリマーの混合物である。アミロースは実質的に、(1,4)−α−D結合によって結合されたD−グルコースの線状ポリマーである。アミノペクチンは、分枝点において(1,4)−α−D結合及び(1,6)−α−D結合により連結されるD−グルコース単位からなる高度に分枝したポリマーである。天然由来のデンプンは典型的に、比較的高い濃度のアミロペクチン、例えばコーンスターチ(64〜80%アミロペクチン)、ワキシートウモロコシ(waxy maize)(93〜100%アミロペクチン)、米(83〜84%アミロペクチン)、ジャガイモ(約78%アミロペクチン)、及び小麦(73〜83%アミロペクチン)を含有する。全てのデンプンは本明細書において潜在的に有用であるが、本発明は農業資源から誘導される高アミロペクチン自然デンプンにより最も一般的に実施され、このデンプンは豊富に供給されるものであり、容易に補充可能であり、かつ安価であるという利点を提供する。
【0117】
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、任意の天然由来の非修飾デンプン、修飾デンプン、合成デンプン、及びこれらの混合物、並びに、アミロース若しくは又はアミロペクチン画分の混合物が挙げられ、デンプンは物理的、化学的、若しくは生物過程、又はこれらの組み合わせによって修飾されてもよい。本発明に関して非修飾又は修飾デンプンは所望の最終製品によって決まる場合がある。本発明の一実施形態において、本発明に有用なデンプン又はデンプン混合物は、約20重量%〜約100重量%、より典型的には約40重量%〜約90重量%、更により典型的には約60重量%〜約85重量%のデンプン又はこれらの混合物からのアミロペクチン含有量を有する。
【0118】
好適な天然由来のデンプンとしては:トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、米デンプン、大豆デンプン、アロールートデンプン、アミオカデンプン(amioca starch)、ワラビデンプン、ハスデンプン、ワキシートウモロコシデンプン、及び高アミローストウモロコシデンプンを挙げることができるが、これらに限定されない。天然由来のデンプン、特にトウモロコシデンプン及び小麦デンプンは、それらの経済性及び可用性により好ましいデンプンポリマーである。
【0119】
本明細書のポリビニルアルコールは、その特性を改善するために他のモノマーによりグラフトすることができる。広範なモノマーが、ポリビニルアルコールにうまくグラフトされてきた。このようなモノマーの非限定的な例としては、ビニルアセテート、スチレン、アクリルアミド、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、1,3−ブタジエン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メチルアリルスルホン酸ナトリウム、フェニルアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、フェニルメタリルエーテルスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸(AMPs)、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルアミン、及び様々なアクレートエステルが挙げられる。
【0120】
一実施例では、水溶性ヒドロキシルポリマーは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好適なポリビニルアルコールの非限定的な実施例には、Sekisui Specialty Chemicals America,LLC(Dallas,TX)から商標名CELVOL(登録商標)で市販されているものが挙げられる。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースの非限定的な実施例には、上記のヒドロキシプロピルメチルセルロースとの組み合わせを含む、Dow Chemical Company(Midland,MI)から商標METHOCEL(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
【0121】
b.水溶性熱可塑性ポリマー−好適な水溶性熱可塑性ポリマーの非限定的な実施例には、熱可塑性デンプン及び/又はデンプン誘導体、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、及び特定のポリエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0122】
本発明の水溶性熱可塑性ポリマーは、親水性又は疎水性であってもよい。水溶性熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマー固有の親水性若しくは疎水性特性を変更するために、表面処理及び/又は内部処理されてもよい。
【0123】
水溶性熱可塑性ポリマーは、生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0124】
熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量が使用されてもよい。例えば、本発明に従う熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、約10,000g/モルを超えて、及び/又は約40,000g/モルを超えて、及び/又は約50,000g/モルを超えて、及び/又は約500,000g/モル未満、及び/又は約400,000g/モル未満、及び/又は約200,000g/モル未満である。
【0125】
非極性溶媒可溶性材料
非極性溶媒可溶性材料の非限定的な例には非極性溶媒可溶性ポリマーが挙げられる。好適な非極性溶媒可溶性材料の非限定的な実施例には、セルロース、キチン、キチン誘導体、ポリオレフィン、ポリエステル、これらのコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリオレフィンの非限定的な例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエステルの非限定的な例には、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
【0126】
非極性溶媒可溶性材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、及び特定のポリエステルなど非生分解性ポリマーを含んでもよい。
【0127】
熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量が使用されてもよい。例えば、本発明に従う熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、約10,000g/モル超及び/又は約40,000g/モル超及び/又は約50,000g/モル超、並びに/あるいは、約500,000g/モル未満及び/又は約400,000g/モル未満及び/又は約200,000g/モル未満である。
【0128】
活性剤
活性剤は、例えば、フィラメントの外部の環境に利益をもたらすなど、フィラメントそれ自体以外の何かに利益をもたらすように設計され、そのように意図される添加剤の部類である。活性剤は、フィラメントの意図された使用状況下で、意図された効果を作る任意の好適な添加剤であってもよい。例えば、活性剤は、パーソナルクレンジング及び/又はコンディショニング剤、例えばヘアケア剤、例えばシャンプー剤及び/又は毛髪染料剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、及び皮膚コンディショニング剤、ランドリーケア及び/又はコンディショニング剤、例えば布地ケア剤、布地コンディショニング剤、布地柔軟剤、布地防しわ剤、布地ケア帯電防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ剥離剤、分散剤、抑泡剤、起泡剤、消泡剤及び布地リフレッシュ剤;液体及び/又は粉末食器洗浄剤(手洗い用の食器洗浄及び/又は自動食器洗浄器用途)、硬質表面ケア剤及び/又はコンディショニング剤、及び/又は研磨剤、他の洗浄及び/又はコンディショニング剤、例えば抗菌剤、香料、漂白剤(例えば酸素漂白剤、過酸化水素、過炭酸塩漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、塩素漂白剤)、漂白活性剤、キレート剤、ビルダー、ローション、増白剤、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、軟水化剤、硬水化剤、pH調整剤、酵素、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、化粧除去剤、気泡剤、付着助剤、コアセルベート形成材、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気防止剤、制汗剤、冷却剤、加温剤、吸収ゲル剤、消炎剤、染料、顔料、酸及び塩基;液体トリートメント活性剤;農業用活性剤、産業活性剤、摂取可能な活性剤、例えば薬剤、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯茎ケア剤、可食剤、食用剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、例えば水浄化及び/又は水消毒剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0129】
好適な化粧剤、スキンケア剤、スキンコンディショニング剤、ヘアケア剤、及びヘアコンディショニング剤の非限定的な例は、「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」(Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992)に記載されている。
【0130】
1つ以上の部類の化学物質は、上記に列挙された1つ以上の活性剤に有用であり得る。例えば、界面活性剤活性剤は上記の任意の数の活性剤に有用であり得る。同様に、漂白剤は、布地ケア、硬質表面洗浄、食器洗浄用、及び更には歯のホワイトニングで使用され得る。したがって、当業者は、活性剤がフィラメント及び/又はそれから作製される不織布の所望の目的用途に基づいて選択されることを理解するであろう。
【0131】
例えば、本発明のフィラメント及び/又はそれから作製される不織布は、ヘアケア及び/又はそれらのコンディショニングに使用されるべきであり、これによって、1つ以上の界面活性剤、例えば発泡性界面活性剤は、フィラメント及び/又はフィラメントを組み込む不織布の目的用途の条件に曝されたときに所望の利益を消費者にもたらすように選択することができる。
【0132】
一実施例では、本発明のフィラメント及び/又はそれから作製される不織布は、洗濯操作において衣類の洗濯に使用されるように設計され又は意図され、次いで、1つ以上の好適な界面活性剤、及び/又は酵素、及び/又はビルダー、及び/又は香料、及び/又は抑泡剤、及び/又は漂白剤は、フィラメント及び/又はこのフィラメントを組み込む不織布に意図された使用条件に曝されたときに所望の利益を消費者に提供するように選択することができる。他の実施例では、本発明のフィラメント及び/又はそれから作製される不織布は、洗濯操作における布地の洗濯及び/又は食器洗浄操作における皿の洗浄において使用されるように設計され、次いでフィラメントは、洗濯洗剤組成物又は食器洗浄洗剤組成物を含み得る。
【0133】
一実施例では、活性剤は非香料系活性剤を含む。他の実施例では、活性剤は非界面活性剤を含む。更に他の実施例では、活性剤は、摂取不可能な活性剤、つまり摂取可能な活性剤以外の活性剤を含む。
【0134】
界面活性剤
好適な界面活性剤の非限定的な実施例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。共界面活性剤もフィラメントに含まれてもよい。例えば、洗濯洗浄剤及び/又は食器洗浄剤としての使用に設計されているフィラメントに関して、界面活性剤の合計濃度は、染み及び/又は匂い除去を含む洗浄を提供するのに十分であるべきであり、一般的に約0.5%〜約95%の範囲である。更に、洗濯洗浄剤及び/又は食器洗浄剤用のフィラメントへの使用のため設計されている2つ又はそれ以上の界面活性剤を含む界面活性剤系は、全アニオン性界面活性剤系、アニオン性と非イオン性界面活性剤の混合物を含む混合物系界面活性剤系、又は非イオン性−カチオン性界面活性剤の混合物又は低起泡性非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0135】
界面活性剤は本明細書では直鎖又は分枝鎖であってもよい。一実施形態では、好適な直鎖界面活性剤には、例えばココヤシ油、パーム核油、大豆油、又は他の野菜系油など、農作物由来の油が挙げられる。
【0136】
a.アニオン性界面活性剤
好適なアニオン性界面活性剤の非限定的な実施例には、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシレート、分枝状アルコキシレートサルフェート、中鎖分枝状アルキルアリルスルホネート、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリルスルホネート、第1級又は第2級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アクリルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0137】
本明細書に使用するのに好適なアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートとしては、次式ROSO
3M及びRO(C
2H
4O)
xSO
3M(式中、Rは約8〜約24の炭素原子からのアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10であり、Mは水溶性カチオン、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンである)を有する材料が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤は、McCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」(North American Edition(1986),Allured Publishing Corp.)及びMcCutcheonの「Functional Materials」(North American Edition(1992),Allured Publishing Corp.)に記載されている。
【0138】
一実施例において、本発明のフィラメントに有用なアニオン性界面活性剤は、C
9〜C
15アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C
8〜C
20アルキルエーテルサルフェート、例えばアルキルポリ(エトキシ)サルフェート、C
8〜C
20アルキルサルフェート、及びこれらの混合物が挙げられる。他のアニオン性界面活性剤には、メチルエステルスルホネート(MES)、メチルエステルエトキレート(MEE)、スルホン化エストリド、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0139】
別の実施例では、アニオン性界面活性剤は、C
11〜C
18アルキルベンゼンスルホネート(「LAS」)及び一級分枝鎖でかつランダムにC
10〜C
20アルキルサルフェート(「AS」)、式CH
3(CH
2)
x(CHOSO
3−M
+)CH
3及びCH
3(CH
2)
y(CHOSO
3−M
+)CH
2CH
3のC
10〜C
18二級(2,3)アルキルサルフェート(式中、x及び(y+1)は少なくとも約7、好ましくは約9の整数であり、Mは水溶性化カチオン、特にナトリウム、不飽和硫酸塩、例えばオレイルサルフェートである)、C
10〜C
18 α−スルホン化脂肪酸エステル、C
10〜C
18硫酸化アルキルポリグリコシド、C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(「AE
xS」)(式中、xは1〜30である)、及びC
10〜C
18アルキルアルコキシカルボキシレート(例えば1〜5エトキシ単位を含む)、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に記載のような中鎖分枝状アルキルサルフェート、米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に記載のような中鎖分枝型アルキルアルコキシサルフェート(MLAS)、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、及び同第99/05244号に記載のような修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)からなる群から選択される。
【0140】
使用され得る他の好適なアニオン性界面活性剤は、C
8〜C
20カルボン酸(すなわち脂肪酸)のスルホン化直鎖エステルを含むアルキルエステルスルホネート界面活性剤である。使用され得る他の好適なアニオン性界面活性剤には石鹸の塩、C
8〜C
22一級又は二級アルカンスルホネート(primary of secondary alkanesulfonates)、C
8〜C
24オレフィンスルホネート、スルホン化ポリカルボン酸、C
8〜C
24アルキルポリグリコールエーテルサルフェート(最高10モルまでのエチレンオキシドを含有)、アルキルグリセロールスルホネート、脂肪族アシルグリセロールスルホネート、脂肪酸オレオイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、イセチネート、例えばアシルイセチオネート、N−アシルタウレート、アルキルスクシナメート及びスルホサクシネート、スルホサクシネートのモノエステル(例えば飽和及び不飽和C
12〜C
18モノエステル)のモノエステル、スルホサクシネートのジエステル(例えば、飽和及び不飽和C
6〜C
12ジエステル)、及びアルキルポリサッカライドのサルフェート、例えばアルキル多糖のサルフェート、並びにアルキルポリエトキシカルボキシレート、例えば式RO(CH
2CH
2O)
k−CH
2COO−M+(式中、RはC
8〜C
22アルキルであり、kは0〜10の整数であり、Mは可溶性塩生成カチオンである)のものが挙げられる。
【0141】
他の代表的なアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
16のアルキルベンゼンスルホン酸、好ましくはC
11〜C
14のアルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。一実施例では、アルキル基は直鎖である。このような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは「LAS」として公知である。そのような界面活性剤及びそれらの調製は、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている。他の実施例では、直鎖アルキルベンゼンスルホネートには、ナトリウム及び/又はカリウム線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートで、アルキル基中の平均炭素原子数が約11〜14のものが挙げられる。ナトリウムC
11〜C
14 LAS、例えば、C
12 LASはそのような界面活性剤の具体的な例である。
【0142】
アニオン性界面活性剤の他の代表的な例は、直鎖又は分枝鎖エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む。アルキルエーテル硫酸塩又はアルキルポリエトキシレート硫酸塩には、既知のこうした材料は、式:R’−O−(C
2H
4O)
n−SO
3M(式中、R’はC
8〜C
20アルキル基であり、nは約1〜20であり、Mは塩形成性カチオンである)に相当するものである。具体的な実施形態において、R’はC
10〜C
18アルキルであり、nは約1〜15であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。より具体的な実施形態において、R’はC
12〜C
16であり、nは約1〜6であり、及びMはナトリウムである。アルキルエーテルサルフェートは一般に、様々なR’鎖長及び様々なエトキシル化度を含む混合物の形態で使用される。しばしばそのような混合物はまた、必然的にいくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、即ち、上記エトキシル化アルキルサルフェート式で、式中、n=0である界面活性剤も含有することになる。非エトキシル化アルキルサルフェートも本発明の組成物に別途加え、存在してもよいいずれかのアニオン性界面活性剤成分として又は成分中で使用されてもよい。非アルコキシル化、例えば、非エトキシ化、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤の具体例は、高級C
8〜C
20脂肪族アルコールの硫酸化により製造されるものである。従来の一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式:R”OSO
3−M
+(式中、R”は典型的に、直鎖又は分枝鎖であってもよいC
8〜C
20アルキル基であり、Mは水溶性化カチオンである)を有する。具体的な実施形態において、R”はC
10〜C
15アルキル基であり、Mはアルカリ金属であり、より具体的には、R”はC
12〜C
14アルキルであり、Mはナトリウムである。本明細書で有用な特定のアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、a)C
11〜C
18アルキルベンゼンスルホネート(LAS);b)C
10〜C
20の一級分枝鎖及びランダムなアルキルサルフェート(AS);c)以下の式を有するC
10〜C
18二級(2,3)−アルキルサルフェートが挙げられる:
【化1】
式中、Mは、電荷の中性をもたらす水素又はカチオンであり、単離された形又は化合物を使用する系の相対的なpHによって界面活性剤又は添加物成分と会合若しくは非会合であっても、全てのM単位は、水素原子又はカチオンのいずれかであることができ、好適なカチオンの非限定的な例としてはナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられ、並びにxは少なくとも約7、及び/又は約9の整数であり、yは少なくとも8、及び/又は少なくとも約9の整数であり;d)C
10〜C
18アルキルアルコキシサルフェート(AE
ZS)(ここで、zは例えば1〜30である);e)このましくは1〜5個のエトキシ単位を含む、C
10〜C
