【課題】本発明は、利用者側で操作される表の情報配置形式が、データベースにおいて定義される表形式と大きく異なっても、適切に業務情報の入出力を行うことが可能なデータベース制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、クライアント端末において入力操作される業務情報入力表の種類に応じて、業務情報データベースから個別業務情報群を抽出し、これに基づいて第一の参照用表及び業務情報入力表を生成することを特徴とする。
更に、新個別業務情報として、業務情報入力表に画像情報が含まれる場合、第一の参照用表又は業務情報入力表を参照して、画像情報及び当該画像情報の表中の挿入位置を特定すると共に、特定した画像情報及び画像情報の挿入位置情報を業務情報データベースに格納する画像情報格納手段を備える請求項1又は2に記載のデータベース制御装置。
更に、新個別業務情報として、業務情報入力表に画像情報が含まれる場合、第一の参照用表又は業務情報入力表を参照して、画像情報及び当該画像情報の表中の挿入位置を特定すると共に、特定した画像情報及び画像情報の挿入位置情報を業務情報データベースに格納する画像情報格納手段を備える請求項5又は6に記載のデータベース制御プログラム。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信分野におけるハードウェア及びソフトウェア技術の急速な進歩によって、膨大な量の情報の蓄積と、これら蓄積された情報を加工し、活用する様々なサービスが開発されている。特に、ハードウェアの記憶容量の大幅な増大、データベース技術、及びデータベースの動作をコントロールする制御システムの進歩、並びにデータベースと通信ネットワークを介して接続される各種端末との情報の送受信に係る通信技術の発展から、データベースを含む情報通信システム(以下、「データベースシステム」という。)を用いて、多くの情報を一元的かつ系統的に管理することが可能となった。また、これらの情報を所望の目的に応じて加工することが可能となった。
【0003】
これらのデータベースシステムは、企業においても積極的に利用されている。その一例として、製品販売状況や在庫管理状況などの営業活動に係わる業務支援ツールとしての利用が挙げられる。このデータベースシステムでは、上記のような種々の業務情報をデータベースに蓄積させる。また、蓄積された業務情報を用いて、予算策定、業務進捗管理、マーケティング戦略立案等を行うなどの方法で活用されている。その結果、営業活動に係る事務処理負担が大幅に削減されるという従業員側のメリットに加えて、経営判断に必要な情報が迅速に更新されるため、スピーディーかつ的確な経営判断を行うことが可能という経営者側のメリットを有する。ここで、データベースには、行と列によって構成される表形式で情報が蓄積される。
【0004】
その一方で、経営者や従業員等の業務情報に係わる者の中には、操作の利便性などの観点から、いわゆるパーソナルコンピュータ端末にインストールされている汎用の表計算ソフトウェア(例えば、Microsoft社製品のMicrosoft Office Excel)を用いて、業務情報の入出力や管理を行う者が多い。
【0005】
しかしながら、上記汎用の表計算ソフトウェアを用いて管理される情報をデータベースに入力する場合、データベースへの情報入出力規則等の制約から、汎用表計算ソフトウェアで作成された表内の情報を、当該表形式を保ったままデータベースに移行させることができない場合が多々ある。また、一つの表計算ファイルを複数人で共有する場合、誰か一人が作業を行っているときは、他の者がその表計算ファイルに情報を書き込めないといった不都合が生じる。更に、個人個人で作成した表計算ファイルの一部を、複数人で共有する統合用の表計算ファイルに移行するなどして帳票類を作成する場合、所謂コピーアンドペーストをする必要があるが、作業時間が掛かるといった不都合や、必要なデータが移行されていない、あるいはデータが重複するなどの作業上のミスが発生するおそれが高い。そのため、改めてデータベース入力用に当該データを編集する必要があるなど、データベースへの情報入力等の場面で、大きな作業負担が生じていた。
【0006】
