【解決手段】仮想のXY平面に裏面12が配され、X軸13とY軸が直交する位置に中心が配され、幅方向がX軸13に沿ったワーク15に対して光を照射して、ワーク15の表面17、及び、幅方向両側にそれぞれ設けられた側面18、19の各形状を検出する形状計測装置10であって、X軸13方向に広がる光を、XY平面のX軸13方向正側の領域に向かって、光の中心の進行方向がX軸13の負側方向に対して鋭角をなす向きで、それぞれ照射する複数のレーザ変位センサ25、25a、25bと、X軸13方向に広がる光を、XY平面のX軸13方向負側の領域に向かって、光の中心の進行方向がX軸13の正側方向に対して鋭角をなす向きで、それぞれ照射する複数のレーザ変位センサ26、26a、26bとを備える。
仮想のXY平面に裏面が配され、前記XY平面のX軸とY軸が直交する位置に中心が配され、幅方向が前記X軸に沿ったワークに対して照射した光の反射を基に、前記ワークの表面、及び、該ワークの幅方向両側にそれぞれ設けられた側面A、Bの各形状を検出する形状計測装置であって、
進行しながら前記X軸方向に広がる光を、前記XY平面の前記X軸方向正側の領域に向かって、光の中心の進行方向が前記X軸の負側方向に対して鋭角をなす向きで、それぞれ照射しつつ、前記ワークに対して前記Y軸方向に移動する複数のレーザ変位センサPと、進行しながら前記X軸方向に広がる光を、前記XY平面の前記X軸方向負側の領域に向かって、光の中心の進行方向が前記X軸の正側方向に対して鋭角をなす向きで、それぞれ照射しつつ、前記ワークに対して前記Y軸方向に移動する複数のレーザ変位センサQとを備え、
前記複数のレーザ変位センサP、Qはそれぞれ、照射した光の少なくとも一部が、前記ワークを非配置にした前記XY平面に対し、他の前記レーザ変位センサP、Qが照射した光とは、前記X軸方向成分が異なる位置に到達し、前記複数のレーザ変位センサPの少なくとも一、及び、前記複数のレーザ変位センサQの少なくとも一はそれぞれ、前記表面に光を当て、前記複数のレーザ変位センサPの少なくとも一は、前記側面Aに光を当て、前記複数のレーザ変位センサQの少なくとも一は、前記側面Bに光を当てることを特徴とする形状計測装置。
請求項1記載の形状計測装置において、前記複数のレーザ変位センサP、Qはそれぞれ、光の中心が、前記ワークを非配置にした前記XY平面に、前記X軸方向成分で隣り合って到達する前記レーザ変位センサP、Qとの関係において、光の中心が、前記ワークを非配置にした前記XY平面に対し、前記Y軸方向成分が異なる位置に到達することを特徴とする形状計測装置。
請求項1又は2記載の形状計測装置において、前記複数のレーザ変位センサP、Qはそれぞれ、前記X軸方向成分で隣り合って設けられた該複数のレーザ変位センサP、Qが、前記Y軸方向成分の異なる位置に配置されていることを特徴とする形状計測装置。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の形状計測装置において、前記複数のレーザ変位センサP、Qはそれぞれ、光の中心が、前記ワークを非配置にした前記XY平面に、前記X軸方向成分で隣り合って到達する前記レーザ変位センサP、Qとの関係において、光が、前記ワークを非配置にした前記XY平面に対し、前記X軸方向成分で部分的に重なり合って到達することを特徴とする形状計測装置。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の形状計測装置において、前記複数のレーザ変位センサP、Qそれぞれが前記ワークに対して照射した光の反射を受光して得られる部分像は、校正治具に前記複数のレーザ変位センサP、Qそれぞれから光を照射して得られた部分像と、前記校正治具の実際の形状とを比較して予め算出した校正式を基に、一つの全体像に合成されることを特徴とする形状計測装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る形状計測装置10は、仮想のXY平面11に裏面12が配され、XY平面11のX軸13とY軸14が直交する位置に中心が配され、幅方向がX軸13に沿ったワーク15に対して照射した光の反射を基に、ワーク15の表面17、及び、ワーク15の幅方向両側にそれぞれ設けられた側面18、19(側面A、B)の各形状を検出する装置である。以下、詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態において、ワーク15は、
図1、
図2に示すように、矩形の板状部材であり、具体的には、建材の外壁パネルである。ワーク15は、表面17(ワーク15を建屋に設置した際に露出する面)に、プレス加工等によって所定の模様が形成され、表面17の反対側にある裏面12は、平坦に形成されている。
本実施の形態では、ワーク15のY軸14に沿う縦方向が幅方向に比べて長いが、縦方向が幅方向に比べて短くてもよい。ここで、ワーク15の幅方向とは、ワーク15を建屋に設置した際の左右方向あるいは高さ方向に当たり、ワーク15の縦方向とは、ワーク15を建屋に設置した際の高さ方向あるいは左右方向に該当する。
なお、
図1、
図2においては、表面17に形成された模様の記載を省略している。
【0015】
