特開2016-81747(P2016-81747A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-81747(P2016-81747A)
(43)【公開日】2016年5月16日
(54)【発明の名称】長尺スイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/18 20060101AFI20160411BHJP
【FI】
   H01H13/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-212605(P2014-212605)
(22)【出願日】2014年10月17日
(71)【出願人】
【識別番号】390024718
【氏名又は名称】株式会社東京センサ
(74)【代理人】
【識別番号】100080528
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 冨士男
(74)【代理人】
【識別番号】100073601
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 和男
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 徹
(72)【発明者】
【氏名】田中 清之
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS00K
5G206DS02H
5G206DS02K
5G206DS02N
5G206FS42K
5G206FS42N
5G206KS34
(57)【要約】
【課題】本発明は、曲面を有するような設置箇所へも取り付け使用可能で設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチを提供する。
【解決手段】本発明は、一対の長尺の上部電極板4、下部電極板2を接離させてスイッチ動作を行う長尺スイッチ1において、上部電極板4は長さ方向に伸縮可能で、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能であり、下部電極板2は長さ方向と直交する方向に屈曲可能な構成としたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の長尺の電極板同士を接離させてスイッチ動作を行う長尺スイッチにおいて、
前記一対の電極板のうち、いずれか一方の電極板は長さ方向に伸縮可能で、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状であり、他方の電極板は長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状であることを特徴とする長尺スイッチ。
【請求項2】
前記いずれか一方の電極板における長さ方向に伸縮可能で、直交する方向に屈曲可能な形状は、この電極板自体に長さ方向に連続する部分が存在しない形状の無導体部を設けることにより形成されるものであり、
前記他方の電極板における長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状は、この電極板自体を構成する長さ方向に連続する直線状導体部と、この直線状導体部から前記一方の電極板との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部と交叉する方向に間隔をおいて突出させた多数の突出片とにより形成されるものであることを特徴とする請求項1記載の長尺スイッチ。
【請求項3】
前記いずれか一方の電極板における長さ方向に伸縮可能で、直交する方向に屈曲可能な形状を構成する長さ方向に連続する部分が存在しない形状の無導体部は、
各々外周端辺部に不連続な無導体凹陥部を形成した円形状穴群、楕円形状穴群、菱形形状穴群、多角形状穴群、格子状穴群、略階段状を呈する穴群から選定されることを特徴とする請求項1又は2記載の長尺スイッチ。
【請求項4】
前記いずれか一方の電極板における長さ方向に伸縮可能で、直交する方向に屈曲可能な形状は、この電極板自体に長さ方向に直交する方向に対称な形状の無導体部を設けることにより形成されるものであり、
前記他方の電極板における長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状は、この電極板自体を構成する長さ方向に連続する直線状導体部と、この直線状導体部から前記一方の電極板との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部と交叉する方向に間隔をおいて突出させた多数の突出片とにより形成されるものであることを特徴とする請求項1記載の長尺スイッチ。
【請求項5】
前記いずれか一方の電極板における長さ方向に伸縮可能で、直交する方向に屈曲可能な形状を構成する長さ方向に直交する方向に対称な形状の無導体部は、円形状穴群、楕円形状穴群、菱形形状穴群、多角形状穴群、格子状穴群、略階段状を呈する穴群から選定されることを特徴とする請求項4記載の長尺スイッチ。
【請求項6】