このような課題を解決する技術として、下記特許文献1に記載の技術が開示されている。特許文献1に記載の技術は、データベースシステムの利用者によって作成された汎用表計算ソフトのテンプレートに対して、データベース内のデータを入出力するための方法を定義した情報を記憶装置に登録するテンプレート登録手段と、テンプレート登録手段によって登録された入出力定義情報に従って、データベース内に格納されたデータを上記表計算ソフトのテンプレートに出力し、汎用表計算ソフトの帳票とするデータ出力手段を備えることを特徴とするデータ入出力装置である。この技術によって、データベースへの情報の入出力の際、利用者側の汎用表計算ソフトで作成された帳票に係るデータを活用することができ、データベース利用者の作業負担を軽減させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、データベースの活用場面として、電力会社工務部門の電力設備管理業務や自治体での道路設備維持管理業務などが想定されている。そのため、上記汎用表計算ソフトウェアで作成される表は、設備台帳、事故障害台帳、点検台帳等である。これらの台帳等は、表の第一行目に情報分類のためのフィールドが定義配置された上で、各フィールドと同じ列には同類の情報が蓄積配置されるというデータベーステーブルにおける情報配置形式とほぼ同じ形式が取られている。そのため、表計算ソフトウェアで作成された表形式と、データベースにおいて定義される表形式との間の親和性が比較的高い。
【0009】
これに対して、上記のような設備管理業務以外の営業活動への支援ツールとして、データベースシステムを活用する場合、例えば、営業日報や見積書などへの業務情報の入出力機能を備えていることが好ましい。しかし、営業日報や見積書などでは、これらの書類を確認する者(営業日報を確認する管理者、見積書の提示を受ける顧客等)に対する情報の視認性や、情報伝達の正確性などの観点から、上記書類の表内に各業務情報が配置されるものである。すなわち、営業日報や見積書などにおける業務情報は、上記のデータベーステーブルにおける情報配置形式(表の第一行目に定義配置される各フィールドと同じ列に同類の情報が規則正しく配列される)とは異なる形式で配置される場合が生じる。そのため、上記書類内の業務情報の配置形式が、データベースにおいて定義される表形式と大きく異なっていることが多々ある。上記特許文献1に記載の技術では、利用者(情報の入出力操作を行う従業員や管理者等)側の情報端末等で操作される表の情報配置形式が、データベースにおいて定義される表形式と大きく異なる場合については考慮されておらず、このような表形式に記載の情報をデータベースに入出力する場合、種々の不都合が生じる可能性がある。
【0010】
それに加えて、データベースシステムの利用者において作成するテンプレートは、利用者の表作成に係る嗜好や、汎用表計算ソフトウェアの種類・バージョンによって自由度が高い。そのため、特許文献1に記載の技術に係るデータベースに記憶されるテンプレートの定義情報が、膨大な量となる可能性がある。そのため、データベース内の情報処理時に大きな負荷がかかるという問題を有する。
【0011】
上記課題に鑑み、本発明は、利用者側の情報端末等で操作される表の情報配置形式が、データベースにおいて定義される表形式と大きく異なる場合であっても、情報処理上の特段の負荷がかからず、適切に業務情報の入出力を行うことが可能なデータベース制御装置、データベースシステム及びデータベース制御プログラムを提供することを目的とする。また、一つの表計算ファイルを複数人で共有する場合であっても、当該複数人が同時並行的に作業を進めることが可能であり、且つ必要なデータが移行されていない、あるいはデータが重複するなどの作業上のミスが発生するおそれを大幅に低減させることが可能なデータベース制御装置、データベースシステム及びデータベース制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための本発明に係るデータベース制御装置は、
通信回線を介して、クライアント端末及びメールサーバと接続されており、
クライアント端末で入力された業務情報が格納される業務情報データベースと、
クライアント端末及びメールサーバとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段と、
クライアント端末から受信した業務情報を業務情報データベースに格納する情報格納手段と、を含み、
クライアント端末において入力操作される業務情報入力表の種類に応じて、業務情報データベースに格納された所定のテーブルから、少なくとも一種類以上の個別業務情報群を抽出する個別業務情報群抽出手段と、
個別業務情報群抽出手段によって抽出された個別業務情報群が出力される第一の参照用表を生成する第一の参照用表生成手段と、
