特開2016-89026(P2016-89026A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2016-89026軽量材及びこれを用いたフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用フレーム材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-89026(P2016-89026A)
(43)【公開日】2016年5月23日
(54)【発明の名称】軽量材及びこれを用いたフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用フレーム材
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/12 20060101AFI20160418BHJP
   B63B 22/08 20060101ALI20160418BHJP
   B63B 22/00 20060101ALI20160418BHJP
【FI】
   C08J5/12CFC
   B63B22/08
   B63B22/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-224782(P2014-224782)
(22)【出願日】2014年11月4日
(71)【出願人】
【識別番号】500302231
【氏名又は名称】バキュームモールド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181009
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 日出海
(72)【発明者】
【氏名】渡部 雄治
(72)【発明者】
【氏名】土屋 大輔
【テーマコード(参考)】
4F071
【Fターム(参考)】
4F071AA41
4F071AA42
4F071AA42B
4F071AD02
4F071AD04
4F071AE17
4F071AH19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】浮上速度が速く、フレーム材の耐硫酸性が良好なフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムの提供。
【解決手段】フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムに用いるフレーム材として、有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材の少なくとも長辺側両端部を、ガラスクロス基材エポキシ樹脂含浸積層板又はガラスクロス基材フェノール樹脂含浸積層板からなる棒材で補強した構造とし、その比重を1.0以下とする軽量材及び軽量フレーム材。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材の少なくとも長辺側両端部を、ガラスクロス基材エポキシ樹脂含浸積層板又はガラスクロス基材フェノール樹脂含浸積層板からなる棒材で補強した構造を有し、その比重が1.0以下であることを特徴とする軽量材。
【請求項2】
請求項1記載の軽量材に、複数の耐圧ガラス球が装着可能なように、複数の貫通孔を設けたフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用軽量フレーム材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量で化学的な耐久性を兼ね備えた樹脂板を、強度と剛性の高い樹脂積層板で補強した構造を有する複合材料からなる軽量材に関する。そして、該軽量材に、複数の耐圧ガラス球が装着できるよう複数の貫通孔を設けた、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査機用に好適な軽量フレーム材に関する。
【背景技術】
【0002】
深海探査機としては、有人で操縦する深海探査艇(例えば、しんかい6500:潜航深度6,500m)、無人で遠隔操作する深海探査機(例えば、かいこう:潜航深度7,000m)及び自律型無人探査機(例えば、うらしま:潜航深度3,500m)などがある。この他、遠隔操作型水中探査ロボット(潜航深度3,000mなど)がある。
【0003】
これらはいずれも頑丈な合金製耐圧容器の中に探査・観測用機器を内蔵し、有人の操縦、無人の遠隔操作又は無人で決められたプログラムにそって自律的に移動し、観測する機能を有するものである。これら深海探査艇は、WEB上に公開された情報によると、建造に多額の費用を要する。「しんかい6500」の建造費は125億円、「うらしま」の建造費は26億円、「かいこう」の遠隔操作ビークルは18億円であり、遠隔操作型水中探査ロボットでも約4億円の建造費である。
【0004】
これらとは対照的に、約35年前から、安価な深海探査システムとして、フリーフォール方式の耐圧ガラス球入り深海探査システムが検討され、一部実証試験も実施されている。この深海探査システムは、複数個の耐圧ガラス球を用意し、各耐圧ガラス球の中に、ビデオカメラ、照明器具及び送受信用通信機などを内蔵したもので、重錘(おもり)を利用して自由落下によって深海まで到達させ、周辺の画像や映像等の情報を取得し、通信によって信号化した画像、映像等を送受信するものである。深海における観測を終えた後は、重錘を切り離し、自らの浮力で浮上し、浮上位置をGPSで知らせるという仕組みになっている。耐圧ガラス球が耐圧性能を有することから、約4,000mの深海を観測することが可能であって、実際に最大深度3,400mの海底を観測した実績がある。複数個の耐圧ガラス球の中にそれぞれ照明、ビデオカメラ及び送受信機器を収納できることから、安価なシステムでありながら、鮮明な映像をリアルタイムで撮影し送信できる点で、有用性が高い。
