【解決手段】ポンプユニット40とジェットポンプ50とを接続する接続構造60は、ポンプユニット40に設けられ、軸方向のサブタンク底部20a側へ加圧燃料を案内する筒状の案内部444と、ジェットポンプ50に設けられ、案内部444に対してサブタンク底部20a側から軸方向に摺動可能に嵌合し、案内部444から加圧燃料が案内される筒状の加圧部500と、所定の低バネ定数を有し、案内部444と加圧部500との間において軸方向の衝撃を緩和する緩衝部材600と、緩衝部材600よりも高い高バネ定数を有し、案内部444と加圧部500との間を径方向にシールするシール部材602とを、有することを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0014】
(第一実施形態)
図1,2に示すように、本発明の第一実施形態による燃料供給装置1は、車両において燃料タンク2に搭載される。装置1は、燃料タンク2内の燃料を、内燃機関3の燃料噴射弁へ直接的に又は高圧ポンプ等を介して間接的に供給する。ここで、装置1の搭載される燃料タンク2は、樹脂又は金属により中空状に形成されることで、内燃機関3側へ供給する燃料を貯留する。また、装置1から燃料を供給する内燃機関3としては、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。尚、
図1,2に示す装置1の上下方向は、水平面上における車両の上下方向と実質一致している。
【0015】
(構成及び作動)
以下、装置1の構成及び作動を説明する。
【0016】
図1〜4に示すように装置1は、フランジ10、サブタンク20、調整機構30、ポンプユニット40及びジェットポンプ50を備えている。
【0017】
図1に示すようにフランジ10は、樹脂により円板状に形成され、燃料タンク2の天板部2aに装着されている。フランジ10は、天板部2aとの間にパッキン10aを挟み込むことにより、同部2aに形成された貫通孔2bを閉塞している。フランジ10は、燃料供給管12及び電気コネクタ14を一体に有している。
【0018】
燃料供給管12は、フランジ10から上方及び下方の両側へ向かって突出している。燃料供給管12は、湾曲自在のフレキシブルチューブ12aを介してポンプユニット40と連通している。こうした連通形態の燃料供給管12は、ポンプユニット40のうち燃料ポンプ42により燃料タンク2内から圧送される燃料を、燃料タンク2外の内燃機関3側へ供給する。電気コネクタ14も、フランジ10から上方及び下方の両側へ向かって突出している。電気コネクタ14は、外部の制御回路(図示しない)に対して燃料ポンプ42を接続する。こうした電気接続形態下、燃料ポンプ42が制御回路により制御されるようになっている。
【0019】
図1,2,4に示すようにサブタンク20は、樹脂により有底円筒状に形成され、燃料タンク2内に保持されている。サブタンク20の底部20aは、燃料タンク2の底部2c上に設置されている。ここで
図2に示すように、底部20aのうち上方に向かって凹む凹底部20bは、底部2cとの間に流入空間22を確保している。さらに凹底部20bには、流入口24が形成されている。流入口24は、流入空間22を介して燃料タンク2内に連通している。こうした連通形態の流入口24は、ポンプユニット40のうちジェットポンプ50により燃料タンク2内から汲み上げられる燃料を、サブタンク20内へと流入させる。こうして流入口24から流入した燃料は、サブタンク20内に貯留される。尚、本実施形態の凹底部20b上には、後に詳述するジェットポンプ50からの負圧の作用時に流入口24を開弁するように、アンブレラバルブ27が設けられている。
【0020】
図1に示すように調整機構30は、保持部材32、一対の支柱34及び調整スプリング36等から構成され、燃料タンク2内に収容されている。
【0021】
保持部材32は、樹脂により形成され、サブタンク20内から同タンク20外に跨って配置されている。保持部材32は、円環板状を呈する本体部320の周方向に、装着部322及び弾性部324をそれぞれ複数ずつ設けてなる。ここで各装着部322は、サブタンク20の上部20cに装着されている。また、各弾性部324は、円弧板状に形成されて本体部320により下端324aを支持されることで、サブタンク20の径方向に弾性変形可能となっている。
【0022】
各支柱34は、金属により円柱状に形成され、フランジ10とサブタンク20との間を上下方向に延伸している。各支柱34の上端は、フランジ10に固定されている。また、かかる上端よりも下方にて各支柱34は、保持部材32又はサブタンク20により上下方向に摺動支持される。調整スプリング36は、金属によりコイルスプリング状に形成され、対応する一支柱34の外周側に同軸上に配置されている。調整スプリング36は、対応支柱34とサブタンク20との間にて、上下方向に介装されている。こうした介装形態の調整スプリング36は、サブタンク20の底部20aを燃料タンク2の底部2cへと向かって押し付けている。
【0023】
図1〜4に示すようにポンプユニット40は、サクションフィルタ41、燃料ポンプ42、フィルタケース43及びポート部材44等から構成され、燃料タンク2内に収容されている。
【0024】