18アルキルアルコキシカルボキシレート;f)米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に述べられている中鎖分枝アルキルサルフェート;g)米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に述べられているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート;h)国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に述べられている変成アルキルベンゼンスルホネート(MLAS);i)メチルエステルスルホネート(MES);並びにj)αオレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0143】
b.カチオン性界面活性剤
好適なカチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、式(I)を有するものが挙げられるが、これに限定されない:
【化2】
R
1、R
2、R
3、及びR
4はそれぞれ独立して、(a)1〜26個の炭素原子の脂肪族基、又は(b)最高22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基から選択され、Xは塩生成アニオンであって、例えばハロゲンラジカル(例えば塩化物、臭化物)、アセテートラジカル、シトレートラジカル、ラクテートラジカル、グリコレートラジカル、ホスフェートラジカル、ニトレートラジカル、サルフェートラジカル、及びアルキルサルフェートラジカルから選択されるものである。一実施例では、アルキルサルフェートラジカルはメトサルフェート及び/又はエトサルフェートである。
【0144】
好適な一般式(I)の四級アンモニウムカチオン性界面活性剤には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、塩化セチルピリジニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、タロートリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド,2−エチルヘキシルステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウムクロリ、PEG−2オレイルアンモニウムクロリド、及びこれらの塩を挙げることができ、クロライドはハロゲン(例えば臭素)、酢酸塩、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェートニトレート、サルフェート、又はアルキルサルフェートによって置換される。
【0145】
好適なカチオン性界面活性剤の非限定的な実施例は、Akzo Nobel Surfactants(Chicago,IL)から商標名ARQUAD(登録商標)で市販されている。
【0146】
一実施例において、好適なカチオン性界面活性剤には、米国特許第6,136,769号で論じられるようなアルコキシラート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム、ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド、国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号及び同第98/35006号で論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤、米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤、並びに米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号で論じられるようなアミノ界面活性剤、例えばアミドプロピルジメチルアミン(APA)を含む、例えば最高26個までの炭素原子を有する第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
【0147】
他の好適なカチオン性界面活性剤には、第一級、第二級、及び第三級脂肪族アミンの塩が挙げられる。一実施形態では、このようなアミンのアルキル基は、約12〜約22個の炭素原子を有し、置換若しくは非置換であってよい。これらのアミンは、カチオン種を得るために、通常、酸と組み合わせて使用される。
【0148】
カチオン性界面活性剤は以下の式を有するカチオン性エステル界面活性剤を含み得る:
【化3】
式中、R
1はC
5〜C
31直鎖又は分枝鎖アルキル、アルケニル若しくはアルカリル鎖、又はM
−、N
+(R
6R
7R
8)(CH
2)
sであり;X及びYは独立して、COO、OCO、O、CO、OCOO、CONH、NHCO、OCONH及びNHCOOから選択され、X又はYの少なくとも1つはCOO、OCO、OCOO、OCONH又はNHCOO基であり;R
2、R
3、R
4、R
6、R
7及びR
8、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、及びアルカリル基からなる群から独立して選択され、R
5は独立してH又はC
1〜C
3アルキル基であり、m、n、s及びtの値は独立して0〜8の範囲にあり、bの値は0〜20の範囲にあり、bの値は0〜20の範囲にあり、a、u及びvの値は独立して0又は1のいずれかであるが、ただしu又はvの少なくとも1つは1であり、Mは対アニオンである。一実施例では、R
2、R
3及びR
4は独立してCH
3及び−CH
2CH
2OHから選択される。別の実施例では、Mは、ハロゲン化物、メチルサルフェート、サルフェート、ニトレート、クロライド、ブロミド、又はヨウ化物から選択される。
【0149】
本発明のカチオン性界面活性剤は、個人的洗浄用途において使用するために選択されてもよい。一実施例では、このようなカチオン性界面活性剤は、すすぎ易い感触と、レオロジーと、湿潤コンディショニング効果との間のバランスという観点から、総濃度約0.1重量%〜約10重量%、及び/又は約0.5重量%〜約8重量%、及び/又は約1重量%〜約5重量%、及び/又は約1.4重量%〜約4重量%でフィラメント及び/又は繊維内に含まれてもよい。モノ−及びジアルキル鎖カチオン性活性剤を含む様々なカチオン性活性剤が本発明の組成物中で使用可能である。一実施例では、カチオン性界面活性剤は、所望のゲルマトリックス及び湿潤コンディショニング効果をもたらすという観点から、モノアルキル鎖カチオン性界面活性剤を含む。モノアルキルカチオン性界面活性剤は、バランスのとれた湿潤コンディショニング効果をもたらすという観点から、12〜22個の炭素原子、及び/又は16〜22個の炭素原子、及び/又は18〜22個の炭素原子をそのアルキル基に有する1本の長いアルキル鎖を有するものである。窒素に結合している残りの基は、独立して、炭素原子数1〜約4までのアルキル基、又は炭素原子数が約4までの、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、若しくはアルキルアリール基から選択される。このようなモノアルキルカチオン性界面活性剤としては、例えば、モノアルキル第四級アンモニウム塩及びモノアルキルアミンが挙げられる。モノアルキル四級アンモニウム塩としては、例えば、非官能化長アルキル鎖を有するものである。モノアルキルアミンとしては、例えば、モノアルキルアミドアミン及びそれらの塩が挙げられる。ジアルキル鎖カチオン性界面活性剤などの他のカチオン性界面活性剤もまた、単独で又はモノアルキル鎖カチオン性界面活性剤と組み合わせて用いられてもよい。このようなジアルキル鎖カチオン性界面活性剤としては、例えば、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジヒドロ添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びジセチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0150】
一実施例では、カチオン性エステル界面活性剤は、洗濯洗浄の条件下で加水分解性である。
【0151】
c.非イオン性界面活性剤
好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、アルコキシル化アルコール(AE)及びアルキルフェノール、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(PFAA)、アルキルポリグリコシド(APG)、C
10〜C
18グリセロールエーテル等が挙げられる。
【0152】
一実施例では、本発明に有用な非イオン性共界面活性剤の非限定的な例としては、Shell製NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤のような、C
12〜C
18アルキルエトキシレート、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位及びプロピレンオキシ単位の混合物)、BASF製のPLURONIC(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートを有するC
12〜C
18アルコール及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合体、米国特許第6,150,322号で論じられるような、C
14〜C
22中鎖分枝状アルコール、BA、米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号、及び同第6,093,856号で論じられるようなC
14〜C
22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE
x(xは1〜30)、Llenadoの1986年1月26日発行の米国特許第4,565,647号で論じられるようなアルキル多糖、具体的には、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド、米国特許第5,332,528号で論じられるようなポリヒドロキシ洗剤酸アミド、並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号で論じられるようなエーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0153】
本発明に好適な市販の非イオン性界面活性剤の例としては、Tergitol(登録商標)15−S−9(9モルのエチレンオキシドとC
11〜C
15直鎖アルコールとの縮合生成物)及びTergitol(登録商標)24−L−6 NMW(分子量分布の狭い6モルのエチレンオキシドとC
12〜C
14一級アルコールとの縮合生成物)(いずれもDow Chemical Companyより販売)、Neodol(登録商標)45−9(9モルのエチレンオキシドとC
14〜C
15直鎖アルコールとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)23−3(3モルのエチレンオキシドとC
12〜C
13直鎖アルコールとの縮合生成物)、Neodol(登録商標)45−7(7モルのエチレンオキシドとC
14〜C
15直鎖アルコールとの縮合生成物)及びNeodol(登録商標)45−5(5モルのエチレンオキシドとC
14〜C
15直鎖アルコールとの縮合生成物)(Shell Chemical Companyより販売)、Kyro(登録商標)EOB(9モルのエチレンオキシドとC
13〜C
15アルコールとの縮合生成物)、(Procter & Gamble Companyより販売)、及びGenapol LA O3O又はO5O(3〜5モルのエチレンオキシドとC
12〜C
14アルコールとの縮合生成物)(Hoechstより販売)が挙げられる。非イオン性界面活性剤は約8〜約17、及び/又は約8〜約14の範囲のHLBを呈し得る。プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドとの凝縮物もまた使用されてもよい。
【0154】
本発明に有用な半極性非イオン性補助界面活性剤の非限定的な例としては、約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分、並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される2つの部分を含有する水溶性アミンオキシド類、約10〜約18個の炭素原子の1つのアルキル部分、並びに約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される2つの部分を含有する水溶性ホスフィンオキシド、約10〜約18個の炭素原子のつのアルキル部分、並びに約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分を含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び同第4,133,779号を参照のこと。
【0155】
本発明に使用され得る他の部類の非イオン性界面活性剤には、以下の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤が挙げられる:
【化4】
式中、R
1はHであるか、又はC
1〜4ヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、若しくはこれらの混合物であり、R
2はC
5〜31ヒドロカルビルであり、Zは少なくとも3個のヒドロキシル基が鎖に直接結合されている線状ヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル、又はそのアルコキシル化誘導体である。
一実施例では、R
1はメチルであり、R
2は直鎖C
11〜15アルキル、又はC
15〜17アルキル若しくはアルケニル鎖、例えばココナッツアルキル又はこれらの混合物であり、Zは還元的アミノ化反応において、糖、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、乳糖の還元により得られる。典型的な例としてはC
12〜C
18及びC
12〜C
14 N−メチルグルカミンが挙げられる。
【0156】
アルキルポリサッカライド(Alkylpolyaccharide)界面活性剤もまた、本発明における非イオン性界面活性剤として使用されてもよい。
【0157】
ポリエチレン、ポリプロピレン、及びアルキルフェノールのポリブチレンオキシド凝縮物もまた、本発明において非イオン性界面活性剤としての使用に好適である。これらの化合物には、アルキレンオキシドと直鎖又分枝状鎖のいずれかの構成にある、約6〜約14個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルキルフェノールの縮合生成物が挙げられる。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤には、Igepal(登録商標)CO−630(GAF Corporationから販売)、並びにTriton(登録商標)X−45、X−114、X−100及びX−102(全てDow Chemical Companyから販売)が挙げられる。
【0158】
自動食器洗浄用途では、低起泡性非イオン性界面活性剤が使用され得る。好適な低起泡性非イオン性界面活性剤は、米国特許第7,271,138号の第7段10行〜第7段60行に開示されている。
【0159】
他の好適な非イオン性界面活性剤の例は、市販のPluronic(登録商標)界面活性剤(BASFにより販売)、市販のTetronic(登録商標)化合物(BASFにより販売)及び市販のPlurafac(登録商標)界面活性剤(BASFにより販売)である。
【0160】
d.双極性イオン界面活性剤
双極性イオン若しくは両性界面活性剤の非限定的な例には、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双極性界面活性剤の例である、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C
8〜C
18(例えば、C
12〜C
18)アミンオキシド、並びに、例えば、アルキル基がC
8〜C
18、及び特定の実施形態ではC
10〜C
14であることができるN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートのようなスルホ及びヒドロキシベタインを包含するベタインについては、米国特許第3,929,678号の19欄38行〜22欄48行を参照のこと。
【0161】
e.両性界面活性剤
両性界面活性剤の非限定的な例としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる、複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、例えば約8〜約18個の炭素原子を含有してもよく、少なくとも1つが、アニオン水溶性化基、例えば、カルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基を含有する。両性界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、19欄18〜35行を参照のこと。
【0162】
f.共界面活性剤
上記の界面活性剤に加えて、フィラメントはまた共界面活性剤を含有してもよい。洗濯洗剤及び/又は食器洗浄用洗剤の場合、様々な汚れ及び染みにわたって、及び様々な使用条件下において幅広いスケールの洗浄能力を得るために、それらは典型的に界面活性剤のタイプの混合物を含有する。広範囲のこれらの共界面活性剤が、本発明のフィラメントに使用することができる。アニオン性、非イオン性、両性及び双極性イオン性の部類、並びにこれらの共界面活性剤の種の一般的な列挙が、本明細書において上記に提供され、また米国特許第3,664,961号に見出すことができる。換言すれば、本明細書の界面活性剤系はまた、非イオン性、カチオン性、アニオン性、双極性イオン性、及びこれらの混合物から選択される1つ以上の共界面活性剤を含んでもよい。共界面活性剤の選択は、所望の利益により決められてよい。界面活性剤系は、約0重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約4重量%の他の共界面活性剤の組成物を含む。
【0163】
g.アミン中和されたアニオン性界面活性剤
本発明のアニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性共界面活性剤は、酸形態で存在する場合があり、これは中和されて界面活性剤塩を形成し得る。一実施例では、フィラメントは界面活性剤塩の形態を含み得る。典型的な中和剤には、水酸化物(例えばNaOH又はKOH)などの金属対イオン塩基が挙げられる。それらの酸の形態でアニオン性界面活性剤及びアニオン性共界面活性剤を中和する他の剤にはアンモニア、アミン、アルカノールアミンが挙げられる。一実施例では、中和剤は、アルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の直鎖又は分枝鎖アルカノールアミン、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールからなる群から選択されるアルカノールアミンを含む。アミンの中和は全体的に又は部分的な範囲でされてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム若しくはカリウムで中和されてもよく、アニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン若しくはアルカノールアミンで中和されてもよい。
【0164】
香料
1つ以上の香料及び/又は香料の原材料、例えば調和剤及び/又はノートが本発明の1つ以上のフィラメントに組み込まれてもよい。香料は、アルデヒド香料成分、ケトン香料成分、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料成分を含んでもよい。
【0165】
1つ以上の香料及び/又は香料成分は本発明のフィラメントに含まれてもよい。香料及び/又は香料成分として有用な多種多様の天然及び合成化学成分には、アルデヒド、ケトン、エステル、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。また、様々な天然抽出物及び天然エキスも挙げられ、これらは、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含み得る。完成した香料は、このような成分の非常に複雑な混合物を含んでなることができる。一実施例では、完成した香料は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約2重量%を構成する。
【0166】
香料送達系
特定の香料送達系、特定の香料送達系を製造する方法、及びこのような香料送達系の使用は、米国特許出願第2007/0275866(A1)号に開示されている。香料送達系の非限定的な例には以下のものが挙げられる:
I.ポリマー支援型送達(PAD):この香料送達技術は、香料物質を送達するうえでポリマー性材料を用いるものである。古典的なコアセルベーション、水溶性又は部分水溶性〜非水溶性の荷電又は中性ポリマー、液晶、ホットメルト、ヒドロゲル、香料付与プラスチック、マイクロカプセル、ナノ−、及びマイクロラテックス、ポリマー性フィルム形成剤、ポリマー性吸収剤、ポリマー性吸着剤などが一部の例である。PADにはこれらに限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。
【0167】
a.)マトリックス系:芳香剤をポリマーマトリックス又は粒子中に溶解又は分散させる。香料は例えば、1)製品に配合する前にポリマー中に分散させるか、又は2)製品の配合時又は配合後にポリマーとは別に添加すればよい。ポリマーからの香料の拡散は、所望の表面(部位)に付着又は塗布されたポリマー性マトリックス系から香料を放出させるか、あるいはその放出速度を増加させるうえで一般的な誘因であるが、香料の放出を制御する他の多くの誘因が知られている。ポリマー性粒子、フィルム、溶液などの内部又は外部への吸収、及び/又は吸着はこの技術の側面である。有機材料(例、ラテックス)からなるナノ−又はマイクロ粒子がその例である。好適な粒子としては、これらに限定されるものではないが、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリアクリリック、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリールエーテルケトン、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリクロロプレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリクロロプレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリケトン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンクロリネート、ポリイミド、ポリイソプレン、ポリ乳酸、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、並びにアクリロニトリル−ブタジエン、酢酸セルロース、エチレン−酢酸ビニル、エチレンビニルアルコール、スチレン−ブタジエン、酢酸ビニル−エチレン、及びこれらの混合物等に基づいたポリマー又はコポリマー等の広範な材料が挙げられる。
