特開2016-81489(P2016-81489A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐竹 靖彦の特許一覧

<>
  • 特開2016081489-携帯入力電子機器の日本語入力方式 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-81489(P2016-81489A)
(43)【公開日】2016年5月16日
(54)【発明の名称】携帯入力電子機器の日本語入力方式
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/023 20060101AFI20160411BHJP
   H03M 11/14 20060101ALI20160411BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20160411BHJP
   H03M 11/08 20060101ALI20160411BHJP
【FI】
   G06F3/023 320A
   G06F3/02 310D
   G06F3/023 310K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-223622(P2014-223622)
(22)【出願日】2014年10月15日
(71)【出願人】
【識別番号】500299942
【氏名又は名称】佐竹 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 靖彦
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA04
5B020BB02
5B020DD02
5B020DD16
5B020FF15
5B020FF17
5B020FF32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】携帯電話の入力方式において、3行5列の鍵盤によって、一般的なパーソナルコンピューターと同様の指使いによるほぼ同程度の鍵の押し下げ数を提供する。
【解決手段】3行5列の鍵盤の枠内に置いたシフト鍵によって、清音を濁音、半濁音に読み替えるとともに、ア行音を小型のァィゥェォに読み替え、W鍵をV鍵に読み替え、さらにM鍵を長音記号鍵に読み替えることによって、カタカナ語の入力を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3行5列の15個の鍵による和文入力方式において、この15個の鍵を、五十音図を構成する5個の母音の入力を担う5個の鍵と9個の子音の入力を担う9個の鍵と清音を濁音および半濁音に変える作用を持つ1個のシフト鍵から構成した携帯入力電子機器の入力方式において、母音鍵をこのシフト鍵と関連付けることによって小型の母音ァィゥェォを入力し、Y鍵をこのシフト鍵と関連付けることによって小型の半母音ュを入力し、M鍵をこのシフト鍵と関連付けることによって長音記号を入力するように設定した携帯入力電子機器の入力方式。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯入力電子機器の日本語入力方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯入力端末等の小型入力電子機器は、半導体技術の飛躍的発展によって、以前のパーソナルコンピューターを凌駕するきわめて高度の機能を持つにいたった。
【0003】
したがって、これらの携帯入力電子機器においても、一般的なパーソナルコンピューターと同様に、高度の文字、符号の入力機能や編集機能、あるいはインターネットへの接続にふさわしい操作性が求められている。
【0004】
しかし、現在の携帯入力電子機器の入力方式は、こうした要求に十分に対応するものでほない。
【0005】
周知のように、欧米諸国での携帯電話でのメールの使用は、きわめて低調であり、わが国におけるその盛行とは対照的である。
【0006】
このような事情の背景には、携帯電話における日本語入力が五十音図を基礎として組み立てられているという事実がある。
【0007】
言い換えれば、携帯電話における日本語入力は日本語の音韻体系を反映する形で行われているのであり、このことが、その良好なヒューマンインターフェイスを保障しているのである。
【0008】
このような、携帯電話の入力方式は、3行3列の鍵盤に配置された9個の鍵と別の1個の鍵を使用する形で行われるいわゆるテンキー方式である。
