【解決手段】帯ノコ刃10の後縁部16が、反復する後縁部パターン21を含み、後縁部16は帯ノコ刃10の周囲方向長に沿って連続的に反復配置された複数の後縁部パターン21を含み、後縁部16は3、4、5、6、7、8、9、10或いはそれ以上の後縁部パターン21を含み、後縁部パターン21は、以下の順における、(i)比較的短い下向き傾斜セクション22、(ii)比較的長い上向き傾斜セクション24、(iii)比較的長い間隔セクション26を含む。
前記下向き傾斜セクションが、後縁部パターンの前端から第1上向き傾斜セクションの前端へと伸延され、前記第1上向き傾斜セクションが、前記下向き傾斜セクションの後端から前記中間セクションの前端へと伸延され、前記中間セクションが、前記第1上向き傾斜セクションの後端から前記第2上向き傾斜セクションの前端へと伸延され、前記第2上向き傾斜セクションが、前記中間セクションの後端から前記間隔セクションの前端へと伸延され、前記間隔セクションが、前記第2上向き傾斜セクションの後端から前記後縁部パターンの後端へと伸延される請求項1に記載の帯ノコ刃。
前記帯ノコ刃が、前記下向き傾斜セクションの前端位置に第1高を有し、前記下向きセクションの後端及び前記第1上向き傾斜セクションの前端位置に第2高を有し、前記第1上向き傾斜セクションの後端と、前記中間セクションに沿った部分と、前記第2上向き傾斜セクションの前端位置に第3高を有し、前記第2上向き傾斜セクションの後端位置及び前記間隔セクションに沿った部分に第4高を有し、前記第1高が第4高に等しい又は実質的に等しく、前記第1高が前記第2高及び第3高の各々より高く、前記第3高が前記第2高より高い請求項1に記載の帯ノコ刃。
前記第1中間長が前記第2中間長に等しい或いは実質的に等しく、前記第1鋭角中間角が前記第2鋭角中間角に等しい或いは実質的に等しい請求項13に記載の帯ノコ刃。
前記第1上向き傾斜長が前記第2上向き傾斜長に等しい或いは実質的に等しく、前記第1鋭角上向き傾斜角が前記第2鋭角上向き傾斜角に等しい或いは実質的に等しい請求項11に記載の帯ノコ刃。
前記帯ノコ刃の全周囲方向長が約3.05メートル以上且つ約4.27メートル未満の長さに等しい或いは実質的に等しく、前記間隔長が、前記上向き傾斜長の約1/3で且つ前記上向き傾斜長の1.5倍未満である請求項10に記載の帯ノコ刃。
前記帯ノコ刃の全周囲方向長が、約4.27メートル以上の長さに等しい或いは実質的に等しく、前記間隔長が前記下向き傾斜長以上の長さである請求項10に記載の帯ノコ刃。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の問題を解消する、反復する後縁部パターンを有する帯ノコ刃及び関連方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、帯ノコ刃のみならず、帯ノコ刃の各特徴の実施態様例が記載される。帯ノコ刃は工作物を切断する帯ノコ装置と共に使用され得る。以下に記載されるように、帯ノコ刃は、切断中に加工硬化する傾向のある材料等の色々なタイプの材料から形成された工作物を含む工作物を切断する際の切断性能を高める構成を有し得る。更に、以下に記載するある実施態様における帯ノコ刃は、帯ノコ刃を使用しての工作物切断中に発生する騒音あるいは挽き音レベルを低下させる構成を有し得る。
【0008】
一般に、帯ノコ刃は切断平面を形成し且つ、帯ノコ刃が切断方向に移動する際に工作物と係合する構成を有する切断縁部と、切断縁部に関して帯ノコ刃の反対側に位置付けられ且つ、帯ノコ装置の離間されたローラと係合する構成を有するパターン付き後縁部とを含み得る。ある実施態様では後縁部のパターンは反復する後縁部パターンである。
【0009】
ある実施態様では後縁部パターンは、以下の順における、下向き傾斜長を有し且つ切断平面と平行な平面に関する下向き鋭角傾斜角を形成する下向き傾斜セクション、第1上向き傾斜長を有し且つ切断平面と平行な平面に関して第1上向き鋭角傾斜角を形成する第1上向き傾斜セクション、中間長を有し且つ切断平面と少なくとも実質的に平行に配向された中間セクション、第2傾斜長を有し且つ切断平面と平行な平面に関して第2上向き鋭角傾斜角を形成する第2上向き傾斜セクション、間隔長を有し且つ切断平面と少なくとも実質的に平行に配向された間隔セクション、を含み得る。
