特開2016-8402(P2016-8402A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-8402(P2016-8402A)
(43)【公開日】2016年1月18日
(54)【発明の名称】軒樋吊具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20151215BHJP
【FI】
   E04D13/072 501J
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-128375(P2014-128375)
(22)【出願日】2014年6月23日
(11)【特許番号】特許第5728607号(P5728607)
(45)【特許公報発行日】2015年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】593178409
【氏名又は名称】株式会社オーティス
(74)【代理人】
【識別番号】100087664
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】▲葛▼西 弘明
(57)【要約】
【課題】樋支持具本体を水平に設置するための作業を簡易、迅速にできる軒樋吊具を提供する。
【解決手段】軒樋吊具10は、吊りボルト11の上部を屋根板1に設けた孔1aに挿通して、吊りボルト11と、屋根板1の上下に配する一組のナット31、31との螺合により屋根板1に固定されるようになっている。一組のナット31、31間には、屋根板1の上下において、それぞれのナット31、31に対応して楔材20、20が配されるようになっており、楔材20は、上下いずれかの面を傾斜面21とした盤状体とされ、盤状体には、傾斜面21の低部側の側部にボルト挿入口22aを有し、上下に貫通したスライド孔22が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトと、該吊りボルトの下部に連結され、軒樋を吊り下げ支持する樋支持具本体とを備え、前記吊りボルトの上部を前記屋根板に設けた孔に挿通して、前記吊りボルトと、前記屋根板の上下に配する一組のナットとの螺合により前記屋根板に固定されるようにした軒樋吊具であって、
前記一組のナット間には、前記屋根板の上下において、それぞれのナットに対応して楔材が配されるようになっており、
前記楔材は、上下いずれかの面を傾斜面とした盤状体とされ、該盤状体には、前記傾斜面の低部側の側部にボルト挿入口を有し、上下に貫通したスライド孔が形成されていることを特徴とする軒樋吊具。
【請求項2】
軒樋を吊り下げ支持する、連結孔を有した樋支持具本体と、上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトとを備え、該吊りボルトの下部を前記連結孔に挿通して、前記吊りボルトと、前記樋支持具本体の上下に配する一組のナットとの螺合により前記樋支持具本体を固定するようにした軒樋吊具であって、
前記一組のナット間には、前記樋支持具本体の上下において、それぞれのナットに対応して楔材が配されるようになっており、
前記楔材は、上下いずれかの面を傾斜面とした盤状体とされ、該盤状体には、前記傾斜面の低部側の側部にボルト挿入口を有し、上下に貫通したスライド孔が形成されていることを特徴とする軒樋吊具。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記楔材は、前記傾斜面が向かい合って配されるようになっており、前記傾斜面には滑り止め用の凹凸が形成されている、軒樋吊具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根に吊り下げるように取り付ける軒樋吊具に関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、従来のこの種の軒樋吊具110は、樋支持具本体112を吊り下げるための吊りボルト111は、折板屋根の屋根板101の軒棟間の傾斜により鉛直下方には垂下せず、傾斜した状態で吊り下がり、そのため樋支持具本体112は前耳係止部112aが後耳係止部112bよりも下がった状態となる。このように樋支持具本体112が前耳係止部112a側に降下傾斜していれば、それに取り付ける軒樋102も底部102bが前耳102a側に降下傾斜した状態となる。
【0003】
このように、軒樋102の底部102bが前方に傾斜していれば、竪樋(不図示)の接続位置によっては軒樋102から竪樋への雨水の流れが滞るおそれがある。そのため従来では、樋支持具本体を水平状態に維持できるような補正手段を有した軒樋吊具が種々提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1のものは、上下の一方の面が傾斜面となった、軸孔を有した楔材(楔ワッシャー)を、折板屋根の屋根板または樋支持具本体の上下のナットに対応させて取り付ける構成となっており、その楔材の傾斜角度によって樋支持具本体を水平に補正できるようになっている。