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特開2016-8648制御を制限した可動式ブレードを有する1つ以上の羽根車を備える流体力学的機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-8648(P2016-8648A)
(43)【公開日】2016年1月18日
(54)【発明の名称】制御を制限した可動式ブレードを有する1つ以上の羽根車を備える流体力学的機械
(51)【国際特許分類】
   F16H 41/28 20060101AFI20151215BHJP
   F16H 41/24 20060101ALI20151215BHJP
【FI】
   F16H41/28
   F16H41/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-128854(P2014-128854)
(22)【出願日】2014年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】514160478
【氏名又は名称】パセット,ピエルジョルジオ
(71)【出願人】
【識別番号】514160489
【氏名又は名称】バローニ,カルロ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パセット,ピエルジョルジオ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タービンブレードの向きを調整する手段をできる限り小型で単純な構造で作成する。
【解決手段】向きを設定する動きは、各ブレード軸を、ブレード軸に対して垂直な平面上にあるレバーとロッドとで連結された四角形を介して、羽根車シャフトに対して可動式の部品に個々に接続することによって達成され;四角形の1つのアームは、ブレード軸と一体化し、四角形の別のアームは、羽根車の平面上にある一方の端部に連結し、もう一方の端部では接続ロッドを介してブレードのアームに接続し;羽根車の平面に連結したアームは、確動カム機構によって連結して、シフト部品のアセンブリと一体化したブロックとガイドとの対を介してスライドする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの羽根車を有する流体力学的機械であって、本体(2)、該本体(2)に回転可能に収容されている少なくとも1つの羽根車(3、4)、回転可能に構成された少なくとも2つのブレード(6)であって、前記少なくとも1つの羽根車(3、4)の円周に沿って均一に配置され、前記羽根車の軸に平行な軸で支持されたブレードを備え、第1の羽根車(4)のシャフトは運動伝達手段(10)に接続し、前記第2の羽根車(3)は、前記第1の羽根車のシャフトの下部と同心の下部に動力伝達手段を有し、前記第1の羽根車および前記第2の羽根車の前記運動伝達手段は、共通の駆動シャフト(13)に接合されて2つの運動伝達手段が一部重なる、機械において、各ブレード軸(6)は、部材(22、23)に接続し、該部材は、前記ブレードの軸に垂直な平面にある連結した四角形を介して、前記第2の羽根車(4)のシャフトに対して動くことができ、該ブレードの軸と一体化した四角形のアームを主に備え、前記四角形の1つのアームは、前記羽根車の下部で回転し、もう一方の端部は、接続軸を介して前記第1のアームの端部に接続し、前記羽根車の下部にヒンジ結合しているアームは、運動部材と一体化したガイドで確動カム機構によってスライドブロックに連結し、ターニング回転と組み合わさったブロック−ガイドシステムによって、前記羽根車の有効周囲と一致する軸を有する正弦波と同様の可変的な波に応じて動きを調和させてそれぞれのブレードを制御でき、連結部(15、18)は、振動の支点(16)を、中央軸のピストンの現在の作動平面の中心箇所になるように持って行き、現在の支点平面が、連結部(18)にヒンジ結合したピストン(35)によって作動する動きと一致するように持って行くことで、逆にできることを特徴とする、機械。
【請求項2】