前記他方の電極板における長さ方向に連続する直線状導体部に、櫛歯状の多数の突出片を形成したことを特徴とする請求項2又は4記載の長尺スイッチ。
【請求項7】
前記他方の電極板における前記間隔を置いた各突出片は、直線状導体部からの突出部分に設けたT字状溝部により画される狭幅部で直線状導体部と連なるように形成されていることを特徴とする請求項2又は4記載の長尺スイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺スイッチに関し、曲面を有するような設置箇所へも取り付け使用可能で設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利で、例えば、電車のドア枠と電車ドアとの対向端面等に取り付けられてドアの閉等(或いはドア間に物等が挟持されたような場合)により動作し、その状態を電気的に検出する用途に用いられる長尺スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、人や物体の動きを一対の長尺の電極板同士を接離によるスイッチ動作で検知する長尺スイッチが各種分野で使用されている。
【0003】
特許文献1には、例えば長尺スイッチを構成する上部電極の形状がS状である場合、その一部が端部絶縁体の下部に入り込み、致命的欠陥である短絡を起こし易いこと、S状上部電極はばねのように伸びるので、形状が不安定となること、導体部の経路が長くなり抵抗値が増加することなどの従来技術を解決すべく、上部電極の長さ方向両脇に直線状部を有し、かつ、穴開き構造とした上部電極を備える長尺スイッチが提案されている。
【0004】
しかし、この長尺スイッチの場合、下部電極は通常伸縮しない構造であることから上部電極、下部電極双方とも伸縮しないことになり巻き取りできず足り扱いが不便である。
【0005】
特許文献2には、特許文献1の長尺スイッチの問題点に鑑み、上部電極の長さ方向両脇の直線状部分に面外方向のアーチ部を付加して伸縮性を確保し巻き取りを可能とした長尺スイッチが提案されている。
【0006】
しかし、この長尺スイッチの場合も、長尺スイッチ自体を横曲げ(長さ方向と直交する幅方向に曲げる)することはできず、例えば曲面を有するような設置箇所への取り付けはできず設置箇所の制限を伴っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3065216号公報
【特許文献2】特許第4485633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする問題点は、例えば曲面を有するような設置箇所へも取り付け使用可能で設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチが従来存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の長尺スイッチは、一対の長尺の電極板同士を接離させてスイッチ動作を行う長尺スイッチにおいて、前記一対の電極板のうち、いずれか一方の電極板は長さ方向に伸縮可能で、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状であり、他方の電極板は長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状であることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、一対の電極板のうち、いずれか一方の電極板は長さ方向に伸縮可能で、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能であり、他方の電極板は長さ方向と直交する方向に屈曲可能であるので、曲面を有するような設置箇所への取り付けも可能となり、設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、一方の電極板に長さ方向に連続する部分が存在しない網形状の無導体部を設け、他方の電極板に直線状導体部と多数の突出片とを設けた構成の基に、設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、一方の電極板における無導体部として、使用目的等に応じて各々外周端辺部に不連続な無導体凹陥部を形成した円形状穴群、楕円形状穴群、菱形形状穴群、多角形状穴群、格子状穴群、略階段状を呈する穴群から選定することで、一方の電極板の所望の伸縮作用、屈曲作用を発揮させることができる長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、一方の電極板に長さ方向に直交する方向に対称な形状の無導体部を設け、他方の電極板に直線状導体部と多数の突出片とを設けた構成の基に、設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、一方の電極板における無導体部として、使用目的等に応じて円形状穴群、楕円形状穴群、菱形形状穴群、多角形状穴群、格子状穴群、略階段状を呈する穴群から選定することで、一方の電極板の所望の伸縮作用、屈曲作用を発揮させることができる長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0015】