【0010】
ある実施態様では、第1上向き傾斜長、中間長、第2上向き傾斜長の合計長さは下向き傾斜長以上の長さであり得る。ある実施態様では、第1上向き傾斜長、中間長、第2上向き傾斜長の合計長さは間隔長以上の長さであり得る。ある実施態様では間隔長は下向き傾斜長以上の長さであり得る。ある実施態様では第1上向き傾斜長さは第2上向き傾斜長さに等しいあるいは実質的に等しい長さであり得る。ある実施態様では下向き傾斜長さは中間長に等しいあるいは実質的に等しい長さであり得る。ある実施態様では下向き鋭角傾斜角は第1上向き鋭角傾斜角及び第2上向き鋭角傾斜角の各々より大きい角度であり得る。ある実施態様では第1上向き鋭角傾斜角は第2上向き鋭角傾斜角に等しいあるいは実質的に等しい角度であり得る。
【0011】
ある実施態様によれば、下向き傾斜セクションは後縁部パターンの前端から第1上向き傾斜セクションの前端に伸延され得、第1上向き傾斜セクションは下向き傾斜セクションの後端から中間セクションの前端に伸延され得、中間セクションは第1上向き傾斜セクションの後端から第2上向き傾斜セクションの前端に伸延され得、第2上向き傾斜セクションは中間セクションの前端から間隔セクションの後端に伸延され得、間隔セクションは第2上向き傾斜セクションの後端から後縁部パターンの前端に伸延され得る。
【0012】
ある実施態様では帯ノコ刃は下向き傾斜セクションの前端位置に第1高を、前記下向き傾斜セクションの後端位置及び第1上向き傾斜セクションの前端位置に第2高さを、第1上向き傾斜セクションの後端位置、中間セクションに沿った部分、第2上向き傾斜セクションの前端位置に第3高さを、第2上向き傾斜セクションの後端位置及び間隔セクションに沿った位置に第4高さを夫々有し得る。第1高は第4高さに等しいあるいは実質的に等しく、第1高は第2高さ及び第3高さの何れか以上の高さであり得、第3高さは第2高さ以上の高さであり得る。
【0013】
ある実施態様では後縁部パターンには、以下の順における、下向き傾斜長を有し且つ切断平面と平行な平面に関して下向き鋭角傾斜角を形成する下向き傾斜セクション、上向き傾斜長さを有し且つ切断平面と平行な平面に関して上向き鋭角傾斜角を形成する上向き傾斜セクション、間隔長を有し且つ切断平面に少なくとも実質的に平行な方向に配向された間隔セクション、が含まれ得る。上向き傾斜セクションは下向き傾斜セクションの隣に位置決めされ得、間隔セクションは上向き傾斜セクションの隣に位置決めされ得る。上向き傾斜長さ及び間隔長は各々下向き傾斜長さ以上の長さであり得る。
【0014】
ある実施態様では上向き傾斜セクションは、第1上向き傾斜長を有し且つ切断平面に平行な平面に関して第1上向き鋭角傾斜角を形成する第1上向き傾斜サブセクションと、第2上向き傾斜長を有し且つ切断平面と平行な平面に関して第2上向き鋭角傾斜角を形成する第2上向き傾斜サブセクション、第1上向き傾斜サブセクションと第2上向き傾斜サブセクションとの間の、中間長を有する中間サブセクションを含み得る。ある実施態様では中間サブセクションは切断平面と平行又は実質的に平行に配向され得る。ある実施態様では中間サブセクションは、第1中間長を有する第1部分にして、切断平面と平行な平面に関して第1鋭角中間角を形成する第1部分と、第2中間長を有する第2部分にして、切断平面と平行な平面に関して第2鋭角中間角を形成する第2部分とを含み得る。第1中間長は第2中間長に等しい又は実質的に等しい長さであり得、第1鋭角中間角は第2鋭角中間角に等しい又は実質的に等しい角度であり得る。ある実施態様では、下向き傾斜長は中間長に等しい又は実質的に等しい長さであり得る。ある実施態様では第1上向き傾斜長は第2上向き傾斜長に等しい又は実質的に等しい長さであり得、第1上向き鋭角傾斜角は第2上向き鋭角傾斜角に等しい又は実質的に等しい角度であり得る。
【0015】
