【解決手段】接合体の製造方法は、第1構造体11と第2構造体12とを接合する接合工程を備える。第1構造体11は、ガラス製の第1周壁GWにより構成される第1開口部11aを有する。第2構造体12は、金属製の第2周壁MWにより構成される第2開口部12aを有する。接合工程に供される第1構造体11の第1開口部11aは、第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aよりも大きい第1内径D1aを有するとともに第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい第1外径D1bを有する。接合工程は、第1開口部11aを軟化させるとともに第1周壁GWの内部に第2周壁MWを入り込ませることで接合部分を形成する工程である。
ガラス製の第1周壁により構成される第1開口部を有する第1構造体と、金属製の第2周壁により構成される第2開口部を有する第2構造体とを接合する接合工程を備える接合体の製造方法であって、
前記接合工程に供される前記第1構造体の前記第1開口部は、
前記第2構造体の前記第2開口部の内径よりも大きい内径を有するとともに前記第2開口部の外径よりも大きい外径を有し、
前記接合工程は、
前記第1開口部を軟化させるとともに前記第1周壁の内部に前記第2周壁を入り込ませることで接合部分を形成することを特徴とする接合体の製造方法。
前記接合工程において、前記接合部分の内周面及び外周面の少なくとも一方の周面を他方の周面に向かって押圧する押圧用具を用いることを特徴とする請求項1に記載の接合体の製造方法。
前記押圧用具は、前記接合部分の内周面を前記接合部分の外周面に向かって押圧する第1押圧用具と、前記接合部分の外周面を前記接合部分の内周面に向かって押圧する第2押圧用具とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の接合体の製造方法。
前記接合工程において、前記押圧用具を前記接合部分の周面に当接した状態で、前記第1構造体と前記第2構造体とを同じ回転速度で回転させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の接合体の製造方法。
前記接合工程は、前記第1開口部及び前記第2開口部が水平方向又は垂直方向へ開口するように前記第1構造体及び前記第2構造体を配置して行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
ガラス製の周壁により構成される開口部を有する構造体の前記開口部をラッパ状に拡径することにより、前記第1構造体を成形する拡径工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
前記構造体の前記開口部は、前記第2開口部の内径よりも小さい内径と、前記第2開口部の外径よりも大きい外径とを有することを特徴とする請求項7に記載の接合体の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に開示されるガラス管と金属管とを接合する従来の方法では、ガラスビードや粉末ガラスを用いるため、例えば、工程の管理が煩雑になるおそれがある。このような課題を解決する方法として、軟化させたガラス管の開口部に金属管の開口部を押し付けることにより、ガラス管と金属管とを接合する方法が考えられる。ところが、このようにガラス管と金属管とを接合する場合、ガラス管の開口部を軟化させた際に、その開口部は縮径する方向へ変形するため、金属管の内周面側にガラスが入り込み易くなる。すなわち、金属管の開口部における外周面にはガラスが接合され難くなるため、ガラス管の開口部と金属管の開口部との接合面が確保され難い。なお、このような課題は、ガラス管と金属管との接合に限らず、ガラス製の開口部を有する構造体と、金属製の開口部を有する構造体とを互いの開口部で接合する場合であっても同様に生じ得る。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス製の開口部と金属製の開口部との接合面を確保することの容易な接合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する接合体の製造方法は、ガラス製の第1周壁により構成される第1開口部を有する第1構造体と、金属製の第2周壁により構成される第2開口部を有する第2構造体とを接合する接合工程を備える接合体の製造方法であって、前記接合工程に供される前記第1構造体の前記第1開口部は、前記第2構造体の前記第2開口部の内径よりも大きい内径を有するとともに前記第2開口部の外径よりも大きい外径を有し、前記接合工程は、前記第1開口部を軟化させるとともに前記第1周壁の内部に前記第2周壁を入り込ませることで接合部分を形成する。
【0007】
第1構造体の第1開口部はガラス製であるため、接合工程では、第1構造体の第1開口部は軟化に伴って縮径する方向に変形する。上記方法では、接合工程に供される第1構造体の第1開口部は、第2構造体の第2開口部の内径よりも大きい内径を有するとともに第2開口部の外径よりも大きい外径を有している。このため、接合工程において、ガラス製の第1開口部の軟化に伴う縮径により、第1開口部の位置を金属製の第2開口部の位置に合わせることができる。そして、第1開口部を構成する第1周壁に、第2開口部を構成する第2周壁を入り込ませることで、第2周壁の外周面から内周面にわたって第1周壁が接合される。
