【解決手段】基板に実施された部品と、部品の上面と側面とを覆う多孔質のグラファイト多孔質体と、グラファイト多孔質体に接続される放熱体または筐体と、を含む放熱構造体を用いる。また、基板に実施された部品と、部品の上面と側面とを覆う多孔質のグラファイト多孔質体と、グラファイト多孔質体に接続される放熱体と、グラファイト多孔質体に接続される筐体と、を含む放熱構造体を用いる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
この発明で用いるグラファイト多孔質体であるグラファイトモノリスについて以下で説明する。次の方法で作製するものである。
一定の形状の容器内で、水及び触媒の存在下にフェノール化合物とアルデヒド化合物を反応させて得られる樹脂のゲルを脱水し、得られた乾燥ゲルを不活性ガス雰囲気中で焼成する方法を用いる。
【0012】
以下、実施の形態を詳細に説明する。
フェノール化合物とアルデヒド化合物の反応は、水及び触媒の存在下に行われる。
フェノール化合物としては、例えば、下数式(1)
【数1】
(式中、R1は水素原子、又はハロゲン原子若しくは置換基で置換されていてもよいアルキル基を表す。nは2〜5の整数を表し、mは0〜3の整数を表すが、n及びmの和が6以上であることはない。) で示される化合物が挙げられる。
【0013】
この方法において、上式(1)中のR1は、水素又は置換されていてもよいアルキル基を表す。上記のアルキル基における置換基としては、例えばヒドロキシ、シアノ、アルコキシ、カルバモイル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、スルホ及びスルファモイル等を挙げることができる。
【0014】
上記アルキル基や、該アルキル基の置換基であるアルコキシ、アルコキシカルボニル及びアルキルカルボニルオキシは、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
上記R1において、ハロゲン原子若しくは置換基で置換されていてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−オクチル基、ノニル基、p−t−ブチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、3,4−ジヒドロキシブチル基、シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−クロロブチル基、4−ブロモブチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、1,2−ジカルボキシエチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、4−カルバモイルブチル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、4−メトキシカルボニルブチル基、4−エトキシカルボニルブチル基、メチルカルボニルオキシメチル基、エチルカルボニルオキシメチル基、2−メチルカルボニルオキシエチル基、2−エチルカルボニルオキシエチル基、3−メチルカルボニルオキシプロピル基、3−エチルカルボニルオキシプロピル基、4−メチルカルボニルオキシブチル基、4−エチルカルボニルオキシブチル基、スルホメチル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、スルファモイルメチル基、2−スルファモイルエチル基、3−スルファモイルプロピル基及び4−スルファモイルブチル基等を挙げることができる。
【0015】
R1としては、水素原子又は無置換のアルキル基がより好ましく、水素、メチル基、エチル基、n−オクチル基が特に好ましい。
式(1)において、nとしては、3又は4が好ましく、4が特に好ましい。
【0016】
mとしては、1又は2が好ましく、1が特に好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、i−プロピルフェノール、ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2−クロロフェノール、4−メトキシフェノール、2,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、カテコール、3−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、2,5−ジメチルレゾルシノール、5−メトキシレゾルシノール、5−ペンチルレゾルシノールやピロガロール等を挙げることができる。
【0017】
この方法において、上記フェノール化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
この方法におけるアルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