四角形とブレードとの連結を制御するためにブロックとガイドとの対が取り付けられているそれぞれの羽根車の前記軸受カラーと、前記羽根車自体との動きを一致させることは、てこ装置とロッドとのシステムによって起こり、前記システムによって強制・接合した立体形状により、カラー−軸受とそれぞれの羽根車との間で角度の付いた同時性が可能になるが、同じ軸受カラーが向き設定平面上で構想したあらゆる方向に同時に自由に動くようにしておくことを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記運動部材は、支持され連結したキャリアであって、前記機械本体の対応するハウジングに収容された球面を備えているキャリアを備えること;作動手段は、前記機械の中心軸にある回転の中心にピボット軸がある状態で前記キャリアを動かすようになっていて、前記キャリアを中心をずらして振動させることができること;前記キャリアには、カラーが一方向にスライドするように構成されて、前記羽根車のシャフトに直角の平面内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。カラー自体は、各羽根車に、羽根車のシャフトに対して径方向に軸受を取り付け、この状態から、前記ブレードのてこ装置のそれぞれの四角形は、ブロックとガイドとの対を介して動く。キャリアを振動させる事実上のピボット軸およびアクチュエータの連結部は、ブロック−ガイドのカラーの偏心の有効性を除いて、位置決めを逆してよい。
【請求項4】
あるいは前記カラーは、前記カラーの立体形状で適切に得られた特別な一体型スロット内でスライドするブロックのシステムで動くことができる、請求項1に記載の機械。各ブロックは、径方向に構成されたシャフトとともに、前記機械の中心軸に平行に構成され、前記機械は、前記羽根車の平面と平行な平面上で湾曲運動をするレバーと一体化し、前記羽根車自体は、中央軸と平行な軸を有するシャフトと一体化してこのシャフトによって動き、機械構造のハウジングに連結し、機械構造に連結したアクチュエータによって動くアームを具備している。
【請求項5】
流体中でブレードに対して共力作用を起こすいくつかの逆回転羽根車も備えることができ;これに各羽根車の適切な角速度を組み合わせて、反応、ねじれおよび方向による誘導作用を最小に抑えるとともに、任意の実体の衝撃を回転が一致する軸で起こすことを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項6】
前記てこ装置は、前記内部羽根車(4)の前記ブレード(6)と前記外部羽根車(3)との両方の四角形(24、27)からなり、アーム(226)の一方の端部は各ブレード軸(225)に連結し、前記アームのもう一方の端部は接続ロッド(227)の一方の端部に連結し、前記接続ロッドのもう一方の端部はレバー(228)の一方の端部に連結し、前記レバーはピボット点(229)で前記それぞれの羽根車(3、4)の下部に連結し、前記レバー(228)は、前記軸受(220)上で回転する前記リングまたはカラー(232)と一体化したガイド(231)内のスライドブロック(230)に連結するロックレバーであることを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の機械。
【請求項7】
アクチュエータの前記システム(3)は、ピストンステムを有するアクチュエータ(351)を備え、前記ピストンステムの自由端には、アーム(352)の一方の端部が連結し、該アームのもう一方の端部は、前記機械の本体と一体化したフランジ(354)内で回転するピボット軸(353)に連結し、前記ピボット軸(353)の一方の端部は、アーム(354)の一方の端部に連結し、該アームのもう一方の端部は、前記キャリア17と一体化したハウジング(356)内に収容されたピボット軸(355)に連結することを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の機械。
【請求項8】