【0009】
この優れた方式は、それにもかかわらず、いくつかの問題点を抱えている。
【0010】
その第一点は、五十音の各行の入力が、標準的な場合に最低1回から5回、小型の字形を含む「あ行」の場合には、最低1回から10回の鍵の押し下げが必要であり、キーストロークの偏差が大きく、入力操作が不規律になることである。
【0011】
その第二点は、五十音の各行の入力が、標準的な場合に最低1回から5回、小型の字形を含む「ア行」の場合には最低1回から10回の打鍵が必要であり、その他拗音や促音の場合を含めて総計80種類のキーストロークが必要なことである。
【0012】
その第三点は、4行目の1鍵(濁音、半濁音の指定を加えれば2鍵)が、事実上の3行4列の鍵盤を構成することである。
【0013】
一般的に言って、日本語の音韻体系を反映する携帯入力端末の入力方式としては、通常の携帯電話における五十音図に元づく入力方式のほか、五十音図に対応したパソコンにおけるNECのいわゆる森田方式に由来するいくつかの方式がある。
【0014】
その第一は、直接に森田方式につながる〔特許文献9〕の方式である。
【0015】
これは、3行5列の鍵盤において、清音の子音である、K、S、T、N、H、M、Y、R、W、)9字母と母音のA、I、U、E、O、の5字母を各鍵に配置し、別に設けたシフト鍵によって濁音と半濁音を指示設定するやり方であり、〔特許文献2〕は、この方式の上に、シフト鍵を3行5列の鍵盤の枠内に置いて濁音と半濁音の設定を行うことにより、かつ字母鍵とシフト鍵を順次打鍵することによってすべての字母入力行為を3行5列の鍵盤の枠内にとどめることによって、ヒューマンインターフェイスの向上を図ったものである。
【0016】
さらに、〔特許文献1〕は、パソコンにおける森田方式の字母設定を踏襲し、そこに入力に伴う子音鍵盤と母音鍵盤の自動的交代の方式を導入することによって、母音A、I、U、E、O、AI、UI、UU、EI、OU、半母音+母音YA、YU、YO、を母音鍵盤に設定し、〔特許文献10〕は、入力のリズムあるいはテンポを入力の識別に導入することによって、森田方式を整理発展させた〔特許文献4〕の谷田部方式に見える広義の母音群、A、I、U、E、O、AI、UI、UU、EI、OU、ANN、INN、UNN、ENN、ONN、の15組を母音鍵盤に設定した。
【0017】
以上の発明のなかで、〔特許文献2〕と〔特許文献9〕は固定鍵盤を使用し、〔特許文献1〕と〔特許文献10〕は、1個の固定鍵盤に2個のヴァーチャルな鍵盤を設定する方式である。
【0018】
これらの発明は、いずれも森田方式の系譜を引くものであって、和語と漢語を全面的、合理的に入力するものであるが、〔特許文献1〕〔特許文献2〕の場合に、字母鍵盤の枠外に置いた「文字大小」鍵を使用することによって、小型の字母を用いるカタカナ入力に対応できるのを除いて、その他の方式においては、カタカナ語を合理的に入力する手立てを欠いている。
【0019】
ただし、〔特許文献2〕の場合には、その特色が従来3行5列の鍵盤の外に置かれていたシフト機能を持つ鍵を、3行5列の鍵盤の枠内に置くことによって、五十音の体系に照応した3行5列の入力方式を完成したのであって、カタカナ入力の場合には、3行5列の枠外にシフト的機能を持つ「文字大小」鍵を設定するのは、本来の趣旨に反している。
【0020】
3行5列の鍵盤は、人間の手指の運動形態と人間の脳の手指に対する操作能力の2点からして、小型入力機器にとって、もっとも理想的な形態であるうえ、その5列が日本語の「あいうえお」の5段に対応していると言う意味でも、日本語のタッチタイピングに最適の形態であって、これに対応する字母入力は、この3行5列の枠内で完結したシステムを構成することが理想的なのである。
【先行技術文献】
【0021】
【特許文献1】特許4761234
【特許文献2】特許5522425
【特許文献3】特許5411376
【特許文献4】特開平4−352217
【特許文献5】特開平5−216575
【特許文献6】特開平6−043986
【特許文献7】特開平6−067777
【特許文献8】特開平6−102979
【特許文献9】特開平9−190253
【特許文献10】特願2014−44390
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の中心的課題は、3行5列の固定鍵盤によって、五十音の原理に基づく字母配列を採用する入力方式において、とりわけ〔特許文献2〕において、すでに確立している和語と漢語の入力に加えて、カタカナ語の入力に必要な方策を用意することによって、現今の日本語表記体系を全面的に反映する携帯入力端末の入力方式を確立することである。