【0005】
近年になって、地震の予兆現象の観測や海洋資源開発の重要性から、深海観測の必要性が高まり、多くの地点を安価に長期間にわたって観測できるシステムとして、フリーフォール方式の耐圧ガラス球入り深海探査システムが見直されてきている。例えば、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京下町の町工場による「江戸っ子1号プロジェクト」では、改良した耐圧ガラス球を用いたフリーフォール式深海探査システムが、最大深度約8,000mの海底で、深海魚などの3次元映像をリアルに映し出し、大きな反響を呼んだ。この探査機には海底の泥を採取するための採泥機も取り付けられていて、レヤアースやメタンハイドレートなどの海底資源の調査や探索にも威力を発揮するものと期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−245944
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】耐圧ガラス球を用いた深海カメラシステムの試作について、海洋科学技術センター試験報告書(1)、26−31(1977)
【非特許文献2】フリーフォール方式耐圧ガラス球入り深海カメラシステム、海洋科学技術センター報告書(3)、24−28(1979)
【非特許文献3】往還型深海探査機「江戸っ子1号」開発計画、第23回海洋工学シンポジウム(平成24年8月2,3日)日本海洋工学会・日本船舶海洋工学会
【非特許文献4】フリーフォール型深海探査シャトルビークル「江戸っ子1号」実海域実験、JAMSTECニュース、https://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20131220/
【非特許文献5】独RAMPF社RAKU−TOOL(登録商標である)WB−0700の製品安全データシート
【非特許文献6】日光化成社樹脂積層板NL−EGの製品安全データシート
【非特許文献7】増補版ポリマー辞典、ポリマー辞典編集委員会編(2011年5月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献2によると、非特許文献1で報告されたプロトタイプのフリーフォール方式カメラシステムは、「抵抗係数が大きいため、落下及び浮上速度が比較的遅く、水中重量12kgの重錘を使用した場合の落下速度は0.93m/s、浮上速度は0.6m/s程度であった。水深数100m程度の海域で使用するのであればこの程度の落下および浮上速度で十分であるが、水深数1,000mといった大深度深海で使用する場合は、より大きな落下および浮上速度が必要となる。」と記載されている。
【0009】
「江戸っ子1号プロジェクト」は、東京都内と千葉県の中小企業5社、2つの大学及びJAMSTECが東京東信用金庫の橋渡しによって連携して、日本海溝の8,000mの超深海が探査可能な、安価で操作しやすいフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムの開発を行ったものであるが、その開発計画を記載した非特許文献3によると、「江戸っ子1号」のシステム形状デザインにおいて、「落下速度については、海底に衝突しないようにするために制限があるため、浮上速度を向上させるような形状が望ましい」とされ、「浮上時は、浮力をできるだけ稼いで、毎分90m程度を目指している。」と記載されている。これは、短時間での沈降及び浮上による観測や回収の効率化を目指すためである。
【0010】
そして、「江戸っ子1号」の実海域実験結果を報告した非特許文献4によると、深海探査システムの落下速度は約1.1m/秒(66m/分)であったと記載され、浮上速度については、3号機は約7,800mの海底から、切り離しコマンド送信後、約2時間で浮上したことから、65m/分(約1.1m/秒)であったと推定され、4号機は同じく約7,800mの海底から約3時間で浮上したことから、約43m/分(約0.7m/秒)であったと推定される。これらの浮上速度の値は、目標とした毎分90mの2/3以下であったと考えられる。すなわち、浮上速度は、目標値に対して未達であった。
【0011】
また、非特許文献4によると、深海探査システムに装着された3つの耐圧ガラス球が、それぞれビデオカメラ用、LED照明用及び送受信機用(トランスポンダ用)として用いられ、これら耐圧ガラス球は、保護用のカバー(ハードハットという)を介して、金属アルミニウム製フレームに取り付けられている。本発明者らは、当初より江戸っ子1号計画に協力してきており、前記実海域実験に参加した参加者から、フレーム材が金属アルミ製であったことの他、多くの実験の様子をヒアリングにより入手している。なお、金属アルミニウムの比重は、約2.7である。
【0012】
さらに、前記「江戸っ子1号」の実海域実験の参加者から、今後の課題の一つとして、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムが海底において、長期間にわたって採泥しレヤアースやメタンハイドレートの調査を行う際に、海底の熱水噴出孔から発生する硫化水素や硫酸によって、フレーム材であるアルミニウムが腐食する問題のあることが挙げられている。
【0013】