第一の参照用表に出力された個別業務情報群のうち、必要な個別業務情報を複写させて業務情報入力表を生成する業務情報入力表生成手段と、
第一の参照用表生成手段及び業務情報入力表生成手段によって生成された第一の参照用表及び業務情報入力表を、表計算ファイル形式でクライアント端末に送信する表計算ファイル送信手段と、
前記メールサーバにアクセスし、前記クライアント端末から前記メールサーバに送信された新たな個別業務情報を含む表計算ファイルを取得する表計算ファイル取得手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
ここで本発明は、
クライアント端末において、前記新個別業務情報が前記業務情報入力用表に入力されると、旧個別業務情報を新個別業務情報に変更するよう前記第一の参照用表が更新され、
前記表計算ファイル取得手段によって、クライアント端末から新個別業務情報を含む表計算ファイルを取得すると、前記第一の参照用表を参照して新個別業務情報を特定し、特定された新個別業務情報を業務情報データベースに格納する新個別業務情報格納手段を更に備えることが好ましい。
【0014】
更に、本発明は、
新個別業務情報として、業務情報入力表に画像情報が含まれる場合、第一の参照用表又は業務情報入力表を参照して、画像情報及び当該画像情報の表中の挿入位置を特定すると共に、特定した画像情報及び画像情報の挿入位置情報を業務情報データベースに格納する画像情報格納手段を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るデータベースシステムは、
前記データベース制御装置と、
通信回線を介して、前記データベース制御装置と接続されるクライアント端末と、
を含み、
前記データベース装置及びクライアント端末が、それぞれメールサーバとも接続されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るデータベース制御プログラムは、
クライアント端末で入力された業務情報が格納される業務情報データベースを制御し、
クライアント端末及びメールサーバとの間で情報の送受信を行う情報送受信手段と、
クライアント端末から受信した業務情報を業務情報データベースに格納する情報格納手段と、を含み、
クライアント端末において入力操作される業務情報入力表の種類に応じて、業務情報データベースに格納された所定のテーブルから、少なくとも一種類以上の個別業務情報群を抽出する個別業務情報群抽出手段と、
個別業務情報群抽出手段によって抽出された個別業務情報群が出力される第一の参照用表を生成する第一の参照用表生成手段と、
第一の参照用表に出力された個別業務情報群のうち、必要な個別業務情報を複写させて業務情報入力表を生成する業務情報入力表生成手段と、
第一の参照用表生成手段及び業務情報入力表生成手段によって生成された第一の参照用表及び業務情報入力表を、表計算ファイル形式でクライアント端末に送信する表計算ファイル送信手段と、
前記メールサーバにアクセスし、前記クライアント端末から前記メールサーバに送信された新たな個別業務情報を含む表計算ファイルを取得する表計算ファイル取得手段と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
ここで本発明に係るデータベース制御プログラムは、
クライアント端末において、前記新個別業務情報が前記業務情報入力用表に入力されると、旧個別業務情報を新個別業務情報に変更するよう前記第一の参照用表が更新され、
前記表計算ファイル取得手段によって、クライアント端末から新個別業務情報を含む表計算ファイルを取得すると、前記第一の参照用表を参照して新個別業務情報を特定し、特定された新個別業務情報を業務情報データベースに格納する新個別業務情報格納手段を更に備えることが好ましい。
【0018】
更に、本発明に係るデータベース制御プログラムは、
新個別業務情報として、業務情報入力表に画像情報が含まれる場合、第一の参照用表又は業務情報入力表を参照して、画像情報及び当該画像情報の表中の挿入位置を特定すると共に、特定した画像情報及び画像情報の挿入位置情報を業務情報データベースに格納する画像情報格納手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、利用者側の情報端末等で操作される表の情報配置形式が、データベースにおいて定義される表形式と大きく異なる場合であっても、情報処理上の特段の負荷がかからず、適切に業務情報の入出力を行うことが可能なデータベース制御装置、データベースシステム及びデータベース制御プログラムを提供することができる。また、一つの表計算ファイルを複数人で共有する場合であっても、当該複数人が同時並行的に作業を進めることが可能であり、且つ必要なデータが移行されていない、あるいはデータが重複するなどの作業上のミスが発生するおそれを大幅に低減させることが可能なデータベース制御装置、データベースシステム及びデータベース制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0022】