【0023】
すなわち、〔特許文献2〕においては、3行5列の切替を行わない鍵盤に五十音図を構成する5個の母音、a、i、u、e、o、と9個の子音k、s、t、n、h、m、y、r、wを設定し、残った1個の鍵に、子音鍵と組み合わせて濁音と半濁音を設定する機能を持たせるのであるが、この方式においては、すでに指摘したようにカタカナ語の合理的な入力は不可能である。
【0024】
そこで、森田方式あるいはそれを一層展開させた諸方式において、日本語の中の漢語の音韻構造を全面的に検討して、和語、漢語を合わせた日本語の合理的な入力方式が追求されたのと同様に、日本語の中のカタカナ語の音韻構造を全面的に検討する必要が生じる。
【0025】
本発明が、この点の検討に際して採用した資料は、(1)角川書店、角川外来語辞典第2版44刷、1981.9.10.(2)ぎょうせい、現代実用外来語辞典第4版、1986.3.20.(3)柏書房、宛字外来語辞典新装版第1刷、1991.2.25.(4)小学館、例文で読むカタカナ語の辞典第2版第1刷、(5)自由国民社、カタカナ 外来語 略語辞典(現代用語の基礎知識)第5版第1刷、の5種の辞典である。
【0026】
これらの辞典のなかで、(3)柏書房、宛字外来語辞典が最も古い形のカタカナ語を記録しており、(5)自由国民社、カタカナ 外来語 略語辞典(現代用語の基礎知識)が最も新しい形のカタカナ語を記録している。
【0027】
これらの辞典を通観すると、日本語のカタカナ語の表記は、外来語の表記を完全に従来の日本語表記の枠内にとどめようとする1954年の国語審議会報告の「外来語の表記」を一つの軸としながら、もう一つの軸に原語の音韻あるいは音韻表記により忠実であろうとする傾向を置いて展開してきたことが観察される。
【0028】
たとえば、(1)角川書店、角川外来語辞典の凡例によれば、イ、撥音は「ン」と書き表した。ロ、拗音は小さく「ゃ」「ゅ」「ょ」を書き添えて示した。ハ、長音は「―」をもって示した。ニ、「テュ」「デュ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「フュ、ヴュ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」「ティ」「ディ」などは、原則として、それぞれ「チュ、ジュ」「ハ、ヒ、ヘ、ホ」「ヒュ、ビュ」「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」「チジ」を主見出しとし、前者は副見出しとして添えて示した。とある。
【0029】
この角川版辞典が依拠する国語審議会の報告は、外来語の音韻概念に拗音、撥音等の日本語の音韻認識を示す言葉をそのまま採用する点に明瞭に現れているように、また、外来語の原語の音韻に忠実であろうとする、「テュ、デュ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「フュ、ヴュ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」「ティ、ディ」などの表記を退け、これをカタカナ語以外の日本語表記の常道である「チュ、ジュ」「ハ、ヒ、ヘ、ホ」「ヒュ、ビュ」「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」「チジ」の表記に変えようとする点に見られるように、カタカナ語の表記を日本語の音韻体系に従属させて表記しようとするものである。
【0030】
一方、このような国語審議会の報告とは別に、実際の日本語のなかのカタカナ語の表記としては、(3)柏書房、宛字外来語辞典には旧かなづかいにのみ使用されるワ行のイ段、エ段の表記がWilliam等のカタカナ語の場合に使用されており、ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ、等のVを一種の母音とみなす表記も見えている。
【0031】
また、(4)小学館、例文で読むカタカナ語の辞典等では、国語審議会の報告に敬意を払いながらも、その見出し語に「ファ、フィ、フェ、フォ」の表記を使用している。
【0032】
そこで、森田方式とその展開における入力方法では、国語審議会の報告に完全に忠実なカタカナ語ならば表記できるが、この表記原則に従わない表記も相当に有力であり、そもそもパソコンの入力は、現実に存在しているカタカナ語のすべての表記を許容すべきものであるから、「テュ、デュ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「フュ、ヴュ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」「ティ」「ディ」などの表記を可能にするものでなければならない。