【0018】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒドが好ましい。
この方法において、フェノール化合物とアルデヒド化合物の使用割合は特に限定されない。
この方法において、フェノール化合物に対するアルデヒド化合物のモル比は、通常は1〜3の範囲であり、好ましくは1.2〜2.5の範囲である。
【0019】
この方法における反応は、フェノール化合物とアルデヒド化合物を含有する水の存在下に行われる。そして、この方法の製造方法は、コロイド状の大きさの粒子を含む流動性のある液体中においてコロイド粒子が活発なブラウン運動をしているゾル状態を経て、上記コロイド粒子由来の三次元網目状構造を有するゲル状化合物を得る反応である。実施の形態におけるゲル状化合物は、三次元の網目構造中に水等の液体又は空気等の気体が含まれていてもよい。
【0020】
本実施の形態1におけるゾル−ゲル反応において、触媒としては塩基性触媒でも酸性触媒でもよいが酸性触媒が好ましい。かかる塩基性触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウムやリン酸カリウム等が挙げられる。
【0021】
塩基触媒としては、炭酸ナトリウムが好ましい。塩基性触媒の使用量は、フェノール化合物1モル当り、通常は0.00001〜5モルの範囲であり、好ましくは0.00001〜2モルの範囲であり、さらに好ましくは0.00001〜0.1モルの範囲である。
実施の形態のゾル−ゲル反応において、反応温度は、通常は0〜100℃の範囲であり、好ましくは30〜90℃の範囲である。
【0022】
本実施の形態のゾル−ゲル反応により得られる樹脂は湿潤ゲルであり、乾燥ゲルは上記湿潤ゲルを脱水することにより製造される。
湿潤ゲルの脱水は、例えば、前記湿潤ゲル中の水を親水性有機溶媒で置換することにより行われる。
【0023】
上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール及びt−ブチルアルコール等のアルコール類;アセトニトリル等の脂肪族ニトリル類;アセトン等の脂肪族ケトン類;ジメチルスルホキシド等の脂肪族スルホキシド類;酢酸等の脂肪族カルボン酸類が挙げられる。
【0024】
これらの親水性有機溶媒のうち、t−ブチルアルコール、ジメチルスルホキシド又は酢酸が好ましく用いられ、t−ブチルアルコールが特に好ましく用いられる。
このようにして得られた親水性有機溶媒で湿潤されたゲルは、好ましくは凍結乾燥され、乾燥ゲルが得られる。ただし、常温乾燥・凍結乾燥・超臨界乾燥のどれでもよい。
【0025】
常温乾燥・凍結乾燥・超臨界乾燥によって得られた乾燥ゲルは、ゾル−ゲル反応により作られた湿潤ゲルを構成する粒子の三次元の網目状構造を保持することができる。すなわち、形態及び機能的に三次元の網目状構造が有する性状を維持しつつ、湿潤ゲル中の親水性有機溶媒等の液体を除去することができる。
【0026】
実施の形態において、凍結乾燥を用いる場合は、湿潤ゲルの三次元網目状構造における親水性有機溶媒等の液体を除去することが可能であり、不均一な乾燥や泡立ち、変質等を防ぎつつ、三次元の網目状構造を維持できるので、上記湿潤ゲルの形状を保った乾燥ゲルが得られる。
【0027】
さらに、凍結乾燥装置を用いることにより、湿潤ゲルを短時間で乾燥することができると共に、乾燥ゲルの製造コストを低減化することができる。
凍結乾燥における凍結温度は、通常は−70〜−5℃の範囲であり、好ましくは−30〜−10℃の範囲である。
【0028】
そして、凍結乾燥後に得られたカーボン乾燥ゲルは、不活性ガス雰囲気中で焼成(炭化)することにより、カーボン材料を得ることができる。焼成(炭化)時の不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素等が好ましい。焼成(炭化)温度は、通常は200〜3000℃の範囲であり、好ましくは600〜1100℃の範囲である。焼成時間は、通常は数分間〜数時間の範囲である。
【0029】
<成形>
この実施の形態では、所望の形状(実施の形態2以降)の容器内で、上記溶液からゲルを生成できる。または、ゲル状態時に、所望の形状(実施の形態2以降)の容器へ入れる。このことで、所望の形状のカーボン乾燥ゲルが得られる。カーボン乾燥ゲルは、容器から取り出される。以下の各実施の形態で使用できる。
【0030】
金型を用い、溶液を閉じ込め、乾燥後、金型を開けること、成形してもよい。
低い温度で成形後、高い温度で焼成できる。
<物性>
この材料を以下、グラファイトモノリスとする。多孔質体であるが、グラファイトである。熱伝導性もあるレベルある。グラファイトとしての(002)面のX線回折の半値幅は、約0.5°であった。
【0031】
密度は、0.7〜0.85g/cm3、細孔容積は、0.5から0.7cm3/gである。
メソ孔体積は、0.6〜3cm3/g、ミクロ孔体積は、0.2〜0.6cm3/gである。大きな孔から小さな孔まであり、孔がつながっている。流体を流しやすい。
【0032】
なお、塩化鉄を触媒として原料に入れ合成すると、低温でも結晶性のよい、熱伝導性のよいグラファイトモノリスとなる。