図1,2,4に示すようにサクションフィルタ41は、例えば不織布フィルタ等であり、サブタンク20内に配置されている。サクションフィルタ41は、サブタンク20の底部20aのうち、凹底部20bの外周側を囲む最深底部20d上に設置されている。サクションフィルタ41は、サブタンク20内から燃料ポンプ42内に吸入させる燃料を濾過することで、当該吸入対象燃料中の大きな異物を除去する。
【0025】
燃料ポンプ42は、全体として円柱状の電動ポンプであり、サブタンク20内に配置されている。燃料ポンプ42は、その軸方向を上下方向に沿わせた状態下、下方のサクションフィルタ41と接続されている。燃料ポンプ42は、
図1に示すように湾曲自在なフレキシブル配線42aを介して、電気コネクタ14に接続されている。燃料ポンプ42は、電気コネクタ14を通して制御回路からの駆動制御を受けることで、作動する。ここで、作動中の燃料ポンプ42は、サブタンク20内の貯留燃料をサクションフィルタ41を通して吸入し、さらに当該吸入燃料を内部での加圧度合いにより調圧する。
【0026】
燃料ポンプ42は、燃料を送出する送出口420に一体に、送出バルブ421を有している。ここで送出バルブ421は、スプリングレス式のチェックバルブであり、燃料ポンプ42の作動に伴って燃料が加圧される間は開弁する。この開弁時には、送出口420から燃料がフィルタケース43内へと圧送される。一方、燃料ポンプ42の停止に伴って燃料の加圧が止まると、送出バルブ421が閉弁する。この閉弁時には、フィルタケース43内への燃料の圧送も止まる。尚、燃料ポンプ42から吐出される加圧燃料の圧力は、例えば300kPa〜600kPaの範囲内で可変調整される。
【0027】
図1に示すようにフィルタケース43は、樹脂により中空状に形成され、サブタンク20内から同タンク20外に跨って配置されている。フィルタケース43の上部において下方を向く段差面430は、サブタンク20の上部20cに装着された保持部材32のうち弾性変形可能な各弾性部324の上端324bにより、係止されている。こうした係止形態によりサブタンク20の上部20cは、保持部材32を介してポンプユニット40を軸の底部20a側から弾性支持している。
【0028】
フィルタケース43のうち収容部46は、内筒部460と外筒部461とから二重円筒状に形成され、燃料ポンプ42の外周側に同軸上に位置している。かかる収容部46の配置形態によりフィルタケース43の軸方向は、上下方向に沿っている。収容部46は、内筒部460及び外筒部461の上方にて送出口420と連通する連通室462を、扁平形の空間状に形成している。
【0029】
収容部46はまた、内筒部460と外筒部461との間にて連通室462と連通する収容室463を、円筒空間状に形成している。収容室463には、円筒状の燃料フィルタ464が収容されている。燃料フィルタ464は、例えばハニカムフィルタ等であり、連通室462を介して送出口420から収容室463へと送出された加圧燃料を濾過することで、当該加圧燃料中の微細な異物を除去する。
【0030】
収容部46はさらに、収容室463と連通する中継通路465を、上下方向に対して傾斜した略矩形の孔状に、形成している。中継通路465は、収容室463のうち燃料フィルタ464よりも下方に開口する燃料出口463aに対して、連通している。こうした連通形態により中継通路465は、燃料フィルタ464により濾過されて燃料出口463aから導出される燃料を、斜め上方へと向かって案内する。
【0031】
フィルタケース43のうち突部47は、
図1〜3に示すように、外筒部461から周方向の特定箇所Sへと向かって、径方向に突出している。かかる突部47には、燃料通路470、隔壁471、吐出通路472、外部残圧保持バルブ473、分岐通路474、内部残圧保持バルブ475及びリリーフ通路476が収められている。換言すれば、突部47は、それらの要素470,471,472,473,474,475,476を、周方向の特定箇所Sに偏って一体に有している。
【0032】
燃料通路470は、突部47において逆U字形に延伸する空間状に、形成されている。燃料通路470は、隔壁471により仕切られることで、上下方向において折り返されている。こうした折り返し形態により燃料通路470では、最上方に位置する折り返し部470aの両端から、それぞれ上流ストレート部470bと下流ストレート部470cとが下方へ向かって略矩形の孔状に延伸している。
【0033】
燃料通路470は、上流ストレート部470bのうち上下方向の中間部にて開口する連通口470eを、形成している。上流ストレート部470bは、中継通路465を介して連通口470eを収容室463と連通させることで、燃料フィルタ464よりも下流側に配置されている。こうした配置形態により、中継通路465を通して案内される加圧燃料は、連通口470eから上流ストレート部470bへと導出される。上流ストレート部470bは、連通口470eの開口する外部用通路部470fと、当該外部用通路部470fを介して同口470eに連通する内部用通路部470gとを、形成している。
【0034】