【0168】
「標準的な」系とは、ポリマーに結合した予備充填された香料を香料の放出の瞬間まで保持することを意図して香料で「予備充填された」もののことを指す。こうしたポリマーは、未希釈の製品の匂いを抑制し、香料の放出速度に応じてブルーム、及び/又は持続性の効果も与え得る。こうした系における課題の1つは、1)製品内安定性(必要時まで担体内部に香料を保持すること)と、2)適時放出(使用時又は乾燥部位から)との理想的なバランスを実現することである。こうした安定性の実現は、製品保存時、及び製品の経時後に特に重要である。この課題は、ヘビーデューティー液体洗濯用洗剤などの、水ベースの界面活性剤含有製品において特に明らかである。利用可能な多くの「標準的」マトリックス系は、水ベースの製品に配合した場合に効果的に「平衡」系となる。「平衡」系又はリザーバ系を選択することができ、これは許容可能な製品内拡散安定性及び利用可能な放出誘因(例えば、摩擦)を有する。「平衡」系は、香料及びポリマーが製品に別々に添加され得るものであり、香料とポリマーとの間の平衡相互作用が、1つ以上の消費者接触点にて効果を引き起こす(これに対し、自由香料制御はポリマー支援型送達技術を有さない)。このポリマーも香料で予備充填することができるが、香料の一部又は全部が製品内保存時に拡散し、所望の香料原材料(PRM)がポリマーに結合した平衡状態に達する場合がある。するとポリマーは香料を表面へと輸送し、典型的には、香料が拡散することで放出が行われる。こうした平衡系ポリマーの使用は、未希釈の製品の未希釈の匂いの強度を低下させる可能性を有する(通常、予備充填された標準系の場合に特にそうした傾向がある)。こうしたポリマーの蓄積は放出プロファイルを「平坦化」し、持続性を高めうる。上記に示したように、こうした持続性は初期の強度を抑制することによって得られ、配合者が、より高いインパクト又は低い嗅覚閾値(ODT)又は低いコバッツ・インデックス(KI)のPRMを用いて、初期強度が強過ぎたり、変質することのないFMOTの効果を得ることが可能となる。所望の消費者の接触点に影響を与えるためには香料の放出は、適用のタイムフレーム内で生じることが重要である。好適なマイクロ粒子、及びマイクロラテックス並びにその製造方法は米国特許出願第2005/0003980(A1)号に見出すことができる。マトリックス系は更にホットメルト接着剤、及び芳香性プラスチックを含む。更に、疎水的に改質された多糖を香料添加製品に配合することによって香料蓄積を増加させ、及び/又は香料放出を改変することができる。多糖、及びナノラテックスなどのこうしたマトリックス系は全て、PADリザーバ系などの他のPAD系を含む他のPDTと組み合わせて香料マイクロカプセル(PMC)の形態とすることができる。ポリマー支援型送達(PAD)マトリックス系としては下記の参考文献に記載のものが挙げられる:米国特許出願第2004/0110648(A1)号、同第2004/0092414(A1)号、同第2004/0091445(A1)号、及び同第2004/0087476(A1)号、並びに米国特許第6,531,444号、同第6,024,943号、同第6,042,792号、同第6,051,540号、同第4,540,721号、及び同第4,973,422号。
【0169】
PDTとして使用することが可能なポリマーの例としてはシリコーンもあり、ポリマー支援型送達「マトリックス系」と同様の様式で香料効果を与えるものである。このようなPDTは、シリコーン支援型送達(SAD)と呼ばれる。シリコーンを香料で予備充填したり、シリコーンをPADについて述べたような平衡系として使用することができる。好適なシリコーン並びにその製造方法は、国際公開第2005/102261号、米国特許出願第20050124530(A1)号、同第20050143282(A1)号、及び国際公開第2003/015736号に見ることができる。米国特許出願第2006/003913(A1)号に記載されるように機能化したシリコーンを使用することも可能である。シリコーンの例には、ポリジメチルシロキサン及びポリアルジメチルシロキサンが挙げられる。他の例としてはアミン機能性を有するものがあり、これを用いてアミン支援型送達(AAD)、及び/又はポリマー支援型送達(PAD)、及び/又はアミン反応生成物(ARP)に関連した効果を与えることができる。他のこうした例を米国特許第4,911,852号、米国特許出願第2004/0058845(A1)号、同第2004/0092425(A1)号、及び同第2005/0003980(A1)号に見ることができる。
【0170】
b.)リザーバ系:リザーバ系はコア/シェル型技術、すなわちフレグランスが保護シェルとして機能し得る香料放出制御膜によって包囲される技術としても知られる。マイクロカプセル内部の物質がコア、内部相、又は充填物と呼ばれるのに対して、壁は時としてシェル、コーティング、又は膜と呼ばれる。マイクロ粒子、感圧カプセル又はマイクロカプセルはこうした技術の例である。本発明のマイクロカプセルは、限定するものではないが、コーティング、押出し、スプレー乾燥、界面重合、その場での重合、及びマトリクス重合などの様々な方法によって形成される。使用可能なシェル材料は水に対する安定性が大きく異なる。最も安定したものとして、水溶液(又は製品)中に特定のPRMをより長期にわたって保持することが可能なポリオキシメチレン尿素(PMU)系材料がある。こうした系にはこれらに限定されるものではないが、尿素−ホルムアルデヒド、及び/又はメラミン−ホルムアルデヒドが含まれる。安定したシェル材料には、水溶性若しくは水分散アクリル酸アルキル酸コポリマー、アルカリ、又はアルカリ塩を含むアニオン性乳化剤の存在下で、油溶性若しくは分散性アミンと、多官能性アクリレート又はメタクリレートモノマー若しくはオリゴマー、油溶性酸及び反応開始剤との反応生成物として得られるポリアクリレート系材料が挙げられる。例えば架橋度に応じて水に速やかに又はゆっくりと溶解するようにゼラチン系マイクロカプセルを調製してもよい。多くの他のカプセル壁材料が入手可能であり、観察される香料の拡散安定性の程度が異なっている。理論に束縛されるものではないが、例えば一旦所定の表面に付着したカプセルからの香料の放出速度は、通常、製品内の香料拡散安定性の逆の次数である。このため、例えば尿素−ホルムアルデヒド、及びメラミン−ホルムアルデヒドマイクロカプセルは通常、機械力(例、摩擦力、圧力、剪断応力)などの、カプセルを破壊して香料(フレグランス)の放出速度を増大させる、拡散以外(拡散に加えて)の放出機構を香料の放出のために必要とする。他の誘因としては、融解、溶解、加水分解又は他の化学反応、電磁放射などが挙げられる。予備充填されたマイクロカプセルの使用には、製品内安定性、及び使用時、及び/又は表面上(部位上)放出の適正な比に加えてPRMの適切な選択が求められる。尿素−ホルムアルデヒド、及び/又はメラミン−ホルムアルデヒド系のマイクロカプセルは特に中性に近い水溶液中で比較的安定している。これらの材料は摩擦誘因を必要とする場合があるが、これは全ての製品用途に適用できるものではない。他のマイクロカプセル材料(例、ゼラチン)は水系製品中では不安定な場合があり、製品の経時後に(自由香料制御と比較して)効果が低下する場合もある。擦ると香りが出る(スクラッチアンドスニッフ)技術はPADの更なる別の例である。香料マイクロカプセル(PMC)には以下の引用文献に記載のものが挙げられ得る:米国特許出願第2003/0125222(A1)号、同第2003/215417(A1)号、同第2003/216488(A1)号、同第2003/158344(A1)号、同第2003/165692(A1)号、同第2004/071742(A1)号、同第2004/071746(A1)号、同第2004/072719(A1)号、同第2004/072720(A1)号、同第2006/0039934(A1)号、同第2003/203829(A1)号、同第2003/195133(A1)号、同第2004/087477(A1)号、同第2004/0106536(A1)号、及び米国特許第6,645,479(B1)号、同第6,200,949(B1)号、同第4,882,220号、同第4,917,920号、同第4,514,461号、同第6,106,875号、同第4,234,627号、同第3,594,328号、並びにUS RE 32713号、PCT特許出願:国際公開第2009/134234(A1)号、同第2006/127454(A2)号、同第2010/079466(A2)号、同第2010/079467(A2)号、同第2010/079468(A2)号、同第2010/084480(A2)号。
【0171】
II.分子支援型送達(MAD):非ポリマー物質又は分子も香料の送達性を向上させるうえで機能し得る。理論に束縛されるものではないが、香料は有機物質と非共有結合的に相互作用する場合があり、香料の蓄積、及び/又は放出に影響する。こうした有機物質の非限定的な例としては、限定するものではないが、有機油、ロウ、鉱物油、ペトロラタム、脂肪酸又はエステルなどの疎水性物質、糖、界面活性剤、リポソーム、更には他の香料原材料(香油)、並びにボディーオイル及び/又は他のソイルなどの天然油が挙げられる。香料定着剤は更なる別の例である。一態様では、非ポリマー性材料又は分子は約2よりも大きいCLogP値を有する。分子支援型送達(MAD)には、更に米国特許第7,119,060号及び同第5,506,201号に記載のものが含まれ得る。
【0172】
III.繊維支援型送達(FAD):部位の選択又は使用はそれ自体香料の送達を向上させる可能性がある。実際、部位それ自体が香料送達技術であり得る。例えば、綿又はポリエステルなどの異なる種類の布は、香料をひき付ける、及び/又は保持する、及び/又は放出する能力に関して異なる性質を有する。繊維の表面又は内部に蓄積される香料の量は、繊維の選択によって、更に繊維の履歴又は処理によって、並びにあらゆる繊維コーティング又は処理によって変化し得る。繊維は織り繊維でも不織繊維でもよく、天然繊維でも合成繊維でもよい。天然繊維としては植物、動物、及び地質学的プロセスによって作られるものが挙げられ、綿、リネン、黄麻、亜麻、カラムシ、サイザルアサ、及び紙や布の製造に用いられる繊維が挙げられるがこれらに限定されない。繊維支援型送達は、サーモメカニカルパルプ、晒又は未晒クラフト、又は亜硫酸パルプなどの木質繊維の使用からなり得る。動物繊維は、主として絹、腱、腸線、及び毛髪(ウールなど)などの特定のタンパク質からなるものである。合成化学物質に基づいたポリマー繊維としては、限定するものではないが、ポリアミドナイロン、PET又はPBTポリエステル、フェノール−ホルムアルデヒド(PF)、ポリビニルアルコール繊維(PVOH)、ポリ塩化ビニル繊維(PVC)、ポリオレフィン(PP、及びPE)及びアクリルポリマーが含まれる。こうした繊維は全て香料で予備充填し、次いで自由香料、及び/又は1以上の香料送達技術を含んでも含まなくてもよい製品に添加することができる。一態様では、香料で充填する前に繊維を製品に添加し、次いで繊維中に拡散し得る香料を製品に添加することによって繊維を香料で充填してもよい。理論に束縛されるものではないが、香料は例えば、製品の保存時に繊維表面に吸収されるか繊維内部に吸着され、後に1以上のモーメント・オブ・トゥルース又は消費者接触点において放出されうる。
【0173】
IV.アミン支援型送達(AAD):アミン支援型送達技術の手法は、アミン基を含有する材料を使用することによって香料の蓄積量を増大させ、製品使用時の香料放出性を改変するものである。この手法では、製品への添加に先立って香料原材料とアミンとを予め複合又は予め反応させる必要がない。一態様では、本発明で使用するのに適したアミン含有AAD材料は、例えばポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン若しくはポリビニルアミン(PVAm)などの非芳香族、又は例えばアントラニレートなどの芳香族であってよい。こうした材料はポリマー性又は非ポリマー性であってよい。一態様では、こうした材料には少なくとも1種類の第1級アミンが含まれる。この技術は、アミンの機能性によって低ODTの香料の香り(例、アルデヒド、ケトン、エノン)の持続性を高めるとともにその放出制御を可能とし、理論に束縛されるものではないが、更にポリマー性アミンのポリマー支援型送達による他のPRMの送達を可能とするものである。この技術を用いない場合、揮発性のトップノートの寿命が非常に短くなり、トップノートに対しミドルノート及びベースノートの割合が高くなってしまう。ポリマー性アミンの使用により、より高濃度のトップノート、及び他のPRMを使用することで未希釈の製品の匂いが理想よりも強くなり過ぎないように新鮮さを持続したり、トップノート及び他のPRMをより効率的に利用することが可能となる。一態様では、AAD系は中性付近よりも高いpHにおいてPRMを効果的に送達する。理論に束縛されるものではないが、AAD系の、より多くのアミンが脱プロトン化されるような条件下では、不飽和ケトン及びダマスコーンなどのエノンを含むアルデヒド、並びにケトンなどのPRMに対する、脱プロトン化されたアミンの親和性が高くなる可能性がある。別の一態様では、ポリマー性アミンは中性付近よりも低いpHにおいてPRMを効果的に送達する。理論に束縛されるものではないが、AAD系のより多くのアミンがプロトン化されるような条件下では、アルデヒド、及びケトンなどのPRMに対する、プロトン化されたアミンの親和性が低くなり、幅広いPRMに対してポリマー骨格の親和性が高くなる可能性がある。こうした態様では、ポリマー支援型送達によってより高い香料効果が送達され得る。すなわち、こうした系はAADの下位に分類されるものであり、アミン−ポリマー支援型送達すなわちAPADと呼ぶことができる。pHが7よりも低い組成物でAPADを用いるような場合には、こうしたAPAD系はポリマー支援型送達(PAD)と考えることもできる。更なる別の態様では、AAD、及びPAD系はアニオン界面活性剤又はポリマーなどの他の物質と相互作用してコアセルベート、及び/又はコアセルベート状の系を形成する。別の態様では、例えば硫黄、リン、セレニウムなどの窒素以外のヘテロ原子を含む物質をアミン化合物の代わりに使用することができる。更なる別の態様では、上記の代替化合物をアミン化合物と組み合わせて使用することができる。更なる別の態様では、1個の分子がアミン部分と、例えばチオール、ホスフィン、及びセレノールなどの1個以上の代替ヘテロ原子部分とを有していてもよい。好適なAAD系並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号、同第2003/0199422(A1)号、同第2003/0036489(A1)号、同第2004/0220074(A1)号、及び米国特許第6,103,678号に見ることができる。
【0174】
V.シクロデキストリン送達系(CD):この技術手法は、環状オリゴ糖又はシクロデキストリンを用いて香料の送達を向上させる。通常は香料とシクロデキストリン(CD)との複合体を形成する。こうした複合体は、予め形成してもよく、その場で形成してもよく、部位の表面上又は内部で形成してもよい。理論に束縛されるものではないが、特に他の補助成分(例、界面活性剤)が香料とシクロデキストリンの内腔をめぐって競合するような高濃度で存在しない場合には、水の損失によって平衡状態はCD−香料複合体側に移動し得る。後の時点で水との接触や含水量の増大が起こった場合にブルーム効果が得られる可能性がある。更に、シクロデキストリンによって香料の配合者によるPRMの選択の柔軟性が高められる。シクロデキストリンは所望の香料安定性、蓄積、及び放出効果を得るうえで香料で予備充填しても香料とは別に添加してもよい。好適なCD並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号、及び同第2006/0263313(A1)号、並びに米国特許第5,552,378号、同第3,812,011号、同第4,317,881号、同第4,418,144号、及び同第4,378,923号に見ることができる。
【0175】
VI.デンプン封入アコード(SEA):デンプン封入アコード(SEA)技術の使用により、例えばデンプンなどの成分を加えて液体香料を固体に転化することによって香料の性質を改変することが可能である。その効果としては、製品保存時の香料の保持率が特に非水性条件下において向上することが挙げられる。水分との接触時には香料のブルームが引き起こされ得る。製品の配合者は、デンプンによって、通常であればSEAの非存在下では使用できないPRM又はPRMの濃度を選択することが可能となることから、他の最適な時点で更に効果が得られる可能性がある。別の技術の例としては、香料を液体から固体に転化するうえでシリカなどの他の有機、及び無機材料を使用することが挙げられる。好適なSEA並びにその製造方法は米国特許出願第2005/0003980(A1)号、及び米国特許第6,458,754(B1)号に見出すことができる。
【0176】
VII.無機担体送達系(ZIC):この技術は香料を送達するうえで多孔質のゼオライト又は他の無機材料を使用することに関する。香料で充填したゼオライトを、例えば香料充填ゼオライト(PLZ)をコーティングするために用いられる補助成分とともに、又はこのような補助成分は用いずに使用して、製品保存時、又は使用時、又は乾燥した部位からの香料放出特性を変化させることが可能である。好適なゼオライト、及び無機担体並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号、並びに米国特許第5,858,959号、同第6,245,732(B1)号、同第6,048,830号、及び同第4,539,135号に見ることができる。シリカはZICの別の形態である。好適な無機担体の別の例としては無機チューブがあり、その場合香料又は他の活性物質がナノ又はマイクロチューブの内腔内に収容される。一態様では、香料で充填した無機チューブ(又は香料充填チューブ又はPLT)は、ハロイサイト、又はハロイサイトと他の無機材料(他の粘土など)との混合物のような、鉱物性のナノ又はマイクロチューブである。PLT技術は、製品内拡散安定性、所望の部位への蓄積を向上させ、充填された香料の放出速度を制御する目的でチューブの内側、及び/又は外側に更なる成分を有してもよい。デンプン封入体などのモノマー性、及び/又はポリマー性材料を用いてPLTをコーティング、プラギング、キャッピング又は封入することが可能である。好適なPLT系並びにその製造方法は米国特許第5,651,976号に見出すことができる。
【0177】
VIII.プロ香料(PP):この技術は、1つ以上のPRMと1つ以上の担体との間に共有結合を有する材料を形成するために香料材料と他の基材又は化学物質とを反応させることにより得られる香料技術を指す。PRMはプロPRM(すなわちプロ香料)と呼ばれる新たな材料へと変換され、これは水や光などの誘因に曝されると最初のPRMを放出する。プロ香料は、香料付着性、持続性、安定性、保持率を増加させるように、香料送達特性を向上させ得るものである。プロ香料には、モノマー性(非ポリマー性)又はポリマー性のものがある。プロ香料は予め形成してもよく、製品内保存時又は湿潤又は乾燥部位に存在し得るような平衡条件下でその場で形成してもよい。プロ香料の非限定的な例としては、マイケル付加物(例、β−アミノケトン)、芳香族又は非芳香族イミン(シッフ塩基)、オキサゾリジン、β−ケトエステル、及びオルトエステルが挙げられる。別の態様には、例えばα、β不飽和ケトン、アルデヒド又はカルボキシルエステルなどの、PRMを放出可能な1以上のβ−オキシ又はβ−チオカルボニル部分を有する化合物が含まれる。香料を放出させるための一般的な誘因は水との接触であるが、他の誘因として、酵素、熱、光、pH変化、自動酸化、平衡のシフト、濃度又はイオン強度の変化などがある。水ベースの製品では、光誘因プロ香料が特に適している。こうした光プロ香料(PPP)には、限定するものではないが、誘発時にクマリン誘導体、及び香料、及び/又はプロ香料を放出するものが含まれる。放出されたプロ香料は、上記に述べた誘因のいずれかによって1以上のPRMを放出し得る。一態様では、光プロ香料は、光、及び/又は水分誘因に曝露された場合に窒素系プロ香料を放出する。別の態様では、光プロ香料から放出された窒素系プロ香料は、例えばアルデヒド、ケトン(エノンを含む)、及びアルコールから選択される1以上のPRMを放出する。更なる別の態様では、PPPはジヒドロキシクマリン誘導体を放出する。光誘因プロ香料は、クマリン誘導体、及び香料アルコールを放出するエステルであってもよい。一態様では、プロ香料は米国特許出願第2006/0020459(A1)号に記載のジメトキシベンゾイン誘導体である。別の態様では、プロ香料は、電磁放射に曝露されるとアルコールを放出する3’,5’−ジメトキシベンゾイン(DMB)誘導体である。更なる別の態様では、プロ香料は、リナロール、テトラヒドロリナロール、又はジヒドロミルセノールなどの第3級アルコールを含む1以上の低ODTのPRMを放出する。好適なプロ香料並びにその製造方法は、米国特許第7,018,978(B2)号、同第6,987,084(B2)号、同第6,956,013(B2)号、同第6,861,402(B1)号、同第6,544,945(B1)号、同第6,093,691号、同第6,277,796(B1)号、同第6,165,953号、同第6,316,397(B1)号、同第6,437,150(B1)号、同第6,479,682(B1)号、同第6,096,918号、同第6,218,355(B1)号、同第6,133,228号、同第6,147,037号、同第7,109,153 B2号、同第7,071,151(B2)号、同第6,987,084(B2)号、同第6,610,646(B2)号、及び同第5,958,870号、並びに米国特許出願第2005/0003980(A1)号、及び同第2006/0223726(A1)号に見ることができる。
【0178】
a.)アミン反応生成物(ARP):本出願の目的において、ARPはPPの下位又はその種に分類されるものである。アミン官能基が1つ以上のPRMと予備反応してアミン反応生成物(ARP)を生成することから、「反応性」ポリマー性アミンという呼び方をすることもできる。一般に、反応性アミンは第1級、及び/又は第2級アミンであり、ポリマー又はモノマー(非ポリマー)の一部であり得る。こうしたARPは更なるPRMと混合することでポリマー支援型送達、及び/又はアミン支援型送達の効果を与えることも可能である。ポリマー性アミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン又はポリビニルアミン(PVAm)に基づいたポリマーが挙げられる。モノマー性(非ポリマー性)アミンの非限定的な例としては、2−アミノエタノール、及びこのアルキル置換誘導体などのヒドロキシルアミン、並びにアントラニレートなどの芳香族アミンが挙げられる。ARPは香料と予め混合してもよく、リーブオン又はリンスオフの用途では香料と別に添加してもよい。別の態様では、例えば酸素、硫黄、リン又はセレニウムなどの窒素以外のヘテロ原子を含む物質をアミン化合物の代わりに使用することができる。更なる別の態様では、上記の代替化合物をアミン化合物と組み合わせて使用することができる。更なる別の態様では、1個の分子がアミン部分と、例えばチオール、ホスフィン、及びセレノールなどの1個以上の代替ヘテロ原子部分とを有していてもよい。その効果としては、香料の送達が向上すること、及び香料の放出制御がある。好適なARP並びにその製造方法は、米国特許出願第2005/0003980(A1)号、及び米国特許第6,413,920(B1)号に見ることができる。
【0179】
漂白剤