各羽根車(3、4)の下部には、第1のエルボレバー(400)の一方の端部が連結し、該エルボレバーのもう一方の端部には第1のロッド(401)が連結し、該第1のロッド自体はシャックル(402)に連結し、該シャックルも前記リング(232)と一体化した突片(403)に連結し、第1の向き設定レバー(404)も、前記シャックル(402)に連結し、(405)で前記羽根車(3、4)の下部に連結し、第2のロッド(404)も前記シャックル(402)に連結し、第2のロッド自体も第2のエルボレバー(407)に連結し、該第2のエルボレバーには第3のロッド(408)の一方の端部が連結し、該第3のロッドのもう一方の端部は第3のエルボレバー(409)に連結し、該第3のエルボレバーには第4のロッド(410)が連結し、該第4のロッドは第2のシャックル(411)に接合し、該第2のシャックルには第2の向き設定レバー(412)も連結し、前記第2のシャックルは前記リング(232)と一体化した第2の突片(413)に連結し、前記第2のシャクルには第5のロッド(414)が連結し、該第5のロッド自体は第4のエルボレバー(415)に連結し、該第4のエルボレバーも前述の第1のエルボレバー(400)に連結していることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特定箇所に従って制御される少なくとも1つの羽根車を備える流体力学的機械に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の機械が、2008年7月30日付の伊国特許第BZ2008A000030号明細書に記載されていた。この出願では、各ブレード軸が、伝達手段を介して羽根車シャフトにある回転スリーブに接続されている。これらの伝達手段は、引き続き同じ出願では、各ブレードの軸と一体化した円錐歯車、この円錐歯車と噛み合う円錐歯車、この円錐歯車を支持するロッドであって、羽根車に回転可能に支持されるロッド、このロッドに一体的に支持される円錐歯車、およびスリーブに一体的に支持される円錐歯車を備えている。このように、ブレードは、羽根車がそのシャフト周りに回転する際に高性能で流体に覆われるように向きを設定できるものであった。現在では、流体中にある個々のブレードの向きは、回転数にかかわらず流体からまたは流体中で可変的な推力を得るという目的で、様々に変化することがあることがわかってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】伊国特許第BZ2008A000030号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ブレードの向きを調整するための他の解決策を見つけると同時に、流体力学的機械の構造をできる限り小型で単純に作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴を備えた、確動カム機構によって誘導される羽根車を有する流体力学的機械によって達成される。
【0006】
向きを設定する動きは、各ブレード軸を、ブレード軸に対して垂直な平面上にあるレバーとロッドとで連結された四角形を介して、羽根車シャフトに対して可動式の部品に個々に接続することによって達成され;四角形の1つのアームは、ブレード軸と一体化し、四角形の別のアームは、羽根車の平面上にある一方の端部に連結し、もう一方の端部では接続ロッドを介してブレードのアームに接続し;羽根車の平面に連結したアームは、確動カム機構によって連結して、シフト部品のアセンブリと一体化したブロックとガイドとの対を介してスライドする。各ブレードに対して、ロッドおよびレバーとブロック−ガイドとからなる同じ種類の四角形がシフト部品まで個々に繰り返されることがわかる。シフト部品の一部であるそれぞれのカラー上で組み立てられたガイドを同時に回転させて引っ張り、それぞれの羽根車の動きに対して動きを一致させることは、羽根車をあらゆる方向に自由に偏心させるレバーおよびロッドの立体形状によって達成される。同じ機構および連結が、各羽根車および連結部に対して調整しながら繰り返され、この機構および連結は逆にすることができるため、中央軸のピストンの現在の作動平面の箇所に振動の支点が動くこともわかる。現在の支点平面に対応して、連結部にヒンジ結合したピストンからの運動が起きる。
【0007】