ワーク15は、ワーク15の表面17及び側面18、19の各形状を計測する検査位置に、図示しないコンベヤによって、搬送されて台座20に載置され、計測が完了した後、検査位置から別の場所に搬送される。一のワーク15が検査位置から別位置に搬送された後、検査位置には、別のワーク15がコンベヤによって搬送され、表面17及び側面18、19の各形状が計測される。本実施の形態では、検査位置において、裏面12を除くワーク15全体の形状が立体的に検出され、検出されたワーク15全体の立体像を基に、ワーク15の縦方向の長さ、幅、及び、厚みそれぞれの計測や、表面17に形成された模様が、所定の位置に設けられているか等の判定が行われる。本実施の形態において、側面18、19の各形状の検出は、主として、ワーク15の幅を計測する目的で行われている。
【0016】
ここで、検査位置に配されたワーク15の裏面12に仮想のXY平面11(以下、単に「XY平面11」と言う)があると定義し、XY平面11において直交するX軸13とY軸14は、同ワーク15の幅方向中心かつ縦方向中心の位置で交わり、X軸13は同ワーク15の幅方向に沿い、Y軸14は同ワーク15の縦方向に沿っているものとする。
本実施の形態では、ワーク15の幅方向両側にそれぞれ設けられた側面18、19は、ワーク15が検査位置に配置された状態で、Y軸14方向に配される。
【0017】
検査位置には、
図2に示すように、台座20のX軸13方向(左右方向)両側に、支持部材21、22がそれぞれ立設されている。支持部材21、22はそれぞれ、台座20より高い位置にY軸14方向(前後方向)に沿った図示しないガイドレールを備え、支持部材21のガイドレール及び支持部材22のガイドレールには、X軸13方向に長い横架材23の両端がそれぞれ進退自在に取り付けられている。横架材23は、図示しない動力伝達機構を介して、
図3に示すサーボモータ24から駆動力を与えられY軸14方向に移動する。
【0018】
横架材23には、それぞれXY平面11まで距離を有する位置からXY平面11に向かって光を照射して距離を測定する複数のレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bが取り付けられている。レーザ変位センサ25、25a、25bは、レーザ変位センサPの一例であり、レーザ変位センサ26、26a、26bは、レーザ変位センサQの一例である。
レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bは、
図1、
図2に示すように、X軸13方向成分(X軸13方向の座標)において、負側(左側)に向かって順に配置されている。
【0019】
レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bは、それぞれ、光を対象物に照射する図示しない照射部と、反射した光を検出する図示しない受光部とを備え、受光部が検出した光を基に、対象物において、光が当たった部分の形状を検知する。レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの各照射部は、XY平面11まで距離を有し、他のレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの各照射部とは、X軸13方向成分が異なる位置に配置されている。
以下、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bが照射する光を、それぞれ、光27、27a、27b、28、28a、28bとして説明する。
【0020】
レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bは、
図2、
図4に示すように、照射した光27、27a、27b、28、28a、28bがそれぞれ、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bから離れるにつれ、光27、27a、27b、28、28a、28bの各中心の進行方向に直交する一の方向に広がるように進行する。本実施の形態において、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bはそれぞれ、光27、27a、27b、28、28a、28bが進行しながらX軸13方向に広がる配置で、横架材23に固定され、光27(光27a、27b、28、28a、28bについても同じ)は、
図1に示すように、ワーク15に対し、X軸13方向に沿う線分状の部分に到達する。
【0021】
レーザ変位センサ25、25a、25bは、
図1、
図4に示すように、Y軸14よりX軸13方向正側(右側)に位置し、光27、27a、27bの各中心が、XY平面11のX軸13方向正側の領域へ向かう方向に、光27、27a、27bをそれぞれ照射する。即ち、レーザ変位センサ25、25a、25bは、XY平面11のX軸13方向正側の領域に向かって、光27、27a、27bをそれぞれ照射する。
光27、27a、27bは、検査位置に配されて、側面18、19がX軸13方向正側の領域及びX軸13方向負側の領域にそれぞれ配置されたワーク15に対し、X軸13方向正側にある領域に向かって進む。
【0022】