屋根は傾斜の程度が種々あるから、傾斜角度の異なる複数の楔材を準備し、現場で楔材を取り替えしながら調整するようにすればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−49813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記文献のものでは、楔材はナットなどと同様、吊りボルトを軸孔に通して取り付けるものであるため、しかも一組のナットに挟まれた位置に取り付けるようになっているため、いったん取り付けたのちに角度調整などのために取り外す作業はきわめて面倒である。また、吊りボルトの固定作業は、それを挿通させる対象が屋根板、一組のナット、一組の楔材のほかに座金やパッキンなど数多くあり、しかも高所での作業であるため、そもそも面倒な作業であったし、取り付け順の誤りが発生することもあった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、樋支持具本体を水平に設置するための作業を簡易、迅速にできる軒樋吊具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の軒樋吊具は、上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトと、吊りボルトの下部に連結され、軒樋を吊り下げ支持する樋支持具本体とを備え、吊りボルトの上部を屋根板に設けた孔に挿通して、吊りボルトと、屋根板の上下に配する一組のナットとの螺合により屋根板に固定されるようにした軒樋吊具であって、一組のナット間には、屋根板の上下において、それぞれのナットに対応して楔材が配されるようになっており、楔材は、上下いずれかの面を傾斜面とした盤状体とされ、盤状体には、傾斜面の低部側の側部にボルト挿入口を有し、上下に貫通したスライド孔が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の軒樋吊具は、軒樋を吊り下げ支持する、連結孔を有した樋支持具本体と、上部が屋根板に取り付けられる吊りボルトとを備え、吊りボルトの下部を連結孔に挿通して、吊りボルトと、樋支持具本体の上下に配する一組のナットとの螺合により樋支持具本体を固定するようにした軒樋吊具であって、一組のナット間には、樋支持具本体の上下において、それぞれのナットに対応して楔材が配されるようになっており、楔材は、上下いずれかの面を傾斜面とした盤状体とされ、盤状体には、傾斜面の低部側の側部にボルト挿入口を有し、上下に貫通したスライド孔が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の軒樋吊具は、楔材は傾斜面が向かい合って配されるようになっており、傾斜面には滑り止め用の凹凸が形成されている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1、2に記載の軒樋吊具によれば、上述の構成となっているため、楔材を吊りボルトに対して横方向よりスライド装着できる。そのため、取り付け順を気にせずに取り付けることができ、樋支持具本体を水平に設置するための作業を簡易、迅速に行うことができる。
【0012】
特に、請求項1に記載の軒樋吊具によれば、吊りボルトを鉛直方向に吊り下げることができるため、すっきりとした美感にすることができる。また、請求項2に記載の軒樋吊具によれば、楔材の取付作業は屋根よりも少し低い位置でなされるため、楽に作業をすることができる。
【0013】
請求項3に記載の軒樋吊具によれば、楔材の傾斜面に滑り止め用の凹凸が形成され、その傾斜面がたとえば屋根面などに接触するように取り付けられるため、ナットで締め付けたときの楔材の供回りや作業途中での抜け、外れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る軒樋吊具の一例を示す分解説明図である。
図2】(a)は同軒樋吊具の楔材の一例を示す斜視図、(b)は平面図である。
図3】(a)は同軒樋吊具の楔材の他の例を示す斜視図、(b)は同平面図である。
図4】同軒樋吊具の取付状態を示す正面図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る軒樋吊具の取付状態を示す正面図である。
図6】従来の軒樋吊具の取付状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。以下に示す軒樋吊具10は、たとえば折板屋根の山部などに取り付けられるようになっている。
【0016】
まず、図1図4を参照しながら、第1実施形態に係る軒樋吊具について説明する。
【0017】
この軒樋吊具10は、上部が屋根板1に取り付けられる吊りボルト11と、その吊りボルト11の下部に連結され、軒樋2を吊り下げ支持する樋支持具本体12とを備え、吊りボルト11の上部を屋根板1に設けた孔1aに挿通して、吊りボルト11と、屋根板1の上下に配する一組のナット31、31との螺合により屋根板1に固定されるように構成されている。
【0018】
上記一組のナット31、31間には、屋根板1の上下において、それぞれのナット31、31に対応して楔材20、20が配されるようになっている。楔材20は、上下いずれかの面を傾斜面21とした盤状体とされ、その盤状体には、傾斜面21の低部側の側部にボルト挿入口22aを有し、上下に貫通したスライド孔22が形成されている。
【0019】
以下、よりくわしく説明する。
【0020】