ある実施態様では、帯ノコ刃の全周囲方向長は約10フィート(3.05メートル)に等しい又はそれより長く且つ約14フィート(4.27メートル)より短い長さであり得、間隔長は下向き傾斜長に等しい又はそれ以上の長さであり得る。ある実施態様では帯ノコ刃の全周囲方向長は約10フィート(3.05メートル)に等しい又はそれより長く且つ約14フィート(4.27メートル)より短い長さであり得、間隔長は上向き傾斜長の約1/3に等しい又はそれより長く且つ上向き傾斜長の1.5倍の長さであり得る。ある実施態様では帯ノコ刃の全周囲方向長は約14フィート(4.27メートル)に等しい又はそれ以上の長さであり得、間隔長は上向き傾斜長に等しい又はそれ以上の長さであり得る。
【0016】
本発明のこれら及びその他の実施態様は以下の詳細な説明において付随する図面を参照して更に詳しく説明される。
【発明の効果】
【0017】
従来技術の問題を解消する、反復する後縁部パターンを有する帯ノコ刃及び関連方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜6には本発明の1つ又は1つ以上の実施態様に従う帯ノコ刃10(単に“ノコ刃”とも称され得る)が例示される。帯ノコ刃10は工作物を切断する帯ノコ装置で使用するために好適なものであり得る。詳しくは、
図2に示されるように、帯ノコ刃10は、帯ノコ刃10の移動中に帯ノコ装置の離間されたローラ12と係合する構成を有し得る。以下に説明するように、帯ノコ刃10は、切断中に加工硬化する傾向のある種々のタイプの材料から形成されたものを含む工作物を切断するために使用される場合に切断性能を高める構成を有し得る。更には、以下に説明されるように、帯ノコ刃10は、帯ノコ刃10を使用しての工作物切断中に発生する騒音又は挽き音レベルを低減させる構成を有し得る。
【0020】
以下に、図面に例示された実施態様を参照して帯ノコ刃10の特徴構成が説明されるが、それらの特徴構成は図面に例示された実施態様に限定されるものではない。帯ノコ刃10の特徴構成は、x軸方向の長さ、y軸方向の幅、及び又は、z軸方向の高さを有するものとして説明される。各軸は帯ノコ刃10に関する図面に示される。
【0021】
帯ノコ刃10の特定の寸法及び特徴は“約”を付記して説明される。ここで“約”とは、記載された寸法が厳密な範囲又はパラメータでは無いこと、及び、機能上類似するその変化例を排除しないことを表わすものとする。特に断わりのない限り、数値パラメータについての“約”とは、そのパラメータが、斯界に受け入れられた数学及び工業的原理(例えば、丸め、測定あるいはその他のシステム上のエラー、製造誤差等)上は最小有効数字が変化しない変化例を含むことを表わすものとする。
【0022】
帯ノコ刃10の寸法及び特徴間における特定の関係は“実質的に”を用いて記載される。ここで、“実質的に等しい”とは、当該対等関係が厳密な関係では無いこと及び、機能上類似するその変化例を排除しないことを表わすものとする。特に記載が無い限り、記載された2つ又は2つ以上の寸法に関する“実質的に等しい”、“実質的に一定”、“実質的に平行”とは、何れも、当該対等、一定及び平行関係が厳密な関係では無く、且つ、機能上類似するその変化例を排除しないことを意味するものとする。
【0023】
帯ノコ刃10は、帯ノコ装置で使用する構成を有する連続帯(無端の)として形成され得る。図示の如く、帯ノコ刃10は切断縁部14と、切断縁部14に関して帯ノコ刃10の反対側に位置付けられた後縁部16とを含み得る。切断縁部14及び後縁部16は各々、帯ノコ刃10の全周囲方向長に沿って伸延され得る。切断縁部14は図示の如く帯ノコ刃10の切断平面18を形成し得、切断縁部14は、帯ノコ刃10が切断方向20に移動する間に工作物と係合する構成を有し得る。ある実施態様では切断縁部14はその全体が単一平面内に存在しない。図示されるように、切断縁部14は、帯ノコ刃10が切断方向20に移動するに従い工作物に係合し且つ切断する構成を有する複数の歯15を含み得る。帯ノコ刃10の切断方向20は切断縁部14の歯15の方向に相当することを認識されよう。詳しくは、図示されるように、歯15の掬い面は全体に切断方向20に配向され得、歯15の逃げ面は全体に切断方向20とは反対方向に配向され得る。これにより、歯15は帯ノコ刃10が切断方向20に移動するに従い工作物を切断するよう配向され得る。歯15は