図1に示す外部用通路部470fには、連通口470eから導出される燃料が流入する。連通口470eからの導出燃料のうち一部は、外部用通路部470fにおいて、同口470eよりも上方の外部残圧保持バルブ473側へと流通する。また、連通口470eからの導出燃料のうち外部残圧保持バルブ473側への流れとは分流された燃料は、外部用通路部470fを通して下方の内部残圧保持バルブ475へ向かって折り返されることで、内部用通路部470g側へと流通する。ここで、内部用通路部470gにて内部残圧保持バルブ475側へ向かう燃料流れは、外部用通路部470fにて外部残圧保持バルブ473側へ向かう燃料流れよりも絞られている。
【0035】
図2に示すように吐出通路472は、突部47のうち上下方向の中間部にて、円筒状に形成されている。吐出通路472は、燃料通路470において連通口470e及び外部用通路部470fよりも下流側に位置する下流ストレート部470cから、分岐している。吐出通路472は、ポート部材44のうち吐出ポート440と連通することで、燃料通路470の流通燃料を、フレキシブルチューブ12a及び燃料供給管12を通して内燃機関3側へと吐出する。このとき燃料通路470では、吐出通路472により内燃機関3側へ向かっていく供給流れから分流された燃料が、同通路472よりも下流側にて流通することになる。
【0036】
図1,2に示すように外部残圧保持バルブ473は、スプリングレス式のチェックバルブであり、上流ストレート部470bのうち連通口470eよりも下流側且つ吐出通路472よりも上流側の外部用通路部470fに、設けられている。外部残圧保持バルブ473は、外部用通路部470fにおいて燃料通路470を開閉する。具体的には、燃料ポンプ42の作動に伴って、連通口470eから外部用通路部470fへ加圧燃料が導出される間は、外部残圧保持バルブ473が開弁する。この開弁時には、外部用通路部470fへの導出燃料が吐出通路472及び下流ストレート部470cの最下流端470d側へと向かって流通する。一方、燃料ポンプ42の停止に伴って、連通口470eからの燃料導出が止まると、外部残圧保持バルブ473が閉弁する。この閉弁時には、吐出通路472及び最下流端470d側へと向かう燃料の流通も止まるので、吐出通路472からの閉弁前の吐出により内燃機関3側へと供給された燃料の圧力は、保持される。即ち、閉弁した外部残圧保持バルブ473により、燃料通路470を通した内燃機関3側への供給燃料に対して残圧保持機能が発揮される。尚、外部残圧保持バルブ473の残圧保持機能による保持圧力は、燃料ポンプ42が停止時に調圧していた圧力となる。
【0037】
分岐通路474は、突部47において中継通路465とその径方向外側の内部用通路部470gとに挟まれた箇所から、ポート部材44側へと延伸する空間状に、形成されている。分岐通路474は、内部用通路部470gのうち外部用通路部470fとは反対側となる下端から上方へと折り返す形態に、分岐している。分岐通路474は、ポート部材44のうちジェットポート441と連通することで、内部残圧保持バルブ475を通して内部用通路部470gから排出される燃料をジェットポンプ50にまで案内する。
【0038】
内部残圧保持バルブ475は、スプリング付勢式のチェックバルブであり、分岐通路474に設けられている。内部残圧保持バルブ475は、分岐通路474に通じた燃料通路470を開閉する。具体的には、燃料ポンプ42の作動に伴って、連通口470eから通路部470f,470gへ開弁圧以上の燃料が導出される間は、内部残圧保持バルブ475が開弁する。この開弁時には、内部用通路部470gから分岐通路474に流入した加圧燃料がジェットポンプ50側へと向かって流通する。一方、燃料ポンプ42の作動時にあっても、連通口470eから導出される燃料の圧力が閉弁圧未満になると、又は燃料ポンプ42の停止に伴って当該導出が止まると、内部残圧保持バルブ475が閉弁する。この閉弁時には、ジェットポンプ50側へと向かう燃料の流通も止まるので、特に燃料ポンプ42の停止に伴う場合には、送出バルブ421の閉弁も相俟って、収容室463における燃料の圧力が保持される。即ち、閉弁した内部残圧保持バルブ475により、収容室463内の滞留燃料に対して残圧保持機能が発揮される。尚、内部残圧保持バルブ475の残圧保持機能による保持圧力は、例えば250kPaとなるように、設定されている。
【0039】
図2に示すようにリリーフ通路476は、突部47のうち上下方向の通路472,474間に位置する中間部にて、円筒孔状に形成されている。リリーフ通路476は、下流ストレート部470cにおいて吐出通路472よりも下流側から、分岐している。リリーフ通路476は、ポート部材44のうちリリーフポート442と連通することで、外部残圧保持バルブ473よりも下流側にて内燃機関3側への供給流れとは分流された燃料を、リリーフバルブ443にまで案内する。
【0040】
ポート部材44は、樹脂により中空状に形成され、サブタンク20内から同タンク20外に跨って配置されている。
図2〜4に示すようにポート部材44は、特定箇所Sの突部47に対して溶着により接合されている。ポート部材44は、突部47から側方へ張り出している。ポート部材44は、吐出ポート440、ジェットポート441、リリーフポート442及びリリーフバルブ443を、フィルタケース43外にて一体に有している。
【0041】