本発明のフィラメントは、1種以上の漂白剤を含んでもよい。好適な漂白剤の非限定的な例には、ペルオキシ酸、過ホウ酸塩、過炭酸塩、クロリン漂白剤、酸素漂白剤、次亜ハロゲン酸漂白剤、漂白剤前駆体、漂白活性剤、漂白触媒、過酸化水素、漂白促進剤、光漂白剤、漂白性酵素、フリーラジカル開始剤、過酸素漂白剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0180】
本発明のフィラメントに含まれ得る1つ以上の漂白剤は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約1重量%〜約30重量%、及び/又は約5重量%〜約20重量%の濃度で含まれ得る。存在する場合には、漂白活性剤は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約60重量%、及び/又は約0.5重量%〜約40重量%の濃度で本発明のフィラメントに存在してもよい。
【0181】
漂白剤の非限定的な例には、酸素漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、過カルボン酸漂白剤及びそれらの塩、過酸素漂白剤、過硫酸塩漂白剤、過炭酸塩漂白剤、及びこれらの混合物が挙げられる。更に、漂白剤の非限定的な例は、米国特許第4,483,781号、米国特許出願第740,446号、欧州特許出願第0 133 354号、米国特許第4,412,934号、及び同第4,634,551号に開示されている。
【0182】
漂白活性剤の非限定的な例(例えばアシルラクタム活性剤)は、米国特許第4,915,854号、同第4,412,934号、同第4,634,551号、及び同第4,966,723号に開示されている。
【0183】
一実施例では、漂白剤は遷移金属漂白触媒を含んでもよく、これは封入されてもよい。遷移金属漂白触媒は、典型的には、例えばMn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Mn(V)、Fe(II)、Fe(III)、Fe(IV)、Co(I)、Co(II)、Co(III)、Ni(I)、Ni(II)、Ni(III)、Cu(I)、Cu(II)、Cu(III)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、Cr(VI)、V(III)、V(IV)、V(V)、Mo(IV)、Mo(V)、Mo(VI)、W(IV)、W(V)、W(VI)、Pd(II)、Ru(II)、Ru(III)、及びRu(IV)からなる群から選択される遷移金属からの遷移金属イオンを含む。一実施例では、遷移金属はMn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Fe(II)、Fe(III)、Cr(II)、Cr(III)、Cr(IV)、Cr(V)、及びCr(VI)からなる群から選択される。遷移金属漂白触媒は、典型的に配位子を、例えば架橋マクロ多環状配位子などのマクロ多環状配位子を含む。遷移金属イオンは、配位子で配位されてもよい。更に、配位子は、少なくとも4個の供与原子を含んでもよく、そのうちの少なくとも2個は、橋頭供与原子である。好適な遷移金属漂白触媒の非限定的な例は、米国特許第5,580,485号、同第4,430,243号、同第4,728,455号、同第5,246,621号、同第5,244,594号、同第5,284,944号、同第5,194,416号、同第5,246,612号、同第5,256,779号、同第5,280,117号、同第5,274,147号、同第5,153,161号、同第5,227,084号、同第5,114,606号、同第5,114,611号、欧州特許第549,271(A1)号、同第544,490(A1)号、同第549,272(A1)号、及び同第544,440(A2)号に記載されている。一実施例では、好適な繊維金属漂白触媒は、例えば米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒を含む。他の実施例では、好適なコバルト漂白触媒は、米国特許第5,597,936及び同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。更に他では、好適な遷移金属漂白触媒は、国際公開第05/042532(A1)号に記載のビスピドンなど配位子の遷移金属錯体を含む。
【0184】
酸素漂白剤以外の漂白剤もまた当該技術分野において既知であり、本明細書において使用することができる(例えばスルホン化亜鉛及び/又はアルミニウムフタロシアニンのような光活性化漂白剤(本明細書において援用するものである米国特許第4,033,718号)、及び/又は予備形成有機過酸、例えばペルオキシカルボン酸若しくはその塩、及び/又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩)。一実施例では、好適な有機過酸は、フタロイルイミドペルオキシカプロン酸又はその塩を含む。存在する場合には、光活性化による漂白開始剤(例えばスルホン化亜鉛フタロシアニン)を、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.025重量%〜約1.25重量%の濃度で本発明のフィラメントに存在してもよい。
【0185】
増白剤
当該技術分野において既知の任意の光学的な増白剤又は他の増白剤を、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約1.2重量%の濃度で本発明のフィラメントに組み込んでもよい。本発明に有用であり得る市販の光学的な増白剤は下位に分類することができ、これはスチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5−及び6−員−環の複素環、及び他の様々な剤の誘導体を含むが、必ずしもこれに限定されない。このような増白剤の実施例は「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik,John Wiley & Sons出版、New York(1982))に開示されている。本発明の組成物に有用である光学的な増白剤の具体的な非限定的な実施例は、米国特許第4,790,856号及び同第3,646,015号に特定されているものである。
【0186】
布地色相剤
本発明のフィラメントは布地色相剤を含んでもよい。好適な色相剤の非限定的な例には、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。適切な小分子染料としては、色指数分類(Colour Index(C.I.))において、ダイレクト・ブルー、ダイレクト・レッド、ダイレクト・バイオレット、アシッド・ブルー、アシッド・レッド、アシッド・バイオレット、ベーシック・ブルー、ベーシック・バイオレット及びベーシック・レッド、又はそれらの混合物に適合する染料からなる群から選ばれる小分子染料が挙げられる。別の実施例では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、Spartanburg,South Carolina,USA)の名称で市販されている布帛直接着色剤、並びに少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成される染料−ポリマー共役体からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)バイオレットCT、及びリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料で共役されているカルボキシメチルセルロース(CMC)(例えば、Megazyme(Wicklow,Ireland)からAZO−CM−CELLULOSEという商品名(製品コードS−ACMC)で市販されているC.I.リアクティブブルー19で共役されているCMCなど)、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0187】
有用な色相染料の非限定的な例には、米国特許第7,205,269号、同第7,208,459号、及び同第7,674,757(B2)号に見出されるものが挙げられる。例えば、布地色相染料は、トリアリールメタンブルー及びバイオレット塩基性染料、メチンブルー及びバイオレット塩基性染料、アントラキノンブルー及びバイオレット塩基性染料、アゾ染料塩基性ブルー16、塩基性ブルー65、塩基性ブルー66、塩基性ブルー67、塩基性ブルー71、塩基性ブルー159、塩基性バイオレット19、塩基性バイオレット35、塩基性バイオレット38、塩基性バイオレット48、オキサジン染料、塩基性ブルー3、塩基性ブルー75、塩基性ブルー95、塩基性ブルー122、塩基性ブルー124、塩基性ブルー141、ナイルブルーA及びキサンテン染料塩基性バイオレット10、アルコキシル化トリフェニルメタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェン(thiopene)ポリマー着色剤;チアゾリウム染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0188】
一実施例では、布地色送染料には、国際公開第08/87497(A1)号に見出される増白剤が挙げられる。これらの増白剤は以下の構造(I)によって特徴付けることができる:
【化5】
式中、R
1及びR
2は、以下から独立して選択され得る:
a)[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]
式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びそれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、式中、y≧1であり、式中、z=0〜5であり、
b)R
1=アルキル、アリール又はアリールアルキル、かつR
2=[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]
式中、R’はH、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びそれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びそれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5であり、
c)R
1=[CH
2CH
2(OR
3)CH
2OR
4]、及びR
2=[CH
2CH
2(OR
3)CH
2OR
4]
式中、R
3はH、(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
R
4は(C
1〜C
16)アルキル、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
d)R1及びR2はスチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル及びグリシジルヘキサデシルエーテルのアミノ付加生成物、から独立して選択することができ、更に、1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加するもの、から独立して選択することができる。
【0189】
他の実施例では、好適な増白剤は、以下の構造(II)によって特徴付けることができる:
【化6】
式中、R’はH、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”はH、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5である。
【0190】
更に他の実施例では、好適な増白剤は、以下の構造(III)によって特徴付けることができる:
【化7】
【0191】
この増白剤は一般に「バイオレットDD」と呼ばれている。バイオレットDDは典型的に合計5つのEO基を有する混合物である。この構造は、以下の表Iにおいて上記の「パートa」に示される以下のペンダント基の構造Iにおける以下の選択によって達成される。
【表1】
【0192】
有用な更なる増白剤は、米国特許出願第2008/34511(A1)号(Unilever)に記載されているものが挙げられる。一実施例では、増白剤は、「バイオレット13」を含む。
【0193】
移染防止剤
本発明のフィラメントは、染料が1つの布地から他へと、洗浄プロセス中に移動するのを防止する1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。一般に、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。使用される場合には、これらの剤は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約10重量%、及び/又は約0.01重量%〜約5重量%、及び/又は約0.05重量%〜約2重量%を占める。
【0194】
キレート剤
本発明のフィラメントは、1つ以上のキレート剤、例えば1つ以上の鉄及び/又はマンガン、及び/又は他の金属イオンキレート剤を含有してもよい。このようなキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。使用される場合には、これらのキレート剤は一般に、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約15重量%、及び/又は約0.1重量%〜約10重量%、及び/又は約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は約0.1重量%〜約3重量%を占める。
【0195】
キレート剤は、カルシウムイオンの過剰な結合により酵素安定性に悪影響を与えずに重金属(例えば、Fe)封鎖をもたらすように、当業者により選択され得る。本発明のキレート剤の非限定的な実施例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、及び米国特許出願第2009/0176684(A1)号に見出される。
【0196】
有用なキレート剤には、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)などの重金属キレート剤、及び/又はタイロンを含むがこれに限定されないカテコールが挙げられる。二重キレート剤系が使用される実施形態では、キレート剤はDTPA及びタイロンであってもよい。
【0197】
DTPAは以下のコア分子構造を有する:
【化8】
【0198】
1,2−ジヒドロキシベンゼン(diydroxybenzene)−3,5−ジスルホン酸としても既知であるタイロンは、カテコール族の1つであり、以下に示されたコア分子構造を有する:
【化9】
【0199】
他のスルホン化カテコールが有用である。ジスルホン酸に加えて、用語「タイロン」はまた酸のモノ−、又はジスルホネートの塩、例えば二ナトリウムスルホン酸塩を含んでもよく、これは同一のコア分子構造をジスルホン酸と共有する。
【0200】
本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族のキレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。一実施例では、キレート剤としては、HEDP(ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸);MGDA(メチルグリシン二酢酸);GLDA(グルタミン酸−N,N−アセト酢酸);及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0201】
理論によって束縛されることを意図しないが、これらの材料の利益は、一部において、溶解性キレートの形成によって洗浄溶液から重金属イオンを除去することができる例外的な能力によるものであり、他の利点には、無機フィルム又はスケール防止が挙げられる。本明細書で用いるのに好適な他のキレート剤は、市販されているDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto、DuPont、及びNalco,Inc.からのキレート剤である。
【0202】
キレート剤として有用なアミノホスホネートは、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン−ペンタアセテート、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。本発明のフィラメント中の総リンが少なくとも低濃度で許容される場合、アミノホスホネートも本発明の組成物におけるキレート剤として使用するのに好適であり、それにはエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。一実施例において、これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。多官能置換された芳香族キレート剤も、本明細書の組成物中で有用である。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。この種の化合物の非限定的な例は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0203】
一実施例では、生分解性キレート剤は、エチレンジアミンジサクシネート(「EDDS」)、例えば米国特許第4,704,233号に記載されている[S,S]異性体を含む。EDDSの三ナトリウム塩が使用されてもよい。他の実施例では、EDDSのマグネシウム塩もまた使用されてもよい。
【0204】
1つ以上のキレート剤を、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.2重量%〜約0.7重量%、及び/又は約0.3重量%〜約0.6重量%の濃度で本発明のフィラメントに存在してもよい。
【0205】
抑泡剤
泡の形成を低減又は抑制するための化合物は、本発明のフィラメント中に組み込まれてもよい。泡抑制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、並びにフロント・ローディング方式の洗濯機において、特に重要なものとなり得る。
【0206】
抑泡剤として多種多様な材料を使用してよく、抑泡剤は当業者には周知である。例えば、「Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」(Third Edition,Volume 7,pages 430〜447(John Wiley & Sons,Inc.,1979))を参照のこと。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素、例えばパラフィン、脂肪酸エステル(例えば脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C
18〜C
40ケトン(例えばステアロン(stearone))、N−アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃以下の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、及び第2級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び同第4,798,679号、同第4,075,118号、欧州特許出願第89307851.9号、欧州特許第150,872号、並びにDOS 2,124,526号に記載されている。
【0207】
自動洗濯機に使用するよう設計されている、本発明のフィラメント及び/又はこのようなフィラメントを含む不織布の場合、洗濯機からあふれ出る程の泡が形成されるべきではない。抑泡剤は、使用されるとき、好ましくは泡抑制量において存在する。「泡抑制量」によって、組成物の配合者は、泡を十分に制御して、自動洗濯機での使用のための低気泡洗濯洗浄材となる、この泡制御剤の量を選択することができる。
【0208】
本明細書では、フィラメントは、一般に、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、0重量%〜約10重量%の抑泡剤を含む。抑泡剤として使用されるとき、例えば、モノカルボン脂肪酸、及びそれらの塩は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、最大約5重量%、及び/又は約0.5重量%〜約3重量%の量で存在し得る。使用されるとき、シリコーン抑泡剤は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、最高約2.0重量%までの濃度でフィラメントに使用されるが、より高濃度で使用されてもよい。使用されるとき、モノステアリルホスフェート抑泡剤は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約2重量%の濃度でフィラメントに使用される。使用されるとき、炭化水素系抑泡剤は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約5.0重量%の濃度でフィラメントに使用されるが、より高濃度で使用されてもよい。使用されるとき、アルコール抑泡剤は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.2重量%〜約3重量%の濃度でフィラメントに使用される。
【0209】
泡促進剤
高い泡立ちが望まれる場合、泡促進剤、例えばC
10〜C
16アルカノールアミドを、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、0重量%〜約10重量%、及び/又は約1重量%〜約10重量%の濃度でフィラメント中に組み込んでもよい。C
10〜C
14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような泡促進剤の典型的な部類を示す。上述のアミンオキシド、ベタイン及びスルタインのような高起泡補助界面活性剤を含む泡促進剤を使用することも有益である。所望される場合には、水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩、例えばMgCl
2、MgSO
4、CaCl
2、CaSO
4及びこれらに類するものを、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約2重量%の濃度でフィラメントに添加して、更なる泡立ちをもたらしてもよい。
【0210】
柔軟化剤
1つ以上の柔軟剤がフィラメント中に存在してもよい。好適な柔軟剤の非限定的な例には、エステル第4級アンモニウム化合物、シリコーン(例えばポリシロキサン)、粘土(例えばスメクタイト粘土)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0211】
一実施例では、柔軟剤は布地柔軟剤を含む。布地柔軟剤の非限定的な例には、微細なスメクタイト粘土、例えば米国特許第4,062,647号に記載されているようなもの、及び当該技術分野における他の布地柔軟剤が挙げられる。存在する場合には、布地柔軟剤は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.5重量%〜約10重量%、及び/又は約0.5重量%〜約5重量%の濃度で本発明のフィラメントに存在してもよい。布地柔軟粘土は、アミン及び/又はカチオン性柔軟剤、例えば米国特許第4,375,416号及び同第4,291,071号に記載ものなどと組み合わせ使用されてもよい。カチオン性柔軟剤はまた、布地柔軟粘土を含まずに使用されてもよい。
