【解決手段】電動モータ32で回転される軸33にファン31を取り付け、電動モータ32に通電することでファン31を回転して調理により発生した調理ガスをフード2に捕集して排気するようにし、軸33に取り付けたファン31を検出してファン検出信号を出力するセンサ8を設け、センサ8がファン検出信号を出力しないときに運転操作しても電動モータ32に通電しないようにしたレンジフード。
前記送風機3は、電動モータ32を取り付ける基端板30a、周面板30b、流入口30dを有した先端板30cを備えたケーシング30と、後面板31a、入口31dを有した前面板31b、複数のフィン31cを備えたファン31と、前記基端板30aに取り付けた電動モータ32を具備し、前記ファン31は前記ケーシング30内に、流入口30dと入口31dが対向して設けられ、前記電動モータ32で回転される軸33が前記ファン31の後面板31aに着脱自在に取り付けられ、
前記センサ8は、前記ケーシング30の基端板30aにおけるファン31の後面板31aと対向した範囲又は前記電動モータ32に取り付けられ、
前記センサ8の検出部は、前記ファン31の後面板31aと対向している請求項1〜4いずれか1項記載のレンジフード。
前記センサ8の検出部と前記ファン31の後面板31aとの間の距離は、前記ファン31を電動モータ32で回転される軸33に正しく取り付けてある場合に設定距離以下となるようにし、
前記センサ8は前記ファン31と非接触のセンサで、前記センサ8は、センサ8の検出部と前記ファン31の後面板31aとの間の距離が、前記設定距離以下のときにのみファン検出信号を出力する請求項5項記載のレンジフード。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来のレンジフードは、フード内部ばかりでなく、送風機のファンに調理ガス中の油脂分などの油汚れが付着するので、前述した送風機のファンを、電動モータの回転軸に着脱できるようにすることで、ファンをフード内部から取り出しできるようにし、フード内部のみではなく、送風機のファンを電動モータの回転軸から取り外してフード内部から取り出して清掃することがある。
このようなレンジフードにあっては、送風機のファンを清掃後、ファンを取り付け忘れた状態で、レンジフードを運転したり、ファンの取り付けが不十分で、電動モータの回転軸が回転してもファンが回転しない状態、つまり電動モータが空回り状態でレンジフードを運転することがある。
【0005】
レンジフードを、前述のようにファンを取り付けしない状態、電動モータが空回り状態で運転すると、電動モータに異常が生じたり、ファンが外れる危険性がある。
【0006】
本発明者等は、レンジフードを前述の状態で運転すると、電動モータに流れる電流等が変化することを見出し、その電流等の変化により異常状態を検出し、電動モータを停止するようにした。
しかし、このようにして異常状態を検出すると、電動モータに異常電流が流れるので、電動モータに大きなダメージを与え、電動モータの寿命を短くすることがあった。
【0007】
本発明は、前述の課題を解消するためになされたものであり、その目的は、送風機のファンを電動モータで回転される軸に取り付けしなければ、運転操作しても送風機の電動モータに通電しないようにすることで、電動モータに異常が生じることがないレンジフードとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フード2内に送風機3を設け、送風機3を駆動することで調理により発生した調理ガス等を捕集して排気するレンジフードであって、
前記送風機3は、電動モータ32で回転される軸33にファン31が着脱自在に取り付けられ、ファン31をフード2から取り出し可能とし、
前記軸33に取り付けてあるファン31を検出してファン検出信号を出力するセンサ8を設け、
前記センサ8がファン検出信号を出力しないときは、運転操作しても電動モータ32に通電しないようにしたレンジフードである。
【0009】
本発明のレンジフードは、前記センサ8がファン検出信号を出力しないときに、運転操作すると作動する警告手段9を設けることができる。
【0010】
このようにすれば、警告手段9が作動することで、レンジフードの使用者がファン31が取り付けていないことを知ることができる。
【0011】