吐出ポート440は、ポート部材44のうち上下方向の上部にて、L字形の空間状に形成されている。吐出ポート440は、突部47の側面47aに開口する吐出通路472に対して、
図2に示す如く連通している。それと共に吐出ポート440は、吐出通路472の連通箇所とは反対側にて最下流端を上方に向けることで、フレキシブルチューブ12a(
図1参照)と連通している。こうした連通形態の吐出ポート440は、燃料通路470に吐出通路472を介して通じていると共に、内燃機関3側にフレキシブルチューブ12a及び燃料供給管12を介して通じている。以上により吐出ポート440は、燃料通路470から吐出通路472への流通燃料に対して、内燃機関3側への吐出作用を発揮する。
【0042】
ジェットポート441は、ポート部材44のうち吐出ポート440の下方に位置する下部にて、逆L字形の空間状に形成されている。ジェットポート441は、側面47aに開口する分岐通路474と連通していると共に、当該連通箇所とは反対側にてジェットポンプ50と連通している。こうした連通形態のジェットポート441は、内部用通路部470gに分岐通路474を介して通じていると共に、ジェットポンプ50と直接的に通じている。以上によりジェットポート441は、内部残圧保持バルブ475を通した燃料通路470からの排出燃料に対して、ジェットポンプ50に向けた案内作用を発揮する。
【0043】
リリーフポート442は、ポート部材44のうち上下方向のポート440,441間に位置する中間部にて、段付円筒孔状に形成されている。リリーフポート442は、側面47aに開口するリリーフ通路476と連通している。それと共にリリーフポート442は、リリーフ通路476の連通箇所とは反対側にてリリーフバルブ443と連通している。こうした連通形態のリリーフポート442は、燃料通路470にリリーフ通路476を介して通じていると共に、リリーフバルブ443と直接的に通じている。以上によりリリーフポート442は、燃料通路470にて内燃機関3側への流れとは分流された燃料に対して、リリーフバルブ443に向けた案内作用を発揮する。
【0044】
リリーフバルブ443は、スプリング付勢式のチェックバルブであり、リリーフポート442と連通している。リリーフバルブ443は、サブタンク20内と連通することで、リリーフポート442の案内燃料を同タンク20内へ排出可能となっている。リリーフバルブ443は、リリーフポート442に通じた燃料通路470を開閉する。具体的には、燃料ポンプ42の作動及び停止に拘らず、燃料通路470から内燃機関3に到る燃料供給経路の正常状態が保たれてリリーフポート442の圧力が開弁圧未満となる間は、リリーフバルブ443が閉弁する。この閉弁時に燃料ポンプ42の作動によって調圧された燃料は、吐出通路472及び吐出ポート440を通して吐出されるので、内燃機関3側への供給燃料の圧力が燃料ポンプ42での調圧値と実質同一圧に確保される。一方、燃料ポンプ42の作動及び停止に拘らず、燃料通路470から内燃機関3に到る燃料供給経路に異常が生じて開弁圧以上の燃料がリリーフポート442から案内されると、リリーフバルブ443が開弁する。この開弁時には、リリーフバルブ443への案内燃料がサブタンク20内に排出されるので、内燃機関3側への供給燃料の圧力が逃がされる。即ち、内燃機関3側への供給燃料に対しては、開弁したリリーフバルブ443によるリリーフ機能が発揮される。尚、リリーフバルブ443のリリーフ機能における開弁圧は、例えば650kPaとなるように、設定されている。
【0045】
図2,5に示すようにジェットポンプ50は、樹脂により中空状に形成され、サブタンク20内に配置されている。ジェットポンプ50は、サブタンク20の底部20aのうち凹底部20b上に設置され、上方のポンプユニット40のうちポート部材44と接続されている。ジェットポンプ50は、加圧部500、ノズル部501、吸入部502及びディフューザ部503を一体に有している。
【0046】
加圧部500は、ポート部材44内に下方から進入している。加圧部500は、上下方向に延伸する円筒孔状に、加圧通路504を形成している。加圧通路504は、ポート部材44内においてジェットポート441と連通している。ノズル部501は、加圧部500から側方へと延伸する円筒孔状に、ノズル通路505を形成している。ノズル通路505は、加圧通路504と連通している。以上により、内部用通路部470gから内部残圧保持バルブ475を通して排出された加圧燃料は、案内部444のジェットポート441から加圧通路504及びノズル通路505に順次案内される。
【0047】
吸入部502は、嵌合又は軽圧入により、凹底部20bに対して装着されている。吸入部502は、加圧部500及びノズル部501の下方に広がる扁平形の空間状に、吸入通路506を形成している。吸入通路506は、流入口24と連通している。ディフューザ部503は、ノズル部501から側方へと延伸する円筒孔状に、ディフューザ通路507を形成している。ディフューザ通路507は、ノズル通路505及び吸入通路506と連通していると共に、当該連通箇所とは反対側にてサブタンク20内と連通している。以上により、ノズル通路505に案内された加圧燃料がディフューザ通路507に噴出されることで、当該噴出流の周囲に負圧が発生すると、燃料タンク2内の貯留燃料が流入口24から吸入通路506及びディフューザ通路507に順次吸入される。こうして吸入された燃料は、ディフューザ通路507によりディフューザ作用を受けて圧送されることで、サブタンク20内へと汲み上げられる。