(データベース制御装置10の全体構成)
まず
図1から
図6を参照して、本発明の実施形態に係るデータベース制御装置10の全体構成を説明する。
図1は、本発明に係るデータベース制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、データベース制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)等の演算処理部11、RAM(random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ部12、ハードディスクドライブもしくは半導体記憶装置等の記憶部13、マウス、キーボード又はディスプレイ等の入出力装置と接続するインターフェイス部14、及び他の情報処理装置と通信するための通信部15等を備えている。また、上記各ハードウェアは、内部バス16によって接続されている。ここで、記憶部13には、本発明に係る各手段(情報処理機能)を実現するためのコンピュータプログラムがインストールされている(詳細は、後述する。)。ここで、コンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROMなどの記録媒体へ記憶させて提供することもできるし、通信回線を通じて伝送することも可能である。なお、以下の説明において、上記コンピュータプログラムを「データベース制御プログラム」と言うことがある。
【0023】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るデータベース制御装置10において実現される各手段(情報処理機能)を説明する。データベース制御装置10は、業務情報データベース100、情報送受信手段110、情報格納手段120、個別業務情報群抽出手段130、第一の参照用表生成手段140、業務情報入力表生成手段150、表計算ファイル送信手段160、表計算ファイル取得手段170を含む。また、本実施形態に係るデータベース制御装置10は、通信回線20を介して、業務情報の入力操作を行うクライアント端末30と、メールサーバ40と接続される(ただし、これ以外の情報端末、サーバ等と接続されていてもよいことはもちろんである。)。更に、クライアント端末30の利用者が、当該クライアント端末30にインストールされているウェブブラウザを用いて、データベース制御装置10からウェブ情報を取得する場合を踏まえ、データベース制御装置10は、別途ウェブサーバを備えていてもよい。なお、以下の説明において、データベース制御装置10、クライアント端末30を含むシステムを「データベースシステム」と言うことがある。
【0024】
まず、業務情報データベース100は、
図3に示されるように、各種の業務情報が表記される業務情報テーブル101と、後述する業務情報入力表のテンプレート表に関する情報が表記される業務情報入力表テンプレートテーブル102を含む。本実施形態では、業務情報データベース100に表記される情報の分類、管理目的並びに情報検索における効率性等の観点から、業務情報データベース100には、複数種類の業務情報テーブル101が含まれている。また、これらの業務情報テーブル101のいくつか又は全部は、相互に関連付けされていることが好ましい。ここで、業務情報とは、製品販売情報、在庫管理情報、予算管理情報、従業員の営業日報情報、業務進捗情報のほか、営業活動に係る各種情報を指すものとする。
【0025】
業務情報テーブル101としては、例えば
図3(a)に示されるような構成のものが考えられる。
図3(a)に示される業務情報テーブル101は、営業日報情報テーブルである。このとき、当該業務情報テーブル101には、入力者ID、業務担当者名、顧客種別、販売製品、顧客名、販売日が、フィールドとしてテーブル第一行目に記載されている。具体的な各個別業務情報は、このフィールドに従って分類表記される。
【0026】
業務情報入力表テンプレートテーブル102としては、例えば