<グラファイトモノリスの範囲>
このグラファイトモノリスは、グラファイトの多孔質体である。高分子フィルムでなく、有機化合物のゾルゲル反応により生成されたものである。特に、ベンゼン化合物とアルデヒド化合物のゾルゲル反応で生成されるものである。
【0033】
ただし、別の方法で作製した、同様の構造を有する多孔質のグラファイトも含むこともできる。例えば、ベンゼン化合物とアルデヒド化合物から作製することもできる。2つの溶液のゾルゲルにより作製できる。
(実施の形態2)
実施の形態2を、以下、
図1(a)〜
図1(d)の断面図を用いて説明する。
【0034】
基板103上に電子部品102が実装されている。その電子部品102の上面、側面を覆うようにグラファイトモノリス10が覆っている。その上に筐体101が位置する。
電子部品102の熱を、グラファイトモノリス10を経由して筐体101へ伝達する。電子部品102の冷却をする。
【0035】
ここで、グラファイトモノリス10は、熱をそのまま上方へ伝達するのでなく、水平方向へも広げ、かつ、上方へも広げる。このことで、熱が集中せず、筐体101の温度も局所的に、温度が上がらない。さらに、グラファイトモノリス10は、電子部品102の側面からも熱を伝熱し、熱を逃がす。
【0036】
特に、筐体101の熱伝導が悪い場合(樹脂製、薄い金属製)に有効である。
図1(b)は、
図1(a)の変形例である。差異は、グラファイトモノリス10が、基板103にも、つながっている点である。
【0037】
この結果、グラファイトモノリス10は、筐体101だけでなく基板103へも熱を伝達、放熱する。
図1(c)、
図1(d)は、変形例である。グラファイトモノリス10の形状が異なる。筐体側へ向かって水平断面積が大きくなっている。熱を上方へ行くにしたがって、水平方向へ広げ、熱の集中を防止する。
【0038】
<効果>
特徴は、グラファイトモノリス10により、電子部品102の上面だけでなく、側面を覆い、電子部品102の熱を広げ、熱の集中を防止する。
(実施の形態3)
実施の形態3を、以下、
図2(a)から
図2(d)の断面図で説明する。
【0039】
図2(a)で、基板103上に電子部品102が実装されている。その電子部品102の上面に、グラファイトモノリス10が位置する。その上に、断熱材11、筐体101が位置する。
電子部品102の熱を、グラファイトモノリス10を経由して筐体101へ伝達する。電子部品102の冷却をする。断熱材11は、グラファイトモノリス10において集中しているところの熱を、筐体101へ伝達しないようにしている。つまり、グラファイトモノリス10において、電子部品102の真上部分は、温度が高く、真上以外のところの温度は、低い。このため、断熱材11で、一端熱の伝達を留め、平均化してから、筐体101へ熱を伝達するものである。
【0040】
図2(b)、
図2(c)は、断熱材11にグラファイトモノリス10を入れ込んだものである。混合領域12がその部分である。グラファイトモノリス10は、細孔を有し、ペースト状の断熱材11を入れ込むことができる。
この構造とすることで、断熱材11とグラファイトモノリス10との接着シート、接着剤が不要で、薄型化、工程削減ができる。また、断熱材11は、通常、脆く粉などがでるが、グラファイトモノリス10に入れ込めば、粉が防止できる。混合領域12は断熱材11により断熱部となる。
【0041】
図2(c)では、断熱材11の上面に被覆層51を設けている。断熱材11の保護である。
図2(d)では、断熱材11とグラファイトモノリス10の多段の積層体である。多段とすることで、全体としての一体化、断熱材11の補強、熱伝達の均質性がでる。
【0042】
製造途中のゾル状態のグラファイトモノリス10を、断熱材11のシートに塗布し、さらに、別の断熱材11のシートを重ねることで容易に、積層体が製造できる。
(実施の形態4)
実施の形態4を、以下、
図3(a)〜
図3(d)の断面図で説明する。
【0043】
図3(a)では、基板103上に電子部品102が実装されている。グラファイトモノリス10にファン13を配置している。
グラファイトモノリス10には、細孔があり、ファン13の空気を流すことがよりできる。結果、グラファイトモノリス10は、十分に冷却され、電子部品102を冷却できる。
【0044】
図3(b)では、グラファイトモノリス10の上部には筐体101、側面には放熱器14が配置されている。電子部品102の熱を放熱器14と筐体101の両方に逃がすことができる。
図3(c)では、グラファイトモノリス10上部にファン13を設けている。さらに、グラファイトモノリス10に開口を設けている。垂直方向の開口に空気が流せ、冷却がさらにされる。
【0045】
図3(d)では、
図3(c)と異なり、側面にファン13を設け、開口を水平方向に設けている。
(実施の形態5)
実施の形態5を、以下、
図4(a)、
図4(b)で説明する。
【0046】
図4(a)、
図4(b)では、
図1(a)、
図1(b)に対応する図である。