【0048】
(接続構造)
次に、ポンプユニット40とジェットポンプ50とを接続する接続構造60について、詳細に説明する。尚、以下の説明では、サブタンク20の底部20aを単に「底部20a」ともいう。
【0049】
図2,4〜6に示すように接続構造60は、ポンプユニット40に設けられる案内部444と、ジェットポンプ50に設けられる加圧部500と共に、緩衝部材600及びシール部材602を有している。
【0050】
図5,6に示すように案内部444は、ポンプユニット40のポート部材44において下方へと向かって開口する円筒状に、形成されている。案内部444は、その軸方向を上下方向に沿わせて配置されている。案内部444の内周面は、大径内周面444aと、それよりも上方且つ小径の小径内周面444bとに、軸方向にて分けられている。案内部444は、ジェットポート441のうち上下方向に延伸する下流ポート部441b(
図2も参照)を両内周面444a,444bにより形成することで、加圧燃料を軸方向の底部20a
側へと向かって案内する。
【0051】
加圧部500は、ジェットポンプ50において上方へと向かって開口する円筒状に、形成されている。加圧部500は、その軸方向を上下方向に沿わせて配置されることで、案内部444の内周側に同軸上に挿入されている。加圧部500は、下流ポート部441bに連通する加圧通路504を形成することで、案内部444からの案内燃料を軸方向の底部20a側へと向かって流通させる。
【0052】
図5に示すように加圧部500の外周面には、支持面500a及び遊挿面500bが形成されている。支持面500aは、所定径の円筒面状を呈している。支持面500aは、大径内周面444aの内周側に同軸上に配置されることで、案内部444に対して軸方向に摺動可能に底部20a側から嵌合している。こうした嵌合形態により支持面500aは、案内部444を内周側から摺動支持している。遊挿面500bは、支持面500aよりも小径の円筒面状を呈し、同面500aよりも上方に位置している。遊挿面500bは、両内周面444a,444bの内周側に同軸上に配置されることで、案内部444に対して径方向隙間441aをあけて底部20a側から遊挿されている。ここで、かかる径方向隙間441aには、ジェットポート441から加圧燃料が浸入可能となっている。
【0053】
加圧部500にはまた、ショルダ面500cが形成されている。ショルダ面500cは、支持面500aと遊挿面500bとの間にて上方を向く円環平面状を、呈している。かかるショルダ面500cからは、支持面500aが軸方向の底部20a側へ連続している一方、遊挿面500bが軸方向の反対側へ連続している。
【0054】
図4〜6に示すように緩衝部材600は、金属によりコイルスプリング状に形成され、軸方向変形のバネ定数として所定の低バネ定数klを有している。緩衝部材600は、サブタンク20内のうち、加圧部500の外部且つ案内部444の外部に同軸上に位置されている。かかる緩衝部材600は、その軸方向を上下方向に沿わせた状態下、案内部444の外周側と加圧部500の外周側とに位置している。
図5に示すように緩衝部材600の上端600aは、案内部444のうち下方を向く円環平面状の係止面444cにより、支持面500aの外周側にて係止されている。緩衝部材600の下端600bは、加圧部500のうち上方を向く円環平面状の係止面500dにより、支持面500aの外周側にて係止されている。こうした係止形態により緩衝部材600は、案内部444と加圧部500との間にて軸方向に介装されることで、軸方向の衝撃を緩和可能となっている。尚、ポンプユニット40とサブタンク20との間には、以上の如き緩衝部材600と共に、先述の如き各弾性部324(
図1参照)とが介在することで、サブタンク20によりポンプユニット40が実質的にフローティング支持されている。
【0055】
図5,6に示すようにシール部材602は、ゴムによりOリング状に形成され、径方向変形のバネ定数として緩衝部材600よりも高い高バネ定数khを有している。シール部材602は、サブタンク20内のうち、加圧部500の外部且つ案内部444の内部に同軸上に配置されている。かかるシール部材602は、その軸方向を上下方向に沿わせた状態下、外周側の案内部444と内周側の加圧部500との間に径方向に挟持されている。ここで、
図5に示すように本実施形態のシール部材602は、案内部444の大径内周面444aと加圧部500の遊挿面500bとの間に同軸上に圧入されることで、径方向に圧縮されている。それと共に、本実施形態のシール部材602は、自身の下方に位置するショルダ面500cにより、底部20a側から係止されている。こうした構成のシール部材602は、案内部444と加圧部500との間の径方向隙間441aにて加圧燃料の圧力を受けることで、ショルダ面500cに押し付けられた状態下、当該隙間441を径方向にシール可能となっている。
【0056】
図4〜6に示すように接続構造60は、ジェットポンプ50に設けられるガイド部508及び係合窓部509と、ポンプユニット40に設けられる係合爪部445とを、さらに有している。