吊りボルト11は、軒樋2を吊り下げ支持する樋支持具本体12を連結して吊り下げ支持する部材であり、全長にわたって雄ネジが形成されている。この吊りボルト11は、上部が一組のナット31、31との螺合により屋根板1に固定され、下部が他の一組のナット36、36によって樋支持具本体12を連結するようになっている。
【0021】
樋支持具本体12は、吊りボルト11が挿通される連結孔12bを板状の本体部12aのほぼ中央に有している。本体部12aの前後には軒樋2の前耳2a、後耳2bを係止する前耳係止部12c、後耳係止部12dを有している。なお、連結孔12bは位置調整できるように長孔であってもよい。一組のナット36、36は、樋支持具本体12の本体部12aを挟着するように、連結孔12bに挿通した吊りボルト11の上下に螺着され、締め付けられることで樋支持具本体12を固定する。
【0022】
吊りボルト11の上部では、屋根板1の下面側において、吊りボルト11に対して、上から順にワッシャー34、楔材20、ナット31が挿通され、吊りボルト11の上部では、屋根板1の上面側において、屋根板1の孔1aに挿通され上方に突出した吊りボルト11に対して、下から順に、円盤状のパッキン33、そのパッキン33を覆う椀形状の座金32、楔材20、ナット31が挿通される。なお、後述するように楔材20がワッシャー34としても作用すれば、ワッシャー34を取り付けなくてもよい。
【0023】
これらのうち屋根板1の上下に配する一組の楔材20、20は、上下の一方面を傾斜面21とした盤状体(図例のものは円盤体)よりなる。なお、上下一組の楔材20、20は同一形状のものを、上方のものは傾斜面21を下方に向け、下方のものは傾斜面21を上方に向けて使用すればよいが、逆向きでもかまわない。
【0024】
この楔材20は金属または硬質の合成樹脂より構成されている。なお、楔材20は傾斜を調整する部材であるため変形しない硬質のものが望ましいが、柔軟な材料で成形され、種々の傾斜角度に対応できるようにしてもよい。
【0025】
楔材20の傾斜面21には、滑り止め用の微小な凹凸21aが形成されている。また、楔材20には吊りボルト11が挿通される挿通孔が形成されている。この挿通孔は、図2(a)に示すように長孔で構成されている。その長孔は吊りボルト11を横方向から挿入、装着するためのスライド孔22を構成し、低部側の側部にはボルト挿入口22aを有し、そのボルト挿入口22aに連なる挿通路22bと、中央の軸孔22cとより構成されている。
【0026】
また、この挿通路22bは、吊りボルト11を挿入しやすくするために中央からボルト挿入口22aに向けて幅寸法が広がるように形成されている。軸孔22cへの入り口である、挿通路22bが最もすぼんだ部分には、吊りボルト11の軸孔22cに対する出入りにおいて軸部がわずかに引っ掛かるように、向き合うように相互に突出したネック部22dが形成されている。
【0027】
このように、楔材20はナット31などの他の挿通部材とは異なり、吊りボルト11に対して横方向からスライドさせて取り付けられるようになっている。
【0028】
まず楔材20以外の部材を吊りボルト11に挿通させ仮止めしておき、その後、楔材20、20を図4中の矢印方向よりスライドさせて吊りボルト11に装着し、さらにその後、上下のナット31、31を締め付けることで、図4に示すような取付状態にすることができる。なお、楔材20、20はスライド装着できる構成であるため、後付けでなくてもよく、取り付け順を気にせずに装着しやすい状況になったときに装着すればよい。
【0029】
このように、屋根板1の上下のそれぞれにおいて、楔材20、20をナット31、31間に挟まれるように取り付けるので、楔材20を、その低部側(ボルト挿入口22a側)を折板屋根の棟側(図4中の左側)に配するように取り付ければ、楔材20の傾斜によって屋根板1による傾斜が補正され、吊りボルト11を鉛直方向に垂下させることができるとともに、樋支持具本体12を水平状態に保持することができる。樋支持具本体12を水平状態に設置できるので、軒樋2を底部2cが前後方向において傾斜することなく設置することができる。また、吊りボルト11が鉛直方向に配せられ、かつ樋支持具本体12が水平方向に配せられるので、図4に示したように美感もよい。
【0030】
全部材を取り付けたのち、楔材20の傾斜角度と屋根板1の傾斜角度が一致せず、楔材20を装着しても樋支持具本体12が水平にならなかった場合は、傾斜角度の異なる他の楔材20に取り替えて、水平になるように調整すればよい。
【0031】
楔材20、20は、吊りボルト11に屋根板1やナット31、31、座金32などを装着したのちでもスライド操作によって装着できるようになっているので、楔材20の取り替え作業を簡単に行うことができ、樋支持具本体12の水平調整を迅速に行うことができる。
【0032】
また、楔材20の傾斜面21には微小な凹凸21aが形成されているので、下部の楔材20の傾斜面21がワッシャー34(または屋根板1の下面)に接触し、上部の楔材20の傾斜面21が座金32の上面に接触することで楔材20は滑りにくくなる。そのため、ナット31の螺合作業の際の楔材20の供回りや抜け、外れを防止することができる。なお、凹凸面を有した楔材20はその凹凸21aによってワッシャーとしても作用するため、上述したようにワッシャー34は用いなくてもよい。
【0033】