請求項6記載の発明によれば、櫛歯状の多数の突出片の撓みを利用して他方の電極板の屈曲作用を発揮させることができる長尺スイッチを実現し提供することができる。
【0016】
請求項7記載の発明によれば、下部電極板の被覆工程時における樹脂癒着を防止できるとともに、下部電極板の撓み応力を低下させ容易に前記直線状導体部と交叉する方向に屈曲させることが可能な長尺スイッチを実現し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明の実施例に係る長尺スイッチの概略斜視図である。
図2図2は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に連続する部分が存在しない網形状の無導体部を有する上部電極板の例を示す概略平面図である。
図3図3は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に直交する方向に対称な網形状の無導体部を有する上部電極板の第1の例を示す概略平面図である。
図4図4は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に直交する方向に対称な網形状の無導体部を有する上部電極板の第2の例を示す概略平面図である。
図5図5は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に直交する方向に対称な網形状の無導体部を有する上部電極板の第3の例を示す概略平面図である。
図6図6は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に直交する方向に対称な形状の無導体部を有する上部電極板の第4の例を示す概略平面図である。
図7図7は本実施例に係る長尺スイッチにおける一方の電極板である長さ方向に直交する方向に対称な形状の無導体部を有する上部電極板の第5の例を示す概略平面図である。
図8図8は本実施例に係る長尺スイッチにおける他方の電極板である下部電極板の第1の例を示す概略平面図である。
図9図9は本実施例に係る長尺スイッチにおける他方の電極板である下部電極板の第2の例を示す概略平面図である。
図10図10は本実施例に係る長尺スイッチにおける他方の電極板である下部電極板の第3の例を示す概略平面図である。
図11図11は本実施例に係る長尺スイッチにおける他方の電極板である下部電極板の第4の例を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、例えば曲面を有するような設置箇所へも取り付け使用可能で設置箇所の多様化を図ることができ、取り扱いも便利である長尺スイッチを提供するという目的を、一対の長尺の電極板同士を接離させてスイッチ動作を行う長尺スイッチにおいて、前記一対の電極板のうち、いずれか一方の電極板(例えば上部電極板)を長さ方向に伸縮可能で、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能な構成とし、他方の電極板(例えば下部電極板)を長さ方向と直交する方向に屈曲可能な構成とすることにより実現した。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例に係る長尺スイッチについて図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る長尺スイッチ1を示すものであり、この長尺スイッチ1は、長尺で板状の導体材料からなる下部電極板2と、この下部電極板2の外周を開口部2aの領域を除いて覆う長尺の絶縁材3と、開口部6上に重ねた長尺で板状の導体材料からなる上部電極板4と、上端側に凸部5aを備えるとともに、前記絶縁材3及び上部電極板4の外周を覆う長尺でポリエチレンのような合成樹脂等からなる絶縁材料からなる外被5とを有している。
【0020】
本実施例の説明では、前記上部電極板4を一方の電極板とも言い、前記下部電極板2を他方の電極板とも言うものとする。
【0021】
一方の電極板である前記上部電極板4は、長尺スイッチ1の長さ方向に伸縮可能であり、かつ、長さ方向と直交する方向に屈曲可能な構成を有している。
【0022】
前記上部電極板4の具体的構成例を図2乃至図7を参照して説明する。
【0023】
図2は長さ方向に連続する部分が存在しない網形状の無導体部8を有する上部電極板4を示すものであり、この上部電極板4は、上部電極板4自体に略四角形状を呈する多数の穴7からなる網形状の無導体部8を設けて全体として網形状を呈するように構成している。
【0024】
また、前記上部電極板4の長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部9を形成している。
【0025】
このような上部電極板4によれば、多数の穴7の存在と外周端辺部9の存在とにより長さ方向の引っ張り応力が小さくなり、連続する部分が存在せず、長さ方向への伸縮が容易となる。
【0026】
また、上部電極板4の幅方向についての曲げ応力も、多数の穴7の存在により小さくなり、幅方向に曲げる(屈曲)ことも容易となる。