【0008】
上記接合体の製造方法において、前記接合工程において、前記接合部分の内周面及び外周面の少なくとも一方の周面を他方の周面に向かって押圧する押圧用具を用いることが好ましい。
【0009】
この方法によれば、第2周壁に対する第1周壁の密着性を高めることが容易となる。
上記接合体の製造方法において、前記押圧用具は、前記接合部分の内周面を前記接合部分の外周面に向かって押圧する第1押圧用具と、前記接合部分の外周面を前記接合部分の内周面に向かって押圧する第2押圧用具とから構成されることが好ましい。
【0010】
この方法によれば、第2周壁に対する第1周壁の密着性を高めることが容易となる。
上記接合体の製造方法において、前記接合工程において、前記押圧用具を前記接合部分の周面に当接した状態で、前記第1構造体と前記第2構造体とを同じ回転速度で回転させることが好ましい。
【0011】
この方法によれば、例えば、第1構造体と第2構造体とを同じ回転速度で回転させることのできるガラス旋盤を用いて、接合部分の全周にわたって容易に押圧することができる。
【0012】
上記接合体の製造方法において、前記押圧用具は、ローラーを含むことが好ましい。
この方法によれば、押圧用具と接合部分との摺動が抑制されるため、得られる接合体の接合部分の外面を滑らかにすることができる。
【0013】
上記接合体の製造方法において、前記接合工程は、前記第1開口部及び前記第2開口部が水平方向又は垂直方向へ開口するように前記第1構造体及び前記第2構造体を配置して行われることが好ましい。
【0014】
この方法によれば、例えば、第1構造体の第1開口部と第2構造体の第2開口部との位置合わせが容易となる。
上記接合体の製造方法において、ガラス製の周壁により構成される開口部を有する構造体の前記開口部をラッパ状に拡径することにより、前記第1構造体を成形する拡径工程をさらに備えることが好ましい。
【0015】
第1構造体は、上記の拡径工程により容易に得ることができる。
上記接合体の製造方法において、前記構造体の前記開口部は、前記第2開口部の内径よりも小さい内径と、前記第2開口部の外径よりも大きい外径とを有することが好ましい。
【0016】
この方法の場合、第1構造体の第1周壁の厚さが十分に確保され易くなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、金属製の開口部とガラス製の開口部との接合面を確保することが容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、接合体の製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
【0020】
図1に示すように、接合体を製造するための第1構造体11は、ガラス製の第1周壁GWにより構成される第1開口部11aを有している。接合体を製造するための第2構造体12は、金属製の第2周壁MWにより構成される第2開口部12aを有している。本実施形態の第1構造体11は、円筒状のガラス管から成形されたものであり、第2構造体12は、円筒状の金属管である。
【0021】
第1構造体11の第1開口部11aにおける第1内径D1aは、第2構造体12の第2開口部12aにおける第2内径D2aよりも大きい。第1構造体11の第1開口部11aにおける第1外径D1bは、第2構造体12の第2開口部12aにおける第2外径D2bよりも大きい。第1構造体11の第1周壁GWの厚さは、第2構造体12の第2周壁MWの厚さよりも厚いことが好ましい。
【0022】
第1構造体11の第1開口部11aにおける第1内径D1aと第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aとの差ΔDa(差ΔDa=第1内径D1a−第2内径D2a)は、0.1mm以上であることが好ましく、より好ましくは1mm以上である。この差ΔDaは、5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2mm以下である。
【0023】
第1構造体11の第1開口部11aにおける第1外径D1bと、第2構造体12の第2開口部12aにおける第2外径D2bとの差ΔDbは、(差ΔDb=第1外径D1b−第2外径D2b)は、1mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm以上である。この差ΔDbは、8mm以下であることが好ましく、より好ましくは4mm以下である。
【0024】
なお、第1構造体11における第1開口部11aの第1内径D1a及び第1外径D1bは、開口端における寸法を示す。第2構造体12における第2開口部12aの第2内径D2a及び第2外径D2bについても、開口端における寸法を示す。
【0025】
第1構造体11の第1開口部11a(第1周壁GW)を構成するガラス、及び第2構造体12の第2開口部12a(第2周壁MW)を構成する金属は、例えば、熱膨張率を考慮して選択される。ガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラスが用いられ、金属としては、例えば、Fe−Ni−Co系合金(商品名:コバール)が用いられる。