図1〜6に例示されるような形態の歯を有し得るが、帯ノコ刃10の種々の実施態様においてその他形態の歯態を使用できる。更に、歯15は帯ノコ刃10の種々の実施態様において形成された設定パターンに従い直歯(unset)又は傾斜歯(set)化され得る。
【0024】
帯ノコ刃10の後縁部16は、帯ノコ装置の離間されたローラ12と係合する構成を有し得る。
図2では2つのローラ12が示されるが、帯ノコ装置は帯ノコ刃10の後縁部16と係合する任意数のローラ12を含み得る。図示されるように、帯ノコ刃10の後縁部16は反復する後縁部パターン21を含み得る。換言すれば、後縁部16は帯ノコ刃10の周囲方向長に沿って連続的に反復配置された複数の後縁部パターン21を含み得る。
図1では後縁部パターン21は2つのみが示されるが、帯ノコ刃10の種々の実施態様に従う帯ノコ刃10の後縁部16には3、4、5、6、7、8、9、10あるいはそれ以上の後縁部パターン21が含まれ得る。図示されるように後縁部パターン21は、以下の順で、(i)比較的短い下向き傾斜セクション22と、(ii)比較的長い上向き傾斜セクション24と、(iii)比較的長い間隔セクション26とを含み得る。これにより帯ノコ刃10の高さ(帯ノコ刃10の切断縁部14と後縁部16との間における高さ方向での距離)は後縁部パターン21の長さに沿って変化され得る。図示されるように、下向き傾斜セクション22、上向き傾斜セクション24、間隔セクション26は切断方向20とは反対方向でこの順に配置され得る。換言すれば、帯ノコ刃10が切断方向20に移動し、切断縁部14が工作物と係合する際、下向き傾斜セクション22は反復する後縁部パターン21の先行セクションとなり、下向き傾斜セクション22に上向き傾斜セクション24が後続され、上向き傾斜セクション24に間隔セクション26が後続され得る。
【0025】
下向き傾斜セクション22、上向き傾斜セクション24及び間隔セクション26は各々、帯ノコ刃10の切断方向20に関する前/後端を有し得る。図示されるように、下向き傾斜セクション22の後端は上向き傾斜セクション24の前端の隣に位置決めされ得、上向き傾斜セクション24の後端は間隔セクション26の前端の隣に位置決めされ得る。換言すれば、下向き傾斜セクション22は後縁部パターン21の前端(及び後縁部パターン21の後端)から上向き傾斜セクション24の前端へと伸延され得、上向き傾斜セクション24は下向き傾斜セクション22の後端から間隔セクション26の前端へと伸延され得、間隔セクション26は上向き傾斜セクション24の後端から後縁部パターン21の後端(及び次の後縁部パターン21の前端)へと伸延され得る。
【0026】
図示されるように、帯ノコ刃10の高さは、下向き傾斜セクション22の前端から下向き傾斜セクション22の後端にかけて低下され得、上向き傾斜セクション24の前端から上向き傾斜セクション24の後端にかけて増大され得、間隔セクション26の前端から間隔セクション26の後端にかけて一定又は実質的に一定に維持され得る。これにより帯ノコ刃10の高さは、下向き傾斜セクション22の後端と、上向き傾斜セクション24の前端との交叉位置で最小となり得、間隔セクション26に沿って最大となり得る。
【0027】
下向き傾斜セクション22は、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上且つ90°未満の、少なくとも1つの上向き鋭角傾斜角α
ARDと、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上且つ180°未満の、少なくとも1つの下向き鈍角傾斜角α
ORDとを形成し得る。図示されるように、少なくとも1つの上向き鋭角傾斜角α
ARDと、少なくとも1つの下向き鈍角傾斜角α