本発明のレンジフードは、運転スイッチ5と、運転スイッチ5からの運転信号が入力されることで電動モータ32に通電する制御装置6を備え、
前記センサ8のファン検出信号を制御装置6に入力し、
前記制御装置6は、ファン検出信号が入力されたときに運転信号が入力されると電動モータ32に通電し、ファン検出信号が入力されないときに運転信号が入力されても電動モータ32に通電しないようにできる。
【0012】
本発明のレンジフードは、前記制御装置6は、ファン検出信号が入力されないときに運転信号が入力されると、警告手段9を作動するようにできる。
【0013】
本発明のレンジフードは、前記送風機3は、電動モータ32を取り付ける基端板30a、周面板30b、流入口30dを有した先端板30cを備えたケーシング30と、後面板31a、入口31dを有した前面板31b、複数のフィン31cを備えたファン31と、前記基端板30aに取り付けた電動モータ32を具備し、前記ファン31は前記ケーシング30内に、流入口30dと入口31dが対向して設けられ、前記電動モータ32で回転される軸33が前記ファン31の後面板31aに着脱自在に取り付けられ、
前記センサ8は、前記ケーシング30の基端板30aにおけるファン31の後面板31aと対向した範囲又は前記電動モータ32に取り付けられ、
前記センサ8の検出部は、前記ファン31の後面板31aと対向したものにできる。
【0014】
このようにすれば、ファン31の回転によりケーシング30内に流入した調理ガスでセンサ8の検出部が汚れることが抑制され、センサ8の耐久性が向上する。
【0015】
本発明のレンジフードは、前記センサ8の検出部と前記ファン31の後面板31aとの間の距離は、前記ファン31を電動モータ32で回転される軸33に正しく取り付けてある場合に設定距離以下となるようにし、
前記センサ8は前記ファン31と非接触のセンサで、前記センサ8は、センサ8の検出部と前記ファン31の後面板31aとの間の距離が、前記設定距離以下のときにのみファン検出信号を出力するものにできる。
【0016】
このようにすれば、ファン31が正しく取り付けていない場合に運転操作しても電動モータ32に通電しないので、ファン31が正しく取り付けていない状態で電動モータ32が回転することがなく、ファン31が外れることがない。
しかも、ファン31が回転してもセンサ8が損傷することがない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送風機3のファン31を取り付けしなければ運転操作しても電動モータ32に通電しないので、電動モータ32に異常が生じることがない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、レンジフード1は、フード2と、フード2内に設けた送風機3と、フード2に着脱自在に取り付けた整流板4を備えている。
送風機3は、ケーシング30と、ファン31と、電動モータ32を有し、電動モータ32でファン31を回転するようにしてある。
【0020】
整流板4は、フード2に取り付け、取り外し自在である。
実施形態では、フード2の内周面2aの後部寄りに第1ブラケット40を取り付ける。フード2の内周面2aの前部寄りに第2ブラケット41を取り付ける。
整流板4の後部を第1ブラケット40に係合して結合、分離自在とする。
整流板4の前部を第2ブラケット41に係合して結合、分離自在とする。
これにより、整流板4の後部を第1ブラケット40から分離し、前部を第2ブラケット41から分離することで、整流板4をフード2から取り外しできる。
【0021】
レンジフード1を運転操作する運転スイッチ部5がフード2に取り付けてある。
図2に示すように、運転スイッチ部5は、運転(入/切)スイッチ50、弱運転スイッチ51、中運転スイッチ52、強運転スイッチ53、照明スイッチ54などを有している。
運転スイッチ部5の各スイッチの信号は制御装置(マイクロコンピュータ)6に入力される。制御装置6は入力された信号に応じ、送風機3の電動モータ32、照明具7に通電制御する。
【0022】
運転スイッチ部5の運転スイッチを操作することで、送風機3の電動モータ32に通電し、電動モータ32でファン31を回転し送風機3を駆動する。これにより、調理時に発生した油煙などの調理ガスを、フード2の内周面2aと整流板4の外周面4aとの間の隙間42を通してフード2内に吸い込み、図示しないダクトで屋外等に排気する。