【0026】
次に、上述した第1構造体11の成形方法の一例について説明する。本実施形態の第1構造体11は、ガラス管の一端部を拡径する拡径工程により成形される。
図2(a)に示すように、第1構造体11を成形するための拡径工程では、まずガラス管GTの一端部を軟化させる。次に、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、軟化させたガラス管GTの一端部における開口部の内周面に成形用具PTを当接するとともに、その内周面を
図2(a)に矢印で示される方向へ押圧する。これにより、
図2(b)に示すように、ガラス管GTの一端部(第1開口部11a)がラッパ状に拡径した第1構造体11が成形される。ガラス管GTの開口部は、第2開口部12aの第2内径D2aよりも小さい内径と、第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい外径とを有することが好ましい。
【0027】
拡径工程における加熱には、例えば、拡径工程用のバーナーB1が用いられる。成形用具PTは、ガラス管GTの開口部の内周面を押圧可能な構成であれば特に限定されない。成形用具PTにおいて、ガラスと接触する接触面の材質としては、例えば、金属、及びカーボンが挙げられる。成形用具PTにおいてガラスと接触する接触面は、ガラスに対する滑りが良好であることから、カーボンであることが好ましい。本実施形態の成形用具PTは、棒状のカーボンである。成形用具PTは、ガラス管GTの内周面を所定の角度(例えば、鋭角の範囲)で屈曲(湾曲)させる方向に直線移動するように、ボールネジ等のスライド機構に装着されることが好ましい。
【0028】
ガラス管GTの拡径工程は、ガラス管GT(開口部)の中心軸R1を軸心としてガラス管GTを回転させながら行うことが好ましい。なお、拡径工程では、さらに成形用具PTをガラス管GTの周方向に移動させてもよい。ガラス管GTの拡径工程は、ガラス管GTの開口部が水平方向又は垂直方向に開口するようにガラス管GTを配置して行われることが好ましい。
【0029】
次に、接合体の製造方法について説明する。
接合体の製造方法は、上述した第1構造体11と第2構造体12とを接合する接合工程を備えている。接合工程は、第1構造体11の第1開口部11aを軟化させるとともに第1周壁GWの内部に、第2構造体12の第2周壁MWを入り込ませることで接合部分を形成する。このように接合工程は、第1構造体11の第1開口部11aを軟化させる軟化段階と、第1構造体11と第2構造体12との接合部分を形成する接合部分形成段階とを含む工程である。
【0030】
図3は、接合工程の軟化段階を模式的に示している。
図3に示すように、接合工程の軟化段階では、第1構造体11の第1開口部11aを加熱することにより、第1開口部11aを軟化させる。軟化された第1開口部11aの第1周壁GWは、厚さが増すように変形する。このように厚さの増した第1周壁GWは、縮径する方向へさらに変形する。
【0031】
この軟化段階の際には、第2構造体12の第2開口部12aについても加熱することが好ましい。軟化段階における加熱には、例えば、第1構造体11用のバーナーB2及び第2構造体12用のバーナーB3が用いられる。本実施形態の軟化段階では、第1構造体11は中心軸R1を軸心として回転されるとともに第2構造体12は中心軸R2を軸心として回転される。
【0032】
図4に示すように、接合工程の接合部分形成段階では、軟化段階で変形された第1周壁GWの内部に、第2構造体12の第2開口部12aを構成する第2周壁MWを入り込ませる。これにより、第2構造体12の第2周壁MWの端部は、第1周壁GWにより包囲される。
【0033】
接合部分形成段階では、接合部分13の内周面及び外周面の少なくとも一方の周面を他方の周面に向かって押圧する押圧用具を用いることが好ましい。本実施形態の接合部分形成段階では、
図4に示すように、接合部分13の内周面を接合部分13の外周面に向かって押圧する第1押圧用具P1と、接合部分13の外周面を接合部分13の内周面に向かって押圧する第2押圧用具P2とが用いられる。第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2において、ガラスと接触する接触面の材質としては、例えば、金属、及びカーボンが挙げられる。第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2において、ガラスと接触する接触面の材質は、ガラスに対する滑りが良好であることから、カーボンであることが好ましい。本実施形態の第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2は、それぞれローラーにより構成され、ローラーの外周面の材質はカーボンである。
【0034】
接合工程における接合部分形成段階では、第1押圧用具P1を接合部分13の内周面に当接するとともに第2押圧用具P2を接合部分13の外周面に当接した状態で、第1構造体11と第2構造体12とを同じ回転速度で回転される。詳述すると、上述した接合工程における軟化段階と同様に、第1構造体11は中心軸R1を軸心として回転されるとともに第2構造体12は中心軸R2を軸心として回転される。第1構造体11及び第2構造体12の回転によって接合部分13も回転するため、この接合部分13の回転に従動して第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2を構成する各ローラーが回転される。