ORDとは、下向き傾斜セクション22の直線状縁部により形成され得る。上向き傾斜セクション24は、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上且つ90°未満の、少なくとも1つの上向き鋭角傾斜角α
ARU1及びα
ARU2、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上且つ180°未満の少なくとも1つの下向き鈍角傾斜角α
ORU1及びα
ORU2を形成し得る。図示されるように、少なくとも1つの上向き鋭角傾斜角α
ARU1及びα
ARU2と、少なくとも1つの下向き鈍角傾斜角α
ORU1及びα
ORU2とは、上向き傾斜セクション24の直線状縁部により形成され得る。間隔セクション26は、切断平面18に少なくとも実質的に平行(即ち、実質的に平行又は平行)に配向された直線状縁部を含み得る。
【0028】
図示されるように、上向き傾斜セクション24は、第1角度上向き傾斜サブセクション28(“第1上向き傾斜セクション”とも称され得る)、第2角度上向き傾斜サブセクション30(“第2上向き傾斜セクション”とも称され得る)、第1角度上向き傾斜サブセクション28及び第2角度上向き傾斜サブセクション30間に位置決めされた中間サブセクション32(“中間サブセクション”とも称され得る)を含み得る。帯ノコ刃10の切断方向20に関し、第1角度上向き傾斜サブセクション28、第2角度上向き傾斜サブセクション30、中間サブセクション32は各々前/後端を有し得る。図示されるように、第1角度上向き傾斜サブセクション28の後端は中間サブセクション32の前端の隣に位置決めされ得、中間サブセクション32の後端は第2角度上向き傾斜サブセクション30の前端の隣に位置決めされ得る。換言すれば、第1角度上向き傾斜サブセクション28は上向き傾斜セクション24の前端(及び下向き傾斜セクション22の後端)から中間サブセクション32の前端へと伸延され得、中間サブセクション32は第1角度上向き傾斜サブセクション28の後端から第2角度上向き傾斜サブセクション30の前端へと伸延され得、第2角度上向き傾斜サブセクション30は中間サブセクション32の後端から上向き傾斜セクション24の後端(及び間隔セクション26の前端)へと伸延され得る。
【0029】
第1角度上向き傾斜サブセクション28は、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上且つ90°未満の第1上向き鋭角傾斜角α
ARU1と、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上で且つ180°未満の第1上向き鈍角傾斜角α
ORU1とを形成し得る。図示されるように、第1上向き鋭角傾斜角α
ARU1及び第1上向き鈍角傾斜角α
ORU1は第1角度上向き傾斜サブセクション28の直線状縁部により形成され得る。第2角度上向き傾斜サブセクション30は、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上で且つ90°未満の第2上向き鋭角傾斜角α
ARU2と、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上で且つ180°未満の第2上向き鈍角傾斜角α
ORU2とを形成し得る。図示されるように、第2上向き鋭角傾斜角α
ARU2及び第2上向き鈍角傾斜角α
ORU2は第2角度上向き傾斜サブセクション30の直線状縁部により形成され得る。ある実施態様では、図示されるように、第1上向き鋭角傾斜角α
ARU1は第2上向き鋭角傾斜角α
ARU2と等しいあるいは実質的に等しいものであり得、第1上向き鈍角傾斜角α
ORU1は第2上向き鈍角傾斜角α
ORU2と等しいあるいは実質的に等しいものであり得る。他の実施態様では第1上向き鋭角傾斜角α
ARU1は第2上向き鋭角傾斜角α
ARU2と相違する(例えばそれ以上あるいは未満)ものであり得、第1上向き鈍角傾斜角α
ORU1は第2上向き鈍角傾斜角α
ORU2と相違するものであり得る。ある実施態様では、図示されるように、下向き鋭角傾斜角α
ARDは、第1上向き鋭角傾斜角α