第1の実施形態では、シフト部品は、ベル本体をあらゆる方向に揺らすことができる球状のハウジングを介して本機械の本体に支持されて連結している、一種の孔の開いたベルを備え;本機械とベルとの両方に連結しているアクチュエータ手段自体は(2つ以上)、本機械の中心軸に事実上の回転の中心がある振動の動きでベル自体をシフトさせるようになっていて、精巧かつ決定的な動きで中心をずらしてベルの向きを設定することができる。ベルには二重カラーがスライドできるように構成され、ベルは、振動の動きを本機械の中心シャフトに直交している径方向に変換する。二重カラー自体は、各羽根車の径方向の軸受を外側に取り付けていて、各々の四角形−ブレードのそれぞれのブロック−ガイドがすべてその上に取り付けられている。
【0008】
一方、第2の実施形態では、ベルはなく、カラーは二重ではなく1枚で、カラーの軸を本機械の中心軸に平行に維持しつつ、本機械の軸に直交する平面上で、偏心したシフトまたは中心のずれたシフトを制御することができる。内部に向かうカラーは、リング形状のプレートとともに完全になり、このプレートは4つの直線スロットを有し、スロットは、互いにかつカラーの中心軸に対して直交して等距離であり;これらのスロット内でブロックが動いてカラー自体を支持して動かし;各ブロック自体は、カラーの軸と平行な軸に連結したシャフトによって、ブロックの中心で支持されて動き;前記シャフトは、カラーのシフト平面に平行な湾曲状の動きを伴ってレバーと一体化し、機械の中心軸に平行な軸を有するシャフトに取り付けられて動き;前記シャフトは回転し、機械構造と一体化したハウジングに支持され;軸の上方部分では、第2のレバーが一体化し、このレバー自体は、機械構造に連結したアクチュエータによって動く。当然ながら、このレバーとシャフトとのシステムは、各スロットに対して繰り返される。カラーのシフトを最適にするため、4つのアクチュエータの動きを調整するようにする。外部にあるカラーには、シフト部品の第1の実施形態と同じ形状および機能性である径方向の軸受けを取り付ける。
【0009】
向き設定を制御できる第3の実施形態では、シフト部品の上方部分に、2つの大きなスロットを互いに直角に設けることができ、このスロットは、スライド式に誘導されるように部品に固定され、機械本体に連結した2つのアクチュエータによって、カラーのシフトに平行な2つの平面に沿って動く。2つのスロットを動きを組み合わせて、所望の偏心を形成する。シフト部品は、現在のスロットシステム自体に支持される。
【0010】
本機械は全体的に、流体が流れる方向に直交する軸を有する緩やかなタービンにたとえることができ、通常は2つの(1つまたは複数の)同軸の(同心または対面している)羽根車とともに動作する。
【0011】
本機械は、衝撃を発生させるため、あるいは本機械が中で動作する流体(通常は水)の流れにおいて最大の運動エネルギーを遮断または捉えるために構築され;特異性は、方向(ただしこれは制御可能)および回転数にかかわらず、印加する最大力をゼロから計ることができるという点にある。
【0012】
各羽根車は、環状回転体からなり、事実上の円周に等距離に構成されたいくつかのブレード(2つ以上)を有し、この回転体の直径は、羽根車の有効径であるとみなす。
【0013】
各羽根車には、ブレードは、流体力学的に最適な箇所を有し、各ブレードの向きを、機械の中心軸に平行なブレード自体の回転軸上で設定でき、流体が両方向へ交互に流れる状態で、(技術的に公知である最も多様で一般的なもののうち)機構の立体形状を介して制御され、各ブレードの他のブレードに対する正確な角度位置を、それを支持する羽根車に対して、流体が流れる方向に応じて、同時に決定するように構想され構築される。機構はすべて1枚の中央カラーに関連し、このカラーは、適切な向きに設定されていて、羽根車の個々の回転運動に関係なく、カラーを同時にそれぞれ角度を付けて並べることができる。
【0014】
動きに関する機械的な接続は、ブレードの向き設定による角度形成が守られているかぎり、流体中で受けた衝撃または流体中で捉えた運動エネルギー、およびそれ自体の羽根車の回転に対するモーメントごとに仮定された位置に応じて、適切な設計要件に応じて自由に選択されてよい。各ブレードの動きは、角度を付けた流体の振動と調和を保ち、突然再調整されることはない。なぜなら、ブレードの動きは、事実上の(不規則な正弦曲線の)経路に沿って起こされるからであり、この経路は、サイズおよび制御調整に応じて、かつ流体中で与えられたまたは受けたエネルギーを調整する目的で様々な形状を有するカムの経路にたとえることができる。添付の図面は、機構を概略的かつ例示的に示すものである。
【0015】