一方、レーザ変位センサ26、26a、26bは、Y軸14よりX軸13方向負側に位置し、光28、28a、28bの各中心が、XY平面11のX軸13方向負側の領域へ向かう方向に、光28、28a、28bをそれぞれ照射する。即ち、レーザ変位センサ26、26a、26bは、XY平面11のX軸13方向負側の領域に向かって、光28、28a、28bをそれぞれ照射する。
光28、28a、28bは、検査位置に配されたワーク15のX軸13方向負側にある領域に向かって進行する。
【0023】
そして、レーザ変位センサ25、25a、25bは、X軸13方向負側に傾いた状態で横架材23に固定され、光27、27a、27bの中心の進行方向が、X軸13の負側方向に対して鋭角(本実施の形態では、60°〜80°)をなす向きで、光27、27a、27bをそれぞれ照射する。レーザ変位センサ26、26a、26bは、X軸13方向正側に傾いた状態で横架材23に固定され、光28、28a、28bの中心の進行方向が、X軸13の正側方向に対して鋭角(本実施の形態では、60°〜80°)をなす向きで、光28、28a、28bをそれぞれ照射する。
【0024】
本実施の形態では、XY平面11に対し垂直に配置された側面18に対して、レーザ変位センサ25から照射された光27の一部が当てられ、XY平面11に対し垂直に配置された側面19に対して、レーザ変位センサ26bから照射された光28bの一部が当てられる。
ワーク15の表面17のX軸13方向正側にある領域に対しては、レーザ変位センサ25から照射された光27の一部、レーザ変位センサ25aから照射された光27aの全部、レーザ変位センサ25bから照射された光27bの一部(本実施の形態では、半分以上)、及び、レーザ変位センサ26から照射された光28の一部が当たる。そして、ワーク15の表面17のX軸13方向負側にある領域に対しては、レーザ変位センサ25bから照射された光27bの一部、レーザ変位センサ26から照射された光28の一部(本実施の形態では、半分以上)、レーザ変位センサ26aから照射された光28aの全部、及び、レーザ変位センサ26bから照射された光28bの一部が当たる。
【0025】
また、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bはそれぞれ、
図1、
図4に示すように、光27、27a、27b、28、28a、28bの中心の進行経路が、他のレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの光27、27a、27b、28、28a、28bの中心の進行経路に交わらない方向(非交差の方向)に光を照射する。
【0026】
そして、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bはそれぞれ、
図4に示すように、照射した光27、27a、27b、28、28a、28bの少なくとも一部が、他のレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bに対し、ワーク15を非配置にしたXY平面11のX軸13方向成分が異なる位置に到達する。
更に、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bはそれぞれ、ワーク15を非配置にしたXY平面11に、光の中心が、X軸13方向成分で隣り合って到達するレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bとの関係において、ワーク15を非配置にしたXY平面11に対し、光が、X軸13方向成分で部分的に重なり合って到達する。
【0027】
従って、ワーク15を非配置にしたXY平面11において、X軸13方向の最も負側に到達する光28bから、X軸13方向の最も正側に到達する光27まで、X軸13方向成分で、隙間なく、光27、27a、27b、28、28a、28bが到達することになる。
本実施の形態では、レーザ変位センサ25、25aと、レーザ変位センサ25a、25bと、レーザ変位センサ25b、26と、レーザ変位センサ26、26aと、レーザ変位センサ26a、26bとが、それぞれ、ワーク15を非配置にしたXY平面11に対し、X軸13に沿って線分状に広がって到達した光の一部が、X軸13方向成分において重なり合っている。
【0028】
また、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bは、
図1に示すように、それぞれ、X軸13方向成分で隣り合って設けられたレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26b(例えば、レーザ変位センサ25とレーザ変位センサ25a)が、Y軸14方向成分の異なる位置に配置されている。
本実施の形態では、レーザ変位センサ25、25b、26aがY軸14方向成分において同じ位置に配され、レーザ変位センサ25a、26、26bがY軸14方向成分において同じ位置に配されているが、これに限定されない。
【0029】
レーザ変位センサ25、25aは、