図3(b)に示されるような構成のものが考えられる。業務情報入力表テンプレートテーブル102には、フィールドとして、業務情報入力表の名称、表の入力操作可能者、業務情報入力表に係わるバイナリーデータ(表に入力された文字情報、画像情報、関数等に係わる情報など)などが第一行目に記載されている。業務情報入力表テンプレートテーブル102に現される情報は、これら各フィールドに従って分類表記される。
【0027】
次に、情報送受信手段110は、クライアント端末30の要求に応じて業務情報等を送信する、あるいはクライアント端末30やメールサーバ40から、例えば新たな業務情報やメール情報等を受信する手段である。また、情報格納手段120は、受信した業務情報や業務情報入力表に関する情報等を業務情報データベース100に格納する手段である。
【0028】
次に、個別業務情報群抽出手段130は、業務情報データベース100内の業務情報テーブル101から、少なくとも一種類以上の個別業務情報群を抽出する手段である。ここで、「個別業務情報」とは、例えば、経営者・従業員の氏名、ID、顧客名などといった、業務情報テーブル101内に表記される各業務情報を指す。また、「個別業務情報群」とは、業務情報テーブル101内の同じフィールドに属するとして関連付けられる複数の個別業務情報などのように、情報の分類上、共通の性質を持つと定義される同種の個別業務情報の集合を指す。個別業務情報群の一例としては、業務情報テーブル101の氏名フィールドに属する情報の集合、顧客名フィールドに属する情報の集合、あるいは、氏名フィールドに属し、且つ同じ営業所に所属する従業員の情報の集合、などが挙げられる。
【0029】
個別業務情報群抽出手段130によって抽出される個別業務情報群は、クライアント端末30において入力操作される業務情報入力表の種類に応じて選択される。すなわち、クライアント端末30側での入力情報と関連性の高い業務情報である(抽出される個別業務情報群の設定・抽出過程等の詳細については、後述する。)。本実施形態では、業務情報入力表毎に、いずれの個別業務情報群を抽出するか否かを判定するためのプログラムを用いて個別業務情報群の抽出を行う。この個別業務情報群の抽出に係る設定は、本発明に係るデータベース制御装置10の利用者の操作によって変更可能であることが好ましい。
【0030】
次に、第一の参照用表生成手段140は、個別業務情報群抽出手段130によって抽出された個別業務情報群の出力先である第一の参照用表141を生成する手段である。第一の参照用表141の一例を
図4に示す。
図4に示される第一の参照用表141の場合、抽出された複数の個別業務情報群が、第一の参照用表141の列毎に配置されている。ただし、個別業務情報群の配置方法等は、これに限られるものではない。
【0031】
次に、業務情報入力表生成手段150は、上記第一の参照用表141に出力された個別業務情報群のうち、必要な個別業務情報を複写させて現される業務情報入力表151を生成する手段である。業務情報入力表151の一例を
図5に示す。
図5に示される業務情報入力表151は、営業日報に関するものである。業務情報入力表151と上記の第一の参照用表141とは相互に関連付けられている。本実施形態では、所定の関数やマクロを使って、第一の参照用表141に表記された個別業務情報のうち必要な個別業務情報を、業務情報入力表151の所定セルに複写させる。ただし、個別業務情報の複写方法については、これに限られるものではない。
【0032】
本実施形態では、業務情報入力表151として、上記の業務情報データベース100内に格納される業務情報入力表のテンプレート表を用いるものとする。その際、業務情報入力表テンプレートテーブル102を参照する。このとき、テンプレートとして格納される業務情報入力表には、データベース制御装置10の利用者によって、個別業務情報を複写させるための所定の関数やマクロが設定されている。また、これらの関数やマクロに係わる個別業務情報の複写方法に関する情報は、テンプレート用の業務情報入力表と共に、業務情報データベース100に格納される。ただし、個別業務情報の複写に関するプログラムを、データベース制御装置10において自動的に設定してもよい。
【0033】
次に、表計算ファイル送信手段160は、第一の参照用表生成手段140及び業務情報入力表生成手段150によって生成された第一の参照用表141及び業務情報入力表151を、表計算ファイルとしてデータファイル化し、当該データファイルをクライアント端末30に送信する手段である。本実施形態では、送信される表計算ファイルは、クライアント端末30にインストールされている汎用表計算ソフトウェアで利用できるデータファイルである。このとき、