【0212】
コンディショニング剤
本発明のフィラメントは、1つ以上のコンディショニング剤、例えば高融点脂肪族化合物を含んでもよい。高融点脂肪族化合物は、約25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。低融点(25℃未満)を呈するこのような脂肪族化合物は、コンディショニング剤として含有させることを意図されていない。高融点脂肪族化合物の非限定的な例は、「International Cosmetic Ingredient Dictionary」(Fifth Edition,1993)及び「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」(Second Edition,1992)に見出される。
【0213】
1つ以上の高融点脂肪族化合物を、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約40重量%、及び/又は約1重量%〜約30重量%、及び/又は1.5重量%〜約16重量%、及び/又は約1.5重量%〜約8重量%の濃度で、本発明のフィラメントに含有させてもよい。コンディショニング剤は、濡れた毛髪及び/又は布地に適用している間のツルツル感、並びに乾いた毛髪及び/又は布地上の柔らかさ及び/又はしっとり感などのコンディショニング効果を提供し得る。
【0214】
本発明のフィラメントは、コンディショニング剤としてカチオン性ポリマーを含有し得る。存在する場合、フィラメント中のカチオン性ポリマーの濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、典型的には、約0.05重量%〜約3重量%、及び/又は約0.075重量%〜約2.0重量%、及び/又は約0.1重量%〜約1.0重量%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーの非限定的な例は、約3〜9、及び/又は約4〜約8のpHにおいて、少なくとも0.5meq/g、及び/又は少なくとも0.9meq/g、及び/又は少なくとも1.2meq/g、及び/又は少なくとも1.5meq/gのカチオン性電荷密度を有し得る。一実施例では、コンディショニング剤として好適なカチオン性ポリマーは、約3〜約9及び/又は約4〜約8のpHにおいて、7meq/g未満、及び/又は5meq/g未満のカチオン性荷電密度を有し得る。本明細書においてポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対する、ポリマー上の正電荷数の比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの重量平均分子量は一般に、約10,000〜10,000,000であり、一実施形態では、約50,000〜約5,000,000であり、別の実施形態では、約100,000〜約3,000,000である。
【0215】
本発明のフィラメントに使用するのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム及び/又はカチオン性窒素含有部分のようなカチオン性プロトン化アミノ部分を含有してもよい。カチオン性ポリマーに関連して、任意のアニオン性対イオンが使用されてもよいが、そのカチオン性ポリマーが、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また、その対イオンが、フィラメントの他の組成物と物理的及び化学的に適合性があり、そうでなければフィラメントの性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。このような対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0216】
そのようなカチオン性ポリマーの非限定的な例は、「CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary」、3rd edition、Estrin、Crosley及びHaynes編集、(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.(1982))に記載されている。
【0217】
本発明のフィラメント中で使用するための他の好適なカチオン性ポリマーには、カチオン性多糖ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、四級窒素含有セルロースエーテル、カチオン性合成ポリマー、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのカチオン性コポリマーが挙げられる。使用されるとき、本明細書に記載のカチオン性ポリマーは水中で可溶性である。更に、本発明のフィラメントでの使用に好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願第2007/0207109(A1)号に記載されており、これは全て本明細書において援用するものである。
【0218】
本発明のフィラメントは、コンディショニング剤として非イオン性ポリマーを含んでもよい。本発明においては約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが有用である。以下の一般式を有するものが有用である:
【化10】
式中、R
95はH、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0219】
シリコーンはコンディショニング剤としてフィラメント中に含まれてもよい。コンディショニング剤として有用なシリコーンは、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又はさもなければ本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散した粒子を形成するコンディショニング剤である。これらのコンディショニング剤は、物理的及び化学的に組成物の必須成分と適合すべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0220】
フィラメント中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニングの利点を提供するのに十分であり得る。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均粒径、その他の構成成分の種類及び濃度、並びにその他の同様の要因により様々であり得る。
【0221】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約10重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーンのための任意の懸濁化剤の非限定的な例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、同第5,106,609号、同第4,152,416号、同第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、同第6,607,717号、同第6,482,969号、同第5,807,956号、同第5,981,681号、同第6,207,782号、同第7,465,439号、同第7,041,767号、同第7,217,777号、米国特許出願第2007/0286837(A1)号、同第2005/0048549(A1)号、同第2007/0041929(A1)号、英国特許第849,433号、ドイツ特許第10036533号(これらは全て本明細書において援用される)、「Chemistry and Technology of Silicones」(New York:Academic Press(1968))、General
Electricのシリコーンゴム製品データシートSE 30、SE 33、SE 54、及びSE 76、Silicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)、並びに「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989))に記載されている。
【0222】
一実施例では、本発明のフィラメントはまた、コンディショニング剤として、単独で又はシリコーン(本明細書に記載)などの他のコンディショニング剤と組み合わせて、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.05重量%〜約3重量%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを含んでもよい。好適なコンディショニングオイルには、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステルが挙げられる。Procter & Gamble Companyの米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号に記載のコンディショニング剤も、本明細書の組成物における使用に好適である。米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217,914号、同第4,381,919号、及び同第4,422,853号に記載されているコンディショニング剤もまた本明細書での使用に好適である。これらは全て本明細書に組み込まれている。
【0223】
保湿剤
本発明のフィラメントは、1つ以上の湿潤剤を含有してもよい。本明細書における保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオンポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される。使用するとき、保湿剤は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約20重量%、及び/又は約0.5重量%〜約5重量%の濃度で本発明のフィラメント中に存在してもよい。
【0224】
懸濁剤
本発明のフィラメントは、非水溶性物質を組成物中に分散させた形態で懸濁するために、又は組成物の粘度を変性するために有効な濃度で、懸濁剤を更に含んでもよい。このような懸濁剤の濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.1重量%〜約10重量%、及び/又は約0.3重量%〜約5.0重量%の範囲である。
【0225】
好適な懸濁剤の非限定的な例には、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマー(例、ビニルポリマー、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物、脂肪酸のアルカノールアミド、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル、グリセリルエステル、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪アルキル部分を有する一級アミン、少なくとも約12個の炭素原子をそれぞれ有する2つの脂肪アルキル部分を有する二級アミン)が挙げられる。懸濁剤の例は、米国特許第4,741,855号に記載されている。
【0226】
酵素
1つ以上の酵素が本発明のフィラメント中に存在してもよい。好適な酵素の非限定的な例としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ケラタナーゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(penosanase)、マラナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ(chrondroitinases)、ラッカーゼ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0227】
酵素は、基材からタンパク質系、炭水化物系、若しくはトリグリセリド系の染みの除去、布地の洗濯の際に遊離する染料による移染の防止、及び布地の修復が挙げられるがこれらに限定されない種々多様な目的のために、本発明のフィラメント内に含有させることができる。一実施例では、本発明のフィラメントには、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母などの任意の好適な資源由来のプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が含まれ得る。使用される酵素の選択は、pH活性及び/又は安定性最適条件、熱安定性、及びフィラメント中に存在する活性剤のような他の添加剤(例えばビルダー)への安定性などの要因によって影響を受ける。一実施例では、酵素は細菌酵素(例えば、細菌アミラーゼ及び/又は細菌プロテアーゼ)、真菌酵素(例えば、真菌セルラーゼ)、及びこれらの混合物から選択される。
【0228】
本発明のフィラメントに存在するとき、酵素は「洗浄に有効な量」を提供するのに十分な濃度で存在し得る。用語「洗浄に有効な量」は、基材、例えば、布地、食器類などに対して、洗浄、染み除去、汚れ除去、増白、脱臭、又は清新感改善効果を生み出すことが可能な量を指す。現在の商業的製剤に関する実際の問題として、活性酵素の典型的な量は、本発明のフィラメント及び/又は繊維1グラム当たり、重量で最高約5mgまで、更に典型的には、0.01mg〜3mgである。特に、本発明のフィラメントは、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.001重量%〜約5重量%、及び/又は約0.01重量%〜約3重量%、及び/又は約0.01重量%〜約1重量%を構成する。
【0229】
フィラメント及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムが製造された後に、1つ以上の酵素は、フィラメント、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムに適用されてもよい。
【0230】
酵素物質の範囲及び本発明のフィラメント形成組成物(これは合成潜在組成物でもあり得る)への酵素物質を組み込む手段は、国際公開第9307263(A)号、同第9307260(A)号、同第8908694(A)号、米国特許第3,553,139号、同第4,101,457号、及び同第4,507,219号に開示されている。
【0231】
酵素安定剤系
酵素が本発明のフィラメント及び/又は繊維内に存在するとき、酵素安定剤系もまた、フィラメント中に含まれてもよい。酵素は様々な技法によって安定化させることができる。酵素安定化技法の非限定的な例は、米国特許第3,600,319号及び同第3,519,570号、欧州特許第199,405号、同第200,586号、及び国際公開第9401532(A)号に開示され、例示されている。
【0232】
一実施例では、酵素安定系はカルシウム及び/又はマグネシウムイオンを含んでもよい。
【0233】
酵素安定系は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.001重量%〜約10重量%、及び/又は約0.005重量%〜約8重量%、及び/又は約0.01重量%〜約6重量%の濃度で本発明のフィラメントに含まれてもよい。この酵素安定系は、フィラメント中に存在する酵素と適合性である任意の安定系であり得る。このような酵素安定系は、他の配合活性物質により固有に提供されてよく、又は、例えば酵素の配合者若しくは製造者によって別個に添加されてもよい。このような酵素安定系は、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、及びこれらの混合物を含んでもよく、異なる安定化問題に対処するように設計される。
【0234】
ビルダー
本発明のフィラメントは、1種以上のビルダーを含んでもよい。好適なビルダーの非限定的な例には、ゼオライトビルダー、アルミノケイ酸塩ビルダー、シリケートビルダー、ホスフェートビルダー、クエン酸、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、ニトリロトリアセテート、ポリアクリレート、アクリレート/マレエートコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0235】
一実施例では、アルミノケイ酸塩、ケイ酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択されるビルダーは、本発明のフィラメント中に含まれ得る。ビルダーは洗浄水中の鉱物、特にカルシウム及び/若しくはマグネシウムの硬度制御するために、微粒子の汚れを表面から除去するのを促進するために、フィラメント中に含まれてもよい。また、本明細書で使用するのに好適なのは、以下の一般式I:x(M
2O)・ySiO
2・zM’Oの無水物の形態によって表される鎖構造及び組成物を有する、合成した結晶性イオン交換物質、又はその水和物であり、式中MはNa及び/又はK、M’はCa及び/又はMgであり、y/xは、0.5〜2.0であり、z/xは、米国特許第5,427,711号にて教示されているように0.005〜1.0である。
【0236】
フィラメント中に含まれ得る他の好適なビルダーの非限定的な例には、リン酸塩及びポリリン酸塩、例えばその炭酸ナトリウム、炭素塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム若しくはセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物、有機モノ−、ジ、トリ−及びテトラカルボキシレート、例えば、酸、ナトリウム、カリウム若しくはアルカノールアンモニウム塩中の水溶性非界面活性剤活性カルボン酸塩、並びに脂肪族及び芳香族タイプを含む、オリゴマーの若しくは水溶性の低分子量ポリマーカルボン酸塩が挙げられる。これらのビルダーは、例えばpHを緩衝する目的でホウ酸塩によって、又は硫酸塩、例えば硫酸ナトリウムによって、並びに、安定した界面活性剤及び/又は本発明のフィラメントを含有するビルダーの設計に重要であり得るいずれか他のフィルタ若しくは担体によって補足されてもよい。
【0237】
更に他のビルダーは、ポリカルボン酸塩、例えばアクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸のコポリマー、並びに様々なタイプの追加の官能基を備える他の好適なエチレンモノマーから選択されてもよい。
【0238】
ビルダー濃度は、最終用途によって大きく異なってもよい。一実施例では、本発明のフィラメントは、乾燥フィラメントベースで少なくとも1重量%、及び/又は約1重量%〜約30重量%、及び/又は約1重量%〜約20重量%、及び/又は約1重量%〜約10重量%、及び/又は約2重量%〜約5重量%の1つ以上のビルダーを含んでもよい。
【0239】
粘土汚れ除去/再付着防止剤
本発明のフィラメントは、粘土汚れ除去及び再付着防止特性を有する水溶性エトキシル化アミンを含有してもよい。このような水溶性エトキシル化アミンは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約10.0重量%、及び/又は約0.01重量%〜約7重量%、及び/又は0.1重量%〜約5重量%の濃度の1つ以上の水溶性エトキシル化アミンとして、本発明のフィラメント中に存在してもよい。好適な粘土汚れ除去及び再付着防止の非限定的な例は、米国特許第4,597,898号、同第548,744号、同第4,891,160号、欧州特許出願第111,965号、同第111,984号、同第112,592号、及び国際公開第95/32272号に記載されている。
【0240】
ポリマー汚れ剥離剤
本発明のフィラメントは、ポリマー汚れ剥離剤(以下「SRA」)を含有してもよい。採用される場合には、SRAは一般的に乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.01重量%〜約10.0重量%、及び/又は約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は約0.2重量%〜約3.0重量%を構成する。
【0241】
SRAは、典型的に、ポリエステル及びナイロンなどの疎水性繊維の表面を親水化するための親水性部分と、疎水性繊維上に付着して、洗浄及びすすぎサイクルの完了までその上に付着し続けて、親水性部分のためのアンカーとして機能する疎水性部分とを有する。これによって、後の洗浄手順で、SRAでの処置の後に浮かび上がるシミをより容易に落とすことができるようになる。
【0242】
SRAは、例えば種々の荷電性の、例えば、アニオン性又は更にはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含むことができ、構造は直鎖、分枝鎖、又は更には星状であってもよい。これらは、分子量を制御すること、又は物理的特性若しくは界面活性の特性を変化させることに特に有効である末端保護部分を含んでもよい。構造及び電荷分布は、異なる繊維又は生地の種類への適用に合わせて、又は様々な洗剤又は洗剤添加製品に向けて、調整することができる。SRAの非限定的な例は、米国特許第4,968,451号、同第4,711,730号、同第4,721,580号、同第4,702,857号、同第4,877,896号、同第3,959,230号、同第3,893,929号、同第4,000,093号、同第5,415,807号、同第4,201,824号、同第4,240,918号、同第4,525,524号、同第4,201,824号、同第4,579,681号、及び同第4,787,989号、欧州特許出願0 219 048号、同第279,134(A)号、同第457,205(A)号、並びにドイツ特許第2,335,044号に記載されている。
【0243】
ポリマー分散剤
ポリマー分散剤は、有利なことに、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、特にゼオライト及び/又は層状のケイ酸ビルダーの存在下で、約0.1重量%〜約7重量%、及び/又は約0.1重量%〜約5重量%、及び/又は0.5重量%〜約4重量%の濃度で、本発明のフィラメントに使用することができる。好適なポリマー分散剤は、ポリマーポリカルボン酸塩及びポリエチレングリコールを含んでもよいが、当該技術分野において既知の他のものもまた使用することができる。例えば、多種多様の修飾された若しくは非修飾のポリアクリレート、ポリアクリレート/メタクリレート(mealeates)、又はポリアクリレート/メタクリレートが高度に有用である。理論に束縛されることを意図していないが、ポリマー分散剤は、他のビルダー(低分子量ポリカルボン酸を含む)と組み合わせて使用されたときに、結晶成長防止、粒子状の汚れ放出解膠、及び再付着防止によって、全体の洗剤ビルダーの性能を促進する。ポリマー分散剤の非限定的な例は、米国特許第3,308,067号、欧州特許出願第66915号、欧州特許第193,360号、及び同第193,360号に見出される。
【0244】