図3に示すように、制御器30を介して、情報処理端末31及びサーボモータ24に接続され、レーザ変位センサ25b、26は、制御器32を介して、情報処理端末31及びサーボモータ24に接続され、レーザ変位センサ26a、26bは、制御器33を介して、情報処理端末31及びサーボモータ24に接続されている。
検査位置にワーク15が搬送されると、サーボモータ24は、情報処理端末31から指令信号を送られて、作動を開始し、Y軸14方向で最も負側に配置されていた横架材23を、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bと共にY軸14方向正側に移動させる。なお、サーボモータ24は、シーケンスコントローラ、即ち、PLC(Programmable Logic Controller)を介して、情報処理端末31に接続されていてもよい。
【0030】
サーボモータ24は、横架材23を所定距離(本実施の形態では、0.01mm〜0.5mm)移動させるごとに、制御器30を介したレーザ変位センサ25、25aへのパルス信号の送信と、制御器32を介したレーザ変位センサ25b、26へのパルス信号の送信と、制御器33を介したレーザ変位センサ26a、26bへのパルス信号の送信とを同時に行う。
【0031】
レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bは、サーボモータ24からのパルス信号を受信したタイミングでそれぞれ光27、27a、27b、28、28a、28bを照射し、反射した光を受光して、光27、27a、27b、28、28a、28bが当たった箇所の像(形状情報)をそれぞれ得る。
従って、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bはそれぞれ、光27、27a、27b、28、28a、28bを照射しつつ、ワーク15に対してY軸14方向に相対的に移動する。
レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bのワーク15に対するY軸14方向の移動は、少なくとも、光27、27a、27b、28、28a、28bそれぞれがワーク15のY軸14方向負側の端からY軸14方向正側の端まで当たる範囲で行われる。
【0032】
情報処理端末31は、レーザ変位センサ25、25aがそれぞれ得た像を制御器30を経由して受信し、レーザ変位センサ25b、26がそれぞれ得た像を制御器32を経由して受信し、レーザ変位センサ26a、26bがそれぞれ得た像を制御器33を経由して受信する。なお、情報処理端末31と制御器30の間に、レーザ変位センサ25、25aがそれぞれ得た像のデータを記憶する情報処理端末を設けて、情報処理端末31は、その情報処理端末からデータを取得するようにしてもよく、情報処理端末31と制御器32の間、情報処理端末31と制御器33の間それぞれにも、データ記憶用の情報処理端末を設けてもよい。
情報処理端末31は、横架材23がY軸14方向で最も正側に移動するまで、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bそれぞれから、数万オーダ、あるいは、数十万オーダの数の像を受信し、これらを基にして、裏面12を除くワーク15全体の形状を立体的に検出し、ワーク15の縦方向及び幅方向の長さや厚みの計測、並びに、表面17に形成された模様が所定の位置に設けられているかの判定を行う。
【0033】
ここで、検査位置に配置されたワーク15の表面17及び側面18、19に対し、X軸13方向成分において、隙間なく、光27、27a、27b、28、28a、28bが当たる。即ち、レーザ変位センサ25、25a、25bの少なくとも一、及び、レーザ変位センサ26、26a、26bの少なくとも一はそれぞれ、ワーク15の表面17に光を当て、レーザ変位センサ25、25a、25bの少なくとも一(ワーク15の幅方向の長さによっては2つ)は、ワーク15の側面18に光を当て、レーザ変位センサ26、26a、26bの少なくとも一(ワーク15の幅方向の長さによっては2つ)は、ワーク15の側面19に光を当てる。
【0034】
このため、情報処理端末31は、表面17、及び、側面18、19それぞれの全体の形状を得ることが可能である。ワーク15の表面17(側面18、19についても同じ)の全体の形状を得る必要がない場合、X軸13方向成分において、隙間なく、光27、27a、27b、28、28a、28bを当てる必要はない。
本実施の形態では、更に、ワーク15と厚みが異なるワークについても、光27、27a、27b、28、28a、28bがそれぞれ、X軸13方向成分で隣り合ってワークに当たる光27、27a、27b、28、28a、28との関係において、X軸13方向成分で重なり合ってワークにあたる限り、そのワークの表面全体、幅方向両側の2つの側面、及び、縦方向両側の2つの側面の各形状を検出することができる。よって、厚みが所定範囲内にあるワークについて、ワークの裏面を除く全体の立体像を検出可能である。
【0035】
そして、光27、27a、27b、28、28a、28bの各中心が、ワーク15を非配置にしたXY平面11に、X軸13方向成分で隣り合って到達するレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの組はそれぞれ、光27、27a、27b、28、28a、28bの各中心が、ワーク15を非配置にしたXY平面11に対し、Y軸14方向成分が異なる位置に到達する。