図6に示されるように、第一の参照用表141と業務情報入力表151とは、所謂シートによって隔てられ、一つの表計算ファイル161が形成される。ここで、
図6に示されるように、第一の参照用表141と業務情報入力表151を示すシートに加えて、入力後の個別業務情報が反映される第二の参照用表142を、1シートとして表計算ファイル161内に設けるようにしてもよい。このように、第二の参照用表142を設けることで、クライアント端末30において、新たに入力された個別業務情報を容易に特定することができ、業務情報データベース100への格納に関する情報処理の負担を軽減することができる(新たに入力された個別業務情報の格納に関しては、後述する。)。なお、
図6において、業務情報入力表151のシート名を「入力用シート」、第一の参照用表141のシート名を「REFERENCE」、第二の参照用表142のシート名を「REGIST」のように各々表記されているが、シート名はこれに限られるものではない。
【0034】
次に、表計算ファイル取得手段170は、メールサーバ40にアクセスし、クライアント端末30からメールサーバ40に送信された新たな個別業務情報を含む表計算ファイルを取得する手段である。クライアント端末30の利用者において、業務情報入力表151等に新たな個別業務情報が入力された後、クライアント端末30からメールサーバ40に、添付ファイルとして上記の新個別業務情報が入力された表計算ファイル161を含むメール情報が送信される。ここで、データベース制御装置10は、表計算ファイル取得手段170によって、メールサーバ40へアクセスし、新個別業務情報を含む表計算ファイル161がメールサーバ40に保持されている場合、メールサーバ40に対し当該表計算ファイル161を送信するよう指示し、これを取得する。なお、データベース制御装置10のメールサーバ40へのアクセスタイミングの設定は任意であるが、例えば、表計算ファイル161の保持の有無に関わらず、任意のタイミングでアクセスする、あるいはメールサーバ40が、新個別業務情報を含む表計算ファイル161の受信と同期させて、当該表計算ファイル161を受け取った旨の情報をデータベース制御装置10に送信し、この送信情報に基づきデータベース制御装置10が、メールサーバ40にアクセスする、等の方法が考えられる。
【0035】
仮に、クライアント端末30が、データベース制御装置10に直接アクセスし、新個別業務情報を含む表計算ファイル161をアップロードする形式の場合、データベース制御装置10の所定の通信ポートが開いた状態となる。この場合、クライアント端末30以外の情報端末からもデータベース制御装置10へアクセス可能な状態となり、情報セキュリティの観点から問題が生じる。表計算ファイル161の送信において、電子メールでの送信をさせることで、データベース制御装置10は、所定の通信ポートを開かずともクライアント端末30から表計算ファイル161を受け取ることが可能となる。その結果、情報セキュリティ上の安全性が担保される。
【0036】
本発明に係るデータベース制御装置10は、新個別業務情報格納手段180を更に備えることが好ましい。新個別業務情報格納手段180は、電子メール送信指示手段170によって、クライアント端末30から新個別業務情報を含む表計算ファイル161を受信すると、第一の参照用表141を参照して新個別業務情報を特定し、これを業務情報データベース100に格納する手段である。ここで、上記のように、受信する表計算ファイル161内に入力後の個別業務情報を反映する第二の参照用表142を設ける場合、この第二の参照用表142を参照して新個別業務情報を特定するようにしてもよい。
【0037】
なお、業務情報入力表151の種類が、例えば営業日報などの場合、新たな個別業務情報として、文字情報に加えて画像情報が含まれることがある。この場合、データベース制御装置10は、第一の参照用表141、第二の参照用表142又は業務情報入力表151を参照して、当該画像情報及びこの画像情報の表中の挿入位置を特定した後、画像情報及び画像情報の挿入位置情報を業務情報データベース100に格納する画像情報格納手段190を備えてもよい。ここで、画像情報には、写真などの静止画の他、映像などの動画を含むものであってもよい。このように、画像情報を含む業務情報入力表151を利用可能とすることで、業務情報入力表151を作成する側の利用者(例えば、業務担当者など)の作業自由度を増やすことができる。更に、業務情報入力表151を閲覧確認する側の利用者(例えば、業務管理者など)にとっても、業務確認のための情報量が増え、作成された業務情報入力表151の理解を促進させることができる。