【0057】
ガイド部508は、ジェットポンプ50において加圧部500を径方向に挟む両側に、それぞれ一つづつ設けられている。各ガイド部508は、加圧部500及び案内部444と同軸上に配置されて上下方向に延伸する円弧板状に、形成されている。各ガイド部508は、自身と加圧部500との間の径方向隙間508bに位置することになる緩衝部材600を、軸方向に沿って上下方向にガイドしている。各ガイド部508には、加圧部500の軸方向に沿って上下方向に延伸する矩形孔状に、係合窓部509が設けられている。
【0058】
係合爪部445は、ポンプユニット40において案内部444の径方向両側部分に、それぞれ一つずつ設けられている。各係合爪部445は、案内部444から径方向外側へと突出する鈎状に、形成されている。各係合爪部445は、それぞれ対応する係合窓部509に進入して幅方向では両側から挟持されることで、軸方向には摺動可能となっている。ここで、
図5に示すように本実施形態の各ガイド部508は、吸入部502により下端508aを保持されることで、加圧部500の径方向に弾性変形可能となっている。そこで装置1の製造時には、加圧部500を案内部444内へと挿入していくことで、各係合爪部445により各ガイド部508が押圧されて弾性変形する。その結果として各ガイド部508は、各係合爪部445への各係合窓部509の外嵌に伴って、今度は弾性復原することになる。このように各係合窓部509への各係合爪部445の係合状態は、各ガイド部508の弾性変形と弾性復原とを利用したスナップフィットにより、実現可能となっている。
【0059】
(作用効果)
以上の第一実施形態による作用効果を、以下に説明する。
【0060】
第一実施形態においてポンプユニット40とジェットポンプ50とを接続する接続構造60では、ポンプユニット40の案内部444に対してジェットポンプ50の加圧部500がサブタンク20の底部20a側から軸方向に摺動可能に嵌合する。こうした案内部444と加圧部500との嵌合構成下、所定の低バネ定数klを有する緩衝部材600は、それら案内部444と加圧部500との間において軸方向の衝撃を緩和する。故に、車両の運転に伴って発生する比較的大きな振幅の衝撃が底部20a上のジェットポンプ50へと加わっても、当該衝撃は、底部20a側から加圧部500にまで伝播すると、低バネ定数klの緩衝部材600により緩和され得る。これにより、外部からの衝撃をダイレクトには受け難くなるポンプユニット40では、故障の発生を抑制することができる。
【0061】
また、第一実施形態によると、案内部444と加圧部500との嵌合構成下、緩衝部材600よりも高い高バネ定数khを有するシール部材602は、案内部444と加圧部500との間を径方向にシールする。これによれば、案内部444から加圧部500へ向かう案内経路にて燃料漏れを規制可能な高バネ定数khのシール部材602を利用することで、ポンプユニット40の燃料供給作動に伴って発生する比較的小さな振幅の振動を案内部444と加圧部500との間にて減衰させ得る。故に、ポンプユニット40からの振動が底部20a上のジェットポンプ50にはダイレクトに伝播し難くなるので、サブタンク20を保持する燃料タンク2の振動、さらには車両構成要素の振動により騒音を発生する事態も抑制することができる。
【0062】
さらに、第一実施形態において案内部444の内周側に挿入される加圧部500では、ショルダ面500cにより、案内部444との間のシール部材602が軸方向の底部20a側から係止される。故に、案内部444と加圧部500との間のシール部材602によれば、シール機能だけでなく、振動減衰機能をも安定的に発揮し得るので、騒音の発生抑制効果に対する信頼性を高めることができる。しかもシール部材602は、案内部444とその内周側の加圧部500との間へと浸入した加圧燃料に対してシール機能を発揮するので、当該加圧燃料によりショルダ面500cは、シール部材602を介して底部20a側へと押圧される。これによりジェットポンプ50は、サブタンク20の底部20aに押し付けられて位置決めされ得るので、燃料の汲み上げ機能に対する信頼性も高めることができる。
【0063】
またさらに、第一実施形態の案内部444は、加圧部500においてショルダ面500cから軸方向の底部20a側へと連続する支持面500aにより、内周側から摺動支持される。これにより摺動支持箇所では、案内部444と加圧部500との径方向の位置ずれが規制されるので、当該摺動支持箇所近傍のショルダ面500cにて係止されるシール部材602は、それら案内部444と加圧部500との間にて位置決めされ得る。故に、案内部444と加圧部500との間のシール部材602によれば、シール機能だけでなく、振動減衰機能をも確実に且つ安定的に発揮させて、騒音の発生抑制効果に対する信頼性を高めることができる。
【0064】
加えて、第一実施形態において案内部444は、自身を摺動支持する支持面500aの外周側にて緩衝部材600を係止することで、当該緩衝部材600の弾性復原力を受けても、軸方向に対して傾き難くなる。これによれば、案内部444と加圧部500との間にてシール部材602の位置決め機能が緩衝部材600の弾性復原力によって阻害される事態を、回避することができる。故に案内部444と加圧部500との間では、シール機能だけでなく、振動減衰機能をも確実に且つ安定的に発揮させて、騒音の発生抑制効果に対する信頼性を高めることができる。