ARU1及び第2上向き鋭角傾斜角α
ARU2の各々以上のものであり得、下向き鈍角傾斜角α
ORDは第1上向き鈍角傾斜角α
ORU1及び第2上向き鈍角傾斜角α
ORU2の各々未満のものであり得る。
【0030】
図1〜4に示すような特定実施態様において、中間サブセクション32は、切断平面18に少なくとも実質的に平行(即ち、実質的に平行又は平行)に配向された直線状縁部を含み得る。これにより、帯ノコ刃10の高さは中間サブセクション32の前端から後端にかけて一定又は実質的に一定に維持され得る。
【0031】
他の実施態様では、
図5及び6に示されるように、中間サブセクション32は第1部分32a(“第1中間部分”とも称され得る)及び第2部分32b(“第2中間部分”とも称され得る)を含み得、これらの中間部分は後縁部16に沿って一緒に“V”字形を形成する。第1部分32a及び第2部分32bは、帯ノコ刃10の切断方向に関して各々前/後端を有し得る。図示されるように、第1部分32aの後端は第2部分32bの前端の隣に位置決めされ得る。換言すれば、第1部分32aは中間サブセクション32の前端(及び第1角度上向き傾斜サブセクション28の後端)から、第2部分32bの前端へと伸延され得、第2部分32bは、第1部分32aの後端から中間サブセクション32の後端(及び第2角度上向き傾斜サブセクション30の前端)へと伸延され得る。
【0032】
第1部分32aは、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上で且つ90°未満の第1鋭角中間角α
AINT1と、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上で且つ180°未満の第1鈍角中間角α
OINT1とを形成し得る。図示されるように、第1鋭角中間角α
AINT1及び第1鈍角中間角α
OINT1は第1部分32aの直線状縁部により形成され得る。第2部分32aは、切断平面18と平行に配向された平面に関して0°以上で且つ90°未満の第2鋭角中間角α
AINT2と、切断平面18と平行に配向された平面に関して90°以上で且つ180°未満の第2鈍角中間角α
OINT2とを形成し得る。図示されるように、第2鋭角中間角α
AINT2及び第2鈍角中間角α
OINT2は第2部分32bの直線状縁部により形成され得る。ある実施態様によれば、図示されるように、第1鋭角中間角α
AINT1は第2鋭角中間角α
AINT2と等しい又は実質的に等しいものであり得、第1鈍角中間角α
OINT1は第2鈍角中間角α
OINT2と等しい又は実質的に等しいものであり得る。他の実施態様例では第1鋭角中間角α
AINT1は第2鋭角中間角α
AINT2とは異なり得、第1鈍角中間角α
OINT1は第2鈍角中間角α
OINT2とは異なり得る。
【0033】
図3及び5に示されるように、下向き傾斜セクション22は下向き傾斜長L
RDを有し、上向き傾斜セクション24は上向き傾斜長L
RUを有し、間隔セクション26は間隔長L
SPを有する。後縁部パターン21は、下向き傾斜長L
RDと、上向き傾斜長L
RUと、間隔長L
SPとの合計に等しいパターン長さL
PATを有する。ある実施態様では、図示されるように、上向き傾斜長L
RU及び間隔長L
SPは各々、下向き傾斜長L
RDよりも長いものであり得る。ある実施態様では、図示されるように、上向き傾斜長L
RUは間隔長L
SPより長いものであり得る。図示されるように、第1角度上向き傾斜サブセクション28は第1上向き角度傾斜長さL
RU1を有し、第2角度上向き傾斜サブセクション30は第2上向き角度傾斜長さL
RU2を有し、中間サブセクション32は中間長L
INTを有する。上向き傾斜長L
RUは、第1上向き角度傾斜長さL
RU1、第2角度上向き角度傾斜長さL
RU2、中間長L
INTの合計長さに等しい。ある実施態様では、図示されるように、第1上向き角度傾斜長さL
RU1は第2上向き角度傾斜長さL
RU2と等しいものであり得る。他の実施態様では第1上向き角度傾斜長さL
RU1は第2上向き角度傾斜長さL