各ブレードの向きは、ブレード自体の軸で両方向に、ブレード自体の羽根車の回転と調整して、特定の角度で回転するように設定される。これは、それぞれの羽根車の有効周囲で作用を受ける全ブレードに対して同時に有効である。
【0016】
2つの羽根車は、互いに逆方向に回転する。これには様々な利点が生じる:機械全体を回転させようとする可能性のある流体中に生じたねじれ反応を相殺するのに寄与し、機械を支持しているベースに対しても寄与する;回転軸でブレードの様々な衝撃力の発生を中心に集めるので、互いに並んで逆方向に回転する2つの機械の代わりに1つの機械を採用することができる;設定方向が原因でシフトの作用が生じることはない;使用するブレードを短くできるため、構造歪みをさらに多く含めることができる。
【0017】
直径が大きい羽根車の回転角速度は、羽根車どうしで概ね同じ周辺速度を維持するために、直径が小さい羽根車よりも通常遅く、作用を受ける流体力学に比例する。1つ1つの羽根車の各速度は、2つの羽根車の間の正確な比率と無関係であってもよいし、この比率と調整されてもよい。要件に応じて、差動を制限するか比例的に制限して、2つの動力入力−出力部と自由に結合する機械的な選択を実施することができる。
【0018】
2つの羽根車が逆回転することで、ブレードには角度の付いた動力がかかり、ブレードは、ブレードの位置および傾斜ならびに作用を受けた流れ部分の反れに応じて、一方の羽根車ともう一方のとの間で隣接して連続するブレードの上に、改善された共力作用で流体を誘導し、システムが完全に逆になるまで続ける。ブレードの形状は、流体力学に沿った輪郭であり、寸法は羽根車ごとの2つのブレード群どうしで変化してよい。機械および羽根車の寸法のほか、ブレードの寸法、形状および数も、構想している動力および流体の物理的特徴ならびに作業を実施する環境に釣り合ったものである。したがって、本機械の構築材料は、ふさわしい標的の設計に従って選定される。
【0019】
本機械は、通常は垂直軸で動作するように構想されているが、軸が流体の流れに直交したままである限り、どのような構成や角度形成で動作してもよい。その他の機械に対する利点は、このように、機械が全動力で動作しているときであっても、ブレードのみを容易に向き設定できる点であり、センブリ全体の向きを設定する必要はなく、操作中の力学的な応答速度には著しい寸法上かつ構造上の利点がある。
【0020】
ブレードの調整および向き設定に働きかけることで、任意の大きさの流体力学力を、360度以下のあらゆる方向に向かって無関係に誘導できる。作用は常に軸に向かって中心に働き、常時回転するモータを備えていても、羽根車の回転中は(激しい角度の付いた再調整による戻りがなく)ブレードが常に一定に調和を保って振動しているために揺れがなくとも、ゼロから最大まで連続的に調整可能である。調和を保った流体の動きで、他のシステムに対する回転数を増大させる可能性を持たせることができる。
【0021】
これ以外の特徴および詳細は、添付の請求項および図面に記載している。以下、図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による流体力学的機械の第1の実施形態における軸方向断面の概略図である。
図2図1のシャフトの軸に垂直な断面図である。
図3】本発明による流体力学的機械の第2の実施形態における軸方向断面の概略図である。
図4図3の断面図である。
図5】本発明による機械の正面概略図であり、内部羽根車の動作位置を示す図である。
図6】本発明による機械の正面概略図であり、内部羽根車の動作位位置とは異なる外部羽根車の動作位置を示す図である。
図7図5の詳細部VIIの概略図である。
図8】ブロックのクランク駆動機構を備えた外部羽根車の概略的な部分正面図である。
図9】ブロックのクランク駆動装置を備えた内部羽根車の概略的な部分正面図である
図10図4の詳細部Xの概略斜視図である。
図11】それぞれの羽根車の回転に合わせてブロックの誘導リングを引っ張るための羽根車のクランク機構の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図示したように、符号1は、全体を通して本発明による流体力学的機械を指している。羽根車3および4は、動作中にこの機械内で支持される。一方、本機械自体は、作業の配置に応じて静止構造または可動構造に適用されてよい。