【0038】
(抽出される個別業務情報群の設定)
次に、
図7及び
図8を用いて、個別業務情報群抽出手段130によって抽出される個別業務情報群の設定処理に関するステップを示す。
図7は、この処理の一例を示すフローチャートである。まず、個別業務情報の入力が行われる業務情報入力表151をテンプレートとして登録する(S11)。以下、S11のステップで登録される業務情報入力表を、テンプレート表と言う。
【0039】
このとき、テンプレート表には、表のタイトルや入力項目名等の文字列、並びに文字列の配置レイアウト及び背景色などの設定が施されている。また、上記した第一の参照用表141から複写される個別業務情報に係わる関数やマクロの情報が含まれていてもよい。このテンプレート表が登録されると、当該表を特定するための情報と共に、上記の文字列や配置レイアウト等に関する表内の情報を示すバイナリーデータが、業務情報入力表テンプレートテーブル102に蓄積され、業務情報データベース100に格納される。
【0040】
次に、登録されたテンプレート表に関する業務情報入力表151への入力操作を行う場合に抽出される個別業務情報群が指定される(S12)。
図8は、個別業務情報群の指定の際に、データベース制御装置10にアクセスしたクライアント端末30に表示される設定画面の一例である。設定画面810内の設定表811の各行に、テーブル名、テーブル列、固定条件などの項目が並んでいる。これに対して、設定表811の各列に、列1、列2、列3などの項目が並んでいる。
【0041】
ここで、設定表811の行項目に記されるテーブル名とは、業務情報データベース100内であって、抽出される個別業務情報群の属する業務情報テーブル101の名称である。また、テーブル列とは、当該業務情報テーブル101の中の個別業務情報群の属する列(フィールド)である。更に、固定条件とは、個別業務情報群の属する列の中の詳細な抽出条件を示すものである。
【0042】
これに対して、設定表811の各列に示される列1、列2、列3とは、上記設定表811の各行に示される条件によって特定される個別業務情報群を、出力先の第一の参照用表141のいずれの列に表記するかを指定するものである。
【0043】
これによって、指定された個別業務情報群とテンプレート表とが、対応付けられる。具体的には、特定の業務情報入力表151が、個別業務情報の入力作業を行うための表として指定された場合に、いずれの個別業務情報群を抽出するかを特定し命令するプログラムが生成され、これがデータベース制御装置10の記憶部13に書き込まれる(S13)。
【0044】
なお、上述した個別業務情報群の設定画面810等に関する情報を、クライアント端末30にインストールされたウェブブラウザによって表示させるようにしてもよい。このとき、クライアント端末30の利用者は、当該表示された設定画面810に関するウェブ情報に基づき操作を行う。この場合、データベース制御装置10は、クライアント端末30からの設定画面810に係るウェブ情報等の送信要求を受信すると、例えば情報送受信手段110により、あるいは別途設けたウェブサーバへ指示し、ウェブサーバを介する形式で当該ウェブ情報を送信するようにすることが考えられる。
【0045】
(業務情報入力表が生成されるまでの情報処理)
次に、
図9を用いて、業務情報入力表151が生成されるまでの情報処理に関するステップを示す。
図9は、この処理の一例を示すフローチャートである。まず、データベース制御装置10は、クライアント端末30から、入力操作を行う業務情報入力表151のダウンロード要求情報を受信する(S21)。なお、クライアント端末30での業務情報入力表151のダウンロード要求等に関する操作は、クライアント端末30に表示されるウェブ情報によって行うようにしてもよい。上記操作画面に係るウェブ情報は、例えば情報送受信手段110により、ウェブサーバを介する形式で送信されるようにすることが考えられる。
【0046】
このダウンロード要求情報には、業務情報入力表151の識別情報が含まれている。データベース制御装置10は、この識別情報に基づき、ダウンロードが要求される業務情報入力表151のテンプレート表を、業務情報入力表テンプレートテーブル102を参照して業務情報データベース100から抽出する(S22)。
【0047】
