【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例に係る曲げスイッチについて図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施例1)
本実施例1に係る曲げスイッチ1について、
図1乃至
図4を参照して詳細に説明する。
【0016】
本実施例1に係る曲げスイッチ1は、例えば病院等の医療機関における入院患者が居る病室のベッド脇等に配置するものであり、
図1乃至
図3に示すように、導電性を有するコイルばね状の外側電極2と、導電性を有する直線状導体からなり前記外側電極2の内部にその長さ方向で、かつ、前記外側電極2と同等長さで配置した導電性を有する線材からなる内側電極3と、外側電極2、内側電極3の両端部に各々配置され、前記外側電極2と内側電極3とを離隔させる絶縁材からなる例えば帯状に形成した一対の離隔材4a、4bと、前記外側電極2に一端を接続し外部に導出した第1リード線5と、前記内側電極3に一端を接続し外部に導出した第2リード線6と、前記外側電極2、内側電極3、一対の離隔材4a、4bの外側全体を覆う例えば軟質絶縁材からなる外被材7とを有している。
【0017】
前記第1リード線5は、前記外側電極2の端部外周部に半田付け等によりその一端を接続し、前記外被材7を貫通して外部に導出している。
【0018】
また、前記第2リード線6は、前記内側電極3の一端に半田付け等によりその一端を接続し、前記離隔材4a、外被材7を貫通して外部に導出している。
【0019】
そして、前記第1リード線5、第2リード線6の他端側は、いずれも
図1に示すように、例えば、ナースセンター等に配置した発音装置8に接続している。
【0020】
前記外側電極2、内側電極3の材質、更には第1リード線5、第2リード線6の材質については導電性を有する素材であれば特に限定するものではない。
【0021】
なお、
図2乃至
図4においては、前記外被材7を想像線で示している。
【0022】
次に、上述した構成からなる本実施例1に係る曲げスイッチ1の動作について、
図4を参照して説明する。
【0023】
例えば、入院患者が、随時病室のベッド脇にある曲げスイッチ1を片手で握り、握り力を曲げスイッチ1に加えると、この曲げスイッチ1におけるコイルばね状の外側電極2は、
図4に示すように曲がり、同時に前記内側電極3も外側電極2も同方向に曲がり、これにより、内側電極3の外周の一部が外側電極2の内周の一部に接触する。
【0024】
この結果、本実施例1に係る曲げスイッチ1はスイッチオン状態に転じ、ナースセンター等に配置した発音装置8からブザー音又はチャイム音等が発音され、ナースを呼び出すことができる。
【0025】
なお、
図4に示す例は、同図において右側から左側に患者の握り力を作用させた場合を示しているが、本実施例1に係る曲げスイッチ1は、既述した通り、コイルばね状の外側電極2により内側電極3の周りを囲むように構成しているので、握り力は曲げスイッチ1の外側電極2の側面側に対していずれの方向から作用させてもよい全方向性のスイッチ機能を発揮させることができる。
【0026】
一方、前記曲げスイッチ1が起立状態の場合で、その上方から何等かの物体が落下したような場合においては、当該物体による衝撃力は、コイルばね状の外側電極2による垂直ばね剛性によってこの曲げスイッチ1を若干撓ませる程度にとどまり、曲げスイッチ1がスイッチオン状態に転じることはなく、これにより、従来例のような誤発報が生じることを防止できる。
【0027】
図5、
図6は、本実施例1に係る曲げスイッチ1の変形例である曲げスイッチ1Aを示すものであり、実施例1に係る曲げスイッチ1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0028】
図5、
図6に示す変形例の曲げスイッチ1Aは、基本的構成は実施例1に係る曲げスイッチ1の場合と同様であるが、前記内側電極3に替えて導電性を有しばね性を有する棒状体からなる内側電極3Aを用いたことが特徴である。
【0029】
また、内側電極3Aは前記内側電極3よりも太径としているが、この内側電極3Aの材質についても導電性を有する素材であれば特に限定するものではない。
【0030】