アルコキシル化ポリアミンポリマー
アルコキシル化ポリアミンは、汚れ懸濁、油脂洗浄、及び/又は粒子洗浄のために本発明のフィラメント中に含まれてもよい。このようなアルコキシル化ポリアミンは、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びその硫酸化バージョンが挙げられるがこれらに限定されない。ポリアミンのポリプロポキシル化誘導体も、本発明のフィラメントに含まれてもよい。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いまでアルコキシル化されてもよく、任意に更に修飾されて上記の利点をもたらすことができる。有用な実施例は、600g/モルポリエチレンイミンの、NH当たり20 EO基までコアエトキシル化されており、BASFより入手可能である。
【0245】
アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー
ポリアクリレートから調製されたものなどアルコキシル化ポリカルボン酸塩は、更なる油脂除去性能を提供するために、本発明のフィラメント中に含まれてもよい。このような材料は国際公開第91/08281号及びPCT 90/01815号に記載されている。化学的に、これらの材料は、7〜8のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3であり、mは2〜3であり、nは6〜12である。側鎖はポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマータイプの構造を提供する。分子量は通常は約2000〜約50,000の範囲内で変動し得る。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、約0.05重量%〜約10重量%を構成し得る。
【0246】
両親媒性グラフトコポリマー
本発明のフィラメントは1つ以上の両親媒性グラフトコポリマーを含み得る。好適な両親媒性グラフトコポリマーの例は、(i)ポリエチレングリコール主鎖、及び(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分を含む。市販されているグラフトコポリマーはBASFから供給されているSokalan HP22である。
【0247】
溶解助剤
場合により形成し得る不溶性若しくは可溶性の劣る界面活性剤の形成を軽減させるために、40%を超える界面活性剤活性剤をフィラメントが含有する場合、又は界面活性剤を冷水中で使用する場合、本発明のフィラメントには、溶解を促進するために溶解助剤を組み込んでもよい。溶解助剤の非限定的な例には、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムが挙げられる。
【0248】
緩衝系
本発明のフィラメントは、水性洗浄操作(例えば服若しくは食器の洗浄)における使用中に、洗浄水は約5.0から約12の間、及び/又は約7.0から10.5の間のpHを有するように、配合されてもよい。食器洗浄の操作の場合では、洗浄水は典型的に約6.8から約9.0の間である。衣類の洗浄の場合では、洗浄水のpHは典型的に7から11の間である。推奨される使用量でのpHを制御する技術には、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用を含み、当業者には周知である。これらは、炭酸ナトリウム、クエン酸、若しくはクエン酸ナトリウム、モノエタノールアミン若しくは他のアミン、ホウ酸若しくはホウ酸塩、並びに当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用を含む。
【0249】
「低pH」洗剤組成物として有用なフィラメントは、本発明に含まれ、本発明の界面活性剤系に特に好適であり、使用中に8.5未満、及び/又は8.0未満、及び/又は7.0未満、及び/又は7.0未満、及び/又は5.5未満、及び/又は約5.0未満のpH値を提供することができる。
【0250】
動的な洗浄中のpHプロファイルは本発明に含まれる。このようなフィラメントには、例えば(i)洗浄液のpHが水との接触後3分の時点で10より大きく、(ii)洗浄液のpHが水との接触後10分の時点で9.5未満であり、(iii)洗浄液のpHが水との接触後20分の時点9.0未満であり、(iv)任意に洗浄液のpH均衡は7.0より高く8.5までであるように、他のpH制御剤と併せて、ワックスが被覆されたクエン酸粒子を使用してもよい。
【0251】
活性剤の放出
1つ以上の活性剤は、フィラメントが誘因条件に曝されたときにフィラメントから放出され得る。一実施例では、1つ以上の活性剤は、フィラメント又はフィラメントの一部がその自己同一性、すなわちその物理的構造を失ったときに、フィラメントから、又はフィラメントの一部から放出され得る。例えば、フィラメント形成材料が溶解した、溶融した、又はフィラメント構造が失われるような変形工程を経たときに、フィラメントはその物理的構造を失う。一実施例では、1つ以上の活性剤は、フィラメントの形態が変化した際に、フィラメントから放出される。
【0252】
別の実施例では、1つ以上の活性剤は、フィラメント又はフィラメントの一部がその自己同一性、すなわちその物理的構造を変えたときに(物理的構造を失うのではなく)、フィラメントから、又はフィラメントの一部から放出され得る。例えば、フィラメントは、フィラメント形成材料が膨張したとき、収縮したとき、延びたとき(lenthen)、及び/又は短くなったときに、その物理的構造を変えるが、そのフィラメント形成特性は保持する。
【0253】
別の実施例では、1つ以上の活性剤は、そのフィラメントの形態を変えることなく(その物理的構造を失わせることなく、又はこれを変えることなく)、フィラメントから放出され得る。
【0254】
一実施例では、フィラメントは、例えば上記のとおり、フィラメントにその自己同一性を失わせる、又は変えさせることによって、フィラメントが活性剤の放出となる誘因条件に曝されると、活性剤を放出し得る。誘因条件の非限定的な例としては、フィラメントを溶媒、極性溶媒(例えばアルコール及び/又は水)及び/又は非極性溶媒に曝すこと(これは、フィラメント形成材料が極性溶媒可溶性材料及び/又は非極性溶媒可溶性材料を含むか否かによって、連続的であってもよい)、フィラメントを熱、例えば24℃(75°F)超及び/又は38℃(100°F)超及び/又は66℃(150°F)超及び/又は93℃(200°F)超及び/又は100℃(212°F)の温度に曝すこと、フィラメントを低温、例えば4℃(40°F)未満の、及び/又は0℃(32°F)未満の、−18℃(0°F)未満の温度に曝すこと、力、例えば消費者によってフィラメントが使用される際にフィラメントに適用される延伸力などの力に曝すこと、及び/又はフィラメントを化学反応に曝すこと、フィラメントを相変化を生じる条件に曝すこと、フィラメントをpH変化及び/又は圧力変化及び/又は温度変化に曝すこと、フィラメントが1つ以上の活性剤を放出することになる1つ以上の化学物質にフィラメントを曝すこと、フィラメントを超音波に曝すこと、フィラメントを光及び/又は特定の波長に曝すこと、フィラメントを異なるイオン強度に曝すこと、並びに/又はフィラメントを、別のフィラメントから放出された活性剤に曝すことが挙げられる。
【0255】
一実施例では、1つ以上の活性剤は、フィラメントを含む不織布ウェブが、布地物品上の染みを、不織布ウェブで事前に処理すること、不織布ウェブを水と接触させることによって洗浄溶液を形成すること、乾燥機内で不織布ウェブを回転させること、乾燥機内で不織布ウェブを加熱すること、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される誘因工程に供されたときに、本発明のフィラメントから放出され得る。
【0256】
フィラメント形成組成物
本発明のフィラメントはフィラメント形成組成物から作製される。フィラメント形成組成物は極性溶媒系組成物である。一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の活性剤を含む水溶性組成物である。
【0257】
本発明のフィラメント形成組成物は、本明細書に記載の剪断粘度試験方法により測定した場合に、3,000秒
−1の剪断速度及び処理温度(50℃〜100℃)において、約1パスカル秒〜約25パスカル秒、及び/又は約2パスカル秒〜約20パスカル秒、及び/又は約3パスカル秒〜約10パスカル秒の剪断粘度を有してもよい。
【0258】
フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物からフィラメントを製造するとき、約50℃〜約100℃、及び/又は約65℃〜約95℃、及び/又は約70℃〜約90℃の温度で処理されてもよい。
【0259】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも20重量%、及び/又は少なくとも30重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%〜約90重量%まで、及び/又は約85重量%まで、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約75重量%までの1つ以上のフィラメント形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。フィラメント形成組成物は、約10重量%〜約80%の極性溶媒、例えば水を含んでもよい。
【0260】
フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物がヒドロキシルポリマー繊維に有効にポリマー加工され得るように、少なくとも1、及び/又は少なくとも3、及び/又は少なくとも5の毛管数を示してもよい。
【0261】
毛管数は、この液滴の破断の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。大きい毛管数は、ダイを出る際の流体安定性がより大きいことを示す。毛管数は以下のように定義される:
【数1】
Vは、ダイ出口での流体粘度であり(時間当たりの長さの単位)、
ηは、ダイの条件での流体粘度(長さ当たりの質量の単位
*時間)であり、 σは流体の表面張力(時間
2当たりの質量の単位)である。速度、粘度及び表面張力が一連の一貫した単位で表されるとき、結果として得られる毛管数はそれ自身の単位を持たず、個々の単位は相殺される。
【0262】
毛管数はダイの出口での状態に対して定義される。流体速度は、ダイ開口部を通過する流体の平均速度である。平均速度は以下のように定義される。
【数2】
Vol’=体積流量(時間当たりの長さ
3の単位)であり、
面積=ダイ出口の断面積(長さ
2の単位)である。
【0263】
ダイ開口部が円形の穴である場合、流体速度は以下のように定義することができる
【数3】
Rは円形の穴の半径(長さの単位)である。
【0264】
流体粘度は温度に依存し、及び剪断速度に依存する場合がある。ずり減粘流体の定義は、剪断速度への依存を包含する。表面張力は、流体の構成及び流体の温度に依存する。
【0265】
紡糸プロセスでは、ダイを出るときにフィラメントは初期安定性を有する必要がある。毛管数は、この初期安定性基準を特徴付けるために使用される。ダイの状態では、毛管数は1を超える、及び/又は4を超える必要がある。
【0266】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも1から約50まで、及び/又は少なくとも3から約50まで、及び/又は少なくとも5から約30までの毛管数を示す。
【0267】
本発明のフィラメント形成組成物は、3,000秒
−1の剪断速度及び処理温度(50℃〜100℃)において、約1パスカル秒〜約25パスカル秒、及び/又は約2パスカル秒〜約20パスカル秒の、及び/又は約3パスカル秒〜約10パスカル秒までの剪断粘度を有してもよい。
【0268】
フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物から繊維を製造するとき、約50℃〜約100℃、及び/又は約65℃〜約95℃、及び/又は約70℃〜約90℃の温度にて処理され得る。
【0269】
一実施例では、紡糸組成物の不揮発性成分は、約20%から、及び/又は約30%から、及び/又は40%から、及び/又は45%から、及び/又は50%から約75%までの、及び/又は80%までの及び/又は85%までの、及び/又は90%までを構成してもよい。不揮発性成分は、主鎖ポリマー、活性剤、及びこれらの組み合わせなど、フィラメント形成組成物から構成されてもよい。紡糸組成物の揮発性成分は、残りの割合を含み、10%〜80%の範囲である。
【0270】
フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物がヒドロキシルポリマー繊維に有効にポリマー加工され得るように、少なくとも1、及び/又は少なくとも3、及び/又は少なくとも5の毛管数を示してもよい。
【0271】
毛管数は、この液滴の破断の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。大きい毛管数は、ダイを出る際の流体安定性がより大きいことを示す。毛管数は以下のように定義される:
【数4】
Vは、ダイ出口での流体粘度であり(時間当たりの長さの単位)、
ηは、ダイの条件での流体粘度(長さ当たりの質量の単位
*時間)であり、 σは流体の表面張力(時間
2当たりの質量の単位)である。速度、粘度及び表面張力が一連の一貫した単位で表されるとき、結果として得られる毛管数はそれ自身の単位を持たず、個々の単位は相殺される。
【0272】
毛管数はダイの出口での状態に対して定義される。流体速度は、ダイ開口部を通過する流体の平均速度である。平均速度は以下のように定義される。
【数5】
Vol’=体積流量(時間当たりの長さ
3の単位)であり、
面積=ダイ出口の断面積(長さ
2の単位)である。
【0273】
ダイ開口部が円形の穴である場合、流体速度は以下のように定義することができる
【数6】
Rは円形の穴の半径(長さの単位)である。
【0274】
流体粘度は温度に依存し、及び剪断速度に依存する場合がある。ずり減粘流体の定義は、剪断速度への依存を包含する。表面張力は、流体の構成及び流体の温度に依存する。
【0275】
フィラメント紡糸プロセスでは、ダイを出るときにフィラメントは初期安定性を有する必要がある。毛管数は、この初期安定性基準を特徴付けるために使用される。ダイの状態では、毛管数は1を超える、及び/又は4を超える必要がある。
【0276】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも1から約50まで、及び/又は少なくとも3から約50まで、及び/又は少なくとも5から約30までの毛管数を示す。
【0277】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤を含み得る。好適な剥離剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例には、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪酸アミンアセテート、及び脂肪酸アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0278】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定的な例としては、デンプン、修飾デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられる。
【0279】
本発明の活性剤は、フィラメント形成前に及び/又はフィラメント形成中にフィラメント形成組成物に添加されてもよく、並びに/又はフィラメント面形成後にフィラメントに添加されてもよい。例えば、香料活性剤は、本発明によってフィラメント及び/又は不織布ウェブが形成された後にフィラメントを含むフィラメント及び/又は不織布に添加されてもよい。他の実施例では、酵素活性剤は、本発明によるフィラメント及び/又は不織布ウェブが形成された後にフィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布に添加されてもよい。更に他の実施例では、フィラメント形成のための紡糸プロセスを通過させるのに適していない場合がある1つ以上の粒子活性剤、例えば1つ以上の摂取可能な活性剤(次サリチル酸ビスマスなど)は本発明によりフィラメント及び/又は不織布ウェブが形成された後に、フィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布に適用されてもよい。
【0280】
伸長助剤
一実施例では、フィラメントは伸張助剤を含む。伸長助剤の非限定的な例には、ポリマー、他の伸長助剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0281】
一実施例では、伸長助剤は、少なくとも約500,000Daの重量平均分子量を有する。他の実施例では、伸長助剤の重量平均分子量は、約500,000〜約25,000,000、他の実施例では、約800,000〜約22,000,000、他の実施例では約1,000,000〜約20,000,000、及び他の実施例では、約2,000,000〜約15,000,000である。高分子量の伸長助剤は、伸長融解粘度を増加させ、かつ融解破壊を低減する能力のために、本発明のいくつかの実施例では好ましい。
【0282】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用されるとき、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維が溶融紡糸されるように、紡糸プロセス中の繊維の融解破壊と毛管破壊を明らかに低減させるのに効果的である量で本発明の組成物に添加される。フィラメントを製造するのに採用されるプロセスにかかわらず、伸長助剤は、使用されるとき、一実施例では乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により約0.001重量%〜約10重量%、別の実施例では乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により約0.005重量%〜約5重量%、更に別の実施例では乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により約0.01重量%〜約1重量%、別の実施例では乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により約0.05重量%〜約0.5重量%で存在させることができる。
【0283】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントガム、イナゴマメゴム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、アルカルボキシアルキルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0284】
他の伸長助剤の非限定例には、カルボキシル修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニールアルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0285】
フィラメントを作製する方法
本発明のフィラメントは、あらゆる好適なプロセスによって作製することができる。フィラメントを作製するための好適なプロセスの非限定的な例は以下に記載される。
【0286】
一実施例では、本発明によるフィラメントを作製するためのプロセスは、
a.1つ以上のフィラメント形成材料と、1つ以上の活性剤と、を含むフィラメント形成組成物を提供する工程と、
b.フィラメント形成組成物を、1つ以上のフィラメント形成材料と、目的用途の条件に曝されたときにフィラメントから放出可能である1つ以上の活性剤と、を含む1つ以上のフィラメントに紡糸する工程と、を含み、ここで、フィラメント中に存在する1つ以上のフィラメント形成材料の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、65重量%未満及び/又は50重量%以下であり、フィラメント中に存在する1つ以上の活性剤の合計濃度は、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、35重量%超及び/又は50重量%以上である。
【0287】
一実施例では、紡糸工程中に、フィラメント形成組成物内の任意の揮発性溶媒(例えば水)は、フィラメントが形成されるときに、例えば乾燥によって除去される。一実施例では、30重量%を超える、及び/又は40重量%を超える、及び/又は50重量%超えるフィラメント形成組成物の揮発性溶媒(例えば水)は、紡糸工程中に、例えば製造されるフィラメントを乾燥させることによって除去される。
【0288】
フィラメント形成組成物から作製されるフィラメントが、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、フィラメント中に約5重量%から50重量%以下の合計濃度のフィラメント形成組成物と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、フィラメント中に50重量%から約95重量%までの合計濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な合計濃度のフィラメント形成組成物と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよい。
【0289】
一実施例では、フィラメント形成組成物から作製されるフィラメントが、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、フィラメント中に約5重量%から50重量%以下の合計濃度のフィラメント形成組成物と、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥洗剤製品基準の重量により、フィラメント中に50重量%から約95重量%までの合計濃度の活性剤と、を含む限り、フィラメント形成組成物は、任意の好適な合計濃度のフィラメント形成組成物と、任意の好適な濃度の活性剤と、を含んでもよく、ここで、添加剤に対するフィラメント形成材料の重量比は1以下である。
【0290】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成材料の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、及び/又は約40重量%までの、及び/又は約30重量%までの、及び/又は約20重量%までのフィラメント形成組成物、フィラメント形成組成物の約1重量%から、及び/又は約5重量%から、及び/又は約10重量%から約50重量%まで、及び/又は約40重量%まで、及び/又は約30重量%まで、及び/又は約20重量%までの活性剤、フィラメント形成組成物の約20重量%から、及び/又は約25重量%から、及び/又は約30重量%から、及び/又は約40重量%から、及び/又は約80重量%までの、及び/又は約70重量%までの、及び/又は約60重量%までの、及び/又は約50重量%までの揮発性溶媒(例えば水)を含む。フィラメント形成組成物は、少量の他の活性剤を、例えばフィラメント形成組成物の10重量%未満、及び/又は5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満の可塑剤、pH調整剤、及び他の活性剤を含んでもよい。