【0023】
送風機3のケーシング30は、基端板30aと周面板30bと先端板30cを有している。先端板30cに流入口30dが形成してある。
ケーシング30の流入口30dからファン31をケーシング30内に挿入、抜き出し自在である。
電動モータ32は基端板30aに取り付けてある。電動モータ32で回転する軸にファン31を取り付け、取り外し自在に取り付けてある。
ケーシング30は先端板30cが整流板4と対向してフード2内に設けてある。
【0024】
図3に示すように、ファン31は円板状の後面板31aと、リング状の前面板31bと、後面板31aの外周寄りと前面板31bの外周寄りとに渡って取り付けた複数のフィン31cを有し、前面板31bに開口した入口31dを有したシロッコファンである。
【0025】
ファン31は、後面板31aがケーシング30の基端板30aと対向し、前面板31bがケーシング30の先端板30cと対向してケーシング30内に設けられる。そして、ファン31の入口31dはケーシング30の流入口30dと対向し、ケーシング30の流入口30dはファン31の入口31dよりも大きい。
【0026】
ファン31の後面板31aは、電動モータ32で回転する軸33に連結手段34で着脱自在に連結してある。電動モータ32で回転する軸33は、電動モータ32の出力軸、出力軸に連結した回転軸などである。
連結手段34はファン31の入口31dから手を入れることで連結操作、連結解除操作ができる。
実施形態では、後面板31aの孔31eを軸33に挿通し、後面板31aを軸33のフランジ33aに当接し、軸33の先端部をファン31の内部に突出し、軸33の先端部の螺子部にナット34aを螺合し、ナット34aを締め付けることで、後面板31aを軸33のフランジ33aに押しつけてファン31を軸33に連結している。
つまり、ファン31の後面板31aが軸33のフランジ33aに接することで、ファン31は軸33とともに回転し、ファン31は正しく取り付けられる。
そして、ナット34aを弛めることで後面板31aと軸33の連結を解除することができる。
【0027】
このようであるから、整流板4を取り外し、ケーシング30の流入口30d、ファン31の入口31dからファン31内に手を入れ、ナット34aを弛めることで、ファン31と軸33の連結を解除する。
ファン31を軸33から抜き出し、ケーシング30の流入口30dを通してフード2からファン31を取り出すことができる。
前述と逆の操作をすることで、ファン31を軸33に取り付けできる。
【0028】
ケーシング30にセンサ8が取り付けてある。センサ8は電動モータ32で回転される軸33に取り付けてあるファン31を検出し、ファン検出信号を出力する。センサ8はファン31を検出しないときはファン検出信号を出力しない。
【0029】
実施形態では、ケーシング30の基端板30aにおけるファン31の後面板31aと対向した範囲にファン31を検出するセンサ8が検出部が後面板31aと対向して取り付けてある。
センサ8は、非接触のセンサで、センサ8の検出部とファン31の後面板31aとの距離Lが設定距離以下のときにファン検出信号を出力する。つまり、軸33のフランジ33aにファン31の後面板31aが接し、ファン31が軸33に正しく取り付けてある場合にセンサ8が検出信号を出力し、軸33にファン31が取り付けてない場合、正しく取り付けてない場合はセンサ8は検出信号を出力しない。
【0030】
すなわち、ファン31が軸33に取り付けてない場合には、センサ8の検出部はファン31の後面板31aと対向しないので、センサ8はファン検出信号を出力しない。
【0031】
ファン31が軸33に取り付けられ、ナット34aの締め付けが不十分でファン31の後面板31aが軸33のフランジ33aに接していない場合は、センサ8の検出部とファン31の後面板31aが離れ、その距離Lが設定距離以上となるので、センサ8はファン検出信号を出力しない。
【0032】
ファン31が軸33に取り付けられ、ファン31の後面板31aが軸33のフランジ33aに接している場合には、センサ8の検出部とファン31の後面板31aとの距離Lが設定距離以下となるので、ファン8はファン検出信号を出力する。