【0065】
また加えて、第一実施形態の緩衝部材600は、案内部444の外部且つ加圧部500の外部に配置されることで、案内部444から加圧部500へと向かう加圧燃料の案内機能を阻害しない。これによれば、加圧部500へと案内された加圧燃料の噴出により燃料の汲み上げ機能を安定的に発揮させ得るので、当該汲み上げ機能に対する信頼性を高めることができる。
【0066】
さらに加えて、第一実施形態によるポンプユニット40とジェットポンプ50とについては、それらの一方の係合窓部509に対して、それらの他方の係合爪部445をスナップフィットにより弾性係合させることで、容易に接続できる。しかも、こうして接続された後には、係合窓部509に対して係合爪部445が軸方向に摺動可能となるので、案内部444に対して加圧部500を軸方向に摺動させながら緩衝部材600により衝撃を緩和する緩衝機能を、妨げない。以上によれば、ポンプユニット40がダイレクトに衝撃を受けることで故障する事態につき、装置1の製造時における生産性を高めながらも、確実に抑制することできる。
【0067】
またさらに加えて、第一実施形態によるポンプユニット40は、ジェットポンプ50のうち加圧部500との間の緩衝部材600により底部20a側から弾性支持されるだけでなく、サブタンク20の上部20cにより同底部20a側から弾性支持される。これによれば、ポンプユニット40からの振動が底部20aにも上部20cにもダイレクトには伝播し難くなる。故に、サブタンク20を保持する燃料タンク2の振動、さらには車両構成要素の振動による騒音の発生に対して、抑制効果を高めることができる。
【0068】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態において、
図7に示す燃料ポンプ2042から吐出される加圧燃料の圧力は、例えば400kPaに固定される。
【0069】
図7〜9に示すように第二実施形態の燃料通路2470は、フィルタケース2043の突部2047において上下方向へとストレートに延伸する略矩形の孔状に、形成されている。燃料通路2470のうち上下方向の中間部には、連通口470eが開口形成されている。燃料通路2470は、
図7に示す中継通路465を介して連通口470eを収容室463と連通させることで、燃料フィルタ464よりも下流側に配置されている。こうした配置形態により、中継通路2465を通して案内される加圧燃料は、連通口470eから燃料通路2470に導出される。
【0070】
図7〜9に示すように第二実施形態では、燃料通路2470に形成される外部用通路部470f及び内部用通路部470gが、特定箇所Sの要素2472,474,2475,2476,2479と共に、突部2047に収められている。ここで、隔壁471及び外部残圧保持バルブ473の設けられていない第二実施形態の外部用通路部470fでは、連通口470eからの導出燃料が同口470eよりも上方の吐出通路2472側へと流通する。尚、燃料通路2470につき、以上説明した以外の構成は、第一実施形態で説明した燃料通路470の構成に準じている。
【0071】
図8,10に示すように吐出通路2472は、突部2047のうち上下方向の中間部に設けられて連通口470eよりも上方に位置する円筒状に、形成されている。吐出通路2472は、燃料通路2470のうち外部用通路部470fにおいて連通口470eよりも下流側箇所から、分岐している。尚、吐出通路2472につき、以上説明した以外の構成は、第一実施形態で説明した吐出通路472の構成に準じている。
【0072】
図7,8に示すように内部残圧保持バルブ2475では、スプリング反力の設定が第一実施形態とは異なっている。これにより内部残圧保持バルブ2475の開弁時には、外部用通路部470fから吐出通路2472へと向かう加圧燃料の圧力が、例えば400kPaに調整される。このとき、内部用通路部470gから分岐通路474に流入した加圧燃料は、ジェットポンプ50及びリリーフバルブ2479の側へと向かって流通するが、当該流通は、内部残圧保持バルブ2475の閉弁時には止められる。その結果、閉弁した内部残圧保持バルブ2475の残圧保持機能による保持圧力は、例えば400kPaとなる。尚、内部残圧保持バルブ2475につき、以上説明した以外の構成は、第一実施形態で説明した内部残圧保持バルブ475の構成に準じている。
【0073】
図8に示すようにリリーフ通路2476は、突部2047のうち上下方向にて吐出通路2472と内部残圧保持バルブ2475との間に位置する中間部に、段付円筒孔状に形成されている。リリーフ通路2476は、分岐通路474において内部残圧保持バルブ2475よりも下流側から分岐していると共に、当該分岐箇所とは反対側にてリリーフバルブ2479と連通している。こうした分岐並びに連通形態によりリリーフ通路2476は、内部残圧保持バルブ2475を通して内部用通路部470gから排出される燃料をリリーフバルブ2479にまで案内する。
【0074】