【0024】
本機械1は、中空体2を有し、この中空体の延長部は、動力入力機構、羽根車の回転部、およびブレードを中央に配置する組織部を含んでいる。
【0025】
中空体2内で外部羽根車3および内部羽根車4は、互いに同心に収容される。両羽根車は、互いに対面して構成されてもよい。各羽根車には、ブレード6を支持しているシャフト5が円周に沿って具備されている。外部羽根車3は、中空体2内に構成された軸受によって回転可能に支持されるのが適切である。一方、内部羽根車4は、大きい方の羽根車に構成された軸受8によって回転可能に支持されて、小さい方の羽根車4は大きい方の羽根車3内で回転できる。ベベルギア9を介して外部羽根車3は外部と接続している。比率は、構想されている角速度に応じて、かつ内部羽根車4との関係で検討される。内部羽根車4は、シャフト14によって動かされ、ベベルギア10を介して回転可能に外部と接続している。比率は、構想されている角速度に応じて、かつ外部羽根車3との関係で検討される。
【0026】
ベベルギア9は、外部羽根車3の動力および回転を取り入れることでピニオンギア11と接続されるのに対し、ベベルギア10は、内部羽根車4の動力および回転の入力でピニオンギア12と接続される。ピニオンギア11および12とともに、ベベルギアはモータシャフトのギア13と噛み合う。入力ピニオンギアとの比率は、構想されている角速度に応じて設定される。それぞれの羽根車の回転方向には組み合わせが重要である。各羽根車、または差動の組み合わせに対して個々のモータ入力を提供してよい。
【0027】
内部羽根車4は、ベベルギア10の円錐状冠部を一体的に支持している中央接続シャフト14と一体化している。
【0028】
球状の連結カラー15が、向き設定および運動用のベル17に構成される。このカラーは、本体2に支持され、ベル17をあらゆる方向に振動させる。カラーは、ベルをその場で回転させないが、制御ベル17の中央にある向き設定支点16の回りでベルを振動させる。
【0029】
15で連結している運動ベルは、アクチュエータ35によって連結カラー18を介して制御され、アクチュエータは、運動を組み合わせて精巧かつ良好に制御した振動を起こす。
【0030】
ベル17の下部にある球状の連結カラー19は、カラー19の外面と一体化した軸受220を介在させることで、それぞれのリング20および21を支持する。
【0031】
ベル17の振動の支点は、球状の連結部15でヒンジ結合される。振動運動は、連結部18で連結されているピストン25によって作動する。
【0032】
連結部15および18は、振動支点16が、中央軸のピストンの現在の作動平面の中心箇所になるように持って行き、ピストンが現在の支点面と一致するように持って行くことで、逆にできる。これによってピストンが逆になるため、連結部18およびピストン35が高く設定され、それぞれの球状の連結15を有する支点16はベルの半分の所になる。
【0033】
ガイド22が、外部羽根車3用に構想されているリング20とそれぞれ一体化し、外部羽根車内では、てこ装置25のレバーがスライドし、外部羽根車3の各ブレード6と接続している。
【0034】
ガイド23が、内部羽根車4用に構想されているリング21とそれぞれ一体化し、内部羽根車内では、てこ装置26のレバーがスライドし、内部羽根車4の各ブレード6と接続している。
【0035】
外部羽根車3のガイド22(1ブレードに1つ)により、ブレードのてこ装置24を制御した2方向の運動が可能になり、羽根車の平面上で他の方向と衝突することはない。
【0036】
内部羽根車4のガイド23(1ブレードに1つ)により、てこ装置27を制御した2方向の運動が可能になり、羽根車の平面上で他の方向と衝突することはない。
【0037】
外部羽根車3のブレードを動かすためのてこ装置24(1ブレードにそれぞれ1つ)は、それぞれのスライド連結部22によって作動し、羽根車1回転の数分の1ごとのブレードの角度形成を制御する。てこ装置は、それぞれの羽根車にある支点で一体化している。
【0038】
軸受カラー20を引っ張るてこ装置25が支点で一体化し、このてこ装置自体は外部羽根車3に引っ張られる。
【0039】
軸受カラー21を引っ張るてこ装置26が支点で一体化し、このてこ装置自体は内部羽根車4に引っ張られる。