業務情報入力表テンプレートテーブル102には、業務情報入力表151(テンプレート表を含む)に関する情報と共に、個別業務情報群抽出手段130によって抽出される個別業務情報群に関する情報が関連付けられている。従って、データベース制御装置10は、業務情報入力表テンプレートテーブル102を参照し、要求される業務情報入力表151に関連付けられる個別業務情報群を抽出する(S23)。
【0048】
次に、データベース制御装置10は、抽出された個別業務情報群を出力し、第一の参照用表141を生成する(S24)。このとき、各個別業務情報群は、上記の個別業務情報群の設定処理で設定された列情報に従って、第一の参照用表141の所定列に表記される。このとき、生成された第一の参照用表141は、S22で抽出されたテンプレート表である業務情報入力表151と同じ表計算ファイルとしてデータファイル化される。すなわち、データファイル化された表計算ファイルの中で、業務情報入力表151を1シートとすると共に、第一の参照用表141をこれとは異なる1シートとする。
【0049】
最後に、第一の参照用表141に含まれる個別業務情報群のうち、必要な個別業務情報が、さきほどの業務情報入力表151の所定セル内に複写される(S25)。このとき、業務情報入力表151には、所定の関数やマクロによって、第一の参照用表141に表記される個別業務情報のうちの複写対象となる個別業務情報が、いずれのセルに複写されるかに関する設定がなされている。これにより、クライアント端末30からダウンロード要求される業務情報入力表151が、生成される。
【0050】
上記の一連のステップによって、要求された業務情報入力表151を含む表計算ファイル161が生成される。データベース制御装置10は、情報送受信手段110によって、生成された表計算ファイル161をクライアント端末30に送信する。
【0051】
(業務情報データベースの更新までの情報処理)
次に、
図10を用いて、業務情報データベース100が更新されるまでの情報処理に関するステップを示す。
図10は、この処理の一例を示すフローチャートである。まず、クライアント端末30からメールサーバ40に、新個別業務情報を含む表計算ファイル161が添付されたメール情報が送信される(S31)。ここで、クライアント端末30からメールサーバ40へのメール送信であるが、例えば、クライアント端末30にインストールされているメール送受信ソフトウェア(所謂メーラー)を用いる等の方法が考えられる。この場合、メールサーバ40に係るメールアドレスを送信先アドレスとして指定し、新個別業務情報を含む表計算ファイル161が添付されたメールが作成された後、当該メールが、メールサーバ40へ送信される。
【0052】
メールサーバ40は、クラアント端末30から上記メールを受信すると、新個別業務情報を含む表計算ファイル161を保持した状態となる。これに対し、所定のタイミングで、データベース制御装置10は、メールサーバ40へアクセスする(S32)。仮に、データベース制御装置10のメールサーバ40へのアクセスタイミングで、メールサーバ40が、上記表計算ファイル161を保持した状態であれば、データベース制御装置10の要求に応じて、メールサーバ40は、表計算ファイル161をデータベース制御装置10へ送信する(S33)。
【0053】
新個別業務情報を含む表計算ファイル161を受信(取得)した後、データベース制御装置10は、受信した表計算ファイル161に含まれる第一の参照用表141を参照し、新たな個別業務情報を特定する(S34)。このとき、表計算ファイル161が、新たな個別業務情報のみが反映された上記第二の参照用表142を含む場合、データベース制御装置10は、当該参照用表142を参照するようにしてもよい。このとき、データベース制御装置10は、新たな個別業務情報を特定する際、業務情報入力表151を参照してもよい。
【0054】
最後に、第一の参照用表141等を参照した結果、新たな個別業務情報が特定されると、データベース制御装置10は、この個別業務情報を業務情報テーブル101に蓄積し、業務情報データベース100を更新する(S35)。
【0055】
ここで、第一の参照用表141、第二の参照用表142又は業務情報入力表151に、新たな個別業務情報として画像情報が含まれる場合、データベース制御装置10は、上記表を参照して、当該画像情報を新たな個別業務情報として特定すると共に、この画像情報の表中の挿入位置を特定する。その後、データベース制御装置10は、画像情報及び画像情報の挿入位置情報を、業務情報テーブル101に蓄積し、業務情報データベース100を更新する。