図7に示すようにリリーフバルブ2479は、スプリング付勢式のチェックバルブであり、リリーフ通路2476と連通している。リリーフバルブ2479は、サブタンク20内と連通することで、リリーフ通路2476の案内燃料を同タンク20内へ排出可能となっている。リリーフバルブ2479は、分岐通路474を介してリリーフ通路2476と通じた燃料通路2470を、開閉する。具体的には、燃料ポンプ2042の作動及び停止に拘らず、内部残圧保持バルブ2475が閉弁してリリーフ通路2476の圧力が開弁圧未満となる間は、リリーフバルブ2479が閉弁する。この閉弁時には、内部残圧保持バルブ2475も閉弁状態にあるので、ジェットポンプ50側には燃料が流通しない。一方、燃料ポンプ2042の作動により内部残圧保持バルブ2475が開弁して、内部用通路部470gから開弁圧以上の燃料が当該バルブ2475により排出されると、リリーフバルブ2479が開弁する。この開弁時には、内部用通路部470gから燃料が内部残圧保持バルブ2475を通してサブタンク20内に排出される。その結果、ジェットポンプ50側へと向かう燃料の圧力が逃がされる。即ち、内部残圧保持バルブ2475による燃料通路2470からの排出燃料に対しては、開弁したリリーフバルブ2479によりリリーフ機能が発揮される。尚、リリーフバルブ2479のリリーフ機能による開弁圧は、例えば50kPaとなるように、設定されている。
【0075】
図8〜10に示すように、第二実施形態においてリリーフポート442及びリリーフバルブ443の設けられていないポート部材2044は、上下方向にて二つに分割されている。こうしたポート部材2044では、上方に位置するポート形成体2044aが吐出ポート2440を形成している一方、下方に位置するポート形成体2044bが案内部444等によりジェットポート441を形成している。尚、ポート部材2044について以上説明した以外の構成は、吐出ポート2440が最下流端を側方に向けている点を除き、第一実施形態で説明したポート部材44及び吐出ポート440の構成に準じている。
【0076】
このような第二実施形態においても、第一実施形態と実質同一の接続構造60により、要素41,2042,2043,2044等から構成されるポンプユニット40がジェットポンプ50と接続される。したがって、第一実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
【0077】
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0078】
具体的に第一及び第二実施形態に関する変形例1では、
図11に示すように、案内部444を加圧部500の内周側に挿入してもよい。ここで、
図11に示す変形例1において加圧部500の内周面により形成される支持面500aは、案内部444の外周側に同軸上に配置されることで、同部444に対して軸方向に摺動可能に底部20a側から嵌合している。また、
図11に示す変形例1において加圧部500の内周面により形成される遊挿面500bは、案内部444の外周側に同軸上に配置されることで、案内部444に対して径方向隙間441aをあけて底部20a側から外挿されている。即ち、遊挿面500bの内周側に、案内部444が遊挿されている。さらにまた、
図11に示す変形例1においてショルダ面500cは、サブタンク20の底部20a側となる下方を向くように、案内部444に形成されている。
【0079】
第一及び第二実施形態に関する変形例2では、ショルダ面500cから軸方向の底部20a側へ離間させた箇所にて、支持面500aを同面500cの外周縁よりも大径に形成してもよい。また、第一及び第二実施形態に関する変形例3では、
図12に示すように、支持面500aの外周側からは軸方向に外れた箇所にて、緩衝部材600を案内部444に係止させてもよい。さらにまた、第一及び第二実施形態に関する変形例4では、案内部444の内部若しくは加圧部500の内部、またはそれら両部444,500の内部に、緩衝部材600を配置してもよい。
【0080】
第一及び第二実施形態に関する変形例5では、
図13に示すように、係合窓部509をポンプユニット40に設ける一方、ガイド部508と共に係合爪部445をジェットポンプ50に設けてもよい。ここで、
図13に示す変形例5の製造時においては、加圧部500を案内部444内へと挿入していくことで、各係合爪部445が案内部444により押圧されて各ガイド部508が弾性変形する。その結果として各ガイド部508は、各係合爪部445の各係合窓部509への進入に伴って、今度は弾性復原することになる。このように
図13に示す変形例5においても、各係合窓部509への各係合爪部445の係合状態は、各ガイド部508の弾性変形と弾性復原とを利用したスナップフィットにより、実現可能である。
【0081】
第一及び第二実施形態に関する変形例6では、ガイド部508と係合窓部509と係合爪部445との組を、
図11に示す如く設けなくてもよい。また、第一及び第二実施形態に関する変形例7では、ポンプユニット40の一部をサブタンク20に固定してもよい。このような変形例7でも、ポンプユニット40とジェットポンプ50との間における衝撃並びに振動の伝播経路においては、本発明の作用効果を期待し得る。