なお、特許文献1は、「江戸っ子1号」の開発段階の発明であるが、複数個の耐圧ガラス球がジョイントで結合された構造を有している。実施例では、正三角形の頂点の位置にそれぞれガラス球が配置され、ジョイントで結合されている。このような構造は、耐圧ガラス球の固定が不安定であって、沈降速度及び浮上速度が共に低速となってしまうことから、このような構造は採用されず、最終的には非特許文献4に記載された構造が採用され、実海域実験においても使用された。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために本発明は、有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材の少なくとも長辺側両端部を、ガラスクロス基材エポキシ樹脂含浸積層板又はガラスクロス基材フェノール樹脂含浸積層板からなる棒材で補強した構造を有し、その比重が1.0以下であることを特徴とする軽量材を開示する。
【0015】
本発明は、基本構造として、有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材を用いる。有機系中空フィラーとしては、アクリル樹脂、スチレン樹脂又はエポキシ樹脂などの中空粒子や中空繊維を用いることができる。このような板材は「ケミカルウッド」と呼ばれ、真空成型用の板材として市販されているが、本発明者らは、該板材の少なくとも長辺側両端部をガラスクロス基材エポキシ樹脂含浸積層板又はガラスクロス基材フェノール樹脂含浸積層板からなる棒材で補強することによって該板材の機械的強度を高めるとともに、その比重を1.0以下とすることによって、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用フレーム材として好適であるばかりでなく、広範な用途にも応用可能な軽量材を開発することに成功した
【0016】
本発明において、補強用棒材に用いる積層板は、ガラスクロスを基材として、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を含浸させたのち、重ね合せて加熱加圧することによって得られる積層板を用いるのが好適である。該積層板は、水に不溶であって、積層板の中で最高グレードの曲げ強さ、圧縮強さ、引張強さを有する。そして、積層板からなる棒材の断面を正方形又は長方形とすれば、前記板材に取り付けやすい。このような構造とすることにより、結城中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物の軽量性を活かしながら、優れた機械的強度を有した軽量材とすることができる。
【0017】
本発明における軽量材は、前記したように板材と補強用棒材からなる複合材であるが、その組み合わせによる比重は1.0以下でなければならない。比重を1.0以下とすることによって、軽量であって取り扱いやすい汎用的な材料とすることができ、加えて、水中で浮力を必要とする用途に好適な材料となるからである。
【0018】
本発明において、前記板材の比重は、非特許文献5に記載によると、0.67〜0.73とされている。一方、補強用棒材として用いる前記積層板の比重は、非特許文献6によると、1.80〜2.0とされている。従って、このような板材及び積層板を用いた本発明の軽量材においては、Vを前記板材の容積、Vを前記積層板からなる補強用棒材の容積として、それぞれについて比重が最も大きくなる厳しい条件を選び、これらを組み合わせた本発明の軽量材の比重を1.0以下にするという条件から、0.73×V+2.0×V=1.0×(V+V)という計算式が成立する。そして、この計算式からV/Vを求めると、V/Vを27%以下とすれば、本発明の軽量材の比重を1.0以下にすることができる。
【0019】
本発明の望ましい形態においては、前記板材の長辺側両端部の外縁(コバ)に溝を設け、前記積層板からなる棒材を装着する。板材の厚みをT、棒材の厚みをTとすると、T/Tは0.3〜0.7程度であることが望ましい。棒材の厚みが薄すぎると補強効果が不十分になり、逆に棒材の厚みが厚すぎると板材が破損してしまうおそれが高くなるからである。
【0020】
又、本発明において、前記積層板からなる棒材の前記板材への装着深さは20〜25mmもあれば十分な補強効果が得られる。積層板からなる棒材は、前記板材にねじれの力や撓みの力が働くのを防止するのに十分強い剛性と曲げ強度を有しているからである。
【0021】
前記軽量材に、複数の耐圧ガラス球が装着可能なように複数の貫通孔を設けることにより、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用として好適な軽量フレーム材とすることができる。従来のフリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムでは、十分な浮力が得られず、また今後必要とされる耐硫酸性を有していないという課題があるが、前記軽量材に耐圧ガラス球を装着するための複数の貫通孔を設けた軽量フレーム材は、以下の理由から、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用に好適であると考えられる。
【0022】
第一の理由は、前記軽量材の比重が1.0以下であって、水よりもはるかに軽く、極めて軽量な点であることから、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムに用いることにより、浮力を得やすく、浮上速度の向上に繋がるからである。非特許文献2においても、フレーム材としてFRP(ファイバー強化プラスチック)を用いることが提案されているが、同じ樹脂材であってもFRPの比重は、最も軽量なもの(アラミドファイバー強化プラスチック)であっても1.4を超えていることから、十分な浮力を得るには適していない。