実施の形態1の構成に異方性伝導シート20を追加したところが異なる。グラファイトモノリス10に、異方性伝導シート20を追加している。この異方性伝導シート20のより、グラファイトモノリス10からの熱を水平方向へ広げ、筐体101へ伝達する。
【0047】
ここで、異方性伝導シート20としては、グラファイトシート100(
図8)を用いることができる。高分子フィルムを不活性ガス中、約2600度で焼成したグラファイトシートが使用できる。または、熱伝導性シート、グラファイト入りゴムシートなどが使用できる。
【0048】
グラファイトモノリス10は、実施の形態1の方法で作製できる。
(実施の形態6)
実施の形態6を、以下、
図5(a)、
図5(b)で説明する。熱交換器の熱交換する部分に用いるものである。
【0049】
図5(a)では、冷媒体18と温媒体19の間の金属材料16にグラファイトモノリス10a、10bを配置した断面図である。
グラファイトモノリス10aは、温媒体19から、熱を受けとり、金属材料16へ、熱を伝える。金属材料16は、熱をグラファイトモノリス10bへ伝え、グラファイトモノリス10bは熱を冷媒体18へ放熱する。
【0050】
グラファイトモノリス10は、細孔を有し、冷媒体18、温媒体19との接触面積が大きい、かつ、熱伝導性がある。
結果、熱効率より熱交換ができる。
【0051】
図5(b)では、冷媒体の管18aの中にグラファイトモノリス10が配置されている。
温媒体の管19aは、グラファイトモノリス10中に配置されている。
結果、温媒体の熱は、冷媒体へ伝達される。
【0052】
なお、上記を金型装置へ導入することで、金型装置へも応用できる。
(実施の形態7)
実施の形態7を、以下、
図6(a)、
図6(b)で説明する。
【0053】
図6(a)は、電子部品102と放熱器31との間にグラファイトモノリス10を配置した断面図である。
図6(b)の拡大図でわかるように、グラファイトモノリス10は、その表面とその内部に、熱伝導性のペースト52を有している。グラファイトモノリス10と電子部品102、放熱器31との間の接触熱抵抗を下げている。
【0054】
この結果、電子部品102の熱を、放熱器31へ効率的に伝達し、電子部品102の冷却をする。
なお、グラファイトモノリス10の全体に熱伝導性のペースト52を含ませてもよい。また、グラファイトモノリス10は、電子部品102の周辺を込んでもよい。
【0055】
図6(c)に示すように、グラファイトモノリス10は、電子部品102を取り囲んでもよい。電子部品102の全体から熱を放熱できる。
(実施の形態8)
実施の形態8を、以下、
図7で説明する。
【0056】
図7は、ゴムシート30の平面図である。このゴムシート30には、グラファイトモノリス10が含まれている。実施の形態1のグラファイトモノリス10を粉に砕き、ゴムに練りこむ。通常のグラファイト粉と異なり、細孔があるので、ゴム材料との密着性がよい。結果、高濃度、80重量%以上混入させても、グラファイトモノリス10がこぼれ落ちにくい。結果、熱伝導性のよいゴムシートとなる。
【0057】
ゴムとしては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。熱可塑性樹脂、添加剤、架橋剤を入れてもよい。ただし、樹脂成分として、エラストマー(ゴム成分)を用いる場合には、混練時の熱でゴムの架橋が進行しないように、まず、ゴム架橋剤を除いた材料の混練を行い、その後、ゴム架橋剤を加えて更に混練を行うことが望ましい。
【0058】
上記原料を混練する場合、例えばロール混練法が挙げられる。ロール混練法では、組成物を一対のロール間のギャップに通して組成物を熱伝導体に成形する。組成物がロール間に挟み込まれ、間隙を通過する際に、組成物は回転するロールにより、ずりせん断力を受け、ロールの回転方向と平行な方向に伸長される。その際、マトリックスが伸長されるのに伴い、組成物中に分散しているグラファイトモノリス10も同じ方向に配向する。
【0059】
ロール混練法により組成物の混練を行う前に、従来、公知の混練装置、例えば、二軸押出機、単軸押出機、加熱可能な二軸又は単軸のスクリューフィーダー、フィーダールーダー、バンバリーミキサー、ロールミル等を用いて予備混練をおこなってもよい。
このゴムシート30は、
図8のグラファイトシート100の代わりに使用できる。
図6の電子部品102と放熱器31との間にも用いることができる。
【0060】
(実施の形態9)
実施の形態9を、以下、
図8(a)、
図8(b)の断面図で説明する。
図8(a)、
図8(b)は、流体管40にグラファイトモノリス100を配置したものである。流れる流体の熱を交換する。
【0061】
冷却水が流れる冷却管へ応用できる。
図8(b)では、流体管40の曲がる部分にグラファイトモノリス10を配置している。曲がる部分は、流れる流体のよどみがあり、より熱交換しやすい。
(なお書き)
上記実施の形態は、組み合わせることができる。
【0062】
電子部品102は、電気的な素子だけでなく、光学部品、高周波部品、熱素子など熱が発生する部品を含む。