例えば、レーザ変位センサ25aから照射される光27aの中心は、レーザ変位センサ25、25bからそれぞれ照射される光27、27bの各中心と、ワーク15を非配置にしたXY平面11に対して、X軸13方向成分で隣り合った位置、かつ、Y軸14方向成分が異なる位置に到達する。
【0036】
従って、検査位置にワーク15を配した状態で、光27、27a、27b、28、28a、28bは、ワーク15あるいはXY平面11において、重なることはなく、光27、27a、27b、28、28a、28b相互の光の干渉から、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bそれぞれの形状計測が不安定になるのを回避することができる。但し、検査精度等によっては、ワーク15あるいはXY平面11において、光27、27a、27b、28、28a、28bの一部が相互に重なるようにしてもよい。
【0037】
ここで、レーザ変位センサ25、25a、25bはそれぞれ、光27、27a、27bの中心の進行方向が、X軸13の負側方向に対して鋭角をなす向きに配置され、レーザ変位センサ26、26a、26bはそれぞれ、光28、28a、28bの中心の進行方向が、X軸13の正側方向に対して鋭角をなす向きに配置されているので、ワーク15より幅方向が短いワークが検査位置に配置され、そのワークの幅方向一側の側面に、光27が当たらずとも、光27aあるいは光27bが当たり、そのワークの幅方向他側の側面に、光28bが当たらずとも、光28あるいは光28aが当たる。従って、幅方向の長さが所定の範囲内にあるワークについて、幅方向両側にある2つの側面の形状を検出可能である。
【0038】
本実施の形態において、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bからそれぞれ照射された光27、27a、27b、28、28a、28bの少なくとも一部が、ワーク15を非配置にしたXY平面11に対し、他の光27、27a、27b、28、28a、28bとは、X軸13方向成分が異なる位置に到達するようにしているのは、光27、27a、27b、28、28a、28bが、X軸13方向成分において、異なる範囲で、形状の検出ができるようにするためである。
【0039】
また、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bそれぞれが得た像(以下、「部分像」とも言う)は、ワーク15の一部の像であるため、情報処理端末31は、その複数の部分像を合成して、裏面12を除くワーク15全体の立体像(全体像の一例)を得る必要がある。
本実施の形態では、全体の立体形状が確認されている校正治具をワーク15と同様の条件(即ち、XY平面11に裏面が配され、X軸13とY軸14が直交する位置に中心が配され、幅方向がX軸13に沿う条件)で検査位置に配置し、校正治具にレーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bそれぞれから光27、27a、27b、28、28a、28bを照射して得られた部分像と、校正治具の実際の形状とを比較して、個々の部分像から全体像を得るための校正式を予め算出する。
【0040】
情報処理端末31は、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bそれぞれがワーク15に対して照射して得た部分像を、校正式を基に、裏面12を除くワーク15全体の立体像、即ち、一つの全体像に合成する。
校正治具を用いることなく、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの各配置を基に、個々の部分像から一つの全体像を合成することも可能であるが、その場合、レーザ変位センサ25、25a、25b、26、26a、26bの配置を厳密に行う必要があり、煩雑である。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、ワークの形状は、矩形の板状に限定されず、楕円形の板状や、平行四辺形の板状、あるいは、三角形の板状であってもよく、更に、角部がRであってもよい。また、ワークは、板状である必要もない。
そして、XY平面は水平配置されている必要はなく、例えば、鉛直に配置することや、水平に対して傾いて配置することができる。
【0042】
また、各レーザ変位センサP、Qは、照射部と受光部が一つの物体に設けられている必要はなく、照射部が設けられた物体とは別の物体に受光部を設けてもよい。
更に、各レーザ変位センサP、QをY軸方向に移動させる代わりに、固定した各レーザ変位センサP、Qに対して、ワークをY軸方向に移動させることによって、各レーザ変位センサP、Qをワークに対し、Y軸方向に相対的に移動させるようにしてもよい。
また、複数のレーザ変位センサPからそれぞれ照射される光は、光の中心の進行方向が同じでなくてもよく、それは、複数のレーザ変位センサQにおいても同様である。
そして、複数のレーザ変位センサP、Qは、XY平面までの距離が等しくなくてもよい。