【0291】
フィラメント形成組成物は、任意の好適な紡糸プロセス、例えばメルトブロー及び/又はスパンボンディングなどによって1つ以上のフィラメントに紡糸される。一実施例では、フィラメント形成組成物はメルトブローによって複数のフィラメントに紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物は押出成形機からメルトブローン紡糸口金(spinnerette)にポンプ移送され得る。紡糸口金内の1つ以上のフィラメント形成穴を出ると、フィラメント形成組成物は空気によって細径化され、1つ以上のフィラメントを形成する。フィラメントは次いで、乾燥され、紡糸のためにいずれか残っている溶媒を除去するために乾燥されてもよい。
【0292】
本発明のフィラメントは、ベルト(例えばパターン化されたベルト)上に収集されて、フィラメントを含む不織布ウェブを形成してもよい。
【0293】
洗剤製品
本発明の1つ以上の活性剤を含む洗剤製品は、1つ以上の活性剤を含む既知の洗剤製品と比較して、新規特性、特徴及び/又はこれらの組み合わせを呈する。このことは、下記の表IIに記載のデータにより示される。
【0294】
【表2】
1 Dizolve Group Corp.から市販のDizolve(登録商標)
2 The Dial Corporationから市販
【0295】
【表3】
1 Dizolve Group Corp.から市販のDizolve(登録商標)
2 The Dial Corporationから市販
【0296】
不織布ウェブ
本発明の一実施例では、洗剤製品は、ウェブ、例えば、不織布ウェブ、を含んでもよい。本発明の1つ以上の、及び/又は複数のフィラメントは、当該技術分野において既知の任意の好適なプロセスによって不織布を形成してもよい。フィラメント及び/又は不織布の目的用途の状態に曝されたときに本発明のフィラメントから活性剤を送達するために不織布ウェブが使用されてもよい。
【0297】
本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブ及び/又はフィルムが固体の形態であっても、本発明のフィラメントを製造するために使用されるフィラメント形成組成物は、液体の形態であってもよい。
【0298】
一実施例では、不織布ウェブは、本発明による組成の観点のフィラメントと、同一である、又は実質的に同一である複数の形態を含む。他の実施例では、不織布ウェブは、本発明により2つ以上の異なるフィラメントを含んでもよい。フィラメント中の違いの非限定的な例は、物理的違い(例えば直径、長さ、質感、形状、剛性、弾性等)、化学的な違い(例えば架橋レベル、溶解度、融点、Tg、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、フィラメント形成材料の濃度、フィラメント上のいずれかのコーティングの存在、生分解性若しくは非生分解性、接触角等)、フィラメントが目的用途の条件に曝されたときにフィラメントがその物理的構造を失うか否か、フィラメントが目的用途の条件に曝されたときにフィラメントがその物理的構造を失うか否か、並びに、フィラメントが目的用途の条件に曝されたときにフィラメントがその1つ以上の活性剤を放出するか否か、であってもよい。一実施例では、不織布ウェブ内の2つ以上のフィラメントは、同じフィラメント形成材料を含むが、異なる活性剤を有してもよい。これは、異なる活性剤、例えばアニオン性界面活性剤(例えばシャンプー活性剤)及びカチオン性界面活性剤(例えばヘアコンディショナー活性剤)が互いに適合性が無い場合に妥当し得る。
【0299】
他の実施例では、
図4に示されるように、不織布ウェブ20は、2つ以上の異なる層22、24(不織布ウェブ20を形成する本発明のフィラメント16の不織布ウェブ20のz方向における)を含み得る。層22におけるフィラメント16は、層24のフィラメント16と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。各層22、24は、同一の、又は実質的に異なる、又は異なる複数のフィラメントを含み得る。例えば、不織布ウェブ内で他よりも速い速度でそれらの活性剤を放出し得るフィラメントは、不織布ウェブの外面に配置されてもよい。
【0300】
他の実施例では不織布ウェブは、異なる領域、例えば坪量、密度、及び/又はキャリパーの異なる領域を呈してもよい。更に他の実施例では、1つ以上のその表面上の質感を含み得る。不織布ウェブの表面は、パターン、例えば無作為でない、繰り返しパターンなどのパターンを含んでもよい。不織布ウェブはエンボスパターンでエンボス加工されてもよい。他の実施例では、不織布ウェブは開口部を含んでもよい。開口部は無作為でない、繰り返しパターンで配置されてもよい。
【0301】
一実施例では、不織布ウェブは、不織布ウェブの他の部分とは異なる、フィラメントの別個の領域を含み得る。
【0302】
本発明の不織布ウェブの使用の非限定的な例には、洗濯乾燥機の基材、洗濯機の基材、洗い布、硬質表面洗浄及び/又は研磨基材、床洗浄及び/又は研磨基材、バッテリー内の要素として、乳児用ワイプ、成人用ワイプ、婦人衛生用ワイプ、トイレットペーパーワイプ、窓洗浄基材、油封じ込め及び/又は掃除用基材、防虫基材、スイミングプールの化学基材、食品、口臭予防剤、防臭剤、ごみ処理バック、梱包フィルム及び/又はラップ、創傷包帯、医薬品送達、建物用断熱材、作物及び/又は植物カバー及び/又は苗床、接着剤基材、スキンケア基材、ヘアケア基材、空気ケア剤、水処理基材及び/又はフィルタ、便器洗浄基材、キャンディ基材、ペットフード、家畜用敷料、歯のホワイトニング基材、カーペット洗浄基材、並びに本発明の活性剤の他の好適な使用が挙げられるがこれらに限定されない。
【0303】
本発明の不織布ウェブは、1種以上の活性剤でコーティングされているように、又はこれでコーティングされ得るように使用されてもよい。
【0304】
他の実施例では、本発明の不織布ウェブは、例えば不織布ウェブをフィルムに変換させるための圧縮力及び/又は熱を適用することによって、圧縮してフィルムにされてもよい。フィルムは、本発明のフィラメントに存在した活性剤を含むだろう。不織布ウェブはフィルムに完全に変換されてもよく、又は不織布ウェブの部分がフィルムへの不織布ウェブの部分的な変換の後にフィルムに残っていてもよい。不織布ウェブのために例示された使用を含むがこれに限定されない活性剤が使用され得る任意の好適な目的のために、フィルムは使用されてもよい。
【0305】
一実施例では、本発明の不織布ウェブは、本明細書に記載の溶解試験方法によって測定されたときに、120秒/g(s/g)未満の、及び/又は100(s/g)未満の、及び/又は80(s/g)未満の、及び/又は55(s/g)未満の、及び/又は50(s/g)未満の、及び/又は40(s/g)未満の、及び/又は30(s/g)未満の、及び/又は20(s/g)未満の試料のg当たりの平均分解時間を呈する。
【0306】
他の実施例では、本発明の不織布ウェブは、本明細書に記載の溶解試験方法により測定した場合に、試料当たり、950秒未満、及び/又は900秒未満、及び/又は800秒未満、及び/又は700秒未満、及び/又は600秒未満、及び/又は550秒未満/g(s/g)の平均溶解時間を呈する。
【0307】
一実施例では、本発明の不織布ウェブは、本明細書に記載の厚さ試験方法により測定した場合に、0.01mmよを超える、及び/又は0.05mmを超える、及び/又は0.1mmを超える、及び/又は、約20mmまでの、及び/又は約10mmまでの、及び/又は約5mmまでの、及び/又は約2mmまでの、及び/又は0.5mmまでの、及び/又は約0.3mmまでの厚さを呈する。
【0308】
自動食器洗浄物品
自動食器洗浄物品は、1つ以上の本発明のフィラメント及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルム、及び界面活性剤活性剤系、並びに、任意に当該技術分野において既知の1つ以上の任意の成分(例えば、自動食器洗浄機での食器の洗浄に有用である)を含む。これらの任意成分の例としては、スケール防止剤、漂白剤、香料、染料、抗菌剤、酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ)、洗浄ポリマー(例えば、アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマー)、再付着防止ポリマー、ヒドロトロープ、抑泡剤、カルボン酸、増粘剤、防腐剤、消毒剤、ガラス及び金属ケア剤、自動食器洗浄器用洗浄液が全体的に3〜14の(あるいは8〜11)のpHを有するようなpH緩衝手段、又はこれらの混合物が挙げられる。自動食器洗浄活性剤の実施例は、米国特許第5,679,630号、同第5,703,034号、同第5,703,034号、同第5,705,464号、同第5,962,386号、同第5,968,881号、同第6,017,871号、同第6,020,294号に記載されている。
【0309】
スケール形成が問題になり得る。これはアルカリ土類金属炭素塩、リン酸塩、及びシリケートの折出による場合がある。スケール防止剤の例には、ポリアクリレート、及び他の部分と結合したアクリル酸系のポリマーが挙げられる。これらのポリマーのスルホン化した変種はリン酸不存在の配合の実施に特に効果的である。スケール防止剤の例としては、米国特許第5,783,540号の第15段20行〜第16段2行、及び、欧州特許第0
851 022(A2)号の12ページ1〜20行に記載のものが挙げられる。
【0310】
一実施形態では、本発明のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、非イオン界面活性剤、スルホン化ポリマー、任意にキレート剤、任意にビルダー、及び任意に漂白剤、並びにこれらの混合物を含む自動食器洗浄物品が提供される。本発明の自動食器洗浄物品を自動食器洗浄機の中に投与する工程を含む、自動食器洗浄の方法が提供される。
【0311】
食器手洗い用物品
食器手洗い用物品は、本発明の1つ以上のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルム、及び界面活性剤系、並びに任意に、洗浄及び手のケアの当該技術分野において既知の1つ以上の任意の成分(例えば手で食器を洗う際に有用である)を含む。これらの任意の成分の例としては、香料、染料、真珠光沢剤、抗菌剤、酵素(例えば、プロテアーゼ)、洗浄ポリマー(例えば、アルコキシル化ポリエチレンイミンポリマー)、カチオンポリマー、ヒドロトロープ、保湿剤、皮膚軟化剤、手ケア剤、ポリマー泡安定剤、漂白剤、ジアミン、カルボン酸、増粘剤、防腐剤、消毒剤、食器洗浄液が全体的に3〜14の(好ましくは8〜11)のpHを有するようなpH緩衝手段、又はこれらの混合物が挙げられる。手洗い用食器洗浄物品の実施例は、米国特許第5,990,065号、及び6,060,122号に記載されている。
【0312】
一実施形態において、手洗い用食器洗浄物品の界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルコキシスルフェート、アルキルスルホネート、アルコキシスルホネート、アルキルアリールスルホネート、ベタイン又は脂肪族若しくは複素環式二級及び三級アミンの誘導体、四級アンモニウム界面活性剤、アミン、単一若しくは多アルコキシル化アルコール、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アミド界面活性剤、C
8〜C
20アンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びこれらの混合物を含む。
【0313】
本発明の手による食器洗浄物品を、汚れた食器を収容するのに適したシンク又はボウルに投与する工程を含む、食器洗浄の方法が提供される。流し台又はボウルは、水及び/又は汚れた食器を含む場合がある。
【0314】
硬質表面洗浄物品
硬質表面洗浄物品は、本発明の1つ以上のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルム、及び任意に、当該技術分野において既知の1つ以上の任意の成分(例えば硬質表面の洗浄に有用である)、例えば酸性成分、例えば、石炭のかすの良好な除去性能を提供する酸性成分(例えば、ギ酸、クエン酸、ソルビン酸、酢酸、ホウ酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、グリコール酸、又はこれらの混合物)を提供する酸性成分を含む。硬質表面の酸性洗浄物品に含まれ得る成分の例には、米国特許第7,696,143号に記載のものが挙げられる。あるいは、硬質表面物品は、アルカリ性成分(例えば、アルカノールアミン(alkanolmine)、炭酸塩、重炭酸塩化合物、又はこれらの混合物)を含む。硬質表面のアルカリ性洗浄物品に含まれ得る成分の例には、米国特許出願第2010/0206328(A1)号のものが挙げられる。硬質表面を洗浄する方法は、硬質表面を洗浄する方法において、硬質表面洗浄物品を使用すること、又は投与することを含む。一実施形態では、本方法は、硬質表面洗浄物品をバケツ又は同様の容器に投与することと、任意に、物品をバケツに投与する前若しくは後にバケツに水を加えることと、を含む。他の実施形態では、本方法は、硬質表面洗浄物品を便器に投与することと、任意に、便器に含有された水に物品を溶解した後に、便器の表面を磨くことと、を含む。
【0315】
便器洗浄ヘッド
本発明の1つ以上のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布、及び/又はフィルムを含む便器洗浄用具のための便器洗浄ヘッドが提供される。トイレ便器洗浄ヘッドは使い捨てであってもよい。便器洗浄ヘッドは、取り外し可能にハンドルに取り付けられてもよく、そのためユーザーの手はこのハンドルによって便器から離れたままである。一実施例では、便器洗浄ヘッドは、水分散性シェルを含有してもよい。同様に、水分散性シェルは、本発明の1つ以上のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムを含んでもよい。この水分散性シェルはコア部を包んでもよい。このコア部は、少なくとも1つの顆粒状材料を含んでもよい。コア部の顆粒状材料は、界面活性剤、有機酸、香料、消毒剤、漂白剤、洗剤、酵素、微粒子、又はこれらの混合物を含み得る。任意に、コア部はセルロースを有さなくてもよく、かつ本発明の1つ以上のフィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ、及び/又はフィルムを含んでもよい。好適な便器洗浄ヘッドは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第12/901,804号(P&G Case 11892)に従って作製され得る。デンプン材料を含有する好適な便器洗浄ヘッドは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第13/073,308号(P&G Case 12048)、同第13/073,274号(P&G Case 12049)、及び/又は同第13/07,3346号(P&G Case 12054)に従って作製され得る。本発明の洗便器洗浄ヘッドを便器表面と接触させる工程を含む、便器表面の洗浄方法が提供される。
【0316】
使用方法
本発明による1つ以上の布地ケア活性剤を含む不織布ウェブ又はフィルムは、布地物品を処理する方法で利用されてもよい。布地物品を処理する方法は、(a)布地物品を洗浄する前に、布地物品を前処理する工程と、(b)不織布ウェブ若しくはフィルムを水と接触さえることによって形成された洗浄液と、布地物品を接触させる工程と、(c)乾燥機布地物品を、乾燥機内で不織布ウェブ若しくはフィルムと接触させる工程と、(d)不織布ウェブ若しくはフィルムの存在下で布地物品を乾燥機内で乾燥させる工程と、(e)これらの組み合わせ、からなる群から選択される1つ以上の工程を含んでもよい。
【0317】
いくつかの実施形態では、本方法は、前処理されるべき布地物品に不織布ウェブ若しくはフィルムを接触させる前に、不織布ウェブ若しくはフィルムを事前に濡らす工程を更に含んでもよい。例えば、不織布ウェブ若しくはフィルムは、水で事前に濡らされて、次いで前処理されるべき、染みを含む布地の一部分に付着されてもよい。あるいは、布地は濡らされてもよく、ウェブ若しくはフィルムはその上に配置されても、又はそれに付着されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、布地物品を処理する際に使用するための不織布ウェブ若しくはフィルムの一部分のみを選択する工程を更に含み得る。例えば、1つの布地ケア物品のみが処理されている場合、不織布ウェブ若しくはフィルムの一部分は、切断されて、及び/又は引き裂かれて、布地上に配置されるか、又はそれに付着されるか、又は水中におかれて、比較的少量の洗浄液を形成し、この洗浄液は次いで布地を前処理するために使用される。この方法では、ユーザーは目の前の作業によって布地処理方法をカスタマイズしてもよい。いくつかの実施形態では、不織布ウェブ又はフィルムの少なくとも一部分は、処理されるべき布地に装置を使用して適用されてもよい。代表的な装置には、ブラシ及びスポンジが挙げられるが、これらに限定されない。いずれか1つ以上の前述の工程は、所望の布地処置効果を達成するために繰り返されてもよい。
【0319】
本発明の不織布ウェブはフィルムに変換されてもよい。本発明による不織布ウェブからフィルムを作製するプロセスの例は、
a.フィラメント形成材料、例えば極性溶媒可溶性フィラメント形成材料を含む、複数のフィラメントを含む不織布ウェブを提供する工程と、
b.不織布ウェブをフィルムに変換する工程と、を含む。
【0320】
本発明の一実施例では、不織布ウェブからフィルムを作製するプロセスは、不織布ウェブを提供する工程と、不織布ウェブをフィルムに変換する工程と、を含む。
【0321】
不織布ウェブをフィルムに変換する工程は、不織布ウェブを力に曝す工程を含み得る。力は圧縮力を含んでもよい。圧縮力は、約0.2MPaから、及び/又は約0.4MPaから、及び/又は約1MPaから、及び/又は約10MPaまで、及び/又は約8MPaまで、及び/又は約6MPaまでの圧力を不織布ウェブに適用してもよい。
【0322】
不織布ウェブは、少なくとも20ミリ秒、及び/又は少なくとも50ミリ秒、及び/又は少なくとも100ミリ秒、及び/又は約800ミリ秒まで、及び/又は約600ミリ秒まで、及び/又は約400ミリ秒まで、及び/又は約200ミリ秒までの力に曝されてもよい。一実施例では、不織布ウェブは約400ミリ秒から約800ミリ秒までの期間、力に曝される。
【0323】
不織布ウェブは、少なくとも50℃、及び/又は少なくとも100℃、及び/又は少なくとも140℃、及び/又は少なくとも150℃、及び/又は少なくとも180℃、及び/又は約200℃の温度で力に曝されてもよい。一実施例では、不織布ウェブは約140℃から約200℃までの温度で、力に曝されてもよい。
【0324】
不織布ウェブは、不織布ウェブのロールから供給されてもよい。得られるフィルムはフィルムのロールに巻かれてもよい。
【0325】
非限定的な実施例
本発明によるフィラメントの非限定的な実施例は、小型装置26を使用することによって製造され、その略図は
図5及び6に示されている。バッチ操作に適した加圧されたタンク28は、フィラメント形成組成物30(例えば布地ケア組成物及び/又は食器洗浄用組成物として有用なフィラメントを作るの好適であるフィラメント形成組成物)で充填される。
【0326】
ポンプ32(1回転当たり5.0立方センチメートル(cc/rev)の容量を有するZenith(登録商標)PEP IIポンプ、Parker Hannifin Corporation(Sanford,N.C.,USA)のZenithポンプ部門により製造)を用いて、フィラメント形成組成物30をダイ34に送り込む。ダイ34へのフィラメント形成組成物の材料の流量は、ポンプ32の1分当たりの回転数(rpm)を調節することによって制御される。タンク28から、ポンプ32へ、そしてダイ34内へとフィラメント形成組成物組成物30を移送するために(矢印によって表されるように)、パイプ36はタンク28、ポンプ32、及びダイ34に接続される。ダイ34は、
図6に示されるように、約1.524ミリメートル(約0.060インチ)のピッチPだけ互いに離間された円形押出ノズル38の2つ以上の列を有する。ノズル38は、約0.305ミリメートル(約0.012インチ)の個々の内径、及び約0.813ミリメートル(約0.032インチ)の個々の外径を有する。各個々のノズル38は、細径化空気を各個々のノズル38に供給するために、環状かつ末広のフレア状オリフィス40によって囲まれている。ノズル38を通して押し出されているフィラメント形成組成物30は、ノズル38を囲むオリフィス40を通して供給されるほぼ円筒形の湿った空気の流れにより囲まれ細径化され、フィラメント42を製造する。細径化空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗加熱器、例えば、Emerson Electric(Pittsburgh,Pa.,USA)のChromalox部門により製造された加熱器によって加熱することにより供給される。適切な量が、電気的に加熱されサーモスタット制御される送出パイプ中の条件下で、加熱された空気を飽和又はほとんど飽和するために細長化空気に添加される。凝縮水は、電気的に加熱されサーモスタット制御される分離器中で除去される。フィラメント42は、乾燥空気流により乾燥される。この乾燥空気流は、電気抵抗加熱器(図示せず)により約149℃(約300°F)から約315℃(約600°F)までの温度を有し、乾燥ノズル(図示せず)を通して供給され、回転されるフィラメント42の全体的な向きに対して、約90°の角度に放出される。
【0327】
フィラメントは、ベルト若しくは布地(一実施例では、ベルト若しくは布地上でフィラメントを回収する結果として形成される不織布ウェブに対し、パターン(例えば、非無作為パターン)を付与することができるベルト若しくは布地)などの回収装置で回収されてもよい。
【実施例】
【0328】
実施例1−表1は以下に、洗濯洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表4】
1 Celvol 523、Celanese/Sekisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
【0329】
実施例2−表2は以下に、洗濯洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表5】
1 Celvol 523、Celanese/Sekisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
【0330】
実施例3−表3は以下に、食器手洗い用洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表6】
1 Celvol 523、Celanese/Sekisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
* 算出値
【0331】