また、楔材20のスライド孔22にはネック部22dが形成してあるので、取付作業の際や施工後に楔材20の抜け、外れが発生することを防止することができる。ネック部22dは吊りボルト11の軸部の挿入をわずかに塞ぐように形成されていることが望ましい。そうすれば、取り付けの際はわずかな力で楔材20を押し込めば吊りボルト11を軸孔22cに入れることができ、取り外しの際もわずかな力で楔材20を引っ張れば吊りボルト11を軸孔22cより取り外すことができる。このようにわずかに引っ掛かる程度のネック部22dが形成してあれば、楔材20をいったん吊りボルト11に装着すれば引っ張らないかぎりは外れるおそれはなく、そのため仮止め状態で放置することができ、作業をしやすくすることができる。
【0034】
なお、楔材20は傾斜を調整するものであるから上述したように変形しない硬質材料で形成されることが望ましいが、少しの誤差が許容されるのであれば、容易に変形する弾性あるいは弾力性を有した材料で形成したものであってもよい。たとえば、軟質の合成樹脂やゴムなどを材料としてもよい。また、図3に示すように、金属板で成形して弾性を持たせた楔材20であってもよい。
【0035】
図3に示した楔材20は、一方面が傾斜するように所定の角度で折り曲げ形成されており、傾斜面21を構成する上の板片24にはスライド孔22が形成され、下の板片24にも上のスライド孔22と重なる同形状のスライド孔22が形成されている。なお、スライド孔22の形状については図2のものと同様であるため、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0036】
この楔材20は2板片24、24により弾性を有しているため、弾性力に抗してナット31、31を締め付ければ、その復元力によりナット31、31間にしっかりと装着させることができる。傾斜角度のやや大きめの楔材20を用いれば、ナット31、31の締め方を加減することで、楔材20の傾斜角度を屋根板1の種々の傾斜に合わせることもできる。また、ばね性を有しているので傾斜面21に凹凸21aを設ける必要はなく、またワッシャー34も必要としない。
【0037】
ついで、第2実施形態に係る軒樋吊具について説明する。
【0038】
この軒樋吊具10は、軒樋2を吊り下げ支持する、連結孔12bを有した樋支持具本体12と、上部が屋根板1に取り付けられる吊りボルト11とを備え、吊りボルト11の下部を連結孔12bに挿通して、吊りボルト11と、樋支持具本体12の上下に配する一組のナット36、36との螺合により樋支持具本体12を固定するように構成されている。
【0039】
上記一組のナット36、36間には、樋支持具本体12の上下において、それぞれのナット36、36に対応して楔材20、20が配されるようになっている。楔材20は、上下いずれかの面を傾斜面21とした盤状体とされ、盤状体には、傾斜面21の低部側の側部にボルト挿入口22aを有し、上下に貫通したスライド孔22が形成されている。
【0040】
すなわち、本実施形態に係る軒樋吊具10も、図1に示したものと同様に、一組のナット36、36のそれぞれに対応した楔材20、20が用いられる。楔材20としては図1の実施形態のものと同様のものを用いればよい。この軒樋吊具10は図1のものと同じ部材で構成されているため、同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0041】
本実施形態では、屋根板1側には楔材20は取り付けられず、図5に示すように、吊りボルト11の上部では、屋根板1の下面側において、吊りボルト11に対して、上から順にワッシャー34、ナット31が挿通され、吊りボルト11の上部では、屋根板1の上面側において、屋根板1の孔1aに挿通され突出した吊りボルト11に対して、下から順に、円盤状のパッキン33、そのパッキン33を覆う座金32、ナット31が挿通され、固定されるようになっている。
【0042】
楔材20は、上述したように樋支持具本体12の上下に取り付けられる。具体的には、楔材20は本体部12aの上下面のそれぞれに傾斜面21が接するように取り付けられ、それらを挟むように一組のナット36、36が取り付けられ、ナット36、36の締め付けによって固定される。第1実施形態と同様に、楔材20は横方向からのスライド操作にて吊りボルト11に装着することができる。
【0043】
この軒樋吊具10によれば、第1実施形態に係る軒樋吊具10と同様に、楔材20の取り替え作業を簡単に行うことができ、樋支持具本体12の水平調整を迅速に行うことができる。
【0044】
また、この軒樋吊具10によれば、楔材20を樋支持具本体12側に取り付けるようになっているため、屋根よりもやや低い位置で楔材20の取付作業ができ、そのため軒樋吊具10の取付作業を迅速、安全に行うことができる。
【0045】
上述した2つの実施形態では、取付状態において、楔材20、20が傾斜面21、21同士が向かい合うように配してあるが、そうでなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 軒樋吊具
11 吊りボルト
12 樋支持具本体
20 楔材
21 傾斜面
21a 凹凸
22 スライド孔
22a ボルト挿入口
22b 挿通路
22c 軸孔
22d ネック部
31 ナット(屋根板側)
36 ナット(樋支持具本体側)
1 屋根板
1a 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6