RU2と相違するものであり得る。ある実施態様では、図示されるように、下向き傾斜長L
RDは中間長L
INTと等しいものであり得る。他の実施態様では下向き傾斜長L
RDは中間長L
INTと相違するものであり得る。
【0034】
図5及び6に示されるように、第1部分32aは第1中間長L
INT1を有し、第2部分32bは第2中間長L
INT2を有する。中間長L
INTは第1中間長L
INT1及び第2中間長L
INT2の合計に等しい。ある実施態様では、図示されるように、第1中間長L
INT1は第2中間長L
INT2に等しいものであり得る。他の実施態様では第1中間長L
INT1は第2中間長L
INT2と相違するものであり得る。
【0035】
帯ノコ刃10は全周囲方向歯長L
BLD(図示せず)を有する。全周囲方向歯長L
BLDは、パターン長さL
PATに、後縁部16に沿って形成された後縁部パターン21の数を乗算した値に等しいものであり得る。ある実施態様では全周囲方向歯長L
BLDは約10フィート(3.05メートル)に等しい又はそれ以上で且つ15フィート(4.57メートル)未満のものであり得、間隔長L
SPは、上向き傾斜長L
RUの約1/3に等しい又はそれ以上で且つ上向き傾斜長L
RUの1.5倍に等しい又はそれ未満のものであり得る。ある実施態様では全周囲方向歯長L
BLDは、約15フィート(4.57メートル)に等しい又はそれ以上で且つ約20フィート(6.10メートル)未満のものであり得、間隔長L
SPは上向き傾斜長L
RUの約1/2に等しい又はそれ以上で且つ上向き傾斜長L
RUの約2倍未満であり得る。ある実施態様では全周囲方向歯長L
BLDは約20フィート(6.10メートル)に等しいあるいはそれ以上であり得、間隔長L
SPは上向き傾斜長L
RUの約1/2に等しいあるいはそれ以上で且つ上向き傾斜長L
RUの約3倍未満の長さであり得る。ある実施態様では、全周囲方向歯長L
BLDは約10フィート(3.05メートル)に等しいあるいはそれ以上で且つ約14フィート(4.27メートル)未満の長さであり得、間隔長L
SPは上向き傾斜長L
RUに等しいあるいはそれ以上の長さであり得る。ある実施態様では全周囲方向歯長L
BLDは約10フィート(3.05メートル)に等しいあるいはそれ以上で且つ約14フィート(4.27メートル)未満の長さであり得、間隔長L
SPは上向き傾斜長L
RUの約1/3等しいあるいはそれ以上で且つ上向き傾斜長L
RUの約1.5倍未満の長さであり得る。ある実施態様では、全周囲方向歯長L
BLDは約14フィート(4.27メートル)に等しいあるいはそれ以上の長さであり得、間隔長L
SPは上向き傾斜長L
RUに等しいあるいはそれ以上の長さであり得る。帯ノコ刃10及び後縁部16のセクションの正確な寸法は帯ノコ刃10の種々の実施態様に従い変化し得ることを理解されよう。
【0036】
図示されるように、帯ノコ刃10の高さは後縁部パターン21の長さに沿って変化し得る。
図1〜4の実施態様によれば、帯ノコ刃は、(i)下向き傾斜セクション22の前端位置の第1高H
1と、(ii)下向き傾斜セクション22の後端位置及び、第1角度上向き傾斜サブセクション28の前端位置の第2高H
2と、(iii)第1角度上向き傾斜サブセクション28の後端位置、中間サブセクション32に沿った部分、及び、第2角度上向き傾斜サブセクション30の前端位置の第3高H
3と、(iv)第2角度上向き傾斜サブセクション30の後端及び間隔セクション26に沿った部分の第4高H
4とを有する。
図1〜4の実施態様では、第1高H
1は第4高H
4に等しいあるいは実質的に等しく、第1高H
1は第2高H
2及び第3高H
3の各々より高く、第3高H
3は第2高H
2より高い。これにより、第1高H
1及び第4高H
4は帯ノコ刃10の後縁部パターン21に沿った最大高となり、第2高H
2は帯ノコ刃10の後縁部パターン21に沿った最小高となる。
【0037】
図5及び6に従う実施態様によれば、帯ノコ刃は、(i)下向き傾斜セクション22の前端位置の第1高H
1と、(ii)下向き傾斜セクション22の後端位置及び、第1角度上向き傾斜サブセクション28の前端位置の第2高H