実施例4−表4は以下に、洗濯洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表7】
1 Celvol 523、Celanese/Sekisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
【0332】
実施例5−表5は以下に、洗濯洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表8】
1 Celvol523、Celanese/Sekisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
【0333】
実施例6−表6は以下に、洗濯洗剤としての使用に好適な本発明のフィラメント及び/又は不織布ウェブを作製するための、本発明のフィラメント形成組成物の他の実施例を示す。
【表9】
1 Celvol 523、Celanese/Seisui、分子量85,000〜124,000、87〜89%加水分解
* 計算値
【0334】
実施例7−表7A〜7Fは、本発明によるフィラメント形成組成物の別の実施例、及びその構成成分、並びにそれから作製されたフィラメント及び/又は不織布の最終組成を示す。このようなフィラメント及び/又は不織布ウェブは洗濯用洗剤としての使用に有用である。
【表10】
【0335】
【表11】
【0336】
【表12】
【0337】
【表13】
【0338】
【表14】
【0339】
【表15】
【0340】
実施例8−表8Aは、本発明のフィラメント及び/又はフィラメントを含む不織布ウェブに添加され得る酵素組成物の例、すなわち酵素顆粒を示す。表8Bは、表8Aの酵素顆粒を含む、本発明による不織布ウェブの例を示す。
【表16】
【0341】
【表17】
実施例9−表9は、フィラメント及び/又は不織布ウェブが形成された後に、不織布ウェブ、又は不織布ウェブを構成する1つ以上のフィラメントに添加されるセルラーゼ酵素を含む、本発明による不織布ウェブの実施例を示す。
【0342】
【表18】
【0343】
試験方法
他の指示がない限り、定義の欄で記載されたものを包含する本明細書に記載された全ての試験並びに次の試験方法は、試験前の2時間にわたって、約23℃±2.2℃(73°F±4°F)及び相対湿度50%±10%に調節された部屋で調整された試料に対して行われる。本明細書に記載されたように調整された試料は、本発明の目的上、乾燥試料(例えば「乾燥フィラメント」)であると見なされる。更に、全ての試験はこうした調節された部屋の中で行われる。
【0344】
含水量試験方法
フィラメント、及び/又は繊維、及び/又は不織布ウェブ内に存在する水(水分)含有量は、以下の含水量試験方法を使用して測定される。
【0345】
フィラメント及び/若しくは不織布、又はその一部分(「試料」)は、試験の前に温度約23℃±2.2℃(73°F±4°F)及び相対湿度50%±10%の条件にされた室内に、少なくとも24時間配置される。試料の重量は、少なくとも5分の間、更なる重量変化が検出されないときに記録される。この重量を試料の「均衡重量」として記録する。次いで、試料を、70℃で、相対湿度約4%の乾燥オーブン内で24時間置いて試料を乾燥させる。24時間の乾燥の後、直ちに試料の重量を計る。この重量を「乾燥重量」として記録する。試料の水(水分)含有量は以下のように算出される:
【数7】
【0346】
3つ組みの複製試料の含水量(含湿量)%を平均化し、試料の含水量(含湿量)%を記録する。
【0347】
溶解試験方法
装置及び材料:
600mLビーカー
電磁撹拌器(Labline Model No.1250又は同等物)
磁気撹拌棒(5cm)
温度計(1〜100℃+/−1℃)
型板ステンレス鋼製(3.8cm×3.2cm)
タイマー(0〜300秒、四捨五入した秒数程度の正確性)
3.8cm×3.2cmの開口部を有する35mmのスライド台(Polaroid(登録商標) Corporationより入手可能)
35mmのスライド台ホルダー
以下の特性を有するCincinnati市の水道水又はそれと同様のもの、CaCO
3として総硬度=155mg/L;カルシウム含有量=33.2mg/L;マグネシウム含有量=17.5mg/L、リン酸塩含有量=0.0462
【0348】
試料の調製:
1.開口面積の寸法24×36mm(すなわち3.8cm×3.2cmの試料)を備える35mmのスライド台内に試料が確実にフィットするように、テンプレートを使用して、試験すべき(「試料」)フィルム又は不織布ウェブから試料を3つ切り出す。フィルム又は不織布ウェブの横方向に沿って、均一に離間したフィルム又は不織布ウェブの領域から試料を切り出す。
2.3つの試料のそれぞれを別個の35mmスライド台に固定する。
3.磁気撹拌棒を600mLのビーカー内に定置する。
4.500mL以上のCincinnati水道用水を入手し、温度計で水温を測定し、必要な場合は、水の温度を、それが試験温度、すなわち5℃を維持するように調節する。水温度が5℃になった時点で、500mLの水を600mLのビーカーに充填する。
5.次いで、ビーカーを電磁攪拌器上に定置する。攪拌棒のスイッチを入れて、水の中で渦が発生し、かつ渦の底部が600mLビーカーの400mLのマークにくるまで、撹拌速度を調節する。
6.試料を固定した35mmのスライド台を、35mmのスライド台をビーカー内の水の中に下げるように設計されたホルダーに取り付ける(例えば、35mmのスライド台を、600mLビーカー内に存在する水の中に配置するように設計された35mmのスライド台ホルダーのワニ口クランプ)。35mmのスライド台の長い端が、600mLビーカー内に存在する水の表面と平行であるように、35mmスライド台の1つの長い端の中央で、35mmスライド台はワニ口クランプによって保持する。この設置により、フィルム又は不織布の表面は、水の流れと垂直に配置される。35mmのスライド台及びスライド台ホルダーの配置がわずかに修正された実施例が、米国特許第6,787,512号の
図1〜3に示されている。
7.一回の動作で、35mmのスライド台ホルダー(これはビーカー内の水の中心上に35mmスライド台を配置する)を降下させ、35mmスライド台に固定されたフィルム若しくは不織布の露出した表面積全体に、水が接触するのに十分であるように、35mmのスライド台を水中に沈ませる。フィルム又は不織布の露出した表面積全体に水が接触したら即タイマーを開始させる。フィルム又は不織布が分断されると分解が生じる。見えるフィルム又は不織布の全てがスライド台から放出されたとき、35mmスライド台を水から引き揚げて、同時に溶解していないフィルム又は不織布の断片に関して水を観察し続ける。全てのフィルム又は不織布の断片がもはや水中に見えなくなった場合に、溶解が生じている。
8.各試料の3つの複製品について実施する。
9.試験された試料のg当たりの分解及び溶解時間の値(これは試料の秒/g(s/g)の単位である)を入手するために、それぞれの分解及び溶解時間は、試料の重量によって正規化される。3つの複製品の試験された試料のg当たりの平均分壊及び溶解時間が記録される。
【0349】
直径試験方法
不織布ウェブ又はフィルム内の別個のフィラメント、すなわち1つのフィラメントの直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用することによって決定される。フィラメントが測定のために適切に拡大されるように、200〜10,000倍の倍率が選択される。SEMを使用するときに、電子ビームにおけるフィラメントの帯電及び振動を避けるために、試料には金又はパラジウム化合物をスパッタする。SEM又は光学顕微鏡を用いて撮影した画像(モニタースクリーン上)からフィラメントの寸法を決定するための、手動の手順が使用される。マウス及びカーソルツールを使用して、無作為に選択されたフィラメントの縁部を探し、次いでフィラメントの反対の縁部までその幅を(すなわち、その点において、フィラメントに対して垂直に)測定する。目盛りのある、較正された画像解析ツールは、例えば、μmでの実際の読取値を得るための目盛りを提供する。不織布ウェブ又はフィルム内のフィラメントに関して、いくつかのフィラメントがSEM又は光学顕微鏡を使用して、不織布ウェブの試料の中から無作為に選択される。不織布ウェブ又はフィルム(若しくは製品内のウェブ)の少なくとも2つの部分が切り出され、この方法で試験される。統計学的分析のために、そのような測定を少なくとも合計100回行われ、次いで全てのデータが記録する。記録されたデータは、フィラメントの直径の平均値(平均)、フィラメント直径の標準偏差、及びフィラメント直径の中位径を算出するために使用される。
【0350】
他の有用な統計値は、特定の上限以下であるフィラメントの集団の量の算出値である。
この統計値を決定するために、ソフトウェアは、フィラメント直径のうちのどれくらい多くの結果が、上限値以下であるかカウントするようにプログラムされ、このカウント(データの合計数によって除され、100%が掛けられる)は、上限値以下である割合(例えば直径が1マクロメートル以下である割合(%)、又はサブミクロンである割合(%))として、パーセントで記録される。本発明者らは、個々の円形フィラメントの測定された直径(μmで)をdiとして表す。
【0351】
フィラメントが非円形断面を有する場合では、フィラメント直径の測定は、水力直径として、かつこれと等しいものとして決定され、水力直径とはフィラメントの断面積を4倍してフィラメントの断面の外辺部(中空のフィラメントの場合は外周)で除したものである。数−平均直径、あるいは平均直径は以下のとおり算出される:
【数8】
【0352】
厚さ方法
不織布ウェブ又はフィルムの厚さは、不織布ウェブ又はフィルムの試料の5つの試料、各切り出された試料が、VIR Electronic Thickness Tester Model II(Thwing−Albert Instrument Company(Philadelphia,PA)から入手可能)のロードフット搭載面よりも大きな寸法であるように切り出すことによって測定される。典型的に、ロードフット搭載面は約20.3cm
2(3.14in
2)の円形の表面積を有する。試料を水平な平面とロードフット搭載面との間に押し入れる。ロードフット搭載面は、15.5g/cm
2までの封圧を試料に印加する。各試料のキャリパーは、平面とロードフット搭載面との間に結果として生じる隔たりである。キャリパーは5つの試料の平均キャリパーとして算出される。結果をミリメートル(mm)で記録する。
【0353】
剪断粘度試験方法
本発明のフィラメント形成組成物の剪断粘度は、毛管レオメーターである、Goettfert USA(Rock Hill SC,USA)で製造されたGoettfert Rheograph 6000を使用して、測定される。測定は、1.0mmの直径D及び30mmの長さL(すなわちL/D=30)を有するキャピラリーダイを用いて行われる。ダイをレオメーターの20mmバレルの下端部に取り付け、これを75℃のダイ試験温度にて保持する。ダイ試験温度に予め熱した、フィラメント形成組成物の60gサンプルをレオメーターのバレル部分に装填する。試料から全ての混入空気を取り除く。一連の選択された速度、1,000〜10,000秒
−1で、バレルからキャピラリーダイを通して試料を押す。見かけ剪断粘度は、試料がバレルからキャピラリーダイを通って進む時に試料に生じる圧力低下及びキャピラリーダイを通る試料の流量から、レオメーターのソフトウェアを用いて計算することができる。log(見かけの剪断粘度)は、log(剪断速度)に対してプロットされ、このプロットはη=Kγ
n−1によって指数法則に適合させることができ、式中、Kは材料の粘性定数であり、nは材料の薄化係数であり、γは剪断速度である。本明細書のフィラメント形成組成物の報告される見かけ剪断粘度は、剪断速度3,000秒
−1に対する補間により指数法則関係を用いて計算される。
【0354】
坪量試験方法
繊維性構造体試料の坪量は、12の個々の繊維性構造体試料を選択し、それぞれ6つの個々の試料の積層体を2つ作製することにより測定される。個々の試料が互いに穿孔線で接続されている場合、個々の試料を積み重ねる際に穿孔線を同じ側にそろえる必要がある。精密カッターを使用して、各積層体を正確に88.9cm×88.9cm(3.5in×3.5in)の正方形に切り出す。2つの切り取った正方形の積層体を合わせて、12の正方形の厚さの坪量パッドを作製する。次に、最小感度限界が0.01gの上のせ式天秤で坪量パッドの重量を測定する。上のせ式天秤は、気流遮蔽壁を使用して気流及び他の障害から保護する必要がある。上のせ式天秤の読み取り値が一定になったら、重量を記録する。以下のように坪量を計算する。
【数9】
【0355】
重量平均分子量
材料(例えばポリマー)の重量平均分子量(Mw)は、混合したカラムベッド(bed column)を使用して、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。以下の構成要素を有する高性能液体クロマトグラフ(HPLC):Millenium(登録商標)、Model 600Eポンプ、システムコントローラ及びコントローラーのソフトウェアバージョン3.2、Model 717 Plusオートサンプラー及びCHM−009246カラムヒーター(全てWaters Corporation(Milford,MA,USA)が使用される)。カラムは、600mmの長さ及び7.5mmの内径を有する、PLゲル20μm混合Aカラム(ゲル分子量は1,000g/モルから40,000,000g/モルの範囲)であり、ガードカラムはPL gel 20μm、長さ50mm、IDは7.5mmである。カラム温度は55℃であり、注入体積は200μLである。検出器は、Astra(登録商標)ソフトウェアバージョン4.73.04検出器ソフトウェアを備えるDAWN(登録商標)Enhanced Optical System(EOS)(Wyatt Technology of Santa Barbara(CA,USA)製)(K5セル及び690nmレーザーを有するレーザー光散乱検出器)である。奇数が振られた検出器のゲインは101に設定する。偶数が振られた検出器のゲインは20.9に設定する。Wyatt TechnologyのOptilab(登録商標)示差屈折率検出器を50℃に設定する。ゲインを10に設定する。移動相は、0.1% w/v LiBrを備えるHPLC等級のジメチルスルホキシドであり、移動相の流量は1mL/分、無勾配である実行時間は30分である。
【0356】
試料は材料を移動相に、名目上、移動相1mL当たり材料3mgで溶融させることによって調製される。試料には蓋をし、次いで磁性攪拌器を使用して約5分間攪拌する。試料は次いで、85℃の対流式オーブンに60分間定置する。試料は次いで、そのまま室温まで冷却した。次いで5mLのシリンジを使用して、5μmのナイロン膜(タイプ:Spartan−25(Schleicher & Schuell(Keene,NH,USA)により製造)を通じて、試料を5ミリリットル(mL)のオートサンプラー内へ濾過させる。
【0357】
それぞれ一連の測定試料(3つ以上の材料の試料)に関して、ブランク試料の溶媒をカラムに注入した。次いで、試料は上記に記載された試料と関連して同様な方法で調製される。チェック試料は、47,300g/モルの重平均分子量を有する2mg/mLのプルラン(Polymer Laboratories)を含む。試料の各セットを分析する前にチェック試料は分析される。盲検体試料、チェック試料、及び材料試験試料上の試験は二重に行なう。最終実施では、盲検試料を用いる。光散乱検出器及び示差屈折計は「Dawn EOS Light Scattering Instrument Hardware Manual」及び「Optilab(登録商標)DSP Interferometric Refractometer Hardware Manual」(両方ともWyatt Technology Corp.(Santa Barbara,CA,USA)によって製造され、両方とも本明細書において援用するものである)に従って実施される。
【0358】
試料の重量平均分子量は、検出器のソフトウェアを使用して算出される。0.066のdn/dc(濃度による屈折率の微分変化)値が使用される。レーザー光検出器及び屈折率検出器の基準は補正され、検出器の暗電流及び溶媒散乱からの寄与を除去する。レーザー光検出信号が飽和した場合、又は箇条なノイズを呈する場合、それは分子量の計算には使用されない。分子量の特性評価の領域は、レーザー光散乱及び屈折率のための90°の検出器の両方の信号が、それらの対応する基準ノイズレベルよりも3倍強大きくなるように選択する。典型的に、クロマトグラムの高分子量側は、屈折率信号によって限定され、低分子量側はレーザー光信号によって限定される。
【0359】
重量平均分子量は、検出器のソフトウェアで定義されているように「一次Zimmプロット」を使用して算出されてもよい。試料の重量平均分子量は1,000,000g/モルより大きく、一次及び二次Zimmプロットの両方が計算され、回帰フィットから最も少ないエラーを備える結果が使用されて分子量を計算する。記録した重量平均分子量は、材料試験試料の2つの実施の平均である。
【0360】
伸張、引張強度、TEA、及び弾性率の試験方法
試験されることになる洗剤製品試料の25.4mm(1インチ)幅のストリップを機械方向に少なくとも8本切り取る。25.4mm(1インチ)幅のストリップを横方向に少なくとも8本切り取る。機械方向及び横断方向が容易に確認できない場合、横断方向はより低い最大負荷引張力をもたらすストリップであろう。
【0361】
特性の実測には、Thwing−Albert Intelect II Standard Tensile Tester(Thwing−Albert Instrument Co.(Philadelphia,Pa.))を使用する。平面クランプをユニットに挿入し、Thwing−Albert Intelect IIの操作マニュアルに記載の指示に従ってテスターを較正する。測定器のクロスヘッド速度を101.6mm/分(4.00in/分)に設定し、第1及び第2標点距離を101.6mm(4.00インチ)に設定する。破断感度を20.0グラムに設定し、試料の幅を25.4mm(1.00インチ)に設定する。エネルギー単位をTEAに設定し、接線弾性率(弾性率)トラップ設定を38.1gに設定する。
【0362】
洗剤製品の試料ストリップを2つのクランプに挿入した後、測定器の引張力をモニターすることができる。モニターが5グラム以上の値を示す場合は、洗剤製品の試料ストリップは張りすぎている。逆に、試験開始後2〜3秒間が経過してもいずれの値も記録されない場合は、洗剤製品の試料ストリップは緩みすぎている。
【0363】
引張試験機の機器マニュアルに記載されるように引張試験機を始動する。試験が完了したら、以下の測定単位で読み取り及び記録する。
最大負荷引張力(引張り強度)(g/インチ)
ピーク伸張(伸張)(%)
最大CD TEA(湿潤CD TEA)(インチ−g/インチ
2)
接線弾性率(乾燥MD弾性率及び乾燥CD弾性率)(15g/cmにおいて)
【0364】
同様の方法で各洗剤製品試料を試験し、各試験から上記の測定値を記録する。洗剤製品試験試料から得られた各特性の値を平均し、その特性の記録値を得る。
【0365】
計算:
幾何平均(GM)乾燥弾性係数=[乾燥MD弾性係数(15g/cmでの)×乾燥CD(15g/cmでの)]の平方根
【0366】
プレート剛性試験方法
本明細書で使用するとき、「プレート剛性」試験は、平坦な試料が、その下の穴の中へ下方に変形されたときの、平坦な試料の剛性の測定である。試験のために、サンプルは、半径「R」で穴の上で中心決めされた平坦な表面上に存在する、厚さ「t」を有する無限平板としてモデル化される。穴の中心を直接覆う組織に適用される中心力「F」は、距離「w」により穴中に組織を下向きに撓ませる。線状弾性材料については、撓みは、次式により予測することができる:
【数10】
【0367】
約1.99kPa(0.29psi)の負荷の下、5枚の組織からなる積層体上で、ミリメートル単位でキャリパーが測定されるとき、式中、「E」は有効な線状弾性率であり、「v」はポワソン比であり、「R」は、穴の半径であり、「t」は組織の厚さである。ポワソン比を0.1とすると(溶液は、このパラメーターに対して極めて敏感ではなく、よって想定される値による誤差は少ないと推定される)、前述の方程式は、可撓性試験の関数として有効な弾性率を予測するために「w」を書き換えることができる:
【数11】
【0368】
試験結果はMTS Alliance RT/1試験装置(MTS Systems Corp.,Eden Prairie,Minn.)で100Nのロードセルを用いてを使用して実施される。少なくとも63.5mm(2.5インチ)四方の5枚の組織からなる積層体が、支持プレートの上の、半径15.75mmの穴の上で中心決めされるとき、3.15mmの尖っていないプローブが20mm/分の速度で降下する。プロ―プの先端部が支持プレートの平面を1mm下、降下したとき、試験を終了させる。試験中にわたっていずれか0.5mmの長さを超える力/mmの最大傾斜がgで記録される(この最大傾斜は一般的にストロークの最後に発生する)。ロードセルは、適用された力をモニターし、平面に対するプローブ先端部の位置もまたモニターされる。ピークロードが記録され、上記の方程式を使用して「E」が推定される。
幅単位当たりのプレート剛性「S」は、以下のとおり計算され:
【数12】
ニュートン−ミリメートルの単位で表される。試験作業プログラムは以下の式を使用して剛性を算出する:
S=(F/w)[(3+v)R
2/16π]
式中、「F/w」は最大傾斜(たわみで割った力)、「v」は0.1としてとられたポワソン比、そして「R」は輪の半径である。
【0369】
フィラメント組成物試験方法
フィラメント組成物測定用にフィラメントを調製するために、フィラメントの外面上に存在する任意の除去可能であるコーティング組成物及び/又は材料を除去することによって、フィラメントを調整する。例えば、フィラメントを3回、蒸留水で洗浄するなどする。次いで、フィラメントは含水量が10%未満になるまで、23℃±2.2℃(73°F±4°F)で風乾する。調整したフィラメントの化学分析を次いで完了させ、フィラメント形成材料、及びフィラメント内に存在する活性剤に関して、フィラメントの組成の構成を決定する。
【0370】
フィラメント形成材料及び活性剤に関する組成の構成はまた、TOF−SIM又はSEMを使用して、断面解析を完了することによって決定されてもよい。フィラメントの組成の構成を決定するための更に他の方法は、マーカーとして蛍光染料を使用するものである。更に、常として、フィラメントの製造者は自分達のフィラメントの組成物を知っていなくてはならない。
【0371】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らないかぎり、そのようなそれぞれの寸法は、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0372】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、ある用語の任意の意味又は定義の範囲が、援用文献中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
【0373】
本発明の特定の実施例及び/又は実施形態について図示し説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのような全ての変更及び改変を添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。