【0033】
そこで、あらためて日本語中のカタカナ語の場合に、和語(大和言葉)漢語(中国漢字由来の日本語)の表記原則によっては包括できない点を確定する。
【0034】
まず、いわゆる長音記号がある。
【0035】
これは、今では時にはカタカナ語でない日本語の表記にまで用いられることがあるが、本来、カタカナ語以前には無かった表記方式である。
【0036】
今ひとつは、「ファ、フィ、フェ、フォ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」「ティ」「ディ」の例に見られるような小型のア行音、ァ、ィ、ゥ、ェ、ォ、の表記の採用あるいは表記への対応である。
【0037】
第三に、「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」の場合のV行の音の表記がある。
【0038】
第四に、(4)小学館、例文で読むカタカナ語の辞典等が許容するクヮルテットの表記に見られるような小型のワ行音の問題もある。
【0039】
第五に、「テュ、デュ」「フュ、ヴュ」の問題がある。国語審議会の報告は、この「ゅ」をも拗音の範疇でとらえているが、入力方式として見た場合は、たとえばTYUの打鍵では「チュ」の音しか生まれないし、HYUでは同じく「ヒュ」の音しかうまれないので、日本語の拗音の入力方法では、これらの小型のヤ行音は入力できないのである。
【0040】
以上をまとめると、旧かなづかいにの使用されるワ行のイ段、エ段の表記とクヮルテットの場合の「ヮ」と言った例外的な場合を除くと、長音記号、小型のア行の文字ァィゥェォと小型のヤ行の文字「ュ」、および「V」の入力を3行5列の鍵盤の枠内に設定すれば、カタカナ語入力の問題は解決される。
【0041】
この問題は、〔特許文献2〕における、「濁音・半濁音」鍵の機能をさらに拡充することで実現できる。
【0042】
すなわち、この発明における「濁音・半濁音」鍵は、本来の固定鍵盤に設定されていた、K、S、T、H、の字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、G、Z、D、B、P、の字母を入力する鍵に変えるのであるが、この機能を、残された字母鍵にも応用するのである。
【0043】
そこで、本発明においては、残されア行の字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、小型のア行の字母すなわちァィゥェォの字母を入力する鍵に変え、Mの字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、長音記号を入力する鍵に変え、Yの字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、小型のヤ行の字母「ュ」を入力する鍵に変え、Wの字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、Vの字母を入力する鍵に変えるとともに、残されたNの字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、読点「、」を入力する鍵に変え、Rの字母を入力する鍵を、この「濁音・半濁音」鍵の打鍵と関連付けることによって、句点「。」を入力する鍵に変えるのである。
【0044】
本発明においては、〔特許文献2〕における、この「濁音・半濁音」鍵に由来するシフト鍵を、その機能に即して、以下「変字母記号鍵」と呼ぶことにする。
【0045】
そして、字母入力中に、この「変字母記号鍵」を2度連続して打鍵すれば、!、?、や「」、『』等の記号を含む鍵盤が呼び出されるように設定する。
【0046】
また、字母入力中に、この「変字母記号鍵」を2度を越えて連続して打鍵すれば、それ以外の文字、記号を含む鍵盤が呼び出されるように設定する。
【0047】
また、本発明は、数字入力については言及していないが、数字入力については、普通の携帯電話の場合のように、字母入力鍵盤を数字入力鍵盤に設定し直すことによって、対応できる。
【0048】