2と、(iii)第1角度上向き傾斜サブセクション28の後端位置、中間サブセクション32の第1部分32aの前端位置の第3高H
3と、(iv)中間サブセクション32の第1部分32aの後端及び中間サブセクション32の第2部分32bの前端位置の第4高H
4と、(v)中間サブセクション32の第2部分32bの後端位置及び第2角度上向き傾斜サブセクション30の前端位置の第5高H
5と、(vi)第2角度上向き傾斜サブセクション30の後端位置及び間隔セクション26に沿った部分の第6高H
6とを有する。
図5及び6の実施態様では、第1高H
1は第6高H
6に等しいあるいは実質的に等しく、第1高H
1は第2高H
2、第3高H
3、第4高H
4、第5高H
5の各々より高く、第3高H
3は第5高H
5に等しくあるいは実質的に等しく、第3高H
3は第2高H
2及び第4高H
4の各々より高く、第4高H
4は第2高H
2より高い。これにより、第1高H
1及び第6高H
6は帯ノコ刃10の、後縁部パターン21に沿った最大高となり、第2高H
2が帯ノコ刃10の後縁部パターン21に沿った最小高となる。
【0038】
かくして、図示された実施態様では、帯ノコ刃10の長さに沿った反復する後縁部パターン21において帯ノコ刃10の高さが変化する。帯ノコ刃10の切断縁部14が工作物と係合する力(“切断力”とも称され得る)は少なくとも部分的には、工作物に係合する帯ノコ刃10の部分の高さに対応するものとなる。従って、反復する後縁部パターン21により、帯ノコ刃10の使用中における切断力は反復するパターンに従い変化する。切断力が反復し且つ変化するパターン化されることで、工作物への切断縁部14の切り込み及びそれによる、例えば、切断中に加工硬化する傾向のある材料(例えば、Inconel(商標名)718)の切断が支援され得る。
【0039】
帯ノコ刃10の反復する後縁部パターン21により、帯ノコ刃10の、ローラ12の一方に近い部分の高さもまたローラ12の他方に近い帯ノコ刃10の部分の高さに関して変化する。これにより、ローラ12に近い切断縁部14の一部が、少なくとも実質的に切断縁部14の残余部分により形成される切断平面18に関して反復するパターンにおいて移動する。そのような移動によってもまた、工作物への切断縁部14の切り込み及びそれによる、例えば、切断中に加工硬化する傾向のある材料(例えば、Inconel(商標名)718)の切断が支援され得る。
【0040】
更には、帯ノコ刃10の反復する後縁部パターン21は、帯ノコ刃10の使用中における、ローラ12に後縁部16が係合する際及び切断縁部14が工作物に係合する際に発生する騒音あるいは挽き音のレベル低下を支援し得る。例えば、第1角度上向き傾斜サブセクション28と第2角度上向き傾斜サブセクション30との間に中間サブセクション32が存在することで、上向き傾斜セクション24がローラ12の一方に沿って移動する際に発生する騒音あるいは挽き音が低下され得、それにより、切断縁部14が工作物に付加する切断力が相当分増大され得る。中間サブセクション32は、上向き傾斜セクション24がローラ12の1つに係合し且つこのローラに沿って移動する際における帯ノコ刃10の高さ増大(及び、切断縁部14が工作物に付加する切断力の相当分の増大)を中断させ得る効果がある。
【0041】
帯ノコ刃10のある実施態様は工作物を切断するために使用され得る。工作物を切断する方法には、(i)ここに記載された帯ノコ刃10を提供するステップ、(ii)離間されたローラ12を含む帯ノコ装置を提供するステップ、(iii)帯ノコ装置を作動し、帯ノコ刃10の後縁部16を前記離間されたローラ12と係合状態に維持しつつ、且つ、前記工作物を帯ノコ刃10の切断縁部14と選択的に係合させつつ、帯ノコ刃10を切断方向20に移動させるステップ、が含まれる。ある実施態様では、工作物は、切断中に加工硬化する傾向のある材料から形成され得る。工作物は例えばInconel(商標名)18から形成され得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。