【0027】
すなわち、無導体部8の存在により、上部電極板4はあたかも板ばねのようになって長さ方向へ伸縮し、幅方向へ屈曲することが可能となる。
【0028】
そして、上部電極板4の伸縮、屈曲は、2次元平面で完結するので引用文献2のように面外方向へRの小さなアーチ部を付加したことによるこの部分の屈曲による破断を伴う惧れもない。
【0029】
更に、網形状の無導体部8の各穴7は、その周りがすべて上部電極板4の肉厚部で囲まれ閉じた形状であることから、穴7の周りの枝部は細くてすむとともに、従来例のように上部電極板の外縁部が端部絶縁体に入り込むようなことは無くなる。
【0030】
なお、前記上部電極板4の無導体部8の形状としては、後述するような上部電極板4A乃至上部電極板4Eの各無導体部11A乃至11Eと類似した形状を採用することも可能である。
【0031】
更には、無導体部8の形状としては、図示しない楕円形状穴群、多角形状穴群、略階段状を呈する穴群等の中から自在に選定することも可能である。
【0032】
図3は一方の電極板の第1の例である長さ方向に直交する方向に対称な網形状の無導体部11Aを有する上部電極板4Aを示すものであり、この上部電極板4Aは、上部電極板4A自体の長さ方向に直交する方向に対称な網形状の、すなわち、略四角形状を呈する多数の穴12からなる網形状の無導体部11Aを設けて全体として網形状を呈するように構成している。また、前記上部電極板4Aの長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部12aを形成している。
【0033】
このような上部電極板4Aによれば、多数の穴12と無導体凹陥部12aの存在により長さ方向の引っ張り応力が小さくなり、連続する部分が存在せず、長さ方向への伸縮が容易となる。
【0034】
また、上部電極板4Aの幅方向についての曲げ応力も多数の穴12の存在により小さくなり、幅方向に曲げる(屈曲)ことも容易となる、
【0035】
すなわち、無導体部11Aの存在により、上部電極板4Aはあたかも板ばねのようになって長さ方向へ伸縮し、幅方向へ屈曲することが可能となる。
【0036】
そして、上部電極板4Aの伸縮、屈曲は、2次元平面で完結するので引用文献2のように面外方向へRの小さなアーチ部を付加したことによるこの部分の屈曲による破断を伴う惧れもない。
【0037】
更に、網形状の無導体部11Aの各穴12は、その周りがすべて上部電極板4Aの肉厚部で囲まれ閉じた形状であることから、穴12の周りの枝部は細くてすむとともに、従来例のように上部電極板の外縁部が端部絶縁体に入り込むようなことは無くなる。
【0038】
図4は第2の例である上部電極板4Bを示すものであり、この上部電極板4Bは、上部電極板4B自体の長さ方向に直交する方向に対称な網形状の、すなわち、略菱形状を呈する多数の穴13からなる網形状の無導体部11Bを設けて全体として網形状を呈するように構成している。また、前記上部電極板4Bの長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部13aを形成している。
【0039】
この上部電極板4Bによっても、前記上部電極板4Aの場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0040】
図5は第3の例である上部電極板4Cを示すものであり、この上部電極板4Cは、上部電極板4C自体の長さ方向に直交する方向に対称な網形状の、すなわち、略平行四辺形状を呈する多数の穴14からなる網形状の無導体部11Cを設けて全体として網形状を呈するように構成している。また、前記上部電極板4Cの長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部14aを形成している。
【0041】
この上部電極板4Cによっても、前記上部電極板4Aの場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0042】
図6は第4の例である上部電極板4Dを示すものであり、この上部電極板4Dは、上部電極板4D自体の長さ方向に直交する方向に対称な形状の、すなわち、円形状を呈する多数の穴15からなる網形状の無導体部11Dを設けて全体として網形状を呈するように構成している。また、前記上部電極板4Dの長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部15aを形成している。
【0043】
この上部電極板4Dによっても、前記上部電極板4Aの場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0044】
図7は第4の例である上部電極板4Eを示すものであり、この上部電極板4Eは、上部電極板4D自体の長さ方向に直交する方向に対称な形状の、すなわち、四角形状を呈する多数の穴16からなる網形状の無導体部11Eを設けて全体として網形状を呈するように構成している。また、前記上部電極板4Eの長さ方向の外周端辺部には、不連続な無導体凹陥部16aを形成している。
【0045】
この上部電極板4Eによっても、前記上部電極板4Aの場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0046】