【0035】
接合工程は、第1構造体11の第1開口部11a及び第2構造体12の開口部が水平方向又は垂直方向へ開口するように第1構造体11及び第2構造体12を配置して行われることが好ましい。このような接合工程は、例えば、ガラス旋盤を用いて実施することができる。ガラス旋盤は、第1構造体11を回転する第1回転機構と、第2構造体12を回転する第2回転機構と、第1構造体11の第1開口部11aを加熱するバーナーB2と、第2構造体12の第2開口部12aを加熱するバーナーB3とを備える。本実施形態のガラス旋盤は、さらに第1押圧用具P1と第2押圧用具P2とを備えている。さらに詳述すると、本実施形態のガラス旋盤は、
図4に示すように、第1押圧用具P1を回転可能に支持する第1支持部S1と、第2押圧用具P2を回転可能に支持する第2支持部S2とを備えている。
【0036】
図5に示すように、本実施形態の接合体の製造方法により得られた接合体14は、第2構造体12における第2周壁MWの外周面、内周面、及び端面に第1構造体11の第1周壁GWが接合される。接合体14は、第1構造体11の内部空間と第2構造体12の内部空間とが連通した構造を有している。接合体14は、ガラス及び金属の特性、接合部分13の気密性等の性能が要求される各種部品に用いることができる。
【0037】
次に、接合体14の製造方法の主な作用について説明する。
接合体14の製造方法は、ガラス製の第1周壁GWにより構成される第1開口部11aを有する第1構造体11と、金属製の第2周壁MWにより構成される第2開口部12aを有する第2構造体12とを接合する接合工程を備えている。接合工程に供される第1構造体11の第1開口部11aは、第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aよりも大きい第1内径D1aを有するとともに第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい第1外径D1bを有している。接合工程は、第1構造体11の第1開口部11aを軟化させるとともに第1周壁GWの内部に第2構造体12の第2開口部12aを構成する第2周壁MWを入り込ませることで接合部分13を形成する工程である。
【0038】
ここで、第1構造体11の第1開口部11aはガラス製であるため、接合工程では、第1構造体11の第1開口部11aは軟化に伴って縮径する方向に変形する。上記方法では、接合工程に供される第1構造体11の第1開口部11aは、第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aよりも大きい第1内径D1aを有するとともに第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい第1外径D1bを有している。このため、接合工程において、ガラス製の第1開口部11aの軟化に伴う縮径により、第1開口部11aの位置を金属製の第2開口部12aの位置に合わせることができる。そして、第1開口部11aを構成する第1周壁GWに、第2開口部12aを構成する第2周壁MWを入り込ませることで、第2周壁MWの外周面から内周面にわたって第1周壁GWが接合される。
【0039】
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)接合体14の製造方法は、ガラス製の第1周壁GWにより構成される第1開口部11aを有する第1構造体11と、金属製の第2周壁MWにより構成される第2開口部12aを有する第2構造体12とを接合する接合工程を備えている。接合工程に供される第1構造体11の第1開口部11aは、第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aよりも大きい第1内径D1aを有するとともに第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい第1外径D1bを有している。接合工程は、第1構造体11の第1開口部11aを軟化させるとともに第1周壁GWの内部に第2構造体12の第2開口部12aを構成する第2周壁MWを入り込ませることで接合部分13を形成する工程である。
【0040】
この方法によれば、上述した作用が得られるため、ガラス製の第1開口部11aと金属製の第2開口部12aとの接合面を確保することが容易となる。これにより、例えば、所定の接合強度を有する接合体14を安定して製造することが可能となるため、例えば、接合体14の歩留まりを向上させる点で有利である。
【0041】
(2)接合体14の製造方法は、接合工程において、接合部分13の内周面及び外周面の少なくとも一方の周面を他方の周面に向かって押圧する押圧用具(第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2の少なくとも一方)を用いることが好ましい。さらに、押圧用具は、接合部分13の内周面を接合部分13の外周面に向かって押圧する第1押圧用具P1と、接合部分13の外周面を接合部分13の内周面に向かって押圧する第2押圧用具P2とから構成されることがより好ましい。