本発明は、3行5列の鍵盤において、清音の子音である、K、S、T、N、H、M、Y、R、W、の9字母と母音のA、I、U、E、O、の5字母を各鍵に配置し、シフト鍵を3行5列の鍵盤の枠内に置いて濁音と半濁音の設定を行い、かつ字母鍵と一種のシフト鍵である「濁音・半濁音」鍵を順次打鍵する〔特許文献2〕の方式を基礎として、この一種のシフト鍵を変字母記号鍵として、子音と関連付ける半濁音と濁音の設定以外に、母音と関連付ける小型の母音字母あるいは小型の「ュ」の字母の設定を行い、またW鍵をV鍵に関連づけるとともに句点、読点の入力をN鍵とR鍵に関連づけるのであるが、その入力過程をより具体的に述べれば以下のようになる。
【0049】
まず、アルファベットと入力する場合の、小型の字母アの入力を含む場合は、この変字母鍵を「変」と表示し、その他の字母は、本来の鍵盤に置かれている字母の状態で表示すれば、A、R、U、H、U、A、変、H、変、E、T、T、O、の13打鍵で入力されるが、これは通常のパソコンでの入力の場合の10回よりも3回打鍵数が多くなる。
【0050】
同様に、プロデュースの場合の、小型の半母音+母音の字母ュの入力の場合には、長音記号をーで示せば、H、変、変、U、R、O、D、E、Y、変、ー、S、U、の13打鍵で入力されるが、これは通常のパソコンでの入力の場合の12回よりも1回打鍵数が多くなる。
【0051】
ヴォイスの場合には、W、変、O、I、S、U、の6打鍵であり、この 場合には、W鍵の入力の直後に変字母鍵を打鍵してこれをV鍵に変えるので、改めてオをォに変える必要はないのであるが、これは通常のパソコンでの入力の場合の5回よりも1回打鍵数が多くなる。
【0052】
以上のように、本発明は、〔特許文献2〕の方式を基礎として、そのシフト鍵を変字母鍵として、その機能を拡張することによって、3行5列の枠内において、和語、漢語、カタカナ語を統一的に入力する方式を提示したが、3行5列の枠内にこの変字母鍵を設定する余裕がなければ、〔特許文献1〕のように、3行5列の枠外にこれを設定するしかない。
【0053】
逆に言えば、〔特許文献10〕のように、3行5列の枠内にこの変字母記号鍵を設定する余裕がない場合も、〔特許文献1〕のように、3行5列の枠外に変字母記号鍵を設定することによってカタカナ語の入力に対応することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】は、本発明の提唱する3行5列の字母入力鍵盤における入力字母の配置の示意図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
携帯電話、電子辞書、各種コントローラー等。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、従来の携帯電話とは懸絶した、パーソナルコンピューターに近い入力操作性を実現した。
【0057】
しかも、従来の方式に比して、本方式は鍵盤を構成する鍵数ならびに鍵の押し下げ数を大きく減少させるので、入力操作が相対的に不安定な鍵盤画面へのタッチによる入力を採用する方式に対して、その不安定性を解消する働きを持っている。
【0058】
従来は、携帯電話等の小型入力電子機器はもっぱら日本語の入力にのみ特化して用いられており、外国語と日本語の総合的入力はもっぱらパーソナルコンピューターに委ねられてきた。
【0059】
しかし、前記特許文献3は、3行5列の鍵盤による外国語入力において、従来のパーソナルコンピューターに近い入力操作性、1個の鍵盤によって、英語のみならず西欧諸言語の入力を実現するという意味では従来のパーソナルコンピューターをしのぐ入力操作性、を実現している。
【0060】
そこで、本発明をこの前記特許文献2の外国語入力方式と組み合わせることによって、小型の電子機器によって従来のパーソナルコンピューターと同様に、日本語入力のみならず、西欧諸言語の入力をもあわせて行うことが可能になる。
【0061】
ここから予想されることは、第一に、従来の携帯電話に比して、その有効範囲が画期的に拡大するとともに、メールやデータベースへのアクセスがいっそう容易になり、携帯電子機器の利用者と利用の局面の拡大をもたらすことである。
【0062】
第二に、従来は一定の大きさを持ったパーソナルコンピューターを通じて、したがって、一定の場所的、あるいは場合によっては、一定の時間的制約のもとで行われていたデータ検索や情報交換が、そうした制約を脱して、ユーザーに密着した形で、かつてのペンや鉛筆を使用した手帳や手紙による情報処理が格段に効率化した形で日常的に行われる可能性を与える。
【0063】
こうして、パーソナルコンピューターとは異なって、本発明による携帯入力電子機器とりわけ携帯電話は時間と場所の制約を脱して、日常的情報交換を可能にする。
【0064】
以上のように、本発明は、従来の産業構造や人間関係の変貌をもたらす可能性を秘めている。
図1