変形例の曲げスイッチ1Aによっても、上述した実施例1の曲げスイッチ1の場合と同様な握り力による全方向性のスイッチオン機能、誤発報防止機能を発揮させることができる。
【0031】
特に、誤発報防止機能に関しては、実施例1の内側電極3よりも太径の内側電極3Aを採用しているので、何等かの物体が落下したような場合において、外側電極2による垂直ばね剛性に加えて内側電極3Aの垂直耐荷重性も発揮させることができ、これにより、変形例の曲げスイッチ1Aの誤発報防止機能をより高めることができる利点がある。
【0032】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る曲げスイッチ1Bについて、
図7乃至
図9を参照して説明する。
【0033】
なお、本実施例2に係る曲げスイッチ1Bにおいて、実施例1に係る曲げスイッチ1の場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0034】
本実施例2に係る曲げスイッチ1Bは、基本的構成は実施例1に係る曲げスイッチ1の場合と同様であるが、前記一対の離隔材4a、4bに替えて、前記外側電極2と内側電極3とを離隔させる絶縁材からなる一対の皿状のキャップ材9a、9bを用いたことが特徴であり、残余の構成は実施例1の場合と同様である。
【0035】
本実施例2に係る曲げスイッチ1Bにおいて、前記第1リード線5は、前記外側電極2の端部外周部に半田付け等によりその一端を接続し、前記キャップ材9a、前記外被材7を貫通して外部に導出している。
【0036】
また、前記第2リード線6は、前記内側電極3の一端に半田付け等によりその一端を接続し、前記キャップ材9a、外被材7を貫通して外部に導出している。
【0037】
そして、前記第1リード線5、第2リード線6の他端側は、
図7には図示しないが、いずれも
図1に示す場合と同様に例えば、ナースセンター等に配置した発音装置8に接続している。
【0038】
本実施例2に係る曲げスイッチ1Bの場合においても、入院患者が、随時病室のベッド脇にある曲げスイッチ1Bを片手で握り、握り力を曲げスイッチ1Bに加えると、この曲げスイッチ1Bは、
図4に示す場合と同様にしてスイッチオン状態となり、ナースセンター等に配置した発音装置8からブザー音又はチャイム音等が発音され、ナースを呼び出すことができる。
【0039】
この場合に、本実施例2に係る曲げスイッチ1Bの場合においても、実施例1の場合と同様に、全方向性のスイッチ機能を発揮させることができる。
【0040】
また、何等かの物体が衝突した場合においても、コイルばね状の外側電極2による垂直ばね剛性によって、実施例1の場合と同様、誤発報が生じることを防止できる。
【0041】
更に、本実施例2に係る曲げスイッチ1Bの場合には、前記外側電極2と内側電極3の両端を、一対の皿状のキャップ材9a、9bにより保持する構成を採用しているので、この曲げスイッチ1Bをベッド面やベッドフレームの平面部に安定した状態で載置できる利点もある。
【0042】
図10、
図11は、本実施例2に係る曲げスイッチ1Bの変形例である曲げスイッチ1Cを示すものであり、実施例2に係る曲げスイッチ1Bの場合と同一の要素には同一の符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0043】
図10、
図11に示す変形例の曲げスイッチ1Cは、基本的構成は実施例2に係る曲げスイッチ1Bの場合と同様であるが、上述した変形例の場合と同様、前記内側電極3に替えて導電性を有しばね性を有する棒状体からなる内側電極3Aを用いたことが特徴である。
【0044】
図10、
図11に示す変形例の曲げスイッチ1Cによっても、上述した実施例2の曲げスイッチ1Bの場合と同様な握り力による全方向性のスイッチオン機能、誤発報防止機能を発揮させることができる。
【0045】
特に、誤発報防止機能に関しては、上述した変形例の場合と同様、実施例2の内側電極3よりも太径の内側電極3Aを採用しているので、何等かの物体が落下したような場合において、外側電極2による垂直ばね剛性に加えて内側電極3Aの垂直耐荷重性も発揮させることができ、これにより、変形例の曲げスイッチ1Cにおける誤発報防止機能をより高めることができる利点がある。