【0042】
この方法の場合、第2周壁MWに対する第1周壁GWの密着性を高めることが容易となる。
(3)接合体14の製造方法は、接合工程において、押圧用具を接合部分13の周面に当接した状態で、第1構造体11と第2構造体12とを同じ回転速度で回転させることが好ましい。
【0043】
この方法の場合、例えば、第1構造体11と第2構造体12とを同じ回転速度で回転させることのできるガラス旋盤を用いて、接合部分13の全周にわたって容易に押圧することができる。従って、例えば、ガラス旋盤を用いることで接合体14の生産性を高めることが可能である。
【0044】
(4)接合体14の製造方法において、接合工程で用いられる押圧用具(第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2の少なくとも一方)は、ローラーを含むことが好ましい。この方法の場合、押圧用具と接合部分13との摺動が抑制されるため、得られる接合体14の接合部分13の外面を滑らかにすることができる。従って、外観が良好な接合体14が得られ易くなる。
【0045】
(5)接合体14の製造方法において、接合工程は、第1開口部11a及び第2開口部12aが水平方向又は垂直方向へ開口するように第1構造体11及び第2構造体12を配置して行われることが好ましい。この方法の場合、例えば、第1構造体11の第1開口部11aと第2構造体12の第2開口部12aとの位置合わせが容易となる。
【0046】
(6)接合体14の製造方法は、ガラス製の周壁により構成される開口部を有する構造体(例えば、ガラス管GT)の開口部をラッパ状に拡径することにより、第1構造体11を成形する拡径工程を備えることが好ましい。この方法の場合、第1構造体11を容易に得ることができる。
【0047】
(7)接合体14の製造方法に用いる構造体(例えば、ガラス管GT)の開口部は、第2構造体12の第2開口部12aの第2内径D2aよりも小さい内径と、第2構造体12の第2開口部12aの第2外径D2bよりも大きい外径とを有することが好ましい。この方法の場合、第1構造体11の第1周壁GWの厚さが十分に確保され易くなる。これにより、例えば、第1構造体11と第2構造体12との接合強度をさらに高めることが可能となる。
【0048】
(変更例)
上記実施形態を次のように変更して構成してもよい。
・前記接合体14の製造方法において、接合工程で用いられる第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2の少なくとも一方をローラー以外の回転不能な押圧用具に変更することもできる。
【0049】
・前記接合体14の製造方法において、接合工程で用いられる第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2の数は、特に限定されず、例えば、複数の第1押圧用具P1を接合部分13の周方向に沿って配置することもできる。
【0050】
・前記接合体14の製造方法における接合工程は、第1押圧用具P1及び第2押圧用具P2の少なくとも一方を用いずに行うこともできる。
・前記接合体14の製造方法における接合工程では、第1構造体11と第2構造体12とを回転させているが、第1構造体11及び第2構造体12を回転させずに、第1構造体11用のバーナーB2、第2構造体12用のバーナーB3、第1押圧用具P1、及び第2押圧用具P2を回転させてもよい。前記ガラス管GTを拡径する拡径工程についても、第1構造体11を回転させずに、拡径工程用のバーナーB1、及び成形用具PTを回転させてもよい。
【0051】
・前記接合体14は、ガラス管GTを拡径する拡径工程から連続して製造することもできる。すなわち、接合体14の製造方法は、ガラス管GTの拡径工程を備えていてもよい。
【0052】
・前記ガラス管GTの拡径工程で用いる成形用具PTをローラーに変更することもできる。
・前記第1構造体11は、ガラス管GTから成形されているが、ガラス管GTから成形された第1構造体11に限定されず、ガラス製の第1開口部11aと、例えば、ガラス以外の本体部とを有する第1構造体に変更することもできる。
【0053】
・前記第2構造体12は、金属管であるが、金属製の第2開口部と、例えば、金属以外の本体部を有する第2構造体に変更することもできる。
・前記接合体14の製造方法で用いられる第1構造体11は、ガラス管GTの一端における開口部を拡径する拡径工程により成形されているが、拡径工程で成形された第1構造体11に限定されない。すなわち、第1構造体11は、第1開口部11aが拡径された形状に限定されず、第1開口部が縮径された第1構造体に変更することもできる。この場合であっても、上記(1)欄で述べたように第1構造体の第1開口部の径寸法が設定されることにより、ガラス製の第1開口部と金属製の第2開口部との接合面を確保することが容易となる。
【0054】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・前記拡径工程は、前記第1構造体を得るための前記構造体の開口部を軟化させるとともに、前記開口部の内周面に対して成形用具を押圧する工程である接合体の製造方法。