【0040】
内部羽根車4のブレードを動かすためのてこ装置27(1ブレードにそれぞれ1つ)は、それぞれのスライド連結部29によって作動し、羽根車の1回転の数分の1ごとのブレードの角度形成を制御する。てこ装置は、それぞれの羽根車にある支点で一体化している。
【0041】
中央の運動カラー28が、スライド連結部29によって支持されて動き、スライド連結部は、それぞれのスロット34内でスライドし、羽根車3および4のそれぞれの回転軸受カラー20および21を支持する。
【0042】
4つのスライド連結部29は、中央カラー28を支持して動かし、それぞれの下方レバー30によって制御される。
【0043】
スライド連結部29の4つの下方運動レバー30は、スライド連結部を動かすとともに、中央カラー28を支持する。4つのレバーは、それぞれのシャフト31によって操作され、懸架される。
【0044】
下方レバー30の4つの制御・支持シャフト31は、上方レバー32によって回転しながら制御され、各々が支持体33に連結される。
【0045】
シャフト31の4つの上方運動レバー32は、アクチュエータ装置35によって制御される。
【0046】
レバーとシャフトとのアセンブリ30)31)32)の4つの持続的な支持体および連結部は、上方本体02の延長部と一体化している。
【0047】
スライド連結部29の4つのスライドスロット34は、中央運動カラー28の一体部分である。
【0048】
4つのアクチュエータは、平面視で90度に構成される。4つのアクチュエータは、本体2に連結される。レバー32に作用してアクチュエータの動きを調整することで、中央カラー28の精巧かつ制御した動きが可能になる。
【0049】
図7には例として、四角形24、27からなるてこ装置を示し、四角形は両方とも内部羽根車4および外部羽根車3のブレード6に対するものである。アーム226の一方の端部は各軸225に連結し、もう一方の端部は接続ロッド227の一方の端部に連結し、この接続ロッドのもう一方の端部はレバー228の一方の端部に連結し、このレバーはピボット点229でそれぞれの羽根車3、4の下部に連結している。レバー228は、軸受220で回転するカラーリングと一体化しているガイド231にあるスライドブロック230に連結しているロックレバーである。
【0050】
図10は、アクチュエータ装置35を示し、この装置では、各アクチュエータ351はピストンステムを有し、このピストンステムの自由端にはアーム352の一方の端部が連結し、このアームのもう一方の端部は、機械本体と一体化しているフランジ354内で回転するピン353に連結している。ピン353の一端部は、アーム354の一方の端部に連結し、このアームのもう一方の端部は、カラー28と一体化しているハウジング356に収容されたピン355に連結している。
【0051】
図11は、カラーとスロットとブロックとのアセンブリがそれぞれの羽根車と同時に引っ張る好適な実施形態を示している。
【0052】
この実施形態では、各羽根車3、4は、その下部で第1のエルボレバー400の一方の端部に連結し、このエルボレバーのもう一方の端部には第1のロッド401が連結し、第1のロッド自体はシャックル402に連結し、このシャックルもリング232と一体化した突片403に連結している。第1の向き設定レバー404もシャックル402に連結し、405で羽根車3、4の下部に連結している。第2のロッド404もシャックル402に連結し、第2のロッド自体も第2のエルボレバー407に連結し、第2のエルボレバーには第3のロッド408の一方の端部が連結し、第3のロッドのもう一方の端部は第3のエルボレバー409に連結し、第3のエルボレバーには第4のロッド410が連結し、第4のロッドは第2のシャックル411に接合し、第2のシャックルには第2の向き設定レバー412も連結し、第2のシャックルはリング232と一体化した第2の突片413に連結し、第2のシャクルには第5のロッド414が連結し、第5のロッド自体は第4のエルボレバー415に連結し、第4のエルボレバーも前述の第1のエルボレバー400に連結している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】
2016008648000001.pdf