前記上部電極板4A乃至4Eにおける各無導体部の形状としては、上述した各例に限らず、図示しない楕円形状穴群、多角形状穴群、略階段状を呈する穴群等の中から自在に選定することができ、これらの場合も上述した場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0047】
次に、他方の電極板である下部電極板2について説明する。
【0048】
下部電極板2における長さ方向と直交する方向に屈曲可能な形状としては、図8に第1の例を示すように、この下部電極板2を構成する長さ方向に連続する直線状導体部21と、この直線状導体部21から前記上部電極板4との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部21と交叉する方向に間隔をおいて突出させた多数の突出片22とからなる形状を挙げることができる。
【0049】
前記直線状導体部21は、下部電極板2が長さ方向に伸びないようにするためのものであり、また、直線状導体部21の端部は直線状とし、押し出し成型の絶縁体で覆うことで絡まないようにしている。
【0050】
また、多数の突出片22の前記直線状導体部21と交叉する方向の撓みを利用して下部電極板2を屈曲可能とするものである。
【0051】
図9は第2の例である下部電極板2Aを示すものであり、長さ方向に連続する直線状導体部21Aと、この直線状導体部21Aから前記上部電極板4との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部21Aと交叉する方向両側に間隔をおいて櫛歯状に突出させた多数の突出片22Aとからなるものである。
【0052】
この下部電極板2Aによっても、前記下部電極板2の場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0053】
図10は第3の例である下部電極板2Bを示すものであり、長さ方向に連続する直線状導体部21Bと、この直線状導体部21Bから前記上部電極板4との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部21Bと交叉する方向片側に間隔をおいて櫛歯状に突出させた多数の突出片22Bとからなるものである。
【0054】
この下部電極板2Bによっても、多数の突出片22Bを片持ち梁型とした構成の基に前記下部電極板2の場合と同様な作用、効果を発揮させることができる。
【0055】
図11は第4の例である下部電極板2Cを示すものであり、長さ方向に連続する直線状導体部21Cと、この直線状導体部21Cから前記上部電極板4との接触面方向で、かつ、前記直線状導体部21Cと交叉する方向に前記直線状導体部21Cを中央位置としてその両側から間隔をおいて突出させた多数の広幅の突出片22Cとからなるものである。
【0056】
図11に示す下部電極板2Cの場合には、各突出片22Cは、各々直線状導体部21Cからの突出部分に設けたT字状溝部23により画される狭幅部24で直線状導体部21Cに連なるように形成している。
【0057】
図11に示す下部電極板2Cによれば、前記直線状導体部21Cにより長さ方向の伸縮を防止する。
【0058】
また、広幅の各突出片22CをT字状溝部23により画される狭幅部24で直線状導体部21Cに連なるようにしているので、長尺スイッチ1の製造時における樹脂による下部電極板2Cの被覆工程時における樹脂癒着を防止できるとともに、下部電極板2Cの撓み応力を低下させ容易に前記直線状導体部21Cと交叉する方向に屈曲させることが可能となる。
【0059】
なお。上述した実施例では、前記上部電極板4を一方の電極板とし、下部電極板2を他方の電極板として説明したが、前記長尺スイッチ1における下部電極板2、上部電極板4の配置を上下逆とした構成とすることももちろん可能できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る長尺スイッチは、電車ドア等の閉検知の他、各種工場等の産業分野、防犯分野、流通分野等における物品検知、人間検知用として広範に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 長尺スイッチ
2 下部電極板
2A 下部電極板
2B 下部電極板
2C 下部電極板
3 絶縁材
4 上部電極板
4A 上部電極板
4B 上部電極板
4C 上部電極板
4D 上部電極板
4E 上部電極板
5 外被
5a 凸部
6 開口部
7 穴
8 無導体部
9 無導体凹陥部
11A 無導体部
11B 無導体部
11C 無導体部
11D 無導体部
11E 無導体部
12 穴
12a 無導体凹陥部
13 穴
13a 無導体凹陥部
14 穴
14a 無導体凹陥部
15 穴
15a 無導体凹陥部
16 穴
16a 無導体凹陥部
21 直線状導体部
21A 直線状導体部
21B 直線状導体部
21C 直線状導体部
22 突出片
22A 突出片
22B 突出片
22C 突出片
23 T字状溝部
24 狭幅部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11