【0023】
第二の理由は、前記軽量材に用いる板材である「ケミカルウッド」を製造するRAMPF社から入手したデータによると、有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる「ケミカルウッド」は、水に不溶であって、浸水試験によっても重量変化がわずか1%程度しかなく、吸水によっても曲げ弾性率が最大で15%程度しか低下しない点である。
【0024】
第三の理由は、「ケミカルウッド」を構成するエポキシ樹脂硬化物が耐硫酸性に優れる点であって、非特許文献5によると、70℃の温度で10〜30%の硫酸に浸漬しても、ほとんど影響を受けない。
【0025】
フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用軽量フレーム材においては、前記板材の中央部に設けられる貫通孔に耐圧ガラス球が設置され、該耐圧ガラス球を保護する硬質樹脂製カバー(ハードハット)によって軽量フレーム材に固定される。この場合、耐圧ガラス球を取り付ける部分の板材は貫通孔に相当する容積分が切り取られることになるので、比重を1.0以下にするためには、残された板材の容積V1Rと棒材の容積Vの比V1R/Vを少なくとも1/0.27にする必要がある。
【0026】
なお、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムにおいて、複数個設置される耐圧ガラス球の配置としては、軽量フレーム材の長さ方向の中心線上に一直線に並んでいる方が、抵抗が少なく、沈降時にも浮上時にも、その沈降速度及び浮上速度が最大になると考えられる。従って、軽量フレーム材に耐圧ガラス球を装着するための貫通孔を設ける場合、これら貫通孔は長さ方向の中心線上に一直線に設けるのがよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、比重が1.0以下という軽量で、強度と剛性の高い軽量材を得ることができる。この軽量材を、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用軽量フレーム材として用いた場合、ねじれや撓みに強く、かつ十分な浮力が得られるので、深海探査システムを回収する際の浮上速度を速くすることができ、迅速な回収が可能となる。
【0028】
また、軽量フレーム材の比重が小さく、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムを軽量にできる、かつ浮力を得やすくなることの付随的効果として、耐圧ガラス球に内蔵できるビデオカメラ、照明器具、送受信用通信機等の重量に余裕が生まれることとなり、その他の計測機器を内蔵させることも可能になる。
【0029】
本発明の軽量材は十分な耐水性及び耐久性を有しており、耐硫酸性にも優れることから、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システム用軽量フレーム材として用いた場合に、海底の熱水噴出孔の近傍での調査に際しても、フレーム材が腐食するおそれがなく、長期にわたった観測・調査が可能になるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の軽量材の構造を示す図である。
図2】本発明の軽量材に、耐圧ガラス球を取り付けるための貫通孔を設けた深海探査システム用軽量フレーム材を示す図である。
図3】本発明の深海探査システム用軽量フレーム材に保護カバー(ハードハット)を介して耐圧ガラス球を取り付けたフリーフォール式深海探査システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0032】
有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材として、長さ1,500mm×幅500mm×厚み50mmの独RAMPF社製RAKU−TOOL(登録商標である)WB−0700を用意した。長辺側の両端部の厚み50mmの板材の中央に、厚み20mm、深さ20mmの溝を形成した。次に、日光化成社製ガラスクロス基材エポキシ樹脂積層板(製品名NL−EG)を20×20×500mmの寸法に切断し、前記板材に設けた溝に装着し、接着した後、四偶を丸く仕上げることによって、本発明の軽量フレーム材を得た(図1)。この軽量フレーム材の比重を測定したところ、0.73であった。
【0033】
次に、軽量フレーム材の中央部に直径13インチのガラス球が3個装着できるよう、図1に示した軽量材の中央3か所に八角形状の穴を設けた(図2)。この状態での比重を測定したところ、0.79であった。そして、耐圧ガラス球をハードハットに装着し、ハードハットを軽量フレーム材にボルトで留めることによって、フリーフォール式耐圧ガラス球入り深海探査システムを製作した。沈降用重錘、位置安定具などが装着されている(図3)。
【符号の説明】
【0034】
1・・・本発明の軽量材
2・・・耐圧ガラス球を取り付けるための3か所の貫通孔を設けたフリーフォール式深海探査システム用軽量フレーム材
3・・・本発明のフリーフォール式ガラス球入り深海探査システム用軽量フレーム材を用いたフリーフォール式ガラス球入り海底探査機
11・・・有機系中空フィラーとエポキシ樹脂硬化物からなる板材
12・・・ガラスクロス基材エポキシ樹脂含浸積層板からなる補強用棒材
21・・・板材に設けた棒材取付け用溝部
22・・・板材に設けた耐圧ガラス球取付け用貫通孔
23・・・硬質樹脂製カバー(ハードハット)取付孔
31・・・耐圧ガラス球
32・・・耐圧ガラス球保護用硬質樹脂製カバー(ハードハット)
33・・・重錘
34・・・位置安定具
図3
図1
図2