つまり、ファン31の後面板31aとセンサ8の検出部との間の設定距離は、ファン31の後面板31aが軸33のフランジ33aに接した状態の距離である。
【0033】
センサ8は赤外線反射型センサで、検出部は投光部と受光部を有している。投光部から赤外線を出力し、反射した赤外線を受光部で受光することで、検出部と赤外線反射部(ファン31の後面板31a)との距離を測長し、設定距離以下のときに信号を出力する。
【0034】
センサ8としては、赤外線反射型センサに限ることはなく、磁気センサ、近接センサ、静電容量型センサ等を用いることができる。
【0035】
センサ8のファン検出信号は制御装置6に入力される。
制御装置6は、センサ8からファン検出信号が入力されたときは、運転スイッチ5から運転信号が入力されると電動モータ32へ通電する。
制御装置6は、センサ8からファン検出信号が入力されないときは、運転スイッチ5から運転信号が入力されても電動モータ32へ通電しない。しかも、制御装置6は警告手段9を作動し、ファン31が取り付けていないこと、ファン31が正しく取り付けていないことをレンジフードの使用者に知らせる。
警告手段9としては、ランプ、ブザー、音声発生器、あるいはそれらを組み合わせたものを用いることができる。
【0036】
このようであるから、ファン31がない状態又はファン31が正しく取り付けていない状態、又はファン31の取り付けを忘れた状態で、運転スイッチ5を運転操作したとき、電動モータ32に通電されないから、電動モータに異常が生じたり、ファン31が外れたりすることがない。
また、警告手段9を作動することで、レンジフードの使用者がファン31が取り付けていないこと、ファン31が正しく取り付けていないことを知ることができる。
【0037】
センサ8を、ケーシング30の基端板30aにおけるファン31の後面板31aと対向した範囲に設け、センサ8の検出部をファン31の後面板31aと対向しているので、センサ8の検出部がファン31の回転によりケーシング30内を流れる調理ガスで汚れることを抑制できる。これにより、センサ8の耐久性が向上する。
つまり、
図3に示すように、ファン31を回転することで調理ガスは矢印aで示すように入口31dに流入し、矢印bで示すように流出するので、ケーシング30の基端板30aとファン31の後面板31aとの間を流れる調理ガスは僅かである。
これにより、センサ8の検出部が調理ガスで汚れることを抑制できる。
【0038】
センサ8の検出部をカバーで被覆することで、検出部が調理ガスで汚れることを防止できる。カバーは赤外線を透過する材質である。
センサ8を保持容器内に設け、センサ8の検出部を保持容器のカバー部と対向するようにし、保持容器を基端板30aに取り付けるようにしても良い。
【0039】
図3に仮想線で示すように、センサ8をケーシング30の基端板30aの外側面に取り付け、センサ8の検出部と対向した孔を基端板30aに形成するようにしても良い。
この場合には、基端板30aの孔をカバーで覆うことができる。
【0040】
センサ8を電動モータ32に取り付けても良い。
例えば、
図4に示すように、電動モータ32のフレーム32aにカバー体32bをボルト32cで取り付けることでフレーム32aとカバー体32bとの間に空間32dを形成する。
センサ8を空間32d内に取り付ける。センサ8の検出部と対向した孔32eをカバー体32bに形成する。
【0041】
図示は省略するが、電動モータ32のフレーム内にセンサ8を取り付け、センサ8の検出部と対向した孔をフレームに形成することもできる。
図示は省略するが、電動モータ32のフレームの外面又は
図4に示すカバー体32bの外面にセンサ8を取り付けることもできる。
【0042】
図5に示すように、電動モータ32のフレーム32aに円錐状の突部32fを設け、ファン31の後面板31aに漏斗状の凹部31a−1を形成する。
ファン31の後面板31aの凹部31a−1を電動モータ32の円錐状の突部32fに挿入して空間35を形成する。
この空間35内において突部32fにセンサ8を取り付ける。なお、センサ8は電動モータ32の突部32f内に取り付けても良い。
このようにすれば、調理により発生する調理ガスが空間35に入り込むことが少なく、センサ8が調理ガスで汚れることがより抑制されるので、センサ8の耐久性がより向上する。